110
米 山 忠 興
写真①:新谷・法眼寺算額。法眼寺・八島龍晴院首のご厚意により『「新谷藩一万石史」補遺−星梅鉢』
から転載。
図 1
正五角形 2
-は じ め に
星 形 、 梅 鉢 形 家 紋 、 晴 明 神 社 ・ 天 神 社 の 紋 章 な ど は 、 い ず れ も 正 五 角 形 を も
と に 作 図 さ れ る 。 和 算 に も 、 し ば し ば 現 れ る が 、 意 外 に も 、 そ の 簡 明 な 作 図 法
は 一 般 に は あ ま り 知 ら れ て い な い 。
以 前 に 見 た 「 科 学 の 事 典 」 と か い う 本 に は 、 あ と に 参 考 の た め に 載 せ た 、 決
し て 推 奨 で き な い 三 角 関 数 の 五 倍 角 の 公 式 を 用 い た 方 法 が 書 か れ て い た 。
ま た 、 ネ ッ ト の ホ ー ム ・ ペ ー ジ に は 、 隣 り 合 う 辺 の 長 さ を 三 平 方 の 定 理 の み
で 次 々 に 計 算 し て 、 三 辺 の 長 さ が 等 し く 、 図 形 の 対 称 性 か ら 五 つ の 辺 の 長 さ が
全 て 等 し い の で 正 五 角 形 で あ る 、 と い う 非 常 に 面 倒 で そ し て 初 歩 的 な 方 法 と 論
理 が 流 布 し て い る 。
和 算 で い つ も 見 慣 れ て い る 易 し い 問 題 な の で 、 わ ざ わ ざ 和 算 の 問 題 と し て 取
り 上 げ る こ と も あ る ま い と 思 っ て い た が 、 や は り 、 見 過 ご す わ け に も い か な い 、
と 思 い 直 し て 、 こ こ で は 2 次 方 程 式 の 解 法 を 知 っ て い れ ば 、 高 校 生 に も 十 分 理
解 出 来 る 簡 単 な 論 理 と 方 法 を 示 す こ と に し た 。
法 眼 寺
寛 政 六 年 ( 1 7 9 4 ) 年 に 伊 豫 新 谷 藩 の 岩 田 清 謹 が 、 同 じ く 新 谷 大 洞 家 のに い や
「 星 梅 鉢 形 家 紋 」 の 作 図 法 を 問 う た 算 題 が 和 紙 に 書 か れ て 残 さ れ て い た 。 そ れ
を 近 年 ( 平 成 1 2 年 ) 、 愛 媛 県 和 算 研 究 会 事 務 局 長 の 渡 邊 雅 道 氏 が 中 心 と な っ
て 、 算 額 と し て 復 元 し 、 岩 田 の 墓 の あ る 新 谷 法 眼 寺 に 奉 納 さ れ た と い う こ と で
あ る ( 図 1 、 写 真 ① ) 。
伊 豫 新 谷 藩 は 、 大 洲 加 藤 藩 の 支 藩 で 、 山 陰 か ら 転 封 さ れ て き た 大 洲 藩 初 代 ・
加 藤 貞 泰 が 生 前 に 長 男 の 二 代 ・ 泰 興 と 、 そ の 弟 直 泰 に も 分 封 し よ う と 考 え て い
た こ と か ら 、 そ れ こ そ 藩 を 二 分 す る 激 論 の の ち 、 寛 永 十 六 ( 1 6 3 9 ) 年 、 弟
直 泰 に 新 谷 藩 一 万 石 を 分 知 す る こ と に な っ た 。 幼 か っ た 直 泰 は 、 あ と か ら 母 の
大
洞
家
紋
星
梅
鉢
数
理
其
定
率
幾
何
大
洞
家
紋
有
如
圖
五
等
圓
内
容
心
圓
問
率
乃
謂
依
等
円
径
而
得
心
円
径
依
心
円
径
而
得
等
円
径
之
法
七
分
〇
一
三
〇
一
六
有
奇
答
曰
依
左
術
得
定
率
實
内
減
一
個
開
平
方
見
商
倍
之
為
法
術
云
列
五
個
開
平
方
加
一
個
自
之
為
如
法
一
而
得
内
減
一
個
得
定
率
合
問
寛
政
六
甲
寅
厳
冬
十
一
月
岩
田
清
謹
考
之
家
に
宝
と
し
て
残
し
た
和
算
書
で
あ
る
。
大
洞
家
の
菩
提
寺
で
あ
る
法
眼
寺
所
蔵
の
和
紙
算
額
を
復
元
し
た
も
の
で
あ
る
。
愛
媛
和
算
研
究
会
平
成
十
二
年
二
月
吉
日
心
等
等
等
等
等
獻
奉
新
谷
藩
士
岩
田
清
謹
源
助
が
三
十
一
歳
の
時
、
従
兄
弟
の
大
洞
牧
太
の
印
渡
邊
雅
道
図 1
112
米 山 忠 興
正五角形 3
-法 眼 院 殿 の 強 力 な 後 押 し が あ っ た こ と を 知 り 、 そ の 母 の 恩 に 報 い る た め に 、 神
南 山 麓 に 菩 提 寺 を 建 立 し て 、 亡 き 母 の 院 号 に ち な ん で 「 法 眼 寺 」 と し た と い う
言 い 伝 え が 残 さ れ て い る 。
