著者
斎藤 弘行
著者別名
Saito Hiroyuki
雑誌名
経営論集
巻
26
ページ
69-89
発行年
1986-02-25
URL
http://id.nii.ac.jp/1060/00005783/
Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja経 営 組 織 文 化 の 特 色 づ け
斎 藤 弘 行 は じ め に 経営組 織文 化の特 色づ けはい か よ うにも なされ る。 その意 味は, どのよ う 穴区 分様式 ,区 分 のた め の手 続 き,区 分 の妥 当 な ども 真と か偽 の問 題ではな く て, そ れぞ れの存在 理由を 持つ とい うこ とであ る。 それ は文化 の標識を あ げ て文化を 説 明す ることであ り, よほどの こ とのない 限 り, 標識そ のものは 恣 意的 であ る。 従 って文化区 分 の科学的 手 続はあ りえ ない。 この小稿 で はマテ ナ ール の所 説に 従って, い くっ か の 文 化標識を 表示す る1)。 組 織文化 は組 織論 に。おい て確実 な地位を 獲得し たとはい え ないけ れ ど も, 組織 の文 化的側面 へ の注 目が多 くな った。 そ こで 組 織におけ る文化 とい うよ うにわ ざ わざ断お った表 現方法を す るに は文 化 の 意味 の中に何 かが含ま れてい るに違 い ない ことは容 易に察し がつ く。 我 々は この 組織文化 のなかに 含 まれ る「何 か」 につい て若干 の知 識を 獲得し よ うす るも のであ る。 任意的 文 化 標識の形成 組 織文 化に 限ら ず文化 が物質的 文化 と非 物質 的文 化 に区 分 されて把 握され るけ れ ど 乱 特に 組織文化 は後 者について 語 るこ とが 多い。 そ のとき, 非物 質的 カテゴ リ ーは, 企業 のあ る部分(組織)の組立を どの よ うに把え て い る かに関係す る2)。 す なわち人 は組 織(もしくはシステム)を評 価的 に受入 れ る の と同時に, 認 識的(もしくは知識的に)に受 入れ る。 前者 につい ては対 象の 価 値を(主観的に)設 定し , 他 の対 象 との比 較 のな かで 価値 を知 ると い っ た 操 作を す るが, 後者に おいて は, この価値 の より客観 化 を は か る。 すなわ ち,認 識的レ ベ ル の人 間 の事物 把握 は, 明 白 な意識活 動 の結果 であ り, とく 忙事物 の性 質お よび 他 の事物 と の関 係につい て一 般に 正し い とされ てい る理 解 を持つ ことで あ る。 評 価的大 きさ も認識的 大 きさも そ の源泉は 過去にあ るとい うことがで きる。 こ の二つ の大 き さは組 織 の発 展途 上に おい て価 値 とか 規範 とい った形 を と っ て出現するこ とも仮定 とし て理 解で き る。 さらには √知識 や能力 の形 とし て これ ら大 きさ が組 織に おい て安 定化, 定形 化され ると共に, モ れを よく表 現す るのが組 織構 造 モデル だ とい うこ とができ る。 それ故 に文化 の出発 点は 人 間 の価値的(もしくは評価的),お よび認識的 活動 に よっ て把え られた 目に見 え ない 文化的 側面で あ る。 それ では具体的 に, どの よ うにし て組 織文化を 特 色づ け るべ きか の課 題が・ 次に 来る。 それは 文化 の非物 質的 局面 の標識は何 かとい うことに 答え る こと であ る。 この際に 前言 の如 く, か な り任意に 標識 の表示 を す るこ と が で ぎ る。 以下 につ い て, 我 々は4 つ の標識を 説 明す ることに す る3)。 ㈲ 文化 の伝承 性につい て。 この問 題は 組織に限 った ことで なく, より広 い 領域 での事柄であ る。 こ こで は 組織(もしくは組織システム)が どの ような 発 展経過を とった かとい う, い わ ば歴 史的 な過 程を 指 す。 特に 組織を 特 色づ け る事項お よび事 象が歴 史的 に どの よ うに 成立し た か, 歴史 のなかで実 証さ れ てきた かにつ い て知 るこ とを 伝 承 とい うことにし てお く。 例えば我 々 の行 動様式 は, 文化関 連的に 示 す と, 過去 のな かに 決定 要素(としての大きさ)を犬 持ち, そ こに 源流 があ るとい う。 長い時間 の経過 の うち に 何か が生じ る。 もと もと事象 は表面に 出て く るも のであ り, 別 の表 現を す れば 「時 間空 間特定的 情況」 とい うもので あ る が, そ の事象 が何かを もたら す こ とに な る。 つ まり, 事 象はあ る反 応作用を 求め よ うとし , その事 象にふ さわし い 反応作用 を最 終的 には表 現させた い とす る のであ るが, 事実 はそ の通 りに は行か ない。 さら に拡大 解釈す ればあ る時点 で これ これ の情況 であ るから, そ れを 土 台 とす る反 応図式 は これこれ で なけ れば なら ない とい った ような構図 は形 成さ れえ ない とい うことであ る。 過去 の源泉におけ る情 況から 離 別 し た(独自の)自 律的 な方 向づけ 図式 が形成さ れ るこ とに なる。 離 別し た とい うのは全 く無関 係に なった と い う の で は なIn4 )。 時 間的(および時代的)様相 は これほ ど重要で あ る。 い わ ゆる伝統 と称 され る要 因は, 実 際の行 動を 規定 す る能力 があ り, 最初 は価 値中立 的 な部 類 に入 れら れてい ること が分 る。 我 々 の社会的判 断は 大抵, こ の手 の手続 に よ って
なさ れ ることはは っき りし てい る。 時代 に合 うよ うに形を 整え て, そ れが尺 度となっ てい る場合 のこ とではあ るが, 時間 の痕 跡が 残 されてい る。 古ぼけ た様相を 含む も のは マ イナスだ とい うことに はなら ない。 我 々は どの よ うにし て古い ものを 信じ るかそれ とも 基礎にし よ:うとするO か。 い ち ど文化 のな かに受 入 れら れた標 準 が, 長 期に わた る妥当性を 示す よ うに人 は心 掛け るも のだ とす る叙 述が この ことを 説 明す る。 無論 全 く同一 〇 妥当性 ではな くて, 傾向 とし てあ る特性を 保持 すれば , 基礎 とし うる とい う 判断があ る。 どちら にし て も, 組 織の発展過 程におい て選択 の基 準を持つ こ とは, 継続的 にそれ ぞれ の目的 のため の処理を 施し た り, また種 々な 相手O 評価お よび吟 味を経 なけれ ば なら ない こ とから 軽減 され るこ とに な る。 なか んず く, 組 織に おけ る各個 人間 の同 意の獲 得は 困難 であ るから, こO ような 「主 体 間的吟 味可能性 」を 克 服す るため の手だ て とし て伝統 性あ るい は伝 承性が重 要とな る。 人間 の意 思決定 は この とき, 伝承に 頼 る こ と に よ りレ そ れに必 要な諸条 件を す べ て反映 させ るべ きだ と す る, 馬鹿げ た完全主 義から 脱出し ,条 件 の採 用(および反映)を 最小 限度に 抑 えて, 複 雑な現象 の 処理 もし くは 操作 が確実に で きる よう に なる。 組織 の基 本側面 のなか では文 化はあ ま り分化し てい ない よ うに見え るし , 新し く外部 から の影 響 が入った と きに, 幅広い方 向づ け がなさ れ るだけ なの だが, これ が伝承 の基本 であ る5)。 外部 の影響力 に対 す る細かい 対応は最 初 はない。 だい たい の文化 の流れ があ って, そ の流れ が差し 当 って見られ るだ け である。 と ころ が時 間 の経過 と共 に, 組織 のなかに あ る「突 出面」 もし く は「くぼみ」 がで きてく る。 これ が組 織 のなか の「文 化化 の増大」 とい うこ とであ る。 組 織が大 筋 のと ころ では伝 統的 流れ のな かで存 在し てい る のだが, そ の本 質的 内容 のな かに, 何ら か の, これ まで の流 れから 独 立し たい とす る傾向 が でてく る。 これ が「突 出部 分」か「く ぼみ部 分」であ る。 組織 のあ ると ころ に 自律性 の動 き が現わ れ ることに な る。 こ れ は,「特定 の知識 の蓄 積と全体的 シ ステ ムのなかで の独自 の立場 の価値 の形 成」を もっ てそ の基 盤を 固 める。 独 自の立 場 が組 織のな かに形 成さ れ, そ の 自律性 が認 められ るとい うこ と は, 組織のな かに 「くぼみ また は突 出部 分」 がで きた こ とに な る。 そ れ は他 のシ ステ ムと の限 界 かお ることを意 味し, (そこでの) 組織文化 が安定 化し た
