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選択組立における組合せ最適化 —自動車エンジンの事例—

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Academic year: 2021

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論文・事例研究

選択組立における組合せ最適化

一自動車エンジンの事例ー

山田泰弘,古林隆

11川川11川川11川川11川川11川11川11川川11川川11川川11川111川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川11川11川11川川11川川11川11川11川川11川川11川11川川11川11川川11川川11川11川11川川11川川11川11川川11川川11川11川111川川11川川11川川11川11川川11川川11川川11川川11川川11川11川11川川11川川11川川11川川11川川11川11川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11附川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川11川11川川11川川11川川11川川11川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川山11川川11川川11川川11川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川11川川11川川11川川11川11川川11川川11川11川川11川11川11川i刊川山11川川11川11川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川11川11川11川11川1111川11川11川11川11川11川川11川川11川11川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川川11川11川川11川川11川川11川川11川 │ 11 1.はじめに 特性にばらつきのある部品から,高精度な組立品を 低コストで生産するために選択組立が行われる. 従来より,部品をその特性に応じて幾つかのクラス に区分けし対応するクラスに属する部品をランダム に組立てる層別法 CGrouping Method) が,電子部品, ベアリングなどの組立に適用されている [1-5

]

.

選択組立の方法として近年注目されているのが,コ ンビュータによる組合せ最適化を適用する方法である. 部品の特性のばらつきを許容し,ロット単位で全ての 部品の特性情報を参照して最適な部品の組合せを決定 し,選択的に組立てることが可能になっている [6-1 1J. 組合せ最適化手法による選択組立は,層別法に換わる 極めて優れた方法であることが明らかにされている [8 ], また山田・古林 [9. 10J は, 2 部グラフの最小費用マッ チングアルゴリズムを用いた選択組立によって,ロッ ト単位で単に組立率を最大にするだけでなく,組立品 を構成している部品問の特性差を最適化できることを 示し,その効果を明らかにした. 本研究では,軸部品と穴部品の選択組立が行われて いる自動車エンジンの事例を取り上げる まず,軸部 品の軸径の分布を穴部品の穴径から許容隙聞を引し、た 値の分布にできるだけ近づけるために,軸径の工程平 均を変えて軸部品を生産して混合することにする.次 に,このようにして得られる軸部品と穴部品に対して, 従来から行われている層別法と最小費用マッチング法 による選択組立とをシミュレーションで比較し後者 がし、かに優れているかを示す. ゃまだやすひろ 長岡技術科学大学工学部 干 940-21 長岡市上富岡町 1603-1 こばやし たかし法政大学工学部 〒 184 小金井市梶野町3-72 受理 94.4.27

2. 選択組立問題

2 種類の部品を組立てて半製品または製品を生産し ている工程を考える.ここでは,軸部品と穴部品を組 立てる場合をとりあげる.部品規格に適合して組立工 程に供給されている部品のロットサイズを,それぞれ Np , Nh とおく i 番目の軸部品の軸径と j 番目の穴 部品の穴径をそれそ・れ Ðpi.Ðhj とし,軸部品と穴部 品の隙聞に対する組立規格(最小隙間 CL. 最大隙間 Cu) が規定されているものとする, すなわち CL 三五 Ðhj-ÐPi 壬

Cu

,、、f

l

、Bノ を満たすときに限り i 番目の軸部品と j 番目の穴部品 は組立可能とする. 組立品の集合を組合せということにすると , Np , N. のうち小さいほうが組合せの大きさ(組立てられた部 品数)の上限となるが,この上限に対する組合せの大 きさの比率を組立率と呼ぶこととする. 組立率を高めることは最も重要であるが,組立率を 最大にするような組合せは,一般に複数存在する.そ こで,そのような組合せの中で,さらに組立品を構成 する穴部品と軸部品の隙間 D川一 ÐPi の分布を最適に することを考える.

3. 選択組立手法

従来より選択組立手法として適用されている層別法 と,組合せを最適化する最小費用マッチング法による 選択組立について述べる.

3

.

1

層別法 図 1 に示すように,予め,部品の特性が分布する範 囲を,組立規格(式([))に適合する区間幅 (

Cu-C

L

l

/2 を有する複数のクラスに分割l し,部品を個々の特 性に応じてクラスに保管するためのバッファを選択組

(2)

立工程に設ける.軸部品と穴部品が 1 倒ずつ選択組立 工程に供給される毎に,その軸径,穴径を参照し,部 品が属するクラスに組合せ対象部品がある場合は,組 立てることによって組立規格に適合する組立品が得ら れる.組合せ対象部品が無い場合は,部品を該当する クラスのバッファに保管する.従って,バッファに保 管した部品の寸法は不要となるため,寸法の記憶装置 は持たない. 部品 組立品

,

1

1ロロ l~ 面画面

-・・

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,:,・LI・l

クラス分け 図 1 層別法

3

.

