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乏しい社会資源の市町村へ帰る医療的ケア児への支援〜退院調整・地域支援での成功事例と困難事例〜

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(1)公益財団法人. 在宅医療助成. 勇美記念財団. 2017 年度(後期) 一般公募「在宅医療研究への助成」完了報告書. 「乏しい社会資源の市町村へ帰る医療的ケア児への支援 ~退院調整・地域支援での成功事例と困難事例~」. 申. 請. 者:渡邊. 友香(名寄市立大学保健福祉学部看護学科). 共同研究者:江本. 千晴(北海道文教大学人間科学部看護学科). 福士. 晴佳(北海道文教大学人間科学部看護学科). 笹木. 葉子(名寄市立大学保健福祉学部看護学科). 提出年月日:2019 年 3 月 31 日.

(2) 目次 ( Ⅰ.緒言 (笹木). )内は執筆分担者. ……………………………………………………………………1. Ⅱ.用語の定義 (渡邊). ……………………………………………………………2. Ⅲ.研究方法 (渡邊) 1.研究デザイン ……………………………………………………………………2 2.研究対象 …………………………………………………………………………2 3.調査期間 …………………………………………………………………………2 4.データ収集方法 …………………………………………………………………2 5.分析方法 …………………………………………………………………………3 6.倫理的配慮 ………………………………‥……………………………………3 Ⅳ.結果・考察 1.対象の属性 (渡邊). …………………………………………………………4. 2.医療機関担当者が行う退院調整の現状と課題 (渡邊・江本・福士) …………………………………………………………5 3.市町村担当保健師が行う地域での支援の現状と課題 (渡邊・江本・福士) …………………………………………………………10 Ⅴ.結語 (笹木). …………………………………………………………………17. Ⅵ.研究の限界 (渡邊). …………………………………………………………18. 文献. …………………………………………………………………………………18. 感想. …………………………………………………………………………………19.

(3) Ⅰ.緒言 我が国の医療技術の進歩から、かつては救命出来なかった新生児の命が救 われていることに伴い、医療的ケア児数の推計は平成 18 年の 9,967 人から、 平成 28 年には 1 万 8,272 人へと 10 年間で約 2 倍に増加している 1)。 近年、医療的ケア児は生後早期から在宅移行を見据え、医療者が行う「医 療行為」から家族が行える「医療的ケア」へ形を変え、ケアの手技獲得がで きるシステムの構築がなされている。その結果として、比較的早期に在宅移 行されている状況にあるものの、退院後の家族の負担や不安が完全に払拭さ れている訳ではなく、利用するサービスを家族の生活スタイルに合わせた形 で、退院前に確立することが重要となる. 2). 。平成 27 年度からスタートした. 「医療的ケア児等支援者養成研修」 「 医療的ケア児等コーディネーター養成研 修」3) には、これら退院調整等の支援の円滑さと強化が期待されているが、北 海道においては平成 28 年度に開始されたばかりであり、この活動がどの地 域においても浸透しているとは言えない状況にある。 特に家族の負担や不安が大きいと考えられるのは、医療的ケア児が在宅に て利用できる小児対象のサービスが無い市町村へ帰って行くケースである。 厚生労働省は、地域における医療的ケア児の支援体制の整備として、医療機 関へは訪問診療等の医療を受けながら生活することができる体制を求めてい る. 4). 。しかし、小児科主治医がいる医療機関に到着するまで 1 時間以上を要. する、3 次医療圏を除く市町村が多い北海道の医療的ケア児とその家族は、 距離的問題からそれらを受けることが不可能である。このように、医療的ケ ア児が受けられる社会資源が乏しく、かつ小児科主治医がいる医療機関まで の距離的問題があるケースでは、より多くの困難や課題を抱えていることが 予測される。 そこで本研究では、社会資源の乏しい市町村へ帰る医療的ケア児の支援を 行った医療機関担当者と市町村担当保健師に焦点をあて、支援の現状を把握 した。そしてその中から、成功に至ったと考えられる点・困難になると考え られる点を考察し、医療的ケア児とその家族がどのような地域へ帰っても安 心して生活していけるための課題を明らかにすることを目的とした。. 1.

(4) Ⅱ.用語の定義 1.乏しい社会資源の市町村:居住地の市町村から小児科主治医がいる医療機 関まで行くために必要な時間が 1 時間を超え、 容易に医療機関を利用できず. 5). 、かつ小児を対. 象とする在宅サービスの社会資源を持たない市 町村とした。 2.病院:周産期母子医療センターの認定を受けている医療機関とした。 3.退院前ケース検討会:入院治療から退院の目途が立った段階で、医療機関 担当者が市町村関係者を招集し、在宅への移行がス ムーズに行えるよう、情報共有やサービス利用など について医療機関と市町村の関係者間で検討する会 とする。. Ⅲ.研究方法 1.研究デザイン 質的記述的研究 2.研究対象者 1)対象者 (1)周産期母子医療センターから、北海道主要4市(都市部・旭川・函館・釧 路)以外の市町村に居住する親元へ退院した医療的ケア児とその家族の退院 調整を行った医療機関担当者。 (2)上記医療的ケア児と、その家族への退院調整と地域での支援を行った経験 のある市町村担当保健師。 2)選定方法 (1)周産期母子医療センターへ研究協力の依頼を行い了解が得られた後、上記 対象者に該当する方を選出して頂き、研究協力の同意を得た。 (2)市町村保健師については、上記の病院より対象となる保健師が勤務する 市町村の紹介を受けた、また縁故法にて対象候補者を紹介してもらい、研究 協力の依頼を行い同意を得た。 3.調査期間 2018 年 4 月~2018 年 11 月 4.データ収集方法 1)面接方法. 2.

