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電波銀河CygnusAのホットスポットにおける硬X線放射機構

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Academic year: 2021

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(1)電波銀河 CygnusAのホットスポットにおける硬 X線放射機構 本田康子. E m i s s i o nmechanismo fhardX r a y si nt h eh o t s p o t so fCygnusA YasukoHonda. HardX r a ye m i s s i o n swered e t e c t e di nh o t s p o t soft h eb r i g h tr a d i og a l a x y ,CygnusA.Thesee m i s s i o n sa r es t r o n g l y p o l a r i z e dandr e g a r d e da st h es y n c h r o t r o nr a d i a t i o nfroma c c e l e r a t e de l e c t r o n s .Thes t r u c t u r eo fh a r d n e s sr a t i o so ft h e however ,i sn o tc o n s i s t e n tw i t ht h es t a n d a r dr a d i a t i o nmode . l1s u g g e s tt h em u l t i p a r t i t eo b l i q u es h o c kmodelt o h o t s p o t s, 仕o nX r a y企e q u e n c l e s . a c c o u n tf o rl i m b b r i g h t e n e dh o t s p o t sande s t i m a t et h es y n c h r o. Keyword. r a d i og a l a x y-h o t s p o t-a c c e l e r a t i o n-o b l i q u es h o c k-m a g n e t i cf i e l d. 1.はじめに. スポットの成因として、次のようなモデルが考えられてい. 銀河系外には、電波領域で高い活動性を示す銀河が多数. る。即ち、中心天体から噴出したプラズマ・ジェットが終. 存在し、電波銀河と呼ばれている O 近年、多波長観測技術. 端部で周辺物質と相互作用して、前方の bows h o c k,後方. の発達に伴い、多くの電波銀河で赤外・可視・紫外. . x線. の Machs h o c kという二重衝撃波を形成する. 3 )。これらの衝. にわたる広帯域の輯射スベクトルが観測されるようにな. 撃波において、宇宙線粒子の加速が行われ、加速された粒. った。本稿では、極めて明るい巨大電波銀河 C y g n u sA に. 子が電波から X 線領域にかけてシンクロトロン放射や逆. 着目し、特に X線領域の放射機構について考察する O. コンプトン散乱による放射を行う. 4 ),5 ). 2. CygnusAのホットスポット 2 . 1 電波・ X線領域の観測 図 l ( a )に 超 大 型 干 渉 電 波 望 遠 鏡 群 VLA( V e r yL a r g e Arr a y )で、観測された C y g n u sAの電波領域の構造を示す 1)。. 中心部に見られる小さな光点が銀河中心核のブラックホ ール周りの降着円盤で、両極方向に極めて細長く収束した ジ、エツトが噴出し、終端部で「電波ロープ」と呼ばれる巨 大な広がりを見せている O ジェット終端部からこの電波ロ ープ内にかけては、ホットスポットと呼ばれる幾つかの光 点が見られる O 図l ( b )に X線天文観測衛星 C h a n d r aで撮像された C y g n u s A の X 線領域の構造を示す 2)。これらを比較すると、ジェ. ( a )VLAによる撮像. ット終端部においては、電波と X 線でほぼ同じホットス. 牢近畿大学工業高等専門学校 総合システム工学科情報系. ( b )C h a n d r aによる撮像. 図 1 電波銀河 C ygnusAの構造. ポットの構造が見られることが分かる O このようなホット. 2 . 2 ジェット終端部の構造 CygnusAのジェット終端部の模式図を図 2に示す 6)。前. -51-.

