平
成
二
十
八
年
度
第
百
十
七
回
京
都
大
学
書
道
部
日
時
平
成
二
十
八
年
六
月
十
八
日
・
十
九
日
十
時
~
十
七
時
(
十
九
日
は
受
付
十
六
時
ま
で
)
場
所
建
仁
寺
西
来
院
・
禅
居
庵
―
巻
頭
に
寄
せ
て
―
「 人 の ワ ザ を 盗 め 。 そ し て そ の 人 を 敬 え 。 」 こ れ は 、 私 が バ レ ー ボ ー ル に 勤 し ん だ 高 校 時 代 、 顧 問 の 先 生 か ら 耳 に た こ が で き る ほ ど 聞 か さ れ た 言 葉 で あ る 。 し か し な が ら 、 当 時 の 私 は 反 抗 的 で あ っ た 。 小 学 三 年 生 で バ レ ー ボ ー ル を 始 め 、 あ る 程 度 の 技 術 は 確 立 し て い る と 思 い 込 ん で い た た め 、 向 上 意 欲 に 欠 け て お り 、 常 に そ の 言 葉 に も 疑 問 を 抱 い て い た 。 そ う し て 新 た な ス タ イ ル を 見 出 せ な い ま ま 引 退 … … 。 さ て 、 こ こ で 書 道 に 焦 点 を 当 て よ う 。 「 臨 書 」 と い う の は 、 古 く の 優 れ た 古 典 を 手 本 と し て 書 く も の で あ る 。 古 典 の 形 ・ 線 質 を 追 求 し て い く う ち に 、 そ れ 特 有 の 雰 囲 気 や 筆 の 運 び 方 を 身 に つ け る こ と が で き る 。 こ の 書 道 部 に 入 っ て 二 年 。 そ の 中 で 、 私 は た く さ ん の 古 典 を 臨 書 し 、 さ ま ざ ま な 筆 法 を 学 ん だ 。 さ ら に 、 先 輩 方 や 他 部 員 が 書 い て い る 姿 を 見 て 真 似 る こ と で も 新 し い 技 術 を 習 得 し た 、 す な わ ち 盗 ん だ 。 書 道 を 始 め て 十 六 年 に な る が 、 「 人 の ワ ザ を 盗 む 」 こ と は 、 ま だ ま だ 私 の 創 作 の 幅 を 広 げ て く れ る 。 そ し て 今 、 あ ら た め て 高 校 時 代 の 顧 問 の 先 生 の 言 葉 を 心 に 刻 む 。 向 上 の 根 底 に あ る 「 他 者 の 存 在 」 を 大 切 に し て い き た い も の で あ る 。 こ う し て 今 回 書 展 を 開 催 で き る の も 多 く の 方 々 の ご 協 力 が あ っ た お か げ で す 。 日 頃 か ら ご 指 導 い た だ い て い る 顧 問 の 阿 辻 哲 次 先 生 や 技 術 顧 問 の 寺 本 蒼 玄 先 生 を は じ め 、 関 係 者 の 皆 様 に は 心 よ り 御 礼 申 し 上 げ ま す 。 最 後 に な り ま し た が 、 本 日 は お 忙 し い 中 、 第 百 十 七 回 京 都 大 学 書 道 部 初 夏 書 展 に 足 を お 運 び い た だ き 誠 に あ り が と う ご ざ い ま す 。 日 々 練 習 を 積 み 重 ね て き た 部 員 た ち の 力 作 の 数 々 を ど う ぞ ご ゆ っ く り お 楽 し み く だ さ い 。 平 成 二 八 年 六 月 吉 日 京 都 大 学 書 道 部 部 長 矢 野 凱 己稽
古
と
褒
美
の
関
係
阿 辻 哲 次 ( 京 都 大 学 大 学 院 人 間 ・ 環 境 学 研 究 科 教 授 ) 一 昔 前 の お 稽 古 ご と と い え ば お 茶 や お 花 、 ピ ア ノ 、 そ れ に 料 理 や 書 道 な ど と 決 ま っ て い た も の だ が 、 最 近 は ず い ぶ ん バ ラ エ テ ィ に と ん で い て 、 知 り 合 い の 女 性 は 近 い う ち に ベ リ ー ダ ン ス の 「 お 稽 古 」 を は じ め る と い う 。 