ス ラ イ ド作 成 と 口頭 表 現 技 術 を学 ぶ 日本 語 教 育
一留学生 の 「日本語 プ レゼ ンテー シ ョン授業」 か ら一
How Foreign
Students
Have Learned
the Way to Present
in Japanese
山田
陽子
YAMADA Yoko 1は じ め に 2「 日本 語 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン」 授 業 に お け る意 義 と役 割 3授 業 計 画 と実 践 資 料1∼4 4お わ り に 要 旨:本 稿 は 、 大 学 の 留 学 生 を 対 象 と し た 日本 語 プ ロ グ ラ ム の 中 か ら 日本 国 内 の 日本 語 教 育 で は 実 践 事 例 が 少 な い 「日本 語 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン」 の 授 業 を 取 り上 げ 、 視 覚 資 料(本 授 業 で は Power Pointス ラ イ ド)を 用 い た プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン学 習 の 資 料 を 提 示 す る も の で あ る。 授 業 は 、 日本 語 学 習 者 が 研 究 発 表 テ ー マ を 決 め 、 そ れ に 基 づ い て 調 査 を 行 い 、 考 察 か ら結 論 に 至 る ま で 視 覚 資 料 を 使 用 し て 大 勢 の 人 の 前 で 発 表 す る形 式 を と っ て い る。 研 究 調 査 、 ス ラ イ ド作 成 、 発 表 等 の 学 習 プ ロ セ ス か ら 「日本 語 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン」 授 業 の 意 義 や 役 割 を 検 討 し、 実 践 例 を 資 料 と し て 提 示 し た 。 キ ー ワ ー ド:留 学 生 、 日本 語 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン、 日本 語 教 育 、 発 表 、 ス ラ イ ド 1は じ め に 本 稿 で と り あ げ る大 学 の 日本 語 プ ロ グ ラ ム は 、 共 通 教 養 教 育 科 目 で あ る 日本 語 授 業 と し て 位 置 づ け ら れ 、 外 国 人 留 学 生 ・研 究 生 が 大 学 ・大 学 院 の 授 業 、 卒 業 論 文 発 表 、 研 究 発 表 等 で 困 ら な い 程 度 の 日本 語 能 力 を 育 成 す る こ と を 目 標 に し た も の で あ る 。 そ の 日本 語 プ ロ グ ラ ム の 一 環 と して 、 「日 本 語 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン」1と い う科 目 が 正 規 授 業 と し て 行 わ れ て い る 。 こ れ ま で 留 学 生 の 日本 語 科 目 に 関 し て は 、 宮 谷 ・太 田 ・山 田(2003)の 多 文 化 間 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の た め の デ ィ ス カ ッ シ ョ ン プ ロ グ ラ ム の 報 告 が あ る。 日本 語 学 習 者 と の 会 話 に お い て 日本 人 学 生 が ど の よ う な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 活 動 を し て い る か を 明 ら か に し て い る 。 ま た 奥 村(2005)は 、 プ レゼ ン テ ー シ ョ ン授 業 の 実 践 を 行 い 、 パ ワ ー ポ イ ン トに よ る表 現 法 の 利 点 を 生 か し た 授 業 プ ロ セ ス に 関 す る報 告 を し て い る。 こ の よ う な 報 告 は あ る も の の 、 留 学 生 を 対 象 に し た 日本 語 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン科 目 に 関 す る実 践 報 告 、 日本 語 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン の 教 師 用 指 導 テ キ ス ト、 日本 語 学 習 者 の た め の 教 科 書 等 は 多 く あ る わ け で は な い 。 