こ とを示 す。 安定 化し た とい うことは, 外部から 作用 す るフ ァクタ ーを 自分 の判断 で評 価し , 協調 す ることがで きる ように なってい ることを示 す。 文化 の自己評 価 と文化 協調 の形成 とし て まとめられ る。 この よ うにし て一 見,独 自 の立 場にあ る文化 形 成は, 実は, 時 間経過 のなかで, 過去 に 結びつ き, 自 律性 は純 粋に自 律性 ではない とい うこ と に な る。 組織 のなか のあ る地位 が (他から全く独自に,全く固有に)評価し ていた と思わ れ る もの が, 実 は, そ う では なか ったと分 って く る。 独自性お よび中立 性 などと は所 詮そ んな もので あ る。 とい うことは繰 返し に な るが, 過 去世 界から 文化 へ と受 入 れられた フ ァクタ ーが, そ の機能 力を 価値中立 的 とみなされ てい る ことに な る。 この事実は 明らかに, どんな組 織に お い て も(たとえ近代的な大企業といえ ども),多 く の儀式 , 神話,儀 礼,タブ ーな どが存 在 する こ とを示 唆 す る。 そ の ことは 過去世界 が組 織に存 在す るとい う意味で もあ る。 し かし , これらフ ァ クタ ーが存在す るとい っても, 組織文化 が これら を 永 続的に, 同一 の状態 でかか え こんで い るのでは ない。 成程, 儀式, 儀礼 など は当 初は合 目的的な もの(大きさ)とし て価 値を 有し てい た が,今 日,そ のま ま通 用す るか どうか 分ら ない。し か も, 組織文化 はその価値 が消失 す るのは いつ かを 明示 す るこ とはで きない ので あ る。 そ の ことが文化 の伝承 性を かえ って よく証 明す る。 要す るに, 伝統 とか伝 承性 の中味は, あ る事 象 の個 々 のもの が直接的に文 化 の害 とならない で,し かもそ の文化に 対向す る方 法が 採ら れ るときに, こ の対向 措置 がその 文化を 放棄 する ことはし ない で, 一緒 に 含めて, あ るい は 手を たず さえて行 く とい う事実 のな かにあ る。 や がては そ の文化を 消滅させ るか もし れない が, そ れは全 く ゆっく りし た経過を 経 る ものであ る。 (b) 文化 の変 化 能力につ い ての説 明は, 既 に, 伝 承性 のと ころ で相当程度 示唆 され ていた。 この際 に, 過去 への拘束的 感 情や 歴史 意識 が形 成され るこ とを 知 った のだ が, そ れに よって 文化 の「公理 化」 も し く は 「プ=t グラ ム 化」 がで き上 がる のでは ない か とす る心 配がで る。し かし , これ は, 文 化が 過 剰に, 老化, 劣化を 受け る ことを 意 味し ない。 この点 を 語 るの が文 化の変 化能力 の内容 であ る。 組織文 化におい ては, 文 化 の適応能力 へ絶え ず新し い 要請を 行な う次元が 存在す る ことを 認め る のが大 切であ る。 これ は文化 の側 が安定的 に, 定形 化 されて 継続し てい ても, そ うは行 か ない ことを 示 す。「文化 が問 題 解決に と
つて適切な もの と証 明され た 範囲 におい て のみ, 文化 的 内容 と形式 が長期に わた る生存機会を もつ」 とい う。 これ は文化にた いす る期待 と効果 の重視で ある。 なか んず く経営 組 織の よ うな構 成体 に おい てこ の命題 が切実 に受 取ら れるであろ う。し かし そ の背後 には もちろ ん, 組織0 構成員 が感 情, 思考, 行動につい て現 在 の文 化的 価値を 支持し てい ること, し かも, この支持 が多 くな るに従っ て ますます, 文化 的価 値が, 内容 豊か な 同質性を と りぱじ める とい うことがあ る6)。 これは組 織文 化 は絶 対に ひと り歩 きできな い と い う証明 であ る。 もちろ ん, この原因 は, 組 織間的 な, また 組織内的 な変 化へ の衝動 の存 在であ る。 それは 先に示し た如 く, 何も 新し い も のへの絶対的価 値 転換を 指 向す るので なくて,「伝 統 と変化 の 相互から み合い の強 制」を 巧 み に要請 す るこ と で あ る。 組織 の内 外におけ る こ の よ うな衝動に 関し , 先 ず, 組 織(システム)内部 の構成を 考えて み ると, モこに ぱ 「時 間経過 のなかで 次第に増 大す る, 文化 の独立 性べ の可能性」 があ っ て, これが組 織の内部を 固 め る役割をし てい る のだとい う。 文化は この際に 「独 自の力 の中心点」 に な りたい とす る傾向を 持つ。 文化は 単に 動態 性を与 え るのみ なら ず, 求心 力 とし て の作用を も果す とされ る。 そ れだ から こそ, 組 織の統一, 組織の独立 な どとい うこと があ り うるわけ であ る。 さら に組織 間的(もしくはシステム間的)な 組織情況 にお い て, そ こに お け るフ ァクタ ―の作用 は 「コン テ クストに 指向し た 開 口部」 に基 礎を 置 くとい う指摘は重要 であ る。 これ は組 織のな かに, 予 め外界 接 触を 可能 に す る開い た部分 があ って, それ が もとで, 組 織が コソ テ クスト のなか に立 つ こ とがで きるわけ であ る。 これは より上 位 秩序 の関係 のな かに 組織 が配列さ れ てい る ことであ り, さらに は組 織は, 目的 の方向づ け がコン テ クスト的 に 決ま ると い う性質を 持つ ことに な る。 この ことは文化 の発 展と 適応 がな され る前提で あ る。 これにつ い て よく, 進化理 論 の特性表示を もっ て説明 す る人 もあ る。 そ こには突 然変異 と自然淘汰 の考え が援用さ れ るのは い うまで もない。 前者 におい て「偶然 に条 件づ け ら れた, 原則的に は方向喪 失的 な, 変化 衝動 の出 現」を 言 う。 後 者で は,「一部 は 自然的 な, 一 部は人 工 的 な, 人間に よ っ て 操縦 可能な新し い方 向づけ モデル の 配置 と受 入」 とい うこと に な る であろ
う。し かも こ の二つ の事 象は漸次的 プ ロセス のな かで 行 なわれ, また,変 化 は 現在あ る文 化体 系におい て このプ1=2セ ス が実 施し て行 くものであ る7)。 我 々は組 織 の進 化につい ては別 の課題 とし て これ以 上 こ こ で は 扱 わない が, 組織文化 の変 化能力は多 分に生物 学的 思考 の示 唆を 受け てい る ことが判 明 する。 組 織内的文 化 の求心 性 と, 外部 への進 展 の二つ の大 きな大 きさが動i 力源 とし て, 組 織文 化 の変化を 可能 にし てい ること が類 推 され る。 組 織文化 の展 開=は ど う見 て も革命的方 向づけ とは 相入 れない もの であ る。 (cト 文 化 の受 容可能 性につい ての説 明は, この表 現 の ま まで は若干 の誤解 があ るかもし れ ない。 これに関し て人類 学 者 の意 見 が引用 され てい る。そ れ に よ ると文 化 とは先ず体 験(知識)を ま とめ るた め の用 具が集合し た もので あ って, それぞ れ の組織 の部 分に 配 分され てい るのだ とい う。 これを 拡大 解 釈す ると, 我 々は まとまった体 験を 必 要 とす ること, 各人 が勝手 に体験し た とし てもそ こに 何か まとま りが見 出され てい るとい う事 実に 注 目する。 それ から 組織 の各部 分(サブシステム)への知 識 の配分 が うまくい く ことが必要だ とい うことであ る。 さら に文化は この際 に, ひ とつ の ま とめ 役 とし て の機能 を 果 すのであ っ て, いわ ば道具 の ようなも のであ る8)。 従 って文化 は共通 の分母を表 現す るの であ って, これ がす べて の組 織成員 (またはシステム部分)に とって拘束的 なも のとな り, そ れら に よって受け 入 れられ る ことに なる。 それ は言い換 え ると文化 が(組織)全体 の過 程の な か で 制限 要因 と発 展(を促進させる)要 因 とを もつ も のとさ れてい て, そ のため に, 放 っておい たら ど うい う展開を す るか もし れない よ うな評 価的 な価値や 規範 とい う大 きさに対し , 厳 格さ,緊 張 な どを 与え る役 目を す るとい うこと であ る。 い うまで もなく価値や規 範は 組 織構 成 体の なか での本質 部分をつ く ってい るのであ り, この方向 がきち んと決 ま ることに よって組 織の構成員O 十 分な注 目を 確 実に受 入れさせ るわけ であ る9)。 そ れ故に受 容 可能性 とは組織 の構 成 員が文 化 の拘 束性 を どれほ ど受 入れ る か の程度 のこと であ る。 時 間経過 のな かで個人 の考 え と組 織の考え が次第に 調 和し て, プ ラスの相関関 係がっ く り 出さ れ る ことを 含 む。 この際に,受 容 とは相 互の影響 のた めか, 個人 と組 織を 囲む コン テ クス ト のた めかであ るか もし れ ない。 特 に ここで のコン テ クスト とは, 組 織の成 員資格を 通し て成 立 する共 通の場面 と共に考 慮され るべ き もので あ る。 要す るに 個人 と組 織(も
