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メディアが児童生徒の飲酒行動に与える影響についての一考察:―テレビの飲酒に関連する描写の内容分析―

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Academic year: 2021

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(1)メディアが児童生徒の飲酒行動に与える影響についての一考察     一テレビの飲酒に関する描写の内容分析一                専  攻 教科・領域教育学専攻                コース 生活・健康・総合内容系コース                学籍番号 M09206D                氏  名 菊地素史. I 目的. ると,飲酒CMは2月の休日の飲酒CM.  わが国の未成年飲酒率は,勝野らが 2006年に行った調査によると,高校生男 子の生涯の飲酒経験率は70%,女子では 68%と高い値を示している。また,年間 飲酒経験率でも男子は55%,女子では 56%と,全体の半数以上が1年間に飲酒 を行っている。飲酒は薬物乱用へのケイ トウェイドラッグの一つであると指摘さ れていることから,児童生徒の飲酒行動 を促進する要因について把握することは. 数は平日の2倍以上であった。5月では, 週末になるにつれて増えていったものの, 金曜目以外では2月と同様に休日が平目 の2倍以上の結果を示していた。時間別. 重要である。. 飲酒CMがみられた。ジャンル別では, 平日では約80%程度の飲酒CMをバラエ.  児童生徒の飲酒行動を促進する関連要 因は多くあるものの,わが国ではメディ アでの飲酒に関わる描写と児童生徒の飲 酒に関する意識についての関連性をみた 先行研究は数少ない。本研究では,わが 国のテレビにおける飲酒描写の量や,そ の描写の内容や飲酒に関するCMについ ての実態を明らかにし,児童生徒の飲酒 行動に影響を与える環境要因に関する基 礎資料とすることを目的とした。 II 方法.  対象チャンネルは,民間テレビ主要5 局(関西テレビ,テレビ大阪,毎日放送,. ABC放送,読売放送)で,児童生徒が視. にみると,平目では,18時から飲酒CM が流れており,18時から21時まではあ まり多くはみられなかったが,22時から ○時までは多くの飲酒CMがみられた。. 休日では,12時から飲酒CMが流れてお り,平日と同じように遅い時間で多くの. ティ,社会・報道が占めていた。また,. 飲酒CMの出現頻度を時間間隔で表す (放映時間/飲酒CM数)と,バラエティ,. 社会・報道の他に,スポーツでも高い頻 度が見られた。スポーツ番組は放映時間 が短いものの,スポンサーが酒造メーカ ーであることにより,高くなったと考え られた。.  飲酒CMに関して,2002年に谷畑らが 行った先行研究との比較を行った。比較 の際には,テレビ局,時間,ジャンルの 振分け,酒の種類について,両研究の違 いを調整し,検討した。比較対象として. 聴可能な時間帯(平目6:00∼8:30,15:OO. は,先行研究の7月,8月,11月(すべ. ∼1:30休日6:OO∼1:30)を録画した。. て7日分)と本研究の5月 (7日分)と. 録画実施期間は2月の平目2目,休日1. した。. 日の3日間(合計13,650分)と,5月の平. 目5目,休日2日の7日間(合計31,200 分)を用いた。分析方法は,飲酒CMに 関しては,量的な分析を行い,テレビ番.  先行研究では,7月は944本,11月で は1130本と本研究よりも飲酒CMは多. 組内に関しては,内容分析手法を用いた。 皿 結果. かったが,8月に関しては800本であり, 本研究と大きく変わることはなかった。 2002年以降に日本ビール酒造組合等が新 たに自主規制を行ったことにより,飲酒. ①飲酒CMの分析結果. CMの放映時間は規制された。先行研究.  飲酒CMは,2月は329本,5月は754. では,数は少ないものの,朝や昼の時間. 本の飲酒CMが抽出された。曜日別にみ. 一396一.

