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[総説]Dihydrobiopterin による内皮型一酸化窒素合成酵素機能障害: 沖縄地域学リポジトリ

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(1)Title. [総説]Dihydrobiopterin による内皮型一酸化窒素合成酵素 機能障害. Author(s). 野口, 克彦; 濱舘, 直史; 松﨑, 俊博; 坂梨, まゆ子; 仲宗根, 淳子; 内田, 太郎; 新垣, 久美子; 久保田, 陽秋; 石内, 勝吾; 益崎, 裕章; 須加原, 一博; 大屋, 祐輔; 坂梨, 又郎; 筒井, 正 人. Citation. Issue Date. URL. Rights. 琉球医学会誌 = Ryukyu Medical Journal, 32(1・2): 7-12. 2013. http://hdl.handle.net/20.500.12001/17582. 琉球医学会.

(2)  .

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(4). .     .

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(6) 

(7)  野口 克彦1), 濱舘 直史1), 松 俊博1), 坂梨 まゆ子1), 仲宗根 淳子1), 内田 太郎1), 新垣 久美子2), 久保田 陽秋3), 石内 勝吾4), 益崎 裕章5), 須加原 一博3), 大屋 祐輔2), 坂梨 又郎1), 筒井 正人1) 1). 琉球大学大学院医学研究科薬理学, 2)循環器・腎臓・神経内科学, 麻酔科学, 4)脳神経外科学, 5)内分泌代謝・血液・膠原病内科学. 3). (年2月日受付, 年4月9日受理).     

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(186)    

(187)    .  . . . 一酸化窒素 () は, 内皮由来血管弛緩因子として だけでなく, 生体の恒常性維持や病態で大変重要な役割 をもつことが知られているシグナル分子である. 内因性  を 産 生 す る  合 成 酵 素 は , 基 質 で あ る   . を, 中間体である 

(188)      . を 経て, 酸化することによって .    . とともに  を生成する. 内皮型 合成酵素 ( ) の構造と機能を示した 模式図 ( ) にあるとおり,  合成酵素は, .    . と  .  . からなるホ モダイマーを形成しており, .    . からの 電子を  .  . のヘムに運ぶことによって   . を活性化し, を生成する. この 合 成酵素の本来の機能である 生成には,     で ある .   

(189)   . . ( )の存在が必須である. ところが, 高脂血症・糖尿病・喫煙などの酸化ストレス を伴う心血管疾患や生活習慣では,  が減少してい ることが報告されている1). そのような状態 ( 不足 の状態) では, は   . を酸化することが できずに, 本来生成すべき の代わりに活性酸素で あるスーパーオキサイドを産生してしまう2). つまりこ のような状況下では 合成酵素は, スーパーオキサ イド産生酵素として機能することになる. これを  の   . と呼び, これら病態における血管内皮機 能障害の重要な機序のひとつとされている ( ). すなわち,  の不足は    . を引き起 こすと考えられている. 合成酵素の必須     である  は, プテリ ジン骨格内の!, ", #, $位の 箇所が水素化された構造 を持っているが,  が酸化されるとプテリジン骨格 の!, "位の水素が取れ, #% $ 

(190)   . . (&) となる ( &). 糖尿病・高血圧症などの心血管疾患 では,  の酸化型である 

(191)   . . (&).           

(192)  .   

(193) 

(194)  

(195)  

(196).        .         .  

(197)    . が増加することが観察されている3,4). しかし, これま で生体位における &の役割についてはほとんど調べ られていない. そこで, 私たちは, &自体の作用について明らか にするため,  生合成経路 ( ') の   ( 経 路にあって &の前駆物質である .  . . と, 細 胞内で &から  への変換を行う 

(198)    . .    ()*) の 選 択 的 阻 害 薬  

(199)  . . (+,-) を併用した. これにより, 生体内 &レベル を増加させ, このときの内皮機能への影響を調べ, さら に今回はその機序についての検討の結果を併せて紹介す る..  "

(200)    )# %# *# +     

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(211) 野口. . 克彦. . 実験には, 体重 の雄性 .

(212) 系ラットを 使用した.  (   ), またはその溶媒で あ る  ( )   は ,.  

(213)  .  (     ) の時間前に投与し,.  

(214)  . 投与後 の影響を調べた. 溶媒のみを投与した !. !群,  の み を 投 与 し た  単 独 群 ,  と.  

(215)  . をともに投与した併用群の群で検討した. なお, 本研究の動物実験計画は, 琉球大学動物実験委員 会の承認を得ており, 「動物実験の適正な実施に向けた ガイドライン」 に準じて実施された. [測定]摘出した胸部大動脈の組織中 含量を, "##. $ 

(216) % & '! (()*)5) の方法に準じ + を用いて測定した. 量は, 酸性条件下でのヨウ素 酸化反応による , ! . 量 ( !

