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<臨床研究>小児開心術の質的向上を目指した術中経食道エコーモニターの有用性 利用統計を見る

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小児開心術の質的向上を目指した

術中経食道エコーモニターの有用性

吉 井 新 平,鈴 木 章 司,保 坂   茂,

高 橋   渉,大 澤   宏,福 田 尚 司,

重亜喜,A. サ ミ ュ エ ル,多 田 祐 輔

山梨医科大学 第二外科学教室 抄 録:我々は 1991 年に術後肺静脈狭窄解除に際しての術中経食道エコー法の有用性を報告, 1995 年から小児開心術に本法のルーチン化を試みた。今回その有用性につき検討した。対象とし て 1995 年 4 月より症例を選んで,1996 年より体重 5 kg 以上は原則全例とし,以後 1999 年 6 月まで 施行した 99 例。年齢は 4 カ月∼ 17 歳,最低体重 5.3 kg。施行は手術進行の妨げにならないよう簡 易に行った。術前後の観察は外科医が,術中は麻酔科医,小児科医の協力も得た。5.3 kg 児で挿入 後右橈骨動脈圧波形が鈍ったため観察後抜去にて回復,原因に右鎖骨下動脈起始異常があった。他 に合併症はなかった。心内空気の有無,各種心内ラインの確認は全例で観察できた。心室中隔欠損 例ではそのタイプ,合併異常の有無,術後パッチの位置や漏れの有無などが観察可能,他の疾患で も同様に術前の詳細な観察と術直後の完成度評価が可能であった。2 例で心房分割術後にエコー上, 心室流入路狭窄を確認,再手術した。最近 9 年間の 4 カ月以上の症例は本法の有無に拘らず全例軽 快退院しているが,再手術例では病態認識がなければ手術死した可能性があり,成績向上に寄与し ている可能性は大きい。今後新生児にも使用可能な機種の導入が望まれる。 キーワード 経食道エコーモニター,小児開心術,術中モニター はじめに 先天性心疾患に対する開心術の安全性は近年 飛躍的に向上してきた。我々も生後 4 カ月以上 の症例に限ってみれば,1990 年 7 月以降今日 まで 9 年間に渡り手術死亡,入院死亡なく手術 が行なえている。これには術前・術中・術後を 通しての総合的な進歩に支えられた結果である ことは論を待たない。一方 3 カ月以下の新生児 や乳児期早期については,種々な危険因子があ り,成績は同様とは言えないが,最近確実に向 上しているところである1) この 3 カ月を境にした両群成績の差の重要な 因子の一つに術中の経食道エコーによるモニタ ーの有無があると思われる。小児の開心術中経 食道エコー法は 1986 年ころより成人用が試用 され2),小児用プローブの開発とともに3)1991 年頃より報告されるようになった4,5)。我々も 1991 年総肺静脈還流異常症術後の肺静脈狭窄 解除に際しての術中経食道エコー法の有用性を 報告した6)。その後 1995 年に中央検査部に, 1996 年に手術部に経食道エコーが可能な装置 が導入された。そこで体重 5 kg 以上を施行の 〒 409-3898 山梨県中巨摩郡玉穂町下河東 1110 受付: 1999 年 7 月 28 日 受理: 1999 年 8 月 11 日