2 0 1 0 年 以 降 、 法 眼 寺 を 何 回 か 訪 れ 、 こ の 復 元 算 額 や 瀟 洒 な 妹 背 の 庭 園 を
拝 観 し た あ と 、 老 住 職 ・ 八 島 龍 晴 師 の 先 導 で 和 算 家 ・ 岩 田 清 謹 の 墓 参 り を し た 。
( 龍 晴 師 は 、 住 職 を す で に 龍 英 氏 に 譲 ら れ て い る の で 、 正 し く は 龍 晴 院 首 で あ
る 。 )
ま た 、 岩 田 清 謹 が 弘 化 四 ( 1 8 4 7 ) 年 、 八 十 二 歳 の 時 に 内 子 八 幡 神 社 に 奉
納 し た 算 額 ( あ と に [ 参 考 ] と し て 掲 載 ・ 解 説 す る ) が 現 存 し て い て 、 内 子 町
を 訪 れ れ ば 、 誰 で も 見 る こ と が 出 来 る 。 そ の 奥 書 に 「 弘 化 四 丁 未 歳 十 一 月 良 辰
兼 斎 岩 田 清 謹 識 印 印 」 と 書 か れ て い る と こ ろ か ら 、 多 く の 歴 史 書 ・ 和 算 書 、
た と え ば 三 上 義 夫 著 「 文 化 史 上 よ り 見 た る 日 本 の 数 学 」 な ど で は 「 岩 田 清 謹
識 」 す な わ ち 、 「 岩 田 清 が 謹 ん で 識 す 」 と 読 ま れ て い た 。 し か し 、 法 眼 寺 につ つ し しる
「 改 田 加 祢 」 と 並 ん で 立 っ て い る 岩 田 の 墓 石 に は 、 確 か に 、 「 岩 田 清 謹 」 と 彫
ら れ て い る ( 写 真 ② ) 。 こ れ は 、 龍 晴 師 が す で に 藪 に な っ て い た 墓 地 を 整 備 し
て い る と き に 見 つ け ら れ た と の こ と で あ る 。
な お 、 法 眼 寺 か ら 帰 る と き に 、 老 住 職 が み ず か ら 鐘 楼 に 立 っ て 、 寺 か ら の 坂
道 を 下 り る 私 た ち に 、 「 送 り 鐘 」 を 撞 い て く れ る 。 私 た ち も 、 思 わ ず う し ろ を
振 り 返 っ て 、 お 寺 と 住 職 に 向 か っ て 、 も う 一 度 、 合 掌 す る の で あ っ た 。
正 十 角 形 の 作 図 題
正 五 角 形 を 描 く 一 番 簡 明 な 方 法 は 初 め に 正 十 角 形 の 一 辺 を 求 め る こ と で あ る 。
図 2 の よ う に 、 正 五 角 形 に 外 接 す る 円 の 中 心 を O , 半 径 を a と す る 。 正 五 角
形 の 一 辺 を A B と し 、 O か ら A B に 下 ろ し た 垂 線 の 足 を D 、 そ の 延 長 線 と 円 の
交 点 を C と す る 。 そ う す る と 、 こ の B C が 正 十 角 形 の 一 辺 の 長 さ で あ る 。
こ の B C = x と お く 。 △ O B C に お い て 、
∠ C O B = π / 5 ,
∠ O C B = ∠ O B C = 2 π / 5 で あ る 。
図 3 に お い て 、
∠ O B C の 二 等 分 線 と O C の 交 点 を E と す る 。
∠ B O E = ∠ O B E = π / 5 ,
∠ B C E = ∠ B E C = 2 π / 5
だ か ら 、 O E = E B = B C = x .
△ O B C ∽ △ B C E だ か ら 、
a : x = x : a - x
x2
= a ( a - x )
x2
+ a x - a2
= 0
x
π
5
O
A B
C
図2
D
a
E
O
x
a
π
5
a-x
C
B
x
x
図3
D
y
図 2 図 3
なお、法眼寺から帰るときに、老住職がみずから鐘楼に立って、寺からの坂道を下りる
私たちに、「送り鐘」を撞いてくれる。私たちも、思わずうしろを振り返って、お寺と住
職に向かって、もう一度、合掌するのであった。
正十角形の作図題
正五角形を描く一番簡明な論理と方法は初めに正十角形の一辺を求めることである。
図 2 のように、正五角形に外接する円の中心を O, 半径を a とする。正五角形の一辺を
AB
とし、O から AB に下ろした垂線の足を D、その延長線と円の交点を C とする。そう
すると、この BC が正十角形の一辺の長さである。
この BC=x とおく。 △ OBC において、
∠COB = π/5,
∠OCB = ∠OBC = 2π/5 である。
図 3 において、
∠OBC の二等分線と OC の交点を E とする。
∠BOE = ∠OBE = π/5,
∠BCE = ∠BEC = 2π/5
だから、OE=EB=BC=x.