こ の 「 稽 古 」 と い う こ と ば は 成 立 が 古 く 、 儒 学 の 経 典 の 一 つ で あ る 『 書 経 』 の 冒 頭 に 「 曰 若 稽 古 」 と あ る の が 出 典 で あ る 。 し か し 『 書 経 』 の 文 章 は 非 常 に 難 解 で 、 伝 統 的 な 学 問 で は わ ず か 数 文 字 の ご く 短 い 文 章 を 説 明 す る だ け に も 、 膨 大 な 分 量 に 及 ぶ 注 釈 が つ け ら れ た 。 そ の こ と を 皮 肉 っ て 、 こ の 冒 頭 の 四 文 字 句 を 例 と し て 、 「 曰 若 稽 古 千 万 言 」 と い う 。 「 曰 若 稽 古 」 と い う 四 文 字 の も っ と も オ ー ソ ド ッ ク ス と さ れ る 解 釈 で は 、 「 曰 ( こ こ ) に 若 ( し た が ) い て 古 ( い に し ) え を 稽 ( か ん が ) え る に 」 と 訓 読 す る 。 お そ ら く 昔 の 物 語 を 語 る 時 の 出 だ し の 文 句 、 つ ま り 「 今 は む か し 」 に 当 た る 表 現 で 、 こ こ で 「 稽 」 は 「 考 え る 」 と い う 意 味 に 解 釈 さ れ て い る 。 だ か ら 「 稽 古 」 と は 、 も と も と 古 代 の 書 物 を 読 ん で 聖 人 の 教 え を 学 び と る こ と を 意 味 す る こ と ば で あ っ た 。 し か し 本 を 読 ん で 「 稽 古 」 す る の は 退 屈 だ か ら 長 続 き し な い 。 現 実 に は 人 は 、 な に か の 利 益 が な け れ ば な か な か 「 稽 古 」 し な い も の だ 。 後 漢 の 儒 学 者 で あ っ た 桓 栄 は 、 皇 太 子 の 家 庭 教 師 に 任 命 さ れ た 時 、 自 分 の 学 生 を 集 め 、 彼 ら の 目 の 前 に 皇 帝 か ら 頂 戴 し た 車 や 馬 な ど を 並 べ て 「 わ し が 今 日 ま で に 陛 下 か ら い た だ い た さ ま ざ ま な も の は 、 す べ て 『 稽 古 』 の お か げ で あ る 。 だ か ら お 前 た ち も し っ か り 勉 強 す る よ う に 」 と 訓 示 を 与 え た と い う 。 「 稽 古 」 と 褒 美 は 、 昔 か ら 不 即 不 離 の 関 係 に あ っ た よ う だ 。表 現 力 が 大 切 寺 本 蒼 玄 ( 京 都 大 学 書 道 部 技 術 顧 問 ) 作 品 を 創 る 時 、 大 切 な 要 素 に 「 表 現 力 」 が あ り ま す 。 小 学 校 で は 、 国 語 の 授 業 の 中 の 一 つ と し て 「 習 字 」 の 授 業 が あ り 、 正 し い 筆 順 や 筆 の 使 い 方 を 習 い ま し た 。 中 学 校 で は 、 国 語 の 中 で 「 書 写 」 と 言 っ て 、 楷 書 と 行 書 を 習 い ま す 。 さ ら に 中 国 の 古 典 を 書 き 写 す 「 臨 書 」 を 学 び ま す 。 高 校 に な っ て 芸 術 科 「 書 道 」 と し て 独 立 し た 教 科 と な り 、 様 々 な 書 体 や 「 漢 字 」 「 仮 名 」 「 漢 字 仮 名 交 じ り 文 」 「 篆 刻 」 等 の 書 の 分 野 や 「 文 房 四 宝 」 と 言 わ れ る 用 具 、 用 材 等 を 見 て 使 い な が ら 、 書 の 世 界 を 学 ぶ こ と に な り ま す 。 書 道 で は 筆 順 は 大 事 で す が 、 ど の よ う に 表 現 す る か は 自 由 で す 。 だ か ら 「 表 現 力 」 に よ っ て 作 品 は 、 良 く も 悪 く も な り ま す 。 皆 さ ん は 作 品 を 創 る 時 、 ま ず 題 材 と な る 語 句 や 詩 歌 を 決 め ま す ね 。 そ し て 作 品 の 大 き さ を 決 め 、 書 体 を 考 え 、 用 具 、 用 材 を 決 め て い る と 思 い ま す 。 