(2) 方には bowshockと呼ばれる衝撃波が形成され、銀河間物 質と衝突して加熱・圧縮され、圧縮された物質が電波ロー プ内へと膨張している。後方には Machshockが形成され、. HR= 互 二 三 H :photoncou凶 (2.0・8.0keV) H +S S: photonc o u n t( 0 . 3-2 . 0ke V). ジ、エツト内部へ進行し、ジ、エツトの駆動エネルギーを宇宙. 図 3に、ホットスポット N Bの X線光度に HRを重ねて示. 事室粒子と磁場に等分配している O. す。図の濃淡は HR強度を、輪郭は X線強度を表している O. このジェットの東側ロープのホットスポット A ・ D から. 明るい(薄い)色の部分が HR強度の強いところに対応す. は強く偏波したべき関数型スペクトル放射が観測され、加. るので、図より X線強度のピークは HRのピークと一致し. 速粒子のシンクロトロン放射起源であることは疑いない. ないこと、即ちホットスポットの外側に硬い(高エネルギ. とされている。また、電波スベクトルの breakからホット. ー)構造が広がっていることが分かる O 前述の SSCmodel. . 1mGと推定される。これはレント スポットの磁場は約 0. によると、ホットスポットの内側が外側よりも hard な構. ゲン衛星 ROSATによる X 線解析から得られる値とも、等. 造になるはずであり、理論的な予測とも一致しない。. 分配を仮定して得られる磁場の値ともよく合っている O こ. D は等分配仮 のことより、 CygnusAのホットスポット A ・ 説の成立する標準的な天体であり、 SSC(Synchro仕onS e l f Compton:シンクロトロン自己コンプトン)model でよく. 説明できると考えられている. 7 ), 8 )。ここで、. SSCとは、活. 動銀河核の轄射スペクトルを説明する典型的なメカニズ、 ムであり、天体で加速された電子のシンクロトロン放射が X 線領域のピークを形成し、このシンクロトロン放射によ. り提供された光子が加速電子により逆コンプトン散乱を 受けることによってガンマ線領域のピークを形成する、と 考えるモデルである D. 図 3:ホットスポット N Bの X 線強度と HR. I G阿 -. 3 .M u lti p a r ti t e斜め衝撃波モデル. To Cor~. そこで、私は 2 0 0 4 年に提案した m u l t i p a r t i t eo b l i q u e shockmode19)に基づいて加速電子の最大エネルギーと X線. Jet. 放射の振動数を計算し、この現象の説明を試みた。このモ To 口bserver 、. デルでは、 1つのホットスポット内にアルフヴ、ェン波の乱 流スケールで許される様々な大きさの衝撃波が複数個存. 1. 1. 在すると考える O ホットスポットの外縁部に内側領域より も大規模な衝撃波が形成され、そこでより高エネルギーま での粒子加速が行われていると考えれば、 CygnusA のホ. ~. ットスポットにおける HRの構造を説明できる O. 図 2:ジェット終端部の模式図. 3. 1 ホットスポット Aの物理パラメータ CygnusA のホットスポット A における必要な物理パラ. 2. 3 ホットスポットの HR しかし、 1999年に打ち上げられた最新の X 線天文観測. メータを様々な観測から以下のように仮定する O. 衛星 Chandraでより高い空間分解能の解析を行うと、各ホ ットスポットの HardnessR a t i o(HR)の構造をうまく説明で きないことが分かつた。ここで、 HRは次式で定義される 量で、対象領域の「硬さ(高エネルギー度 ) J を表す。. : : : :O 衝撃波速度: U1 : . 4 c (c :光速). : : : : :0 . 3 mG 磁場強度: B 閉じ込め領域の大きさ. -52-. R. 巴SC : : : : :. 2 kpc.