△ OBC∽△ BCE だから、
a:x = x:a − x
x
2
= a(a − x)
x
2
+ ax − a
2
= 0
x =
−1 ± 5
2
a
x
> 0 だから、
正五角形 4
-- 1 ± √ 5
x = a
2
x > 0 だ か ら 、
√ 5 - 1
x = a
2
こ れ が 半 径 a の 円 に 内 接 す る 正 十 角 形 の 一 辺 の 長 さ で あ る 。 こ れ を 用 い れ ば 、
正 五 角 形 も 簡 単 に 描 け る 。 具 体 的 な 正 十 角 形 ・ 正 五 角 形 ・ 星 形 の 描 き 方 は 、
以 下 の よ う で あ る 。
図 4 の よ う に 、 中 心 O , 半 径 a の 円 の 一 本 の 直 径 を F G と し 、 F G の 垂 直 二
等 分 線 と 円 の 交 点 の 一 つ を K と す る 。 ま た 、 O G の 垂 直 二 等 分 線 と 円 の 交 点 の
一 つ を J 、 F G と の 交 点 を H と す る 。
a √ 5
K O = a , O H = だ か ら 、 H K = a で あ り 、 H を 中 心 と し て H K を 半
2 2
√ 5 1
径 と す る 円 と F G の 交 点 を L と す る と 、 O L = a - a で あ る 。
2 2
こ の O L が 、 半 径 a の 円 に 内 接 す る 正 十 角 形 の 一 辺 の 長 さ で あ る 。
正 五 角 形
ま た 、 図 2 の B D = y と す る と 、 正 五 角 形 の 一 辺 は 2 y で あ る 。
√ 5 - 1
x = a
2
1 1 √ 5 - 1 3 - √ 5
C D = ( a - x ) = 1 - a = a .
2 2 2 4
y2 x2- C D2 √ 5 - 12 3 - √ 5 2
= = -
a a2 2 4
6 - 2 √ 5 1 4 - 6 √ 5 1 0 - 2 √ 5
= - =
4 1 6 1 6
よ っ て 、
1 0 - 2 √ 5
2 y = a .
2
星 梅 鉢
次 に 、 梅 鉢 型 を 描 く に は 、
① 前 述 の 考 え に 基 づ い て 、 図 5 の よ う に 、 正 十 角 形 か ら 正 五 角 形 を 描 く 。
② 図 6 で 、 正 五 角 形 の 外 接 円 の 中 心 と 頂 点 を 通 る 5 本 の 直 線 を 引 き 、 さ ら に 正
五 角 形 の 頂 点 を 中 心 と し て 直 線 に 接 す る 円 を 描 く と 、 こ れ が 5 等 円 で あ る 。
③ 芯 円 は 中 心 が 正 五 角 形 の 外 接 円 の 中 心 と 同 じ で 、 5 等 円 に 接 す る 円 で あ る 。
④ 天 満 神 社 の 紋 章 の 芯 円 は も っ と 小 さ く 、 図 7 の よ う に 、 3 6 ゜ を さ ら に 2 等
分 し て 、 1 8 ゜ の 線 を 描 き 、 梅 の 花 の 雌 蕊 、 雄 蕊 を 描 く 。め し べ
⑤ こ の 3 6 ゜ × 2 = 7 2 ゜ と 1 8 ゜ は 、 四 季 と 五 行 説 の 関 係 で も あ る 。
O
F G
J
H
K
L
a
a
2
5
2
5 ― 1
2
図 4
a
a
図 5
図 4 図 5
図 4 のように、中心 O, 半径 a の円の一本の直径を FG とし、FG の垂直二等分線と円の
交点の一つを K とする。また、OG の垂直二等分線と円の交点の一つを J、FG との交点
を H とする。
KO=a,OH=
a
2 だから、
HK=
2
5
aであり、H を中心として HK を半径とする円と FG
の交点を L とすると、OL=
2
5
a−
1
2
a
である。
この OL が、半径 a の円に内接する正十角形の一辺の長さである。
正五角形
また、図 2、図 3 の BD=y とすると、正五角形の一辺は 2y である。
x =
5 − 1
2
a
CD
=
1
2(
a
− x)=
1
2
1
−
5
− 1
2
a =
3
− 5
4
a.
y
a
2
=
x
2
− CD
a
2 2
=
5 − 1
2
2
−
3
− 5
4
2
=
6
− 2 5
4
−
14
− 6 5
16
=
10
− 2 5
16
よって、
x =
5 − 1
2
a
これが半径 a の円に内接する正十角形の一辺の長さである。これを用いれば、正五角
形も簡単に描ける。具体的な正十角形・正五角形・星形の描き方は、以下のようである。
114
米 山 忠 興
2y =
10
− 2 5
2
a
.
