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Design of Condensed Small-Ring Molecules and Clusters of Heavy Atoms

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Academic year: 2021

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Title

Design of Condensed Small-Ring Molecules and Clusters of

Heavy Atoms( 内容の要旨(Summary) )

Author(s)

武内, 邦浩

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(工学) 甲第284号

Issue Date

2006-03-25

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/2981

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

(2)

氏名(本籍) 武 内 邦 浩(和歌山県) 学 位 の 種 類 士(工学)

学位授与番号 甲第 284 号

学位授与日付 平成18 年 3 月 25 日

専 攻 物質工学専攻

学位論文題目 Design ofCondensed Small・Ring Molecules and Clusters ofHeavy Atoms (重原子縮合小員環分子およびクラスターの設計) 学位論文審査委員 昭 利 井 村 授 教 士 吾勝 都章 垣 井 田 稲酒 石 授授授 教 教教助 ) ) 査 査 主 副 ( (

論文内容の要旨

小貞環からなる分子およびクラスターは新しい物性や反応性が期待され、多くの化 学者により理論的、実験的に研究されている。本研究では、縮合した三つの/J、員環か らなる、ひずみの高い分子の構造と性質を研究し、理論計算によって、その特異な構 造的特徴を明らかにするとともに、新しい型の反応を設計した。さらに、ひずみの原 因を明らかにし、ひずみの低いヘテロ縮合三環式分子を設計した。また、三員環面の みからなる正八面体M6クラスターの設計指針となる原子価電子則を見出した。 (A)飽和有機分子の通常の結合角(109.50)からのずれは、分子の化学的および物理 的な特性に、重要な影響を及ぼすことが知られている。実際、小鼻環分子は現在まで

に広く研究され、化学結合および化学反応の理解と有機化学の発展に貢献してきた。

新しい特異な分子は、新しい分野の開拓に寄与する。まだ合成されておらず、興味深 いひとつの炭化水素分子として、【1.1.1】プロペランの異性体であるトリシクロ

【2.1.0.01,3】ペンタン1がある。この分子は、三つの三員環が縮合した分子である。その

特異な幾何構造により、小員環分子の化学のさらなる進歩に繋がると期待され、合成、 単離の目標とされている。そこで、理論的にこの縮合三環式炭化水素分子の構造とひ ずみを研究し、分子骨格に導入する重原子がひずみに及ぼす影響を明らかにして、ひ ずみの低いヘテロ三環式分子の設計を行った。

1における三つの並んだ三員環のうち、中央は通常より短い結合と長い結合をもつ非

対称構造をとることが明らかとなった。1のひずみエネルギーは、構成する三つの三

員環のひずみの総和や異性体である【1.1.1】プロペランより大きいことが明らかとなっ

た。また、いくつかの炭素原子をリン原子に置換することで、炭化水素分子よりもひ ずみの小さな分子の設計に成功した。

分子を構成する元素を高周期元素に置換すると、たとえ同族元素であっても、幾何

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構造や化学反応は著しく異なることがある。また、ケイ素分子は集積回路や太陽電池、 光学式センサーなどといった様々な電子的、光学的応用が期待され、ケイ素化学は現 在もっとも注目されている分野のひとつである。そこで、1を高周期のケイ素原子に 置換したトリシクロ【2.1.0.01,3】ペンタシラン2を理論的に研究した。 中央の三員環の縮合結合の長さの違いは、炭化水素に比べて、より一層顕著である ことが明らかとなった。これは、二つの結合間の電子非局在化により、環ひずみを緩 和し、安定させるためであることを見出した。また、2のひずみエネルギーは、1より ′J、さく、異性体であるペンタシラ【1.1.1】プロペランより大きいことが明らかとなった。 一般的に、ペンタシラ【1.1.1】プロペランやテトラシラビシクロ【1.1.0】ブタンなどのよ うな縮合した三貞環を有するケイ素骨格分子は炭素骨格分子より小さなひずみとなる ことを見出した。また、2は、長さの異なる結合を相互に交換して、新規の縮重転位 を生じることが明らかとなった。その活性化エンタルピーは低く、実験的な観測は困 難であるが、さらに高周期であるゲルマニウム骨格分子のトリシクロ【2.1.0.01,3】ペンタ ゲルマン3ではかなり高く、縮重転位が実験的に観測される可能性が高いことを明ら かにした。 以上より、縮合三環式分子1、2および3は長さの異なる縮合結合を持つ特異な構造 をとることを明らかにした。とくに2、3においては結合長の差異は著しく、この特徴 から、ひとつの縮合結合を持つ【1.1.1]プロペランやビシクロ【1.1.0]ブタンには無い新 規の反応、すなわち、二つの縮合結合を交換する三員環の縮重転位を設計した。 (B)化学には、電子数に関するいくつかの規則が存在する。例えば、第一周期元素の ための八偶説、金属錯体のための十八電子則、芳香族分子のためのヒユッケル則、そ して、クラスターのためのウェイド則などがある。近年、クラスターの研究において 触媒作用や磁気物性など有用な発見があり、未知クラスターの発見や既知クラスター の安定性を評価するため、クラスターの理論的研究は重要である。そこで、三次元ク ラスターとして正八面体構造を選択し、一重項状態における、高周期典型元素の安定 な正八面体クラスターM6n(M=Mg,Al,Si,RS,Ca,Ga,Ge,As,Se;n=0,土2)の原子価 電子則を研究した。 その結果、一重項基底状態において6ル14(∧た0⊥2)個の原子価電子を有する正八面 体クラスターは平衡構造であり、それ以外の原子価電子を有する正八面体クラスター は平衡構造として得られないことを明らかにした。 クラスターの電子数と分子構造の相関関係を確立したウェイド則からは、26(∧た2) 電子の場合に、安定な正八面体M6クラスターになりうることが予測されるのみである が、本研究では14(∧ヒ0)および20(∧た1)電子系の安定性をも示唆した。