(5) 支援担当者が 1 名の場合は個別インタビュー、複数の場合はグループイン タビューを行った。面接は 1 時間程度、インタビューガイドを用いて自由な 語りを了解を得て IC レコーダーに録音した。対象者の属性についは基礎情 報紙から、資格・経験年数・医療的ケア児の支援経験の有無や研修会参加歴 等を把握した。 2)インタビューガイド (1) 医療機関担当者 ① 医療的ケア児の受け入れシステムについて ② 退院に向けて行った支援はどのような内容だったか ③ 支援において、良かった点・苦慮した点・今後必要と感じたこと等 (2)市町村保健師 ① 医療的ケア児の退院連絡が入った時期や情報内容について ② 市町村で行った退院調整や連携について ③ 支援において、良かった点・苦慮した点・今後必要とか感じたこと等 5.分析方法 インタビュー内容を逐語録とし精読を行い、研究者がケースごとに成功に 至ったと考えられる点・困難になると考えられる点の観点で分析した。 後に土屋. 6). によるテーマティック・アナリシス法にて、以下のとおり分析. する。 1)録音したインタビュー内容の一語一句をそのままに逐語録を作成し、1 行 ごとに生データ(文字テキストデータ)の内容を代表する短い言葉で旧コー ドを作成する。 2)旧コードの意味内容を比較検討し類似する旧コードをまとめた段階で、全 体を表す内容を短い言葉を用いてコードとして確定し、具体から抽象へと階 層的にまとめていく。 3)短文化したコード内容に含む意味内容を補うため、それぞれに定義付け を行う。 4)生データからコード化までをコードブックにまとめる。 5)それぞれの対象者ごとにまとめたコードと定義内容に着目しながら、複数 の対象者間で類似するコードを整理し、必要があればコードや定義をより包 括的なものへと修正する。 6) 分析内容の妥当性確保のため、質的研究者にスーパーバイズを受ける。 6.倫理的配慮 本研究は、名寄市立大学倫理委員会の承認(受付番号 17-035)を得て行った。 3.

(6) 研究対象者に対しては、以下の内容について説明し同意を得た。 1)研究の参加は自由意思であり、協力の可否による不利益は生じないこと。 2)いつでも研究協力の中止が出来ること。 3)医療的ケア児とその家族・研究対象者は匿名とし、地域名・疾患名等は記 号化により個人が特定されることはない様に配慮し、プライバシー保護は厳 密に行うこと。 4)面接内容は、IC レコーダーへの録音が許可された場合にのみ行う。紙媒 体の記録物は研究室のカギのかかる引き出しに保管し、電子データは USB に パスワードをかけて厳密に保管すること。 5)研究成果は、学会発表や学会誌への投稿をすること。 6)研究に関する記録類は、研究終了後 5 年、または発表後 3 年間保管するが 他の目的で使用する事は一切ないこと。. Ⅳ.結果・考察 1.対象の属性 研究参加の協力が得られた医療機関担当者は 6 名で、勤務施設数は 4 か所 であった。職種は看護師・助産師・保健師の 3 職種で、現職場での勤務経験 年数は 2~18 年であり、その中での医療的ケア児の担当経験数は 1~200 件 だった。また医療的ケア児に関する研修会へ参加したことのある担当者は、 4 名(66.7%)であった。(表 1) 表 1 医療機関担当者の属性 A 病院 職. 種. B 病院. C 病院. D 病院. 助産師. 看護師. 看護師. 助産師. 看護師. 保健師. 18 年. 3年. 2年. 7年. 5年. 10 年. 有(3 件). 有(1 件). 有(3 件). 有(1 件). 有(4 件). 有(200 件). 有. 無. 有. 無. 有. 有. 現職場での 勤務経験年数 医療的ケア児の担 当経験の有無(件) 研修会参加の有無. 研究参加の協力が得られた市町村担当保健師は 7 名で、勤務市町村数は 5 か所であった。各市町村の保健師 1 人当たりにおける受け持ち人口は、500~ 1,000 人台が 1 か所、他は全て 1,000 人台だった。医療体制については、無 4.

