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電子デバイスの高速・高密度実装とインテグレーション技術論文特集の発行にあたって

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Academic year: 2021

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電子情報通信学会論文誌 C Vol. J94-C No. 11 pp. 353-354 ©(社)電子情報通信学会 2011 353

特集

電子デバイスの高速・高密度実装とインテグレーション技術論文特集

の発行にあたって

電子デバイスの高速・高密度実装とインテグレーション技術特集編集委員会 委員長  

今 中 佳 彦

科学技術の進歩とともに,世の中の暮らしは進化 し,より豊かな,快適な営みが行える社会が構築され ている.ユビキタス社会・センサネットワーク社会の 到来を迎え,コンシューマ向けの携帯電話,IT関連 機器,ディジタル家電,高周波無線通信機器などの電 子機器は,更なる小型・薄型化や低コスト化,そして, 高周波動作を可能とする先端実装が求められている. こうした実装要求を支える要素技術として,部品内蔵 化技術,エンベデッドパッシブ技術,モジュール化技 術,バッテリー内蔵化技術,MEMS集積化技術,光・ 電気複合実装技術,放熱・ヒートスプレッダ技術,水 冷構造技術,システムインパッケージ技術,三次元積 層技術,マイクロ接合技術などの研究開発の進展も顕 著となっている.また,スーパコンピュータなどのハ イエンドコンピュータ用途についても,高速LSIを適 用していくための実装技術として,以下の特性(伝送 信号特性,電源供給特性,放熱特性,放射ノイズ特性) を改善するための技術開発が進められている. ターゲットに応じて実装技術の要求は,多様化して きているものの,将来に向けては,現状技術の壁を突 き破る必要が生じてきている.限界をブレークスルー するためには,インテグレーション技術の構築が大切 であり,これから,より幅広い分野で,この技術開発 が加速化し,その重要性は,ますます高まるものと考 えられる. 上述の背景のもと,本特集では,最新の電子デバイ スの高速・高密度実装とインテグレーション技術に焦 点を絞り,本分野における研究・開発を更に進展させ ることを目的として,最新の研究成果を集約する企画 を行った.本特集の冒頭には,招待論文として,東北 大学の小柳光正教授らから「三次元集積化技術とヘテ ロインテグレーション」シリコンウェーハを用いた多 機能集積化技術の現状と将来展望について執筆頂い た.明星大学の大塚寛治名誉教授からは,大型汎用コ ンピュータで問題となるパワーインテグリティの重要 性を提起した招待論文を執筆頂いた.また,東レエン ジニアリングの寺田勝美氏,川上幹夫氏からは,解説 論文として,今後の更なる高密度なインタコネクト実 装を実現するために重要なマイクロバンプを用いたフ リップチップ接続のための高速・高精度接合技術に関 する有益な内容を記述頂いた. 本特集の委員会活動期間中の2011年3月には,東日 本大震災が発生し,1万人以上の方々が亡くなられ, 今もなお,多くの方々が避難生活を強いられるなど, 他に類を見ない大災害が日本を襲った.また,原子力 発電の放射能汚染の問題は,今なお,解決の見通しが つかない事態に陥り,今回の災害では,これまで,声 高に叫ばれていた持続可能社会とはCO2だけの問題で ないことを世に提示した.今後,環境・エネルギーの 分野で,日本がどのような行動を示していくか,世界 が注目している. 実装技術とは,電子部品,電子デバイスをアセンブ リし,そしてインテグレート化する技術であり,環 境・エネルギーを主体とした社会を構築する上でも, 重要なものである.科学技術の力が見直されている今 こそ,日本が強い実装技術の力で世界ナンバーワンの 多くの製品を生み出し,日本を支えていくことが, 我々のミッションと考える.「頑張れ日本」と,無念 にも亡くなられた方々の魂の声が聞こえる. 0353-0354_11C_01.indd 353 0353-0354_11C_01.indd 353 11/09/21 11:1811/09/21 11:18

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電子情報通信学会論文誌 2011/11 Vol. J94–C No. 11 354 最後に,本特集の発刊にあたり,論文投稿頂いた 方々,論文査読に御協力頂いた査読委員の方々,また, 編集・企画に御尽力頂いた編集委員会の幹事,委員の 先生方,更に,編集委員会事務局の方々に深く感謝申 し上げる. 今 いまなか  佳 よしひこ (正員)  (株)富士通研究所 環境・エネルギー研 究センター主管研究員.九州大学工学部卒,リーハイ大学大学 院(米・ペンシルベニア州)修士課程了,九州大学総合理工学 研究科博士後期課程了.博士(工学).富士通入社以来,スーパ コンピュータなどの高速コンピュータ向けの回路基板・パッケ ージの開発並びに携帯電話などの民生用実装技術の開発に従事. 2006年 Richard M. Fulrath Award(The American Ceramic Society),2007年 産官学功労者表彰科学技術政策担当大臣賞, 2011年 日本セラミックス協会賞技術賞などを受賞.日本セラミ ックス協会理事,日本セラミックス協会誌編集委員長などを歴 任.専門:半導体実装材料・技術(電子セラミックス,メタラ イズ),パッケージ・実装基板,低温同時焼成セラミックス LTCC, 受 動 部 品( キ ャ パ シ タ, 高 周 波 フ ィ ル タ ) 著 書: Multilayered Low Temperature Cofired Ceramics(LTCC) Technology(2005年出版). 電子デバイスの高速・高密度実装とインテグレーション技術論文特集編集委員会 委 員 長 今 中 佳 彦 日 暮 栄 治 ・ 福 島 誉 史 青 木 由 隆 ・ 安 藤 拓 司 ・ 岩 波 瑞 樹 ・ 奥 洞 明 彦 塩 田 剛 史 ・ 諏 訪 元 大 ・ 田 中 秀 治 ・ 仲 川   博 乃 万 裕 一 ・ 廣 畑 賢 治 ・ 福 本 幸 弘 ・ 森 口   誠 0353-0354_11C_01.indd 354 0353-0354_11C_01.indd 354 11/09/21 11:1811/09/21 11:18

参照

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