しくは組織基準)の調和を 特 色づけ るのは次 のも のであ る10)。 ○ 組 織 と個人 の間の関係 の期間。 企業 のなか に長 く活動 す る協働者 は, 新人 よりは多 く 文化的に 決定づけら れてい るし , また文 化を より多 く 決定す るものであ る。 ○ 文 化 内容の具 体化 の程度。 個人 の 自由 余地 を まかせ てお ぐ ような, 基礎 的お よび抽象 的 組織モデ ルにおい て, 具体的 な詳 細事項 に まで規定 す る原則 にあ る組 織モデル よ りも, より多 くの同 調 がえら れ る。 ○ 文 化形成 に当 って構成 員 の参 加可能 性。 寛 容 でし か も構成員へ の 適 応能力 あ る組織は, 議論 の余地あ る問 題におい ても, 当該 構成員の忠 誠を あて にす るこ とがで きる。 (d) 文 化 の習得可 能性 とい う表 現 も若干 の補足 的説 明を 必 要 とす る。 そ の 前提 には, 文化 はや がて, 過 去にあ る文 化 の源泉を 保 存し よ うとし , さら に そ のことは組 織 の構 成員を 拘束 す る働きを す るのだ とい うこと があ る。 とい うことは, 文 化 は,そ れに かかお る人間に とって,「少 なく とも 部分的 には笛 験可能 な, そし て習得 可 能な大 きさ」 だとい うこ とを 含む。 こ れは人間 のシ ン ボル形 成能力 に大 き く関係す る文 化の特 色であ る。 し かし そ うな ると,問 題点 の明確さ が薄 れ る可能 性もで てく る恐 れが ない と はい えない。 従って我 我はあ ま りに, ここではシ ン ボル特 性に こだわ ること がで きない。 我 々はむ しろ, シ ン ボル形 成 が, 人間 の活 動とそ の対 象 のなか に, た とえ 見 えない と し ても打 ち込 まれ てい るのだ と知 れば よい こ とに なる。 文化 の伝達 は, 組織 とそ こに あ る構 成員(個人)の コン テ クストにお け る 共通 の場面を 通し て成 立 す るものであ って, この ことに 影響 を及 ぼす の が次 の事項 であ る11)。(1 ) 文化 の主 体間 的接 近。 接近 性は,「組織 の内部 で, 組 織が 複雑にな る とき行動原則を 明示し よ うとす る準 備に よって影響 さ れ る」 と説 明す る。 さ らに, 文化 が多 様に 分岐 す る程 度 が, 組織規 模に よっ て大 きく な るが, この丿 ために,文化 が主 体間 的 に関係し 合う か, 理 解 の範 囲 に入 ってい ることが必 要 であ る。 例えば 小規 模 の組織におい て, 管 理的職位 におけ る活動は文 化習 得す る程度 の速 度 が早 い のはい うまで もない。 そ こに は, 管 理 者の年 齢間 ぷ 差 が小さい ため に, そ こで の文 化 への接近 が容易に な るわけ であ る。 (2) 文化 引受 へ の準備につ い て次 の3 つ の事 項 が示 され てい る。
① 組織におけ る影響力 もし くは地位に賛成もし くは 同意を与え ることで あるが,そのことによって今度は,影響を受け る側のところで,希望された 反応が起るようになるとする期待 があってのことである。 そうでないならば 人は影響力( 権力,上位地位,その他) に従うことはないとする理解があ るに れを承諾と表現する)。 ② 文化との同一化も大切である。 同一化が語られるのは,人が組織の外 界から加入し ようとするに当って,ある方向づけのタイプを獲得し,あるい は それを引受け ようとする。 この行動は全く自明のものとされ。る に れをア イデソティフィケーショソという)。 ③ 内在化については,上記の同一化とほぼ同じ ように解釈されないこと もない。し かし これは自己の基準と文化の基準とを一致させることである。 但し ,自己 の基準は特定化されていない。つ まり,基準は確かに自己 の設定 し た,自分自身のものとい うことができるが,その意識がほとんど失なわれ て, もはや特定し難い状態になってい るときに, 内在化 があ るとい う に れ を内在化と表現する)。(3) 文化プ=i モーターの準備についてこ う説明される。 組織へ新し く加入 する者がその当初において,既に組織に帰属する人たちに よる支援を確実に 受げ るならば, より迅速に文化の体験を 獲得することになる。 ここに文化の 引 渡手と引受手 の関係が見ら れる。すなわち文化の引受 手が適応の用意を明 白 に示 し, 文化の引渡手が相手の適応用意に地位( 身分) 上 の確保が依存し てい るのを知ることがはっきりすればするほど,それだけ確かに文化の形成 がなされたことを示すものだと言い うる12)。 十 組織文化の特色 これまで我々は組織文化の標識をかなり任意的に取出し て説明するとい う 操 作をし てきた。 この種の標識はいくらでもかかげ るこ とができると既に指 摘し た。 ここでは標識の作成に続く課題とし て, 組織文化が,これまで組織 が当然のこととし て自己の正当化のために保持し て い た別の標識(文化標識 とは異なった)との対比において 説明されること に な る。以下において3 つ の課題とし てまとめられる13)。 もともとマテナールは組織文化を考えるに当って,それが組織形成にどう
作用す るかを 中心にし よ うとし てい る。 そ の とき先ず 組 織形 成に 当 って合理 性と非 合理 性 がテ ーマとされ るとい うこ とにな る。し かし 我 々は, とくに組 織文化 の 組織形成 にたい す る関 係とい う局面に のみ とら わ れない で陳 述を進 めるこ とに す る14)。 組 織文化を 考 察す るに は二つ の合理性 が想定さ れ る。 組 織 の構 造化をなす 基礎を 求め るときに, もちろ ん客観的に 妥当す る決定 要因 があ るの が望 まし い。し かし 附況 に応じ て客観的 意味 が異な っ て く る。 他 方で人 は無理にで 乱 意 識的 に客観 的基盤を 求 めたが るものであ る6 そ こで 統一 のあ る方向づ けが ない とすれば, 合理 性は, 例えば機 能的方 向 と主 観的方 向に おい て考え ることがで き る。 機能 的な合 理性 とい うときに は, 組織 の目標に 従 って 全体 的な 組織(全体 的システム)が活動 す る ようにな って い る ときの表示 であ る。 組織 とい うよ りも この際に はむし ろシ ステ ムとい う表 現をし た ほ うが事 象に 適切に表わす こと ができ るか もし れない。 とい うのは, シ ステ ムとい う一 つ の人間 結合的 な構成 的 の, いわ ば無 名的存 在物 が前 提にさ れ, そ の 働 き のみに注 目するか らであ る。 これに対し て, 主観 的合理性 とい う場合 に,「意思 決定に当 り人 間の 引出す 行為代替 案を, 個人 的目標, もし くは場 合 に よって は全体シ ステ ム的思 考から 限界づ けた 目標 のなかで, 測定す る」 こ と が 目立つ こ と と な る。 二つ の合 理性思 考に共 通す るのは,「目的 一手段 関 係にお け る認 識お よ び 方向づけ」 を 持つ こ とであ る。 組織は よ り即物的 に見 るな ら ば,「資 源を も って満 され るべ き全体シ ステ ム」 なのであ り, そ の点 では 合理 性の考え方 が 支配的 とな る。 経 営 活動 は経 済的行為 そ のもの もし く はそ のバ リエ ーシa. ン であ るこ とは初歩 的知 識であ るが, 合 理性 の表 現 の場 とし て代表 的な もので ある。 と ころ がす べ て均一 質 の合理性 があ るのでない 。「あ ら ゆ る形態 の経 済的 行為 が合理的 であ る が,し かし あ る行為 は他 の行 為 よりもも っと合理的 であ る」 とい うこ とが実際に 起 るのであ る。 それ では非 合理 性 はどの よ うに認識 され るのであ ろ うか。 組織 の構 造化を はか る過 程は建て 前 とし て個人 の知覚 といった 恣意的 部 分を シ ャットア ウト し ておい て なされ る ので あ るが, そ のと きに 何か の要 因 がこ の過 程に 入りこ むと仮定し て み る。 こ の何か が非合理性 なのであ る。 と ころ が実 際の組 織形