ま た 日本 語 を 使 用 し て プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン が で き る ま で の 学 習 プ ロ セ ス を わ か り や す く紹 介 し た 留 学 生 用 テ キ ス ト も少 な い 。 参 考 モ デ ル に な る よ う な プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン 事 例 研 究 も あ ま り な さ れ て い な い と い う 国 内 日本 語 教 育 の 現 状 が あ る。 教 師 は 授 業 で 学 生 の 日本 語 能 力 に 合 わ せ 、 様 々 な 方 法 を 試 し な が ら プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン の 方 法 を 教 え て い る の で は な い だ ろ う か 。 そ れ は 「日本 語 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン」 科 目 を 、 パ ワ ー ポ イ ン トを 使 用 し ス ラ イ ド作 成 に よ る プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン授 業 と考 え た 場 合 、 日本 語 会 話 や ス ピ ー チ と異 な り、 日本 語 の ス キ ル だ け で は な く、 イ ン タ ー ネ ッ ト、 パ ソ コ ン の ス キ ル な ど複 合 的 な ス キ ル を 必 要 と す る 問 題 が あ り、 日本 語 教 育 単 独 の 問 題 と し て 分 析 し に く い と い う面 が あ ろ う。 し か し、 大 学 の ゼ ミ発 表 ・研 究 発 表 で は パ ソ コ ン を 使 用 し た 視 覚 資 料 を 提 示 し な が ら の 口 頭 発 表 を 要 請 さ れ る こ と も あ り、 そ う し た 発 表 ス キ ル を 大 学 生 と し て の 早 い 段 階 で 専 門 教 育 へ の 橋 渡 し学 習 と し て 実 践 的 に 行 う こ と も必 要 で は な い か と考 え る。 以 上 の 問 題 意 識 か ら、 本 稿 で は 実 際 に 大 学 で 実 践 さ れ た 「日本 語 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン」 と い う 留 学 生 対 象 の 授 業 を 紹 介 し、 日本 語 学 習 活 動 例 を 提 示 し た い 。 海 外 と 日本 国 内 に お け る 日本 語 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン の 授 業 を 見 て み よ う。 韓 国 のP大 学 日本 語 学 科(仮 名)で は 、 「日本 語 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン」 の 授 業 目 標 を 「日本 語 を 使 っ て 大 勢 の 人 の 前 で 話 す こ と が で き る 」 と して い る。P大 学 は パ ワ ー ポ イ ン トを 使 用 せ ず 、 決 め られ た テ ー マ に沿 っ て ス ピ ー チ す る授 業 内 容 で 、 「ス ピ ー チ 」 能 力 の 向 上 を 目 指 して い る 。 一 方、 中 国 のT大 学 日本 語 学 科(仮 名)で は 、 パ ワ ー ポ イ ン トを 使 っ て の 研 究 発 表 能 力 は も う 既 に 備 わ っ て い る こ と が 前 提 と な っ て お り、 「日本 語 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン」 の 授 業 と して 設 け ら れ て は い な い 。 学 習 者 が 論 文 発 表 の 際 に 、 自 ら視 覚 資 料 を 作 成 し公 開 審 査 で 発 表 す る た め の 練 習 を し な が ら学 習 し て い る状 況 で あ る。 ま た 日本 国 内 に お い て は 、N大 学 留 学 生 別 科(仮 名)で 、 留 学 生 各 自 が 決 め た テ ー マ を も と に 調 査 を 行 い 、 板 書 し た 調 査 結 果 を 学 生 が 口 頭 で 説 明 す る形 式 を と っ て い る。 