(217) , ! .  -  . . , ! . ) とアルカリ条件下でのヨウ素酸 化反応による , ! . 量 (., ! . ) との差 から算出した. なお, 生体中の , ! . 量は, 無視で きるほど微量であることからアルカリ条件下での値を  量とした6). [血行動態の測定]ラットをペントバルビタール麻酔後, 大動脈圧 () を頸動脈に挿入したカテーテルを介し て圧トランスデューサにより, 大腿動脈血流量 ("") を超音波血流計によりそれぞれ測定した. 大腿部血管抵 抗は次式により算出した: ("/0 -

(218) "").  

(219)  . 投与後分以降に, 内皮依存性血管拡張薬 である

(220) 1 . 2 1 $!. (3 $)と内皮非依存性血管拡張 薬 (&4放出薬) である. !5 # . ! #. 5の静注 による降圧反応と末梢血管抵抗の反応を調べた. [摘出大動脈実験]エーテル麻酔下に摘出した大動脈か らリング標本を作製し, 6  ,.   .   . 液 (℃, )7 4.7 4) 中に懸垂した後, 等尺性張力変化を 記録した. $ 2  $. ((8 ) による拘縮に対す る 3 $ (() ∼( ) , あ る い は. !5 #  ( . ! #. 5(( ∼( ) の弛緩反応を調べた. [スーパーオキサイド産生の測定]胸部大動脈リング標 本をμ  #1.   を含んだ 6  ,.  99 液中に おき, 誘発された化学発光を,  # !. . (  +#

(221) +)8)により測定した. [ウエスタンブロッティング]液体窒素で凍結した胸部 大動脈をガラスホモジナイザーでホモジナイズし, 遠心 後上清 (μ  ! . ) を分析に使用した. 一次抗体 は, 次のものを使用した.  &4 (: 

(222) . 5#1. ! (( +

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(224) !. . ) , $!. $! 2

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(234) !. . ), およびβ

(235) 1. (3. $

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(237) . $1

(238)  ). [統計]用量反応データは, 反復測定分散分析で行い, 多群間の比較は一元配置分散分析と :#. の !. . . ほか. $!1 . で行った. 対応のない群の比較は, #

(239) .  5  #5  <.  . . で行った. 統計学的有意さの水準は, = とした. すべてのデータは, 平均値±9で表し た.. . . 大動脈中の , の含量を + 法で測定し各 群で比較したところ (" ), .  

(240)  . 併 用群では, 含量の変化を伴わずに, の含量は, 対照群の*  倍の著明な増加を示した (= (). しかし, 含量には, 各群間で有意の差は認められなかった. 比は, .  

(241)  . 併用群で著明に低 下し (= (), 単独群でも有意の減少が認めら れた (= (). 各群のベースラインの血圧は, .  

(242)  . 併 用群でのみ, 対照群に比べ軽度ながら有意の血圧上昇が 認められた. また, 血圧は, 含量が増加すればす るほど上昇することを示していたが, 含量と血圧 との間には, 有意の相関はみられなかった. 内皮依存性血管拡張薬の 3 $による降圧反応と血管 拡張反応は, 単独群では有意の影響はみられなかっ た が , .  

(243)  . 併 用 群 で は , 有 意 の 減 弱 (= ) が認められ, 内皮機能障害を生じていること を示した (" ). 一方, 内皮非依存性血管拡張薬の . ! #. 5による反応にはどちらの群にも有意の影 響はみられなかったことから, &4による血管拡張能自 体には差がないと考えられた. さらに, 摘出大動脈標本 を用いた検討でも,   !での結果と同様に, 併用群 で 3 $に よ る 血 管 弛 緩 反 応 に 有 意 の 選 択 的 減 弱 (= ) がみられたが, . ! #. 5による血管弛 緩反応には有意の影響はみられなかった (" 8). こ れらの結果から, 血管内 の増加は, 内皮機能障害 を引き起こすことが示唆された..    

(244).  

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(279) . つぎに, #$%の増加がどのようにして   の   !. "を引き起こすのかを調べるため,  の活 性調節に影響するリン酸化状態をウエスタンブロッティ ング法で検討した (& "').  の活性亢進を引き 起こす  のリン酸化部位である 

(280) ((''のリン酸 化は, 併用群で抑制傾向がみられ, 逆に  活性を 抑制するリン酸化部位の 

(281) )*のリン酸化は増加傾向  )*) は併用 がみられ, これらの比 (  ((''+ 群で対照群に比べ有意の減少を示した (   ). この ことから, #$%による  の活性障害の機序として, リン酸化状態の変化が関与する可能性が示唆された..      . 

(282). 

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(296). 併用群でみられた による摘 出大動脈標本での血管弛緩反応の減弱は, スーパーオキ サイド消去剤の  

(297)    .  処置により有 意に改善され ( ),    .  

(298). 処置によ る内皮機能障害にスーパーオキサイドが関与することが 示唆された. そこで, 大動脈内スーパーオキサイド産生 量を化学発光法で測定したところ, 併用群では, コント ロール群に比べ有意のスーパーオキサイド産生亢進が認 められた ( ). このスーパーオキサイド産生は, 合成酵素阻害薬の  で抑制されたことから,  由来であること, すなわち    .  