星梅鉢
次に、梅鉢型を描くには、
①前述の考えに基づいて、図 5 のように、正十角形から正五角形を描く。
② 図 6 で、正五角形の外接円の中心と頂点を通る 5 本の直線を引き、さらに正五角形の頂
点を中心としてこの直線に接する円を描くと、これが 5 等円である。
③芯円は中心が正五角形の外接円の中心と同じで、5 等円に接する円である。
④ 天満神社の紋章の芯円はもっと小さく、図 7 のように、36 ゜をさらに 2 等分して、18 ゜
の線を描き、梅の花の雌蕊、雄蕊を描く。
⑤この 36 ゜×2=72 ゜と 18 ゜は、四季と五行説の関係でもある。
正五角形 5
-大 洞 家 々 紋
本 題 に 戻 っ て 、 大 洞 家 の 家 紋 の 芯 円 径 を 求 め る 。 図 6 の よ う に 、 梅 鉢 型 の 外
側 の 5 つ の 等 円 と 中 心 の 芯 円 の 半 径 を 、 そ れ ぞ れ 、 y , r と す る と 、
r + y = a だ か ら 、
4
r = - 1 y .
1 0 - 2 √ 5
こ れ を 等 円 の 半 径 と 比 べ る ( y = 1 と す る ) と 、 芯 円 の 半 径 r は 、
∴ r ≒ 0 . 7 0 1 3 0 1 6 ■
と こ ろ で 、 岩 田 清 謹 の 術 文 は 「 術 に 云 う 、 五 個 を 列 し 平 方 に 開 き 一 個 を 加 え 、
こ れ をみ ず か ら自 し 、 實 と 為 す 。 内 一 個 を 減 じ 平 方 に 開 き 、 商 を 見 て こ れ を ( 二 ) 倍 し 、
法 と 為 す 。 法 を 一 の 如 く し て 得 た る 内 、 一 個 を 減 ず れ ば 定 率 を 得 る 。 問 に 合
う 。 」 で あ る 。
術 文 中 、 和 算 家 が 「 如 法 一 而 」 を ど う 「 訓 み 下 し 」 て い た の か は 分 か ら な いよ
が 、 私 は 「 法 を 一 の 如 く し て 」 と 勝 手 に 訓 み 下 し て い る 。 法 を 単 位 ( 一 ) と し
て 、 と い う こ と で あ る 。 い ず れ に し て も ( 実 を ) 法 で 割 る と い う こ と で あ る 。
実
( √ 5 + 1 )2
= 実 , 実 - 1 × 2 = 法 , - 1 = 定 率 .
法
す な わ ち 、
実 ( √ 5 + 1 )2
6 + 2 √ 5
定 率 = - 1 = - 1 = - 1
法 2 ( √ 5 + 1 )2
- 1 2 5 + 2 √ 5
こ れ は 、 先 に 計 算 し た r と は 、 見 か け 上 か な り 違 っ た 形 を し て い る の で 、
一 瞬 と ま ど っ て し ま っ た が 、 関 数 電 卓 で 計 算 し て み た ら 、 五 ~ 六 桁 の 精 度 で 、
ぴ っ た り 一 致 し て い た の で 、 そ れ に 勢 い を 得 て 「 分 子 の 有 理 化 」 を 考 え た 。
6 + 2 √ 5 ( 3 + √ 5 ) ( 3 - √ 5 )
定 率 + 1 = =
2 5 + 2 √ 5 5 + 2 √ 5 ( 3 - √ 5 )
4 4
= = = r + 1 .
5 + 2 √ 5 1 4 - 6 √ 5 1 0 - 2 √ 5
よ っ て 、 岩 田 清 謹 の 「 定 率 」 は 、 先 に 求 め た r に 等 し い こ と が 分 か る 。
□ 五 倍 角 の 公 式
参 考 と し て 、 五 倍 角 の 公 式 か ら 正 五 角 形 の 一 辺 の 長 さ を 直 接 計 算 す る 方 法 を
以 下 に 示 す 。 た だ し 、 あ と に 述 べ る よ う に 、 こ の 方 法 は 、 推 奨 で き な い 。
加 法 定 理 :
s i n ( α + β ) = s i n α c o s β + c o s α s i n β
y
y
r
図6
a
梅鉢型家紋
図7
天満神社の紋章
図 6 図 7
大洞家々紋
本題に戻って、大洞家の家紋の芯円径を求める。図 6 のように、梅鉢型の外側の 5 つの
等円と中心の芯円の半径を、それぞれ、y,r とすると、
r+y=a だから、
r =
10
− 2 5 −
4
1 y.
