エコトキシコロジーと生態リスク分析
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(2) 138. 個体数N(亡は時間)は、個体数が少ないうち はおおむね内的自然増加率ガを指数とする指数関 数的に増殖するが、個体数がκに近づくにつれて 増殖率が低下し、結局個体数はKに収束する。自 然界に生息している生物集団が上のロジスティッ ク成長式の通りに増えるとしたら、集団や種の絶 滅は起こらない。時間が経てば個体数は環境収容 力に達し、そのままいつまでも変化しないからで ある。しかし実際には、ほとんどすべての生物種 は変動する環境の中で生息している。気温や降水 量も年次変動を示す。植食性の動物であれば、食 物となる木の実や新芽にも大きな年次変動がある かもしれない。このように自然界では環境が良く なったり悪くなったりし、それが欄体数の変動を 引き起こす。個体数の変動がある限り、儂体群は ある∼定の絶滅確率を持つ。環境による変動を数 学的に表すためには、物理学で白色ノイズと醤わ. れる変数εをロジスティック式に加えればよい。 εは1尋問とともに0の周りをランダムに大きくな ったり小さくなったりする誤差の変数である。 響・醒〔1一瑳)・・. 実験に供したミジンコは、神奈川県相模湖より 1997年8月に採集した。採集した数十個体からユ0. 個体をランダムにサンプルし、岡雌系統 Gsofemale line)を作成し、町代維持した。実 験に際しては、自然な変異性を再現するためにこ れらの系統から何個体かを任意に選んで混合し、 実験用系統を作成した。生存および繁殖の測定の. ためには、脱塩素水道水およびクロレラ (肋10rella四/garfs)を入れたガラス製容器 (200阻L)に生後24時間以内の仔虫を移し、週3回 ガラス容器ごと換水しながら約3週間飼育した。 試験個体が成熟後生んだ後代は計数した後取り除 いた。このような実験区を、隷象試験および各濃. 度に原則として2つずつ設置した。 化学物質は標準溶液を実験開始前に作成してお き、一水の際に設定濃度となる定量を飼育水に添 加した。. 生命表評価実験は、定濃度曝露条件下で生命表 データ、すなわち齢別の生存率と繁殖(塵仔数) を測定する。これらのデータから、齢構成および個. 体数が変化していない定常的な個体群の内的自然 増加率rをオイラー・ロトカ方程式(Σ帆ゼ=1 r 亡は齢、1,、舳は齢別生存率および産仔数)によ. 上の式に基づく絶滅時圏は、拡散方程式という 熱伝導などを研究する物理学で使われる偏微分方 程式として解かれている。解析解に関する理論生 態学的研究は非常に多いが、共逓した結果は比較 的単純である。つまり、平均絶滅時間は内的自然 増撫率、環境収容力、環境変動の大きさによって 決まる。絶滅時間は、内的自然増加率や環境収容 力が大きいほど長くなり、環境変動が大きいほど. って算出した。推定された内的自然増加率と曝露 濃度の関数関係は、次のべき関数モデルによって. 近似した(田中・中瀕1998;Tanaka and Nal《anish孟 2000)。. τ(x)・エ㌔、ax[!(∀α)β]. 短くなる(L翻deユ993;Foley 1994)。. 乱ASI2. 平均絶滅時間と生態学的なパラメータとの関係 は、近似的に. 7㏄κ2{1. 0.・. 0.3. 3 醒. となることが知られている(Lande !998)。有害. 化学物質よる絶滅リスクは、内的自然増加率や環 境収容力の減少による平均絶滅時間の減少分とし て評価することができる。. .2 0,2 .弩. お. 三 0.. 3.ミジンコによる生命表評価試験 有害化学物質の個体群レベル効果を評価するた めに、カブトミジンコ0,ga!ea亡aを対象生物種と. Oose Leve l (楓9/L). して、生命表評価試験(1ife table evaluation test)を実施した。生態毒性を評価した対象物質 は、ドデシルベンゼンスルホン酸(LASの、 p一ノ. 自然増加率の反応. ニルフェノ∼ル、ダイアジノン、フェニトロチオ. Fig.1 Responses of intrinsic rate of natural. ン、希硫酸である。. increase to exposure of LAS2 in O.9∂’e∂オ∂. 松重 0.ga leaオ∂におけるLAS2曝露に対する内的.
