特集・上下水道システム
浄水場の制御
ControISYStemS
for
Purification
Plant
近年,上水道がより広域化・大規模化する中で,その最重要施設である浄水場を よr)安全かつ安定に,しかも効率よく運転管理する技術の導入が強く要望されてい る。これに応ずるため,プロセスを解明・分析L,エレクトロニクス技術とソフト ウェア技術とを有機的に結合し,浄水場の運用に京献度の高い水量バランス制御, 薬品注入制御などを開発し実用化の段階に入ったので,これらの新技術について紹 介する。 場内流量バランス制御は,取水,浄水プロセスを時間的に平滑化を保持しながら, かつ需要変動に問題なく応ずるための取水から配水に至る流立・水位の均衡,バラ ンスを自動的に実行する技術である。薬品注入制御は,凝集メカニズムとジャ叩テ ストの手法を対応性よく制御ブロックに置き換え,水質管理者,運転者と制御シス テムの対話性及び実用性を■叶絶とした方式で,凝集環境を整え凝集剤を注入する制 御法で低濁度から高濁度まで同一一回路で実行できるシステムである0 本稿では,上述の技術のほかにポンプシステムの制御,及びCRTの進歩した応用 技術などについても記述する。 n 緒 言 浄水場の逆転・管理での基本技術は,水量の管理・運搬を 行なう水量制御,及び原水を安全かつ安定した水質に変換す る水質制御,並びに高い信頼性を維持し浄水場を運営するた めのマンマシンコミュニケ【ション技術に大別できよう。近 年,これらの技術をより向上させるため,浄水場プロセス, プラントの運用技法とともに浄化メカニズムなどを把握・解 析し,これを実用性の高い制御化へ発展させる技術が急速に 進められている。そして,計算機を中心とするエレクトロニ クス,ソフトウェア技術の飛躍との有機的結合を凶りながら この制御化を実行することで,浄水場制御の面で,進歩した 制御技二術を実用化できる段階に至った。 以下にこの代表的技術として,水量制御に関しては場内流 量バランス制御,及びポンプシステムの自動制御を,水質制 御に関しては薬品注入制御を,また,マンマシンコミュニケ
ーション技術についてはCathode Ray Tube(以下,CRT
と略す)を活用した監視操作技術を取りあげ,これらの技術 的内容,性能,特長などを中心に述べる。 田 場内i充量バランス制御 場内流量制御を計算機制御化して満足のいく制御結果を得 るためには,取水量制御,音戸過流量制御,ポンプ井水位一定 制御及び配水池水位制御といった各々の流量水位制御ループ
を計算機で置き換え,SPC(Set Point Control)又は DDC(Direct Di如talControl)制御方式にするだけでは 不十分であり,運転者の運転ルールをアルゴリズム化,抽象 化して制御プログラムとする・必要がある。このたび,計算機 主体の自動運転方式を導入し,場内流量バランス制御を実現 したので次に紹介する1)。 場内流量バランス制御は,その某本的機能として次の3本 の柱から成り立っている。すなわち,
(1)短い時間幅での個別の流量制御系の変動をいかに場内で
∪.D.C.占28.14/.1る:[る81.5::る81・323〕
三好 隆* 森 一俊二** 山中邦夫** 池口 隆*** 〃gyo5ん才 几んαgんg 〟0γ∼ Sんumノg 沌仇αγ氾丘α 方祉几io ∫ん叩〟亡んJmん"ぶんg 吸収できるか,その結呆として浄水場の安定な運転制御を行 なう機能(2)1日の中で,場内全体としての水の収支が過不足なく需
要の変化に応じてバランスを保てるか,現状の配水池水位の トレンドがどう変化していくかを総合的に判断して,これを 取水にどう反映するかを決定する機能(3)場内の流量バランスが許答できる範囲を超えたとき,的
確に時間遅れを少なく操作長iに異常を伝達し,早期に安定を 帥夏できる処置をとることのできる警報を発するマンマシンー コミュニケーション機能このうち(3)は,場内流量バランスの制御での監視機能という