これを等円の半径と比べる(y=1 とする)と、芯円の半径 r は、
∴ r≒0.7013016 ■
ところで、岩田清謹の術文は「術に云う、五個を列し平方に開き一個を加え、これを
自 し、實と為す。内一個を減じ平方に開き、商を見てこれを(二)倍し、法と為す。法
を一の如くして得たる内、一個を減ずれば定率を得る。問に合う。」である。
術文中、和算家が「如法一而」をどう「訓み下し」ていたのかは分からないが、私は
118
米 山 忠 興
正五角形 7
-さ ら な る 別 法 と し て 、 ピ タ ゴ ラ ス ( 三 平 方 ) の 定 理 の み に よ っ て 、 五 辺 が 相
等 し い こ と か ら 、 正 五 角 形 を 証 明 す る 方 法 は 、 あ ま り に も 稚 拙 な の で 、 こ こ で
は 扱 わ な い 。 興 味 が あ る 人 は 、 ネ ッ ト を 見 る こ と 。
[ 参 考 ] 内 子 八 幡 神 社 の 算 額
前 述 の 法 眼 寺 算 額 問 題 を 作 っ た 岩 田 清 謹 が 八 十 二 才 の 時 に 、 新 谷 か ら 五 キ ロ
ほ ど 東 の 、 当 時 は 蝋 燭 な ど で 栄 え て い て 、 「 内 子 座 」 と い う 歌 舞 伎 小 屋 も あ る
内 子 町 の 八 幡 神 社 に 奉 納 し た 算 額 が あ り 、 今 で も 神 社 の 拝 殿 に 掲 げ ら れ て お り 、
内 子 を 訪 れ れ ば 、 誰 で も 見 る こ と が 出 来 る ( 写 真 ③ 、 図 9 ) 。
こ れ は 本 来 は 、 数 学 的 内 容 か ら 言 え ば 、 敢 え て こ こ 解 説 す る ほ ど で は な い が 、
星 梅 鉢 - 法 眼 寺 算 額 - 岩 田 清 謹 の 一 連 の 繋 が り で 、 こ こ に 取 り 上 げ る こ と に す
る 。
「 初 学 の 請 い に 応 じ て 」 と い う 題 の 通 り 、 比 較 的 易 し い が 、 以 下 の よ う に 2
重 根 号 の は ず し 方 な ど 、 初 心 者 に 参 考 に な り そ う な 計 算 が い く つ か 見 ら れ る 。
和 算 家 は 、 円 の 大 き さ を 直 径 で 表
わ し て い た が 、 我 々 は 半 径 で 考 え る
方 が 慣 れ て い る し 、 逆 に 和 算 家 の よ
う に 直 径 で 表 わ し て 、 半 径 を た と え
ば 、 R / 2 , b / 2 の よ う に 書 く の
は 煩 雑 な の で 、 以 下 の 計 算 で は 、 洋
算 に 倣 っ て 「 半 径 」 で 行 な う 。 そ こ
で 、 直 径 で 表 現 さ れ て い る 算 額 の 術
文 と 比 較 す る た め に は 、 ( 「 円 」 同
士 は 、 ど ち ら で も よ い が )
「 直 長 」 の み に つ い て は 「 2 長 」 と
す る 。
奉
懸
御
廣
前
左
甲
右
乙
丁
丙
大
應
初
學
之
請
而
述
算
法
自
問
自
答
今
有
如
圖
直
内
畫
大
半
円
其
全
徑
六
分
方
為
左
四
分
方
為
右
其
中
間
挟
甲
圓
大
半
圓
外
容
乙
丙
丁
之
三
圓
焉
只
云
丙
圓
徑
若
干
問
各
諸
圓
徑
及
長
幾
何
答
曰
依
左
術
得
各
術
曰
置
八
個
開
平
方
加
三
箇
為
長
實
四
帰
之
為
乙
圓
徑
實
三
之
加
五
分
為
半
圓
全
徑
實
列
左
數
冪
以
地
除
之
加
右
數
而
以
除
左
右
相
乗
之
數
為
甲
圓
徑
實
置
三
箇
減
天
乗
地
得
數
為
丁
圓
徑
實
呂
只
云
數
為
率
各
列
實
數
以
率
數
乗
之
得
各
合
問
兼
齋
岩
田
清
謹
識
天名
地名
乗
六
分
為
左
乗
四
分
為
右
關
流
算
學
寺
井
政
道
門
人
新
谷
藩
于
時
齢
八
十
有
二
弘
化
四
丁
未
歳
十
一
月
良
辰
図 9
B
C
b
b
c
c
2 bc
図 1 0
図 10
正五角形 7
-さ ら な る 別 法 と し て 、 ピ タ ゴ ラ ス ( 三 平 方 ) の 定 理 の み に よ っ て 、 五 辺 が 相
等 し い こ と か ら 、 正 五 角 形 を 証 明 す る 方 法 は 、 あ ま り に も 稚 拙 な の で 、 こ こ で
は 扱 わ な い 。 興 味 が あ る 人 は 、 ネ ッ ト を 見 る こ と 。