(3) 139. ここで、xは曝露濃度、 r。a、は無曝露における最. に異常をもたらすという報告がある(Baldwin e亡. 大内的自然増加率、αおよびβはモデルのパラメ ータである(田中1998参照)。データのべき関数. a!.!995)。そこで、本研究は個体発生の効果を. モデルへの出てはめは、最小z2適合法. い、生命表データを2世代間で比較した(図. (Levenberg−Marquardtアルゴリズム、 Press e亡. 2,Tan欲a麗d饗aka虚shi投稿中b>。その結果、 2世代目では生活史に対する毒性効果が低下する という予想に反する結果が得られた。この結果を もたらした要爾はいくつかが考えられる。2世代 目の個体は1世代目で生存と繁殖に成功した個体 の後代なので、憎憎の高い個体が選択され、遺伝 的な耐性の変化によって2世代目には耐性が強く なった三道性がある。また、i世代目の個体が産 んだ仔虫には誕生直後もしくは発生過程で死亡し たと考えられる個体が多く観察され、生理的に耐 性の弱い個体は初期究亡の段階で除かれた可能性 がある。2世代目の生命表データはこれらの初期 死亡は考慮されていないので、データ解析の見か. a1.!992)によって行ったQ. 測定された内的自然増加率の反応データを、図 !から図5に示す。. LAS12に対する内的自然増加率の反応は非線形 性が高く、β値はユ7。2と推定された(β纏は1の とき反応は線形となる)♂内酌自然増加率が0と なるα値は2.6通g/しと推定され、ミジンコ類で推. 定されているLAS12の急性毒性値と一致していた (Tanaka and Nakanishi投稿中a)。. p一ノニルフェノールは内分泌撹乱効果が指摘さ. れており、枝角亜目などの甲殻類に対しては、エ クジステロイドを撹乱することによって個体発生. 検定するために2世代にわたる連続曝露をおこな. G.4. Norlylphenol (1st ge韮leration> 0.4. o.3. 竃. G、3. 3. o. 3. に. £. ・暑・2. .9 0.2. ξ. .窪. 葦. お 三. ●. 0.1. 〇、1. 0 2G O O G. lG Doεe しevel (mg/L). l)ose Leve1 (僻IGrogra照/L). pi{の減少. Nonylphenol (2nd geReration) 0.4. 0、3. β. o. 0.3 ε. 醒. :. 0 8. ,2. 醒 .9 0,2. o. ㊤. .塗. 0.2. 2 ’こ. セ. 0.1. 仁 三 〇.且. 1)eGrer羅ent of pH 0 ’D O O. Dose Levei (旧icrogra醗/L). 露に対する内的自然増加率の反応(1世代. 図3 0.gヨ1θ甜∂における希硫酸曝露に対する内 的自然増加率の反応. 目:上,2世代目:下). (濃度表示:上,pH減少分表示:下). F}9.2Resρonses oチ intrinsic rate of natural. Fig.3 Responses of iatrinslc rate of 貧atural. increase to exposure of p−nonY l pheno l in. increase to exposure Qf sulfuric acid in. O.σa1θ∂亡∂ Gst generation: upPer、 2nd. α9∂1θ∂f∂(represented as concentratioRs:. generat{on= lower). upPer, as reductions of pH: lower ). 図2 0.g∂ノθ醒∂におけるp一ノニルフェノール曝.
