上川地方に於ける稲収量の変化に関して II : 耕種法による稲収量変化について
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(2) . 第7 巻 第1 号. 昭和31年7月. 北海道学芸大学紀要 (第二部). 上川地方に於 ける楢収量の変化に 関 して = ←→緋種法による稲収量変化について-- 吉. 田. 昭. 穂. 北海道学芸大学岩見沢分校職業科研究室. ldsin Akiho YosHIDA : Studies on the Variation of Ri ce Yi e i Kamikawa Di t t2 s r ct ) ,(Repor iat ion of Ri lds by Cul ture N1ethods一-- 一--on the Var ce Yi e. 化 の 変 園 畢 ー平 ゴ 需 騒1 墓 二 二 二 次. 目. ム 議 :碁盤参 . 法 方. 察. 4 誹鋤の深さと収量の変化 .ョ. 1 . は. し. 力;. き. 安定した栽培と云うのは年々の収量が多く、 且年に依る収量の変化の少い事 がその必要条件であ る。 上川地方の稲収量は本州に比較すると収量も少く、 変動係数も非常に大きく約5倍の数値を示 しておる。 その主な原因は気象条件であり、 特に気温に依って左右されている傾向が強いのであ ) る。1. 一般に寒冷士隊こ於いては、 水稲の早生種は晩生種に比較して気候の良好な年に は収量は低いが、 気候の不良な年には却って収量が多くなることが知られており、 このことは晩生種の収量の年変異 が大きい事を示すものである。 そしてこの様に年変異に差の生ずる原因は年 々の気象条件に対する 種々な耕種条件の反応に於いてその中に変化の あることにより起されるもので、 農業上の圃場試験. で同一試験が数年間反覆されることは、 この年変異のためである。 許種方法むこ依って稲収量力域ロ何に変化するかに 筆者はこの様に年変異の大きい当地方に於いて、 ョ 分析調 査 を 行 っ 農業試験場上川麦場で多年継続的に行われた数種について統計的 ついて、 北海道 たo. 2 . 材料及び 調 査 方 法 この調査に使用した材料↓ま上川支場の水稲豊凶考照試験及び豊凶考照試験以外の長期に亘る試験 成績である。 以上の材料について、 移植栽培と直播栽培の収量比較、 土壌耕鋤の深さによる収量の変化、 正条 栽培と広中栽培の収量比較、 直播時期及び挿決時期と収量の変化、 品種別による収量の差異につい て、 平均反当収量、 変動係数、 標準偏差及び分散分析を行った。 一14 8-.
(3) . 上川地方に於け る 熱収量の変化に関 して R. 3 . 移植栽唇と直播栽培との収量の変化 上川地方の稲作の発展は実に直播栽培に負うところが大であって 昭和初年頃までは殆んど直播 、. ) で あっ た しか し昭 和 6 年 同 7年の凶冷で従来の稲作栽培に対して鋭 栽 培2 、 い反省が加えられ 、. 、 漸次温冷床の研究普及に意が注がれ現在では、 当地方の北部 地域を除いては直播栽培よ り 温 冷 床 に、 或は直播栽培と温冷床の組合せが行われているが 総じて未だ5 0%は直 播によって栽培されて 、 、る。 お. 移植栽培の利点及び欠点は種々論議されておるが 筆者は移植栽培と直 播栽培との収量の差及び 、 収量の変動係数、 分散分析を行った。 この調査に使用した材料は移植と直播を比較するために試験 されたものではなく、 豊凶考照試験の一部と して同一品種 について数年間行われた試験より適当と 思われる材料を蒐 集したものである。 品種は 「坊主2 号」 「坊主6 号」 「水稲農林2 0号 ▲ 」 「富国」 「中生栄光」 で、 これらの品種の毎 年の収量変化を示すと第- -表の通りであり、 叉これらの変動係数 標準偏差を示すと第2表の通り 、 である。. この表よりみると、 「坊主2号」 「水稲農林2 0号」 は移植栽培が直播栽培よ り, 僅ずかではあるが 収量が多い。 叉 「坊主6 号」 と 「中生栄光」 は同じであり 「富国」 は直播栽培が移植栽培より優 、 第1表. 坊 主2号 移植 直播 日和 5 昭和 6 7 8. 2 35 . 1 75 .. 2 30 十 . 2 15 - .. L30. 1 37 - , 2 1 ,7 -. 2 05 . 1 91 .. 9 1 69 十 . lo 2 2 0 0 0 . .5 - f i 11 2 2 3 1 41 - .十 ′ ” ▲. .( 1 12 239 221 十 . .