[ 参 考 ] 内 子 八 幡 神 社 の 算 額
前 述 の 法 眼 寺 算 額 問 題 を 作 っ た 岩 田 清 謹 が 八 十 二 才 の 時 に 、 新 谷 か ら 五 キ ロ
ほ ど 東 の 、 当 時 は 蝋 燭 な ど で 栄 え て い て 、 「 内 子 座 」 と い う 歌 舞 伎 小 屋 も あ る
内 子 町 の 八 幡 神 社 に 奉 納 し た 算 額 が あ り 、 今 で も 神 社 の 拝 殿 に 掲 げ ら れ て お り 、
内 子 を 訪 れ れ ば 、 誰 で も 見 る こ と が 出 来 る ( 写 真 ③ 、 図 9 ) 。
こ れ は 本 来 は 、 数 学 的 内 容 か ら 言 え ば 、 敢 え て こ こ 解 説 す る ほ ど で は な い が 、
星 梅 鉢 - 法 眼 寺 算 額 - 岩 田 清 謹 の 一 連 の 繋 が り で 、 こ こ に 取 り 上 げ る こ と に す
る 。
「 初 学 の 請 い に 応 じ て 」 と い う 題 の 通 り 、 比 較 的 易 し い が 、 以 下 の よ う に 2
重 根 号 の は ず し 方 な ど 、 初 心 者 に 参 考 に な り そ う な 計 算 が い く つ か 見 ら れ る 。
和 算 家 は 、 円 の 大 き さ を 直 径 で 表
わ し て い た が 、 我 々 は 半 径 で 考 え る
方 が 慣 れ て い る し 、 逆 に 和 算 家 の よ
う に 直 径 で 表 わ し て 、 半 径 を た と え
ば 、 R / 2 , b / 2 の よ う に 書 く の
は 煩 雑 な の で 、 以 下 の 計 算 で は 、 洋
算 に 倣 っ て 「 半 径 」 で 行 な う 。 そ こ
で 、 直 径 で 表 現 さ れ て い る 算 額 の 術
文 と 比 較 す る た め に は 、 ( 「 円 」 同
士 は 、 ど ち ら で も よ い が )
「 直 長 」 の み に つ い て は 「 2 長 」 と
す る 。
奉
懸
御
廣
前
左
甲
右
乙
丁
丙
大
應
初
學
之
請
而
述
算
法
自
問
自
答
今
有
如
圖
直
内
畫
大
半
円
其
全
徑
六
分
方
為
左
四
分
方
為
右
其
中
間
挟
甲
圓
大
半
圓
外
容
乙
丙
丁
之
三
圓
焉
只
云
丙
圓
徑
若
干
問
各
諸
圓
徑
及
長
幾
何
答
曰
依
左
術
得
各
術
曰
置
八
個
開
平
方
加
三
箇
為
長
實
四
帰
之
為
乙
圓
徑
實
三
之
加
五
分
為
半
圓
全
徑
實
列
左
數
冪
以
地
除
之
加
右
數
而
以
除
左
右
相
乗
之
數
為
甲
圓
徑
實
置
三
箇
減
天
乗
地
得
數
為
丁
圓
徑
實
呂
只
云
數
為
率
各
列
實
數
以
率
數
乗
之
得
各
合
問
兼
齋
岩
田
清
謹
識
天名
地名
乗
六
分
為
左
乗
四
分
為
右
關
流
算
學
寺
井
政
道
門
人
新
谷
藩
于
時
齢
八
十
有
二
弘
化
四
丁
未
歳
十
一
月
良
辰
図 9
B
C
b
b
c
c
2 bc
図 1 0
図 9
和算家は、円の大きさを直径で表わしていたが、我々は半径で考える方が慣れている
し、逆に和算家のように直径で表わして、半径をたとえば、R/2,b/2 のように書くのは
煩雑なので、以下の計算では、洋算に倣って「半径」で行なう。そこで、直径で表現され
ている算額の術文と比較するためには、(「円」同士は、どちらでもよいが)「直長」のみ
については「2 長」とする。
まず和算の基礎として、図 10 において、
直線と円 B, 円 C が互いに接しているとき、直線上の接点間の距離は、
(b+c)
2
−(b−c)
2
=2 bc である。
大円径:R
乙円径:b
丙円径:c
とすると、図 11 のように、「直長」は、R,b,c で決まる。
問題では丙円径が与えられていると考えて、数値計算では c=1 とする。
図 11
正五角形 8
-ま ず 和 算 の 基 礎 と し て 、 図 1 0 に お い て 、
直 線 と 円 B , 円 C が 互 い に 接 し て い る と き 、 直 線 上 の 接 点 間 の 距 離 は 、
( b + c )2
- ( b - c )2
= 2 b c で あ る 。
図 1 1 の よ う に 、 「 直 長 」 は 、 R , b , c で 決 ま る 。
大 円 径 : R
乙 円 径 : b
丙 円 径 : c