(4) 140. け上、リサージェント効果が観察されたと考えら れる。これらの、p一ノニルフェノールで特異的に 観察された発生過程における死亡(初期死亡〉と 内分泌撹乱効果との因果関係は明らかでない。 臼本の土壌はバッファー効果が高いため、湖沼 の酸性化はヨーロッパに比べて軽度である。ただ し、降雨の酸化は進んでおり、将来、湖沼の酸化 が危惧される。酸ストレスの個体群レベルへの影 響を推定するために、希硫酸の生命表評価試験を. Fer}圭trGもhion o.4. 0、3. 3. 凝 .2 。.2 豊 ’こ. 行った(図3,Tanaka and Nakanishi投稿中。)Q. 握. 内的自然増加率の反応は、希硫酸濃度に最して とともに、実測した水素イオン濃度(pH)の減少 分に対してもプロットした。飼育水の水素イオン 濃度は、日によって変動が大きく、実験的に制御 することが困難だったので、換水の際に毎回測定 し、その平均値を指標として用いた。内的自然増 加率は希硫酸の濃度に対しては非線形に低下し、 10n}g/Lを超えると急に増加率が低下した(α. o.1. 90se しevel (m琶/L). 貝2.5,β罵7.3)。一方、曝露濃度をpHのスケール. increase to exposure of fenltrothion in. に直すと、内的自然増加率の反応はほとんど線形. a9∂1θ∂オ∂. 図5 αg∂1θ∂ねにおけるフェニトロチオン曝露 に対する内的自然増加率の反応 Fig.5 Responses of intrinslc rate of natural. となった(α置3.0,β犀1.2)。希硫酸の濃度を対. 数目盛に変換しても内的自然増加島の反応は線形 にならないので、pH値が水素イオン濃度の嬉数ス ケールであることはこの違いを説明できない。中 間的な水素イオン濃度の設定が出来なかったこと と、水累イオン濃度の制御が不正確であったこと から、明確な結論を下すことが出来ないが、希硫 酸に対する反応が溶解している水上イオン濃度と より線形な関係にあったことは、毒性影響が水素 イオンを介する酸ストレスによってもたらされた ためと推察される。 Diaz重non 0.4. ダイアジノンとフェニトロチオンはどちらも代 表的な殺虫剤でありながら、内的自然増加率に対 する作用の様式には大きな違いがあることが示唆 された(図4,5)。ダイアジノンの温温に対する 内的自然増加率の反応はきわめて非線形性が高 く、ミジンコが繁殖を惇止して内的自然増加率が 0に減少する直前の!μg/L程度まで、有害反応 は見られなかった(α=L5μg/L,β詑8。O)。こ. のことは、ダイアジノンの毒性効果には閾値が存 在し、閾値を越えた曝露濃度では急に慢性毒性を 発揮することを示している。これとは対照的に、 フェニトロチオンには明確な作用閾値は存在せ ず、内的自然増加率の減少は比較的低濃度から観 測された(α=0.96阻g/L,β=L4D。. 0.3 β. 2 2 0.2 霊. 髄こ. セ 0.. 1.5 Dose 豊_evel (鵬iGrogra閉/L). 図4 0,g∂1θ∂オ∂におけるダイアジノン曝露に対. 4、生命表毒性データのメタ解析 内的自然増加率が環境汚染物質の曝露によって どう減少するかは、生物種や物質に依存する。し かし、そのような種特異性や物質特異性を無視し たときに、内的自然増加率の反応をもっともうま く近似する数学的なモデルと、最適なパラメータ 値を推定することは、包括的なリスク評価手法を 発展させる上で重要であろう。本研究では、文献 検索によって得られた生命表評価実験のデータを ベースとして、最適な数学的モデルと、反応曲線. の線形性に関するパラメータ値を推定した. する内的自然増加率の反応. (Tanaka and Nakanishi投稿中d)。データ・ソー. Flg.4 Responses of intrinslc rate of natural. スは付表に示してある。適合させた数学的モデル は、べき関数モデル、二次関数モデル、ワイブル モデルである。これらの関数を選択した理由は、. increase to exposure of diazinon ln a9∂1θ∂オ∂.