“ r1 ) 「十ノ .. ▲ 13 217 228 - . . 14 2 09 2 07 十 . . ー 1 - ^ 15 0 80 0 89 - . . 16. 17 18 19 20 20 21 21 22 22 お 23 24 25 26. 総計 平均. 1 73 .. 2 01 . 2 23 . 2 04 . 2 17 . 2 22 . 2 39 . 2 52 . 2 20 . 2 15 .. 差 05 . 40 . 01 . 12 . 22 , 05 . 10 . 18 . 11 . 02 .. 09 . 1 83 - . 10 . 2 06 - . 05 . 1 82 十 . 41 . 1 86 十 」8 . 1 99 十 . 18 . 1 99 十 . 23 . 1 43 96 十 . . 2 37 十 . 13 . 2 36 - . 16 . 2 25 十 . 10 .. 上川麦場に於ける木稲移植栽培と直播栽培の反収比較. (単位 石). 坊 主6 号. 中生栄光. 移植 直播 2 42 . 1 63 . 77 ・ 2 45 . 1 90 , 2 07 . 2 36 . 2 55 . 1 65 . 2 37 . 1 14 . 1 53 . 2 04 . 2 33 . 2 17 . L95 2 47 , 2 42 . 2 68 . 2 30 . 2 40 .. 0号 農 林2 差. 移植. 直播. 1. 富. 国. 差 ョ移植 直播. 差. 移植 直播. 差. 2 25 十 ・ 17 . 2 1 56 .9 - .. 02 .79- . 2 31 十 . 14 , 1 72 十 . 18 . 2 05→ 02 -. . 2 32 十 . 04 . 2 15 十 . 40 . 2 48 - , 83 . 2 40 - . 03 . ー 15 冊 . ○. . 1 23 76 冊 . . 2 16 ー J2 . 2 o3 36 冊 ・ . 2 19 冊 D2 . 04 1 91 十 . . 2 09Y 38 ←. . 1 98 ← . 44 .. 2 40 ← . 28 . 2 47 冊 ・ ー7 .. 2 46 冊 ・ 06 .. 2 12 . 2 19 ・ 2 46 ・ 2 33 , 2 3 .6 2 49 . 2 5 .8 2 95 ・ 2 4 ・8. 2 11 十 . 2 59 - . 2 3 .7 十 2 42 - . 2 3 .9 -. 01 ・ 40 . 09 . 09 .. 2 44 . 2 92 .. 2 63 - . 19 . 2 5 9 1 → → . .3. 1 55 . 2 67 . 2 1 ,7. 2 95 ー 1 40 , . 1 2 5 5 十 . .2. 1 67 . 2 02 . 2 58 , 2 50 .. 03 . 2 2 3 17 十 . ・. 1 80 . 3 0 .2 2 16 .. 39 , 24 .. 24 3 . 2 71 .. 2 19 十 . 2 71 十 .. 2 31 十 . 2 4 1 2 52 - . . 42 78 42 08 十 . 70 43 60 43 59 十 . 01 24 4 2 3 3 9 3十 . . . . . , 2 04 2 00 十 . 04 2 08 2 08 0 2 4 4 2 3 , . . . . .9 ト. -149-. 17 ・ 1 ・1. 2 56 . 2 17 ,. 1. 30 - 62 十 1 .. 03 . 05 .. 1, 99 十 2 60 - .. 03 2 41 00 2 47 - . . . . 0 2 2 2 6 0 2 6 0 十 . .2 . . 2 4 3 0 7 十 2 2 7 12 9 0 8 十 . ・ . . . 1 0 9 一 l o 1 7 1 4 - 31 5 9 . ・ . . . 12 2 5 0 2 十 5 2 3 8 3 1 6 12 十 . . . . . 52 1 98 十 . 18 2. 56 2 04 十 . 52 . . 20 2 2 8 4 2 十 3 3 5 3 1 2 5 十 . , . . .0 80 2 68 十 . 03 2 62 2 74 十 . 80 , . . 2 76 - . 2 2 - .4-. 20 2 64 2 85 一 . . , 0 7 2 4 2 2 47 - ・ . . 0 2 5 7 7 3 8 3 4 5 2 6 2 6 1 6 2 6 20 - - . , . . . . 0 2 5 3 3 2 3 4 0 1 2 6 2 2 - 62 . . . ・ . ,. 21 . 肪 0 .5. 鵬. 04 . 0 0.