と し 、 問 題 で は 丙 円 径 が 与 え ら れ て い る と 考 え て 、 数 値 計 算 で は c = 1 と す る 。
R = b + c + 2 b c ①
b - c = ( R + c )2
- c2
- 2 R b ②
2 長 = R + b + 2 R b ③
① ⇒ R = ( √ b + √ c )2
√ R = √ b + √ c . ① ’
② ⇒ ( √ b + √ c ) ( √ b - √ c ) = R ( R + 2 c ) - 2 R b
√ b - √ c = R + 2 c - 2 √ b ,
3 √ b - √ c = b + 3 c + 2 b c
両 辺 を 2 乗 し て 、
9 b + c - 6 b c = b + 3 c + 2 b c
8 b - 2 c - 8 b c = 0
b 2
b
4 - 4 - 1 = 0
c c
b 2 ± 2 √ 2 1 ± √ 2
= =
c 4 2
b
> 0 だ か ら
c
b 1 + √ 2
=
c 2
b 3 + 2 √ 2 2 b
= ≒ 1 . 4 5 7 1 . = [ 乙 ]
c 4 2 c
R b b b 2
① ⇒ = + 1 + 2 = + 1
c c c c
3 + √ 2 2
1 1 + 6 √ 2 2 R
= = ≒ 4 . 8 7 1 3 . = [ 全 ]
2 4 2 c
R
b
c
R
b
c
b
c
O
B
C
R
図1 1
R = b + c + 2 bc ①
b−c = (R + c)
2
− c
2
− 2 Rb ②
2 長 = R + b + 2 Rb ③
①⇒ R =( b + c )
2
R = b + c . ① '
②⇒( b + c )
( b − c )= R (R + 2c)− 2 Rb
b − c = R + 2c − 2 b,
3 b − c = b + 3c + 2 bc
両辺を 2 乗して、
9b + c − 6 bc = b + 3c + 2 bc
8b − 2c − 8 bc = 0
4
b
c
2
− 4
b
c − 1 = 0
b
c =
2
± 2 2
4
=
1
± 2
2
b
c > 0 だから
b
c =
1
+ 2
2
b
c =
3
+ 2 2
4
≒ 1.4571 2b
2c =[乙]
120
米 山 忠 興
① ⇒
R
c =
b
c + 1
2
=
3
+ 2
2
2
=
11
+ 6 2
4
≒ 4.8713. 2R
2c =[全]
③ ⇒
2
c =(
長
R
+ b + 2 Rb )/c
=
R
c +
b
c
2
=
11
+ 6 2
4
+
3
+ 2 2
4
2
,
ここで、
11
+ 6 2
4
=
(3 + 2 )
2
2
=
3
+ 2
2
3
+ 2 2
4
=
( 2 + 1 )
2
2
=
2 + 1
2
,
よって、
2
c =
長
2 + 3
2
+
2 + 1
2
2
=
2
2 + 4
2
2
=( 2 + 2)
2
= 2(1 + 2 )
2
= 2(3 + 2 2 ),
ゆえに、
長
c =(3 + 2 2)≒ 5.8284 .
2 長
2c =[長]
次に、大半円内の左右の半円と甲円について考える。
正五角形 9
-2 長
③ ⇒ = ( R + b + 2 R b ) / c
c
R b 2
1 1 + 6 √ 2 3 + 2 √ 2 2
= + = +
c c 4 4 ,
こ こ で 、
1 1 + 6 √ 2 ( 3 + √ 2 )2
3 + √ 2
= =
4 2 2
3 + 2 √ 2 ( √ 2 + 1 )2
√ 2 + 1
= = ,
4 2 2
よ っ て 、
2 長 √ 2 + 3 √ 2 + 1 2
2 √ 2 + 4 2
= + =
c 2 2 2
= ( √ 2 + 2 )2
= 2 ( 1 + √ 2 )2
= 2 ( 3 + 2 √ 2 ) ,
ゆ え に 、
長 2 長
= ( 3 + 2 √ 2 ) ≒ 5 . 8 2 8 4 . = [ 長 ]
c 2 c
次 に 、 大 半 円 内 の 左 右 の 半 円 と 甲 円 に つ い て 考 え る 。
下 の 図 1 2 の よ う に 、
大 円 径 : R
左 円 径 : α R
右 円 径 : β R
甲 円 径 : a
と お く 。 問 題 文 か ら 、
3 2
α = , β =
5 5
で あ る 。
図 1 2 の 2 つ の 三 角 形 に 余 弦 定 理 を 適 用 し て 、
c o s θ + c o s ( π - θ ) = 0 を 考 慮 す る と 、
( β R )2
+ ( R - a )2
- ( α R + a )2
( α R )2
+ ( R - a )2
- ( β R + a )2