球 過程 は個人 の存在を 認め ない わけ に は行 かない から, 当然個人 が行なった 結 果は 無視で き るものでなく て,むし ろ 「一 般的 な秩序 モデ ル」 とし ての地 位 を 得 てい るこ とに なる。 これは, 組 織へ の人 間 介入に か かお りな く,個人 の存 在 が無 視され てい ない とい う証 明であ る。 そ れは個 人 の能力 を認 める こl とであ り, そ の力を 通し て, かな りの こ とがで きる ようにな った こ と を 示 す 。 組 織におい ては,「合理 的に 処理し よ うとす る と材 料 の複雑性 があま り 忙 高度過 ぎて, 意識的 な構造 化に よっては達 成さ れない ような」 結果を克 服 す る ことを 可能 にし てし ま うのが非 合理 性 の力 で ある。 かく て この非 合理性 が組 織文 化 と一 体 どの ように関連し てく る のであろ う か。 なか んずく組 織の内部 におけ る相 互作用 関係 の様子 に注 目す ると,そ れy が一 つ のモデルを形 成す るのが分 るのだ が, これを別 の 表現に よ ると 「進 化 的 過程 のなか で発展し た行 動規則」 とい うように 言 うこ とがで き る。 特に主 観的非 合理性 が集合 する ことに よっ て, 組 織の発 展に と もない 次第に一つ の まと ま りが成立し ,非合 理性 のル ール(? )が形成 されてし まった ことにな る。 言 い 換 え ると,「組織文化的 に みる と非 合理 性 もルール に ほかなら な い」 わ け で あ る。 し かし 組 織文 化 のよ り動態 的, 積 極的作用 に注 目すれ ば,非合 理的大 きさ 宍が(組織文化から)組 織の形 成 に影響 す る とい った ほ うが よい。 もちろ んこの 影 響は 組織 の全 体的体系に わた る問 題を 解決し て くれ るか ど うか 分 ら な い (あるいはしてくれないかもしれない)。 どち らに せ よ, 非 合理性は 原則化, ル ール化し てし ま うよ うに な る。 つ ま り, それ は組 織形成 に とっては当 り前 の 事 柄 とし て認めら れ るこ とを 意味 す る。 原則の特 色とい う事実を 拡大し て示 せ ば, この原則 は,そ れを 成 立さ せ てい る根拠を 離れてし まってい ること が 考 えら れる。し か もこのル ールは多 数 の集 積からで き上 がってい る。 さら に ル ール とし て の存在を なくし た後に な って も本来的 な 目標を持つ ことなし に, 既 に どの ような 意味 がそ0 ル ールに あ るかをい ちい ち振 り返 ることなし に, あ る形 のなかで 存続 する。 このあ る形 とは,い うまで 屯な く, 儀式 , 神話, 祭 礼, タブ ーな どであ る。 い うまでもな く, 儀式や 神話 の考 えは, 日常的に使 用 され るときに は別 に きち んと定義さ れてい るわけ では ない。 儀式 は行 動者に とって意味 のない 活 動 の繰返し お よび連 続とい った程 度 の理 解し か ない。 神話に 至っ ては誤 った
信仰 もし く は 信 念 く ら い の考 え に と ど ま る。 儀 式 の 説 明 に こ だ わ る とす れ ば , これ は 文 化 創 造 の媒 体 物 で あ り, そ れ は あ る メ ッセ イ ジ を 含 む も の と考 えら れ る。 儀式 の 役 割 は ど んな こ とを そ れ が す るか で は な く て, どん な こ とを 話 り か け る か と い う こ と だ と説 明 もあ る。 言 い か え る と , 儀 式 に 関 係し て み る と知 ら れ て く る こ と が あ り, そ れ が 中 心 的 また は 周 辺 的 価 値 , 支 配的 人 間 ま た は 周 辺 的 人 間 , も て は や さ れ た 目標 また は 重 要 さ の わ ず か な 目 標, 種 々 な 組 織 の 種 々 な 活 動 な どで あ る とい う こ とで あ る。 社 会 的 関 係 が 様 式 を 持 ち , 規 定 を 受 け , 慣 習 のな か に 置 か れ る のは 明 ら か に 儀 礼 に よ る。 事 物 (の状態) がは っ き りす る こ と, 他 の も の と全 く 別 の も の だ とい う存 在 を 示 し そ れを 創 り 出 す の が 儀 式 で あ り, また , 純 粋 と そ うで な い も の とを 分 割 す る境 界 線を 引 く こ と に よ り秩 序 を 定 め る の も 儀 式 で あ る とい う こ と が で き る。 ニ 組 織 の な か に 存 続 す る こ の 種 の 組 織 文 化 は も ち ろ ん か つ て は 合 自的 な も の と 証 明 さ れ て い た も の であ る (もちろん現在で もそ うい うことも多い が)。 し か し だ か ら と い っ て 現 在 の組 織 へ の適 応 価 値 が 失 わ れ て い る とは 限 ら な い 。 若 し 失 わ れ た り す れ ば , ル ール 化 し た 文 化 は 「 自 分 か ら は 何 も 言 わ な い 」 こ と に な る。 と い うこ とは , こ の文 化 は 存 在 す るだ け で 有 効( ?)と い うこ と にな る。 組 織 の な か に 文 化 が 成 立 す る とい う こ と は 単 一 の事 項 が つ くら れ る こ と で あ り, そ れ が 文 化 を 損 う よ うな こ とを し な い な ら ば , そ の 結 果 とし てそ れ に 対 立 す る ど の事 項 が よい か の 選 択 も行 な わ れ る よ うに な る のだ が, そ の 単一 の 事 項 は そ の ま ま継 続 さ れ て行 っ て , や が て ゆ っ く り 消 滅 す る ほ か は な い (その際に 偶然的に突然的事象が引き金になってい るか もし れない のだが)。 そ れ が 文 化形 成 と進 展 の 経 過 な の で あ る。 従 っ て こ うい う文 章 が 引 用 さ れ る が も っ と も な こ と であ る。「合 目的 的 な も の が 存 在 す る の み な ら ず, 当 該 の も の に と っ て 破 壊 と な る ほ ど まで に非 合 目的 的 で な い も の も 存 在 す る」 と。 組 織 文 化 は , 公 式 的 お よび 非 公 式 的 組 織 に 関 係 す る こ と が 課 題 と さ れ る。 経 営 組 織 論 に お い て 必 ず 語 ら れ る主 題 で あ り, 公 式 的 枠 組 が 展 開し う る条 件 枠 組 を 最 初 に つ く る 非 公 式 的 領 域 と い う捉 え 方 が よ く な さ れ る16)(もっとも 公式 的組織枠 組があ るから こそ, 非公式的な関 係が成 立す る のだ とい う考えもあって, 結論のない課題 とな るが)。結論 的 に は , 文 化 が 構 造 と 切 り離 さ れ る こ と な く に れを両立性 もし くは共起可能性と もい うことがで きるが) 存 在 す る こ と に既 に
言及し た ことに関 係し , とく に どの よ うな組 織レ ベル(システム)に お い て 行為 選択 の主導 権 が任 され てい るか が重 要 とな る。 ここ でい う行為 選択は, 各人(決定負担者)が多 数 の選択 肢 のな かか ら どのくらい の裁量 に お い て 自 分 に適し た行動を 選ぶ こと がで きるか の 自由度 であ る。 すなわ ち, この自由 度 の多い 場所が非 公式的 領域 であ る。 文 化は多 くここに関 連す る。 これを。 「第二 次的負担者 シ ステ ムの構 造機 能」 の な か に 文化 と構造 の結合可能性 (共起可能性)があ る と表 現す る。 ニ‥ このこ とは,非 公式 的領域 が 準拠シ ステ ムとし て定義 さ れ るよ うにな って い ることを 暗示す る。 すなわ ちそ こ では当 該 のあ る部門 とそ れを とり まく他 の部門 (さらにはある組織と他の組織の関係および同一組織の内部)に おけ る要請 が生じ るとき に, それら 内外 の要 請一致 が非 公式的 関係 におい て よく顕 著に 見 られ るとい って もよい。 組 織を ひっ く るめ て, い わゆ るそ の組織 の全体的 立 場から の承認 があ り,同時 に。 そ こ で の代 替案選択 が 正当化 され てい るの で あ るが, そ のこ とは上 位から の承認 もし くは正当化 を 強制的 に獲得 す ると い うので な く て,「沈黙的 合法 化 のなか に表現 され てい る」 とみて よい であ ろ う(つまり文化の問題は許可とか上位者の合法化のことではない とい うこ とであ る)。非 公式 領域 におい ては, こ の よ うに見 る と, 他の部 門 (システム)に よ って委 ねられた 自由空 間を 「洗練 化」 す る ことが 自己0 行 動プ ロ グラムの選 択 の うち に含 まれる こ と に な る。 そ れ が(非公式的)構 造 と文化 の関係 の両 立 性であ る。 これに対し て公式的 組 織と一 般 に言わ れ る領域 で は, 自己 の部 門 (システ ム)に対す る実 施プ ログラ ム より もむし ろ 他 のシス テ ムのた め の 公式的 行為 プ ロ グラムが主 導権を 持つ。 主 とし て この役割 は第一 次的 組織 活動領域を担 当 す る人 たち が負 う。 こ の領域 は具 体的 に 組織担 当 者が 負担 するこ ともあ る が, 抽 象的には, 公式 的組 織は 他 の人 (またはシステム) のた め のプ ログ ラム を 考え てや るこ とであ り, それ だ から こそ 公式的 な のだ から, そ の よ うな 種 類 の活動 またはプ ロ グラ ムを設 定し た り, 計画し た りす るのはすべ て公式的 活 動 とい うことにな る。 従っ て具 体的 に どの部 門が公式 的で どれ が非 公式的 とい うこと よりも, 非公式 的 活動 に対比し て の公式 的 領域 とい うのであ り, そ れが 第一 次的 組織活動 領域 とい うのであ る。 ニ そ の とき公式 的 領域は二 つ のエ レ メン トの間 の緊張 関 係を含 む。 す な わ