「 表 現 力 」 は こ の 全 て に 関 わ っ て い ま す 。 例 え ば 、 「 風 」 と い う 字 を ど う 表 現 し て み る か 。 そ よ 風 か ら 暴 風 ま で の 風 力 の 強 さ 、 温 度 の 違 い 等 様 々 で す 。 そ れ ら を 表 現 す る 場 合 、 墨 の 濃 淡 、 線 の 太 細 、 字 の 大 小 等 を 考 え て 、 紙 の 大 き さ 、 墨 の 滲 み 具 合 、 線 の 強 さ 等 を 決 め ま す 。 最 後 に 観 賞 す る 人 が そ の イ メ ー ジ ど お り に 感 じ て 観 て も ら え る よ う に 書 く こ と で す 。 「 表 現 力 」 を 高 め る 為 に 、 い ろ い ろ な も の に 興 味 を 持 ち 感 動 す る 感 性 を 磨 い て い く こ と も 大 切 だ と 思 い ま す 。
臨
書
と
創
作
○ 臨 書 過 去 の 優 れ た 筆 跡 を 手 本 と し て 書 く こ と で す 。 臨 書 は 段 階 や 態 度 に よ っ て 三 種 類 に 分 け ら れ ま す 。 最 初 の ス テ ッ プ は 、 古 典 の 字 形 や 用 筆 に 迫 ろ う と す る 、 「 形 臨 」 と 呼 ば れ る も の で す 。 形 を ま ね る こ と は 、 そ の 古 典 に 迫 る 最 も 近 い 方 法 で す 。 形 が あ る 程 度 ま ね ら れ る よ う に な っ て く る と 、 次 は 古 典 に 漂 う 雰 囲 気 や 運 筆 の リ ズ ム な ど 、 形 以 外 の 要 素 に 重 点 を お い て と ら え よ う と す る 「 意 臨 」 の 段 階 に 進 む こ と が で き ま す 。 こ の よ う な 、 形 以 外 の 要 素 を と ら え よ う と す る 態 度 は 、 真 筆 が 歴 史 の 中 で 失 わ れ 、 模 写 し た も の や 拓 本 し か 残 っ て い な い よ う な 古 典 を 臨 書 す る 際 に 求 め ら れ る こ と が あ り ま す 。 古 典 を よ く 学 ん だ う え で 、 書 く と き は そ れ を 見 な い で 書 く 方 法 を 「 背 臨 」 、 臨 書 を 重 ね た 後 、 臨 書 か ら 学 び 取 っ た 古 典 の 特 徴 や 表 現 方 法 な ど を 生 か し て 、 そ の 古 典 と は 別 の 字 句 を 書 く こ と を 「 倣 書 」 と い い ま す 。 こ の 態 度 は 創 作 に つ な が る ス テ ッ プ と な り ま す 。 書 の あ ら ゆ る 作 品 は 、 こ の よ う な 過 去 の 作 品 か ら 学 ぶ こ と を 基 盤 と し て い ま す 。 書 道 に お け る 基 本 と 呼 べ る も の が 、 臨 書 な の で す 。 ○ 創 作 自 ら の 創 意 工 夫 に よ る 書 の 表 現 を い い ま す 。 自 分 が 伝 え た い こ と 、 表 現 し た い こ と を 明 確 に し て 、 そ れ に 合 っ た 素 材 ( 語 句 や 詩 文 ) や 表 現 方 法 を 選 び 、 試 行 錯 誤 し な が ら 、 自 分 の 主 張 や 個 性 が 表 れ た 作 品 に な る こ と を 目 指 し ま す 。 臨 書 に よ っ て 古 典 か ら 得 ら れ る 様 々 な 表 現 方 法 を 用 い る こ と で 、 作 品 に 味 わ い や 深 み を 出 す こ と が 出 来 る よ う に な り ま す 。 ○ 法 帖 芸 術 作 品 と し て 残 さ れ た 個 人 の 書 を 、 石 や 木 に 刻 し て 拓 本 を と り 、 臨 書 や 鑑 賞 に 便 利 な よ う に 帖 仕 立 て に し た も の で す 。 今 回 の 初 夏 書 展 で は 、 各 臨 書 作 品 の 右 横 に 臨 書 し た 箇 所 の 法 帖 を 掲 示 し て 、 皆 様 に ご 覧 い た だ け る よ う に し て い ま す 。 作 品 鑑 賞 の 参 考 に 、 こ ち ら も 是 非 ご 覧 く だ さ い 。書
