• 検索結果がありません。

劣モジュラ関数の最小化

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "劣モジュラ関数の最小化"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

2−S−1 文献賞受賞招待講演

2001年度日本オづレーションズ・リサーチ学会 秋季研究発表会

劣モジュラ関数の最小化

01012384 東京大学 岩田覚IwASatoru

有限集合V上の集合関数J‥2V→Rが任意の ズ,y⊆Ⅴに村して J(ズ)+J(y)≧J(ズUy)+J(ガロy)(1) を満たすとき,Jを劣モジュラ関数という.関数値 を計算する手続きが存在するものと仮定して,劣モ ジュラ関数の最小値を求める問題を考える. 一般性を失うことなく,J(¢)=0と仮定する.こ のとき,RV上の劣モジュラ多面体P(J)と基多面体 B(J)が

P(J)=(∬l∬∈RV,∀ズ⊆V:ご(ズ)≦J(ズ)),

B(J)=(れけ∈P(J),∬(V)=J(V))

によって定義される・ただし,∬(ズ)=∑γ∈が申)・ 数理計画法における劣モジュラ関数の重要性を最 初に指摘したのは,Edmonds[3】である.劣モジュ ラ多面体P(J)上で非負ベクトルc∈RVを係数ベ クトルとする線形関数の最大化問題を考える.各要 素をc(γ)の大きい順にならべ,γ以前に位置する要 素の集合をエ(γ)と表す.このとき,各u∈Ⅴに対 して y(γ)=J(エ(γ))−J(エ(γ)\(γ)) として得られるベクトルy∈RVは,P(J)の端点と なり,線形目的関数の最大値を達成する.このアルゴ リズムは貪欲アルゴリズムと呼ばれている. 劣モジュラ関数の最小値を求める最初の多項式時 間アルゴ1)ズムは,Gr6tschel,LovAsz,Schrijver[8] によって示された.彼らは7楕円体法を用いて,より 一般に多面体上の最適化問題と分離問題とが多項式 時間可解性の意味で等価であることを示した.分離 問題とは,与えられた点が多面体に含まれるかどう かを判定し,含まれない場合には7両者を分離する不 等式を求める問題である.劣モジュラ多面体におい ては,貪欲アルゴリズムによって最適化問題が多項 式時間で解けるのであるから,分離問題も多項式時 間で解けることになる.原点に関する分離問題を解 くと,劣モジュラ関数が非負かどうかの判定ができ る.したがって,二分法によって,劣モジュラ関数の 最小値が多項式時間で計算できる. 劣モジュラ関数の最小値を計算する方法としては, LovAsz[13]によって明らかにされた凸性との関連を 利用する手もある.集合関数Jが与えられた際に7単 位立方体Q=(p!p∈RV,∀t,∈V‥0≦p(・1ノ)≦1) 中のpに対して,pに関する貪欲アルゴリズムを適用

した結果の目的関数値をf(p)とする.こうして得ら

れたJ:Q→Rは7Jが劣モジュラ関数のとき7かつ そのときに限り凸関数となる.また,定義から明らか

なように,Jの最小値は,(?の端点で達成される.し

たがって,劣モジュラ関数Jの最小値を計算するに

は,凸関数fの最小値を計算すればよい.Gr6tschel,

LovAsz,Schrijver[9]は,凸関数最小化の部分に楕円 体法を用いることによって,劣モジュラ関数の最小 値を求める強多項式時間アルゴリズム7すなわち,計 算量が関数値の大きさとは無関係に,7一己=lVlのみ の多項式オーダとなるアルゴリズムの存在を示して いる. 楕円体法を用いたこれらの方法は,計算量理論の 観点からは“効率的なアルゴリズム”に分類される ものの,実際上は極めて非効率的であることがフ予 想される・実用的な方法として,Fujishige[6】は7基 多面体における最小ノルム点,すなわち原点からの Euclid距離が最小となる点を求めることによって, 劣モジュラ関数を最小化するアルゴリズムを示して いる.この方法は,多項式性の保証はないものの,実 際には速く,いわば線形計画法における単体法に相 当する. 実際に高速な多項式時間アルゴリズムを開発する にはっ組合せ的なアルゴリズムの設計が有効であろ うと期待される・この方向では,Cunningham【2]がフ 整数値劣モジュラ関数の最小値を擬多項式時間,すな わちm=iりと〟=maXげ(ズ)」との多項式時間で 計算する組合せ的なアルゴリズムを開発した.この −166− © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

(2)

