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神経内科領域におけるサブスペシャルティ研修の在り方―神経内科専門医に求められるコンピテンス:Neurophysiology

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<シンポジウム(1)―3―1>神経内科領域におけるサブスペシャルティ研修の在り方―

神経内科専門医に求められるコンピテンス

神経内科領域におけるサブスペシャルティ研修の在り方―

神経内科専門医に求められるコンピテンス:Neurophysiology

幸原 伸夫

要旨:専門医として脳波においては,一過性あるいは持続性の意識障害患者の脳波におけるてんかん性異常かど うかの鑑別,筋電図においては急性・亜急性・進行性の脱力や感覚障害のある患者が来たときにその原因が脊髄・ 末梢神経・神経筋接合部・筋のいずれかを鑑別できることがもっとも重要と思われる.これらの習得のためにはハ ンズオンセミナーなどの参加型講習会の他,今後は e ラーニングも有用であろう. (臨床神経 2012;52:925-926) Key words:脳波,筋電図,誘発電位,ハンズオン,eラーニング 本シンポジウムで私に与えられたテーマは 1)神経内科専 門医として神経生理,具体的には脳波,筋電図,誘発電位のど の程度の知識や技術が求められるか 2)そのためにはどのよ うな研修を受ければよいか,ということであると思う.この テーマを考える上で参考になるのは 1998 年の臨床神経学に 掲載されている神経内科卒後研修到達目標であろう1).その前 文には「本邦において,神経疾患に罹患しながら,神経内科認 定医の診療を受ける機会のない患者が多数存在する状況,更 に場合によっては 1 病院 1 人の神経内科医として働かねばな らない場合も想定し,本研修目標は,臨床神経全領域をカバー できる神経内科医の育成をめざして設定したものである」と されており,各論で臨床神経,治療,臨床神経生理,神経放射 線,検査室検査,神経遺伝,神経病理,関連臨床科,医療福祉 の各項目について述べられている.神経生理についても良く まとめられており,その基本的な目標は現在も変わらない. 具体的な設定をした方が考えやすいだろう.「中心都市から 離れた郡部にある常勤の神経内科医が後期研修医をふくめ 3 名程度の中核総合病院(急性期病院)で日々の臨床に求められ る神経生理の知識と技術として何が必要か,またそれを習得 するにはどうすればよいか」ということをまず考えてみた.こ のような病院ではちょっとした痛みや運動障害から脳血管障 害,重症の脳炎,意識障害,痙攣重積など神経系に問題のある あらゆる患者が集まって来る.近隣に頼るべき施設がないた めに,ことに移送の困難な救急患者や,移動の難しい患者はこ の施設で基本的な診断と治療をおこなわなければならない. 診断上欠かすことのできない必須の神経生理検査は何か?ま ず思い浮かぶのは,突然の一過性あるいは持続性の意識障害 をきたした患者をみたときに,その意識障害がてんかん性か 非てんかん性か,あるいは代謝性などの可能性はないか,を判 断するための脳波である.MRI や SPECT だけではたとえば non convulsive seizure のような病態は見落としてしまう.対

象患者が多いことからも「脳波でてんかん性異常,非てんかん 性異常を識別できる」「正常範囲の所見をてんかん性とまちが えない」ことはすべての神経内科専門医にとって必須である. もう一つは急性・亜急性・進行性の脱力や感覚障害のある患 者が来たときにその病態のレベル,ことに脊髄・末梢神経・ 神経筋接合部・筋のいずれかを鑑別し,治療を選択する上で の神経伝導検査と針筋電図,誘発電位の検査知識と技術であ ろう.筋電図があれば即時に診断や治療の方向性が決まるよ うな病態は多々あるが,これができないために無駄な検査を くりかえしたり,あやまった治療を選択することも考えられ る.なお生理検査では検査技師の人たちとの仕事の分担,協力 も大切であり,検査技師の教育も同時に重要である. これらの知識や技術は,もちろん専門家が傍にいれば習得 は容易だが,現実にはすべての研修施設に神経生理が得意な 人がいるわけではない.大学病院でもきちんとした指導がで きる専門家が必ずしもいるわけではないのが現状である.こ のばあい,セミナーなどの機会を利用して知識と技術を習得 することが必要となる.神経学会でも学術大会の際にハンズ オンセミナーをおこなっているが,いまのところ時間も短く 内容も十分とはいえない.臨床神経生理学会が主催する「医師 のための筋電図・電気診断セミナー」では 2 日間缶詰となり ハンズオンを中心に集中的に教育するセミナーをおこなって おり,毎年多くの神経内科医が参加して成果をあげている.こ のような講習会を今後は地方会単位で充実させることが今後 は重要だろう. もう一つの方向として,これらの講習会に参加できない人 が自宅でも学習できる,動画をもちいた e ラーニングシステ ムの開発が重要ではないかと考えている.昨今は女性医師が 増えているが,子育てなどでなかなか講習会などにも参加で きない人も多いだろう.また地方在住のために東京でおこな う講習会には出向けない人もあるだろう.動画ももちいた,よ 神戸市立医療センター中央市民病院神経内科〔〒650―0047 神戸市中央区港島南町 2―1―1〕 (受付日:2012 年 5 月 23 日)

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臨床神経学 52巻11号(2012:11) 52:926 く考えられた e ラーニングシステムを使えば,講習会でえら れるかなりの部分が自宅で習得できると思われる.誰でも受 講できるという特性をいかして e ラーニング受講を専門医受 験の条件とすれば神経内科専門医の基本レベルの底上げにつ ながるであろう.こういったシステムを構築するときに教育 する側に求められるのは,細かいことまで網羅的に教えるの ではなく,ベッドサイドでの有用性を意識した,基本的な項目 に絞ったレクチャーに徹することだと私は考えている. ※本論文に関連し,開示すべき COI 状態にある企業,組織,団体 はいずれも有りません. 1)水野美邦, 岩田 誠, 栗原照幸ら. 神経内科卒後研修到達目 標. 臨床神経 1998;38:593-619. Abstract

Ideal subspecialty training in the field of neurology―Competence required for the experts: Neurophysiology

Nobuo Kohara, M.D.

Department of Neurology, Kobe City Medical Center General Hospital

All neurologists have to make a differential diagnosis of consciousness loss by EEG. The judgment of epilepsy is especially important. Experts of neurology were also required to determine the level and etiology of the acute or chronic weakness or numbness by EMG with nerve conduction study. Hands on seminar and e-learning would be useful to acquire these tools.

(Clin Neurol 2012;52:925-926)

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