(5) 141. 内的自然増加率は負の無限小で定義され、曝露濃 度に対して逆S字麟線を描かないからである。. 20 諺. (a)Power. 表1 曝露濃度一内的自然増加率曲線の数学的モ デル Tab}e 1 醗athematical models of concentration−. 11. function model. 套1。. §8. 西. £、. rcurves. 講. 亘. Model. Equatio11S. Weib競ll. 梱一・卜・xp@ゾ}・・1. function. 20 18. …. 王6. 肝;. 雪12. べ・)・γ(1一砿一上り. fしmctめ澱. 各データセット(1化学物質に対して1試験生. きlo. £8 6 4 2 0. fitting)によって最適なパラメータ値を決定し た。さらに、モデルがデータに適合している相対 的な度合いを評価するために、次のモデル選択基. 16 14 12. データのモデルへの適合度を個々に計算した。 MSCの値が高いほど、数学的モデルはデータに良. き8. m三口ず/客・幅ア]一斗. 蝋憾. 皿乳声登…. 講熱、 <亀 一1 (0,1] (2,31 (4,53 (6,71 (8,9… > 10. ムISC. 強IG. 鋸。一・. 嶺. 18. 準(model selection criterlon, MSC)によって. く適合していることを示す。. (b) Quadratic. function Rlode童. (一1身G] (1,2] (3,4〕 (5,6] (7,8] (9,1⑪〕. 物種で行った生命表データのセット)に対して、. 3つの数学的モデルを最/1・Z2適合(1eastz2. 多縛麹. く町 一1 (G,1] (2,3} (4,5] (6,73 (8,9] (王0,丈ま」. MSC. 14. Quadratic. 認観. ピ㍗. (一1,0」 〈1,2] (3,43 (5レ6] (7,8] (9,10] > 11. 細事〔詞. functiO11. 弊 墾垂. 調. 0. Power. 、講働. 面蘇. 皇6 4 2 0. 惰. (c) Weibull mode互. 薄 野’. 轟 三. 頭 漱儀. 曝鋸《 暴摩賢 <竃 一1 (G,1] (2,3ユ (窪レ5三 (6,7ユ (8,9] > 1Q. (一1,0] (1,2] (3,4] (5,6ユ (7,8〕 (9,10]. MSC ここで、Xiはデータ、嘉はモデルの予測値、薯はデ. 図6 各数学的モデルにおけるモデル選択基準. ータの平均髄、1γ,は重み、ρおよびnはそれぞれパ. (MSC>の頻度分布. ラメータおよびデータの数である。. Fig.6 Frequency distribut ion of the model. 図6は、データセットごとに計算されたモデル 選択基準儘SC)の頻度分布を3つの数学的モデ ルについてそれぞれ示してある。MSCの平均値と 標準偏差はそれぞれ、べき関数モデルで3.08±. selection criteria (鯖SC) for each 順athematical麟◎del. デルで2,97±2.28と推定され、べき関数モデルの. 最も適合度の高いべき園数モデルに関して、内 的自然増加率の汚染物質曝露に対する反応の全般 的な傾向を推定するために次の解析を行った。不. 値が他の2つより有意に高かった([べき関. 確実なデータを除去するために浴Cが5未満、8. 数]〉[ワイブル]:p〈0.05,/べき関数]〉[二次関. より多きいデータセットを除去し、選択されたデ ータを変数変換によって最大内的自然増加率を. 2.28、二次関数モデルで2.58±2.02、ワイブルモ. 数]:p〈0.00!,〔ワイブル]〉[二次関数1:p<0.05,. Wiicoxon検定)。. ユ、α値を1に基準化した(z=x/α, y=r(x)/煽、;z,yは基準化した反応および曝露. 濃度)。基準化されたデータセットを!つにプー ルし、べき関数モデルを最小Z2法で適合させた。.