(7) 床の医療機関のみの市町村が 1 か所、他は有床の医療機関を 1~2 か所持っ ていた。市町村担当保健師の勤務経験年数は 3~22 年であったが、他に看護 師経験歴を有していた者が 4 名(57.1%)であった。また 3 名(42.9%)が 2~3 件 の医療的ケア児の担当経験があり、研修会参加の経験を有する者は 3 名 (42.9%)であった。(表 2)(表 3) 表 2 市町村の属性 E. F. G. H. I. 保健師 1 人当たり 1,000 人台. 1,000 人台. 500~1,000 人台. 1,000 人台. 1,000 人台. 約 90km. 約 100km. 有床 1 か所. 有床 1 か所. 無床 4 か所. 無床 3 か所. 受け持ち人口 母子医療センター 約 180km. 約 90km. 約 110km. までの 距離 有床 1 か所 医療体制. 有床 2 か所. 無床 2 か所 無床 1 か所. 表 3 市町村担当保健師の属性 A氏. B氏. C氏. D氏. E氏. F氏. G氏. 10 年. 22 年. 22 年. 11 年. 16 年. 16 年. 3年. 有(7 年). 無. 有(1 年). 有(2 年). 無. 有(5 年). 無. 有(3 件). 無. 有(2 件). 無. 有(2 件). 無. 無. 有. 無. 有. 無. 無. 無. 有. 保健師勤務経験 年数 看護師経験の 有無(年数) 医療的ケア児 担当経験の有無 (件数) 研修会参加の 有無. 2.医療機関担当者が行う退院調整の現状と課題 1) A 病院スタッフ助産師・看護師 (1)事例にみる成功に至ったと考えられる点 ⚫. 母親は自ら地域で情報発信し、保健師や訪問看護とも調整を行えていた という、必要な機関とコーディネートする力を持っていたこと 5.

(8) ⚫. 母親はサービス利用の必要性を理解していなかったが、退院後の家族の 生活を予測し医師からも勧めてもらえたことで利用につながったこと. ⚫. 継続ケア看護師がおり、退院調整においてシステム化されていること. ⚫. 児の母親と保健師が妊娠中に情報交換していたこと. ⚫. 医療機関から連絡が入る前に、市町村内で保健師が得た情報から開始し た退院調整であったこと. ⚫. わが町の人たちは、自分たちで看るという訪問看護ステーションの考え 方があったこと. (2)事例にみる困難になると考えられる点 ⚫. 家族の居住市町村が遠方であるため、面会回数が少ないことから、思うよ うに関わることが出来なかったこと. ⚫. 児の退院に関して NICU と小児科との連携が難しいこと(特に小児科病棟 スタッフの理解不足や長期間のベッドの確保が困難). ⚫. NICU 看護師の在宅支援に関する知識不足があること. ⚫. 小児の在宅看護に関する研修が存在しないこと. (3)考察 病棟スタッフだけでなく、継続ケア看護師やソーシャルワーカーが退院前 から医療的ケア児と家族に幅広く関わり、関係性を構築できるシステムがあ る医療機関での退院調整であった。 行動力がある母親が妊娠中から保健師と密にやり取りしていたこと、地域 の訪問看護ステーションの覚悟が成功に繋がったのではないかと考える。一 方で、児の退院に関わる診療科が複数あることにより、その診療科間の連携 がスムーズに進まない現状があった。そのため、現在、院内において小児の 退院支援システムを作り上げている段階である。また、NICU 看護師の在宅 支援に関する知識不足があり、退院後の生活を想定した保健指導が困難な現 状があった。よって、今後、医療的ケア児に関わる看護者に向けて、小児の 在宅看護に関する研修の開催等も必要になると考える。 2) B 病院スタッフ助産師 (1)事例にみる成功に至ったと考えられる点 ⚫. 適宜カンファレンスを行い関係者間で情報共有したこと. ⚫. 母親が心配する退院後の緊急時対応を理解し支援したこと. ⚫. 母親と相談しながら退院後の生活を想定した指導を行ったこと. 6.

(9) (2)事例にみる困難になると考えられる点 ⚫. 前医において母親への技術指導が不十分であったこと. ⚫. 支援方法やスタッフ間の役割分担が不明確であったこと. ⚫. 支援しているスタッフの持つ個別能力に差があったこと. ⚫. 医療的ケア児の転院受け入れ経験が無く手探りでの支援であったこと. ⚫. 市町村担当保健師との連携方法が分からなかったこと. ⚫. 児のきょうだいもおり退院後の母親の負担が大きいと予測されたこと. ⚫. 救急車到着までに時間を要する地域に居住していたこと. ⚫. 母親の複雑な家族背景があること. (3)考察 関係者間でのカンファレンスで情報共有を図り、退院後もスムーズに育児 が出来るよう、母親の思いや希望を把握し、チーム内でのケア方法の検討や 工夫が行われていた。この中で、児の急変時の対応方法が検討され、母親が 蘇生術を行えるよう物品の確保や手技指導が行われたことは、母親の安心感 と退院後の自信につながったものと考えられる。 しかし、このような退院調整の支援経験がほとんどない医療機関ゆえ、具 体的支援方法が分からず、担当者は日々手探り状態の中で支援していた現状 であった。このことから退院調整に関するガイドラインが必要と考えられる。 また家族背景の複雑さや、児以外にもきょうだいがおり退院後の母親の負 担が大きくなることが想定される等、受け持ち担当者は多くの課題を抱えな がら苦慮していた現状もあった。このことから、市町村保健師と入院早期か ら連携を図り、母親の希望を確認しながら地域で利用可能なサービス調整や、 保健師と母親との面談機会を作るなど、安心して地域へ帰る事が出来る受け 入れ態勢整備の充実を入院中から図っていくことで、家族が安心しスムーズ な退院が実現出来ていくものと考えられた。 3) C 病院スタッフ看護師 (1)事例にみる成功に至ったと考えられる点 ⚫. 病棟と外来との連携システムが構築されているため、病院全体で継続的 なフォローが可能であったこと. ⚫. 救急外来看護師が患者リストを把握し、救急外来・小児科外来・消防での 連携が整っていたこと. ⚫. 小児科は複数の専門外来で定期的なフォローを行っていたこと. ⚫. 使用物品の変更による混乱を生じないよう、母親と相談しつつ工夫しな 7.