(2) 帯でも飲酒CMが放映されていたが,現 在ではみられなかった。しかし,飲酒CM の多い時間帯は,2002年の結果と本研究 で得られた結果のいずれも22時からO時 であった。ジャンルに関しても,先行研 究と本研究で多い傾向にあるジャンルは 社会・報道とバラエティであり,傾向は 変わっていなかった。 ②テレビ番組内の飲酒シーンの分析結. マでは女性よりも男性の飲酒行動が多く みられた。. w 考察  本研究の結果,飲酒CMに関しては, 2002年の先行研究と比較しても,飲酒 CMの傾向は大きくは変わってはなかっ た。児童生徒がテレビを視聴する時間帯. でも,飲酒CMが多く放映されているこ.  果.  テレビ番組内の飲酒シーンは,2月で. とがわかった。また,テレビ番組内の飲 酒シーンに関しても,子どもが好むジャ ンルでの描写が多く,特にドラマでの描. は317本,5月では733本,合計1050本. 写が多くみられた。. 抽出された。飲酒シーンは,2月では平 日より休日で多かったが,5月では平目 が休日よりも多い日があった。時間帯別 では,飲酒シーンはどの時間帯にもみら れ,飲酒CMとは異なっていた。しかし, ジャンノレに関しては,2月と5月ともに バラエティ,ドラマで多く,出現頻度を みても,ドラマは2月では,22.O分に一 回,5月では20.9分に一回,飲酒シーン が流れている結果となり,他のジャンル.  メディアでの飲酒描写については,海 外で次のように報告されている。飲酒描 写は,①たばこや薬物と異なり,ごく日 常に存在し,②不特定多数の目につきや すく,耳に入れやすいタイミングで伝達 され,③青少年が好むジャンルには多く 含まれ,④魅力的なキャラクターを飲酒 者として描き,⑤魅力的なライフスタイ ルの象徴として描かれ,⑥ネガティブな 描写がほとんどない,としている。こう したメディアでの飲酒描写の特徴は,本 研究の結果において,わが国でも似た状. に比べて高かった。こうしたことから, テレビ番組内の飲酒シーンに関しては, ジャンル別を中心にみていくこととした。  飲酒シーンの分類を行った結果,飲酒 ありシーンや飲酒予測シーン,関連行動 シーンを多く描写しているのは,バラエ ティ,ドラマであり,飲酒ありシーンに 関しては,半分近くがドラマで描写され ていた。関連語シーンに関しては,ドラ マでの描写は少なく,バラエティ,趣味・ 暮らしで多かった。これらのシーンが描 写された場所は,飲み屋やスタジオが多 かったものの,ドラマに関しては,家で の描写も多くみられた。  描写された人物に関しては,男性より も女性が飲酒シーンに多くかかわってお. り,年代では20歳代から50歳代が多か った。職種別では,お笑い芸人,役者, 一般人の描写が多かった。  飲酒ありシーンや,飲酒予測シ」ンに 該当した飲酒行動を行った人物をジャン ル別に分析した。その結果,バラエティ や趣味・暮らしては,性別による割合の 違いは大きくはみられなかったが,ドラ. 一397一. 況である考えられた。.  また,本研究の結果,メディアで描写 されている飲酒描写の実態をとらえたも のであり,児童生徒の飲酒描写への暴露 により,飲酒に対する意識や行動のみる ことはできなかった。今後は,児童生徒 の飲酒行動とメディアとの直接的な影響 をみていくことが必要である。. V 結論  本研究より,テレビでの飲酒描写は, わが国ではありふれており,それは飲酒. CMでも,テレビ番組内の飲酒シ]ンで も同じであった。このようなことから,. 児童生徒が飲酒CMやテレビ番組内の飲 酒シーンにより,飲酒シーンに対する意 識を高めたりしないように,わが国でも 情報を読み解く能力(リテラシー)教育 が必要であると言える。. 主任指導教員 松村京子. 指導教員鬼頭英明.

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