(6) 1嘆2. 5.絶滅リスク評価 姻体数の変動が定常的であって、長期的な減少 傾向になければ、絶滅確率(瞬聞維滅頻度)はど の時点でも一定で、近似的に平均絶滅時間の逆数 となる。簡単な代数計算によって、絶滅確率を1) と書くとき、環境汚染などのストレスによるその 増加分△Pは. 即det=ザトズβ β=1,S3弾9. 監,4. 1.2. 三。.、. 1。6 ㍉、 乱,. ♂o. 懸i舞靴・ :∵.・・訳 0 0P o o. 8 0. o .,1. 。3も. 。 。客。 。象. 藍眠。. O o 9. △P・島(10一△1097_1). −o,2 −o.4 o,o o,2 0.靖 o.6 0.S l.o. Flg. 7 Least λ!2 curve fitting to the. となる。几はストレスのない定常状態における絶 滅確率である。いわば、絶滅リスクのバックグラ ンド値であり、ここでは絶滅確率の初期値と呼ぶ ことにする。内的自然増加率が0になったときの. standardized data. 絶滅確率を1、すなわち平均絶滅時間を1と仮定. SLm命rdiZcd lbse l.eVol. 図7 基準化した全データに対するべき関数モデ ルのあてはめ. すると、絶滅確率の初期値は、. その結果、反応の線形性を示すべき関数モデルの β値は1.84と推定され、全般的には二次関数より. 、 瑞≡lo一@)1。9κ. やや線形性の高い反応を示した。. また、別のデータソースから急性毒性値(L輪 半数致死濃度)が推定されているデータセットを 選択し、べき関数モデルのα値の半数致死濃度に 対する回帰式を推定した。このような回帰式は、 生命表評価データがない場合に、内的自然増加率 の反応を急性毒性値から外挿(急性一慢性外挿〉 することを可能にする。. 図8は、α値のLC5。値に対するプロットと回帰 直線を両対数軸で示したものである。圏帰モデル、 [α]罵dLC5e]。に対して、 bニ0。843、 c=!.562と推定. され、α値とLC5。値は高い相関関係にあることか ら急性一慢性外挿がある程度可能であることが示. と定義できる。以下の絶滅リスクの計箕には、こ の初期値を1σ6と仮定した。その根拠は次の通り である。Oaρ加∫a加acllyこノ耀測の霞ヶ浦における個. 体群動態の研究から、平均内的自然増加率は約 0.015、分散は約0.03と推定された(Hanazato and YaSuno 1985)。また、霞ヶ浦における調査か ら、0.galea亡aの個体密度は水深10mにわたりおよ そ5匹/しであり、霞ヶ浦の表面積は約200km2なの で、全容積における総個体数はおよそ1013と推定 される。季節変動や霞ヶ浦が大型な湖であること を考慮して、K雲!併とおき、これらのパラメータ を上式に代入するとRF 10−6と推定される。. α値を10、β値をL84と仮定したときの曝露濃 度一絶滅リスク曲線を図9に示す。点線は毒性デ ータの標本誤差に基づく95%信頼区間の上限値で. 唆された。. 玉5. ある。 o● ’ ’. f. 10. E , ’. ●. L. ’. ’. (α). ’ ’ 怐Y マ’. ち’. ’. ’. 5 ’ ,. o.l. ●. f. ’. o.01. o. ■. 1・lo巾3. ●. 5. o. 08.. ’. @’. , ’. i●孟。嘱. ’. ’ ’. 絶滅確率1’ガ. ●. ” o ””. Extinction 1’10 6. , ● I ●. ’. 5. o. f●. probability 1曹塵。一「 5. In. 0. 1. (LC,,、). 1・io β. α二10. 且・log. β罵1.84. P匿σ.田. 1・10U. 0. ・1 6 5. 10. 三月度 Co訊ccntration. 図8 急性一慢性外挿による半数致死濃度LC50か らα値の推定. 図9 濃度一絶滅確率曲線の例. Fig.8Esti階ation ofα一values fr㎝acute LC50. Fig,9 A concentration−ext inct ion probab日ity. by the acute−chronic extrapo!ation. curve.