(10) がら指導を行っていたこと ⚫. 必要な医療的ケアの手技を動画撮影し、母親とスタッフが繰り返し見る ことで互いに間違うことなく習得出来ること. ⚫. チェックリストの利用で指導の漏れが無いように対応できていること. ⚫. 検査目的入院としながらも、レスパイト的な入院受け入れを行えている こと. (2)事例にみる困難になると考えられる点 ⚫. 医療的ケア児の症例が少ないことにより、特に若い看護師の経験が不足 していること. ⚫. 早期退院に向けた働きかけをしていこうとする医療者の意識の不足があ ること. ⚫. 近隣にレスパイト利用のできる施設がないこと. ⚫. 市町村保健師は高齢者の訪問が主で、母子訪問まで手が回らない現状の ため、病院と地域との連携が希薄であること. (3)考察 院内で病棟と外来との連携システムが構築されており、退院後も外来で 継続的なフォローが行われていた。また、緊急時も救急外来看護師が患者 リストを把握し、医療的ケア児は外来を通過せず直接入院できる体制がと られていた。 これら院内の十分な連携によって、退院後の継続的なフォローが可能とな り、医療的ケア児とその家族の安心につながっているものと考えられる。そ の一方で、病院全体で医療的ケア児のフォローが可能であるため、地域との 連携の希薄さが伺えた。 現状においては、病院全体の連携により医療的ケア児とその家族のサポー トが可能であることから、病院看護師は市町村保健師の力の必要性を感じて いない。そのため、病院看護師は地域との連携の不十分さを困難点として捉 えていなかった。しかし、地域特性としてレスパイト施設が無く、急性期病 院がレスパイトの役割を担わなければならない現状がある。病院の機能的に レスパイトと両方の役割を果たしていくには限界があり、今後病院を含めた 地域全体でのサポートを検討していく必要がある。さらに、医療的ケア児が 成長し就学時期を迎えた場合、地域でのサポートも必要となるため、今後病 院と地域との連携が課題となってくることが考えられる。. 8.

(11) 4) D 病院入退院支援担当看護師 (1)事例にみる成功に至ったと考えられる点 ⚫. 退院支援が院内でシステム化されていること. ⚫. 医療的ケア児の退院前には退院前ケース検討会を必ず実施し、地域関係 者も多数参集してもらうこと. ⚫. 入退院支援担当者が早期から関わり、適切な時期に母親から市町村保健 師へ連絡するよう促し、母親の主体性を支援していること. ⚫. 母親・病棟スタッフ・医師の状況に応じた調整・連携が図られているこ と. ⚫. 経験豊富な入退院支援担当者がゆえに、障害レベルから予測性を持った アセスメントがなされていること. (2)事例にみる困難になると考えられる点 ⚫. 院内関係者から市町村保健師へ情報提供した内容が、地域担当者へつな がっていなかったこと. ⚫. 持っている社会資源が少ない地域へ帰る医療的ケア児への退院支援が難 しいこと. (3)考察 院内における退院支援システムが確立されており、同一担当者による入 院早期からの継続的な支援が行われていることで、母親や家族の思いに寄り 添いながら、信頼関係の構築がなされているものと考えられる。また担当者 は退院調整の経験が豊富であることから、豊かな知識と児の障害レベルから 過去の事例の経過とを照らし合わせアセスメントし、病棟看護師や医師との 連携のもと、長期的な予測性を持った支援が行われていると考えられた。 市町村保健師への退院連絡については母親自ら行うよう促し、行政とのつ ながりを主体的に作ってもらうことへの支援がなされていた。これは、近い 時期に地域で生活を開始することとなる医療的ケア児を持つ母親に、今後困 り事が生じた際にはすぐに相談が出来る保健師が身近にいるという安心感を 持ちながら生活して欲しいという目的であるものと考えられた。 また、退院後に利用したいサービスが無い市町村へ帰る、医療的ケア児へ の退院調整は困難性が高いことや、市町村担当者の医療的ケア児への理解不 足、受け入れ経験が無いことでの抵抗感があると感じていた。社会資源が乏 しい市町村担当者へより広く啓蒙活動を行い、持ち合わせていないサービス に関しては、代替サービスの検討や近隣市町村との連携において補うシステ ム化が必要であると考えられた。 9.