ち,規 範的秩 序 と実 施的秩序 の間 の関係 が完 全 に一 致 す るご とはない とい う 意味を それは 持つ。 それは情 況に応じ た 極 く 自然な 適 応性を きびし く守るこ とは難し い こ とニ 解 釈の難し さ,多 岐 にわた る考 えを ど う実施に 移すかは容 易でない な どのこ とのためであ る。 それ では 何故, 公 式 的領 域では この よう な不一 致が (規範と実施の間で) 生じ るのであ ろ うか。 そ の一 つは, 公式的 領 域では 建て前 とし て文化的 決定 要素は実 際 の適 用は で きない とし てし まい, 文化 が制度化し ない ようにし てし ま うとす るた めで あ る。 そ うす れば建て前 とし て の規範 はそれ 自体の存 在価値を持 つ。 もは や 文化 的 影響力を 遮断し た 領域 とし て の公式性を 持つ こと ができるわけ であ る。 他 の一 つは, 規範とは 公式性 が絶対 的に有 す る権力(? )とし て存 在す る ので あ っ て,・ 結局 のとこ ろ,「組 織構成員 に よっ ては 何 も生 み出さ れない よ うな給 付へ と義 務 づ け る のであしり, そ れは果さ れえない 要請をし たた め であ る」 とい うところに規範 性 の基 準を 置 いてし ま うため であ る。実 に, 公式 性 は こ の ような 経過を た ど って, あ る意 味では文 化作用を 遠ざけ てい るとい うこ と ができ る。 組織文化 の特 色 の最後 は組 織文 化 の弾 力 性に関 す るも のであ る。 そこでは 絶対 的 局面 と相対 的 局面 の区別 がなされ る。 絶対的 弾 力 性から 出発 す る。 こ の弾力性を 測定 す る基 準は どのくらい の構造 代替案 を もつか とい うことであ る。 組 織構造 は, 組 織の内部お よび組 織 の間で の要請 に応じ て形 成 されるこ とは当 然で あ るが, そ の反 応を よくす るには より多 く の代替 案を 持つ のがよ いとい うの が極め て単純な思 考であ る。し か も対 応 に当 っ て現在あ るところ の文 化(文化ステイタス)を 損わ ない よ うにし てお くの がこ の とき の前提 であ る。 これに 従っ て, どの くらい 多 くの代替 案を もつ か に よっ てお よそ三つ の組 織文 化 タ イプ を区別 ができ るとす るのがマ テナ ール の考 え であ る。 ①固定的 組織文化 が初 めに考えら れ る。 これは かな り制 限定 な 作用 を す る(つまり代 替案をある範囲にとどめて七まう)。 いくっ も の行為 プ ロ グラ ムが実 現され るよ うにす るので な くて, ほん のわ ずか のも のが実現 さ れ るこ とにな る6 ②方向 限定的 組 織文化 が次に 考えら れ る。 これ は代 替案 の選 択 につ い てぱ方向 がど ちら に向 くか の傾向 か決 まれば よい(すなわち, 拡大に向 うか縮小に向うかを予 め決めておくことが必要である)。 あ る意味 では 代替案 の選択 は オ ープンだ とい うこ とにな る。 但し こ の際 に, 拡大方 向 に設定 され る とす れば, 適応 のため
に収 縮す ることはで き ない よ うに なってい る。 ③二つ の方向に向 っ て開いた 組 織文化 が(より)弾 力的 なも のとさ れ る。 そ れは縮小 の方 へも拡 大 の方 へ 乱 両方 に向か ってオ ープン であ る。 つ まり, 潜在的 な代替案 も含 めて,あ ら ゆ る行 動プ ロ グラ ムの任 意的な 選択 に より, あら ゆる要請 に対応 でき る よ うになっ てい る。 この よ うな三つ の弾 力性区 分は文 化進 化のプl==・セ スのなかで, 組 織文化 が どうい う傾 向の弾 力性を もっ ようにな るかを 示す も のであ る。 あ る組織 が全 体 とし て, 長 時聞り 適応過 程を 経 て変 化す る相様を 映し 出す もの と み ら れ る。 もちろ ん固定的 な組 織文化 から弾 力的 な組 織文化 へ の変 化 もあ るが, モ の反対 の変 化 もあ るか もし れ ない。 こ のよ うな変化を 経 て形 成さ れた 組織文 化は 勝手に変 化で きない 性質を もつ も の で あ る(それは文化の一般的情況と同 じであるが)。 こ の ような手 順で 組 織文化 が形成 され てし ま うと,そ れ が弾力 的 であろ うと固定 的で あろ うとそれぞ れ の文化 ステ イタ スが主 張さ れ続け る こ とに な る。 例えば 弾力性 がひ とたび形 成さ れ た と き に, 弾 力性 とい った 意味 のなか に, 組 織全 体から 見て 固定的 で 文化 よりも 明らかに 多 く の代替的(プr=・グラ ム)案を 含む ことにな る。 そ うす る ことに よってあら ゆ る想定 さ れ うる 情 況 に 対応で き る解決 の獲得 が確実 に なされ る。し かし この形式 が絶対的 な解 決 の保証 とはなっ てい ない のが実 情 であ る。 弾 力性は通常 のプ ロ グラ ム外 の活 動, 例えば 企業 におけ る平 常 の業 務を 超え た取引 関係 にと もな うコス トをい つ も最低限 にし てお くとい う保 証 はない。 結局, 弾力性 は最 適性を もたら す ので はな くて, 精 々, サ ブ・ 最適 性を もたら す こ とに なる。 またそ のため に 多 くの代替案を か かえ こむ こ とも また非能 率を もたら す であろ う。 何故 なら, いつ 出現す るかもし れ ない 情況 のため のプ=r グラ ムの準 備に費用 と時 間 がか か り過 ぎ るから であ る。 こ の説明は要 す るに 絶対的 に弾 力 性があれ ば よい とい うことは 言えない こ とを 教え てい る。 種 々な 組織文化 があ って, そこに どの よ うな構 造 がよい か は一 概 に言えない。 従 って 弾力 性は相対 的表 現だ とい うことにな る。 そ う見 るならば, どのよ うな こ とが組 織文化は 可能 にす るか, そ の力を 文 化 のなか に 保持す るかは,要 請 に どの くらい 合 うか, 要請 の価値 に ど の程度一 致 す る か に応じ て測 定され る こ とに なり, そ の視点 から 能 率的 であ った か ど うか が
判 定さ れ る ことにな る。 種 々の要請 は組 織 の種 々のレ ベ ルにおい て異な るの ぱい うまで もない。 かくし て,「固 定的組 織文化 のほ うが, よ り大 きな絶 対 的 な弾 力性に よ っ て 特色づ け られ た組 織文化 よりも,高い 程 度 の プ ラ ス の相対的 弾力性を 持 つ」 とい うこ とができ る。 これは常に 固定 的組 織文 化 が 最適だ とい うことを 言 うので は もちろ んない。 このことから, マテ ナ ールは 結局, 弾 力性 の表現 とし て,「手 許 にあってい ま自由 になる行為 代替 案 の 数 と, 間題解 決に必要 な行為 代 替案 の数 の関係から, 通常活動 を 超えた 取引 コ ストを 考 慮し て, 弾 力 性 を 考 え ること がで きる」 とす る。 この場 合に,「最 適なのは1 の関係で あ り,1 よりも小 なら ば固定的 組織文化 であ り,1 よ りも大なら ば弾力的組 織文化 であ る」 とい う。 い うまでも な く繰 返し にな るが, どれ が勝 れている か は一 概 には 言え ない17)。 組織文 化 の二つ の役割(システム傾向をもとにして) ここ で の説明 では組 織文化 は組 織全 体 にお よ ぶ(例えば企業をひとまとめに した立場)領域 に関係 す るので な く て, 主 てし て同一 組 織におい て もあ る部 分領域 に れは特定の部門ということではない) につ い て関 係を もつ とされてき た。 