2

最小費用マッチング法を利用した選択組立 図 2 に示すように,ロット単位で,最大マッチング の中から組立品の隙聞の二乗和が最小となるマッチン グを求める. 部ロ ロロ ロロロ 圃・・ 組立品 『・ 8 ・ 8. ,­

一蹴一

111

画面届 最適組合せ決定 図 2 ・最小費用マッチング法を利用した選択組立 いま 2 種類の部品に対応する N". NB 個の点から なる 2 つの点集合 V". VB と,組立規格に適合する部 品の対に相当する点同士,すなわち式 0) を満たす iε V".

jE

VBを結んだ枝(

i

.

j)の集合 Eから成る 2 部グラフ G=(V".VB;E) を考えると,組合せは, このグラフでマッチングになり,最大組立率を得る組 合せは最大マッチンクーになる.さらに,それらの中で の最適な組合せは,全ての枝に対して適当に費用を定 めたときの最小費用マッチングになる.ここでは,組 立品の隙聞と組立規格の下限(最小隙間 Cd との差を できるだけ小さくするために,費用 L りを次のように 定めて,最小費用マッチングを求めることとする [9J. LJj=(D

,

j - Dpi)2

(

2

)

最小費用マッチングを求めるアルゴリズムはいろい ろ考えられているが,プライマル・デュアル法 [12J を 用いることにした.

4. 事例解析

ここでは,ある自動車部品メーカにおいて生産され ている自動車エンジン用パルプリフター(図 3 )の選択 組立事例について解析する.バルブリフターを構成す る軸部品と穴部品は,組立状態における摺動特性を保 証するために,組立規格を最小隙間 CL 二 4. O~m. 最大 隙間 Cu=5. O~mの範囲で‘厳しく管理して組立てられて いる 軸径 Dpの分布を N( J.l p. O' p'). 穴径 D. の分布 を N(J.I..0' .2) とする.ただし •

D

p • D. の単位は ~m である . J.l p は加工時に適宜変更可能で・あるが• J.I. は 固定である.また,分散は大きく異なっていて,

gJ

=

0

.

2

9

4

.

0'.' 二 2. 193 である 軸部品

ー一「一一一一川口

選択組立

。/

ノ {Jレプリフター 穴部品 図 3 :自動車エンジン用パルプリフター

4

.

1

輔径分布の最適化 組立率を大きくするには,軸径 Dpの分布が穴径 D. から許容隙間の中心値 4.5 川を 51~ 、た値の分布に近い 方がよいが O' p2<

<

0' .2 であるので J.lp を 4つの 値に固定したのてーは . Dpの分布は D.-4.5 の分布に 近づかず,いかにマッチングを良くしても組立率を大 きくすることはできない.そこで. J.lp のいくつかの 値に対して軸部品を生産し,それらを混合する.すな わち,いくつかの J.l p に対する軸径分布を合成するこ とで,軸径の分布を D. -4.5 の分布に近つeける. J.I= J.I..

4

.

5 とおくと,軸径の分布の合成問題は, 以下のように記述される

N(

J.l

i

.

O'p2)(j=

1

.

2.

….

m) に従う確率変数を Xi と する.このとき,確率 Pi で X 二 Xi となる確率変数 X を考える.ただし .

L

Pi=

1 とする.このとき .X の分布が N(J.I.0' .2) にできるだけ近くなるように (J.l i).(pi) を定めよ. ここで, μ ,は第 i 群の軸部品の平均であり . Pi は

(3)

第 i 群から軸部品を選ぶ割合(第 i 群の生産比率)であ る. 1'='E pi l' i とすると, E[X]= 五 V[X] = Op 勺 'E piI' J2_ 1' 2 となる. (3) (4) Xi の分布関数を f J(x) とすると Xの分布関数 f(x) lま

f

(x) =

'

E

p

i

f

i (x) (5) j = 1 となる. また , N(

1

'

.

0.2 ) の分布関数を g(x) として , f(x) と g(x) の近似の程度を

S 二 f

I

f ゆ gは)

I

dx

(

6

)

で表すことにする. 以上より,条件 Pi 丞 O (j=

1

.

2

.

"',

m

)

.

'

E

p

i =

1

.

E[X]= μ V[X] = 0.2 のもとで S を最小にするよう に (l' i).(Pi) を定めることにする.

4

.

2

シミュレーション ここでは,シミュレーションにより,層別法と最小 費用マッチング法による選択組立を比較し検討する. 計算項目は,組立率の平均,組立品の隙聞の平均と し,軸径の分布とロットサイズの影響を検討する. 軸径 Dpの分布は,次の 2 つの場合について検討する. ① 3 種類の分布を合成した場合宿=3) 1' 1 ニメ'1-

.

1' 2 二メ'1. 1' 3 二 1'+

.

Pl 二 P3 として, S を最小にする ð.

(p

i) を求めたところ .

=

1

.

777~m.

P

1 =

P

3 =

O

.

3

.

P

2 =

O

.

4 を得た f(x) と g(x) のグラ フを図 4 に示す.このとき, s 二 38. 2%であった.