(12) 3.市町村担当保健師が行う地域での支援の現状と課題 1) E 町保健師・保育士 (1)事例にみる成功に至ったと考えられる点 ⚫. 保育園関係者に自分たちが子どもをみていく覚悟や思いがあったこと. ⚫. 町内の連携が取りやすいこと. ⚫. 保健師が全ての機関との連絡が可能で情報共有に困らないこと. ⚫. 緊急時の対応を決定していたこと. ⚫. 過去の看護師経験で培った医療的な知識を活かして児に関わった保健師. (2)事例にみる困難になると考えられる点 ⚫. 医療的ケア児を受け入れる体制がないまま退院せざるをえなかったこと. ⚫. 課題が継続したまま退院すること. ⚫. 退院前の段階で児に必要なサービスをイメージできないこと. ⚫. 児をイメージできない医療者以外に対する説明や調整が難しかったこと. ⚫. 緊急時の対応の整備や法律的な問題の解決. (3)考察 利用できるサービスがない状況下で様々な課題を継続したまま退院した 児であったが、体調不良もなくスムーズに在宅移行することができた。その 後の保育園入園においては、園の関係者の思いにより入園が許可されたが、 緊急時の対応の整備や法律的な問題の解決等、入園前の調整は困難なもので あった。 医療者以外の人々が児をイメージすることが出来ないゆえの困難はあっ たが、保健師を通して町の機関と密な連携をとれたことや生まれた子を地域 で育てようという町の思いが成功に繋がったのではないかと考える。 2) F 町保健師 (1)事例にみる成功に至ったと考えられる点 ⚫. 母親は困難な状況における判断力・対応力があったこと. ⚫. 母親は児への愛情から、安全が確保されるために必要な行動を即座に取 ることの出来る覚悟と行動力があったこと. ⚫. 町に戻り間もなく転居したために、保健師は母親へほとんど関われなか ったが、結果として不用意な関わりを持たなかったこと. (2)事例にみる困難になると考えられる点 ⚫. 父親が役場を訪れる時も、申請手続きの目的のみで今後に関する相談が なかったこと 10.

(13) ⚫. 妊娠中から胎児異常が認められていたが、入院中病院からの情報提供が 無かったこと. ⚫. 病院からの情報提供が退院直前であったこと. ⚫. 退院した病院からの情報提供の中に、入院中の指導内容など保健師が知 りたかった内容が盛り込まれていなかったこと. ⚫. 病院からの情報提供を受けても、保健師が退院後何を確認し指導したら よいか具体的に分からずにいたこと. ⚫. 夫婦関係など複雑な家庭背景があったこと. ⚫. 医療的ケア児の家族が病院から遠い地域に居住していたことから、救急 搬送に時間を要することへの不安があったこと. ⚫. 保健師が通院等に不便な地域に住み続ける家族を疑問視していたこと. ⚫. 保健師が医療的ケア児の療育のためには、都市部に近い地域に居住した 方がよいと考えていること. ⚫. 保健師が医療的ケア児の対応に慣れておらず、受け入れは厳しいと考え ていること. ⚫. 保健師自身、医療的ケア児の緊急時の対応を不安に思っていること. ⚫. 町に訪問看護ステーションはあるが、小児看護の経験が無く小児の受け 入れは困難であること. ⚫. 緊急時は、町外の病院まで搬送しなければならず、距離的にも搬送に時間 がかかる状況であること. (3)考察 医療的ケア児とその家族は退院後早期に都市部へ転居し、保健師が十分 な関りをもつ間もなかったケースである。この家族には複雑な家族背景があ ることから、母親はわが子である医療的ケア児と共に、安心・安全な生活を 送り続けていくためには、都市部への転居が最善であると判断した結果であ ると考えられた。また母親は、困難な状況における判断力・行動力がある性 格であり、それを躊躇なく遂行したものと考えられ、保健師の支援を必要と せず不用意な関わりを持つ必要が無かったものと推測される。 しかし十分に関われなかった保健師側の要因として、社会資源が乏しい地 域の状況から医療的ケア児を見ていくことは難しいという思いや、家族背景 が複雑なことによる心理的距離感ということも考えられた。このような市町 村における複雑な背景を持つ家庭に生まれた医療的ケア児の在宅移行支援に おいても、保健師は前向きに地域におけるサポート体制を工夫しながら検討 し、地域全体で育てようという基本的な考え方が重要である。 11.