臨床研究

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目安として小児開心術の安全性および質的向上 を目指し,術中経食道エコー法のルーチン化を 試みてきた。今回その有用性,合併症につき検 討した。 対  象 1995 年 4 月より症例を選んで,1996 年 1 月 より体重 5.0 kg 以上は原則全例に施行,以後 1999 年 6 月までに施行した 99 例を対象とした。 年齢は 4 カ月から 17 歳,最低体重 5.3 kg,乳児 23 例,幼児 49 例,学童 27 例であった。疾患は 心室中隔欠損症(VSD と略す,以下同じ)お よびこれになんらかの合併異常を伴ったもの (VSD +α)36 例,心房中隔欠損症(ASD)お よびこれになんらかの合併異常を伴ったもの (ASD +α)28 例,単心室(SV)およびこれに 何らかの合併異常を伴ったもの(SV +α)に対 する右心バイパス手術 9 例およびその他の手術 3 例,計 12 例,ファロー四徴症または肺動脈 閉鎖を伴うファロー四徴症(TOF/PA)11 例, 心内膜床欠損症(AVSD)4 例,拡張型心筋症 (DCM)2 例,左室流出路狭窄(LVOTO)2 例, 総 肺 静 脈 還 流 異 常 症 術 後 肺 静 脈 狭 窄 (TAPVR,PVO)1 例,先天性僧帽弁閉鎖不全症 (MR)1 例,右室二腔症(2CRV)1 例,左冠状 動 脈 肺 動 脈 起 始 症 + 僧 帽 弁 閉 鎖 不 全 症 (BWG + MR)1 例であった。表 1 に対象症例 の疾患と年齢分布を示した。 当初,右鎖骨下動脈起始異常と診断された例 では食道の狭窄や動脈圧迫が危惧されることか ら,また食道周囲に側副血行が発達していると 思われる症例は挿入に伴う出血が危惧されるこ とから適応外としたが,結果的には適応外とし た症例は 1 例のみであった。 方  法 使 用 し た 心 エ コ ー 装 置 は 1 9 9 5 年 か ら Hewlett-Packard 社 製 sonos 1500 と プ ロ ー ブ 21365A(シャフト径 6.5 mm 5 MHz シングルプ レーン),1996 年からは Aloka 社製 SSD 2000 とプローブ UST-5271S-5(シャフト径 6.8 mm 5 MHz バイプレーン)を使用した。施行に際 し,麻酔や手術進行の妨げにならないように簡 易に行なうことを原則とした。全身麻酔,気管 内挿管後,胃管により胃内容を吸引し胃管を抜 去,当初喉頭鏡使用下に直視下に食道へ挿入し た。最近は喉頭鏡なしにて挿入可能となった。 挿入を安全に行なうために,施行する術者が気 管内挿管された際の咽頭,喉頭の解剖と気管チ ューブの走行を充分理解していること,経食道 表 1.小児開心術における経食道エコー施行症例の内訳(1995.4 月∼ 1999.6 月.手術・入院死亡ともなし) 年齢 4 ∼ 6 ヵ月 ∼ 1 歳 1 歳 2 歳 3 歳 4 ∼ 5 歳 6 歳以上 計 疾患 VSD +α 6 9 5 4 4 2 6 36 ASD +α 1 1 5 2 6 13 28 SV +α 1 1 1 5 4 12 TOF/PA 3 5 1 2 11 AVSD 1 1 2 4 DCM 1 1 2 LVOTO 1 1 2 TAPVR,PVO 1 1 MR 1 1 2CRV 1 1 BWG + MR 1 1 9 14 12 15 8 14 27 99 *疾患の略号は本文参照