(7) 143. いくつかの代表的な有害化学物質で報告されてい. らに個体群の絶滅リスクを予測する方法を提案し た。提案された生態リスク評価法は、生物の個体 群の存続能力に対する効果を評価する点で、従来 の生態リスク評価手法にくらべてより生態影響を 正確に反映するだろうと考えられる。ただし、提 案された方法はいくつかの仮定に基づいており、 限界があることにも注意しなくてはならない。 本研究で採用した絶滅リスク予測の数理理論は 個体変動の拡散近似に基づいているため、個体群 が定常的な状態にあり、個体数は平衡値の周辺を ランダムに変動していると仮定されている。しか. るミジンコ(Oap/2η∫a属)急性毒性値と環境中濃. 度のデータから試算した絶滅リスクを表2に列記 した。内的自然増加率は、前記の急性一漫性毒性 の圓帰式から求めたα値とβ篇1.84から計算し た。環境中曝露濃度は実測最大濃度の50%濃度を 使用した。絶滅リスクの大きさの順位は、従来生 態リスク評価に用いられてきた生態リスク指数 (朋Q)と変わらない。. それはどちらの指標も、急姓毒性値と環境中濃 度の相対値に基づいて算出されるからである。し かし、リスクの相対的な大きさの点では、2つの 指標は大きく異なった結論を示している。たとえ ば、主要な界面活性剤であるLASの生態リスクは、 EHQではピリダフェンチオン、マラソン、ダイア ジノンといった水田農薬の高々倍であるが、絶滅 リスクの指標では、3桁も大きく、より集中的な. し、実際の多くの個体群では、生息地の破壊など、. 他の撹乱要因のために個体数が減衰する傾向にあ る。このような場合は本研究が採った拡散近似解 の利用は困難で、レスリー行列モデルなどによる シミュレーションが有効であろう。. また、本研究の絶滅リスクの推定は、単一の樋 体群ないし種の存続可能性の予測に基づいてい る。しかし、実際の生態系では、生物は種間相互 作用を持った生物群集を形成し、有害化学物質の 生態影響も種問相互作用を介した間接的なものが. 対策が求められる。 6.・考察とまとめ. 環境汚染の生態系への影響の評価においては、 化学物質の生物集団に対する個体群レベル効果の 推定が基礎となる(Suter 1993)。本研究では、 燗体群レベル効果を個体群の内的自然増加率の減 少分として定量化するデータ解析法を考案し、さ. 無視できないと考えられている(BarteB e亡a/,. !992)。種間相互作用を介する間接効果を生態リ. スク評価に取り入れ、より現実的な生態影響評価 を行うためには、食う食われる関係、競争関係な. 衰2 代表的な有害化学物質の0∂功η1∂属に対する絶滅リスク評価の算出例 Table 2 琵xa獺P}es of ext inct ion r isk estimations of several important po目utant chemicals to. 伽加∂poρulati◎ns. 化学物質. chernicals MEξC EEC しC50. △P. △P* E錘Q. LAS LAS 30001500. 5700 4.00×10寵4 5.60×10鼎3. 26.3. ピリダフェンチオニpyridaphcnthion 12 6. 38 7.35×10朧7 3.75×10P6. 15.8. マラソン malathon 4.5 2.24. 13 5.91×{0隔7 3.03×10−6. 17.2. 7.8 2.58×葉0−7 1.34×io皿6. 12.8. 75 7.59×10−8 4.董3x肇0−7. 467. 320 2.09×10−8 1.3◎x10−7. 1.88. ダイアジノン diazinon ノニニノレフエノーノレ nonylphenol. 2 7.{. {. 3.5. 12. 6. フ:Lニトロチオンfbnitrothion. 0.2. 0.1. 9.2 2,58x10轍9 i.99 x 10−8. ベンチオカーブ bcnthiocarb. 750 2.04×10−9 {.6◎x10−8. α467. メフエナセット me艶naset. 7 8. 3.5. 4. 1840 6.46×10−1G 5,5フx10−9. 0.21フ. フェンチオン fbnthlon. 0.Q5. 0.03. フェノカルブ fbnocarb. モリネート molinate シメトリン simetryn. プレチラクロールpretyrachlor ブタクロール butac垂110r. 24. 9 6 2. tO9. 5.5 4.41×10一肇0 3.95x10−9 0,455 12 40000 3.86x雀〇一1; 4、遷3×10需10 0.03. 4.5. 27000 {.{8×喋0}11 t36×10−10 0つ17. 3 26500 6.33x10−12 7.58×10葡1垂 0,0{1. 1 25000 8,38×10一垂3 1.13x藤0−11 0.004. MEEC: 環境中最大濃度(ppb)Maximum environ1董1ental collcentratio1、(ppb). EεC:環境中濃度(最大濃度*0.5)Envlronmental exposure concentration(maximuln×05). LC50: 急性毒性値(ppb)Acutc toxicity △p: 糸漸滅確率ExtinctioI1【)robability. △p㌔ 絶滅確率(上限値)Extinctlon probabillty(upper boul}d) EHQ: (EεC/LC50)*100.