こともできる。 次に,場内流量バランス制御の手法について具体的に述べる。 図1に流量バランス制御の構成を示す。浄水場は機能的に, 原水工粗 処理水工程及び配水工程の3工程に分けて流量の バランスを考えることができる。これらの工程は,各々流入 量,流出量で結合されるユニ、ソトプロセスとしてとらえるこ とができる。しかし,各工程の中に貯水量を持つため,流入 量は前工程の流出量と必ずLも等しい70ロセスとはならない0 すなわち,原水工程では, 流.入室=流出量 であり,処理水工程,配水工程では次のようになる0 流.人量キi充出呈 したがって,場内流量バランス制御では各工程の流出量と流 入量の差をいかに工程内,あるいは工程間で融通するかが制 御のポイントとなる。以上をベースとして,具体的には次の ような階層構成を持つ制御ロジックとして,個別制御ループ の上位に場内流量バランス制御を位置づけて,流量の融通制 御を行なうこととしている。 図1に示すように制御レベルを三つのレベルに階層化し, ヵスケードに接続している。第1レベルは,着水池水位一一定 * 日立製作所機電事業本部 ** 日立製作所大みか工場 *** 目)土製作所日、ンニ研究所原 水 制 御 着 水 池 水位一定制御 計装 設備 浄水場 設 備 S P C 着水池 原水工程 取 水 量 制 御 S P C 取水弁 i戸 過 制 御 総炉過流量制御 S P C ざ戸過池 処理水工程 配 水 制 御 送水ポンプ 制 御 ポンプ池 図l流量バランス制御の構成 本制御システムは流量バランス制御を上位とL,浄水工程に従った原 水・炉過及び配水の3制御ループと下位の各マイナ制御ループより構成される。 配 水 池 水 位 制 御 S P C 配水工程 配水 池 原 異 常 表 示 取水量変更要求 絶∼戸過流量監視 Q2=/(〟。,QいQ2) 変更要求 配水池水位監視 〟l=/(Q2,Q3) l
ォベレ三塁二三笠ソ_ルl
オペレータ介入∫講罷
QA.QいQ2)目標値 配水池 〃(・=/( 位変更 .〟いQ3) ガ と 水位目標値パターン Q 取水量目標値 Q i戸過流量目標値 水位目標値 流入量 0 原水 ノl Ql 取水量Ql 〃ロ卜戸過
Qβ Q2 配水 〃c 〟1 配水池水位仇 配水流量Q3 -ラ 制御 -ラ 制御 -ラ 個別 「 ̄ l l +_... Qol 目標値 マイナ コント  ̄「 l 個別 「 ̄ l l +._ 打0 原水渠水位1
目標値 マイナ コントロ  ̄「 個別 「 ̄ ̄ ̄ l l +_ 目標イ マイナ コント  ̄「 l __+ 制御指令 】 l __+ 制御籍令 l _+ 制御指令 暮処‡里水工程l 総〉戸過流量Q2配水工程I
図Z 流量バランス制御方式 流量バランスは▼3ユニット内とユニット間の連係制御により実行される。 制御から配水池水位制御まで,各制御対象に対応したマイナ コントローラの機能を持たせてある。第2レベルは,浄水場 流量制御を三つのブロックに分割して,各責任ブロックの水 の収支を管理する,原水制御,炉過制御及び配水制御であり, 最上位レベルに全体の水量収支を管理し制御指示を行なう流 量バランス制御の機能を持たせてある。 周2に従って流量バランス制御を説明すると,流量バラン ス制御は,配水工程,処理水工程及び原水工程の順序で各ブ ロックの水収支を管理し,全体水量のバランスをとる。配水工程に対し,総炉過流量(Q2)及び配水量(Q3)より現在の配
水油水位(〃1)の合理性を判断する。異常と判断した場合,配水 工程内部の水収支を変更するだけで異常状態が解消できる場
合は,Q2,Q3及び仇より新しい時間帯の水位目標値(〃c)