(14) 3) G 町保健師 (1)事例にみる成功に至ったと考えられる点 ⚫. 母親とは以前より情報交換しやすい関係性であったことから、寄り添い 必要な支援を提供しやすかったこと. ⚫. 家族関係が良好で、特に父親の全面的サポートがあったこと. ⚫. 退院前ケース検討会を病院が開催し、地域関係者も広く参集出来たこと. ⚫. 退院前ケース検討会に参加した地域関係者が、児と家族の状況を理解し、 自分が行うべき支援内容が具体化したこと. ⚫. 退院前ケース検討会に参加した消防などの関係者が、地域への受け入れ のため必要な行動を起こしたこと. ⚫. 退院後サポートしていく関係者が、医療的ケア児の支援経験が無いと拒 否するのではなく、受け入れを前提とした前向きな検討を行ったこと. ⚫. 適切な医療的ケアの継続が行われており、児の体調が安定していること. (2)事例にみる困難になると考えられる点 ⚫. 母親は弱音を吐かず、余程のことが無い限りレスパイトしないこと. ⚫. 近郊にレスパイト施設がなく、母親や家族の休息や自由な時間が取れな いこと. (3)考察 保健師は、母親を児の出産前からよく知っている住民の一人であり、状況 を早期に把握できる関係性であった。これは小さな地域であるがゆえ住民と 保健師との距離が近いという利点から、現状を即座に把握出来たことで、母 親の辛い思いに寄り添えていたものと考えられる。 病院で行われた退院前ケース検討会では院内のみでなく、地域の関係機関 担当者が広く参集していたことで、児と家族に関する共通理解と役割分担が 出来ていたと考えられる。そしてそこから、地域への受け入れのために必要 な調整や準備がなされ、地域全体のバックアップ体制から両親は、社会資源 が乏しい地域においても継続して暮らし続けたいという思いになったもの と考えられる。特に緊急時への不安を母親は抱いていたが、消防と保健師と の連携強化により、消防職員の誰もが適切な対応が出来る体制確立と、悪天 候時に消防から母親へ直接、安否確認の電話を入れる等、日々の生活の中で も守られているという安心感につながっていたと考える。. 12.

(15) 4) H 町保健師① (1)事例にみる成功に至ったと考えられる点 ⚫. 長子の支援から継続的に関わりを持つことが出来ていること. ⚫. 母親の退院早期から関わり、思いの表出や傾聴に努めたこと. ⚫. 夫婦両者の両親が近くにおり、支援を受けることが出来ている. ⚫. 無理な介入はせず、母親とのつながりを持ち続けていたこと. (2)事例にみる困難になると考えられる点 ⚫. 長子も児と同様の疾患疑いがあり、育児が大変な時期の妊娠中だったた め母親は家庭訪問を嫌がり、電話と役場内でのやり取りだったこと. ⚫. 母親のこだわりがあり、父親へ頼れないこと. ⚫. 母親は夫の協力が得られないと認識していること. ⚫. 訪問看護から、小児の受け入れ経験が無く拒否があったこと. ⚫. 訪問看護が医療的ケア児に果たすべき役割を、母親・訪問看護師・保健 師共に理解できていないこと. (3)考察 母親は以前から保健師の家庭訪問への拒否があり、他人を安易に受け入れ ない一面があった。この様子から保健師は母親との距離感を考えつつ、家庭 訪問以外の場や手段で、思いの表出や傾聴に努め信頼関係の構築を行ってい たことで、継続支援が可能となっていたものと考えられる。 母親はこだわりが強く、夫の協力姿勢があっても素直に受け入れられない 性格であった。そのため、夫へは頼れない・協力が得られないと認識してお り、全て自分が抱え込んでしまう状況であった。しかし夫婦の両親が近隣に 居住し協力体制がありサポートを受けていたことから、母親の過度な育児・ 家事労働の負担軽減につながっていたものと考えられた。 医療的ケアのサービス利用に関しては、訪問看護の事業所により小児受け 入れの経験が無いため、拒否や来てみないと分からないと言われた状況もあ った。医療的ケア児を受け入れた経験がない事業所においては、利用依頼が あった際に即対応できるよう、訪問看護師の役割・実際のケア等について広 く学習できる場を設け、スムーズに受け入れられるような体制整備が重要で ある。. 13.

(16) 5) H 町保健師② (1)事例にみる成功に至ったと考えられる点 ⚫. 退院前ケース検討会にて担当者同士の顔合わせが出来たことで、退院調 整がスムーズになったこと. ⚫. 在宅移行へのサービス調整を病院側が行ってくれたこと. ⚫. 母親の性格を考慮し介入しすぎず、適度な距離を持ちながら支援してい たこと. (2)事例にみる困難になると考えられる点 ⚫. 夫婦の両親からのサポートは無く、父親は多忙で協力が得られないため、 母親が一人で育児・家事を抱え込み孤立してしまうタイプであること. ⚫. 母親は表情が乏しく口数も少ないため、関りが難しいタイプであること. ⚫. 訪問看護の役割が不明確で利用方法が分からず、適切な支援内容ではな かったことから、母親は訪問看護利用の必要性が理解できていないこと. (3)考察 夫婦ともに両親のサポートは得られず、かつ母親は関りが難しい性格であ ったため、一人で育児・家事を抱え込み孤立してしまう危険性が高い母親で あった。しかし、保健師の介入への拒否が生じないよう適度な距離感を保ち ながら継続支援出来ていたことが、成功点の一つであったと考えられる。 児の退院決定後に病院で行われた退院前ケース検討会では、直接担当者と 顔を合わせることで退院調整がスムーズになり、病院から自宅の確認にも来 てもらえたことや、サービス調整の支援を受けることも出来ていた。このこ とは、医療的ケア児の受け入れ経験がない市町村保健師の安心にもつながり、 医療的ケア児とその家族を地域で受け入れるための重要なポイントであった と考えられる。 しかし町としての経験がないことで、訪問看護をどのように利用すれば良 いのか、どこまで支援可能なのか等の理解が乏しく、関係者・利用者側共に 戸惑っている現状があった。このことから、訪問看護の役割の明確化と具体 的支援方法について、周知していく必要があると考えられる。 6) I 町保健師 (1)事例にみる成功に至ったと考えられる点 ⚫. 養育者たる両親が愛情をもって児を家族に迎えた様子から医療的ケア児 の養育には困難もあろうがこの家族ならば乗り越えられると保健師が確 信できたこと 14.

