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<論文>第一次世界大戦と研究体制の整備 : 化学工業調査会を中心に 利用統計を見る

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<論文>第一次世界大戦と研究体制の整備 : 化学工

業調査会を中心に

著者

鎌谷 親善

著者別名

Kamatani Chikayoshi

雑誌名

経営論集

28

ページ

155-209

発行年

1987-03-23

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00005772/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

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第 一 次 世 界 大 戦 と 研 究 体 制 の 整 備

化 学 工 業 調 査 会 を 中 心hT-_____ 鎌 谷 親 善 155 はじめに1. 化学工業調査会の設立2. 化学工業調査会における審議3. 化学研究所設置の建議4. 理化学研究所の設立5. 大阪工業試験所と陶磁器試験所 おわりに 六 注と文献 は じ め に 第一次大戦が勃発し,それに参戦した日本の政 府は各種諮問機関を設け, 対 応策を策定し ていった。諮問機関を設け て当面する諧問題に対応し た事例 は,明治期におい ては農商工高等会議や生産調査会の設 置でもみられた。第 一次大戦ではいっそ う多彩なものとなり,ここで採りあげ る化学工業調査会 をはじ めとし て, 臨時薬業調査委員会,製鉄業調査会といった個別産業を対 象とした もの,それに経済全体を対象にし た経済調査会,軍需動員に関して の軍需評議会といった機関が設けられている。 参戦各国は戦争 目的を遂行するために科学者・技術者を組織し,新兵器の 開発や軍需物資 の調達,さらには産業 の維持・発展を も図る,いわゆる科学 技術動員を実施し た。 この典型的な事例が化学 の分野でみら れた。化学兵器 とし ての毒ガスや火薬,それらの原 料レ さらには輸入杜絶に よる不足物資な ど,広義の軍需物資の開発が進めら れた。これら化学分野の諸問題が科学技 術動員において連合国側の緊急課題となったのは,ド イツがこの分野で優位 を占めていたこ とに よる。

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化 学 問 題 へ の 対 応 が 緊 要 な こ と で は 日 本 も 例 外 で な く , 参 戦 後 最 初 に 設 け ら れ た 諮 問 機 関 は 化 学 工 業 調 査 会 で あ っ た 。 化 学 工 業 調 査 会 に 対 す る 諮 問 事 項 は , 当 面 す る 化 学 工 業 の 振 興 策 や 不 足 物 資 の 調 達 方 法 な ど に 関 す る も の で あ っ た が , 審 議 は 関 連 す る 研 究 体 制 の 拡 充 ・ 整 備 に 関 す る 事 項 に ま で 及 ん で い っ た 。 と く に 後 者 に つ い て は , 西 欧 に お い て 大 戦 前 か ら 各 国 が 競 っ て 国 家 と し て の 研 究 体 制 を 整 備 し て い た こ と, エそ れ に 化 学 技 術 が そ の 基 礎 的 科 学 の 研 究 を も と に 開 発 さ れ て い っ た こ と か ら , 化 学 工 業 振 興 の た め に も っ と も 基 本 的 な 施 設 の 一 つ で あ る と 理 解 さ れ て い た と い え よ う 。 化 学 工 業 調 査 会 が , 農 商 務 大 臣 の 諮 問 に 応 じ て 提 出 し た 答 申 , 自 ら 提 出 し た 建 議 な ど に よ っ て , 政 府 の 政 策 に あ た え た 影 響 は 大 き い 。 そ れ が ア ン モ ニ ア ・ ソ ー ダ 法 工 業 や 有 機 合 成 化 学 工 業 の 勃 興 を 契 機 づ け た こ と は 当 然 の こ と と し て , 同 時 に 国 家 の 研 究 体 制 の 整 備 に お い て も 先 導 的 な 役 割 を 演 じ た と い っ て よ い の で は な か ろ う か 。 科 学 技 術 動 員 , 新 規 工 業 の 創 出 , 研 究 体 制 の 整 備 な ど , 多 分 面 に わ た り 興 味 あ る 問 題 を 提 供 し た 化 学 工 業 調 査 会 を 対 象 に , そ れ が 国 家 と し て の 研 究 体 制 の 整 備 に お い て 果 し た 役 割 を 検 討 す る こ と に し た い 。 そ の さ い , 管 見 の 限 り で は , そ の 基 本 的 史 料 と い う べ き 『 化 学 工 業 調 査 会 録 事 』 は こ れ ま で に 刊 行 さ れ た 著 作 で は ほ と ん ど 紹 介 さ れ て い な い の で , こ の 『 録 事 』 を 中 心 に し71 )T て 化 学 工 業 調 査 会 の 活 動 を 解 明 し て 行 く こ と は き わ め て 有 意 義 で あ ろ う 。 1. 化学 工業調 査会 の 設立 大 正3 年8 月23 日, 日本 はド イツに 宣 戦を 布告し , 第一 次大戦に 参 戦す る が, そ の直後 にド イツに多 くを 依存し ていた医 薬品 や化学 工業 原料 の輸出取 締 で, そ の確保 と価 格 安定を 図 ってい る。 こ れらを 所管 す る農商 務省 では同 年10 月27 日‥に化学 工業 調査 会規 程を 制定し , 翌11 月6 日に同 調査会 委員長 。2) 委 員等を 任命し , 同月24 日 からそ の第1 回会議を 開催し た のであ る。 先行し て設けら れていた 諮問 機関 の農商工 高等 会議や 生産 調査会 ,以降に 設 置 さ れ る経 済 調 査 会 や 製 鉄 業 調 査 会 な ど と同 様 の内 容 を , こ の 化 学 工業 調 _ _3) 査 会規 程は持つ もの であ った。 化学 工業 調 査会 規程

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第一次世界大戦と研究体制の整備157 第 一 条 化 学 工 具 調 査 会 ハ 化 学 工 業 二関 スル 重 要 ノ事 項 ヲ調 査 審 議 ス 第 二 条 化 学 工業 調 査会 ハ 化 学 工 業 二関 ス ル 重 要 ノ事 項 二 付 農 商 務 大 臣 ノ諮 問 二応 シ テ 意 見 ヲ 開 申 ス ト 第 三 条 化 学 工 業 調 査 会 ハ 委 員 長 一 名 委 員 若 干 名 ヲ 以 テ 之 ヲ 組織 ス 特 別 ノ事 項 ノ調 査 審 議 メ ル 為 必 要 ア ル ト キ ハ 臨 時 委 員 ヲ 置 ク コト ヲ得 第 四 条 委 員 長 ハ 農 商務 次 官 ヲ以 テ 之 二充 ツ 委 員 ハ農 商 務 大 臣 之 ヲ嘱 託 ス 入 第 五 条 委 員 長・ハ 会 務 ブ総 理 ス ・. 第 六 条 化 学 工 業 調 査 会 二幹 事 ヲ置 夕委 員 長 ノ指 揮 ヲ受 ケ庶 務 ヲ整 理 ス 幹 事 ハ 農 商 務 大 臣 之 ヲ命 ス 第 七 条 化 学 工 業 調 査 会 二書 記 ヲ置 夕委 員 長 及 幹 事 ノ指 揮 ヲ受 ケ庶 務 二 従 事 ス 書 記 ハ 農 商 務 大 臣 之 ヲ命 ス しかし 、 他 の多 くの諮 問機関 と異な り、 化 学工業 調査 会は 官制に よるもの4) 、 ‥ . ‥ ‥ . −、‥ ‥ − で はない。 こ の理 由を詳ら かにす る史料を 欠 く もの の, 事態 の急迫す るなか で 慌し く設 置 されたこ とを 窺せ るものとい え よ う。 そし て官制を 欠い ていた こ とが, い くつ か の著 作で化学 工業 調査会 の存在を 無視 させた¬ 因 といえな5 ) く もない。 \ 化学工学 調 査会を 農商 務省が設立し た 意図は, 第1 回 会 議 の冒頭 において6 ) 当 時の農 商 務大臣 大浦 兼武が行 った挨 拶(要旨) のなか で述 べら れ 七いた。 我工業 ハ軌近長足 ノ進歩ヲ為シタリト雖 モ之 ヲ欧米先進諸国二比較スレ バ猶甚遜色アリ,殊 二化学工業 二就テハ此憾 ミ深シ。働テ朝野戮カシテ 之が発達 ヲ図ル ノ必要アリトハ夙4 定論 ノ存スル所 ナルガ,偶 々今回ノ 時局 二際シテ従来輸入 ヲ仰ゲル化学工業品 ノ供給ヲ絶ツニ至V, 之カ為 我工業界 ハ砂カラザル困難 二遭遇シ,益化学工業 ノ発達ヲ図ル ノ必要ヲ 感ズル ニ至レ リ。 本調査会 ハ此ノ必要 二基キテ設置シタルモノニシテ, 是二依 テ化学工業 ノ発達奨励二関スル諸般 ノ事項 ヲ攻究シ, 之 が方策ヲ 定 メソトス。\充分ノ審議調査アラム事 ヲ望 ム 十

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表1 化学工業調査会略年譜 大正年・月・ 日 事 項2 ・4 ・19 工業化学会 第16年会におい て, 高松豊吉会長 講演「化 学工業 の発進 助長に就 て」お よび高峰譲吉講演「万国応用化学会議に就 て並に工 こ 業 化学研究 の挙」を 行 う(『工業化学雑誌』, 大正2 年6 月 号,561 ∼581 頁)。3 ・4 ・5 工業化学会第17 年 会に お い て 高松豊吉会 長講演 「化学 研究所に就 て」トを 行 う(『工業 化学 雑誌』,大正3 年5 月 号,491 ∼496 頁)。 788 O l O i 28 2327 3 18 第一次大戦勃発。 ドイツに宣戦布告。 内務省,戦時医薬品輸出取締りに関する件 を定める(内務省令第18 号)。 \ 第34回臨時帝国議会召集。9 月9 日閉会。 農商務省√工業原料品(黄燐・赤燐・苛性ソーダ・ ア ニ リン染料 等)の輸出許可制を公布(農商務省令第22号)。 9 ・19 東京商業会議所,「化学工業 の奨励並に化学工業調 査会設置 に 関 す る建議案」を可決,21 日に首相 ・ 農相・蔵 相に提出( 『 渋沢栄一伝 記資 料』, 第47 巻,24 頁,『 財政経済二十五年誌』, 第4 巻,198 ∼ 犬199 頁) 。 し10 ・一 工業化学会,「化学工業 ノ発達奨励 二関 スル 意見書」を首 相・農 相・ 蔵 相 ・ 文 相に提出( 『工業化学 雑誌』, 大 正3 年11 月号,1251 ∼1257 頁) 。10 ・27 イヒ学工業調 査会規程を 制定 〔『化学工業 調査会録事 く以下『録 事』と 略す〉( 第四回) 』,75 頁,『録事( 第一向及第二回)』,1 ∼2 頁〕。10-一 帝国瓦斯協会,「瓦斯及骸炭副生物精製事業 二関ス ル建議」を首 相・ 農 相・蔵相・陸 海軍相に提出。(『日本タール工業史』,122頁) 。 内務省衛生局, 東京・大阪両衛生試験所に臨時製薬部を置き, 薬品 製造方法 の試験に着手( 『臨時薬業調査委員 会第一回報告書』,1 頁。 『 大阪製薬業史J ,第2 巻,7 頁)。 11・6 農商務省, 化学工業調 査会委員長・委員等を 任命 〔『録 事( 第一回, 及第二回)J12 ∼3頁 〕。11 ・24 イヒ学工業調 査会, 第1 回会 議を開 催。12月1 日終了。 犬12 月3 日付で答申・建議・意見書を提出rp 録事( 第一回 及第二 回) 』,4 ∼35 頁〕。11 ・26 有力製薬業者( 有志製薬調査会) , 内務 大臣 に 臨時薬業調査委員会 の設置を建議( 『大阪製薬業史』, 第2 巻,11 頁)。11 ・― 三井鉱山, アリザ リン の製造開始612 ・4 内務省, 臨時 薬業調査委員会規程に より委員 任命( 『臨時薬業調査

