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ブロック毎の輸送能力を考慮したエレベータの断面積モデル

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Academic year: 2021

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2−D−4 2000年度日本オペレーションズ・リサーチ学会 春季研究発表会

ブロック毎の輸送能力を考慮したエレベータの断面積モデル

02103410 慶應義塾大学

☆黒澤 俊 KUROSAWÅShun

OllO76帥 慶應義塾大学

栗田 治 KURImOsamu

1.はじ鱒に 人口や諸横能の大都市への過度の集中は都市の高層化をも たらし,これに呼応して高層ビルに関する様々な議論が為さ れてきた.奥平【1】はビル内への通勤を想定し,ビルの居住可 能容積,鉛直方向の移動に必要な通路面積,そして移動手投 であるエレベータの輸送容量を用いた明解なモデルを提案し, ビルを過度に高層化すると居住可能容積は増加すれども頭打 ちになることを示した.田口P,3】はビル内に起こる内々の移 動も考慮したモデルを導き,人が相互に行き来する「都市型 ビル」実現のための指針を与えた. 本研究ではエレベータの運行,輸送能力に関してより現実 に則したモデルを提案する.具体的には以下を設定する: □ 個々のエレベータは決められたブロックのみに停車する (ブロックより下の階は通過し,ブロック内では全ての階 に停車するものとする). ロ エレベータの輸送能力は,エレベータがビル内の往復に 要する時間に依存する. 結論として以下に示す新しい指針を紹介する: ■ ビルを過度に高層化すると居住可能容債は減少に転じる. ■ 高層ビルの居住可能容積を十分に確保するためには,輸 送に関してビルを可能な限り多くのブロックに分割すれ ばよい. 2.ビルの居住可能 ビルを高さ〃匝】,底面積∫匝当の直方体とし,ビル内の エレベータを図1の如くに配置する. ここで ク =(ビルの居住可能部分の人口密度)【ノUm当, c乃=(エレベータ群〃の単位面積通路が通勤時閣内に通過さ せることができる人数)【人血孔 上〃=(ブロックnにおけるエレベータ通路面積)匝当, y ニ(ビルの居住可能容積)匝り を定義し,奥平【1】の「通路の面積はその先に居住する人口に 比例し,比例定数は通路の輸送容量である」という定式化を 踏襲する・このときブロック乃における軍使可能容積とエレ ベータの通路面積との関係は 〆n(∫一ん)=C几(エn−エ乃_1)(1≦〃≦〃) と表せ(但しエ。=動これを解くと

エ乃=申)(l≦〃≦〃)

が得られる.よってビルの屏住可能容積γは 〃 〃n

V=∫∑んn(∫ ̄り=〝羞

〟=1 と算出される. (1) (2) (3) 3.エレベータの エレベータの運行,人の到着に関して以下を仮定する:・ ロエレベータがビル内の往復(1階から出発して1階に戻っ てくる迄)に要する時間はエレベータ群ごとで異なる. ロ ビルへの人の到着間隔は一定である. 以上より群乃のエレベータの輸送能力は「(単位面積のエレ ベータ通路に乗車できる人数)×(群〃のエレベータが通勤時 間帯にビル内を往復する回数)」で与えられる.具体的には A =(単位面積のエレベータ準路に乗車できる人物【人血乱 丁几=(群乃のエレベータがビル内の往復に要する時間回, r =(通勤時間帯)【可 を定義すると,エレベータ群乃の単位面積通路が通勤時閣内 に通過させることができる人数c几は c乃= (1≦〃≦〃) で〃 (4) 田エレベータが停車する 囲エレベータが停車しない 図1ビル内のエレベータ またビル内の人の移動に関して以下を仮定する: □ 通勤を想定し地上階からの移動のみを考慮する. ロ ビル内の鉛直方向の移動手段はエレベータのみとする. ロ ビル内の水平方向の移動は考慮しない. と表せる.また vェ=(エレベータの各階停車時の平均速度)匝伺, vE=(エレベータの階に停車しない時の平均速度)【m/s】 を定義すると,群〃のエレベータがビル内の往復に要する時 間丁乃は ー 204 − © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

(2)