こ こ で は 、 わ か り や す く書 く 「板 書 能 力 」 と説 明 す る 「話 す 」 能 力 の 育 成 を 中 心 と し て 日本 語 教 育 が 展 開 さ れ て い る。 こ の よ う に 「日本 語 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン」 の 授 業 方 法 は 、 ど の よ う な 日本 語 能 力 を 育 成 す る か に よ り、 異 な っ た 形 式 で 行 わ れ て い る。 本 稿 で 扱 う 「日本 語 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン」 は 「外 国 人 留 学 生 が 自 ら決 め た テ ー マ を も と に イ ン タ ビ ュ ー や ア ン ケ ー ト調 査 を 行 い 、 テ ー マ 選 択 か ら調 査 、 そ れ に 基 づ く考 察 、 結 論 等 を ス ラ イ ド に ま と め る 。 そ れ を 映 し な が ら行 う 口 頭 発 表 」 を い う。 外 国 人 留 学 生 の 「研 究 発 表 に 役 立 つ こ と 」
を 目的 と して い る。
本 稿 で は 日本 語 プ レゼ ンテ ー シ ョ ンの授 業 実 践 を取 り上 げ、 外 国人 留 学 生 の 日本 語 学 習 活 動 を
紹 介 した い。(調 査 対 象 者:「
日本 語 プ レゼ ンテ ー シ ョン」 受 講 留 学 生10名 、 調 査 期 間:2011年
9月 ∼2012年1月)
2「
日 本 語 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン 」 授 業 に お け る 意 義 と 役 割
「プ レゼ ンテ ー シ ョ ン」 と は何 か 。 そ れ は 「社 会 に お け る さ ま ざ ま な 場 面 で の表 現 活 動 」(福
井 有 監 修 ・大 島武 編 著 、2009、1)と
捉 え られ る。 した が って、 大 学 生 ・大 学 院 生 ・研 究 生 等 が
新 学 期 に大 勢 の学 生 の前 で 自己紹 介 を した り、 研 究 発 表 す る こ と もプ レゼ ンテ ー シ ョ ン と捉 え ら
れ る。 しか し、 プ レゼ ンテ ー シ ョ ンは 「聞 き手 本 位 の 姿 勢 を貫 い た ス ピ ーチ 」(前 掲 書 、3)と
い う点 で、 話 す こ と 自体 に重 点 を置 い た 「ス ピー チ」 とは異 な る。 つ ま り、 プ レゼ ンテ ー シ ョ ン
の善 し悪 しを決 定 す る の は 、 「聞 き手 」 で あ る。 絶 え ず 聞 き手 を意 識 して、 聞 き手 に理 解 して も
らえ、 自分 の話 の意 図 が 明確 に伝 わ るよ うに しな くて は な らな い。 この こ とは、 日本 語 母 語 話 者
で あ ろ う と 日本 語 学 習 者 で あ ろ う と同様 で あ る。 これ ま で 日本 語 教 育 の分 野 で は、 日本 語 学 習 者
へ の 日本 語 教 育 と して文 法 を は じめ 「
話 す」、 「
読 む」、 「
書 く」、 「聞 く」 の4技 能 に 関 す る分 析 、
教 師 へ の提 言 と して の教 育 方 法 、 教 材 開発 な どの報 告 が多 くな され て きた。 しか しな が ら 日本 語
学 習 者 の話 を 聞 く側 の人 た ち へ の視 点 は あ ま り考 慮 され て こな か った。
「日本 語 プ レゼ ンテ ー シ ョ ン」 の授 業 に お い て は、 プ レゼ ン ター と聞 き手 の双 方 が 日本 語 学 習
者 で あ る。 聞 き手 で もあ る 日本 語 学 習 者 に 日本 語 を使 用 して わ か りや す く伝 え る こ とが重 要 で あ
る。 そ の ため に は聞 き手 の こと を意 識 しな が ら、 日本 語 学 習者 の話 し方 や 説 明 の 仕方 、 内容 構 成 、
発 表 原 稿 作 成 、 ス ライ ド作 成 な どの プ レゼ ンテ ー シ ョ ンスキ ル を よ り丁 寧 に指 導 す る必 要 が あ る。
「日本 語 プ レゼ ンテ ー シ ョ ン」 の発 表 時 に は、 聞 き手 が 日本 人 学 生 な ら用 意 しな くて もよ い新 出
語 リス ト ・語 彙 表 な ど も、 聞 き手 の留 学 生 に は配 布 す る必 要 が あ る。