(4) . 田. 吉 第2表. 穂. 昭. 上川麦場に於ける水稲の移植栽培と直播栽培の比較ならびに標準偏差変異係数. 確率誤差. 標準偏差. 確率誤差. ゴ ヒ 一 ÷. 一 ÷ ÷ t. 十 ÷ ÷ ト. 平均反収. 変異係数. 植. 2 04 . 2 00 .. 2 19 . 0 18 ,. 21 移 植 坊主6号 (昭 5一昭25 ) 直 椿. 2 08 . 2 08 ,. 23. 5 2L9. 一 ト ÷ ゴ ヒ. 2 44 . 2 39 .. 4 9 . 7 7 ・. ÷ ト 一 ÷. 2 33 , 2 34 .. 21 7 . 19 8 .. 試 験年数. 品種名 坊主2号. 栽培法 移. 21. 1 1 1 325) 直 橘 ) (昭 5^. lo 移 植 農林20号 (昭17一昭26 ) 直 播 16 移 植 富 国 ( H i gll~昭26) 直 播 lo 移 植 中生栄光 (昭17~明日26) 直 播. 20 6 . 6 15 .. 2 62 . 62 2 .. 一 ト ÷ コ ヒ. 1 99 . 1 87 . 2 44 . 27 2 . 1 42 . 1 16 . 2 89 . 2 35 .. 十 3 11 . 一 ÷ 2 35 .. 0 392 . o 359 . 488 ゴ ヒ ○ . 一 ÷ 0 454 . ÷ ト 0 228 . ÷ 十 0 179 . 十 ÷0 506 . + 0 465 . 一 ÷0 539 . 十 0 410 .. 0 041 . 037 0 . 一 ÷ 0 051 . 一 ÷ 0 047 .. ÷ キ ト ÷ 十 ÷. 一 ト ÷ ÷ + r ÷ 十 ÷ ÷ ト. 0 034 . 0 027 . 0 060 . 0 05う . 0. 081 0 062 .. っている。 叉変動係数に於いては、 いずれも移植栽培の方が大きい傾向にあり、 定時番栽培と移植栽 培の両者の変動係数の差の大きいものは、 当地方としては晩生種に属する 「中生栄光」 が約5% の hの小さい数値を示しておる。 中で最も大きく、 「坊主2号」 が最もr 「坊主6号」 を除いていずれも栽培期間に長短があり、 年に 「 坊主2号 と 中で 」 以上の資料の 、 対する変異を考えると、 5 品種を同一視することは疑問である。 よって 5品種が同時に栽培された. 7年より昭和25年までの9年間の材料について平均反収、 変動係数、 標準偏差を示したのが第 昭和1 3 表 であり、 これの分散分析を行ったのが第 4表である。 水稲の移植栽培と直播栽培の比較. 第3表 品. 種. 試. 名. 験. 年 数. 7一昭25 ) (昭i. 坊主6 号. ) (昭17~昭25. 坊主2 号. ) (昭17~昭25. 国. i 一昭25 l i 317^ ) (. 中生栄光. ) (昭17一昭25. 品. 種. 艇 .番 植 ー キ 番 樵 橘. 2 44 . 2 38 . 2 3 .1 2 22 . 2 21 , 2 oi , 2 51 . 2 41 . 2 65 . 2 64 .. 9. 9. 9. 9. 第4表 囚. 平均反収. 9. 農 林 20号. 炎. 緋 種 法 移 直 移 直 移 直 移 直 移 直. 植 橘 植 謡. 較・分散分析表. 4. 年 栽 培 法 . 32. 品甑×栽培. . 年 x 栽培 差 誤. 636 0 . 0 556 .. 0 135 . 489 3.. 135 0 . 109 0 .. 048 0 . 0 702 .. 0 012 . 0 087 .. 0 183 .. 006 0 .. 総 変 異1 89111 .燭1 .洲 E o. 0 240 . 0 i85 . 一 ト ÷ 0 225 . ゴ :○ 222 ー . ÷ ト 0 297 . コ ヒ 0 177 . ゴ ヒ 0399 一 ÷ 0 359 .. ・. 9 836 . 7 773 . 9 740 . 10 000 . 13. 378 8. 806 15・ 896 14 896 .. 圭8 宣 誓 ≦! 〒 ÷ 琵 琶. おいては、 「坊主6号」 が直播栽培におい て移植栽培より変動の割合が大きいが、 他 の4品種はいずれも移植栽培が直播栽培よ. 分 散1 F. 2 544 . 4 446 .. ÷ ト コ ヒ. 第3表よりみると、 全般的に移植栽培は 直播栽培より収量が大きく、 叉変動係数に. 水稲の直橘栽培と移植栽培の比. 義 :度 偏一 目; 自由度 平方和. 1 標 準 煽 差 ー 変異 係数. り変動の中が大きい。 叉第 4表における分 05の点で 散分析の結果より統計的に P=0 , 信頼の出来るのは品種間、 年間、 栽培方法 番栽培と移植栽培) (直す 、 品種と年の交互. 1. 作用及 び年と栽培の交互作用であって、 品種と栽培の交互作用は、 一般に統計の 有. 05 の点で無意 である結果が出た。即ち品種と栽培方法との間には統計的に収 意 の 限 界 で ある P=0 .. 量差がない事になる。 0- -15.