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エコープローブの取り扱いに慣れること,決し て強く押さないこと,および挿入操作中エコー 画像をモニターすることなどを徹底した。以上 の術中の経食道エコー施行については,1992 年に発表された一般的な小児の経食道エコーに 関するガイドライン7)に沿ったものであった。 術前後の観察は外科医中心に行なったが,術 中や体外循環離脱時の観察は麻酔科医,小児科 医の協力も得た。画像は通常の断層像(横断, 縦断像)を主として解剖学的関係を観察し,さ らにカラーフロー像で狭窄や逆流,シャントや 遺残短絡を観察した。時にドップラー像で圧較 差の推定,また M ―モードで壁の動きなどを観 察した。手術終了時気管チューブに気をつけて 抜去した。観察所見はビデオテープに記録し た。 結  果 機種により画像に差があるが,全例で観察可 能 で , 情 報 は 横 断 像 で ほ ぼ 充 分 で あ っ た 。 5.3 kg 児で挿入後右橈骨動脈圧波形が鈍ったた め観察後抜去にて動脈圧波形は回復した。術後 に再検討したところ,右鎖骨下動脈起始異常を 見落としていた。その他に合併症はなかった。 疾患に拘らず観察できたのは心内の空気の有 無,左房圧ラインや心内カテーテルの位置の確 認などであった。なお,最近は麻酔科医による 内頚静脈穿刺法での心内カテーテル用シースの 留置に際して,確実に上大静脈に穿刺針が入っ ていることの確認に横断像とともに縦断像も役 立てられるようになった。 各疾患別に主な観察点とその結果を見ると, VSD 例では VSD のタイプ,複数の VSD の有無, 合併する MR や大動脈弁閉鎖不全(AR)の程 度の確認,術直後にはパッチの位置や漏れの有 無,三尖弁閉鎖不全(TR)の有無と程度など が観察できた。ASD では部位や大きさ,部分 肺静脈還流異常(PAPVC)や左上大静脈遺残 (LSVC)の有無などを見た。PAPVC 合併例で は体・肺静脈の心房流入路の狭窄の有無確認が 術直後にできた。SV 群では術直前の解剖学的 所見を確認し,予定術式の妥当性の最終評価を 行なった。TOF/PA 群では特に右室流出路の残 存狭窄や逆流の有無など完成度の評価を試み た。DCM2 例に対する左室縮小形成術に際して は,術前後の心室機能と心室内径の変化,MR の程度の確認等に非常に有用であった8) SV と AVSD の各 1 例で心房分割後にエコー 上,心室流入路の狭窄を確認,再手術した。全 例軽快退院した。再手術した 2 症例の経過を以 下に示す。 【症例 1】11 カ月女児,完全型 AVSD + LSVC の症例で,太い冠状静脈洞は左房側にも大きく 開口していた。このため,自己心膜パッチにて 静脈洞を右房側に還流するようにしたが,経食 道エコー上,左側房室弁上狭窄が生じた。直後 の肺動脈圧が正常であったため,手術を終了し たが,術後急性肺鬱血を生じた。再度の経食道 エコーにてやはり左側房室弁上狭窄が原因と判 明,緊急再手術を施行。左上大静脈結紮,冠状 静脈洞をカットバックしこれを左房に還流する ようにパッチを再縫合した。術中経食道エコー にて左側弁上狭窄の解除が確認され,以後順調 な経過を得た。 【症例 2】2 歳男児,SV +肺動脈狭窄にてフ ォンタン型手術の適応で,右心房壁をロール状 にして下大静脈から肺動脈へのルートを作成し た。体外循環からの離脱が困難で,肺血管抵抗 の変動が主と考えたが,経食道エコー上ロール 状にした残りの心膜で新たに作成した機能的左 心房に空間的余裕がなく,肺静脈から右側房室 弁への血流が障害されていると判断,縫合した 心房壁を再度はずし,ウマ心膜パッチにて充分 な心房壁の補填を行い,心室への流入障害が解 除された。本例はその後 2 度の補助循環や一酸 化窒素吸入療法を必要としたが改善,現在全く 問題なく外来通院している。 考  察 先天性心疾患に対する開心術の安全性は近年

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飛躍的に向上してきた。我々も生後 4 カ月以上 の症例に限ってみれば,1990 年 7 月以降今日 まで 9 年間に渡る 161 例で手術死亡,入院死亡 なく手術が行なわれている(表 2)。これは小 児科医による診断技術,術前管理の向上,麻酔 科医による術中麻酔管理や種々なモニターの能 力の向上,体外循環技師による体外循環装置の 改良や技術の向上,手術手技の向上,さらに ICU や病棟での術後管理の向上など,総合的 な進歩に支えられた結果である。一方 3 カ月以 内の新生児や乳児期早期については,疾患の重 症度と患児の低体重と未熟性に起因する危険因 子があるため,成績は最近確実に向上している ところである1)が必ずしも良好とは言えない。 この 3 カ月を境にした両群の差の重要な部分の 一つに体重がある。我々は術中経食道エコー法 によるモニターを体重 5 kg 以上を目安に施行 してきたが,これはほぼ 4 カ月以上の症例の体 重に相当した。今回これらの症例を振り返りそ の有用性と合併症につき検討した。 本法の使用経験から実際的に有用と思われる 主な点を挙げると, 術直前に解剖学的,機 能的診断およびその程度の最終確認ができるこ と, 上記に基づき予定した術式の妥当性が 評価できさらに詳細な計画がたてられること, 以上の認識が麻酔科医,外科医双方に共通 に持てること, 心内修復後,体外循環離脱 時の心内の残存空気の有無と程度,心機能の確 認が客観的にできること, 予定された通り に修復されているか否かの確認ができ,不都合 があれば直ちにその病態の把握と修正の方針が 立てられること,などでありこれらの多くは経 食道エコーモニターがあって可能であることで ある。 我々の経験から見ると,最近の 9 年間の 4 ヵ 月以上の小児開心例は本法使用の有無に拘らず 全例軽快退院しており,生死からの有用性評価 は難しい。しかし心室流入路障害に対し修正を 行なった 2 例は病態を認識しなければ死亡した 可能性があり,手術の完成度や安全性向上に寄 与している可能性は大きい。 本法の禁忌についてはガイドライン7)やそ の著者の一人である Stevenson により述べられ ているが9),いずれも臨床的には極めて常識的 なことが挙げられている。その一項に食道狭窄 が挙げられているが,この原因としては先天性 心疾患に時に合併する食道と気管を血管輪的に 取り囲んでいる血管の異常がある場合があり注 表 2.4 カ月以上開心手術施行例の内訳(1990.7 月∼ 1999.6 月.手術・入院死亡ともなし) 年齢 4 ∼ 6 ヵ月 ∼ 1 歳 1 歳 2 歳 3 歳 4 ∼ 5 歳 6 歳以上 計 疾患 VSD +α 14 10 10 13 5 3 11 66 ASD +α 2 1 6 3 8 27 47 SV +α 1 1 1 5 4 12 TOF/PA 1 3 5 1 2 3 15 AVSD 1 2 2 1 1 7 DCM 1 1 2 LVOTO 1 1 2 TAPVR,PVO 1 1 2 MR 1 1 2CRV 1 1 BWG + MR 1 1 Truncus 1 1 2 AR 2 2 Post ASO PS 1 1 20 17 17 26 12 19 50 161