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第一 次世界 大戦 と研究体制 の 整備 159 委 員 会 第 一 回 報 告 書 』ノ6 頁) 。 ト4 ・3 ・2 イヒ学 工 業 調 査 会 , 第2 回 会 議 を 開 催 。3 月6 日終 了 。 ■ ■3 月7 日付 で 答 申 ・ 建 議 を 提 出 〔『 録 事( 第 一 回 及 第 二 回) 』,83 ∼101 頁 〕。3 ・6 工 業 試 験 所 に お い て 化 学 工 業 調 査 会 委 員 , 理 化 学 研 究 所 設 立 の 件 を 協 議 〔『 録 事( 第 四 回) 』,42 頁 〕。3 ・10 理 化 学 研 究 所 設 立 に 関 す る 第1 回 協 議 会 開 催( 『 渋 沢 栄 一 伝 記 資 料 』, 第47 巻,27 頁) 。 ニ 5 6 10 11 12 12 2 3 石 34 7 52236 7 7 9 3 4 17 21 1 22 13 20 25 7 − 1 24 6 12 − 06 八Z 21 25 − 25 1 第36 回 特 別 議 会 召 集 (e 月9 日 閉 会 )。 染 料 医 薬 品 製 造 奨 励 法 ( 法 律 第19 号 ) 公 布,10 月15 日 施 行 。 化 学 工 業 調 査 会 , 特 別 委 員 会 第1 回 会 議 開 催 。10 月8 日 に 第2 回 ,12 月2 日 に 第3 回 , 大 正6 年6 月5 日 に 第4 回 の 特 別 委 員 会 を 開 催 〔『 録 事 ( 第 三 回 )』,1 頁 ,『 録 事 ( 第 四 回 )』。1 頁 〕。 内 国 製 薬 ( 株 ) 設 立。 一 化 学 工 業 調 査 会 , 第3 回 会 議 を 開 催 。12 月15 日 終 了 〔『 録 事 ( 第 三 回 )』√1 頁 〕。 東 洋 製 薬 ( 株 ) 設 立 。 日 本 染 料 製 造 ( 株 ) 設 立 。 理 化 学 研 究 所 へ の 国 庫 補 助 に 関 す る 法 律 ( 法 律 第16 号 ) 公 布 , 大 正6 年6 月26 日 施 行 。 日 本 グ リ セ リン ( 株 ) 設 立 。 東 大 附 置 伝 染 病 研 究 所 , 帝 大 最 初 の 附 置 研 究 所 と し て 設 立 。 経 済 調 査 会 , 官 制 公 布 。 大 正6 年11 月30 日廃 止 。 製 鉄 業 調 査 会 , 官 制 公 布 。 同 年12 月i 日 廃 止 。 臨 時 産 業 調 査 局 官 制 公 布 。 旭 硝 子 ( 株 ) 戸 畑 工 場, ア ン モ ユ ア・ソ ー ダ法 に よ る ソ ー ダ製 造 開 始 。 理 化 学 研 究 所 , 設 立 認 可 。 化 学 工 業 調 査 会 , 第4 回 会 議 を 開 催 。6 月8 日終 了 。6 月8 日 付 で 建 議 を 提 出 〔『 録 事 ( 第 四 回 )』,17 ∼19 頁 〕。 工 業 所 有 権 戦 時 法 ( 法 律 第21 号 ) 公 布,9 月15 日 施 行 。 製 鉄 業 奨 励 法 ( 法 律 第27 号 ) 公 布 。9 月1 日 施 行 。 日 本 染 料 製 造 , ベ ソ ソ パ プ リン な ど 合 成 染 料 の 製 造 開 始 。 軍 用 自 動 車 補 助 法 ( 法 律 第15 号 ) 公 布 。5 月1 日施 行 。 東 大 工 科 大 学 附 属 航 空 研 究 所 設 立 , 伺 年7 月3 日 東 大 附 属 , 大 正10 年7 月11 日 東 大 附 置 と な る 。 4・17 軍需工業動員法(法律 第38 号)公布。6 月1 日軍需局・軍需評議会 の設置。5 ・15 工業 試験所官 制女改正し , 大阪工 業試験所を新設,工 業試験所を東 京工業試験所 と改称。

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8 9 1811 1 一911 45 5 22 臨時窒素研究所を設立。 臨時国民経済調査会,官 制公布。 大正8 年7 月8 日廃止。 ニ ド イツ,連 合国と休戦協定調印。 大正8 年1 月8 日∼6 月28 日パリヽ’ 講和会議。 陶磁器試験所設立。 東北大附 属鉄鋼研究所 設立。 大正11 年8 月9 日東北大附 置金属材料 研究所設置。 ニ ∧ ニ 1 ・10 ベ ル サ イ ユ 講 和 条 約 公 布 。 す なわち, 化 学工業 の振興 策は大 戦前 からの課 題 であ った が, 戦 争でいっ, 毎 う緊要 とな ったこ とが, モの設置 の理 由だ とし てい る。 この設置 に至る経 過 につい ては, 農商 務次官 で化学調 査会 の委員長 であ る 上 山満之進 が大臣挨7 ) 拶につ づい てつ ぎの よ うに述べ てい る。 `’ 今回 ノ戦争ノ為化学工業品ノ輸入減少シ或ハ杜絶シ タル為我工業界.り非 常ナル困難ヲ感ジタリ,是 二於テ当省 二於テモ種 々調査攻究シ又本邦 土 於テ欠乏セルエ業 原料二付代用品 ヲ造り得ル ヤ否ヤ ノ調査 二関シ先般高 松博士 二依頼シタル事アリ,東京商業会議所 二於テモ時局調査会ナルモ ノヲ設ケ此等 ノ研究ヲ為シタリ,而シテ化学工業 ノ発達進歩 ヲ図ルニ其 ノ範囲広汎 二渉ルヲ以テ諸方面ノ専門学者 ヲ会同シ テ調査攻究スルノ必 要 ヲ認メ茲 二本会ヲ設置セラルルニ至レ リ ‘ 本会 ノ諮問事項ハ単 二例示シタルニ過ギズシテ必ズシモ此 ノ順序ヲ以テ 進行スル ノ必要才キナリ,依ツテ本会議ハ如何ナル 順序ニヨV 進行スベ キヤヲ先 ヅ決定シタシ,尚本会 ノ成立八時局救済 ノ必要 二起源シタルモ ノナルモ要ハ化学工業 ノ根本政策 ヲ定 メムトスルニアリ御了承アリタシ つ まり,大戦勃発にともない輸入の減少あるいは杜絶し た化学工業品に関 する対策について, 農商務省では自ら調査攻究し たし, 高松豊吉にも依頼し て調査し た。東京商業会議所 でも時局調査会を設けて研 究した。 これらの結 果,化学工業調査会を設置することになった, とい うのである。農商務省自 身の調査攻究の内容は詳らかではないが,同省から依頼 された高松豊吉の対 応はつ ぎのようなものと推定される。 犬

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第 一 次 世 界 大 戦 と 研 究 体 制 の 整 詐161 犬 高 松 豊 吉 は 東 大 教 授 を 辞 任 し た の ち 東 京 瓦 斯 社 長 と な り, ニ こ め 大 正3 年6' 月1 卵 に 社 長 を 辞 職 し て い た が , 工 業 化 学 会 の 会 長 を 勤 め て い る , 化 学 工 業8 ) ‥ 界 と 学 界 の 長 老 で あ っ た 。 こ の 農 商 務 省 の 依 頼 を う け て か , 高 松 が 会 長 で あ る 工 業 化 学 会 は 大 正3 年9 月17 日 に 定 例 の 役 員 会 で , 「 時 局 に 関 す る 吾 人 の し 執 る べ き 方 針 」 な ど を 協 議 し て い る 。 つ づ い て 同9 月29 日 に も 臨 時 役 員 会 を 開 催 し て/ 「 本 邦 化 学 工 業 を 一 層 進 歩 せ し む る た め 当 局 者 に 建 議 す べ き 案 」 モ の 他 を 長 時 間 に わ た り 協 議 し て い た 。 さ ら に 翌10 月 の2 日 に も 臨 時 役 員 会 を 開 き 「 時 局 に 関 す る 建 議 案 」 に つ い て 協 議 し て い る 。 そ し て 同 月15 日 に は 定 こ 例 役 員 会 で 「 時 局 に 関 す る 意 見 書 提 出 の 件 」 を 協 議 し て い る が , 以 降 の 役 員 。9 ) 。一 会 に は こ の よ う な 議 題 は 提 出 さ れ て い な い し , 協 議 も 行 っ て い な い 。 犬 日 本 の 化 学 工 業 界 を 代 表 す る 学 会 で あ る 工 業 化 学 会 は , 高 松 豊 吉 を 会 長 に 東 大 工 科 大 学 教 授 , 工 業 試 験 所 技 師 , 会 社 技 術 者 な ど が 役 員 で あ っ た 。 し たj が う て , こ こ で 第 一 次 大 戦 に さ い し て 対 応 す べ き 事 項 が 検 討 さ れ , そ の 結 死 提 出 さ れ る 見 解 は 当 時 の 日 本 に お け る 化 学 工 業 を 専 門 と す る 研 究 者 ・ 技 術 者 集 団 の 総 意 で あ う た と い え よ う 。 犬 工 業 化 学 会 は 上 の よ う な 経 過 の の ち , 役 員 会 決 議 を も と に 大 正3 年10 月 い ( 日 付 は 記 入 さ れ て い な い ) に 会 長 名 で 内 閣 総 理 大 臣 ・ 農 商 務 大 臣 ・ 大 蔵 大 臣-10 ) 文 部 大 臣 あ て に 「 化 学 工 業 ノ 発 達 奨 励 二 関 ス ル 意 見 書 」 を 提 出 し た 。 乙そ こ で は 日 本 の 化 学 工 業 発 展 の 必 要 条 件 と し て , 第 一 に 教 育 機 関 − 研 究 機 関 ・ 調 査 丿 機 関 の 整 備 が 根 本 条 件 で あ り , 第 二 に 化 学 工 業 諸 分 野 が 相 互 に 密 接 に 関 連 し て い る こ と を 前 提 に , 酸 ・ ア ル カ リ 工 業 バ コ ー ル タ ー ル 蒸 留 ・ 精 製 工 業 な ど 個 別 工 業 の 振 興 策 の 実 施 を 求 め て い た 。 づ こ こ で 表 明 さ れ て い る 意 見 は 前 年 の 大 正2 年4 月19 日 に 開 催 さ れ た 工 業 化 学 会 第16 年 会 に お い て 高 松 が 行 っ た 会 長 講 演 「 化 学 工 業 の 発 達 助 長 に 就 て 」 ノ お よ び 高 峰 譲 吉 の 講 演 「 万 国 応 用 化 学 会 議 に 就 て 並 に 工 業 化 学 研 究 の 挙 」, さ ら に 翌3 年4 月5 日 の 第17 年 会 に お け る 高 松 の 講 演 「 化 学 研 究 所 の 設 立 に 箆 て 」 な ど で 述 べ ら れ て い た も の を 基 礎 に , 大 戦 に と も な う 事 態 に 対 処 し て 修11 ) 正 ・ 拡 充 し た も の と い っ て よ い 。 さ ら に は , こ れ ら の 諸 事 項 は 明 治43 年4 月 に 設 置 さ れ た 生 産 調 査 会 の 審 議 で 論 じ ら れ て い た し , あ る い は 大 正3 年4 月5 日 の 工 業 化 学 会 年 会 で 論 じ ら れ て い た 課 題 で あ っ た 。 つ ま り , 大 戦 前 か ら 要 望 さ れ て い た 化 学 工 業 の 振 興 政 策 を, 「 欧 州 ノ 戦 乱 二 際 会 」 し た こ と で 「 懲