(5) . 上川地方に於ける稲収量の変化に関して =. 4 . 耕鋤の深さと収量の変化 昔より水田の深耕は増収になる、 或は深耕多肥は増収の基であると説かれて来た、 即ち深く耕す と土壌が水分や養分を保有する力が増し、 稲の根がよく発達する為肥料や水分の吸収が多くなり、 結 果 と して 増 収 と な る と云 う の で あ る。 そ れ では どの 位 が適 した尋排鋤 の 深 さ で ある か、 こ れ は 土 壌. の状態、 気象状況等により必ずしも一様ではなく、 叉その地域によってそれぞれことなることは云 う ま で も な い。. 9年まで1 3年間の水田ョ 筆者はこの問題を考える材料として、 上川支場で昭和7 年より昭和1 誹鋤の. 深さと収量の関係について試験を行ったものについて調査をした。 上川麦場で試験したその方法と 第5表 れF起の深浅と収量の関係 3. 昭和. 7. 5. 0 65 .. 8 lo 11. 2 46 . 16 2 .. 12. 2 59 .. 13. 16. 1 23 . 0 93 .. 17. 2. 3 3. 7. 深. 寸. 2. 70. 2 76 ,. 2. 37 1 93 .. 2 51 .. 2 20 .. 16 2 . 2 85 .. この平均反収、 変動係数、 標準偏差を耕鋤の深さ別に示. 27 2 . 2. 72 1 18 . 1 65 . 2 74 , 2 93 .. 10 2 .. 04 3, 2 16 . 2 74 . 13 1 . 1 35 . 2 71 .. 2 59 .. 2 82 . 2 79 .. 20 2 .. 2 19 .. 年 ョ 誹起の深さ 差 誤 異. 総. 変. 分 散. F. 23 2671 .. 1 939 .. 77 3 .. 0 6249 , 0 9027 .. 0 208 . 025 0 .. 8 3 .. 36 51. 24 7947 .. P 0 01 . 0 01 .. っ たも の で あ る。. した の が第 5 表 で ある。 この 表 よ り みる と、 平 均 反. 0寸、 収は7寸が最も多く、 1. 5 寸、 3 寸の順に減収となっ. ておる、 しかし変 動 係 数 で は、 3 寸の深さが最も大きい. hを示 し、 10寸、 5 寸 変 動 のr. 7 寸と漸次その中が小さくな. っている。 反収も多く且変動 係数の最小なものは7寸で一. 00 32, 4 3 .3. 第6表 水稲の土壌』 井起の深さについての分散分析. 因 自由度1 璽 ;署. 3寸、 5 寸、 7 寸、 10寸 の 4. 1 83 .. 0 7216 . ゴ ヒ○D950. 変. ち主条件である耕鋤の深さは. 寸. 段階を設けて収量の比較を行. 2 76 . 00 3 .. j ;. lo. 0 63 . 25 2 .. 1 49 . 63 2 .. 19. さ. 云 う の は次 の通 り で あ る。 即. 63 0 . 2 16 . 1 71 .. 2 60 . 1 46 .. 18. 均. の. 2 93 . 2 17 .. 2 43 .. 15. 寸. 2 02 . 2 61 ,. 2 13 .. 14. 起. 0 53 . 2 02 . 1 63 .. 1 54 . 1 50 .. 9. 平. ョ 誹. 寸. 単位 石. 番安 定性を示している。 叉この材料について分散分 析を行ったのが第6表である。 この表より明らかな如く、 耕鋤の深さによ 05の点で有意 る収量の差は統計的に P=0 .. であるが、 年の変異も叉非常に大きく、 耕 鋤の深さと年変異と比較検討してみると、 耕鋤の深さの収量に及ぼす影響力に比し、. 年変異の収重に及ぼす影響は約10倍 で あ る。. 5 . 広中栽培と正条栽培との収量の変化 上川地方の如く気候寒冷な所では、 広中栽培にすると、 正条栽培の場合よりも日中太陽が水田の 面を照らす範囲が広い。 ために水温、 地温の上昇がよく、 その反面夜間は却って正条栽培より大気 3 ) 即ち昼夜の較差が正条栽培より との接触面が広く熱の放散が多くなって冷える度合が大となる。 -151一.
(6) . 吉. 田. 昭. 穂. 大きいと云われており、 叉風の通りもよくなる等稲の生育に好影 響を及ぼし、 正条栽培より生育は 進み、 草丈は短くなり、 茎は太く丈夫になり、 多肥に耐え収量を多くするものと考えられる。 筆者はこの広中栽培と正条栽培の収量比較を調査した。 これに使用した材料は、 いずれも直播栽 0号」 培であり、 豊凶考照試験のうち標準に近いと思われるものを用いた。 供試品種は 「水稲農林2 5年ま で (昭 「富国」 「中生栄光」 の三品種で、 昭和18年より同2 正条栽培と広中栽 第7表. 培の稲反収比較 単位 石. 番雪広中播 年 次 1 麟ず 昭 8 召和 和 1 19 20 21 22 23. 2 52 , 2 55 . 2 07 . 2 66 . 2 07 . 2 87 .. 2 57 . 2 41 . 24 2 . 2 57 . 2 26 . 2 65 .. 25. 均. 変異係数 確率誤差. 2 71 . 