従っ て組 織 とい う用 語 よりもシ ステ ムの用 語を 用 い るほ うが説明の可能 性が大 きい といえ る。し かし さし あた り, こ の二つ の用 語 が相当 な程度, 互 換 的に使用 さ れてきた こと も否定で きない。 どちら の用 語に せ よ, 組織文化 が,「シ ス テ ム内的 決定要 素」 とし てみら れ てい る のは 同じ で ある。 そ れ は 組 織が形 成さ れ る ときに, それを 制限す る もの とし て, 構造 に作用 す る。 組 織(サブシステム)が自己 の目標に合 った解 決を す る とき に, 過 大な活動 もし くは過 少な活 動 がない よ うな制限を する のが 組織文 化だ と認識 され るわけ で あ る。 さら に, 制限 ばか りし てい ないで, 代 替案 が求め ら れ るときには どの くらい の範囲 にす るか の余地を 決定 する余 地を残 す の も 組織文化 の作用 であ るO これ と共 に, 組織文化 は, シ ステ ム(組織部分といってもよい)が自分 で 行 動 プ=2 グラ ムをつ くり出すに当 って どの くらい でき るか とい うときに関連す る。それ は 組織 の部 分(領域)の立場を 認め るこ とで あ り, こ の活動 が どの くらい 可能 かは 組織文化 との関係を どの くらい 保 持す る かに かかってい る。
組 織部 分 も組 織も発 展し て問 題 解決能 力を 次 第に蓄 積し て くる ときに, この・ 能 力こそ が組織の次 の ステ ップ の土台 とな る筈 であ る。 そ の能力 のなかから どれを 選択 するかを 組 織 が決 め ねば なら ない のだ が, そ の基 礎 とな るのが組 織文化であ る。 ここで は組 織文化 は組 織の現在 置 かれ てい る状 況を 示 すもひ とい うこ とがで き る。 一つ の企業 が置かれ てい るコン テ クストを前 提 とす れば, 組 織文化 は部 分 組 織内部で のこ ととし て だけ では済 まされ ない。 組織外部 から何ら かの作用宍 を 狙ってい る情 況は多 い。 この とき組 織文化 は媒 介的 要 素 とみら れ る。 これ は刺激( またはインプット) とし ての情 況と,反 応(またはアウトプット) とし ての構造 の間に仲 介的 役割を 果た す ことであ る。 この 役割を 現実 に果たす の・ は個 々人 の役 目で あ るが本 当 は どうなってい るか 未知 な ので あ る。 もともと 文化 の役 目はそ うい うこ となので あ る。 人 間の行動を 決め てい る要 因18)は, どこかに反 映さ れて現 われ るけ れ ども (例えば態度), そ うい うこ とは 極 く限ら れ ること, 複 雑な現 象は, 我 々の限 ら れた知覚能 力 のため に部 分的 な把握し かで きない こ と19), 文化 に は目的論 的 方向づけ(決定論)が欠け てい るから これ から ど の よ うな状 況 が達 成され るか不 明にし てし ま うこ と20)な どの事項を あげ ること に より, 組 織文化 の媒 介的役 割の漠 然性 がはっ き りす る。 文化 が中間 に存在 す るこ と は,「透 明性 と予 知可能 性を か な り制限 す る」 ごとにな るか もし れ ない。 こ のよ うに組 織文化 は 仲介的 役割 にお い て組請l青況 の評 価 のた めの選択基ご 準を 与え るこ とにあ るか もし れ ない。 組 織文化 の持つ 原則 と一 致 で きる よう な行為代替 案 と, 資 源 の選択 がで きる ようにし てや る ことであ る。 組 織文化 は媒 介的 にな るこ とに よって, 確 かに行 動 の予知, 目標 の不 透 明性,部 分的:= 理解を もたら すけ れ ども, そ のこ とのため に組 織文 化 の不必 要性 が主 張さ れ ない こ とにな る。 つ ま り, 組 織文化 の変化 能力 に利点を 求め てい る ことにな る。 組 織が代 替 案の修 正をし よ うとす ると きに, そ の修正 の原則 の土 台を な万 し , 組織の自己 動態 性を 与え るもの が組織文化 だ とい うわけ で あ る。 それ と 同時 に, 組 織文化 は, 組 織形 成 のプ ロセ スのなか で, 安定 化を もた らす尺 度: とし て作用 す る。 お よそ文 化 の進化的 法則 に れについてはここでは説明しない が)は 組織の発 展 ・維 持 に とって, 重 要な方 向づ けを 与え る ものであ るが, 組 織文 化の性 質も これ と同じ であ る。 組 織の維持は文 化 の維持 ・継 続にほ か
万な ら な い 。 文 化 を 所 持 す る こ と に よ っ て , 組 織 を 自 然 的 な 操 作 の も と に お く こ と を し な く な る 。 組 織 が 人 工 的 に な れ ば な る ほ ど ( そ し て 大 組 織 に な れ ば な る ほ ど , 自 然 条 件 か ら 離 れ て く る か ら ),自 然 的 本 能 低 下 が 多 く な る 。 そ れ を 補 償 し て や り , 行 動 の シ ス テ ム 化 を 図 り , プ1==・ グ ラ ム 化 し て や る の が 文 化 特 性 だ と い う こ と に な る ( 文 化 の 突 然 変 異 も 淘 汰 の メ カ ニ ズ ム も シ ス テ ム 維 持 の 方 向 づ け 払 対 し て 秩 序 形 成 に 結 び つ く の だ と 理 解 さ れ る )。 こ の 際 に 個 人 の 立 場 ( 安 全 性 を 求 め る 欲 求 ) は ど う な る の で あ ろ う か 。 個 人 。-,し 四 ← 心, φ.a ●ふ.x 匹 − ゝ − −ta し ∼.Jk 、 乙 ・・.kt-F, いー。ふt ∼ 社 目 已'73 要 請 か ど の い と)い 胸 さ れ る か ど り か に 代 わ っ て , 仙 誰 と 規 遥 か さ ち ん と き め ら れ て い る こ と , ま た 知 識 の 絶 え ざ る 蓄 積 に よ っ て 個 人 の 文 化 レ ベ ル が 維 持 さ れ る こ と に な る ( 文 化 が 高 級 と い う 意 味 で は な い! )。 組 織 文 化 は 媒 介 的 要 素 と し て 組 織 展 開 に た い す る 種 々 な 補 償 作 用 を す る け れ ど も , ご個 人 の こ欲 求 に た い し て も 考 慮 を 払 っ て い る こ と に な る 。 個 人 は 予 め 決 っ た 反 応 図 式 で 実 施 活 動 を す る こ と が で き る ( 文 化 に 従 っ て ) し , も し も 変 化 ・ 変 更 が な さ れ る と す れ ば そ れ は 当 該 個 人 の 責 任 で は な く て , 別 の 変 化 も し く は 革 新 の 担 当 関 係 者 に 責 任 が あ る も の と な る 。 組 織 文 化 が 存 在 す る と い う こ と は 個 人 を こ の よ う に 保 護 し て い る わ け で あ る 。 ∧ 我 々 は 組 織 を シ ス テ ム と し て み る こ と に 慣 れ て き た 。 し か し こ こ で は あ え て 組 織 と シ ス テ ム の 厳 格 な 区 別 を し な か っ た 。 こ こ で 若 干 ( 厳 密 さ の 問 題 は 別 払 し て ) 組 織 シ ス テ ム に つ い て , そ の 文 化 を と り あ げ る な ら ば ( こ の と き 組 織 払 は 政 治 シ ス テ ム , 企 業 シ ス テ ム な ど い く ら で も サ ブ シ ス テ ム あ げ る こ と が で き る し , 組 織 シ ス テ ム も そ の ひ と つ で あ る が ), 他 の シ ス テ ム と 比 べ て 特 別 な 発 展 経 過 を 有 し , ま た 適 応 程 度 も 異 な る 。 し か 乱 組 織 シ ス テ ム は コ ン テ ク ス ト の な か で 多 岐 に わ た っ て い る 要 請 に 合 う よ う な 努 力 を し て い る ( あ る い は そ の 要 請 に 足 場 を 置 い て い る )。 こ の よ う な 背 景 を 知 る な ら ば , 「 文 化 は シ ス テ ム ・ ア イ デ ソ テ ィ フ ィ ケ ー シ ョ ソ の た め の 適 切 な 基 点 」 と な っ て い る こ と が は っ き り す る 。 従 っ て そ れ ぞ れ の サ ブ シ ス テ ム が 異 な る 基 準 を も つ こ と に な る 。 こ れ を , 「 サ ブ シ ス テ ム の 形 成 を 経 由 し , 組 織 的 部 分 領 域 の 特 色 を 示 す 」 と 表 現 す る こ と が で き る 。 こ の よ う な 視 点 か ら す る と こ う い う よ う な 説 明 を 得 る こ と が で き る 。 「 少 な く と も 部 分 的 に 独 自 の 文 化 の 基 準 は , サ ブ シ ス テ ム の 特 色 づ け の た め に 役 立 つ 。 各 々 の シ ス テ ム に と っ て も 目 標 設 定 は 絶 対 必 要 な の だ が , 各 々 の サ ブ