(299). 併 用群の  は  !. "状態であることが示唆さ れた.. . 今回の研究で私達は,  の必須 ,. 

(300) である #$)生合成の . ! - "経路 (& ". ) において細胞内 で #$%を経て #$)を生成する   .  

(301). , および  /

(302) , !. 

(303)   .   (0$&1) の選択的阻害薬 . 

(304)  . () を併用することによって, 細 胞内 #$)の変化を伴わずに #$%のみを増加させること に成功した. その結果, 短期間の細胞内 #$%増加それ 自体で #$)レベルと無関係に, おそらく  の   !. "を介して内皮機能不全が引き起こされること を - -で見出した. 従来,    !. "は, #$)が不足したときに生じると考えられてきた. しか し, 今回私たちは, #$%の増加が起こると, #$)の不 足がなくても,    !. "が起こる可能性のあ ることを示した. このことは,    !. "の, すなわち  活性調節の, 新たな機序を示唆するも のである. 本研究と同様に, これまでの酸化ストレスが関与する とされている種々の病態モデル, 例えば高フラクトース 食負荷による%型糖尿病モデルラット3), 自然発症肥満%.

(305) 野口. 克彦. 型糖尿病モデルである マウス7), 食塩感受 性高血圧ラット8), ヒツジの肺高血圧モデル9), 肥満 型糖尿病モデルラットである

(306)     

(307)    ラット)で, 血管内  含量の増加とスーパーオキサ イド産生亢進が報告されている. 従来, これら病態でみ られた血管内皮細胞機能障害の機序として, の相 対的不足, すなわち  比の減少による   

(308)    のためと説明されてきた. しかし, 著者ら の以前の研究 )で,  機能障害と  比の 減少とは必ずしも関連せず, むしろ血管内  含量の 増加と関連することを示した. また, 今回の実験でも, !"#単独群で   比の明らかな減少にも関わら ず 機能には全く影響がみられなかった. このこ とは, これら病態でも血管内皮細胞機能不全の原因に   の増加自体が関与する可能性を示唆するものである. 著者らは, 今回の研究で, 内因性の  を増加させ るために $の選択的阻害薬 !"#を使用して  生合成経路の %  &経路を抑制したが, $活性 や発現量の減少がアンギオテンシン負荷')や心臓の虚血 再灌流時)に起こることが報告されている. このような 状況に,  を増加させるような酸化ストレスが加わ れば, 今回の実験と同様な状態が起こりうることを示唆 している. 最近, %  &経路, とくに $の活性 が 機能障害の決定因子として重要であることが いくつかの   &   の実験で指摘されている'()). 本 研究では, !"#単独群では, 含量と内皮機能に影 響がみられなかったことから, 少なくとも今回用いた投 与量の !"# を投与された健常ラットでは,  機 能調節における %  &経路の役割は大きくないと思 われた. しかし, 糖尿病や高血圧, 動脈硬化などの病態 では, $の寄与が増大することが予想される. 今 後, !"# 活性の阻害や  の増加による短期的な影 響だけでなく, これら病態の動物モデルを用いて長期間 にわたる影響を明らかにすることが必要かもしれない. 今回の検討で, 血管内  含量の増加は  のリ ン酸化状態に有意の影響を与えることが明らかとなった. 同様に, 細胞内  含量の増加が  の   )の脱 リン酸化を引き起こし,  による 産生抑制と 活性酸素生成を生じるという観察が, 培養血管内皮細胞 で報告されている)). しかし, どのような分子機構で   が  リン酸化に影響するのかについては不明で ある. したがって,  リン酸化に影響することが知 られている分子種 (ホスファチジルイノシトール'* キナー ゼ+  , プロテインキナーゼ ,, プロテインキナーゼ +, +!-活性化キナーゼ, カルモジュリンキナーゼⅡ など) の発現状態について今後調べることが必要と思わ れる. さらに,  活性調節の分子機序は, 転写調節 と転写後調節に分けられるが, 転写後調節に関わる要素 だけでも,  の 細 胞 内 局 在 , 細 胞 内 , + *

(309)  .   結合, * ニトロシル化,

(310) &   * ・. . ほか. . ・分子シャペロンであるヒートショックプロテイン % /・0たんぱく質共役受容体等の   % % 

(311)  *        などがリン酸化以外にも知られており多 岐にわたる.  の  活性調節における詳細な役 割を明らかにするためには, これら要素に対する検討も 今後の課題と考えられる.. . . 本研究の結果から,  の血管内含量の増加は, そ れ自体で,  & &における  機能障害を引き起こ すこと. そして, その機序として, おそらく  の 

(312)    の関与が示唆された1).. . . 本研究は, 2-科研費 (/' の助成を受けたも のである.. . . 1)  %    . 34 !5  "4 67        

(313) 8 %  %  &%

(314)   %  %  69  . . &  . 

(315)  4, 

(316)    4'6 1:* 1 )4 2) ;% <  5 * ; & 24 =  . 4 !  %  -4  4 !%    %4 4 =   4 "  -4  -  

(317)   =4 +4 2 4 6    8                  

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参照

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