2 50 . 12 6 .. 一 ト ÷0 28 .. 動係数は第7表の通りである。. この表よりみると、 広中栽培は正条栽培より7 年間の平均反収 において1升減収 である。 しかしこの数字は両者7年間の平均反 4% にしか過ぎず殆ん ど同じであるとみなし得る。 変動係 収の 0 .. 数は広中 栽培が小 さく、 正条栽培の約6割にすぎない、 尚7月 ・ 0年、 同22年に於いて 8 月の平均気温が平年より低くあった昭和2. 2 71 .. はいずれも広中栽培が収量が多くなっている。 次に分散分析の結果をみると第8表の通りである。 この表よ り. 2 49 .. 明 ら かな 如 く. 2 7 . ÷ 十1 28 .. 栽培 法 に よ る. 24. 平. 和24年を除外)7 年間で、 その反収平均はこれら品種の各年収量 の合計を算術平均して算出したものである。 その平均収量及び変. 収量の差は統. o 5の点で無意である。 即ちこの 7 計的にP=o . 年間に於ける広中 栽培、 正条栽培の両 者間に収 量の差は認められない。 けれども年に対しては olの点で有意な結 果が出たo こ 統計的に p=o .. 第8表. 水稲の正条栽培と広 中栽培の比 較・分散分析表. 差 変 因 自由度 優-. 脇. 分. 散. F. p. l o ま ド ー 禦ぎ- 禦ぎ E繁り Q. . . 1. 3 0m6『o 総変異 I 1 .醐51 の事は両 栽培法を乙依って収量の差は認められぬ が、 年に対して は収量差が認められることを物語るもので、 上川地方においては広中栽培、 正条栽 培の収量に及ぼす因子よ り、 年の収量に及ぼす因子が非常に大きいことを示してお る。. 6 . 播種期及び挿秋期と収量の変化 上川地方の如く稲の生育期間の短いところではなるべく早く播種並びに挿秋するとよいと云われ ておる、 けれども 晩霜、 副雪時期、 気温、 水温等を考えると、 これ等にも 幾多の問題がある。 この -応参考までに播種時期に関するも 調査については長期間に亘る試験成績の纏ったものはないが、 -. の3年間、 挿秋 時期に関するもの3年間について調査を行った。 2年まで 0年よ り昭和1 播種時期の材料は、 昭和7年より昭和9 年まで、 挿秋時期については昭和1 各3ヶ年、 供試品種は播種時期に使用したものは 「富国」 、 挿秋時期に使用したものは 「走坊主」 で ある。 尚収量比較は百分率をもって示した。 その結果は第9表の通りである。. 2%、 5月25日 が 7%、 5 月20日 が 102 . . こ の 表よ り み る と、 5 月 9 日を 100 と して、 5 月15日 が 103 7%、 6 月25日 . 93 8% と な っ て お り、 叉 挿 秋 時 期 に お いて は、 6月5日 を 100 と して、 6 月15日 が 102 . 4% と な っ て お り、 最 も 遅 く 挿 決 した 7 月 5 日の収量は6月 5 日の収量の 4 1%、 7月5日 が 43 が 79 . .. 0日より5月20日頃まで、 叉 割強と云う減収率である。 播種時期としてはこの調査期間中では5月1 挿決時期は6月 5 日頃より6月15日前後が適当しておるように考えられる。 1表の如くである。 播種時期と収 量 次にこの材料について分散分析を行った結果は第10表及 び第1. 05 5 月 9 日 よ り 5 月25日ま で) に つ い て は 統 計 的 に P=0. との関係においては、 この調査期間内 ( -152-.
(7) . 上川地方に於ける稲収量の変化に関して = 第 9 表. 単位. に依る反収. 5月9日 昭和. 富 5月15日. 国 5月20日 1 5月2 5日. 7 置. 6月5日. 7 9 lo. 2 479 . 2 832 .. 11 12. 合. 2 850 . 8 161 . 2 720 .. 計 均. 平. 百分率. 誤. 差. 平方和. 差. 総変異. 2 822 . 1〇3 7% ・. 617 1 ,. 2 406 . 112 3 .. 分 散. ( 、 ノ 0 132 . っ ” 0 970 . ′ h )( V 0 135 ,. 2 825 . 343 8 . 2 781 .. 2 520 , 659 7 . 2 553 . 93 8% .. 2% 102 .. i 237 .. 0 044 , 0 485 . / 0 023 . 138 0 .. F 1 956 . 22 044 .. 1 234 , 2 0 .88 1 990 .. 2 057 . 3 082 ,. 水稲の播種 (直揺) 時期の 比較・分散分析表. 因 自由度 偏. 時期間 年次間. 2 971 . 8 4 .67. 100%. 第lo表 変. 2 424 , 3. 072. 石. に #る. 走 主 坊 6月1 5日 6月2 7月5日 5日. 270 1 . 2 279 .. 8. 換. 166 5 . 1 722 . 100%. 312 5 . 1 771 , 102 7% .. 0 699 . 1 913 . 