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ヅ 目前 ノ急務4 応ズル ノ途 ヲ講 ズル ハ勿 論, 更 二一 歩 ヲ進 ノテ将来我 国化学 工 業 ノ発達 ヲ促進シ, 前途万 全 ノ方策 ヲ講 ズル ハ一 層緊 要 ナ リ」 とし て, 大 戦 を契 機にし て, 戦争へ の対応 策 を含め, 将 来 の施策を具 体化 させ, 実現を12 ) 図 るべ きこ とを要請し てい た の であ る。 農 商務大臣 や 農 商務次 官の発言に は, こ の工業 化学会 の意向が反 映 貪れてい た。 化 学工業 会 より一 足早 く,し か も化学工 業 調査会0 設 置を 政 府に建議し た の は 東 京商業 会議所(のちの東京商工会議所)で あ る。 大 戦 勃発 直後 の大正3 年8 月8 日, 東京商業 会 議所 ぱ当面 の緊急 対 策を立 案す るた めに臨 時調査会 を設け , 政府関 係者 も参加し て調 査 ・検討を 行 うが, そ の一 つ とし て同年913) 月 には い ると輸 入杜絶 に ともな う化学 原料 の 自給 とい う問題 を と りあげた。 こ の調 査 ・検 討には 高松豊 吉, 東 京高等工業 校長 手 島精一 ,工業 試験所長 高 山 甚 太 郎 が 参 加 し て い た 。 そ の 結 果 , 化 学 工 業 の 当 面 す る 諸 問 題 を 調 査 す る14) に は 人 材 不 足 で , 農 商 務 省 が 担 当 し て 行 う の が 適 切 で あ る と し た 。 こ の よ う な 臨 時 調 査 会 の 案 を も と に> 同 年9 月19 日 に 東 京 商 業 会 議 所 は 臨 時 総 会 を 開 き , 「 化 学 工 業 の 奨 励 並 に 化 学 工 業 調 査 会 設 置 に 関 す る 建 議 案 」 を 審 議 ・ 可 決 し た 。 そ し て 同 月21 日 に 総 理 大 臣 ・ 農 商 務 大 臣 ・ 大 蔵 大 臣 あ て に こ の 建 議15) 書 を 提 出 し た の で あ る 。 ニ →-!・●二yv.e・^=t 。 ,J・, 。 ↑ 。いfr、。 。17.-t. ふ人-T ・? 。r.rふ す・ ・t/1-u^Aj' ご焉tfr-盲ゝ--t/PT マ 〃_ 。・。 尨 詣 褒 に ぶ い 又fx , 天 夥 ぴ こ と もT ぶ いffj 人 刀 リ エ ホ巴 し7 こ'l 巳 匹 栞 面'i こ 二 丿, ヽ べ。系 忌7 £ 対 応 策 が 必 要 で あ る と と も に , 化 学 工 業 の 将 来 り 発 展 を 図 る た め に も 根 本 的 対 策 が 必 要 で あ る こ と を ま ず 述 べ て い た 。 つ い て は , 政 府 に 化 学 工 業 調 査 会 を 設 け , 関 係 有 識 者 に 諮 っ て 対 応 策 を 審 議 ・ 立 案 す る よ う 求 め て い た の で あ る ○ り ’ , ・I し 先 の 生 産 調 査 会 は 衆 議 院 に お け る 建 議 案 の 可 決 で 設 置 さ れ た が , 以 降 に 設 け ら れ た 臨 時 薬 業 調 査 委 員 会 は 製 薬 業 界 や 薬 種 問 屋 代 表 に よ る 建 議 で , 製 鉄 業 調 査 会 は 関 連 学 会 の 建 議 お よ び 衆 議 院 に お け る 建 議 案 の 可 決 で 設 け ら れ て16 ) ダ い る 。 化 学 工 業 調 査 会 の 設 置 も 例 外 で な か っ た こ と を 示 し て い る 。 以 上 の よ う な 経 過 の の ち , 農 商 務 省 で は 大 正3 年10 月27 日 に 化 学 工 業 調 査 会 規 程 を 設 け , そ の 規 程 に よ 委 員 長 , 委 員 , 幹 事 , 書 記 を11 月6 ∼7 日 に17) 任 命 し た 。 委 員 長 は 規 程 に よ り 農 商 務 次 官 の 上 山 満 之 進 が 任 命 さ れ た が , 委 員 は 帝 大 教 授 , 高 等 工 業 学 校 教 授 , 国 立 試 験 機 関 技 師 , あ る い は そ の 経 験 者 で あ る 。 化 学 工 業 が 未 熟 な こ と も あ っ て か , 現 役 の 会 社 技 師 は い な か っ た し ,

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第一 次 世界 大戦 と研 究体 制 の整備 163 氏 名-一 名-一 (長)上山満之進 高松豊 吉 桜井 錠二 渡辺 渡 中沢岩太 田原良純 江守襄吉郎 古在由直 井上 仁吉 鈴木梅太郎 西川 虎吉 平賀義美 岡 実 長井長義 池 田菊苗 鴨居 武 表2A 化学工業調査会委員一覧 職 名 農商務次官 前東京瓦斯社長1) 東大理科大教授 東大工科大教授 京都高等工芸校長 衛生試験所所長 東大工科大教授 東大農科大教授 東大工科大教授 東大農科大教授 っ 九大工科大教授 大阪織物社長2) 商工局長 東大医科大教授 東大理科大教授 東大工科大教授 任命 日 大正3 年11月6 日 4 年2 月24 日 注1. 高 松豊 吉は東 大教 授, 東 京瓦 斯 社長を 経て, 大正3 年6 月16 日同 社長 辞職。 大 正4 年1 月19 日工業 試験 所 所長 兼東 大教 授に 就任。2. 平 賀義 美は 東京 職工学校 教諭, 東大 教 授, 農 商務技 師, 大阪 府 工業 顧問, 大阪 府商品陳 列 所長 などを 経て。 明治39年 よ り大阪 織物 社長 。 出典。『化 学工業 調 査会録事 (第一 回 及第二回)J,2 ∼3,83頁。 表2B 化 学 工 業 調 査 会 特 別 委 員 一 覧 特 別委員 名称 ソーダ工業に関する特別委員 = ―ル タールエ業に関す る特別委員 上記以外 の事 項に関す る特別委員1. 化学薬工業2. 油類及塗料工業3. 顔料工業4. 窯業5. 金属工 業 担当者 一 中 沢岩太 江守襄吉郎 西川虎吉 高松豊吉 平賀義 美 井上仁吉 田原良純 高松豊吉 高松豊吉 江 守襄吉郎 渡辺 ’渡

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高松豊吉 高松豊吉 鴨居 武 染 色工 業 ・。 ニ7. 繊 維 化 学 工 業8. 電 気 化 学 工 業 ‥ ‥十 出 典.r 化学 調査会 録事( 第一 回 及第 二回)J.35 ∼36,101,137 ∼138 頁。 その後に補充された委員 も商工局長岡実を除いては東大 教授で,調査会はこ れら日本の化学工業界を代表ず右大学教授と官庁技術者 で構成されていた。 このように科学者・技術者に ようて委員会が占められていたことは, 化学工 業調査会の大きな特徴の一つ といえ,し たがって提出し た答申や建議など力t すぐれて技術的なものであったことは当然の帰結ともい えた。 2. 化学工業 調 査会に おけ る審 議 大 正3 年11 月24 日に 化学工業 調 査会 は第1 回会 議を 開 き, 休 会を 挾 みなが ら 同 年12 月1 日まで 続け た。 翌4 年3 月2 日∼6 日に 第2 回会 議, 同4 年12 月13 日∼15 日に 第3 回 会議, そし て大 正6 年6 月6 日∼8 日に第4 回会 議の, 計4 回 の会議を 開皿し てい る。 こ のほ かに 第1∼4 回の特 別委 員会 を 開催し て い る。イヒ学 工業 調査 会 の廃 止時 期は, 明ら かでは ないよ 大 正 年 ・ 月 ・ 日W3 ■11 ・24 26 27 28 30 12 ・134 ・3 ・2 表3 化学工業調査会の審議日程と主 要項 目 項 目 第1 回会 議開催(12 月くL日 まで)。 白 農商務大臣 大浦兼武 拶挨。 審議順序の検討6‥ ‥‥‥‥ ‥‥ ‥ ソー ダ工業 の審議お よびそ の特別委員の決定。 コール タール工 業( 目論見書) の審議と特別 委員 の決定。 ソーダ工業に関 する答申案 の審議お よび可決6 コ■―ル タール工業 の審議および詳細な答申の 見送 りを 決定。 専売局長 の臨席のも とで塩価の検討。 化学工業 の諸間題 の審議お よびそれに対 する意見書の可決。 提出建 議案 の審議お よび決定。, 答申 ・建議・意見書の提出。 第2 回会 議開 催(同月6 日 まで)。 コ ―ル タール工業に関 する答申案の審議お よび可 決。 ソーダ製造試験所設立 案の審議。 3 イヒ学研 究所 の設立お よびその組織に関す る建 議案 の審議 と可決。