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意を要すると思われる。我々も術前の心血管造 影所見を常に注意して見ていたが,1 例でそれ を見逃した。本例では挿入後右上肢に入れてい た動脈ラインの圧カーブがなまり,プローブを 引きぬいたところ圧カーブがもとにもどり,術 後の再検討で右鎖骨下動脈の起始異常を見落と していたことが判明した。幸い合併症はなかっ たが,注意すべきことがらであると思われる。 その後の 1 例では,術前の血管造影を充分検討 し,動脈ラインを左にとり,慎重に挿入し,術 前の観察を行なった。本例でもやはり右上肢の 間接的測定による動脈圧は挿入中測定不能とな ったが,観察終了後抜去しその目的は達せられ た。またチアノーゼ性心疾患に合併することの ある食道周囲に側副血行路が発達していると推 定される例については,いまのところ施行しな いこととしている。しかし本項に該当すると思 われた症例は結果的には 1 例のみで,殆どの症 例で施行可能と思われた。その他,明らかに食 道に狭窄が存在している症例は当然禁忌と思わ れる。患者の体重については Stevenson ら10) は特に制限を設けていないようでありガイドラ イン7)でもプローブの径が 6.8 mm ならば特別 に注意深く行なえば可能としている。確かに 我々も本シリーズ前には月齢 4 の 3.9 kg 児の経 験もあるが,安全性の点から,現在のプローブ を使用する限りは体重 5 kg 以上としている。 以下実施にあたって我々の経験から得た要点 につき述べる。その施行に際して出来るだけ手 軽に,また合併症なく行うことが普及の要点と 思われる。そのためにはまず術中,誰があるい は何科が行なうかは当初からあまり問題にしな い方がよいと思われる。この点米国では半数以 上の施設で麻酔科医が,残りの施設では循環器 内科医が行なっているようであり11),本邦で も麻酔科がすべきであるとやや強硬な意見を持 っている外科医もいるようである。我々は麻酔 科,小児科とそれぞれ協力しあって行なうこと も大切と考えるが,経食道エコーの所見は充分 解剖学を熟知する必要のある外科医がまず率先 しておこなうべきと考える。外科医にとっても 手術そのものに反映されるものであり,最終判 断は外科医とくに術者がおこなう必要があるた めでもある。画像の意味するところを適確に判 断するのになれる意味でも,まず,外科医が熟 知すべきである。より理解しやすい画像をプロ ーブ操作により描出したり,画像を正確に理解 することはなかなか難しい。画像の理解は試行 錯誤のうえ自ら行なうことにより習熟すること が 近 道 の よ う に 思 う 。 こ の 点 に 関 し て Ungerleider らは術中の術野および経食道エコ ーでの経験からその画像が意味することに習熟 することにより再手術を減少しうるとしてその ラーニングカーブについて論じている12)。す なわち,最初の 207 例では 17 例が,次の同数 例では 7 例が,最近の同数例では 5 例のみで手 術のやり直しを必要とするようになったと,習 熟の必要性を強調している。 成人の後天性心疾患の場合はある程度心臓の 形態の基本的要素は普遍的なところがあるが, 先天性心疾患では,千差万別であり,また心内 修復後は施行した外科医のみにしか理解,判断 しえないものも多い。例えば VSD のパッチ周 辺の乱流と臨床的に無視し得るわずかな漏れと 明らかな漏れ,また遺残の別の VSD の存在の 判断,MR や AR の程度の判断,体外循環の離 脱の前後の心機能評価など,数字で表しにくい 微妙な判断が要求される。さらに画像の意味す るところは 1 例 1 例のエコー所見とその後の臨 床経過,遠隔期のエコー所見や心臓カテーテル 検査所見との対比など,本来は多くの症例の経 験から客観的評価がフィードバックされるべき ところであるが,実際にはあまりに要素が多く, 外科医の主体的,直観的な判断できめて行くし かないことも多い。しかし,成人でもルーチン に本法を施行している我々の経験では,術中の 病態把握に際してエコー所見から外科医,麻酔 科医とも同じ判断で同じ治療方針が立てられる のであり,利点は大きい。 なお,体重や先天異常の合併で経食道エコー 法が施行出来ないが,術中の情報として必要性 があると判断した場合,それに変わる方法とし