1 4 .78. 0 097 , 1 3 ,03 0 848 .. 4 090 .. 248 2 . 0 749 .. 1 363 . 1% 79 .. 43 4% .. 第11表 水稲の挿秋時期の比較・分 散分析表 P. 変. 0 0 ・. 因 自由度. 時期間 年次間 誤 差. 総変異. 3 2 6 9. &義 分 散 1 990 . 2 333 . 0 137 . 4 460 .. 663 0 . 1 1 ,12 0 023 . 0 4 .96. F 22 34 . 48 31 .. P 0 0 . 0 0 .. の点で無意であって、 播種時期に依って収量が左右されると云うことは認められない。 叉挿秩時期 (6 月 5 日から7月 5 日 ま で) と 収量 に つ い て は 統計 的 に P=0. 01 の 点 で 有意 で ある こと が 認め ら. れる。 しかし両者共年に対する変動は遥かに大きい。. 7 , 品種別に依る収量の変化 当地方の如く気象条件の変化の激しい地方に於いては、その影響を最少限度にし、安定した生産を 挙げるため、 稲作技術の改善に努力をしているが、 その技術面の中で上述せる様な種々の彩 f種法が 取り上げられて来ているが、 品種の改良と云う事は非常に大きい意義を持っている。 殊に北海道の 稲作が僅ずか一世紀を出でずして今日の如き隆盛をみたのも実に品種に負うところ少しと しない。 試みに2 .3あげてみるに、 明治当初は赤毛種で石狩平野及び以南で栽培されていたのが明治27年 1 8 94 ( ) に坊主種が出現して水稲の栽培範囲を北進せしめ、 上川盆地をそ の主生産地にするに至っ 1 9 23 1 9 37 た。 次いで大正3 年 ( ) 走坊主、 昭和12年 ( 1号が出るに及んで、 北は天塩、 ) 水稲農林1 4 ) 一方 「富国」 「栄光」 「水稲農林20号」 等多収穫品種が 東は斜里、 釧路まで栽培を可能にした。 続出し、 叉特殊土壌である泥炭地に於いて著しい成果を収めた 「石狩白毛」 など、 当地方並びに北 海道の稲作史上に幾多の優良品種が貢献している。. 筆者は上川麦場の生産力調査の記録 の中から比較的長期間栽培された6 品種を選び、 平均反収 、 変動係数を調査した。 この材料はいずれも直播栽培のものであり、 調査期間も品種により長短があ るが、 ここではその侭試験年次の相違するものも使用した。 2表であり、 その変動係 数、 標準偏差を表わしたの 毎年の平均反収の変化の傾向を示 したのが第1 が 第13表 である。. まず品種別に平均反収をみると、 「栄光」 が最も多く 「坊主2号」 が最も少い その差は反当6 5 , 、 3 斗であって、 「栄光」 は 「坊主2号」 の 3 割の増収率を示 しておる しかしこの数字は同じ栽培 . 。 -15 3岬.
(8) . 田. 吉. 昭. 穂 3表 第i. 第i2表 水稲品種別に依る反収の変 単位 石 化の比較. 纏 1墓朝富国1栄光度美雪鰹 年ぞ 熟2毒 32 昭和 4. 品種. 219 079 231 172. 0. 205 232. 63. 2. 215. 59. 3. 248. 95. 4. 240. 55. 5. 115. 30. 6. 176. 52. 7. 216. 25. 97. 8. 236. 23. 60. 9. 219. 24. 43. 0. 191. 23. 1. 209. 23. 2. 198. 7 21. 3. 240. 2. 4. 247. 23. 5. 246. 25. 2 09 .. /. 変異 確率 係数 誤差. 護憲 標蔓 1. ー0 ト 039 77lo 43→ 278+ 0 0士 1 栄 光 昭17一昭262. , . ・ . 中生 昭17 昭26262 152士 229士 0409+ 0062 - . . . . .. 1. 26. 試歌年数 闘. 坊主 I昭 4一昭25209203 士 206ゴヒ0424一÷0043 I , . , . - 号 農林 昭17-H召26239 97士 146十÷0229+ Q035 , . . . 2 0号 十 ÷ 055 460 土 0 34i9 35 0 7十 2 富 国 昭11一昭262. . . , .. 225. 9. 水稲品種別に依る反収の比較 単位 石. 2 11 . 2 39 .. 栄光 晩生 昭18一 091 日 74 20 9士 3 32士 0 574± 0 62. 召2 . . . . 栄光 期間のものを比較 したのでないから 一 方 的 に 「坊主 2号」 は劣っていると云う事は断定出来 0号」 が小さ ない。 叉変動係数では 「水稲農林2 2 83 . 2 86 .. 2 47 . 60 2 .. 95 2 . 90 2 22 . 50 2 89 . 9 8 8 2 65 . 2 2 97 . 68 2 55 . 76 14 3 . 60 2 2 4 2 . .. 2 78 , 1 94 .. 2 34 .. 2 77 .. 3. 16 2 04 .. く、 「栄光」 「中生栄光」 「富国」 と漸次大き くなっているが、 最近の品種程変動の中が狭ま l生栄光」 「晩生栄光」 と i く、 晩生, 顕である n. 17 3 . 