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女子バレーボールに関する統計的分析

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Academic year: 2021

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女子バレーボールに関する統計的分析

2011SE301山本雄大 指導教員:松田眞一

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はじめに

私は高校時代に3年間ではあるが,バレーボールを部活 動でやっており,ポジションはリベロとして活動していた. バレーボールは身長が高い人だけが活躍するのではなく, 身長が低くても守備に特化したリベロというポジションが 試合にどれほどの影響を及ぼすのか興味を持ち,統計的方 法を使おうと思ったのが本研究の動機である.またそれと 同時にリベロというポジションが正式採用される前に過去 の先輩の研究で女子バレーボールについての統計的分析の 結果があるため,比較することで,よりリベロの有用性に ついて研究できると考えた.さらに全ポジションの選手も 解析することにより勝てるチームの特徴を見出していくの が主な目的である.

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データについて

本研究では,2013年女子Vプレミアリーグに出場して いた主要選手を対象にした.ここでいう主要選手とは,レ ギュラーラウンドである全28試合のうち,20試合以上 に出場している選手のことをいう.その結果,2013年V リーグ出場全選手144人のうち98人の選手を対象にした.

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分析方法

使用した分析方法は主成分分析,クラスター分析である. (上田[1],上田[2],マクロミル[7]参照)

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主成分分析

各選手をポジションごとにウイングスパイカー,ミドル ブロッカー,セッター,リベロ(以下,WS,MB,S,L と表記)分け,相関係数行列に基づく主成分分析,クラス ター分析を行った.また,単位が異なるため標準化を行 い,WS,MBについては累積寄与率が80%前後である第 4主成分までを行った(S,Lについては第3主成分まで). 使用した変数は出場試合数,出場セット数,スパイクの打 数,得点,失点,決定率,バックアタックの打数,得点,失 点,決定率,1セットあたりのアタック決定本数,ブロッ ク得点,1セットあたりのブロック決定本数,サーブの打 数,ノータッチ本数,サービスエース本数,効果数,効果 率,サーブレシーブの本数,成功数,成功率,サーブ失点, 得点合計の23個であり,各ポジション毎に必要な変数を 抜粋して行う.本紙では,紙面の都合上Lについてのみの 分析結果を載せることとする. 4.1 Lについて 第3主成分までの累積寄与率 85.50% 第1主成分 (寄与率52.06%) サーブの打数,サービスエースの本数,サーブの効果数, サーブの効果率で正の値を大きくとり,サーブレシーブの 成功数,サーブレシーブの本数,出場セット数で負の値を 大きくとっていることから,「リベロの中でもサーブが得 意な選手,またはサーブレシーブが得意な選手」の軸であ ると考えられる.しかし,ここで疑問に思うのが,リベロ はルール上サーブを打つことができない.それにも関わら ずサーブを打っているということは,その選手はサーブを 打った試合ではリベロとしてではなく,ピンチサーバーと して試合に出場していたと考えられる.その証拠にサーブ を打っているチームのリベロは2人おり,リベロが1人し かいないチームのリベロはサーブを打っていない.このこ とから,リベロが2人にいるチームは,1人がリベロとし て出場するときは,もう1人はピンチサーバーとして待機 して,機会があるときにピンチサーバーとして出場すると いうことが考えられる. 第2主成分 (寄与率21.66%) 全ての値が負の値であり,その中でもサーブレシーブ成功 率,出場セット数,サーブレシーブの本数,サーブレシー ブの成功数の値が大きかったことから,「サーブレシーブ に焦点を当てた総合力の高さ」を表している軸であると考 えられる. 第3主成分 (寄与率11.77%) 出場試合数で正の値を非常に大きくとり,サービスエース の本数,サーブの打数で負の値をとったことから,「試合に フル出場しているかどうか」という軸であると考えられる. 次に,下図1はリベロの第2主成分と第3主成分のプ ロット図であり,ここからリベロについてさらに深く分析 していく. -2 -1 0 1 2 3 4 -2 -1 0 1 p$scores[, 2] p$scores[, 3] 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 図1 リベロについて第2,第3主成分プロット図 第2主成分と第3主成分のプロット図を選んだ理由は,

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第1主成分は寄与率は高いものの,サーブの得意不得意を 表す軸であったからである.本来,リベロというポジショ ンは,サーブを含め,スパイク,ブロックに参加することは できない.純粋なリベロとしての能力を知るためにはサー ブの得意不得意は必要ないことから第1主成分は敢えて飛 ばした.そして,図1を読み取っていくと,左に行けば行 くほど総合力が高く,縦軸の0より上にプロットされてい る選手はフル出場している選手,0より下にプロットされ ている選手はフル出場していない選手である.例えば,7. 林は左上にプロットがあることから,総合能力が高くフル 出場している選手であることが分かる.また,13.斎田は 右上にプロットがあることから,試合に出場はしているも のの,リベロとしての能力は高くない選手,つまり,チー ムの2番手のリベロであることが読み取れる.