体
に
つ
い
て
『 行 書 』 隷 書 か ら 発 展 し た 字 体 で 、 点 画 や 線 に し な や か さ と 変 化 が み ら れ ま す 。 筆 の 速 度 や 点 画 の 流 れ が 最 も 重 視 さ れ る 書 体 と い え ま す 。 『 楷 書 』 隷 書 か ら さ ら に 記 号 化 さ れ た 、 バ ラ ン ス の 取 れ た 字 体 で す 。 そ の 整 っ た 字 形 か ら 、 現 在 の 漢 字 の 基 本 と さ れ て い ま す 。 『 隷 書 』 役 人 が 複 雑 な 字 形 だ っ た 篆 書 を 早 書 き し た 際 生 ま れ た 字 体 で す 。 字 形 は 横 長 で 、 時 代 が 進 む に つ れ 、 線 の 終 わ り に 独 特 な 「 波 磔 」 が み ら れ る よ う に な り ま す 。 『 篆 書 』 漢 字 の も っ と も 古 い 形 で 、 現 在 使 わ れ て い る 漢 字 の も と に な っ た 字 体 で す 。 秦 朝 に 小 篆 と し て 統 一 さ れ た も の が 一 般 的 で す 。 均 一 な 太 さ の 線 が 特 徴 で す 。 『 調 和 体 』 日 本 語 の 近 代 詩 文 や 現 代 詩 な ど を 題 材 に 、 誰 に で も 親 し み や す い 書 体 で 書 い た も の で す 。 漢 字 か な 交 じ り と い う 日 本 語 独 自 の 特 徴 を 生 か し た 作 品 形 態 で す 。 『 か な 』 日 本 独 特 の 表 音 文 字 で す 。 草 書 の 簡 略 化 に よ っ て 生 ま れ ま し た 。 漢 字 に は な い 流 麗 な 筆 致 と 同 じ 音 を 表 す 複 数 の か な 、 「 変 体 仮 名 」 に よ る 創 意 工 夫 が 魅 力 で す 。 『 草 書 』 隷 書 を 早 書 き す る こ と か ら 発 展 し ま し た 。 線 の 省 略 や 筆 順 に 変 化 が あ り 、 自 由 度 の 高 い 作 品 と な り ま す 。 文 字 か ら 文 字 へ と 流 れ る 「 連 綿 」 の 美 し さ も 魅 力 で す 。作
品
一
覧
技
術
顧
問
寺
本
蒼
玄
創
作
・
『
魚
戲
蓮
葉
間
』
p10
創
作
・
『
夏
緑
新
』
p10
二
回
生
阿
部
朱
夏
臨
書
・
王
羲
之
『
何
如
帖
』
p26
今
村
朱
里
臨
書
・
趙
之
謙
『
楷
書
氾
勝
之
書
八
屛
』
p1
8
上
村
香
鈴
臨
書
・
『
石
鼓
文
』
p26
浦
川
真
由
子
臨
書
・
文
徴
明
『
行
書
詩
巻
』
p26
小
野
日
菜
乃
臨
書
・
智
永
『
真
草
千
字
文
』
p18
郡
健
一
郎
臨
書
・
褚
遂
良
『
文
皇
哀
冊
』
p19
小
林
由
佳
臨
書
・
空
海
『
風
信
帖
』
p28
米
田
景
臨
書
・
王
羲
之
『
集
字
聖
教
序
』
p29
阪
井
田
有
紗
臨
書
・
巻
菱
湖
『
贈
池
無
絃
』
p2
9
佐
武
千
寛
臨
書
・
『
魏
霊
蔵
薛
法
紹
造
像
記
』
p19
角
裕
介
臨
書
・
米
芾
『
蜀
素
帖
』
p1
9
橘
大
輝
臨
書
・
米
芾
『
中
秋
詩
帖
』
p2
0
徳
田
寛
生
臨
書
・
丹
羽
海
鶴
『
七
言
絶
句
杜
牧
詩
』
p21
仲
村
康
太
郎
臨
書
・
米
芾
『
蜀
素
帖
』
p1
3
創
作
・
『
な
つ
か
し
き
夏
』
p30
中
村
直
樹
臨
書
・
『
寸
松
庵
色
紙
』
p3
0
橋
詰
都
臨
書
・
呉
譲
之
『
宋
武
帝
勅
』
p1
4
原
誠
人
臨
書
・
欧
陽
詢
『
皇
甫
府
君
碑
』
p14
原
田
拓
実
創
作
・
『
よ
に
あ
れ
ば
』
p22
創
作
・
『
し
の
ぶ
れ
ど
』
p31
