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教育現場における部活指導員:外部人材の与える影響

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Academic year: 2021

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教育現場における部活指導員:外部人材の与える影響

人間教育専攻 現代教育課題総合コース 吉岡 幸祐 随の所在とU沈の目的 日本の学校教育には部活動があり、その指導 に多くの教員が携わっている現状がある。 しかし、教育課程外としての位置づけであり ながら学校教育活動の一環であるとされている ことから、教員が顧問としての仕事を担うべき かどうかについては非常にグレーゾーンである という主張も存在する。 過去には、部活動の指導に携わることが教員 にとって負担となっている事例もあり、文部科 学省は、部活動の指導を担うことができる外部 指導員を地域から見つけ出して活用を進めよう としていた。 しかし、様々な課題などが生じた結果、現在 ではスポーツ庁と連携をすることとなった。そ して、新制度である部活動指導員制度の活用を 進め、部活動指導について見直そうとしている。 そこで本論文では、外部指導員について求め られる能力や、筆者自身が指導に携わっている 部活動を対象としたインタビューを実施し、外 部指導員が部活動の指導に携わることの影響に ついて考察した。 第1章教員の労働時間 近年、教員の労働時間が問題視されている。 特に、中学校教員における約6 割が厚生労働省 の定める過労死ラインを超過している現状にあ る。その原因のーつが部活動であり、教員が部 活動に携わる時間が過去に比べて増加している 指導教員 田村 和之 ことが様々な調査によって示された。 また、学校教育の中で部活動にかける時間は 国際的に比較してみても、日本は参加国平均の 約4 倍、第2 位の南アフリカの約2 倍となって おり、突出している現状にあることを確認した。 第2章部活動と蜘 本章では、まず学校教育における部活動の位 置づけについて確認した。文部不s岸省によると 部活動は教育課程外であるが、学校教育の一環 であるとし、教育課程との関連を図るよう留意 する必要があるとなっている。 次に、教員が部活動に携わるうえでどのよう な仕事があるかについて確認した。それは、多 岐にわたっていると同時に、活動を担う教員の 半数以上が、担当する部の競技経験が不十分で あり、指導力の不足を感じていることが示され た。また、その結果、部活動を非常に負担だと 感じている声も上がっていた。 そこで、スポーツを指導するにあたり、どの ような資質・能力が必要であるかについて様々 な事例を用いて紹介をした。しかしそれは、内 容的にも量的にも、教員が業務をこなしながら 習得することはおおよそ不可能であることを確 認した。 第3 章外部人材の活用 本章では、まず過去にあった外音防旨導員を導 入するうえでの背景などについて確認した0 それは、地域との連携などによって部活動の

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運営が可能な人材を見つけ出し、部活動指導の 担い手となってもらうことで教員の負担軽減に 繋げようとするものであった。 続いて、現在導入されている部活動指導員の 制度の紹介をし、そこで求められている人物像 について様々な自治体の要綱を比較した。そこ で多く見られた内容としては、部活動を指導す るために必要となる知識を有していることに加 え、教員免許を保有しているなど学校教育に対 して理解を示すことができることといった内容 であった。求められる人材において大きな差異 は無かったが、対象となる人物に大学生の可否 について、規定などに差異が見られた。 ただし、外部指導員は学校との連携が困難で あるといった課題も生じており、協力が可能な 運営体制を構築する必要陛があることも明らか となった。 第4 章外部人材の活用 第3 章で紹介した部活動指導員として必要で あるスポーツに関する経験や教員免許を保持し ている筆者が、外部指導員として部活動指導に 携わっている部活動を対象にインタビュー調査 を行った。部員数が少なく、対象は各学年の代 表者1 名ずつと、顧問教員の合計4 名である。 インタビューを通して、外部指導員の存在は 部員達にとってモチベーションの維持・向上に 関して大きな影響を与えていることが確認され た。また、外部指導員が継続的に指導に来る重 要性も明らかとなった。 また、外部人材を活用することによって、教 員の時間的負担の軽減に貢献すること、そして 外部指導員の継続的指導によって顧問教員の精 神的負担の軽減にも貢献することを証明するこ とができた。特に、怪我に対する知識を外部指 導員が有していることが非常に重要であること が確認できた。 第5 章考察 本章では、本研究の総括の中で、部活動指導 員を導入するに当たっては、学校長の承認を得 て活動することにより連携の困難さを解消する 可能性について示した。 また、第4 章のインタビューの結果から、ス ポーツの指導を行う際に必要となる知識・技能 を十分に習得しているかなど、最低限の審査を 各自治体の教育委員会が行っていくことで教員 の負担軽減に貢献できる人材の活用が可能とな ることが期待される。 結論 本論文では、部活動にまつわる教育現場での 長時間労働という問題から、外部指導員がどの ようにして顧間教員の負担の軽減となるかにつ いて考察してきた。 また、部活動の位置づけは教育課程外である にもかかわらず、学校教育の一環であるとされ、 教員の関与が半ば強制的である。それによって 生じる課題の解決方法として、外部人材の活用 と、指導者に求められる能力や有効陛について 考察を行った。 しかし、それもまた外部指導員の質によるも のであることから、競技についての経験以外に も、怪我に対する知識を有していることが望ま れる。そのような人物が部活動の指導をするこ とで、教員の時間的側面だけでなく、精神的側 面においても負担の軽減に繋げることができる ことが期待できる。 特に、インタビュー結果から怪我に対する知 識によって、教員のさらなる負担の軽減に繋が ることが確認できたため、外部人材の活用に関 する取り組みを進めるうえで、今後重要な基準 となることが望ましい。

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