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クラスター分析

能力が近い選手を分類するために,主成分分析と同様に ポジションごとにわけ,標準化しウォード法でのクラス ター分析を行った.ここでも紙面の都合上,MBの結果の み載せることとする.図2のデンドログラムは左から大き く3つの群に分け,第3群をさらに2つに分けた. 引地 舞 石橋 里紗 川島 里華 服部 梨花 ト部 里奈 衛藤 智美 水田 裕未 奥村 麻依 パオリーニ ローレン 石川 友紀 島村 春世 平松 美有紀 関 李香 矢野 美子 宮田 由佳里 川島 亜依美 伊藤 望 山口 舞 香野 晶子 平井 香菜子 岩坂 名奈 二見 梓 大野 果奈 森谷 史佳 0 5 10 15 20 25 30 Cluster Dendrogram hclust (*, "ward") dx Height 図2 ミドルブロッカーについてのデンドログラム 第1群 試合に出ててはいるものの,プレーに参加して いない選手,つまり補欠の選手たちの群である. 第2群 スパイクの得点能力が非常に高く,ブロックも 得意な選手の群である. 第3A群 スパイク,サーブ,ブロックと全ての項目で 平均的に活躍している選手の群である. 第3B群 スパイク,サーブをよく打ち,ブロックが非 常に得意な選手の群である.また,本数自体はそんなに多 くないもののサーブレシーブも得意としている.全体的に 優れているので,イメージ的には第3A群の選手を一段階 強くした選手の群である.

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まとめ

まず,過去の先輩の研究結果については,スパイクや バックアタックによる攻撃を重視したチームが強かったと から,サーブレシーブなどを重視した守備型のチームより も攻撃型のチームが勝てるチームであるという結果となっ た.そこで,本研究での勝てるチームの特徴については 2013年女子Vプレミアリーグで圧勝した久光製薬の選手 の特徴をまとめることで考察する.まず,リベロについて は図1の10.筒井を見ると試合にフル出場しており,かつ 総合力も高いことから強いチームはリベロを効果的に起用 していることが分かる.次にMBについては,図2のデン ドログラムで第4群に主要選手が集まっていたことから, スパイクが得意な第2群よりもブロックやサーブレシーブ が得意な選手が集まっている方が試合に勝てるということ が分かった.そしてリベロの有用性については,ほとんど のチームでリベロを試合で使っており,強いチームほどレ シーバーとして効果的にリベロを活用していたこと,そし てルール上6回という交代制限を無視してコートを自由に 出入りできるというルールにより監督の指示がスムーズに 伝えやすく司令塔としての役目もできることからリベロの 有用性はあると考えられる.以上の事から強いチームは守 備を重視したチームであることが分かった.

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おわりに

本研究を通じて現代の女子バレーボールについて,サー ブレシーブやスパイクレシーブをしっかりとセッターに繋 げたり,ブロックにより相手のスパイクをより高確率で防 ぐといったできるだけ失点を抑える守備型のチームが勝て るチームということが分かった.つまり過去の先輩の研究 結果との比較から攻撃型のバレーから守備型のバレーにシ フトしたことが分かったので,また時が経ったときに戦い 方がどう変わったのかを再び分析していきたい.

参考文献

[1] 上田尚一:『クラスター分析』.講座情報を読む統計学, 7 (2003), pp. 37–40,75–78. [2] 上田尚一:『主成分分析』.講座情報を読む統計学,8 (2003), pp. 11–18,27–29. [3] ゴ ー ガ:『 ス ポ ー ツ 辞 典 』:http://s-words.net/ (2014/12/20). [4] 園田政彰:『Vリーグチームの統計的分析』,南山大学  経営学部 情報管理学科 卒業論文(1998) [5] 日本バレーボール機構:『バレーボール  Vリーグ  オフィシャルサイト』: http://www.vleague.or.jp/ (2014/10/21). [6] 日 本 バ レ ー ボ ー ル 協 会:『 世 界 ラ ン キ ン グ JVA 日 本 バ レ ー ボ ー ル 協 会 』: http://www.jva.or.jp/worldranking/ (2014/12/27). [7] マ ク ロ ミ ル:『 主 成 分 分 析 と は 』: http://www. macromill.com/landing/words/b007.html (2014/10/14).

参照

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