(8) 144. どの種間相互作用.を明示的に取り入れた群集動態 モデルを適用する必要があるだろう。. chronic mercury exposure on surviva1, reproduction and population (iynamics of 偽!sfdopsfs bahfa. 盈2vfroη 7bxfco! 6he丑1 2:. 本稿は科学技術振興事業団戦略的基礎研究推進. 61−68,. 事業(研究代表者:申西準子)の援助を受けた。. Halbach U, Siebert 濫, Westermayer M, Wisse正 C, 1983. Popu互at ion eco互ogy of rotifers as. 引用文献. a bioassay tool for ecotoxicological tests. Allan JD, Daniels RE. 1982。 Life tab豆e. in aqUatiC enVirOnmentS. ECO亡OxfCOノ. eva正uation of chronic exPosure of. 伽v∫roη5afe亡y 7:481−513.. Eロ1γ亡e丑∼ora ヨfffη1s (Copepoda) to Kepone,. Hu㎜10n WD. !973. Effects of DDT on longevity. 彪∼r∫ne 、Bfolo即 66: 179−184.. and reproductive rate in 五∈4)1(10der加ella. Baldwin, W. S。, Mila【n, D.L., and G. A, LeBlanc. sσロaπ∼∬1a亡a (Gastrotricha: Chaetonotida).. l995. Physiological and biochemicaI. 舳er』匠f(f八白亡αr 92:327−339.. perturbations in Daphnia magna following. La鷺de, R., 1993. Risks of population. exposure to the model environr目ental. extinction from denlographic and. estrogen diethylstilbestro1. Enviro㎜ental. environmental stochasticity and raadom. Toxicology and Che釦istry 14: 945−952. catastrophes. ノ知刀. Aセ∼亡. 142: 911−927,. Barte11, S. M., Gardner, R. H., 0’NeiIl, R.. Lande R. 1998. Anthropogenic, eco互ogical and. V., !992. Ecolo9’fca1 1∼1sAr Es亡1畑a亡foη, 252. genetic factors in extinction and. PP., Lewis Publishers.. conservation. /∼es PoPα/ Eご01 40: 259−269。. Bertram PE, Hart }{A. 1979. Longevity and. Press, W. H.,W。 T. F豆annery, S.A.Teukolsky,. reproduction of Pap11ηfa ρロ/ex (de Geer). and B。P.Vetterling. !992. Nun≧erical. exposed to cadmiurn−contaminated food or. Recipes in C. Cambridge University Press,. water. Ehvfron 1)01/野口 !9: 295−3G5.. New York.. Burger, R., Lynch, M., 1995. Evolution and. Suter, G. W。, !993, Ecologfca/ 1∼1sk. eXtinCtiOn in a Changing enVirOnment: a. 、45sessπ1eη亡, 538 pp,, Lewis Publishers.. quantitative−geaet量。 analysis. Evo1ロ亡∫oη. Van Leeuwen CJ, Moberts F, Niebeek G. 1985.. 49: 151−163.. Aquatic toxicological aspects of. Daniels RE, AHan JD. 198!. Life table. dithiocarbamates and related compounds。. evaluation of chron重。 exposure to a. II.Effects on survival, reproduction and. pesticide. Can J Fish Aqua Sci 38: 485−. growth of Oaρゐη∫a切agηa. ・4αロa亡 7bxlco1 7:. 494.. 165−!75.. Enserink EL, 凝aas−Diepeveen JL, Van Leeuwen. Van Leeuwen CJ, Luttnler WJ, Grif至ion PS.. CJ. 199圭. Combined effects of metals; an. 1985. The use of cohorts and populat重ons. ecotoxicological evaluation. 1胎亡er 1∼es 6:. in chronic toxicity studies with Oaρゐηfa. 679−687.. 〃1agηa: A cadmiunl exa阻Ple. Eco亡oxfco1. Foley, P., 1994, Predicting extinction times. 盈コvゴroη5afe亡y 9:26−39.. fronl environmental stochasticity and. Winner RW, FarreH MP. 1976. Acute and. carrying capacity. Ooηs.Bfo1. 8: 124−137.. chronic 亡oxicity of coPPer to four species. Ge漁tile JH, Gentile SM, Hairston NG,. of Oaρhη∫a. ノ Ffsh 1∼es βoar(1 (冶η 33:1685−. Sulhvan BK. !982。 The use of life−tables. 1691。. for eva豆uating the chronic toxicity of. Winner RW, Keeling T, Yeager R, Farrell 罐).. pollutants to 萌zsldopsfs わaゐfa.. 1977. Effects of food type on the acute. /呑κ1rob/0/0gfa 93:!79−187.. and chronic tixicity of coPPer to エ)即hη1∂. Gentile JH, Genti正e S醗, Hoffman G, Heltshe. 皿ヨ9ηa・乃鳶es!!喉ヨ亡eエ‘」Bfo1㎎y 7:343−349.. JF, Hairston N. 1983. The effects of a.
