20 研究実績の概要 我が国では、2015年(平成27)年4月より、子 ども・子育て支援新制度が施行されており、地域 の子育て支援の充実が図られている。新制度は、 すべての子育て家庭を対象に、地域のニーズに応 じた様々な子育て支援を充実することを目的とし ており、地域における子育て支援では「地域子ど も・子育て支援事業」として13事業が展開されて いる。 この13事業の一つとしてファミリー・サポート・ センター事業(子育て援助活動支援事業)は、乳 幼児や小学生等の児童を有する子育て中の労働者 や主婦等を会員として、児童の預かりの援助を受 けることを希望する者(依頼会員)と当該援助を 行うことを希望する者(提供会員)との相互援助 活動に関する連絡、調整を行うものである。ファ ミリー・サポート・センターは、当該事業を実施 する機関として、支援を求める依頼会員と支援が 提供できる提供会員のマッチングを行っている。 本研究では、「地域子ども・子育て支援事業」 の1つとして展開されているファミリー・サポー ト・センター事業(子育て援助活動支援事業)に 焦点をあて研究を行った。具体的には、当該事業 の課題となっている「子育て家庭が持つニーズと 支援のミスマッチ」の実態を把握するために、同 センターにおけるマッチングシステム(依頼会員 と提供会員のマッチング)の現状を調査すること を目的に、先行研究レビューを実施した。 当該事業の具体的な活動例として、「子どもを 保育施設まで送迎する」、「保育施設の開始前や終 了後又は学校の放課後、子どもを預かる」、「保護 者の病気や急用等の場合に子どもを預かる」、「病 児・病後児の預かり、早朝・夜間等の緊急預かり 対応」などが挙げられる。同事業の実施状況は、 平成28年度実績で全国1,718市区町村(市790、町 745、村183)の約48%にあたる833市区町村で実 施されている。 このように、地域において様々な子育て支援が 行われているなかで、ファミリー・サポート・セ ンター事業(子育て援助活動支援事業)は、地域 住民が地域住民を支え合う仕組みとなっている。 しかし、制度創設から20年以上(前身事業であ るファミリー・サービス・クラブ事業を含めると 30年以上)が経過するなかで、年々依頼会員と提 供会員の人数に大幅なかい離が生じており、当該 事業が、依頼会員である子育て家庭のニーズに対 して充分に機能できていないのではないか(ニー ズと支援にミスマッチが行っているのではないか) と感じざるを得ない。また、同センターにおける マッチングシステム(依頼会員と提供会員のマッ チング)については、全国統一のマニュアルも定 められておらず、依頼会員と提供会員のマッチン グ率などの統計データも存在しない現状がある。 近年では、継続的な支援を求める依頼内容が多 く、併せて病児・病後児、障がい児の預かり等、 専門性を要する支援にも対応するなど、社会情勢 に応じて活動内容が拡大している。一方で、先行 研究からは、援助活動の担い手である提供会員の 不足、センターのスタッフの雇用環境の整備等、 さまざまな課題が指摘されている。
ファミリー・サポート・センター事業におけるニーズと支援のミスマッチに関する一考察 : 提供会員と依頼会員のマッチングシステムに着目して
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