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ては,術前,麻酔が充分かかったところでの体 表からのエコーや術野からのエコーが参考にな る12,13)。我々も 5 kg 以下児にて全身麻酔後とく に剣状突起下からのアプローチにて有用であっ た例を経験している14)。我々は成人では術野 での清潔なプローブでのエコーもルーチン化し ている15)。このプローブは小児でも使用可能 であり時に使用しているが,5 kg 以下の新生児, 乳児にはやや大きすぎるところがあり,ルーチ ン化には至っていない。経食道エコープローブ については最近新生児にも安全に使用可能な機 種の開発がなされており,その導入が望まれる とともに,新生児でも術野からの操作がしやす いプローブの開発も望まれる。 結  語 小児開心術における術中経食道エコー法を施 行した 99 例の経験から,その有用性をのべ施 行に際しての要点を述べた。今後さらなる開心 術の成績向上に向け,より低体重児にも安全に 使用可能な機種の導入が望まれる。 文  献 1) 吉井新平,鈴木章司,保坂茂,高橋渉,加藤淳 也ほか:新生児,乳児期早期の先天性心疾患に 対する術前画像診断―特にエコー診断のみの妥 当性と限界―.山梨医科大学雑誌,12: 151– 157, 1997.

2) Cyran SE, Kimball TR, Meyer RA, Bailey WW, Lowe E, et al.: Efficacy of intraoperative trans-esophageal echocardiography in children with congenital heart disease. Am J Cardiol, 63: 594– 598, 1989.

3) Ritter SB, Thys D. Pediatric transesophageal color flow imaging: smaller probes for smaller hearts. Echocardiography, 6: 431–440, 1989. 4) Roverson DA, Muhiudeen IA, Silverman NH,

Turley K, Haas GS, et al.: Intraoperative

trans-esophageal echocardiography of atrioventricular septal defect. J Am Coll Cardiol, 18: 537–545, 1991.

5) Muhiudeen IA, Roverson DA, Silverman NH, Haas GS, Turley K, et al.: Intraoperative echocar-diography for evaluation of congenital heart de-fects in infants and children. Anesthesiology, 76: 165–172, 1992.

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Ligtvoet KM, Bos E, et al.: Intraoperative two-di-mensional echocardiography in congenital heart disease. J Am Coll Cardiol, 9: 565–572, 1987. 14) 鈴木章司,吉井新平,保坂茂,加藤淳也,伊従 敬二ほか:乳児期早期に発症した左上大静脈遺 残合併心房中隔欠損症の一例.造影心エコー法 に よ る 血 行 動 態 の 検 討 . 心 臓 , 29: 418–424, 1997. 15) 保坂茂,鈴木章司,加藤淳也,佐々木啓明,大 澤宏ほか:上行大動脈粥状硬化病変の術中エコ ー 評 価 と 手 術 戦 略 . 日 胸 外 会 誌 , 45: 1916– 1921, 1997.

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