日本 語 教 育 に は、 こ とば そ の もの を教 え る言 語 教 育 の側 面 と 日本 の社 会 や文 化 、 歴 史 、 習 慣 、
風 俗 等 、 い わ ゆ る 「日本 事 情 」 を教 え る側 面 との両 面 が あ る。 「日本 語 プ レゼ ンテ ー シ ョ ン」 は、
そ の両 面 を包 含 す る 日本 語 科 目 と捉 え られ る。 この授 業 は言 語 教 育 や 日本 事 情 と切 り離 して成 り
立 つ もの で は な い。 言 語 運 用 能 力 も さ る こ とな が ら、 こ とば の知 識 と 日本 社 会 に対 す る多 くの知
識 を併 せ持 った うえ で、 こ とば を使 って 聞 き手 との コ ミュニ ケ ー シ ョ ンを は か る能 力 が必 要 な科
目で あ る。 さ らに 「日本 語 プ レゼ ンテ ー シ ョ ン」 の授 業 は、 発 表 す る行 為 を通 して研 究 成 果 を世
に公 表 す る重 要 な意 義 ・役 割 を 担 って い る。 「日本 語 プ レゼ ンテ ー シ ョ ン」 の わ ず か な受 講 期 間
内 に、 日本 語 の技 能 だ けで は な く研 究 調 査 デ ー タの収 集 方 法 や ス ライ ド作 成 方 法 な ど も実 践 的 に
学 習 し、 身 に つ けて い か な けれ ば な らな い。 そ して、 この授 業 が 日本 語 学 習 者 の専 門分 野 との連
繋 を も って い る こ とが期 待 され るの で あ る。
3授 業 計 画 と 実 践 日本 語 学 習 者 の 習 熟 度 に 合 わ せ て フ レ キ シ ブ ル に 授 業 計 画 を 立 て る こ と に し た 。 本 稿 で 取 り上 げ る2011年 度 後 期 授 業 は1週 間 に1回 、90分 授 業 で 、 全15回 で あ る。 後 期 授 業 の 中 で 、 全 員 の プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン発 表 会(公 開 授 業)を 「中 間 発 表 」 と 「期 末 発 表 」 の2回 設 け る こ と に し た 。 発 表 口 を1ヵ 月 程 前 に 決 定 し学 生 に 伝 え て お く こ と で 、 目標 に 向 け た モ チ ベ ー シ ョ ン を 維 持 で き る の で は な い か と 考 え た 。 ま た 発 表 会 は 期 末 試 験 の 一 部 と の 位 置 づ け で 、 成 績 評 価 の 対 象 に な る 。 発 表 日 の 前 週 に は 、 発 表 リハ ー サ ル と し て 本 番 と 同 様 の 予 行 演 習 を 実 施 し た 。2011年 度 後 期 の 授 業 で は 、11月 下 旬 に1回 目 の 発 表 会 、 新 年1月 下 旬 に2回 目 の 発 表 会 を 実 施 し た 。 【日本 語 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン】 (1ク ラ ス 学 生10名 の ケ ー ス) 会 場:大 学 の 教 室 準 備:パ ソ コ ン(パ ワ ー ポ イ ン ト使 用)に よ る視 覚 資 料(ス ラ イ ド)、 プ ロ ジ ェ ク タ ー(ス ク リー ン の ス ラ イ ドが 後 ろ の 席 か ら も よ く見 え る よ う に 、 机 と イ ス を レ イ ア ウ トす る。) 表1日 本 語 学 習 者 の プ ロ フ ィ ー ル (第1回 発 表 日 時 点 で の 滞 日 歴 ・日 本 語 学 習 歴) 図1日 本 語 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン の 発 表 ま で の プ ロ セ ス 1① テ ー マ 決 定1⇒1② イ ン タ ビ ュ ー ・ア ン ケ ー ト質 問 項 目 作 成1⇒[③ 調 査]⇒[分析 ⇒1⑤ 発 表 原 稿 ・ス ラ イ ド作 成1⇒1⑥ 発 表 リハ ー サ ル1⇒[発表 留 学 生 は 日本 語 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン の 授 業 で 何 を 学 び た い の か 受 講 生10名 に 質 問 を 行 っ た 。 結 果 は 表2の と お り で あ る。
表2日
本 語 プ レゼ ンテー ションの授 業 で何 を学 びたいか
(選択 肢 よ り複 数 回答)
授 業 で学 び た い こ と
話 す こ と
説 明 す る
発 表 能 力
発 表 態 度
発 表 を聞 く力