(9) 145. NN 2IEfS},ri:-¥maiafgftts.I Ur{Ndizts[Z¥±tsijwhafSfia) iJ x F. Appendix Life table evaluation tests and population growth Experiments. gx 2Conig[io, L. and R. Baudo Hydrobio]ogia 3 Gentile, J, H,, S, M, Genti[e, G, HofZfman, J. F. Neltshe and N. Hairston, JrEnv.Toxlcol,Chern. retT±ti. 1Fernandez-Casa]derrey.A.Ferrando,M.D.andE.Andreu-Moliner Comp.Biochem.Physiol.. 4MarshalL J, S, J.Fish,Res.Board Can,. 5Winner, R. W. and M. P. Farrel[ J.Fish.Res.Board Can.. 6MarshaH, J. S. Ecology. 7Walten,W.E.S.M.Compton,JD.AllanandR.E,Danie[s Can.j.Zool.. 8Hummen, 9Danlels, R. E.W. and D. J. DrAmer.Micl.Natur. Alian Can.J.Fish.Aqua.ScL ll AIIan, J. D. and R. E. Danie]s Marine Bio[ogy l2 Winner, R. W. T. Keeling, R. Yeager and M P. Farrell Freshwater Biology 33 Day, K, and N, K. Kaushik Environmental Pollution 14 Bertram, P. E. and H. A, Hart Environmental Pollution 15 Holman, W. F, and K. j. Macek Transactions of the AmE 10Gentile,J,H.S,M,Gentile,N.G.Nairston,jr,,andB.K.Sullivan Hydrobiologia. l6 Maki, A. W. J.Fish.ResBoard Can,. l7Enserink,E.L.J.LMaas-Diepeveen,andC.J.VanLeeuwen Wat.Res. 18 Ha]bach, V. M. Siebert, M Westermayer and C. Wi$sel Ecotoxico[.Env.Sa£. 19 MarshalL J. S. Ecology. 20 Franeis, P. C. D. W, Grothe and J. C. Scheuring BulL Environ. Contam. l-・. 21 Klass, E., D. W, Rowe and E. J. Massaro Bull. Environ. Contam. T,. 22 Winner, R. W. Envirenmental PoNution 23 Gray, J. B. and R. J. Venti]]a Ambio 24 Van Leeuwen, C. J. E Moberts and G. Niebeek Aquatic Toxicology. 25 Van Leeuwen, C, J. W. J. Luttmer and P. S. Griffioen Ecotoxic61.Env,Saf,. 26 Reish, D. J. anci R. S, Carr Marine Pollution Bul[etin 27 Van Leeuwen, C, J. M. Rij'keboer and G. Niebeek Hydrobiologia. 28 Giga, D. P, and J, Canhao African Entomo]ogy. 29 Chandini, Walsh, G."T". E, Environmental Aquatic Texico[ogy 30 Poilution 31 Krishnan, M. and S, Chockalingam Environmental Pollution. 32 Weinberger, P, and M. S. Rea Environmenta[ and Expei. 33 Longstaff, B, C, and J,MDesmarehelier J,stored Prod,Res,. 34 Nimmo, D, R., L M. Bahner, R, A. Rigby, J. M. Sheppard and A. J. Wilson, Aquatic Toxicology and1. 35 Hatakeyama, S. and H. Shiraishi Water Research. 36 Comber, M. H. I. lr. D. Wi]Iiams and K.M Stewart Water Research 37Ruzycki,E,M.Axler,R.P.Owen,C.J.andMartin,T.B. Env.JI"oxicoLChem.. 38 Hansen, F. V. E. Forbes and T.LForbes Functionai Ecolo. tEl!. l993 l989 1983 1978 1976 l962 1982 i973 I981. l982 l982 1977 1987 1979 l980 l979 l991. l983 1966 3986 1974 1981. 1973 1985 1985 1978 1986 1993 i983 1988 1989 1982 l983 l977 1991. l993 1998 1999.
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