Ⅴ●/∫匝肋呵 〟一主力た た=1 】ll 王51 量川 1S1 111 亨l 丁〃=2(曳+ )(1≦〃≦〃) (5) V⊥ γg と表せる,よってエレベータ群乃の単位面積通路が通勤時 閣内に通過させることができる人数c〟は スr (1≦〝≦〃) ¢)

1日 川l … … = … 〃 h】

図3 ビルの高さ〃,ブロック数〃とy●/∫ 5.現雫例 本研究で言及したエレベータの運行形式を用いている高 層ビルの例として横浜桜木町のランドマークタワーをあげ る.このビルの高さは282mであり,ブロック数は〃=5, エレベータの速さはγ上司.2皿鳥,γg瑠.Om克と見積もれ る(屏の開閉ならびに乗降に要する時間も考慮した).図3 のブロック数〃=5の場合と照らし合わせると,このビル の高さ282mは居住可能容積を最大化する高さ〃●=324m に近い値であることがわかる.通勤時間帯を180鮎,ブロ ックの数を5個として設計するならば,このビルの高さは 限界であったと言えるだろう. aおわりlこ エレベータの輸送能力を考慮したモデルは,ビルを過度 に高層化すると居住可能容積が減少に転じるという特性を 明らかにした.これは従来のモデルによ・る結果よりも更に 暗い見通しである.しかしブロック運行形式によりビルの 居住可能容積の確保が可能となることも示され,このこと は高層ビル実現のための指針となると考えている.但し, 移動の快適性を考慮するとエレベータの性能向上には限界 がある.またビルを多くのブロックに分割すると各ブロッ クのエレベータ通路面積は減少するが,エレベータを設置 するにはある程度の面積が必要であるためビルの分割にも 限界がある.高層ビルを議論するに当たってはこうした限 界の存在に留意せねばならない.

7.参考文献

【1】奥平排造(1976):都市工学読本,彰国社 【2】田口 束(199勧:起々高層ビルにおける内々交通とエ レベータ面積,止,〟〝血げ血匝凡黒αJ℃ん殉 げゆの,Ⅵ)L37,No.3,pp.232−裂は. 【3】田口 東(199乃:超高層ビルにおける都市型交通とエ レベータ通路,血mdげ血(初肌血閥成飢灯班長感吟 伽,Ⅵ正40,No.4,pp.536−か臨.

P】茨木俊秀,福島雅夫(1991):最適化プログラミング,

岩波昏店. 皐ピルの高さと居住可能容積 β)式に㈱式のcnを代入して得られるビルの居住可能容 積yは変数も(〃=t乳‥・,Ⅳ)を持つ〃変数関数である・ 人た=〃 口 上記の制約条件の下で居住可能容積γの最大値y●を解 析的に求めることは困難なため,本研究ではこれに逐次二 次計画法川を適用した.今回はパラメータの値を以下のよ うに設定した: βコ仇旧人血8,A瑠〟血2,r=1800s ビルの高さ〃=5α)m,ブロック数〃〒5におけるエレ ベータの速さγいγgとV◆′∫との関係を図2に示す・ 図2からエレベータの速さが居住可能容積に大きな影響を 与えることがわかり,業者がエレベータの性能向上に取り 組んできた理由もうかがえる. V●/∫【m3/mヨ γェ=0.25m鳥 Vェ=0・20m鳥 γェ=0・15m血 V⊥=0.10n鳥 γェ=0・05mね 量I1 1門 1;1 1王事 111 門 51 王‡ 1 1 】 1 5■ vg h血】 図2エレベータの速さγいVEとy●′∫ エレベータの速さv上司.2m鳥,γg=3・Om毎におけるビ ルの高さ〃,ブロック数〃とⅤ●/∫との関係を図3に示 す.図3から明らかなようにビルを過度に高層化すると居 住可能容積が減少に転じてしまうのである.また,ビルの ブロック数〃=5,10,15において居住可能容積Ⅴ●を最 大化するビルの高さ〟事の値はそれぞれ〃■=324m,416m, 468mである.このことから高層ビルの居住可能容積を十 分に確保するためにはビルのブロック数を可能な限り増や せばよいことがわかる. − 205 − © 日本オペレーションズ・リサーチ学会. 無断複写・複製・転載を禁ず.

参照

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