平
野
晶
子
臨
書
・
顔
真
卿
『
多
宝
塔
碑
』
p21
前
山
隼
人
臨
書
・
黄
庭
堅
『
松
風
閣
詩
巻
』
p32
臨
書
・
『
曹
全
碑
』
p33
松
尾
和
輝
臨
書
・
褚
遂
良
『
孟
法
師
碑
』
p33
三
回
生
大
池
ら
ら
る
臨
書
・
伝
定
家
筆
『
源
氏
物
語
花
散
里
巻
』
p27
岡
本
晴
香
創
作
・
『
ら
ふ
ぃ
お
ら
』
p12
笠
原
知
生
臨
書
・
鄧
石
如
『
隷
書
崔
子
玉
座
右
銘
』
p27
木
下
有
羽
臨
書
・
趙
孟
頫
『
玄
妙
觀
重
修
三
門
記
』
p28
臨
書
・
文
徴
明
『
行
書
詩
巻
』
p28
清
水
麻
友
美
臨
書
・
黄
道
周
『
五
言
律
詩
幅
-濟
寧
聞
警
有
作
-』
p
12
臨
書
・
倪
元
路
『
七
言
絶
句
幅
』
p30
下
坂
桃
代
臨
書
・
『
般
若
心
経
』
p19
竹
内
春
佳
臨
書
・
空
海
『
風
信
帖
』
p20
立
田
俊
也
半
臨
半
創
・
『
四
季
~
sh
u
n
ka
~
』
p2
1
深
谷
拓
未
創
作
・
『
漢
書
食
貨
志
下
句
』
p15
創
作
・
『
還
』
p32
堀
場
菜
摘
臨
書
・
褚
遂
良
『
太
上
老
君
常
清
静
経
』
p32
眞
嶋
優
一
創
作
・
『
あ
ま
さ
か
る
』
p33
三
村
祐
貴
子
創
作
・
『
採
菊
』
p16
宮
部
大
志
臨
書
・
王
羲
之
『
集
字
聖
教
序
』
p22
矢
野
凱
己
創
作
・
『
雲
の
ゆ
く
へ
』
p23
臨
書
・
李
文
田
・
戴
醇
士
・
王
寵
『
扇
面
三
種
』
p34
山
口
和
樹
臨
書
・
趙
之
謙
『
劉
熊
碑
』
p1
6
創
作
・
『
神
清
智
明
』
p35
創
作
・
『
喝
』
p35
山
崎
夏
野
臨
書
・
王
羲
之
『
十
七
帖
』
p36
山
科
直
也
臨
書
・
王
羲
之
『
集
字
聖
教
序
』
p23
創
作
・
『
旅
人
湯
川
秀
樹
の
言
葉
よ
り
』
p36
渡
辺
顕
臨
書
・
文
徴
明
『
行
書
詩
巻
』
p23
四
回
生
荒
巻
拓
哉
臨
書
・
王
鐸
『
臨
張
芝
帖
』
p11
上
西
隆
太
臨
書
・
傅
山
『
草
書
不
覚
二
首
之
一
詩
』
p11
閻
姝
恒
創
作
・
張
先
『
天
仙
子
』
p18
創
作
・
『
B
ea
u
tif
ul
K
yo
to
』
p27
島
津
七
明
創
作
・
『
秘
す
れ
ば
花
』
p29
宗
哲
仁
臨
書
・
呉
煕
載
『
隷
書
文
語
横
玻
』
p20
徳
川
鈴
奈
創
作
・
『
江
南
旅
情
』
p13
修
士
一
回
生
片
野
裕
太
臨
書
・
李
朝
太
祖
『
李
朝
太
祖
書
』
p27
家
倉
凌
創
作
・
『
守
拙
』
p22
臨
書
・
懐
素
『
苦
筍
帖
』
p34
修
士
二
回
生
小
松
聡
子
臨
書
・
趙
之
謙
『
撝
叔
遺
墨
』
p29
博
士
課
程
修
了
藤
井
基
弘
創
作
・
張
継
『
楓
橋
夜
泊
』
p31
合
作
小
林
由
佳
・
岡
本
晴
香
臨
書
・
米
芾
『
紫
金
研
帖
』
p17
橋
詰
都
・
木
下
有
羽
創
作
・
篆
刻
『
春
夏
秋
冬
』
p36
下
坂
桃
代
・
眞
嶋
優
一
・
矢
野
凱
己
創
作
・
『
三
十
六
歌
仙
』
p24
阿
部
朱
夏
・
米
田
景
・
佐
武
千
寛
・
原
田
拓
実
・
前
山
隼
人
創
作
・
『
晝
陰
静
』
p24
笠
原
知
生
・
山
科
直
也
・
渡
辺
顕
創
作
・
『
原
動
力
』
p24
新
入
部
員
合
作
『
書
道
部
新
入
生
四
字
熟
語
』
p25
二
回
生
合
作
『
毎
日
二
回
生
』
p25
三
回
生
合
作
『
風
薫
る
鴨
川
』
p25
全
体
合
作
『
無
人
島
に
持
っ
て
い
く
な
ら
ば
?