を配水制御に指示し,配水工程内部で収束できない場合,処 理水工程に対し総i戸過流量の変更要求を出す。 処理水工程に対しては,配水工杵からの捻子戸過流量変更費 求と,現在目標値の合理性をチェックし,目標値変更の必要 性を判断する。また紙子戸過流量(Q2),取水量(Ql)及び原水 渠水位(〃。)に対しては,不必要な制御動作を起こさないよう にしている。すなわち.〃。に対して目標値を定めそれに対す る不感帯±αを設け,突入力に対し長期的なトレンドを調べ, Q。及びQlに対してその差分』Qを計算し,原水渠水位,取水 量及び炉過量の状況からどのタイミングで音戸過量の変更を行 なうかを判断するアルゴリズムとしている。この機能により, 極力取水量変更を行なわず,浄水場全体の水の収支バランス をとることを可能としてある。 この流量バランス制御の実現によI),取水変更を最′ト限に 抑えた制御,不必要に弁,ポンプの制御変更をしない制御, 異常の予防制御,及び全体の流量バランスのための時間遅れ を考慮した取水量制御を実現することができる。その結軋 浄水場の安定な運転により,需要の変化に耐え,水の供給を 行なっている。 6】 ポンプシステムの自動制御 ポンプを制御する目標値としては,その用途に応じ末端圧 九 吐出庄九 流量,水位などとすることが多い。ポンプは 一般には電動機で駆動されることが多く、我が国では誘導電動機(IM)が最も多く使われている。
速度制御には各種の方式が採用されるが,低容量機には二 次抵抗制御,あるいは二次抵抗チョッパ方式が,100kWを超 える容量では省エネルギーの面でサイリスタモータ,サイリ スタセルビウス,サイリスタクレーマなどが採用される。セ l P口 配 l l・:
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国3 HIDIC O8Sによるポンプ自動制御ブロック図 マイクロコ ントローラH旧IC O8Sにより,従来工業計器及びリレーでは実王見不可能なポン プ自動制御が可能となった。 浄水場の制御 639 ルビウスを抹用する場合,浄水設備用としては瞬時停電対策 付きであることが望まれる。 ポンプシステムの自動制御としては,前述のように種々の 目的があるが,従来これらは,例えば一人制御リレーシーケ ンス,台数決定用アナログ警報計,アナログPID調節計など を使用して実現していた。しかし,これらのものはワイア” ドロジックのため機能が固定されており,改造及び増設の多 いポンプ設備には適しておらず,また複雑な制御には非常に 大形な制御装置となる欠点があった。最近ではこれらを解決 するものとして,制御用計算機,あるいはマイクロコントロ ーラが用いられる傾向にあり,その制御内容も急速に高度化 が図られている2)。 次にマイクロコントローラによるポンプ自動制御装置の例と して,HIDIC O8Sによるポンプ日動制御装置について述べる。 HIDIC O8Sは16ビットのワンチップコンピュータであり, シーケンスモード(Sモード),コンピュータモード(Cモー ド)の両機能を持つコンビュ【タンーケンサであー),浄水場 をはじめ一般工業制御へ数多くの実績を持っているマイクロ コントロ”ラである。このマイクロコントローラによるポン プ日動制御装置のブロック図を図3に示す。この制御装置に より次に述べる刺青卸を実行している。(1)配水量と圧力補正によるポンプ台数制御
(2)簡易形ポンプ経済運転の実施
(3)ポンプ故障時の予備機への自動切替
(4)プロセス量異常時の制御ロック
図4にその制御結果を示す。図3で示したように,ポンプ がズ1kW,ズ2kW,ズ3kWなど大小多くの組合せがある場合は,そ の切替回数を減らすとともに切替時の圧力,i充量などの過渡 変動を少なくすることが重要であり,更に最適な組合せのポ ンプをi壁択することにより経済運転も可能となる。図4の結 果はその・・一例を示しており,HIDIC O8Sによりきめ細かい 制御を実行することによr)過渡圧力変動を0.5kg/cm2以内に収 負荷特性曲線 gさWxl台 5 4 っ) (N∈U\豊)下坦 5,5一途
② +∬ぎIlrx2台 /繚 方§lVxl 柑㌔rx2台 十ズ§、Ⅴ×1台 0 5 ∩V 5 〓 (U 5 A「 4 3 (N巨0\豊)不出 300 ズ§、㌔rxl台 + g旨Wxl台IO