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6 10 第一 次世 界大戦 と研究体 制 の整備 4 工業 試験所 の現 況と将来計画の審議。 前回諮問事項中の未了問題 の審議。5 前回諮問事項中の未了 問題 に関す る審議( 続 き)。 特別委員 の決定。6 工業 試験所 参観。( 理化学研究所設立に関す る特別委員の選出。) 7 1 8213 ・S 。2211 ≪ 3 ≪ 3 165 答 申 ・ 建 議 の 提 出 。 ・= 第1 回 特 別 委 員 会 。 第2 回 特 別 委 員 会 。 第3 回 特 別 委 員 会 。 レ 第3 回 会 議 開 催 ( 同 月15 日 ま で )。 染 料 医 薬 品 製 造 奨 励 法 の 制 定 ・ 公 布 に と も な う 措 置 お よ び ア ン モ ニ ア ・ ソ ー ダ 法 工 業 の 企 業 化 に 関 す る 報 告 と 審 議 。 特 別 委 員 り 分 担 事 項 の 報 告 。 。- 。 .I カV 原 料0 調 査 。 特 別 委 員 調 査 事 項 ( 木 材 乾 留 工 業 ) の 報 告 と 審 議 。 特 別 委 員 調 査 事 項 ( 化 学 製 薬 工 業 ・ 窯 業 ・ 電 気 化 学 工 業 等 ),の 報 告 特 別 委 員 調 査 事 項 ( 木 材 乾 留 工 業 ) の 報 告 と 審 議 。14 特 別 委 員 調 査 事 項 ( 化 学 製 薬 工 業 ・ 窯 業 ・ 電 気 化 学 工 業 等 ),の 報 告 と 審 議6 ソ ー ダ 製 造 試 験 所 お よ び 天 然 ソ ー ダ ( 蒙 古 ) 調 査 の 報 告 と 審 議 。15 天 然 ソ ー ダ ( 蒙 古 ) 調 査 の 報 告 。5 第4 回 特 別 委 員 会 。 ノ 。6 第4 回 会 議 開 催 ( 同 月8 日 ま で )。y 甲7--- 。・--- ・/ ・・r・= ・ 特 別 委 員 調 査 事 項 ( 化 学 製 薬 工 業 ・ 染 色 工 業 ・ 電 気 化 学 工 業 ・ 窯 業 等 ) の 報 告 と 審 議 。 7 ソーダ工業特別委員報告(旭硝子の試験製造の進捗状況等)。 理化学研究所の設立経過と今後の見通に関する報告。 農商務大臣仲小路廉拶挨。8 日本染料会社の概況の報告。 特別委員調査事項(合金等)の報告と審議。 建議案の審議と可決。 第1 回会議 の初 日,す で に述 べた よ うに農 商務 大臣 の挨 拶, つ い で委 員長 の経過 と議 事進行に つい て の発言があ った が, モの さい 委員長 は諮 問事項 が 例 示し た に 過 ぎ な い も の で,「要 ハ 化 学 工 業 ノ根 本 政 策 ヲ定 メ」 る こ とだ と,18)._. _ そ の範 囲の広い こ とを指 摘し てい る。 こ の よ うな農商務 省の意 向 もあ って, 化学工業 調査会 の活動 は き わめて広 範 囲に 及ぶ も のとな ってい くの であ る。 第1 回会 議 に 提 出 さ れ た 諮 問 事 項 は つ ぎ の6 件 で, そ れ に 参 照 とし て 個 肌19) 工 業が,そ の包括 す る分野 や製品 名 とあ わせ て, 掲げ ら れてい た。

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-化学工業調査会(第一回)ニ対スル農商務大臣 ノ諮問事項 本邦 二於テ将来新起業ヲ奨励シ又 ハ既成 事業 ノ発達若 ハ改良ヲ図ル ヘ キ化 学工業 ノ種類 -乙9 原 料 ノ供 給 方 法 政 供 給 力 三,原料 ノ生産奨励方法 四,本邦 二於テ採用スヘキ適当ナル製造法 五,新起業 二要スル資金鼓採算関係 六,新起業ノ奨励又ハ既成事業 ノ発達若ハ改良二必要ナル公私ノ施設 (参 照) ニ ー, 化学薬品工業 -一9 .一 一 > (イ)工業 薬 製造 回 医 薬製造 石炭 乾溜工業 各 種 ノ 曹 違 製 品 , 各 種 加 里 製 品 , 各 種 ノ 無 機 酸 等 (イ)染料 回 ベン ゾ ール, 石炭 酸, 硫酸 アンモ ニア, ト リュ オール 等 阿 木 材乾溜工業( イ)木精, 酢酸, ア セトン, フ ォル マリン等(^) 同上 誘導 化合物 泗 , 発酵 工業 酒精ド 五 , 油 脂工業( イ)脂肪 酸, グリズリン, グi; ース等 塗 料 ㈲印刷 イン キ( =)石 鹸,蝋 燭 硬化 油 (甲)ペ イン ト, ワニス, 船底 幽 油布 , リ ノリユ ーム 同 .l . ノ ゝ

化粧品工業(

イ)

香水及香油H

歯磨 ㈲白粉( ≒)

質附 倒其他

七 ,揮発油工業( イ)薄荷(^) 樟脳 ㈲松精油( ≒)黒文字油其他 ノ芳香油A, 顔料工業 群青,紺青,酸化コバルト,金液,銀液,白 金液,朱等 九 ,繊維化学工業

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第一次世界大戦と研究体制の整備167'( イ)パ ル プ 及 製紙 回 セル ロ イド 及 製 品 \ 十 , 窯 業( イ)厚 板 硝 子 及 各 種琉 璃 器(^ 頑 肩 製品 ○ セ メン ト 製 品, 増 蝸。' 蒸 発 皿 等 ノ輸 入 窯 業 品 「」)陶 磁 器 十一 , 冶 金 工 業( イ)各 種 金 属 精 練 ㈲ 各 種 合 金 十一― ■? 十 三 , 電 気化 学工業 二 燐,塩 素 酸加里, ア ル ミニュ'―ム,硝 酸, アソ モ ニヤ等 其 ノ他 ニ ダ 諮問 に対し て, ソー ダ工業 , コ ール タール工業 な どを 逐 次 審議し , 答申を 作成し てい った。 残 された 問題 に対し ては √特 別委員を 決 めて調 査し てい く こ とにし た。 また委員 から 提 出され てい た建議 案を 審議し , 化学 工業 調査会 とし て建議を 行 うとと もに, 相 当の施設 を 必要 とす る問題 につ い ては 意見書 を 提出す るこ とにし た。 この 第1 回会議 が提 出し た 答申 雌l 件で, そ れは3 項 目から 成 っ てい た。 建議 は9 件,そし て意 見がu 件で あ る。20) 第2 回会議 におい て は√ 農商 務大臣 からつ ぎの5 件の 事項 が諮問 さ れた。 一 化学 工業 調査 会(第二回)ニ対 スル農商 務大臣 ノ諮問 事項 「 コ ール タ ール」 蒸溜 及精製業 ノ助 長発達 二関 スル 件 十 二,曹達試験所設立計画 二関スル件 一 ― ・, 四 , 五 , 前回諮問事項中未了諸間題 化学研究所 ノ設立及其組織 二付建議二関スル件 本省工業試験所 ノ事業 計画 二関 スル件 前回会議 と同様の手順で審議を進めており, コールタール工業の助長発進 案,ソーダ試験所設立案,化学研究所の建議案,お よび前回諮問事項のうち の未了事項などの審議,それに特別委員の決定を行い,最終日に工業試験所 を見学し ている。今回提出し た答申と建議はそれぞれ1 件であった。 第3 回会議においては,前2 回の会議と異な り,農商務大臣 から の新たなニ 諮問事項はなく,前回の諮問事項であ る化学薬品工業,油類及塗料工業など

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表4 化学工業調査会提出の答申 ・建議 ・意見一覧 1 。 答 中 書 標 題 と そ の 主 要 項 目 第1 回会議(大正3 年12月3 日提出) 答中書 第1 曹達工業ノ発達ヲ図ルコト,而シテ之レ カ方法トシ テ ハ政府二於テ相当規模 ヲ有スル曹達製造試験所ヲ設立スルヲ要ス 第2 石炭タール蒸留及精製業 ノ発達ヲ助長スルコト 第3 電気化学工業 ノ研究発達プ図ルコト 十 第2 回会 議(大正4 年3 月7 日提出) 「コールタール」蒸溜及精製業 ノ助長発達 二関 スル答申書2. 建議(含案)ト ‥ 第1 回本会議(大正3 年12 月3 日提出)1. 曹達 製造試験所 ノ設立 二関スル建議2. 化学工業調査会 決議 二関 スル建議3. 化学研究所設置 二関 スル建議 犬4 レ 発明者 ノ優遇 二関 スル建議5. 実業奨励 二関 スル建議 /6. 新設工場 ノ設立許可 二対シ使用技 術者 制限 二関 スル建議 ワレ 輸 出品検査 二関 スル建 議8. 化学工業 二使用 スル食塩特別扱 二関 スル建 議9. 化学工業原料調 査会 ヲ設置 スル建議(撤回) 第2 回本会 議(大正4 年3 月7 日提出)1. 化学研究所設置 二関 スル建議 第4 回本会議(大正6 年6 月8 日提出)1. 化学工業促進二関スル建議2 レ 帝国大学及官立各種専門学校二於ケル化学及関係学科ノ設備及研究費二関スル 建議-3. 化学工業に関する諸問題に対する意見書(大正3 年12月3 日)1. 空気中 ノ窒素ヲ固定シテ窒素肥料ヲ製造スル ノ方法及石灰窒素ヲ硫酸「アンモ ニア」其ノ他使用シ易キ形態二変成スルノ方法2. 加里原料給源ノ研究3. 食料品ノ合理的経済的使用二関スル研究4. 脱脂乳 ノ化学的利用方法 ‥