論文審査結果の要旨

小鼻環からなる分子およびクラスターは新しい物性や反応性が期待され、多くの化学者によ り理論的、実験的に研究されている。本研究では、縮合した三つの小員環からなる、ひずみの 高い分子の構造と性質を研究し、理論計算によって、その特異な構造的特徴を明らかにすると

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ともに、新しい型の反応を設計した。さらに、ひずみの原因を明らかにし、ひずみの低いヘテ ロ縮合三環式分子を設計した。また、三員環面のみからなる正八面体M6クラスターの設計指 針となる原子価電子則を見出した。 (A)飽和有機分子の通常の結合角(109.50)からのずれは、分子の化学的および物理的な特 性に、重要な影響を及ぼすことが知られている。実際、小員環分子は現在までに広く研究され、 化学結合および化学反応の理解と有機化学の発展に貢献してきた。新しい特異な分子は、新し い分野の開拓に寄与する。まだ合成されておらず、興味深いひとつの炭化水素分子として、 【1.1.1】プロペランの異性体であるトリシクロ【2.1.0.01・3】ペンタン1がある。この分子は、三つ の三貞環が縮合した分子である。その特異な幾何構造により、小鼻環分子の化学のさらなる進 歩に繋がると期待され、合成、単離の目標とされている。そこで、理論的にこの縮合三環式炭 化水素分子の構造とひずみを研究し、分子骨格に導入する重原子がひずみに及ぼす影響を明ら かにして、ひずみの低いヘテロ三環式分子の設計を行った。 1における三つの並んだ三員環のうち、中央は通常より短い結合と長い結合をもつ非対称構 造をとることが明らかとなった。1のひずみエネルギーは、構成する三つの三貞環のひずみの 総和や異性体である【1.1.1】プロペランより大きいことが明らかとなった。また、いくつかの炭 素原子をリン原子に置換することで、炭化水素分子よりもひずみの小さな分子の設計に成功し た。 分子を構成する元素を高周期元素に置換すると、たとえ同族元素であっても、幾何構造や化 学反応は著しく異なることがある。また、ケイ素分子は集積回路や太陽電池、光学式センサー などといった様々な電子的、光学的応用が期待され、ケイ素化学は現在もっとも注目されてい る分野のひとつである。そこで、1を高周期のケイ素原子に置換したトリシクロ【2.1.0.01・3]ペ ンタシラン2を理論的に研究した。 中央の三員環の縮合結合の長さの違いは、炭化水素に比べて、より一層顕著であることが明 らかとなった。これは、二つの結合間の電子非局在化により、環ひずみを緩和し、安定させる ためであることを見出した。また、2のひずみエネルギーは、1より小さく、異性体であるペ ンタシラ【1.1.1】プロペランより大きいことが明らかとなった。一般的に、ペンタシラ【1.1.1】プ ロペランやテトラシラビシクロ【1.1.0】ブタンなどのような縮合した三員環を有するケイ素骨 格分子は炭素骨格分子より小さなひずみとなることを見出した。また、2は、長さの異なる結 合を相互に交換して、新規の縮重転位を生じることが明らかとなった。その活性化エンタルピ ーは低く、実験的な観測は困難であるが、さらに高周期であるゲルマニウム骨格分子のトリシ クロ[2.1.0.01・3】ペンタゲルマン3ではかなり高く、縮重転位が実験的に観測される可能性が高 いことを明らかにした。 以上より、縮合三環式分子1、2および3は長さの異なる縮合結合を持つ特異な構造をとる ことを明らかにした。とくに2、3においては結合長の差異は著しく、この特徴から、ひとつ の縮合結合を持つ【1.1.1】プロペランやビシクロ【1.1.0】ブタンには無い新規の反応、すなわち、 二つの縮合結合を交換する三員環の縮重転位を設計した。 (B)化学には、電子数に関するいくつかの規則が存在する。例えば、第一周期元素のため の八偶説、金属錯体のための十八電子則、芳香族分子のためのヒユッケル則、そして、クラス ターのためのウェイド則などがある。近年、クラスターの研究において触媒作用や磁気物性な

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ど有用な発見があり、未知クラスターの発見や既知クラスターの安定性を評価するため、クラ スターの理論的研究は重要である。そこで、三次元クラスターとして正八面体構造を選択し、 一重項状態における、高周期典型元素の安定な正八面体クラスターM6n(M=Mg,動Si,RS, Ca,Ga,Ge,As,Se;n=0,土2)の原子価電子則を研究した。 その結果、一重項基底状態において6∧在14(∧た0-2)個の原子価電子を有する正八面体クラ スターは平衡構造であり、それ以外の原子価電子を有する正八面体クラスターは平衡構造とし て得られないことを明らかにした。 クラスターの電子数と分子構造の相関関係を確立したウェイド則からは、26ひ声2)電子の場 合に、安定な正八面体M6クラスターになりうることが予測されるのみであるが、本研究では 14(∧臣0)および20(∧声1)電子系の安定性をも示唆した。 なお、本論文の内容は、国際的に評価の高い学術雑誌Tbtrahedronおよびアメリカ化 学会発行のJournalofPhysicalChemistry;Aに発表している。

最終試験結果の要旨

稲垣都士、酒井草書、村井利昭および石田勝からなる審査委員会は、本論文を慎重に検 討し、学位論文として十分完成された内容を有していることを確認し、2006年2月1日に 最終試験(公聴会)を開催し、審査の結果、合格と判定した。

参照

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