⑦材\rxl台追加
600 900 1,200 流量(m3ノ/h) (∋ ∬5W停止 (う 0 0 .β 力 1 圧 / ①_/流量†
g亨肌rxl台追加
ズきWxl台追加 (モ叩∈NOこ州摂 5 2 9-‡
2 3 4 5 6 7 8 9 時間(mi【) 図4 マイクロコントローラHIDIC O8Sによるポンプ自動制御結 果 H旧IC O8Sによりきめ細かな制御を実施L.従来のアナログ形と比重鮫L, 圧力変動幅でう一に,運転電力で約ID%の低減が可能となる。めて,従来のアナログ形の場合の約÷に低減している。また 1日の所要電力量(kWム)でもアナログ形に比較し約10%低減 効果の見通しを得ている。このように,マイクロコントロー ラを導入し前述したように拡張性,コンパクト化を実現する とともに,アナログ形でも実現不可能なきめの細かい制御を 実行することによりポンプ運転の最適化が可能である。 8
薬品注入制御
(1)凝集沈殿プロセス
浄水場では,河川などより取水した原水中に分散あるいは 浮遊している粒子を除去,殺菌し飲料水としている。自然沈 降法で除去できるのは,直径10/`m以上の粒子であり,それ 以下の直径の粒子に対しては硫酸バンド,PAC(ポリ塩化ア ルミニウム)などの凝集剤を加えてフロックを形成させ,沈 殿除去している3)。このように,コロイド次元の粒子が互いに 凝集してフロックを形成し,それが分散媒である水と分離L て沈降する過程を凝集沈殿プロセスと呼んでいる。 この凝集沈殿プロセスでは,様々な要因が有機的に関連し 影響を及ぼしているが,中でも大きな影響を与えてし、るのは 0 6 言nn)軸肝遠諭…→ △ヽ 原水濁度各号こノ0
1 l x言\、
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11-、
\㌔
原水アルカリ度 Al=10ppmA一言ごPPm
A■=60。。m/\
/ズ ̄ヽ・、
′ \ ′ × ′ \ 0 2 40 60 80 100 120 硫酸バンド注入率 140 図5 原水アルカリ度の影響 原水アルカリ度が規定値(例えば,20 PPm)以下では,凝集・沈殿しないことが分かる。 0 5 0 4 (∈nn)咄照横軸小→ 原水濁度50ppm塩草£
PAC注入率 5ppm\/◎′◎一;ア慧≡一三…m
一′ 1E八八〈、 ▲ツ
5 6 7 図6 原水アルカリ度の影響 pACの場合にも.原水アルカリ度が規定 値(5ppm)以下の場合,凝集・沈殿現象が見られない。 原水濁度,アルカリ度,pH,凝集剤などの薬品注入率である。 本章では凝集沈殿プロセスに及ぼす上記要因の影響を明ら かにし,凝集沈殿メカニズムに合致した薬品注入制御アルゴ リズムを紹介する。 (2)実 験 原水濁度20ないし2,000ppm,原水アルカリ度5ないし80pp皿 と広範囲内で調整した原水を用いて,ビーカ実験(ジャーテ スト)を行なった。結果の一例を図5∼8に示す。 なお,原水として蒸留水と河川水,及び?疑集剤として硫酸 バンドとPACを用いて比較した。(3)薬品注入制御
ジャーテストより得られたデータを凝集沈殿メカニズムに 沿って較理し,薬品注入制御アルゴリ不ムを構成した4)(図9)。 このアルゴリズムは,アルカリ度増強回路,凝集剤注入率 演算回路及びpH制御回路より成り立っている。 (a)アルカリ度増強回路 塩素注入に伴う原水アルカリ度減少分を補正し,修正ア ルカリ度を求める。低濁度時には,この修正アルカリ度を 20ppn程度(硫酸バンド使用時)又は5ppm程度(PAC使用 0 0 0 2 (∈邑)軸照横軸小→ヽ¢J℃-。Ⅴ。も
① ヽ4 0 注:原水濁度:1,000ppm アルカリ剤:Na2CO3 水 温:14♭c 凝 集 剤:硫酸バンド 原水アルカリ度 30ppm 25ppm 6 7 8 処理水PH 10 図7 処理水pHの影響 われない。 ハU n> 0 8 (∈監)軸瞑燦糾小→ 処理水pHが6.5以下では,良好な処王里が行な 注こ原水濁度:1,000ppm アルカリ剤:Na2CO3 水 温:14dc 凝 集 剤:PAC 原水アルカリ度20ppml