0

.

4

μ-4 μ μ+4 X (Jm) 図 4

:

J1F 3 て:.s を最小にする軸径分布 ② D.-4.5 の分布と同じにした場合 (m= ∞)

Dp-N(

1

'

.

-

4

.

5

.

0.2) (ßm) とする.このとき,

s=

0% である. また,ロットサイズは, 10-1000 について検討する. 以上の条件のもとで,モンテカルロ・シミュレーシ ョン 1000 回を実施した結果を以下に示す.

4. 2. 1

組立率 軸径分布およびロットサイズが組立率に及ぼす影響 について,シミュレーションした結果を図 5 に示す

1

0

0

8

0

組 60

立 率

き 40

2

0

0

-最小費用マ, f'/?' 法.=∞ 。最小費用マ, f'/'・法 11=3 ・層別法 .=∞ 。層別法

1

1

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3

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1

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0

ロットサイズ 図 5 :軸径分布およびロットサイズと組立率の関係 層別法について検討する.ロットサイズ 10 では m=3 で43.8%. ∞て:'46. 怖であり,ロットサイズ 1000 では Eニ 3 で 83. 側,∞で93.5% である.ロットサイズが小さい 場合は,組立対象部品が少ないことから軸径分布の影 響はあまり現れていない ロットサイズが大きくなる と組合せ対象部品が多くなることから軸径分布の影 響が現れて, s が少ない軸径分布にするほど高い組立 率が得られる.ロットサイズを大きくすることによっ て組立率を高めることが可能であるが • m=3 では 85% 程度に収束している.層別法において組立率を高くす るには,ロットサイズを大きくするとともに, s を少 なくするように軸径分布を合成することが必要である.

(4)

最小費用マッチング法による選択組立について検討 する.ロットサイズ 10 では 111=3 で63.8町,∞で68.9百で あり.ロットサイズ 1000 では , 111=3 で98.4弘∞で99.8 地である.層別法の場合と比較して .111=3 と∞での組立 率の差が少ないのは,全ての部品の寸法を参照して組 合せを最適化する効果が現れているためである.最小 費用マッチング法による選択組立ては,層別法のよう に軸径分布の合成による S の低減を厳密に行わなくて も,高い組立率が得られることに優位性が認められる. 最小費用マッチング法による選択組立では , 111=3の軸 径分布でさえ,層別法で E二∞の軸径分布を用いた場合 よりも常に高い組立率が得られる.

4

.

2

.

2

組立品の隙間 軸径分布およびロットサイズが組立品の隙聞に及ぼ す影響について,シミュレーションした結果を図 6 に 示す.

5

.

0

4

-

.

8

組 4.6 立 口 悶ロ の 隙

間 4.4

JII

4

.

2

4

.

0

-最小費用マヲ f~r 法 11= 回 。最小費用マ7f~'・法 11=3 ・層別法 111= ∞ 。層別法

1

1

=

3

1

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2

0

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ロットサイズ 図 6 :軸径分布およびロットサイズと 組立品の隙聞の関係 軸径分布を E二 3 から∞に変えても,層別法,最小費 用マッチング法による選択組立とも,組立品の隙聞は ほとんど変わらない. 層別法では,ロットサイズを変えても組立品の隙間 は常に 4. 5~m で司ある. 最小費用マッチング法による選択組立では,組立規 格の最小隙間 CL=4.0 仰を隙間の目標値として,最大 マッチングの中から,隙聞の二乗和(式 (2)) を最小に する組合せを求めて隙間のばらつきを低減しているの で,層別法よりも組立率が高いながらも隙聞が目標値 に近い組立品が多く得られている 5. まとめ 本研究においては,依合部寸法の分散が小さな軸部 品と分散が大きな穴部品を選択組立する自動車エンジ ンの組立事例を取り上げ,現在行われている層別法に 換えて,最小費用マッチング法による選択組立を適用 する有効性をシミュレーションによって考察した.こ の結果,以下の結論を得た. (1)軸部品の加工寸法を適宜変更し,それらを混合し た分布を穴部品の分布に近づけることによって, 組立率を高めることができる.層別法の場合,組 立率を高めるために,これらの分布がかなり近く なるように軸径分布の合成を管理する必要がある. 最小費用マッチング法による選択組立を適用すれ ば,軸径分布を 3 種類合成する程度の近似で,層 別法では得られなかった高い組立率が得られる (2) ロットサイズを 500程度まで大きくすれば,最小 費用マッチング法による選択組立によって,層別 法では得られなかった 10側近い組立率が得られ る (3) 最小費用マッチング法による選択組立を適用すれ ば,層別法よりも高い組立率のもとで,より目標 値に近い隙間の組立品を得ることも期待できる. 最後に,事例についての貴重な資料を提供していた だいた(株)タナカエンジニアリング各位に厚くお礼申 し上げる. 参考文献

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参照

関連したドキュメント

東京大学 大学院情報理工学系研究科 数理情報学専攻. [email protected]

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