』
p25
作
品
紹
介
賛
助
作
品
技
術
顧
問
寺
本
蒼
玄
先
生
○
西
来
院
作
品
『 魚 戲 蓮 葉 間 』 古 楽 府 「 魚 は 戲 れ る 蓮 葉 の 東 か ら 西 へ 、 南 か ら 北 へ と 。 」 初 夏 に な り 池 の 中 の 蓮 葉 の 間 を 自 由 に 泳 ぐ 魚 達 。 そ の 溌 刺 と し た 様 を 趙 之 謙 風 に 力 強 く 表 現 し て み ま し た 。○
禅
居
庵
作
品
『 夏 緑 新 』 韋 應 物 「 詩 に 言 う 。 積 雨 に 時 物 変 じ 、 夏 緑 園 に 満 ち て 新 た な り と 。 」 夏 ら し く ゆ っ た り と ス ケ ー ル を 大 き く 表 現 す る 為 に 八 大 山 人 風 に 仕 上 げ ま し た 。○
西
来
院
荒 巻 拓 哉 四 回 生 臨 書 草 書 王 鐸 『 臨 張 芝 帖 』 二 尺× 八 尺 「 不 辨 行 動 潜 不 可 耳 終 年 此 當 治 何 理 耶 有 諸 分 張 復 得 一 会 講 竟 不 竟 還 當 思 更 就 理 昨 遊 悉 誰 同 」 僕 が 初 め て 本 格 的 に 草 書 に 触 れ た の は 、 四 年 前 、 高 校 の 書 道 部 で 先 生 に 勧 め ら れ て こ の 作 品 を 臨 書 し た と き で し た 。 そ れ 以 来 草 書 が 好 き に な り 、 大 学 に 入 っ て も 草 書 を 中 心 に 書 道 を や っ て い ま す 。 王 鐸 や 傅 山 を 中 心 に い ろ い ろ な 作 品 を 臨 書 し て き ま し た が 、 四 年 前 よ り は 上 達 で き て い る の で し ょ う か … … 。 上 西 隆 太 四 回 生 臨 書 草 書 傅 山 『 草 書 不 覚 二 首 之 一 詩 』 二 尺× 八 尺 「 天 地 有 腹 疾 、 奴 才 蠱 其 中 、 神 醫 須 聖 武 、 掃 蕩 奏 奇 功 、 金 虎 亦 垂 象 、 寶 雞 誰 執 雄 、 太 和 休 妄 頌 、 筆 削 笑 王 通 。 不 覺 二 首 之 一 。 山 。 」 こ れ ま で 、 王 鐸 、 倪 元 璐 、 黄 道 周 と 明 末 清 初 の 書 家 を 臨 書 し て き ま し た が 、 傅 山 は 初 め て の 出 品 に な り ま す 。 明 か ら 清 へ 、 激 動 の 時 代 を 生 き た 偉 人 達 の ス ケ ー ル の 大 き さ を 感 じ な が ら の 臨 書 は 、 非 常 に 楽 し い も の で す 。 法 帖 か ら 用 筆 法 や 章 法 を 学 び つ つ 、 迫 力 あ る 作 品 を 意 識 し ま し た 。岡 本 晴 香 三 回 生 創 作 調 和 体 『 ら ふ ぃ お ら 』 二 尺× 八 尺 「 何 も 正 し く な ん か 無 い 誇 れ な い と 投 げ 捨 て た 大 切 な 想 い 失 わ な い で 」 私 は 器 用 な だ け の 自 分 の 字 に ず っ と コ ン プ レ ッ ク ス を 抱 い て い ま し た 。 こ の 作 品 が 、 「 変 わ り た い ! 変 わ れ な い ! 」 と い う 気 持 ち を 持 っ て 欝 々 と し て い る 全 て の 人 の 心 に 響 け ば 本 望 で す 。 清 水 麻 友 美 三 回 生 臨 書 草 書 黄 道 周 『 五 言 律 詩 幅 -濟 寧 聞 警 有 作 -』 二 尺× 八 尺 「 過 此 那 湛 遥 當 年 已 不 禁 一 番 風 破 碎 千 倍 艸 浮 沈 … 」 初 め て の 二 八 作 品 で す 。 紙 の サ イ ズ 感 、 文 字 の 大 き さ な ど 苦 労 し ま し た 。 連 綿 の 美 し さ が 表 現 出 来 て い れ ば 良 い な と 思 い ま す 。