m P nレ. m60-¢′
P P40+uJ-/
0 ① 6 7/
10 = 処理水pH 図8 処‡里水pHの影響 原水アルカリ度により異なるが処理水pHを少な くとも6.5以上に保てば,良好な処理が行なわれる。浄水場の制御 641 凝集剤注入率演算回路
也仇
軸野鴬畔 ;疑集剤注入率 *1Tu ∠12 世コ宋ミト均整 凝集ゾーンd軽
凝集剤注入率 *2了'" 上ノい〟2 ∂r加 α=▲ ∂f (イ)ロ≧β β3=β2 β1川2 (口)β>α>一β〟3=一丁 (ハトβ>α β3=β】 *8〟j *1r以 *271α *4β月4 Ao 八月 債水濁度 原水アルカリ度 塩素注入室T F▲馴+
d2=月l+∬叫 アルカリ度増強回路 *3 *5 *6 叫 原水流入量はポンプ制御時に, 薬品注入率と乗じて用いる。 凝集ゾーンは原水濁度に応じて その幅をあらかじめ決めておく 低濁度時はβ3=β-とする。 C 4 一 ..′、ハ ニ dり 』-喜d虹
アルカリ剤注入率 叫 かd + 十 βA アルカリ剤注入睾 ・4上D 素 塩 アルカIj剤 *′1 βd4 凝集剤 β3 着水井 混和池 流入量 処和也アルカリ度 処理水PH フロック形成池 図9 薬品注入制御アルゴリズムの構成 凝集沈殿メカニズムに治って機能を分割Lた構成にLた。時)以上に保ち,?疑薬剤が凝集機能を発揮しやすい環境を
整える。高濁度時には,修正アルカリ度の-最少値を更に高 い値に保ち,広い凝集ゾーンを形成しやすい水質にする。 l最後にアルカリが適正量注入されているかを監視するため, 処理水アルカリ度を10ppm以上に保つ。 (b)凝集剤注入率演算回路 原水濁度に比例して注入率を求め,原水アルカリ度でそ の値を補正する。高濁度時にはi疑集ゾーンを設け,原水濁 度が急激に増加している場合には凝集ゾーン内で?疑集剤を 多めにi主人し,逆に急激に減少している場合には少なめに 注入する。 (C)pH制御回路 フロック形成池でのpHを測定し,約6.5以+二に保つ。 以上述べた利子卸アルゴリズムは,凝集沈殿プロセスを支配 するアルカリ度,pHなどの条件を整えた後,凝集剤を注入す るようにしてある。 このアルゴリズムを適月]すれば次のような特徴が生かされる。 (i)凝集メカニズム及びジャーテストを基にして構成され, かつ機能ごとにブロック分割された利子卸方式であるため, 低濁度から高濁度まで同一の制御回路が運用できる。 (ii)水質テスト,すなわちジャーテストに直結した制御回 路で構成されているので,・オペレータが王里解しやすく,ま た凝集メカニズムに治って容易に調整できる。 GiD 過去に経験の少ない高濁度時でも,河川床のi尼を用い たジャーテストからモデル式を確立できる。 G\う 低濁度時には経済性を,高濁度時には安定性を重視し た運用が行なえる。 今後は,河川水及び河川床の子尼を用いて,系統的にジャー テストを行ない,本制御アルゴリズムの妥当性を確認する予 定である。重吉k
アルカリ剤注入率 』pH + 沈殿池 PH最小値 (6.5) PH制御回路 ‡戸過池 ll監視操作システム
5.1最近の監視操作システムの動向 監視操作システムは,従来オペレータ(運転負)の運転操作, 運転状況の監視,運用異常に対する対応制御などに対するも のであったが,最近では運転管理者,調整員,保守員などの 業務も容易にできるようなシステム構成になりつつある5)。この後者に属するものには運転条件の変更(例えば,設備一一部休