(3) スベクトル指数. S y~ V-O.55 ( v三Vbr). スペクトル指数. :SvzV-105(V>Vbr). カ ッ トオフ振動数. となり、これは逆コンプトン散乱の冷却時間と比べて 2桁 ほど短い。. 4.計算結果 加速電子のシンクロトロン放射の振動数を計算した結. 1 3. Vc > 1 0 Hz. 果を図 4に示す。横軸に最大共鳴旋回半径 ( ホ ッ トスポ ッ 0. 衝撃波の速度から、斜め衝撃波の角度限界が 66 以下. トの大きさで制限される )、縦軸にシンクロトロン振動数. と求まる O また、 1kpc=103pc,1pcキ 3. 1XI 018cmである 。. をとり、磁場をパラメータとしてプロ ッ トした O 磁 場 が. 0. 0 1mG以上では旋回半径に関係なく、シンクロトロン放. 3 . 2 斜め衝撃波の加速と共鳴散乱理論. . 0 0 1mGになると、旋 射のみで加速が制限され、磁場が 0 回半径の小さいところでは加速領域への粒子の閉じ込め. 斜め衝撃波とは、波面の法線が磁場と斜交するような衝. が効いて くることが分かる O. 撃波で、波面の法線が磁場と平行になる平行衝撃波より効 率的な加速が起こると考えられている. 1 0 )。. また、等分配磁場を仮定し、磁場の傾角を横軸にとって シンクロトロン振動数をプロ ッ トすると、傾角が大きくな. 斜め衝撃波による電子の加速時間は次式で表される O. ∞S 2 θ +坐 2~1. φ ごと.. t _ _=. 2. U1. るにつれて加速効率が上がるため、放射の振動数も上昇す. +. 0 この効果は、旋回半径の最大値 ることがわかる ( 図 5). 1+ηL 2 r-1 rc o s 伐+r3s i n2伐/ ( 1+η2) 2 2 2 ( c o s 伐+r s i n 伐)3/2. 2k p cのとき、 θ166 で が小さいほど顕著で、有二0. 、 ν 0. 1. ~2 .3 keVをとる O. l .E +05. r g = E e I ( e J 1 )は加速された電子 ( 電荷 ξ エ ネルギ E e ) の旋回半径で、マ =A 1/ 1 r gは、旋回半径で規格化 ここで、. Urad=3X1 0 -11e r g c m -3. l .E+ 04. i -2句c. した粒子の平均自由行程 ( 磁場に平行な成分)を表す。ス. 号 1.E+03. ペクトル I ( k ) = k -5/3の Kolmogorov乱流を仮定すると、 A 1 1. ~ . . . .. 、. =(rg1 2 b )(r g , m回 I r g ) 2 / 3と書ける ここで bは乱流の磁場. b. O. ~ 1 . E+02 ω. に対するエネルギー密度の比を表す。粒子の旋回半径が系. 2 0同. のアルフヴェン波の波長と同程度になると、共鳴散乱が起. ~ l .E +Ol. 同. こり、効率的な加速が期待される 。 l .E+OO. 3 . 3 エネルギー損失過程. l .E O l. 加速された粒子のエネルギーは最も有効な冷却過程に. l .E ・ 0 1. l .E 0 2. l .E+ OO. l .E+Ol. Maximumr e s o n a n tg y r o r a d i u s[ k p c ]. より、制限される O ここではまず、どの過程が寄与するか. 図4 :加速電子のシンクロトロン振動数. を考えるために、主要なエネルギー密度の比較を行う O まず、ホ ッ トスポットの内部放射のエネルギー密度を考 える 。 これは、最も支配的と考えられる電波光度らを用 3 いて UR二3LRR/(4cηキ 3X1 0 -11e r g / cm と書け. 2. 6. 1 1 )、 SSCmodel. Ur咽. における標的光子のエネルギー密度に相当する O 一方、宇 宙背景放射のエネルギー密度は. U Mキ. 2 . 1 .. 1e =3X10-1 rg・ cm-3θl.m..=6 6 . 4. 0. Shock. 3 4X1 0 -13 e r g / cm とな. り、これは EC( E x t 怠m alr a d i a t i o nCompton)modelの標的光. 世. 3. 凪. 0. 6. ,. したがって、シンクロトロン放射の損失時間は. ~J ..u. σ'TYeB L.. ,,. 0. 1. ( 1 07i(_ 0 .l mG 2 r .--- Iv ~ Y 人 B ). e. ~ 3x10~1 一一 11. /8t1. ~ 』. と書ける O これらを総合すると、磁場のエネルギー密度が. ---"-e-~. 0 γl. 2 C"1.1. 輯射のエネルギー密度を上回っており、シンクロトロン放. L_=. ,. h. u. z 曲. ( 8π)キ 3X1 0 -9 e r g / cm る磁場のエネルギー密度は uB=B/. 射が有効と考えられる O. 1/0,. 話 1 .6. 子に相当する O また、エネルギー等分配を仮定して得られ 2. ,. t8. 1 {. 》. 九1 a g n e t i cF i e l dI n c l i n a t i o n[ d e g ]. 図 5:シンクロトロン振動数の磁場傾角依存性. l .E +02. U. 円︿. FhU.

(4) 5.まとめ CygnusAのホットスポットに、 m u l t i p a r t i t eo b l i q u es h o c k model を適用し、 HRの内部構造を説明するとともに、加. 速電子のシンクロトロン放射の振動数を計算した 。観測さ れる keVスケールの X 線を導出することができた。. 参考文献 1 ) P e r l e y ,R .A . , Dreher ,J .W. ,& Coheh,J ., . JApJ,Vo. l285 ( 1 9 8 4 )L35 2 ) B a l u c i n s k a C h u r c h, M. , e ta , . l MNRAS, 357( 2 0 0 5 )L6 3 ) B la n d f o r d ,R.D.& Rees,M., . J MNRAS,Vo1 . l69( 19 7 4 ) 395 P .J .&R y l e, M., MNRAS, Vo . 11 6 6( 1 9 7 4 )305 4 ) H a r g r a v e,. .H . , MNRAS,Vo1 .345( 2 0 0 3 ) 5 ) B r u n e t t i,G & Mack,K L40 6 ) C a r i l l i,C .L . ,P e r l e y ,R .A . ,. &Dreher,J .H. ,ApJ, 、 勺 1 .334. ( 19 8 8 )L73 M.& T a k a h a r a , F . , MNRAS, Vo . 1349( 2 0 0 4 )336 7 ) Kino, M.O s t r o w s k i, M., e ta , . 1 Vo1 .357( 2 0 0 5 )L7 8 ) Church,. , Y .S .& Honda , M., ApJ , Vol .613( 2 0 0 4 )L25 9 ) Honda , Y .S .& Honda , M., MNRAS, Vo . l362( 2 0 0 5 )833 1 0 ) Honda 1 1 ) C a r i l l i,C. L . ,e ta . 1, ApJ , Vo l .383( 19 9 1 )554. υ. A告 に.

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参照

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