シ ス テ ムに とっ て, 自己 の維持 と境 界設定 のために サブシ ステ ムに のみ加え ら れた文 化 ファ クタ ーを 育成し , 場合 に よっては発 展さ せ ること が合理的 な 戦略であ る」 と21)。 我 々はこ こに至 っ てサブシ ステ ム中 心 の考えに 至 る。 と れ はサブシ ステ ムが勝 れ てい るとか パ ワーを もっ とい うこ とではな く て, 我 我 はそ こに文化 の在 りかを 発見し た ので ある。し かもそ れぞ れ異 な る文化 が 見られ る。 そ の際に,「組 織文化的 分化 に 従 っ た, 個 々 のナブシ ス テ ムの限 界づけ は, ひとつ のシ ステ ム内で 作用 する異 なる遠心 力を とら え てい ること に な る。 この遠心 力を 求 め るこ とは, 中 心点 から離れ て 行って, 全体 システ ム的 に方向づけら れ た組 織シ ステ ムに よっ て投入され る べき統合 手段 お よび 統合力を引 出す べき基 盤 とな るた め であ る」 と付け 加え なけれ ば なら ないノ 組織シ ステ ムのなかで サブシ ステ ムが遠心 力を もつ のは, この よ うに 自己 中 心的思 考 のみに囚わ れ るこ となく, そ の展開形成 とし て の組織シ ス テ ムの統 合を可 能に す る基 礎と理解 さ れ る。 各 サブシ ステ ムに 遠心 力 が形 成 される と き に, シ ステ ムのカオ スが でき るので なくて, 秩序 モデ ルの組 み換え 過程が 生じ るこ とを 表現し てい るのに ほか なら な い。 遠心力, 中 心点, 合 流点(な どという考え)が, 組 織シ ステ ムの各所 に出現 す る こ と は, 組織 め破壊を 呼 び 起す のでな くて, かえ って組 織 の統一を 生か。 組織文 化 の作用 は そ うい う も のであ る。 終 り に 我々の課題は組織文化の意味を できるだけ把握し ようとする こ と で あっ た。そのとき, 組織と文化の区分について考えなかった。 もともと,マテナ ールはこの二つ の概念の説明から入り,文化について非物的なものを考えて おり,組織については用具的理解をし ている。 また組織は,そのなかに各種 のサブシステムから成立するものであり, 組織それ自体 も一つのサブシステ ムだとする考えに従う。 企業 のなかの組織システ ムは 他の企業政治(政策) 的システムと関係する。指令受容者とし ての組織システ ムが前提とされてい る。さらにこの二つのシステ ムの上に企業システムが加わるといった構図を し ている。 我々はいまこのシ ステム思考が適切かどうかを問 うていない。組織文化が 一体, 組織のなかのどこに主 とし て関係するかを見 ようとし たわけであ る。
それには非物 質的 文化 の4 つ の標識を か なり恣意 的に 示し た後 に, 組織文化 が, 組織におけ る合 理性(または非合理性),公式 性( または非公式性), 弾力性 にいか に関係 す るかを 考察し た。 そ の次に, 組織 文化 は, よりシ ステ ム的思 考の なかで, 組織シ ステ ムのな かのサブシ ステ ムにそ の所 在を見 出す ことを 試みた (こ・れはあまり成功したとは言えないが)。シ ス テ ム と い う用 語を用い た ときに, 既 に企業 とい う具体的 な存在 が消えて く る。 サブシ ス テ ムとい ってi>, 一 体, 企業 のなか の どの部 分がサ ブシ ス テ ムな の か不 明瞭に なってし ま う。 こ のあ た りの矛 盾は依然解 消し てい ない。 我 々は 前提 とされ る, 組織シ ステ ムと, 政 治シ ステ ム, 企業 シ ステ ムな どの関 係づ け が適切 な表 現手段 か どうか は っき りし ない から であ る。 注 1) 我 々 の 参 照 で き る の は 次 の 二 づ で あ るノMatenaar,D.:VorweltundOrganis-ationskultur:VenachlassigteFaktoreninderOrganisationsteorie.in:ZFO,Helf1,1983,SS.19-27
お よび,derselbe,Org αnisationskulturundOrg αni-satorischeGestaltung,Berlin,1983.2
)Matenaar, (Org αnisatiひnskultur),a.a.O.,SS.28-29.3
)Matenaar. (Ore ・anisationskultur),a.a.O.,SS.31-37, お よび,Matenaar (Vorwelt ),a.a.O.,SS.20-22 に つ い て 語 ら れ る 。 な お,Matenaar は こ の 二 つ
の 資 料 に お い て , 若 干 異 な る 標 識 の 表 示 を し て い る。 す な わ ち , 伝 承 (Tradier-ung ), 変 化 能 力 (Wandlungsfahigkeit ), 受 容 性 (Akzeptanz ) は 共 通 で あ る が , 四 つ 目 に お い て , 体 験 可 能 性 (Erfahrbarkeit ) と , 多 層 性 (Vielscliichtigkeit)<7>
別 々 の 表 示 を す る。4
) こ れ に つ い てMatenaar は,Landmann,M. ;Der ・MenschahSchopferundGeschopfderKultur,Munchen/Basel,1961,S.57 を 示 し ,「 かつ て 実 際 に 体
験 さ れ た こ と が , 自 分 の 身 に つ く も のに な る 」 と い う 叙 述 を 引 用 す る。5
) 以 下 に つ い て は , と く に ,Matenaar (Vorwelt ),a.a.0 ・,s.20 の 内 容 で あ る 。6 )Thurn,H.P.:SoziologiederKultur,Stuttgart/Berlin/Koln/Mainz,1976,SS.121-122. 例 え ば 次 の よ う な 陳 述 も 見 ら れ る。「 長 期 に わ た る 生 存 機 会 の た め に , 異 質 的 な 見 解 は , も は や , 少 な く と も 一 時 的 に 同 質 的 展 望 へ と 融 合 さ れ な い で , そ こ か ら 当 事 者 は , 自 分 を 満 足 さ せ る な ど の 共 通 の 解 決 を え な い ほ どに な っ て し ま う と, 異 質 的 見 解 は , 間 断 な く 新 し く 着 手 さ る べ き , 意 味 深 き 生 活 克 服 の た め の 支 持 能 力 を 失 う こ と に な る 。 不 十 分 な 意 味 構 造 に た い し て 反 応 す る の は , 伝 達 活 動 で あ っ て そ れ は そ れ に ふ さ わし い コ ソ フ リ ク ト を 抑 制 す る の を 助 け よ う と さ ら に 求 め る 理 論 を と も な う。 異 質 的 見 解 が こ の こ と を 行 な う べ き で あ る 。 何 故 な ら , 文 化 の 意 味 空 洞 化 に よ っ て お こ さ れ た 同 一 化 の 欠 除 は 苦 況 の 時 に 当 っ て ,
異 質 的 見 解 を 導 く こ と が で き る の で あ り , そ の と き に , 成 果 を 生 む 力 の あ る 問 題 解 決 技 術 の 不 足 は 激 し い 討 議 へ の 切 り 換 え を 不 可 欠 な ら し め る か ら で あ る 」 と 。7
) こ れ に つ い て,Matenaa (Vorwelt),a.a.O.,S.21 お よ びMatenaar (Orga-nisationskultur 』,a.a.0 ・,SS.32-33 の 説 明 で あ る 。 な お,K.Lorenz の 言 葉
と し て 次 の よ う な 叙 述 が 示 さ れ て い る 。「 組 織 文 化 の 歴 史 意 識 と , そ れ と 共 に な さ れ る プ ロ グ ラ ム 化 は 組 織 文 化 の ほ ん の わ ず か な 部 分 し か 説 明 す る こ と が で き な い 。 継 続 的 な 新 し い 要 請 と の 対 面 を 通 し て , 組 織 文 化 は 継 続 的 な 適 応 圧 力 を 受 け