(17) ⚫. 保健師が「この町では無理」を口にしなかったこと. ⚫. 家族でこの町村で暮らす意思決定がなされていたこと. ⚫. 母親を健常児である第一子出産のときから保健師が気にかけ、見守り続 けてきたこと. ⚫. 医療的ケア児を養育する態度(覚悟)のある母、医療行ためを行う技能が 備わっている父、その能力を保健師が正確にアセスメントしたこと. ⚫. 児の父がこの町村で重要な人材で転出による損失が大きかったこと. ⚫. 母親が家に閉じこもったりせず医療的ケア児と共に町村のイベントに参 加したこと. ⚫. 子育て支援センターが機能していたこと例えば、常駐保育士への育児相 談の浸透、保育士の橋渡しにより健常・障害の別なく母親同士の交流が促 進され居場所になっていたこと. ⚫. 母親が保健師のもとに足しげく通ってきて、医師と保健師間のハブにな ってくれたこと. ⚫. 主治医のいる大学病院に相談をしたら小児科教授が懇切丁寧に教えてく れ連絡先メールの提供もあったこと. ⚫. 地域の訪問看護ステーションに医療的ケア児の看護経験がなかったが受 け入れ拒否がなく、医行ためだけではなく母親のレスパイトを担ったこ と。また、その時間、母が兄弟のお迎えに行けるように裁量したこと. ⚫. 消防署に情報提供することの了承を得て、救急要請があれば署員全員が 気切カニューレに適合したバックバルブマスクを持っていけるようにし たこと. ⚫. 役場内の関係部署との横のつながりを持ち情報共有をしたこと. ⚫. 役場職員がときには隣のおじさんおばさんとして家族に手を貸して くれ ること. ⚫. 母親のきょうだいの協力があり手術の時は長男の面倒を見てくれたこと. ⚫. ママ友集団にも溶け込み、車に乗せて親子の足になってくれたこと. ⚫. 町の高齢者がおじいちゃんおばあちゃんとなって声掛けしてくれること. ⚫. 特養にある使用していない吸引器を、故障時のレスキュー使用できるよ うに園長裁量で決めてくれたこと、常態時にも充電しておいてもらえる よう依頼したこと. ⚫. 乳幼児を持つ母親で看護師である方を看護人材として状況把握していた ことが功を奏してスムーズに保育園に看護師として迎えられたこと。こ の看護師は、児が小学校に入学したらともに小学校に所属替えをするこ 15.

(18) とになっていること ⚫. 保育士を研修に出し吸引できるようにしたこと. ⚫. 条例を解釈して高齢者サービスを子どもにも使えるサービスにしていっ たこと. ⚫. 先進的に医療的ケア児の医療を担っている小児科医の意見や講演を開催 したことにより受け入れムードが盛り上がっていったこと. ⚫. 長期的な観点では、児が医療的ケアを必要としながらも正常な発達をし ていること. ⚫. 児は3歳になると自身の状況理解が進みケアへの協力、セルフケアがで きるようになったこと. (2)事例にみる困難になると考えられる点 ⚫. 医療的ケア児の在宅療養を支援した前例がなく(町村として)、保健師も ケアした経験がなかったこと. ⚫. 役場内で話し合いのテーブルに載せるまでのハードルが高く、時にはも めながら時間がかかってたどり着いたこと。例えば、保育士の反発を買っ たりしたこと. ⚫. 保健師としてはこの疾病に対する知識がなさ過ぎたこと. ⚫. 三次医療圏の大学病院の提供情報が町村の不十分な態勢を考慮していな かったこと. ⚫. 看護添書のみで他はなかったので、電話一本してくれれば直接相談でき る機会ができたのにと思ったこと. ⚫. 町はどんなことをしたらいいのか直接指示をもらいたかったこと、相談 窓口も教えてほしかったこと. ⚫. 三次医療圏の大学病院に不明な点を確認するまでのハードルの高さ. ⚫. 保健所管内の発達支援センターも受け入れ経験なく一度断られたこと. ⚫. 高齢者の支援では当たり前のケア会議も医療的ケア児では思いつきもし なかったこと. ⚫. 保健師だけが個別に動くのではなく、保健師が中心となって退院前に一 度でも招集して情報共有だけでも行ったらよかった. ⚫. 構成員:消防・訪問看護・役場の関係部署・子育て支援センター・民生児 童委員. ⚫. 在宅が始まったばかりの時、母は周囲に聞かれて何度も説明しなければ ならないのが大変だったこと. ⚫. 二次医療圏の医師が、母親の気持ちをよそに都会に転居した方がいいの 16.