止時などの処置),監視制御パラメータ設定変更(例えば,制御 定数,タイマ変更など),計算機本体,入出力機器操作,70ログ ラム固定ファイルの修正,システムの保守点検などがある。すな わち,最近の監視操作システムは従来のグラフィックパネル, 操作デスクなどに加え計算機を導入しCRT,タイプライタな どを活用して上述の諸機能を実行しており,同時に従来のグ ラフィック盤,工業計器員数などを縮小化する傾向にある。 5.2 監視制御へのCRTの活用 CRTは,操作面,管理面,解析面など従来のグラフィック パネル機能を置き換えるだけでなく,幅広い応用面を持って おり,無限に近く応用が考えられると言っても過言ではない。 また,浄水設備関係では数秒∼30秒程度と比較的ゆるやかを マンマシン伝達速度でよいものが多くあり,それだけ経済的 な計算機システムを構成できる。図to∼13に実績例の紹介と してCRT画面を表わす。これらの画面は1台のCRTに順次 出すことも可能であり,また3台のCRTに同時に出すことも 可能である。図川はレベル1の画面で,いわゆるオーバービ ューと呼ばれる全体プロセス図である。全体プロセスの・状態 を一目で分かるように表現している。図11はレベル2に相当 し,レベル1のオーバービュー中の1点を選択することによ り,その部分が拡大して表現される。また上部にはそのプロ セスに関連した各種計測量が現二伏値を棒グラフ状に,セット図10 CRT画面レベルl(オーバービュー) 本レベルによりプラン トの統括監視が可能である。 図IICRT画面レベル2(デイテイルA) 本レベルによりオーバー ビュー中の一部を拡大Lて監視するとともに,関連プロセス量の現状値を棒グ ラフ状に,上下限設定値を数字により表現L一目で監視が可能となる。 値,上限警報値及び下限警報他を数字で表わしている。図12 はレベル3に相当一し,計i則量中の任意の1量をト レン ̄ド表示 することができる。以上のCRT表示により,従来のランプ, 記録計などでは得られない高度なマンマシン性が得られると ともに,大幅に盤面積を縮小することが可能となる。また図 13は,故障発生時でのアナウンスメントをCRTにより実施 している例である。故障の発生及び回復の時刻を同時に表示 しておr),従来の故障表示器方式より高度で高集約なマンマ シンコミュニケーションを実現できる。 先にも述べたように,CRTの応用は無限に近いと考えられ る。今後もユーザーの意見の導入,設備費との評価を通じて CRTによるマンマシンコミュニケーションがよりいっそう 向上するものと考える。 l司 結 言 以上,浄水場の制御について各種の新技術を紹介した。浄 水場のより理想的運用を行なうには,なんといっても信頼性, 拡張性の高い制御システムとともに,制御・管理すべき対象 をより深く理解・解明し,これを制御化することが不可欠で 図12 CRT画面レベル3(デイテイルB) 本レベルによりデイテイ ルA中の任意のlプロセス量の過去のトレンド表示が可能となり.現象解析. 自動制御結果のトレースなど種々の用途に用いられる。 図13 CRTによる故障アナウンスメント例 cRTにより故障種別を 発生時刻,回復時刻とともにアナウンスメントLており,従来の故障表示器に よる方式よりマンマシン性の良い対話ができる。 あろう。今後もこの′獣想を基とし,二れら技術の向上を図る とともに,特に薬品注入制御に関しては,検出端の性能と維 持管理手法の改善,及び河川・湖沼など各柏原水に対するエ ンジニアリングを推進していく考えである。 終わ-)に,特に薬品i主人制御につき御手旨導いただいた大阪 J行水道部,及び平素から浄水場の制御技術の推進,実現につ いて御指導をいただいている浄水場の関係各位に対し深謝の 意を表わす次第である。 参考文献 1)岡本ほか1名:計算機による浄水場水量バランス制御,第28 回全国水道研究発表会講演集,254(1977) 2)仲野ほか1名:浄水送水ボン7滞Ij御への計算機の適用,第28 担】全国水道研究発表会講演集,210(1977) 3)浅岡:絹水廃水処理技術,凝集と沈澱,p.22三共出版(1973) 4)香取ほか3名:高濁度原水に対する薬品注入量の決走法,第 28回全国水道研究発表会講演集,478(1977) 5) 山【-‡-:浄水場監硯制御システムにおけるマンマシーンインタ ーフェイスの考察,第28回全国水道研究発表会講演集,245 (1977)