研 究 調 査 能 力
イ ンタ ビュ ー能 力
ス ラ イ ド作 成 力
内 容 構 成 力
表2か
らわ か るよ うに、 日本 語 学 習 者10名 は プ レゼ ンテ ー シ ョ ンの 内容 構 成 や ス ライ ド作 成 の
ス キ ル よ り も 「
話 す」 こ と、 「
説 明 す る」 こ と、 「
発 表 す る」 こ と とい った 日本 語 の 口頭 表 現 技 術
を学 び た い と考 え て い る。
この調 査 結 果 をふ ま え、 「日本 語 プ レゼ ンテ ー シ ョ ン」 の 授 業 は、 日本 語 で 話 す 力 ・説 明 す る
力 ・発 表 能 力 を身 に つ け る留 学 生 の た め の 日本 語 教 育 と位 置 づ け、 実 技 を 中心 に実 践 的 な授 業 デ
ザ イ ンを考 え た。 この 中 に は、 聞 き手 と して 自分 以 外 の 日本 語 学 習 者 の発 表 を 「聞 く力 」 の育 成
も含 ま れ る。 日本 語 で 自分 の意 見 や考 え を わ か りや す く説 明 す るス キ ル を身 に つ け る と と もに専
攻 分 野 の学 習 や研 究 発 表 に役 立 つ調 査 方 法 や発 表 能 力 を実 践 的 に学 ぶ こ とを 目標 に した。
図2ス
ライ ドの 内容 項 目例(ス
ライ ド10枚 の ケ ー ス)
1.テ
ー マ ・学 部 ・名前6.質
問 と回答
プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン に は 、 説 明 型 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン と 説 得 型 プ レゼ ン テ ー シ ョ ン2)が あ る が 、
本 調 査 対 象 者10名 の プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン は 情 報 を 伝 え る 目 的 の 説 明 型 で あ っ た 。 そ れ は 、 留 学 生
が 将 来 の 研 究 発 表 に 役 立 て る 目 的 で 「日本 語 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン」 を 受 講 し て い る た め 、 テ ー マ
留 学 生 が授 業 で実 際 に作 成 した ス ライ ドの 中 か ら資 料 と して い くつ か提 示 した い。 資 料1か
ら
4に お い て ス ライ ド作 成 例 、 口頭 発 表 で行 った 日本 語 原 稿 例 、 新 出語 ・語 彙 表 例 を提 示 す る。
塵]]MicrosoftPowerPointに よ る 留 学 生 の ス ラ イ ド作 成 例 「テ ー マ 」 の 作 成 例
「
結 論 」 の作 成 例
「グ ラ フ1を 利 用 し て 視 覚 的 に わ か り や す く説 明 し た ス ラ イ ド例
「
写 真 」 を利 用 した ス ライ ド例
魎]留
学生の口頭表現
発 表 例1(ス ラ イ ド10枚 か ら抜 粋) ① 最 初 の 挨 拶 皆 さ ん 、 こ ん に ち は。00学 部 の0△ で す 。 ど う ぞ よ ろ し くお 願 い し ま す 。 私 の プ レ ゼ ンテ ー シ ョ ン の テ ー マ は 「日本 に お け る ゴ ミ問 題 」 で す 。 で は 、 こ れ か ら発 表 さ せ て い た だ き ま す 。 ② テ ー マ 選 択 の 理 由 私 が こ の テ ー マ を 選 ん だ 理 由 は2つ あ り ま す 。 1.私 の 国 で は ほ と ん ど ゴ ミを 分 別 し な い の に 対 し て 、 日本 は ゴ ミ分 別 に 関 し て 種 類 が と て も多 い と思 い ま す 。 ゴ ミを 分 別 す る の は ど ん な メ リ ッ トが あ る か を 知 り た い で す 。 2.ゴ ミ分 別 に 対 す る 日本 人 の 考 え 方 に 興 味 が あ り ま す 。 ③ 調 査 方 法 調 査 方 法 は イ ン タ ビ ュ ー 、 ア ン ケ ー ト調 査 と イ ン タ ー ネ ッ ト検 索 で す 。 調 査 対 象 は 本 学 の 先 生 と○ ○ 学 部 の 学 生 で す 。 イ ン タ ビ ュ ー を し た の は 男 子 学 生5名 、 女 子 学 生5名 、 ア ン ケ ー ト 調 査 の 対 象 は 先 生5名 、 学 生5名 、 合 わ せ て10名 で す 。 ④ 最 後 の 挨 拶 以 上 で 私 の プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン を 終 わ り ま す 。 ご清 聴 あ り が と う ご ざ い ま し た 。 ○ ○ 学 部 の 0△ で し た 。 発 表 例2(ス ラ イ ド12枚 か ら抜 粋) 1.皆 さ ん 、 こ ん に ち は 。 私 は 口 口 学 部 の00で す 。 私 が 発 表 す る テ ー マ は 「日 本 と 韓 国 の 部 活 動 の 比 較 」で す 。 私 が こ の テ ー マ を 選 ん だ 理 由 は 日本 の 学 生 は 大 半 が 部 活 動 を し、 さ ら に 勉 強 よ り部 活 に 集 中 し て い る気 が し て 自分 の 国 の 事 情 と比 較 し て み た い と思 っ た か ら で す 。 2.調 査 方 法 は イ ン タ ビ ュ ー と ア ン ケ ー トで す 。 調 査 対 象 は 大 学 生17人 と韓 国 人 留 学 生6人 で す 。3.ア
ンケ ー トの質 問 は ご覧 の通 りで す。
4.そ
の結 果 、 大 学 生17人 全 員 が部 活 の経 験 が あ りそ の期 間 は平 均7年
間 で した。 韓 国人 留 学
生6人
の 内、2人
が部 活 の経 験 が あ り、 そ の期 間 は平 均3年
間 で した。
5.そ
の 内容 は ご覧 の通 りで す。 大 体 運 動 系 が多 い が皆 そ れ ぞ れ で した。
6.で
は、 両 国 の学 生 が部 活 を した理 由 を見 て み ま し ょ う。 自分 の好 きな こ とを活 か す た め、
友 だ ち づ く り、 思 い 出 づ く り、 小 さい 頃 か らや って い た流 れ、 自分 の能 力 の強 化 、 ひ ま つ
ぶ し、 部 活 の 内容 が好 きで、 皆 と遊 び た くて 、 学 校 の決 ま り。
7.そ
れ で は、 部 活 を しな か った学 生 の理 由 を見 て み ま し ょ う。 面 倒 だ か ら、 い い部 活 が見 つ
か らな か った、 勉 強 の た め、 部 活 の 回数 が多 い た め、 勉 強 に集 中 で きな い と思 った か ら。
8.次
は、 日本 と韓 国 の部 活 動 の共 通 点 と相 違 点 で す。 ま ず は共 通 点 で す。 目標 を 目指 して頑
張 る、 ス ポ ー ツ系 が 多 い。相 違 点 は こち らです 。 日本 の 方 が もっ と情 熱 的 、 日本 の方 が も っ
と真 面 目に取 り組 む、 韓 国 は趣 味 と して適 当 に す る、 韓 国 は部 活 の 時 間 に 自習 す る場 合 が
多 い。
9.で
は、 部 活 に対 す る両 国学 生 の意 見 を見 て み ま し ょ う。 ま ず は部 活 肯 定 派 の意 見 で す。 集
団活 動 が身 に つ く、 責 任 感 が学 べ る、 自分 自身 の成 長 に な る、 熱 中 す る もの が で き る、 思
春 期 の 肉体 的 ・精 神 的形 成 に よ い、 も っ と奨 励 され るべ き。 次 は そ の他 の意 見 で す。 ち ゃ
ん と した 目的 を も って入 部 す るべ き、 参 加 が 強制 で あ る こ とは賛 成 で きな い、 途 中 で辞 め
るの は よ くな い、 部 活 の せ い で勉 強 が お ろ そ か に な るの は よ くな い、 時 間 の余 裕 が あ れ ば
良 い、 な ぜ や るの か分 か らな い。
10.最 後 は考 察 で す。 部 活 動 は学 生 時代 に好 きな こ とを生 か しな が ら思 い 出 や仲 間 が で き る大
事 な こ とだ と思 い ま す。 しか し、 そ れ が誰 か の 強制 で な く 自発 的 で あ り、 勉 強 に影 響 が な
い範 囲 で部 活 を す るの は良 い と思 い ま す。
11.ご 静 聴 あ りが と う ござ い ま した。 口 口 学 部 の○ ○ で した。
圃
新 出語 ・語 彙 表 の例(留 学 生 と教 員 の共 同作 成)
実 際 の表 に は、 説 明 す る語 の前 に 「
○ ○ さん の発 表 の と きに 出 て く る こ とば で す」 と発 表 者
名 を入 れ て い る。(新 エ ネ ル ギ ー に関 す る テ ー マ の発 表 時 に使 用 した語 彙 表 よ り抜 粋)