(19) ではないかと勧めること (3)考察 対象は、人口 5 千人程度の町村に暮らす医療的ケア児である。今回の在宅 への移行を可能にしたのは、何においても両親の医療的ケア児を育てるとい う態度、ケアに必要な技能、そして次第に身についた知識であり、さらにこ こで暮らすという意思決定が追い風となったからであろう。 しかし、これだけでは成り立たず、最初はもめ事や反発があったにせよ、 小さい町村ならではの役場を中心としたチームが次第に住民に広がり出来 上がっていったことも良い影響要因と考える。困難点もあるが、それを凌駕 するだけの成功に至る工夫があり、それら点が線となり面となり前例になっ ていったステップがわかる。 北海道内の約半分が人口 5 千人程度の町村である。今後、このケースを分 析を進め、疾病や環境の違いを考慮しつつ活用できるモデルを構築できれば と考える。 Ⅴ.結語 1.医療機関担当者が行う退院調整の現状と課題 退院調整システムがある施設では、早期から在宅へ向けての支援が始まり 院内・院外の関係者間の連携が図られ、その後の支援の成功要因と考えられ る。また、母親自身が持つ判断力や行動力もその重要な要因の一つであり、 見極めが必要と考える。 しかし、在宅支援に関する知識・経験が少ないスタッフも多いことや、複 雑な家族背景がある医療的ケア児もいる現状から、支援のための基本的知識 の他、困難な事例への関わり方や支援方法を学ぶことの出来る研修会等の開 催が必要であると考えられる。 2.市町村担当保健師が行う地域での支援の現状と課題 社会資源が乏しい市町村でも、条例の解釈により既存の高齢者サービスを 利用出来るよう臨機応変な対応がなされている現状があった。今後、他の市 町村においても、必要不可欠となる重要な課題であると考える。 医療機関からの情報提供は、互いの顔が見える情報交換の中で、退院後の 窓口の明確化が重要である。 介入しにくい母親への支援では、母親と家族の人物像、家族関係等のアセ スメントを行った上で支援方法を検討し、母親の孤立化や大きな負担が強い られることのないような配慮が必要である。 17.

(20) 利用していくことの多い訪問看護では、医療的ケア児への支援についての 理解が乏しい現状から、訪問看護師への教育の充実を急がねばならない課題 があると考えられた。 Ⅵ.研究の限界 医療的ケア児という特定の児について、研究という個人が特定されない手 法であっても、部外者である研究者を受け付けない関係者も少なくない。そ のため、研究協力を得ることが出来た対象者からのデータには偏りがある可 能性があり、一般化には限界があると考える。 今後は調査を行う対象者数と市町村(地域)を増やしていくために、対象 者のリクルート方法を再考し、一般化に向けた活動を展開していきたい。. 文献 1)厚生労働省.-厚生労働省の現場から-医療的ケアが必要な子どもと家族が 安心して心地よく暮らすために-医療的ケア児と家族を支えるサービス の取組紹介-厚生労働省政策統括官付政策評価官室 アフターサービス推 進室.平成 30 年 12 月 <https://www.mhlw.go.jp/iken/after-service-20181219/dl/after-service20181219-01.pdf> (アクセス:2019 年 3 月 15 日) 2)金井雅代.生活モデルを基盤とした在宅移行支援~NICU から在宅へ~知っ て お きた い知 識 NICU 退院 後の 子ど もの現 状 と課 題 .小児 看 護 . 2017. 40(9).1106-1111 3)厚生労働省.障害児支援施策.医療的ケア児等コーディネーター等育成研修 <https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000117218.html> (アクセス:2019 年 3 月 15 日) 4)厚生労働省.平成 28 年度医療的ケア児の地域支援体制構築に関わる担当者 合同会議 医療的ケアが必要な障害児への支援の充実に向けて 平成 28 年 12 月 13 日 <https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12200000Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu/0000180993.pdf> (アクセス: 2019 年 3 月 15 日) 5)厚生労働省.用語解説<https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/76-16b.pdf> 6)土屋雅子.テーマティック・アナリシス法 インタビューデータ分析のため 18.

(21) のコーディングの基礎.ナカニシヤ出版.2016. (本研究は公益財団法人 在宅医療助成 勇美記念財団の助成を受け実施し た). 【感. 想】. 今回のような研究活動は初めてでありましたが、試行錯誤しつつも共同研 究者との協力体制の中で完了報告が出来ました事を嬉しく思います。 今回得ることが出来た研究データは非常に貴重なものであり、今後更に分 析を進め、医療的ケア児の退院調整や地域での支援に少しでも役立つ成果に なればと考えております。 この度は、大変ありがとうございました。. 19.

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