31 3 . 1 41 , 2 89 . 2 55 . 2 91 .. 15 3. 2 74 . 2 85 . 2 47 .. 2 46 . 23 3. 2 70 .. 2 62 .. 2 74 .. 早 生種である 「坊主2号」 とを比較してもその 優劣安定性が判つきりしておる。 標準偏差にお 0号」 が一番小さく 「晩生栄 いては 「水稲農林2 が最大である 光」 。. 以上の結果は品種により試験年次に長短があ り、 自然条件の変化、 人為条件の差異に依り長 期間のものと、 短期間栽培のものを同じ立場 で. 材料として取り扱うことは単なる傾向を云々するのにはよいとしても、 厳密に考えると不合理 であ る。 よって同じ条件で、 同じ期間栽培したものを上記の中より選び、 その平均反収、 標準偏差変、 動 係 数 を 求 め た の が 第14表 で ある。. 第14表 水稲の品種別にょる収量の比較. 品種名. 試験年数. 農林20号 昭18~昭25 ・同 坊主2月 上 』 上 国 同 光 同 栄 中生栄光 同 晩生栄光 同. 上 上 上. 平均 標準偏差 変 異 係 数 反収 2 40 . 23 2 ,. ヒ ○ 2 46 ゴ 359 . , コ ヒ 2 7 8 291 0 . , 6 6 コ ヒ 2 429 0 . . 2 74 .. % 6 33 . 46 9 .. 一 ÷ 0 152 . 一 ÷0 2 .21. 一 ÷ 0 618 ,. 14 60 . lo 50 . 16 15 . 22, 54. 5表 水稲品種間の比較分散分析表 第i 変. 因. 品種間 年次間 誤. 差. 総変異. 差 度 平方和 分 散. 自由 偏. 5 3 546 , 8 1 597 . 275 40 3 . 418 52 8 .. F. 0 659 709 8 . . 200 2 0 437 . . 0 082 . 0 162 .. P 0 01 . 0 05~0 O . .. 平均反収においては 「栄光」 が 最 も 多 く、 「晩生栄光」 「中生栄光」 「富国」 「水稲農林 20号」 「坊主2号」 と順次減収になつておる。 0号」 が小さく、 「晩 標準偏差では 「水稲農林2 0号」 の4 生栄光」 が最大で 「水稲農林2 、倍の中. をもっておる。 叉変動係数については、 「水稲 農林20号」 が最も小さく 「晩生栄, 光」 が 大 き い。 即ち早生種が小さい変動を示すのに対し、 中生種、 晩生種となるにしたがって、 変動の中. が大きくなり、 不安定度が増す傾向にある。 次にこの材料について分散分析を行った結果 は 第15表 の 通 り で あ る。 こ の 表 で 明 ら か な 如. く、 品種による収量の差は統計的に認められ、 特に年に対する数値より犬いことは注目に与い -154一.
(9) . 上川地方に於ける稲収量の変化に関して =. するものと考える。 これは上川地方の如き寒冷な地方にお いても品種の選択配分に依って、 年に対 する変異を克服する可能 性があることを示唆するものと考えられる。 即ち安定した稲作が品種の選 択により或程度可能であると解される。 8 . 考. 察. 緋種法の相違に依 りその収量の年々の変化が大きいか、 小さいかと云う事は安定した生産を挙げ る上に重要な事である。 安定性のある作物と云われているものは、 その地方の気象及び土壌条件に よく適合 し、 年々の収量の変動が少いものを云う。 稲は寒冷な当地方に於いては決して安定 性のあ る作物とは云い得ない。 しかし我々の祖先が心血を傾けて水稲栽培と斗い、 嘗っては全く不適地と. されていた当地方に豊穣の実りをみるに到った。 けれ どもその収量の増減は年によ り甚だしく 変 、 動の中も極めて大きい事は既に多く研究に依り明らかであり、 筆者 「上川地方に於ける稲収量の変 化に関して」 の第1報においても本州の約5倍の変動の差異のあることが判った、 斯の如き不安定. な水稲栽培地方に於いて、 如何にしてこの変動の差異を縮少し得るか、 これは当地方稲作の今後の 在り方にとって重要な意義を持つものと思う。 筆者は水稲の収量がヲ 誹種法に依って如何に変化するかを調査した、 その結果について検討しよう. と考 え る。. g) 移植栽培と直播栽培に就いて. 1 3 直播栽培と云うは明治26年 ( 89 ) に札幌郡白石村四上白石農事試作場に於いて始められたもの で、 北海道独特の栽培法であ り、 上川地方においても従来は広範囲に亘り行われていた 近年は保 。 護苗代所謂温冷床苗栽培の普及によ り減少はして来ているが、 上川北部においては可成りの栽培面. 積を持っている。 移植栽培はその苗の養成方法に依り種々分けられるが、 普通苗代以外の特に保護 された苗 床で養成された苗を保護苗と 呼んでいる。 しかしこの様な保護苗によって広く移植栽培が 行われるようになったのは極く最近の事で (昭和 7年頃以降) 古くは 多く普通苗代による移植栽 、. 培が行われていた。 