+ = 0
2 ・β R ( R - a ) 2 ・α R ( R - a )
2 3 3 2
3 ( R)2
+(R-a)2
-( R+a)2
+2 ( R)2
+(R-a)2
-( R+a)2
=0
5 5 5 5
a
≡ x と お く と 、
R
2 3 3 2
3 ( )2
+(1-x)2
-( +x)2
+2 ( )2
+(1-x)2
-( +x)2
=0
5 5 5 5
1 2 + 1 8 2 7 + 8 2 x
+ 5 ( 1 - x )2
- - ( 9 + 4 ) - 5 x2
= 0
2 5 2 5 5
2 4 7 6
- x = 0
5 5
6 - 1 9 x = 0
6
x =
1 9
6 6 1 1 + 6 √ 2
∴ a = R = ・ c
1 9 1 9 4
a 3 ( 1 1 + 6 √ 2 ) 2 a
= ≒ 1 . 5 3 8 3 . = [ 甲 ]
c 3 8 2 c
左
甲
右
大
図 1 2
αR
a
θ
R-a
a
a
βR
αR
βR
αR
βR
図 12
上の図 12 のように、
大円径:R
左円径:αR
右円径:βR
甲円径:a
とおく。問題文から、
122
米 山 忠 興
正五角形 10
-さ い ご に 、 丁 円 径 を 求 め る 。 こ れ は 、 図 1 3 で 直 角 二 等 辺 三 角 形 を 考 え れ ば 、
か ん た ん に 出 来 る 。
√ 2 ( R - d ) = R + d
( √ 2 - 1 ) R = ( √ 2 + 1 ) d
d √ 2 - 1 ( √ 2 - 1 )2
= = = 3 - 2 √ 2
R √ 2 + 1 2 - 1
d d R 1 1 + 6 √ 2 9 - 4 √ 2
= ・ = ( 3 - 2 √ 2 ) ・ = ≒ 0 . 8 3 5 8 .
c R c 4 4
2 d
= [ 丁 ]
2 c
書 か れ て い る 術 文 は 、 現 代 の 我 々 が 「 術 」 と い う 言 葉 か ら 連 想 す る 解 答 を 導
び く た め の も の で は な く 、 ほ と ん ど 答 え の 数 値 を 「 記 述 」 し て い る だ け で あ る 。
丙 円 径 が 与 え ら れ た と き ( 丙 = 1 と し て ) 、 そ の 術 文 を 数 式 と し て 表 わ す と 、
以 下 の よ う に な る 。
√ 8 = 天 ,
天 + 3 [ = 2 √ 2 + 3 ] = 長 ,
長 3 + 2 √ 2
= = 乙 ,
4 4
1 1 1 + 6 √ 2
乙 × 3 + = = 地 = 全 .
2 4
3 2
全 = 左 , 全 = 右 ,
5 5
左 × 右
= 甲 ,
左2
+ 右
地
こ の 式 か ら 、
3 2
全 × 全
5 5 6 全 6 全 6
甲 = = = = 全 .
3 9 全 9 + 1 0 1 9
( 全 )2
+ 1 0
5 2 地
+ 全
地 5
( 3 - 天 ) × 地 = 丁 ,
こ の 術 文 は 、 前 述 の 計 算 式 と 一 致 し て い る 。
[ P h o t o C a p t i o n s ]
[ 写 真 ① : 新 谷 ・ 法 眼 寺 算 額 。 法 眼 寺 ・ 八 島 龍 晴 院 首 の ご 厚 意 に よ り 『 「 新 谷
藩 一 万 石 史 」 補 遺 - 星 梅 鉢 』 か ら 転 載 。 ]
[ 写 真 ② : 和 算 家 ・ 岩 田 清 謹 の 墓 。 た し か に 「 清 謹 」 と 書 い て あ る の が 読 み と
れ る 。 ]
[ 写 真 ③ : 内 子 八 幡 神 社 に 奉 納 さ れ た 和 算 家 ・ 岩 田 清 謹 八 十 二 歳 の 時 の 算 額 ]
R
R-d
d d
d
図 13
図 13
書かれている術文は、現代の我々が「術」という言葉から連想する解答を導びくための
ものではなく、ほとんど答えを「記述」しているだけである。
丙円径が与えられたとき(丙=1 として)、その術文を数式として表わすと、以下のよ
うになる。
8
= 天,
天 + 3[ = 2 2 + 3]= 長,
長
4 =
3
+ 2 2
4
= 乙,
乙 × 3 +
1
2 =
11
+ 6 2
4
= 地 = 全 .
3
5 全 = 左,
2
5 全 = 右,
左
左 × 右
2
地 + 右
= 甲,
この式から、
3
5 全
地
( )
2
3
5 全 ×
2
5 全
+ 2
5 全
=
甲 =
=
=
+ 10
6 全
9 全
地
9 + 10
6 全
19
6 全 .
(3 − 天)× 地 = 丁,
この術文は、前述の計算式と一致している。