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・5. 石 . く7.8.9.10.II.12.13.14. 第一 次世 界大 戦 と研 究体 制 の整備169 「 ブi; ヤ 」 製 造 及 「 ブ リ キ」 缶 錆 留 /方 法 甜 菜 糖 工 業 二 関 ス ル 調 査 ヲ為 メ コ ト \ 木 精 及 酢 酸 石 灰 ノ産 額 ヲ譜 加 ス ル 為 簡 易 ナ ル 木 材 乾 錆 窯 ノ普 及 ヲ 図 ル コ ト 小 規 模 「 パ ル プ 」 製 造 法 ノ研 究 松 脂 採 集 及 松 精 油 製 造 ノ事 業 ヲ 奨 励 ス ル コ ト 石 油 精 製 業 ト ご 「 ダ イ ナ マ イト 」 雷 管 及 「 グ リ セ リン 」 製 造 業 金 属 薄 板 製 造 業 ノ奨 励 魚 油 及 鯨 油 ノ利 用 / 魚 類 及 海 獣 皮 ノ製 革 法 卜 の 重要化学 工業 に 関す る特別委員 の調査 報告を もとに審 議し た。し かし, 答 申 や 建議 の作 成は なかった。 ¨ 第4 回会 議は, 第3 回 会議 と同 様 に農商 務大臣 から 提 出さ れた新し い諮問, 事 項のため に開 催し た もり では なく√ 重要化 学工業 に 関 す る特 別委員 の調査 原 告を も とに審議 す るため のもの であ った。つ い で委 員 から提 出 された建議 ご案2 件を 審議し , それら を採択し , 建議 としして可 決 ・提 出し てい る。 化学工業 調 査会 の諮問を うけ て 提出し た答申, そ れに 委 員 の発議を もとに し て 提 出 し た 建 議 や 意 見 が , 政 府 の 施 策 に 少 な く な い 影 響 を あ た え た こ と は21 ) tヽうまで もない。 政 府が施策 とし て 具体化し た ものの代 表 例は, 第1 回会議 の 答申で挙げ た「 石炭 タ ール蒸 溜及精 製業 ノ発達 ヲ助長 スル コト 」お よび第2 回 会議 の「『 コ ール タ ール』 蒸溜及精 製業 ノ助 長発達 二関 ス ル 答中書」で, 宅 機合成 化学 工業 に関す る振興策 とし て,第36 回 特別帝 国議会 の協賛 を得, 染 料医薬品 製造奨 励法が 制定 ・公 布を み てい る。 この立 案 作業 に は, イヒ学工業 調査 会 のほかに 内 務大臣 の諮 間機 関 とし て設 叶 られた 臨時薬業 調査 委員会 から の答申 も関与し てお り, さらに は軍 部の要 前 も容 れた とい わ れてい る。 染 料医薬品 製 造奨 励法に よ り発 足し た 企業は, 日本染料 ・ 日本 グリセリン ・ 内印製薬 ・東 洋薬品 の4 社 であ る。 日本におけ レる有機合成 化 学工業 の創 出・発 展を契 機づけ たば か りか , こ れに 促さ れて多22) ノ数 の同種 の企 業が族 出し て, 工業 とし て の形 成を み るに 至 っ た とさ れてい る。 ニ これ と対 詰的 な のは 第1 回会 議 の答 申 の第1 項に掲げ ら れてい たブ曹達工 業 ノ発達 ヲ 図ル コ に 而シテ之レ カ方 法ト ジテ ハ政 府 二於テ 相当 規模 ヲ有 ス ル 曹達製造 試 験所 ヲ設立 スル ヲ荷 ス」 の件 であ る。 ソ ー ダ製造 業 の振興は,

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第1 回 会 議 に お い て 「 曹 達 製 造 試 験 所 ノ 設 立 こ 関 ス ル 建 議 」 も 提 出 さ れ て い る よ り に , 化 学 工 業 調 査 会 に お け る 最 大 の 懸 案 事 項 で あ っ た と い っ て よ い 。 と こ ろ が , 答 申 と 建 議 で 政 府 に 要 請 さ れ た ア ン モ ニ ア ・ ソ ー ダ 法 製 造 技 術 開 発 の た め の 国 立 試 験 所 は , 原 料 塩 に 関 す る 調 査 が 残 さ れ て い て , 塩 価 問 題 が 未 解 決 の た め に 予 算 が 獲 得 で き な い こ と を 理 由 に , 当 初 は そ の 設 置 が 困 難 だ23) と さ れ た 。 し か し , 「 表 面 で は 経 費 の 都 合 に よ り , 内 実 は 同 盟 国 の 英 国 に 気 兼 ね し た た め 実 現 せ ず 」 と , こ の 件 に も っ と も 係 り の 深 か っ だ 西 川 虎 吉 は 述24 )J 匯 し て い る 。 ■ ■ ㎜ ㎜ ■ 答 申 に 沿 っ た 国 立 ソ ム ダ 製 造 試 験 所 は 設 立 さ れ な か っ た も の の , 民 間 企 業 で あ る 旭 硝 子 は 化 学 工 業 調 査 会 の 得 た 情 報 を 譲 受 し , 委 員 の う ち の 関 係 者 を 顧 問 に 迎 え て , ア ン モ ニ ア ・ ソ ー ダ 法 ( 正 確 に は バ ッ チ し プ1=・ セ ス の ホ ー ニ ヒ マ ン 法 ) に よ る 炭 酸 ソ ー ダ の 試 験 製 造 に 着 手 し , 工 業 化 を 実 現 し て い る 。 ま た 。 日 本 曹 達 ( の ち の 徳 山 曹 達 ) も ア ン モ ニ ア ・ ソ ー ダ 法 ( ソ ル ヴ エ法 ) で 試 験 を 開25 ) 始 し, ニ多 く の 曲 折 の の ち 成 功 ( ホ ー- ヒ マ ン 法 で ) し て い る 。 こ れ ら が 示 す よ う に , 化 学 工 業 調 査 会 の 活 動 が , 第 一 次 大 戦 と い う 特 異 な 環 境 の も と で あ れ 。 日 本 に お け る ア ン モ ニ ア ・ ソ ー ダ 法 工 業 の 創 出 を 契 機 づ け た 要 因 で あ る こ と 雌 否 定 で き な い 。 有 機 合 成 化 学 工 業 と ア ン モ ニ ア ・ ソ ー ダ 法 工 業 の 育 成 策 の 中 間 に 位 し て い た の が , 電 気 化 学 工 業 の 育 成 策 で あ っ た と い え る の で は な か ろ う か 。 答 申 が 事 業 の い っ そ う の 拡 張 を 求 め た 燐 や 塩 素 酸 カ リ は 日 本 化 学 工 業 に よ っ て 生 産 が 開 始 さ れ て い た し , 石 灰 窒 素 ・ 変 性 硫 安 の 製 造 も ま た 日 本 窒 素 肥 料 や 北 海 カ ー バ イ ド ( の ち の 電 気 化 学 ) に よ っ て 先 鞭 が つ け ら れ て い た 。 こ れ ら に 比 べ る と き , 電 弧 法 や 電 解 法 な ど は 開 発 研 究 の 段 階 に あ っ た し , ア ン モ ニ ア の 直 接 合 成 は 重 要 課 題 と な っ て き は じ め て い た 。 し た が っ て , こ の 幼 稚 な 電 気 化 学 工 業 を 研 究 し , そ の 助 長 発 達 をN る こ と が 必 要 だ と い う 答 申 に 対 応 し , 農 商 務 省 所 管 の 工 業 試 験 所 ( の ち の 東 京 工 業 試 験 所 ) の 第5 部 を 中 心 に 電 弧 法 に よ る 硝 酸 合 成 , 電 解 法 ソ ー ダ , ア ル ミ ニ ウ ム 製 造 法 な ど が い っ そ う 活 発 に 研 究 さ れ て い っ た の は 当 然 で あ り , し か も そ の 電 解 法 ソ ー ダ 製 造 技 術 は 大 戦 中 に 民 間 企 業 の 採 用 す る と こ ろ と な っ た6 ま た 工 業 所 有 権 戦 時 法 に よ っ て 没 収 し た 特 許 も 出 願 企 業 に 使 用 を 認 可 す る が , 電 解 法 を は じ め と し た 化 学 技 術 関 26) 係 に そ り 例 が 多 か っ た 。 こ の よ う に , 電 気 化 学 工 業 の 分 野 で は 大 戦 前 か ら は

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第一次世界大戦と研究体制の整備171 じ まっ てい た 工 業 の展 開 が , 第 一 次 大 戦 を 契 機 に 政 府 の 施 策 も く わ わ っ て, 急 速 で広 範 囲 な も の へ と 加 速 さ れ てい く の で あ る。 以 上 の よ うに, 答 申 で 触 れ ら れ た 工 業 分 野 に 限 定し て み た と き , 第一 次 大 戦 とい う特 異 な 政 治的 ・ 経 済 的 環 境 を 考 慮 に い れ た とし て も, 化 学 工 業 調 査 会 は こ れら諸 分 野 の新 た な 展 開 に 刺 激 を あ た え , 促 進 さ せ た と い え る の で は な かろ うか 。 3. 化学 研究 所設置 の建 議 エ 化学工業 調査会 に対す る 諮問は, 第1 回会 議に みら れ る よ う犀化学 工業 に 直接関係する事 項であ った。 と ころ が, 委 員長 が開会に あた っ て述べ た よう に化学工業 調査 会 の設立 趣 旨が「 化学 工業 ノ根本政 策 」 の策定に あ るこ とと 広義に理解す るこ とで, 自ら の発議に よっ て諮問 の範 囲を 越え , 発 明の奨励。 実業0 奨励,輸 出品 検査 な どの一 般的 な工業 振興策 まで 建議し た。 さらに, 化学工業 に対 す るい っそ う抜 本的 な振興 策 とし て,「化学 研究所 ノ設立 二関 27) ス ル 建 議 」 を 提 出 し て い る 。 化学工業はもとよりのこと,近代工業 の振興のために基礎科学の研究体制 を整備する必要が理解されていた。そし てこの19世紀末から20世紀にかけて の世紀交代期においては, 西欧諸国は激化する国家間競争において優位を獲 得するため,国家の主導り もとに産業 の振興を図り,さらには大規模な基礎 的 研究機関の整備に努めており, いわゆる国家・産業・科学の三位一体化が 進 んでいた。この情況は国家・産業による体制への科学の内包化で,科学は28 ) この体制に全面的に依拠・規定される存在になったことを意味する。 日 本 で も ま た 試 験 研 究 体 制 の 拡 充 ・ 整 備 に 関 し て , 政 府 の 設 け た 生 産 調 査 ‥ ‥ ‥ ‥ ‥29 ) 会 で論議され,有識者のあいだからも積極的な意見が提出されていた。化学 工業に関し ていえば, 大正2 年4 月19日の工業化学会第16年会で高峰譲吉が 講演「万国応用化学会議に就て並に工業化学研究の挙」の後半において,独 創的発明のために大研究機関を創設するよう主張し た。すなわち, アメリカ で活動していた高峰は, 西欧各国が研究体制の整備を競っている国際情況O 理解にくわえ, 日露戦争後の軍備拡張, なかでも八・八艦隊建造による日米 軍事摩擦の増大を危惧し,軍事大国化よりも産業国家の強化 の途を提示し, そのために国際的な趨勢に倣って大規模な基礎的研究機関,つ まりトレ ッド