アルゴリズムの出発点は:次の最大最小定理である. 定理1([3り任意の劣モジュラ関数Jに関して, 111iIl(J(ズ)lズ⊆Ⅴ)=1naX(∬(V)lγ∈P(J))■ ■ 任意の∬∈RVに対して,エ ̄(−り=Inill(07坤))で ∬ ̄∈RV’を定めるものとすると,定理1の右辺は, nlaX(∬ ̄(V)lユ:∈B(ハ)と書き換えられる・この形 から,エ∈B(J)を維持しながら,∬ ̄(V)の増大を図 るというアルゴリズムの原型が思い浮かぶ.しかし, ∬∈B(J)を維持すること自体が,決して自明でない. CuIlningham[2]は,貪欲アルゴリズムによって得ら れる端点の凸結合としてご∈B(J)を維持すること を提案した. C11rlllinghal11のアルゴリズムを骨格とし,劣モジュ ラ流問題の容量スケーリング法【10.5jで導入された 新たな手法を用いて7我々は,整数値劣モジュラ関 数の最小値を求める組合せ的な多項式時間アルゴリ ズムを開発した[12].このアルゴリズムの計算量は, 0(▼′′も5「・log〟)である.ただし,7は関数値の計算に 要する時間を表す.さらに,このアルゴリズムを繰り 返し呼び出すことによって,0(れ71′logm・)時間で劣 モジュラ関数を最小化する強多項式時間アルゴリズ ムも示した. 一方,Sc厄日ver[14]も,我々の研究とは全く独立 に,Cunningham[1,21の枠組を踏襲した組合せ的な 強多項式時間アルゴリズムを発表している.アルゴ リズムの計算量は0(れ87+れ9)であるが,若干の変 更を施すことによって,0(れ77十和8)に改善されて いる[4ト これらのアルゴリズムは,組合せ的とはいうもの の,凸結合を維持するために乗除算を用いている.そ こで,Schrtjver[14】は,加減算と大小比較のみを用 いるという意味で完全に組合せ的な強多項式時間ア ルゴリズムの存在を未解決問題として提起した.こ の間題は,[12]のアルゴリズムを変形することで,肯 定的に解決された[11j・ 今後の研究課題としては,計算機実験による新た なアルゴリズムの実用性の検札より高連なアルゴ リズムの開発が挙げられる.さらには,楕円体法に よって多項式時間アルゴリズムの存在が示されてい る種々の最適化問題に対する組合せ的アルゴリズム の開発が興味深い.この第一歩として.双劣モジュラ 関数最小化を行う多項式時間アルゴリズムが得られ ている〔7ト

参考文献

[1lWL H・Curmingham:Testingmembershipinma− troidpolyhedra,J・Combjn・771eOJγ7B36(1984), 161−188. [2]W.H・Cunningham:0IISubmodularfunctionmin− imization,CombinatoTjca,5(1985),185−192. [3]J.Edmonds:Submodularfunctions,ma・trOids7and

Certain polyhedra,CombjnatorjalStructures and

mejr Appljcatjons,Gordon and Breach,69L87,

1970.

[4]L・FleischerandS・Iwata=Improvedalgorithmsfor

submodular flmCtionmirlimization and submodu−

larflow,Proc・32ndSTOC(2000)7107−116. [5]L・Fleischer,S・Iwata,and S.T.McCormick:A

fastercapacityscalingalgoritlmforminimumcost

Submodularflow,Math,Programmlng,tOaPPear. [6]S.Fujishige:Submodula)・Functjons and Optj−

mizatjon,North−Holland,1991. [7]S.F両ishgeandS.Iwata‥Bisubmodularfunction minimization,Proc・IPCOVIII(2001),160−169. 【8]M.Gr6tschel,L.Lovasz,and A.Schrijver:The ellipsoidmethodanditsconsequencesincombina− torialoptimization,Combjnatorica,1(1981),169L 197. [9】M.Gr6tschel,L.Lovasz,and A.Schrijver:Geo− metrjcAJgorjtムm5a月d Comb血atoriaJOpt血jza− tjon,Springer−Verlag,1988. [10]S・Iwata=Acapacityscalingalgoritlmfor . (1997),299−308・ [11]S・Iwata:Afu11ycombinatorialalgorithmbrsut> modularfunctionminimization,].Combjn.rムe− 0ヱγ,B,tOappear. 【12】S・Iwata,L・Fleischer,andS・FLdisldge‥AcI binatorialstronglypolynomialalgorithmformlnl− Inizingsubmodularfunctions,].ACM,tOappear. [13】L.Lovasz:Submodular hlnCtionsand convexity.

几ねtムematicaJProgrammjng−Tムe5tate oftムe AL・t,SpringerTVerlag,1983,235−257.

[14]A・Schrijver:Acombinatorialalgorit・llmmirdmiz−

ing submodular functions in strongly polynomial

time,J・Combjn・771eOLy,B80(2000),346−355.

−167−

参照

関連したドキュメント

の変化は空間的に滑らかである」という仮定に基づいて おり,任意の画素と隣接する画素のフローの差分が小さ くなるまで推定を何回も繰り返す必要がある

劣モジュラ解析 (Submodular Analysis) 劣モジュラ関数は,凸関数か? 凹関数か?... LP ニュートン法 ( の変種

 On the Approximability of Budgeted Allocations and Improved Lower Bounds for Submodular Welfare Maximization and GAP, by. Deeparnab Chakrabarty,

Murota: Discrete Convex Analysis (SIAM Monographs on Dis- crete Mathematics and Applications 10, SIAM,

節点領域辺連結度 (node-to-area edge-connectivity), 領域間辺連結度 (area-to-area edge-connectivity) の問題. ・優モジュラ関数

FOCS2007: Maximizing non-monotone submodular functions, by Uriel Feige, Vahab Mirrokni and Jan Vondrak..

Murota: Discrete Convex Analysis (SIAM Monographs on Dis- crete Mathematics and Applications 10, SIAM, 2003). Fujishige: Submodular Functions and Optimization (Annals of

指定管理者は、町の所有に属する備品の管理等については、