和 服 の 着 装 に 着 目 し た 中 学 校 技 術 ・ 家 庭 科 に 関 す る 教 材 の 作 成
教科・領域教育専攻
生活・健康系コース(家庭)
木下みゆき 緒 言世界には様々な民族が存在しているととも
に様々な民族衣装が存在する. 日本における
民族衣装として和服がある.
2
1
世紀の現在,
和服が着用される機会としては冠婚葬祭や通
過儀礼,趣味的なおしゃれなどに限られてお
り
,
日本人の日常生活の中で和服の占める割
合は非常に少ない.
しかし,平成
20年告示中学校学習指導要
領技術・家庭(家庭分野)において「和服の
基本的な着装を扱うこともできること
J
と示
され,和服教育を学校教育の中で行うことが
可能となった.
そこで「和服の着装
jに着目し,家庭科教
育の中で和服を取り入れた授業実践事例につ
いて調べ,女子学生の和服選好がどの程度で
あるかについて定量的に調査を行った.それ
らの調査結果を踏まえて中学生を対象とした
和服の着装に関する教材を作成した.
第1
章家庭科教育における和服に関する教科
書分析ならびに先行研究
現行学習指導要領と新学習指導要領におけ
る中学校技術・家庭(家庭分野)の内容比較
を行った.和服の取り扱いは,現行学習指導
要領では選択履修項目であり,その内容は我
が国の文化という範囲で捉え,平面構成の基
礎の理解を図るためであった.それに対して
新学習指導要領では,必修履修項目である.
指 導 教 員 福 井 典 代
その内容は衣文化という範囲で捉え,衣服の
構成や着方の違いに気付かせるためとなった.
現行学習指導要領に基づく中学校技術・家
庭(家庭分野)教科書における衣生活分野の
内容を分析した.分析した教科書は
K社 1冊
,
T
社
1冊の合計 2冊である.衣生活分野の内
容分析から,被服構成,被服材料,被服整理
の記述内容の割合が比較的高いことがわかっ
た.和服に関する記述内容の分析を行ったと
ころ,和服と洋服の構成の違いや和服の各部
の名称はどちらの教科書にも記述されていた.
「日本家庭科教育学会
50周年記念家庭科
教育教材データベース
v
e
r
.
2
Jを用いて和服を
活用した授業実践事例の抽出を行った.和服
の着装に関する授業実践事例の検討から,授
業内容を大別すると,浴衣などの和服を実際
に着付ける実習授業と, 日本の伝統的な和服
について基礎的知識を理解させる座学授業に
分けることができた.
さらにインターネット検索サイト
を用いて和服の授業実践事例に関する検索を
行った.小学校・中学校では
pどの授業実践
事例においても和服の着付けが取り入れられ
ていた.高等学校・大学では,授業内容が多
様であり,それぞれの学校で独自に授業が行
われていることがわかった.また,多くの授
業実践事例で実技・実習と座学の両方を行っ
ていた.
-387-第2章 階層分析法を用いた女子学生の和服選 好の定量化 2008年 12月及び2009年4月に女子学生 24名を対象に質問紙を用いてフォーマルな 場面における服装の選好について調査を行い, 階層分析法を用いて定量化を行った.2009 年 5月に女子学生 24名を対象に質問紙を用 いてカジュアルな場面における服装の選好に ついて調査を行い,階層分析法を用いて定量 化を行った.さらに,フォーマルな場面設定 とカジュアルな場面設定における服装の選好 の調査結果を用いて,場面設定の違いによる 服装の選好について比較検討を行った. 服装を評価する項目として「価格J