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ノート級戦艦 の建造費に相当する1,000万∼2,000万円でもって独創的発明を30) 生みだす基礎的研究機関の設立を提唱し たのであ る。 この構想は「国民科学研究所」の設立案となって具体化され,同年6 月13 日に農商務大臣,実業家,大学教授陣を含めた懇談会を 開催し ,この案を検 討 し て い る 。 そ の た め に 作 成 さ れ た 「 国 民 科 学 研 究 所 」 の 設 立 趣 意 書 に は , ・。 ・31) そ の研究 機 関設 置につい てつ ぎ のよ うに端的 な 説明を あ たえ てい た。 すな わち 「欧 米 ノ先進国 が積極的 二国 富 ヲ増 殖シ 得 タル所 以 ノモノ, 概ネ 此 ノ独 創的 工業 ノ発 達 二在 ル」こ と を 理解し ,「内 二国 富 ヲ扶殖 増進シ, 外 二欧 米諸 強 ト 餅ヒ馳駆 シ」, 国 の発展を 図るた め に は 「模倣 的 工業 ノ進歩 ヲ モ亦 重 要 ナリ ト為 スト同時 二殊 二大 二奨 励スベ キ ヲ独 創的工 業 ノ勃 興・発達 二在 リト為 ス ナリ」。そ の た め に 必要 とされ る「有 益 ナ ル発 明」 の場を提供 す るも のとし て,「国 民科学 研究所 ノ設立 ヲ切望 」す る のであ る。・つ まり,大 規 模 な基 礎科 学研 究所を 激化す る国 際競争 のなか で産業 国 家 の強化策 とし て 位 置づ け, そ れを 国家主導 のも とに実 現す るこ とを 求 め てい た ので あ る。 高 峰 の提 唱に応え た官 ・産 ・学 の首脳陣は, 政 府首 脳 の同 意を取 付け な が ら 具 体化を は かった。そ のさい, 設 立趣旨を いっそ う明確 にす る一方 ,そ の 計 画を 実 現可 能 なも のへ と修正し てい った。 最初 の構 想を 生 かし な がら, 当 時 め 財政 事情 を考慮 す るこ とで規模を 縮小し , 主 題に 沿 って 名称を 「化学 研 究所 」 と改 め た案を 作成し た。 なかで 乱 研究所 の規 模に 密接 に関 連す る設 立 資 金に 関し て は, 当 初 の高峰 案で は1,000 万∼2,000 万 円 とし てい たが,大 正2 年7 月 段 階 の化学研 究所案 では民 間から の寄附 金500 万 円を基 金 とする もの に縮 減さ れてい た。 化学 研 究所 設立 案を 具体化す るた めに, 同2 年7 月 に設 立 準備委 員を選び, 同 年12 月 には 官 ・産・学 から30 名 の調査委員 を委 嘱し て協 議を 進 めた。 こ の 作 業 と並行し て 開会中 の第31 回帝国 議会(大正2 年12月24日召集)に 対し て, 大 正3 年3 月19 日付 で渋沢栄一 ・高松豊吉 等7 名 の連署 で「イヒ学研 究所設立 二関 スル請 願」を 提 出し た。し かし , 議会 は予 算案 の不 成立, つい で衆議院 で 内 閣弾劾 上 奏案 の審議中 に3 日間の停会 とな り√3 月25 日に閉会 とたった た め, こ の請 願は審議 さ れなか った。 同S 年4 月5 日 開催 の工業 化学 会第17 年 会 で高松 は 日本化学 工業 界の現状を 述べ た のち, 前年 に 高峰譲吉 が提唱し た研 究 機関 の設 置に 関し て, 議 会請願を含 め た運動 の進 捗 状況を 報告し てい

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第一次世界大戦と研究体制の整備173 る 。 こ の よ うに 化 学 研 究 所 の 創 設 に 関し て は , 官 界 ・産 業 界 ・ 学 界 が 挙 っ て 強 い 関 心を 示 し て い た が , 山 本 権 兵 衛 内 閣 に協 力 を 求 め た と き , 当 時 の農 商 務 大 臣 山本 達 雄は 機 運 が 熟 し て い な い とし て 積 極 的 で な か っ た 。 か わ っ て 同3 年4 月16 日 に 発 足 し た 大 隈 重 信 内 閣 は 少 な く ない 好 意 を 示 し た 。 大 隈 は 同 年6 月 に 農 商 務 省 が 開 催 し た全 国 実 業 家 大 会 の 出 席 者 を 私 邸 に 招 い た 席 で, 工 業 の発達 を 図 る た め に 官 民 協 力 で化 学 研 究 所 を 設 置 す る よ う主 張 し て い た 。 こ れを うけ て , 翌7 月3 日 渋 沢 栄 一 ・中 野 武 営 ・ 高松 豊吉 は 農 商 務 省 工 業 試 験 所 にお い て 農 商 務 次 官 上 山 満 之 進 , 商 工 局 長 岡 実 , 工 業 試 験 所 々 長 高 山 甚 太 郎 と化 学 研 究 所 案 の 具 体 化 を 協 議し た の であ る。 こ の頃 に は 政 府 の 積 極 的 な 姿勢を 反 映 し て, 化 学 研 究所 案 の 規 模 は 拡 張 さ れ, 政 府 支 出500 万 円 , 民32) 間 寄附500 万 円 , 合 計1,000 万 円 規 模 の 公 益 法人 案 と な っ て き て い る 。 官 ・産 ・学 の協 力 で 化 学 研 究 所 の 設 立 計 画 が い っそ う具 体 化 さ れ , 実 現 に 向 け て運 動 は 一 定 の進 捗 を み た も の の, こ の大 正3 年7 月28 日に 勃 発 し た 欧33 ) 州 大 戦 のた め に 運 動は 行 き 詰 る の で あ った 。 ■■ ㎜ ■ 化 学研 究 所 設 立 運 動 の 再 開 を 契 機 づ け , し か も 具 体 化 さ せ た の は , 化 学 工 業 調 査会 の建 議 で あ る。 第1 回 会 議 の 最 終 日 で あ る 大正3 年12 月1 日 , 委 員 桜 井 錠 二 が 提 出し て い た 建 議 案 「 化 学 研 究 所 設 置 二 関 ス ル 建 議 」 を 採 りあ げ た 。 そ れ の 説 明 は 「化 学 工 業 ノ発 達 ツ図 ラ ム カ為 , 政 府 ハ 化 学 研 究 所 ヲ設 置 シ , 又 ハ之 ヲ設 置 セ ム ト ス ル 民 間 ノ 計 画 三 補 助 ヲ与 ヘ ラレ ム コ ト ヲ望 ム」,34 ) とい うの で あ る ○ ㎜ 審 議 に あ た っ て , 建 議 案 提 出 者 の 桜 井 は 補 足 説 明 を くわ え , 高 松 豊 吉 は 化 学 研 究所 設 置 に 関 す る こ れ ま で の 運 動 経 過 を 説 明し た のも , 化 学 工 業 調 査 会 で 本 件 の 建 議 を 行 うよ う主 張 し た 。 そ の さ い , 上 山 委員 長 は 建 議 案 を 提 出し て も 「政 府 今 日 ノ財 政 ニ テ ハ 不 可 能 ナ ル ペ シ 」 と, 現 実性 の な い こ と を 説 明 し た。 し かし 審 議 は 進 め ら れ, 主 と し て化 学 研 究所 の性 格 に 関 連し た 議 論 が 行 わ れた。 提 案 者 の 桜 井 は 化 学 研 究 所 は 独 創 的 研 究 を 担 当 す る も の とし て, 既 存 の機 関 とは 別 に 独 立 し て 設 置 す べ き も の だ と 考え て い た 。 これ に 対 し て 。 農 商 務 省 所 管 の工 業 試 験 所 が あ り, 化 学 研 究 所 が こ れ と重 複 す る の で 必 要 が な い とい う意 見 が 紹 介 さ れ , 委 員 長 の 「化 学 研 究 所 ハ根 本 的 ・ 基 礎 的 ( グリ エッド リッヒ) ニ シ テ , 工 業 試 験 所 ハ 実 際 的・工 業 的 ナ リ ト 自 分 ハ 了 解 シ 居 レ

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リ」とい う発言 もあって,全員の見解の統一が図ら れてい る。 厳しい情況にもかかわらず,設置の望まれている化学研究所が既設の府県 郡工業試験場はもとより,農商務省所管工業試験所と性格 の異なることを 胆 確 にし , 民 間 に よ る 設 立 計 画 に 国 家 補 助 を 求 め る 内 容 に 改 め , つ ぎ の よ うな35) 建 議案 とし て可決し ,大臣 宛に 提出し た のであ る。 化学研究所設置4 関スル建議 凡ソエ業 ハ其 ノ種類 ノ何タルヲ問ハ・ス微妙精緻 ナル学理的研究ト発明 / 成果 二非サルハナシ。殊 二化学工業 二於テ然リトス。 現今本邦二散在スj ル府県立工業試験場 ノ如キハ何レ モ其 ノ経費 ノ欠之ト技術者 ノ不足ナル カ為常 二期待セル成績ヲ挙クル ヲ得ス,又官立工業試験所アルモ其 ノ設 備未 夕完全ナラサル所アリ。殊 二独創的発明ヲ奨励スヘキ設備二至リテ ハ殆ソト絶無ト謂フヘシ。サン バ将来本邦化学工業 ノ指導者トシテ之ン カ振興ヲ図ラムトセハ,学理的研究 ノ設備ト相侯 ツテ応用的実験 ノ設倚 ヲ完成スルヲ要ス。 依テ之レ カ研究機関ヲ設備シ又 ハ之ヲ設置セムトス ル民 間ノ計画二対ン補助ヲ与ヘラレ ムコト ヲ望 ム 右本会 ノ決議二依り建議政也 し 大正三年十二月三 日 化学工業調査会 農商務大臣子爵大浦兼武殿 つ まり,高峰 め提唱から帝国議会請願など大戦開始前までの,いわゆる化 学研究所設立運動に関与し ていた工業化学会々長高松 豊吉をはじ め,大学教 授・官庁技師の主要な顔ぶれが化学工業調査会委員であったことから,この 建議は従来 の運動 の延長 のうえに, もっと正確にいえ ば大戦勃発で挫折し て いた運動の復活・再生を 目ざし て提出されたものであ るといってよい。 化学工業調査会第2 回会議は大正4 年3 月2∼6日に 開催された。それに先 だって委員とし て農商務省商工局長岡実と東大教授の長井長義・池田菊苗・ 鴨 井 武 の 補 充 が あ り, 提 出 さ れ た 諮 問 事 項 に は ( 化学 研 究 所 ノ設 立 及 其 組織37) ニ付建議 二関スル件」が含 まれていた。このことは, 化学研究所の設置問題 が 今回 の会議において重要な案件であ ったことを示唆 するものであ る。