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徳 川 鈴 奈 四 回 生 創 作 行 書 『 江 南 旅 情 』 二 尺× 八 尺 「 楚 山 不 可 極 帰 路 但 蕭 條 海 色 晴 看 雨 江 聲 夜 聴 潮 剣 留 南 斗 近 書 寄 北 風 遙 為 報 空 潭 橘 無 媒 寄 洛 橋 」 気 付 け ば 卒 業 制 作 に な り ま し た 。 振 り 返 っ て み る と 今 ま で は ど の 作 品 も 悔 い の 残 る と こ ろ が 多 々 あ り ま し た 。 卒 業 制 作 く ら い 満 足 の い く も の が 書 け て い て ほ し い も の で す が 、 追 い 込 ま れ な い と 頑 張 れ な い 性 格 な も の で 、 今 回 は 追 い 込 ま れ る 前 か ら 頑 張 れ て い る か 不 安 で す 。 仲 村 康 太 郎 二 回 生 臨 書 行 書 米 芾 『 蜀 素 帖 』 二 尺× 八 尺 「 龜 鶴 年 壽 齊 。 羽 介 所 託 殊 。 種 々 是 靈 物 。 相 得 忘 形 軀 。 鶴 有 沖 霄 心 。 龜 厭 曳 尾 居 。 以 竹 兩 附 口 。 相 將 上 雲 衢 。 報 汝 愼 勿 語 。 一 語 堕 泥 塗 。 」 宋 時 代 の 書 家 米 芾 の 蜀 素 帖 よ り 、 擬 古 と 題 さ れ た 五 言 古 詩 を 臨 書 し た 。 詩 文 一 つ を ま る ま る 臨 書 し た の は 、 せ っ か く な ら 、 読 ん で も 意 味 の あ る 一 つ の 作 品 と し て 完 結 さ せ た か っ た か ら で あ る 。 筆 は 玉 蘭 蕊 を 用 い 線 に 柔 軟 さ を 求 め た 。 文 字 の 大 小 や 文 字 群 は 自 分 な り に 構 成 し て み た が 果 た し て ど う で あ ろ う か 。 多 様 な ご 意 見 、 ご 批 正 を お 待 ち し て い ま す 。
橋 詰 都 二 回 生 臨 書 篆 書 呉 譲 之 『 宋 武 帝 勅 』 二 尺× 八 尺 「 頃 學 尚 癈 弛 。 後 進 頽 業 。 衡 門 之 内 。 清 風 輟 響 。 良 由 戎 車 屡 警 。 … 」 筆 で 書 か れ た 篆 書 を 書 い て み た く て こ の 作 品 を 臨 書 し ま し た 。 始 筆 と 終 筆 の 忠 実 な 再 現 が こ の 作 品 で 最 も 苦 戦 し た 点 で あ り 、 最 も 書 き 甲 斐 を 感 じ た 点 で し た 。 原 誠 人 二 回 生 臨 書 楷 書 欧 陽 詢 『 皇 甫 府 君 碑 』 三 尺× 六 尺 「 随 柱 國 左 光 祿 大 夫 弘 義 明 公 皇 甫 府 君 之 碑 銀 青 光 祿 大 夫 行 太 子 左 庶 子 上 柱 國 黎 陽 縣 開 國 公 于 志 寧 製 夫 素 秋 粛 殺 勁 草 標 於 疾 風 叔 世 艱 虞 忠 臣 彰 於 赴 難 … 」 隋 の 名 臣 皇 甫 誕 を 顕 彰 す る 碑 。 『 九 成 宮 』 の 後 、 詢 晩 年 の 書 。 鈴 木 翠 軒 曰 く 、 「 険 勁 痛 快 」 な れ ど 「 温 潤 な 一 脈 の 流 れ が あ る 」 「 唐 の 楷 書 の う ち で は 最 初 に 学 ぶ べ き も の 」 で 、 自 身 「 十 二 年 こ れ を 習 っ た 」 と( 『 新 説 和 漢 書 道 史 』) 。 … … い つ か 、 俗 っ ぽ く な い 字 を 書 き た い も の で す 。 鍛 錬 と 思 っ て 、 不 得 手 の 楷 書 に 胸 を 借 り ま し た 。