る 。 こ の 圧 力 は 伝 統 と 革 新 の 相 互 か ら み 合 い を 余 儀 な く さ せ る 」 と 。8 )Matenaar (Vorwelt ),a.a.O.,S.21, 人 類 学 者 に つ い て は,W.H.Goodeno-ugh
の 名 前 が 示 さ れ 七 い る 。9
) 例 え ば,Beer,M.:OrganizationChangeandDevelopment,ASystemsView,SantaMonica,1980,p.33 が あ げ ら れ る 。10
)Matenaar(Vorwelt ),a.a.O.,S.21, さ ら に,Matenaar (Organisationskult 『 』,a.a.o.,a,34 に お い て , 個 人 と 組 織 の 思 考 の 調 和 は , 両 者 の 上 に , 上 位 秩 序 の シ ス テ ム を 考 え , そ れ が 文 化 的 背 景 の 類 似 性 を 持 つ も の と み る こ と を 含 む 。 こ う す る と 組 織 が そ の 資 源 調 達 な ら び に 活 用 に 際 し て 都 合 が よ い と い う こ と に な る 。 こ の 原 則 を 示 す の が , 刺 激 一 貢 献 理 論 で あ り , あ る い は 期 待 価 値 一 親 和 力 の 理 論 で あ る と い ‰ 代 表 的 な も の は,March,J.G./Simon,H.A.:Organi-zations ,NewYork,1965,S.84ff で あ る 。11
)Matenaar (Vorwelt ),a.a.O.,SS.21-22 お よ びMatenaar (Organisations-kultur 』,a.a.o.,s.36, な お , (Org ・anisationskultur 』S.35 に お い て 次 の よ う な 註 が あ る 。 経 験 可 能 性 の 必 要 な こ と の 意 味 は こ う い う と き に と く に 明 ら か と な る 。 文 化 を 人 工 的 シ ス テ ム と 解 釈 し , そ れ が 自 然 の 役 目 を 引 受 け た と み な す と き に 。 従 っ て 文 化 の 基 本 機 能 は 人 間 の 本 能 上 の 欠 点 を 補 う 機 能 と し て み な さ れ る 。 そ れ 故 に , 存 続 に 必 要 な 反 応 モ デ ル が も は や 遺 伝 に よっ て 準 備 さ れ な い 場 合 に , シ ス テ ム の 現 状 を 保 全 す る た め に は , 前 に 有 効 で あ っ た 方 向 づ け 図 式 が 世 代 間 的 に ま た 主 体 間 的 に 伝 達 さ れ る こ と が 重 要 で あ る ○・12
) こ れ に つ い で ,Matenaar (Vorwelt ),a.a.O.,SS.21-22. に お い て , 新 規 加 入 者 の 世 話 に つ い て , 代 父 制 の 如 き 形 式 も あ る と 示 唆 し て い る が , 日 本 の 事 情 に お い て は ど う な る の か 不 明 で あ る 。13
)Matenaar (Orpranisationskultur ),a.a.O.,SS.53-57 の 内 容 に つ い て 語 ら れ る 。14 ) も ち ろ ん,Simon,H.A.:AdministrativeBehavior,NewYork,1957,p.xxiv に お い て ,「 管 理 論 の 中 心 事 項 は , 人 間 の 社 会 的 行 動 の 合 理 的 お よ び 非 合 理 的 局 面 の 間 の 境 界 に つ い て の こ と で あ る 」 と 語っ て い る が , 我 々 は こ れ に は 関 係 し な い 。 さ ら に,Burrell,G./Morgan,G.:SociologicalParadigmsandOrga-nizationalAnalysis,London,1979,p.231 に お い て,M.Weber が 合 理 性 に つ い て 語 っ て い て , い わ ゆ る 制 御 の 社 会 学 を 示 し て い る こ と に 言 及 し て い る 。 も ち ろ ん こ れ は 社 会 学 で の 大 ぎ な テ ー マ で あ る こ と は 常 識 で あ る 。 経 営 学 に お い て ,
例 え ばWohe,G. :Einf 晶rungindieAllge 。eineBetriebswirtschaftslehre,Munchen,1984 ,S.I に お い て , 合 理 性 原 則 は , 一 般 的 な 理 性 原 則 とし て 示 さ れ
て い る。 す な わ ち , 経 済 的 行 動 は 目的 に 向 か っ た 各 々 の 人 間 行 動 の 如 く, こ の 原 則 に 従 う。 こ れ は 一 定 の 目的 を 出 来 る 限 り わ ず か な 手 段 の 投 入 で 達 成 す る こ と を 要 請 す る と 。15
)Matenaar (Organisationskultur 』a.a.O.,S.54 の 指 示 に よ る と, こ の 叙 述 は 次 の も の に よ る。Pettigrew,A.M.:OnStudyingOrganizationalCultures,in:ASQ.,December1979 (VoL24 ),pp.575-576.16 )Rosenkranz,H.:SozialeBetriebsorganisation,Miinchen/Basel,1973,S.10 に お い て 次 の よ う な 陳 述 を 得 る 。「 社 会 人 類 学 お よ び 文 化 人 類 学 は 公 式 的 お よび 非 公 式 的 組 織 の 理 論 の 発 展 に た い し て , ア メ リ カ の ソ シ オ タ ト リ ー 的 な 地 域 社 会 研 究 を 経 由 し , ま た 社 会 人 類 学 と 文 化 人 類 学 の 機 能 主 義 を 経 由 し て 影 響 を 受 け た 。 そ の 言 う と こ ろ に よ る と , 社 会 一文 化 的 動 き は よ り 大 き な 単 位 と の 関 係 に あ り, そ の 一 部 分 とし て の み 理 解 し う る」 と。 経 営 学 の 領 域 で は よ く 引 用 さ れ る の は も ち ろ ん,Barnard,C.I.:TheFunctionsoftheExecutive,Cambridge, (Mass. ),1960,p.117 で あ る が , 別 に , 次 の よ う な 資 料 も 紹 介 さ れ る。InformalOrganizationsontheirRelationtoFormalOrganizations,inMeyer,M.W.
(ed. ),Structure,SymbolsandSystems,Reading 加OrganizationalBe ゐav-ior ,Boston,1971,pp.72-77. ( こ れ に つ い て の 内 容 は 参 照 し な い )。17) 例 え ば,Bleicher,K.:Unterne みmungsentwicklungundorganisatorischeGest-altufig,Stuttgart/NewYork,1979,SS.87-88. に お い て , 全 体 シ ス テ ム 分 化 と 統 合 の 組 織 モ デ ル 形 成 に お い てレ 経 営 業 務 中 心 の モ デ ル (Verrichtaugsmodell ) の な か で ,「 全 体 的 に , こ の モ デ ル は 外 部 妨 害 に た い し て 弾 力 的 で, 中 心 で は 安 定 し た シ ス テ ムで あ り, サ ブ 最 適 化 は 強 く , 高 い プl=・ グ ラ ム 化 傾 向 を もつ 」 と い う。18 ) こ の よ うな 考 え 方 は , 人 間 行 動 が , 刺 激 に 対 し て 個 人 が 反 応 す る も の と い う こ と に 関 連 す る 。 こ れ は 一 連 の 認 知 的 過 程 を ひ き お こ す。 そ れ に よ っ て 刺 激 の 加 工 処 理 を 施 し , そ れ に よ っ て よ り 以 上 の 行 動 の 反 応 を 決 定 す る。 そ れ は 個 人 の 心 理 シ ス テ ムと し て 理 解 さ れ る。 例 え ば,Hill,W./Fehlbaum,R./Ulrich ,p.:Organisationslehre1,Bern/Stuttgart,SS.57-59.19 ) 例 え ば,Malik,F.:DieManagementlehreiraLichtdermodernenEvolution-stheorie,in:DieUnterneh 撰ur20 )Popper,K.R.:DasElenddesHistorizismus,Tubingen,1965,S.875.21
)Kirsch,W.:EinfuhrungindieTheoriederEntscheid 皿gsprozesse 、Band Ⅲ,Wiesbaden,1977,S.92.