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第一次世界大戦と研究体制の整備17538 ) 化学 研 究 所 の 件 は 第2 日 目に 審 議 さ れ た。 第1 回 会 議 の さ い に 具 体 案 の作 成 が 希望 さ れ て い た こ と から , そ め 作 業 を中 心 に な っ て 進 め た 鈴 木 梅 太 郎 が 成 案 を も と にし て 補 足 説 明を 行 っ た の ち , 審議 に は い っ た。 そ の さ い , 委員 長 上 山は こ の 建 議 案 の 実 現 が 当 時 の 財 政 事 情 か ら 困 難 な こ と を 強 調 し た。 委 員 の岡 も 農 商 務 省 とし て 政 府 が 行 政 整 理 を 行 っ てい る折 , 独 立 し た 研 究 所 の 新 設 が 容 易 な ら ぬ こ と を 指 摘し た。 政 府 の 委 員 が こ の よ うな 理 解 の うえ で, 審 議 に 参 加 し た の に 対 し , 委 員 の多 数 を 占 め る大 学 教 授 の 関 心 は 設 立 予 定 の 研 究所 の 性 格 に あ っ た 。 そ の た めS 審 議 で 意 思 の 疎 通 が 十 分 で あ っ た と は い え ず, 再 度 議 論 も 繰 返 さ れ て い る。 まず 化 学 研 究 所 の 設 立 運 動 に 関 す る 経 過 が, 帝 国 議 会 請 願 の 件 を 含 め て報 告 され, 諒 承 さ れ た 。 そ し て化 学 研 究 所 設 立 を 現 実 化 す るた め に , 大 正3 年 度 初頭 の 計 画 と 同 様 に 民 間 寄 附 金500 万 円 を 基 金 と す る 最 小 限 の 規 模 の研 究 所 設置 案 を 作 成 す る と と もに , 当 初 の 構 想 とは 逆(D 手 順 , つ ま り 最 初 に 政 府 で 小 規 模 な 研 究 所 を 設 け , こ れ を 民 間 の寄 附 で 大 き な 規 模 に し て い く 手 順 を 孫 るこ とを 基 本 的 な 骨 子 とし て, 今 回 の 建 議 案 が 作 成 さ れ てい る 旨 , 鈴木 が39)m 明し た 。 こ れ は 大 筋 で 諒 解 さ れ た。 つ い で 化 学 研 究 所 の 性 格 に 関 す る審 議 に 移 っ た。 大 学 や 専 門 学 校 に おけ る 研 究 の規 模 を 大 き く す れ ば , 化 学 研 究 所 を 設 け な く て も よい の で は な い か と い う委 員 長 上 山 の見 解 に 対し , 大 学 教 授陣 か ら は 大 学 ・ 専 門学 校 は 今 日 でも 経 費 と人 員 が 不 足 で , 民 間 の要 求 に 応じ た 研 究 が で き な い し , 独 創的 な研 究 を 片 手 間 で は や れ な い と, 厳し い 反 論 が あ っ た 。 また 上 山 委 員 長 は , 工 業 試 験 所を 拡 張 し て, 化 学 研 究 所 で 行 う とい う根 本 的 研 究 を 実 施 す る案 を 提 出し た が, こ れ に 対 し て も工 業 試 験 所 は こ れ ま で工 業 の 発 達 に 貢 献 し て い る が, そ れは 外 国 の 技 術 の 消 化 で あ り, 学 術 的 研 究 を 行 っ て い る とし て も片 手 間で あ り, モ の た め に 新 生 面 を 開 拓 し た り, 化 学 研 究 所 に 期 待し て い る よ うな 基40 ) ・礎 的 づ 大 学 教 授 の 側 か ら 強 調 さ れた の は , 以 上 の よ うな 意 見 に く わ え , 独 創 的 な 研 究 は 大 学 教 授 や 試 験 機 関 技 師 な ど の 兼 務 で は 実 施 が 困 難 で あ り , そ のた め ヽに は 独 立し た 施 設 や そ の た め に 専 任 研 究 者 を 充 て な け れ ば な ら な い とい う見 解 で, 池 田 菊 苗 , 桜 井 錠 二 , 鈴 木 梅 太 郎 等 か らだ さ れ た 。 そ し て, 井 上 仁 吉 社 「名 ハ 実 ヲ顕 ハ ス。 或 程度 迄 階 段 ヲ分 チ 研 究 ス ル ガ 必 要 ナ リ。 何 ト ナ レ バ

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研 究所 ハ根本的 ナモ ノヲ研究-y ,試 験所 ハ実 用的 ノコト ヲ ヤレ バヨ シ」 と発 言し てい るし ,高松 豊吉 も工業 試験 所 の「現在 ノ仕 事ト混 同 セ ヌ様, 根本的 ノ研究 ハ研 究所 二於 テ ナス方(if)宣 シト思 フ」 とい う, 工業 試験 所 と研究 所 との分離 論がださ れた。 さら に 鈴木 達 治は「 外国 ノ研 究状 態 ヲ見 ル ニ・・・… 近 来 八 分 業 的 ト ナ リ テ , 相 助 ケ 大 ナ ル 効 果 ヲ ナ ス ニ 到 レ リ 」 と ,工 業 試 験 所 ・ … … … △ ‥41) 化学 研究所 分離 の支 持論を 展 開し てい る。 以 上の よ うにし て, 化学 研究所を 独立し た機 関 とし て設 置す るこ とに つい ては, 賛成 が得ら れたの であ る。 独立し た 化学研究所 を 設け る とき, そ れに 必要な人 材が確 保で き るかど う かも論じ ら れた。 大学 教授 の委 員, とくに 桜井 は委 員 長上 山の質 問に対し て, 自 信 を も っ て , そ の 人 材 の 確 保 を 保 証 し て い た 。 し か し , 先 の 大 学 教 授 が 片 手 間 で は 独 創 的 研 究 が で き な い と い う 主 張 と あ わ せ , こ の 人 材 確 保 は 解 決 か 容 易 な ら ぬ 問 題 で あ る こ と を , 理 化 学 研 究 所 の 発 足 の さ い に 早 く も 露 呈 す る , の で あ る 。 化 学 研 究 所 の 事 業 に 関 し て , そ れ が 独 創 的 研 究 で あ り , 学 術 に 基 礎 を 置 い た 研 究 で あ る こ と が 強 調 さ れ る と , そ の 所 管 官 庁 が 改 め て 検 討 課 題 と な る 。 大 学 教 授 で あ る 委 員 の 発 言 を み る と , 化 学 研 究 所 の 主 管 は 文 部 省 と い う こ と 犬43) に な る の で は な い か , と 商 工 局 長 岡 実 が 質 し た の は 当 然 の こ と で あ る 。 こ れ に 関 し て は 後 に 帝 国 議 会 の 審 議 で 問 題 に な る が , 特 別0 議 論 も な く , 化 学 工 業 調 査 会 が 農 商 務 大 臣 の 諮 問 機 関 で , 建 議 も 同 大 臣 に 提 出 す る こ と か ら , 所 管 は 農 商 務 省 と い う こ と が 暗 黙 の 諒 解 で あ っ た , と い っ て よ い 。 あ る い は 大 学 教 授 の 委 員 に と っ て は 重 要 な 関 心 事 で な か っ た の か も し れ な い 。 以 上 の よ う な 審 議 の の ち , 鈴 木 梅 太 郎 が 中 心 に な っ て 作 成 し た 建 議 案 が 可__ \44 ) 決 さ れ, 農商 務大臣あ て に提 出さ れた のであ る。 化学研究所設立 二関スル建議 族 二本会 ノ決議 二依り化学研究所設立二関シ建議致侯処, 此 ノ事タル単 二化学工業 ノミナラスー般産業 ノ振興ヲ計 り国富 発展ノ基礎ヲ強固ナラ シ ムル国家重要 ノ案件ニシテ, 而カモ這般 ノ欧洲 戦乱二鑑 ミ一 日モ忽ニ スう カラサルモノナルカ,之 ヲ民間ノ計画二放任 セソカ莫大 ナル資金 ヲ 要 スルカ為容易 二其 ノ実現ヲ期スルコト能ハサルハ一昨年来 ノ実況 二徴 シ テ明ナリ。故 二政府二於テ速 二之 ヲ実行スル目的 ヲ以テ内務,大蔵,

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第一次世界大戦と研究体制の整備L77 文 部 及 農 商 務 各 省 ノ関 係 諸 官 庁 ヨ リ 委員 ヲ命 シ , 之 二民 間 ノ実 業 家 ヲ加 ヘ テ 官 民 合 同 ノノ委 員 ヲ 組 織 シ, 其 ノ実 行 二着 手 セ ラ レ ソ コト ヲ切 望 ス 右 別 紙 理 由書 , 化 学 研 究 所 ノ組 織 及 事 業 要 項 蚊 予 算 概 算 書 相 添 本 会 ノ決 議 二依 り建 議 候 也 大 正 四 年 三 月 七 日 化 学 工 業 調 査 会 農 商 務 大 臣 河 野 広 中 殿 化 学研 究所 ノ設立 ヲ必要 ト スル理 由 方今 列 国相対峙シ言 強 ヲ以 テ相争フ, 而シ テ其 ノ国 富 ノ充実 セル ハ皆理 学 ノ応 用 二務 メ深 ク其 ノ根底 二培 ヒ以 テ産業 ヲ隆盛 ニセル ノ致ろ所 ニシ テ,其 ノエ 業製 造 ノ進歩 侃 々トシ テ底止 スル所 ヲ知 ラサル ナ リ。此 時 二 当強 り我 邦与 国 ノ気運 二乗シ テ悠遠 ノ皇 謨 ヲ成 就 セソ コト ヲ図ル モ, 唯 兵 ノ備 ア リテ富 国 ノ実 ナ ク我産業 ヲ以 テ彼 二比 スル ニ相後 ルル甚 タ遠 ク。 加フ ル ニ進歩 ノ亦 頗ル 遅 々タル ヲ以 テス。 彼 ノ列国 トm 馳 セソ コト ヲ思 フ ニ洵 二日晩レ テ途遠 キ ノ歎 ナ クソ ハア ラス。 故 二国家 ノ大 計 ハ産業 ヲ 興隆 スル ヨ リ急 ナル ハナ ク, 而シ テ産業 ヲ興隆 セソ ニハ化学工業 ヲ振起 スル ヨ リ先 ナル ハナシ。 請 フ少シ ク其 ノ然 ル所以 ヲ述ヘン 抑 モ諸 種 ノ産業 ハ相 侯チ 相助 ケテ始 メテ発達 シ得ペ キ モ ノニシ テ, 其 ノ 関 聯ス ル コト恰モ人 身 ノ諸 機関 ノ如 ク荷 モ其 ノ一 二シ テ萎 扉不振 ノモ ノ アラン カ, 他モ亦皆其 ノ累 ヲ蒙 ラサ ル ヲ得 ス。 進歩 セル 農業 ハ化学工業 ノ供 給 スル 肥料ヲ得 ル ニア ラサレ ハ進歩 スル コト能 ハサ ルヘ ク, 機業 ハ 染料 ヲ得 テ始 メテ其 ノ製品 ノ販 路 ヲ拡張 スル コト ヲ得ヘ ク, 製 鋼業 ハ珪 素, ブナヂソ, タン グステン 等 ブ得 テ始 メテ最 モ優 良 ノ鋼 ヲ造 ル ヲ得ル カ如 キ 其 ノ実 例 ノー 班 ニシ テ,電 気工 業, 鉱業 ,水 産業 ,醸 造業 ノ如 キ モ亦 種 々 ノ物 質 ヲ化学 工業 二仰 ケリ。 故 二化 学工業 ノ発達 ハ間接 二是等 諸 産業 ノ進 歩 ヲ促 スヘ キナ リ 現今我 国 二於 テ需用 セ ラルル 化学 製 品 ノ量 頗 ル大ナ ル ノミナ ラス将来其 ノ需要 ノ大 二増進 スヘ キ ハ疑 ヲ容レ サル所 ニシテ, 而 モ其 ノ我 国 二於 テ 製 出 セラル ル コト 尚甚 タ少キ ハ統 計 ノ示 ス所 ナ リ。 故 二此 ノ欠 ヲ補フ 為 メニモ,亦 他 ノ諸 産業 ノ発達 ヲ助 クル カ為 メニモ, 化学 工業 ノ振 興 ヲ以