深 谷 拓 未 三 回 生 創 作 隷 書 『 漢 書 食 貨 志 下 句 』 一 尺× 六 尺 二 連 「 酒 百 薬 之 長 、 嘉 會 之 好 。 鐵 田 農 之 本 、 名 山 大 澤 」 父 に 贈 る
三 村 祐 貴 子 三 回 生 創 作 行 書 『 採 菊 』 二 尺× 八 尺 「 結 廬 在 人 境 而 無 車 馬 喧 問 君 何 能 爾 心 遠 地 自 偏 採 菊 東 籬 悠 然 見 南 山 気 夕 佳 飛 鳥 相 與 還 比 中 有 真 欲 辯 已 忘 言 」 行 の 真 ん 中 に 一 本 線 の 通 っ て い る 、 力 強 い 流 れ が 見 え る よ う な 作 品 を 目 指 し て 書 き ま し た 。 山 口 和 樹 三 回 生 臨 書 隷 書 趙 之 謙 『 劉 熊 碑 』 二 尺× 七 尺 「 大 帝 垂 精 接 感 篤 生 聖 明 子 孫 享 之 分 原 而 流 枝 葉 扶 疏 爵 列 土 封 候 載 徳 相 継 」 全 く の 初 心 者 で 入 部 し て か ら 約 一 年 半 。 趙 之 謙 の 力 強 さ を 追 い 求 め 、 た だ ひ た す ら 練 習 を 重 ね て き た 。 果 た し て 副 部 長 と し て の 最 後 の 出 品 に 見 合 う 作 品 に 仕 上 が っ た だ ろ う か 。
小 林 由 佳 二 回 生 ・ 岡 本 晴 香 三 回 生 臨 書 行 書 米 芾 『 紫 金 研 帖 』 二 尺× 八 尺 二 連 「 蘇 子 瞻 携 吾 紫 金 研 去 囑 其 子 入 棺 吾 今 得 」 「 歛 傳 世 之 物 豈 可 與 清 淨 圓 明 本 來 妙 覺 眞 」 今 回 二 人 で 合 作 を す る に あ た っ て 気 を つ け た こ と は 、 形 だ け に と ら わ れ ず 気 脈 の 通 っ た 作 品 を 目 指 す と い う こ と で す 。 羊 毛 筆 特 有 の か す れ や う ね り 、 重 厚 感 を 上 手 く 取 り 入 れ ら れ る よ う に 心 が け ま し た 。 こ の 合 作 か ら 線 の 強 さ ・ 迫 力 を 感 じ 取 っ て い た だ け れ ば 幸 い で す 。
今 村 朱 里 二 回 生 臨 書 楷 書 趙 之 謙 楷 書 氾 勝 之 書 八 屛 全 紙 天 有 小 雨 復 耕 和 之 勿 令 有 塊 前 回 の 書 展 で 時 間 に 追 わ れ あ ま り 納 得 の い く 作 品 を 出 品 で き な か た の で 今 回 は 時 間 を か け て じ く り 練 習 し ま し た 爽 快 か つ 明 る い 雰 囲 気 の あ る 趙 之 謙 の 作 品 を 心 底 気 に 入 り ま し た 閻 姝 恒 四 回 生 創 作 草 書 張 先 天 仙 子 70 cm ×35cm 水 調 數 聲 持 酒 聽 午 醉 醒 來 愁 未 醒 送 春 春 去 幾 時 回 云 破 月 來 花 弄 影 重 重 簾 幕 密 遮 燈 風 不 動 人 初 靜 明 日 落 紅 應 滿 徑 そ の 雲 破 月 来 花 弄 影( く も や ぶ れ つ き き た り て は な か げ を ろ う す) の 文 章 が と て も 好 き で 滑 ら か な 草 書 で 書 い て み ま し た 小 野 日 菜 乃 二 回 生 臨 書 楷 草 智 永 真 草 千 字 文 半 切 天 地 玄 黄 宇 宙 洪 荒 日 月 盈 昃 辰 宿 列 張 寒 来 暑 往 秋 収 冬 蔵 閏 餘 成 歳 律 呂 調 陽 雲 騰 致 雲 古 く か ら 習 字 の 手 本 と さ れ て き た 千 字 文 を 楷 書 と 草 書 で 記 し た 作 品 で す 楷 書 は 文 字 の 大 小 ・ 線 質 を 揃 え る こ と で 草 書 は 文 字 ご と に 縦 横 の 長 さ に 変 化 を 出 す こ と で 両 者 の 違 い を 表 現 で き る よ う 心 が け ま し た NO IMAGE