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アジ研図書館は現在私にとって最良の友である (アジ研図書館を使い倒す 第4回)

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Academic year: 2021

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アジ研図書館は現在私にとって最良の友である (ア

ジ研図書館を使い倒す 第4回)

著者

小島 淑男

権利

Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア

経済研究所 / Institute of Developing

Economies, Japan External Trade Organization

(IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp

雑誌名

アジ研ワールド・トレンド

211

ページ

57-57

発行年

2013-04

出版者

日本貿易振興機構アジア経済研究所

URL

http://hdl.handle.net/2344/00003738

(2)

  研究者を目指しアジア関係の専門図書館に通 い始めてすでに五〇有余年が過ぎている。院生 時代以来最もよく通ったのは東洋文庫をはじめ とする東京都内の図書館であるが、同じ東京都 内にあり勤務先にも近い市ヶ谷にあったアジ研 図書室には数えるほどしか出かけていない。私 にはなぜか近づきにくいという印象が残ってい る。しかし、海浜幕張にある現在のアジ研図書 館は、明るく開放的︵大半の図書が開架式の書 棚に陳列︶で、閲覧サーヴィス担当の人たちも 非常に親切である。私はおよそ四〇年ほど前に 住居を都内から千葉県市原市に移した。海浜幕 張は勤務先の最寄り駅水道橋と自宅の最寄り駅 内房線浜野との中間で 、 アジ研図書館は私に とって最も都合のよい場所に立地している。七 年まえに常勤身分から解放された時、教授会で の惜別の挨拶のなかに〝これからはアジア経済 研究所図書館を最良の友とします〟という言葉 を挿入した。以来アジ研図書館は現在も非常勤 で通っている大学での教育と研究に欠かせない 資料を提供してくれる大切な存在である。   大学における私の担当科目は中国経済であ る。教学との関係でいえば、現代中国経済に関 する中文書籍 ︵﹃中国経済年鑑﹄ 、﹃中国統計年鑑﹄ 等各種年鑑を含む︶ 、経済雑誌︵ ﹃財経﹄ 、﹃中国 企業家﹄ 、﹃金融論壇﹄ 、﹃中国農村観察﹄ 、香港 の﹃経済導報﹄等、複印報刊の﹃民営経済与中 小企業管理﹄ 、﹃金融与保険﹄ 、﹃経済史﹄等︶ 、 新聞︵ ﹃経済日報﹄ 、﹃金融時報﹄ 、﹃上海證券報﹄ 、 ﹃農民日報﹄ 、﹃中国経営報﹄等︶を広く閲覧し 資料を蒐 集 させていただいている。ただし、こ れらの文献は同時に私の長期にわたる研究テー マである﹁現代中国における民営経済の発展と 民営銀行創設ヘの展望﹂にも貴重な資料を提供 してくれている。なお、同図書館では最近話題 になっている﹃南方周末﹄も閲覧できる。   私は学部、 大学院ともに東洋史学科に在籍し、 近代中国の社会経済史を主たる研究対象として きた。その成果の一部は﹃近代中国の農村経済 と地主制﹄ ︵汲古書院︶ という本にまとめている。 また、中国人留日学生に関する研究も一九八〇 年前後から開始し、その成果の一端は一九八九 年に ﹃留日学生の辛亥革命﹄ ︵青木書店︶とい う本にまとめてみた 。いずれも未完成である 。 そこで私は最近アジ研図書館に豊富に所蔵され ている当代 ︵現代︶ 地方志 ︵例えば ﹃広東省志﹄ 、 ﹃浙江省志﹄ 、﹃山西省志﹄ 等︶ の人物志を閲読し、 日本に留学した中国人をすべて拾い上げるとい う気の遠くなるような作業をすすめている。そ の目的は当面清朝末期から中華人民共和国成立 までの時期に日本に留学し、 政治、 経済、 文化、 教育、自然科学等様々な分野で残した彼らの業 績をトータルに明らかにすることである。同図 書館には、多種類の人物辞典、人物伝、文史資 料なども所蔵されているので、それらと照合す ることにより、多くの留学生たちの経歴と業績 が正確に描けると考えている。正史に登場する ことのないしかし大切な役割を担った人々にも 光をあてたいというのが私の願いである。   最近、日本ではプライバシーの保護の名の下 に大学の卒業生名簿というものが、非常に閲覧 しにくくなっている。卒直にいって戦前の卒業 生名簿、特に外国人の日本留学生名簿は公開し てもよいのではないかと考えている。少なくと も研究者にはぜひ閲覧させていただきたい。そ の最大の理由は、留日学生の人物伝中に留学先 の学校名が誤って書かれている例が少なからず 存在するからである。特に私の勤務する日本大 学という名称は中国人からみると ﹁日本の大学﹂ と受け取られやすい。一〇年近く前、そのよう な誤解があることに気がつき、日本大学の卒業 生契印簿をもとにして明治期の中国人留日学生 を調べたところ、中国同盟会員や国会議員はい うまでもなく民国期の第一級行政区の裁判長や 検事長のなかにまでその出身校に誤記が存在し ているのに驚かされた。 そのようなこともあり、 私は﹃日本大学史紀要﹄第一一号∼第一三号に ﹁日本大学中国人留学生の帰国後の活動﹂ ︵ 一︶ ∼ ︵三︶ という小論を三号にわたって連載した。 また、日本大学の大学史論輯﹃黌誌﹄第七号に は台湾新民報社編 ﹃台湾人士鑑﹄ 、台湾問題研 究所編﹃台湾総覧﹄等を活用して﹁日本大学台 湾人留学生の卒業後の動向﹂ ︵一︶という小論 も登載した。いずれもアジ研図書館所蔵の台湾 関係図書、人物辞典、研究雑誌等を参照させて いただいている。   研究・図書館通いともに体力勝負である。 ︵こじま   よしお/日本大学名誉教授︶

第四回

57

アジ研ワールド・トレンド No.211 (2013. 4)

アジ研図書館は現在私にとって最良の友である

参照

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