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テ当 世 ノ急 務ト スヘ キ ハ識 者 ヲ侯 タスシテ明 ナリ 農業 水産業 ノ如 キ 本邦囚有 ノ産業 ハ暫 ク之 ヲ措 キ, 鉱業 , 電気工業ニ 器 械 工業 等 力近年 我国 二於 テ次第 二隆 盛 二趣 クニ反 シ, 独 り化学工業 ノミ 其 ノ進 歩 ノ極 メテ遅 々タル ハ自 ラ其 ノ理由 ナ クソ ハア ラス。 蓋シ前者 ハ 剪 モ主 トシ テ器械的 ナル カ故 二其 ノ器械 ヲ海外 ヨ リ輸入 シ岩 クハ之 ヲ模 造 スレ ハ大 ナル困難 ナ クシテ 其 ノエ業 ヲ我 国 二移 植シ 得ヘ シ ト雖 モ,化 学 工業 二至 リテハ頗ル 其 ノ趣 ヲ異 ニシ 操作 ノ往 々繁 瓊複 雑 ナル カ為 二技 師 職エ ユ特別 ノ経験 判 断 ヲ要 スル モ ノアル ヲ以 テ, 器械的 二之 ヲ輸入移 植 スル ハ殆 ト不可 能 ノ事 二属 スル モ ノア リ。 是レ 最 毎進 歩 セル化学工業 二於 テ独逸 力独 り覇権 ヲ檀こ=,シ, 英 米 ノ大工業 国 ヲ以 テシ テ尚 ホ未 タ途 二其 ノ塁 ヲ摩 スル能 ハサル所 以 ナリ。 独逸 ハ元来 化 学工業 二於 テモ英 国 こ 比 スレ ハ遥 こ後進 ノ国 タリ, 而ル ニ斯 ノ如 ク之 ヲ凌駕 スル ニ至レ ル ハ 多 クノ化学 者 ヲ養成 シ其 ノ研究 ノ結果 ヲ著 々工業 二応用 セル カ為 ニシ テ, 其 ノイヒ学工場 二在 テ モ亦 附属 ノ研究所 ヲ設 ケ化学 者 ヲシ テ製造 方法 ノ改 良 , 新製 品 ノ発 明 二従 事 セシ メ廃物利 用 ノ途 ヲ講 セシ ムル モ ノ多 シ。 今 ヤ欧洲 ノ大 乱 二際シ独 逸 力兵 ヲ国 外 二用 ヒテ能 ク優 越 ノ位 置 ヲ保 テルモ ノ其 ノ諸般 ノ制度 ノ完 備セル ニ由ル ト雖 泌, 蓋シ 化学 工業 ノ大 二発達シ テ製 造的物 資 ノ供給 二於 テ殆 ト内顧 ノ患 ナキ モ ノ亦 是 力一 囚 タルヘ シ。 敬 二我 国 二於 テ化 学工業 ブ振興 セソ トセ ハ範 ヲ独逸 二取 リ, 大 二化学研 究 ノ道 ヲ開キ 発 明 ヲ奨 励シ 以 テエ 業 発達 ノ基 礎 ヲ造 ラサ ルヘ カラス 蓋 シ 発明 ハエ 業 ノ精 華 タル ト同時 二又其 ノ根底 タル モ ノニシ テ,此 ノ根 底 ナキ模倣的 工業 力競争 二堪ヘ スシ テ終 二萎 扉衰退 スヘ キ ハ火 ヲ諧ルヨ リ明 ナレ ハ, 縦令 人 為的 奨 励 ニヨリテ一 時 吾 力化学 工業 ヲ振 起シ得ル ト スル モ其 ノ存続 発達 ヲ期 スヘ カラサル ナ リ。 故 二化 学工業 振 興 ヲ図 ラン ド 欲セ ハ我 国人 ノ発 明 能カ ヲ発 揮セシ メ, 且 ツ之 ヲ指導 シ応 用 セシ ムヘ キ 機関 ヲ設 クル ヨ リ急 且 ツ重キ ハナシ。 而シ テ化学 研究 所 ハ実 二其 ノ機 関 タルヘ キナ リ 論 者或 ハ我 邦人 ノ発 明能カ ユ疑 ヲ挾 ムモ ノアリ。 今 仮 二発 明特許件 数 ヲ 以 テ此 ノ能カ ヲ測 ル尺 度ト セソ カ最近我 国 二於 テ ハ人 口十万 土対シ 特許 件 数毎年 四。 五, 実用 新案 登録件 数 ヲ合 スルモ一一 。 八 二過 キ ス。 而シ テ英国 ノ特 許率三 十六, 米 国 ノ特許率三五L 六, 独 逸 ノ実 用新 案 ヲ合 セ

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第一次世界大戦と研究体制の整備179 テ七− 。 七 ナル ニ比 スレ ハ遥 二低キ パ事実 ナリ。然 レ ト モ是 ヲ以 テ直 二 我 邦人 ノ発 明能カ ノ素質 貧弱 ナ リト断 定メル ヲ得ス。 何 ト ナレ ハ発明能 カ ハ科学 教 育 ノ発 達普及 二随 伴シ, 研究機関 ノ備 ハル ニ依 リ テ上昇 スル モ ノニシ テ, 我邦 ノ既往 二発 明数 ノ多 カ ラサ リシ ハ固 ヨ リ其 ノ所ナ リ。 況 ヤ我邦 古来 ノ教 育 ハ独創カ ヲ抑圧 セル モ ノニシ テ 因習風 ヲ為 シ今 尚ホ 其 ノ弊 ヲ受 ケツ ヽアル オ ヤ。 由来 我邦人 ハ模倣 二巧 ナリ ト称 セ ラル ルモ, 模倣 ハ発 明 ノ前提 タル場合 少シ トセ ス。 之 ヲ米 国 ノ既往 二徴 シ独 逸 ノ発 達 二鑑j ル ニ彼等 モ亦 曽 テ模 倣 ノ時代 ヲ経 テ今 日ノ独創的 発明 ノ域 二進 メル ナ リ。 模倣 二敏 ナル我 邦人 豊独創的 発 明能カ ノ 素質 乏シ キ コト ヲ憂 ン ヤ。 唯之 ヲ奨 励助 長 スル 機関 備 ハラサ ル カ為 二現レ サル ノミ。 又 我 力 理学 教育 ハ今 日尚 ホ未 夕発達 七 リト云 フヘ カラサレ トモ, 而 モ最近 ノ調 査 二拠レ ハ専 門学 校已上 ノ課程 ヲ履 メル有為 ノ化学 者現 二三千三 百 余人 ア リ。 即チ 発 明 二必要 ナル 素養 ヲ有 スル モ ノ必 スシ モ斟 カ ラサ ルヘ シ。 唯彼等 ヲシ テ其 ノ機会 ヲ得シ メサル カ為 二其 ノ能カ ヲ発 揮 スル モ ノ多 力 ラサル ノ ミ 現今 戦争 力全 ク組織的4 行 ハレ テ復陣 ヲ陥レ 将 ヲ斬 ル一 騎駈 ノ戦功 ヲ重 セサル如 ク, 研 究 発明 ノ事業 二於テ モ一 人 ノカ ヲ以 テ奇 功 ヲ建 テ得ル 範 囲ハ漸 ク縮小 スル ニ至レ リ。 蓋シ 大発 明 ノ根本 タル 巧 思妙 案 ハ特殊 ノ天 才 二発 スト雖 干而 モ幾 多 ノ階段 ヲ有 スル 発展 ニョ リ テ始 メテ之 ヲ具 体化 シ テ実用的 発 明ト成 シ得 ヘ キモ ノニシ テ, 絶 倫 ノ英 才 モ数 十年 ノ努カ ユ ヨ リテ尚 ホ実 現シ 難平所 モ衆 能 ヲ協 合シ各階 段 /発 展 ヲ分担 セタ ムレ ハ 短時 日ニシ テ功 ヲ成シ 得ヘ キ ナリ。 現 二欧米 二於 ケルエ 業 界 ノ著 大ナル 発 明力多 ク大会社 ニヨ リテ成サ ルル ハ此 等 ノ会 社 力各完 備 セル研 究所 ヲ 設 ケ数多 ノ学 者 技師 ヲ置 キ協カン テ 発明 二従事 セシ ムル 結果 ニシ テ, 発 明 ハ最早 天来 ノ奇 想 ヲ待 ツ偶然 ノ出来 事 ニアラスシ テ予 メ目的 ヲ定 メ大 規模 ヲ以 テ組 織的 二遂行 セ ラル ヘ キ一 種 ノ事業 トナレ リ 我邦 二於 テ発達 ノ最モ後レ タル而 モ単純 ナル 模倣こ ヨ リテ移植 シ難 キ化 学工業 ヲ振 興 セン ト欲セ ハ, 必 ス ヤ化学 研究所 ヲ創 設シ テ大 二研 究 ノ道 ヲ開 午発明 ノ範 ヲ示 ササ ルヘ カ ラス。 而シ テ之 ヲ構 成 スヘ キ有カ ノ学者 技術 者 ヲ得ル ノ必 スジ モ難 カラサルヘ キ コト ハ既 二述ヘ タル カ如 シ。 其 ノ規 模愈大 ニシ テ設 備愈充 実 セハ其 ノ効果愈大 ナル ヘシ ト雖 モ, 予算書

参照

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︵雑報︶ 第十九巻 第十號 二七二 第百五號

また、支払っている金額は、婚姻費用が全体平均で 13.6 万円、養育費が 7.1 万円でし た。回答者の平均年収は 633 万円で、回答者の ( 元 )

資本準備金 28,691,236円のうち、28,691,236円 (全額) 利益準備金 63,489,782円のうち、63,489,782円

(A)3〜5 年間 2,000 万円以上 5,000 万円以下. (B)3〜5 年間 500 万円以上

土地賃借料を除く運営費 大企業:上限額 500 万円、中小企業:上限額 1,000 万円 燃料電池バス対応で 2 系統設備の場合 大企業:上限額

事業の財源は、運営費交付金(平成 30 年度 4,025 百万円)及び自己収入(平成 30 年度 1,554 百万円)となっている。.

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⚗万円以上~10万円未満 1,773円 10万円以上 2,076円..