4お わ り に 本 稿 で は 留 学 生 の た め の 日 本 語 教 育 の 資 料 と し て 、 「日 本 語 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン」 の 意 義 と役 割 に 関 す る考 察 、 授 業 実 践 か ら の ス ラ イ ド作 成 例 と 口 頭 発 表 原 稿 等 を 紹 介 し た 。 今 後 、 稿 を 改 め 日本 語 プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン授 業 の 成 果 と課 題 に つ い て 、 実 践 を も と に 詳 細 に 分 析 し論 述 し た い 。 謝 辞 本 研 究 に あ た り、 ご協 力 い た だ い た 皆 様 に 感 謝 申 し上 げ ま す 。 注 1)プ レゼ ン テ ー シ ョ ンの意 味 や定 義 に 関 して は、 ビ ジ ネ スで 使 用 さ れ る場 合 と学 校 の 授 業 、 しか も留 学 生 対 象 の 日本 語 プ ログ ラム の一 環 と して使 用 され る場 合 で は異 な る。 た とえ ば 「ビ ジネ ス プ レゼ ンテ ー シ ョ ン」 の テ キ ス トと して 使 用 さ れ て い る もの(森 脇 ・武 田、2011、10)で は、 「自分 を通 して 、 相 手 に何 らか の 情 報 を 伝 え る」 こ と、 「情 報 提 供 や 商 品 の説 明 な ど を行 う もの」、 「人 前 で 話 をす る こ と」 な ど、 様 々 な意 味 で使 わ れ て い る。 2)プ レゼ ン テ ー シ ョ ンに は、 商 品 や 企 画 を ア ピ ー ルす る場 合 に使 わ れ る論 理 的 な 話 で 人 の心 を動 かす 説 得 型 もあ る。
参 考 文 献 大 塚 裕 子 ・森 本 郁 代 編 著(2011)『 話 し合 い トレー ニ ング」 ナ カ ニ シヤ 出版 奥 村 訓 代(2005)「 大 学 の 学 部 にお け る 日本 語 教 育 の使 命 と役 割 一PowerPointを 利 用 した プ レゼ ンテ ー シ ョ ンの実 践 」 日本 語 教 育 学 会 『日本 語 教 育 」126号 、pp55-64 福 井 有 監 修 ・大 島武 編 著(2009)『 プ レゼ ンテ ー シ ョ ン概 論 』 樹 村 房 三 浦 香 苗 ・岡澤 孝 雄 ・深 澤 の ぞ み ・ヒル マ ン小 林 恭 子(2006)『 ア カデ ミ ック プ レゼ ン テ ー シ ョ ン入 門 」 ひ つ じ書 房 宮 谷 敦 美 ・太 田孝 子 ・山 田敏 弘(2003)「 多 文 化 間 コ ミュ ニ ケ ー シ ョンの た め の 「日本 語 」 教 育 一 デ ィス カ ッ シ ョ ンプ ログ ラム か らの一 提 言 一 」 「岐阜 大 学 留 学 生 セ ン ター紀 要 』 同 セ ン ター 森 脇 道 子 監 修 ・武 田秀 子 編 著(2011)『 ビ ジネ ス プ レゼ ンテ ー シ ョ ン改 訂 版 」 実 教 出版 山 田 陽 子(2009)「 中 国 人 就 学 生 追 跡 調 査 に見 る 日本 語 と 日本 人 観 の 変 化 一 中 国 人 学 生 の語 り と面 接 質 問 紙 調 査 か ら 」 名 古 屋 市 立 大 学 大 学 院 「人 間文 化 研 究 紀 要 』11号 、121-132 山 田 陽子(2010)『 中 国人 就 学 生 と 中 国帰 国子 女 一 中 国 か ら渡 日 した子 ど もた ち の生 活 実 態 と言 語 」 風 媒 社 山 田 陽子(2010)「 中国 に ル ー ツ を もつ 若 者 ・子 ど もへ の 支 援 と言 語 教 育 の 研 究一 日本 で生 活 す る中 国人 就 ・ 留 学 生 と中 国帰 国子 女 を事 例 に 」 名 古 屋 市 立 大 学 大 学 院人 間文 化 研 究 科2009年 度 博 士 学 位 論 文 山 田 陽 子(2011)「 中 国 の 高 等 教 育 機 関 に お け る 日本 語 教 育 と学 習 者 の 一 側 面 一 遼 寧 省 の大 学 を事 例 に」 名 古 屋 市 立 大 学 大 学 院 「人 間文 化 研 究 紀 要 』15号 、71-82 山 田 陽 子(2012)「 留 学 生 対 象 の 『日本 語 プ レゼ ンテ ー シ ョ ン」 授 業 実 践 報 告 一 話 し方 ・研 究 調 査 ・ス ライ ド作 成 の学 習 プ ロセ ス か ら一 」 日本 語 教 育 学 会 「日本 語 教 育 学 会 北 陸地 区研 究 集 会 第3回 予 稿 集 」11-12