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A Comparative Analysis of the Spoken Output of Japanese Learners of English and American Native Speakers of English

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Academic year: 2021

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A Comparative Analysis of the Spoken Output ofJ apanese Learners of English and American Native Speakers of English

教科・領域教育専攻 言語系(英語)コース 川 原 盛 也 1. はじめに 国際語としての英語の重要性が増してきて いる。その結果,国境を越えて,異文化と接 する機会が増え,非英語圏の国々の問におい ても,英語を通じて,コミュニケーションが 容易に取れるようになってきている。社会に おいては,今や様々な情報網を通して,英語 が日常生活の様々な局面において活用されて きている。企業においても,多くの取引が英 語を通して行われている。 そのような中で, 日本においても,もはや 英語は,単なる外国語としてではなく,第二 言語としての特徴を帯びるようになってきた。 文部省は, 1999年に発表した学習指導要領に おいて, Iコミュニケーション能力の育成」を 一層重視することを目標として設定し,学校 現場においても英語による「コミュニケーシ ョン能力」を育成することの重要性が次第に 高まってきている。しかし,現状に目を向け ると,その効果が十分に表れているとは言え ない。最近のTOEFLのスコアをまとめたデ ータによると,日本は世界の国々に比べると, 下位近くに低迷し,アジアの中でも,最下位 であるとし1う結果が出ている。 これらの現状を受けて,その改善の為に, 日本政府による様々な改革案がこれまでに出 されてきた。例えば,文部科学省は, I~英語 指 導 教 官 伊 東 治 己 が使える日本人』の育成のための戦略構想j を公表し, 日本人を対象とした英語教育の刷 新を図る計画案を進めている。 このように,英語を話すことの大切さを意 識した指導の必要性が叫ばれる中においては, 生徒の話す英語を正確に把握することが必要 であると考える。しかし,今までに日本人英 語学習者の使う英語に関して行われてきた研 究の多くは,あくまで印象論であり,具体的 なデータに裏付けされたものは少ない。また, 日本人英語学習者の使う英語に焦点を当てた 研究は多いが,相対化を試みたものは少ない。 以上の点をふまえ,本研究では, 日本の高校 生と,同じ学年レベルのアメリカ人高校生の 発する英語とを,量的・質的な視点から比較・ 分析し,その結果をもとに, 日本の高等学校 において,英語発話能力を伸ばす為の指導法 に関する,し1くつかの教育的示唆を提示した し10 2. 概要 第一に, 日本人英語学習者によって使われ る英語全般に関して,今まで行われた先行研 究のまとめを行った。具体的には,語葉,文 法,発音,表現等の項目についてまとめ,問 題点を浮き彫りにした。 第二に, 日本人英語学習者の話す英語の特

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-288-徴を正確につかむために,調査を試みた。具 体的には, 日本人英語学習者として,四国に ある普通科高校の 3年生 10名を被験者とし て選定し,アメリカ人母語話者として,アメ リカのフロリダ州にある公立高校の同年代の 高校生 10名を被験者として選定した。研究 の進め方としては, 日本人英語学習者と,ア メリカ人母語話者の発話を調べるために,一 枚の同一の絵を両被験者に見せ,発せられる 発話をデータ化した。 第三に, 日本の高校生とアメリカの高校生 から集めた発話について,データをもとにし て分析を行った。まず単語については,異語 数と総語数に分けてその数をカウントし, T-T Ratioを算出した。その結果,発した単 語の総語数において, 日本人英語学習者は, アメリカ人母語話者の約5分の 1しか output できていないことがわかった。異語数におい ても, 日本人英語学習者は,アメリカ人母語 話者の約4分の 1しか outputできていない ことがわかった。 一方;文の量的側面においては,次の三点 が判明した。①発話された文の総数について, 日本人英語学習者は,アメリカ人母語話者の 約3分の 1しか outputできていないこと, ②発せられた一文の長さについては,アメリ カ人母語話者の発話は, 日本人英語学習者の 発話の約1.5倍であること,③発せられた文 の文型については,日本人英語学習者は, SV の文型を,アメリカ人母語話者は, SVO(N) の文型を多用していることがわかった口さら に,文の使用の方法については,次の四点が 判明した。①アメリカ人母語話者は, 日本人 英語学習者と異なり,多種多様な形容詞や百JI 詞を多く用いて,自己の気持ちゃ感情も交え ながら,情景を鮮明かっ生き生きと表現して いること,②アメリカ人母語話者は,接続詞, 助動詞,代名詞を多く用いて,発話の表現に 奥行きと幅を持たせ,想、像力豊かに話し,発 話を続けようとしていること,③日本人英語 学習者は,文の多くを SVの文型で表現して いるのに対し,アメリカ人母語話者は,バラ エティーに富んだ多種多様の文型を用いて, 文を作っていること,④日本人英語学習者の 英語の表現は淡白であるが,アメリカ人母語 話者は英語の表現の幅が広く,同じ絵を全く 違う構文を使用していたことがわかった。 3. おわりに 本研究を通して明らかとなった点は, 日本 人英語学習者の発する英語のoutputの量は, アメリカ人母語話者と比べると,圧倒的に少 ないことである。よって,以下のような示唆 が与えられる。第一に,単語・文のレベルに おいて, outputを増やす訓練をすることが必 要である。第二に,英語の基本構文である, SVOの構文を多く用いて,動きのある英文を 多く作る練習をする必要がある。第三に,接 続詞を多く用いて,ふくらみのある英文を作 り,単なる情景の描写にとどまらず,形容詞 や副詞を使って,状況やその場の会話の内容 に,深みを持たせる工夫をすることが必要で ある。第四に,一つの情景を様々な角度から 見て,いろいろな形の表現を使って言し、かえ ができるように練習をすることが必要である。 今回の研究の問題点としては,まず被験者 の数が少なかったこと,及び,選定した日本 人高校生の outputが少なかったことがあげ られる。また,被験者として選定した日本と アメリカの高校が,標準的で、あったかどうか についても,疑問が残る。以上の点について は,今後の研究課題としたい。

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