ここで材料と して用いたものは普通苗代に栽培されたもので、 それと直播栽培 と比較したものであって、 単に移植と云う条件のみの差を調査したのではない。 0号」 の2品種は移植栽培が増収を示し、 「坊主 6 平均反収については 「坊主2号」 「水稲農林2 「 号」 中生栄光」 の2品種は同じ収量結果を示し、 「富国」 においては直播栽培が優れておる、 叉 変動係数に於いては、 5 品種共移植栽培の方が大きく、 直種栽培の方が安定性のあることを物語っ. ておる。 叉同一栽培期間の材料について調査した結果にお いては、 平均反収で5品種共移植栽培の 方が増収、 変動係数では 「坊主6号」 を除き他の品種は移植栽培が変動の割合が大きい。 以上の調査の中、 第2表の結果に於いて、 収量の差があまり認められなかったのは、 各品種の栽 培年数が異り、 且非常に長期間のものは、 その期間の気 象条件の変異の方が収量に強く働きかけ、. 栽培法の差は殆ん ど問題にならなかったためと考えられる。 第3 表の結果に於いて移植栽培の方が. 0年を除き高温な年が続いたため移植による活着が順調 収量が多かったのは、 この栽培期間中昭和2 に行われたと共に直播栽培に対して一週間位早く播種され生育期間が長く利用出来ることな どが考 えられる。 叉変動係数は直播栽培より移植栽培が大きい、 この事は年変異が直播栽培より多いこと ) 移植栽培は気温低冷な年に於い を示すもので、 この年変異の主なる原 因は気 温の低い事にある。 4. ては直播栽培より移植栽培が収量の減ずることが考えられる。 例えば5品種の長期間栽培した第 1 表についてみると、 昭和6年、 昭和7 年、 昭和16年、 昭和2 0年に於いては、 いずれも移植栽培が直 播栽培よ り劣っているか叉は差が僅少になっている。 これは当地方に於いては直播栽培が移植栽培. ょ 回又量の増減の差が少いことを示すものである。 直播栽培では移植栽培の場合の ごとき活着期 が -!“.
(10) . 吉. 田. 昭. 穂. なく、 且つ叉密播栽培の一種であるから分葉を抑制し、 生育が促進する傾向があり、 その結果生育 ’栽培法 0日~2 0日短縮することが出来るためであろう。 分散分析に於いては品種間、 年間、 期間を1 05の点で有意 であり、 殊 品種と年の交互作用、 年と栽培の交互作用はすべて統計的にみると P=0 . に品種に於いてその差は明らかである。 稲作の北限地域内にある当地方に於いても、 品種の選択の 重要性を示唆するものであり、 叉移植栽培、 直播栽培もその年により互にその特質を有しており、. これらの合理的な組合せは今後の当地方稲作収量の変動を縮少する因子 の一つと考えられ得る。 ◎ 餅鋤の深さに就いて 水稲栽培に於いて、 餅鋤の深いと云う事は根の伸長を促し、 生育旺盛となり、 肥料もよく土壌に )は稲熱病の発 生を減ずると 吸収維持される利点を持つときれており、 叉東北大学の田杉平司教授5 )は、 全国各県の農事試験場で行った耕起 の深さと水稲の収量との関係試験 いっておろし、 龍野氏G 00oC 以上の地方では、 深耕によって増収する例が 5 を集計して、 播種から出穂までの積算温度が2 多 い が、 25000C 以下の地方では必ずしもそうではないことを 指摘しておる。 本調査に於いても耕鋤の深さを増すことによって明らかに増収を菰き起すことを示しているが、. 耕鋤の深さが7寸 以上になると出穂、 成熟共に遅く、 草丈は深さを増すに比例 して長大となり品質 は青米 が多く劣る傾向があるとい われる。 変動係数の小さいのは7寸で、 5 寸がこれに次ぎ、 収量. 0寸となっており、 当地方としては収量の点、 変動係数の の面ではやはり7寸が最も多く、 次いで1 さと考えられろ。 しかし土性、 土層の状態、 気温の 7 5 寸が適当な耕鋤の深 寸~ 綜合すれば 中より 、 高低、 水田の若田、 敦田によっても耕鋤の深さは考慮きれるべきであることは云を要するまでもな 05 の点で有意である結果が出て 券鋤の深さと収量の間には統計的に P=0 い。 分散分析に於いてはヨ . 0 1 おるが、 年に対する変異の方が大きく、 約 倍の数値を示しておる。 し 一 正条栽培と広中栽培に就いて 正条栽培と広中栽培による収量差は本調査では殆ん ど認められなかった。 変動係数に於いては正 条栽培が広中栽培より大きく、 収量の増減は年により正条栽培が甚だしい。 即ち広中栽培が正条栽. 培に比較して安 定性が高い、 これは広中栽培が寒冷地に於いて適当した栽培法であることを暗示す るものである。 即ち広中栽培は正条栽培に比 べて、 微気象的にみて、 地温、 水温高く、 叉株間の通 気性が良好であって、 無効分業は抑制され、 生育は健全で倒伏少く、 栄養生長旺盛で稔実良好であ. 0年の り、 殊に冷凍な年に良結果を示し、 叉稲熱病の被害も少ない等 が挙げられろ。 例えば、 昭和2 oC の様な冷凍な年には広中栽培は正条栽培の1割強の増収をあげ 1 9 8 が 均 気 平 月 の 温 如 く、 7 ・ . 、. o 5oC 低 い 年 には やは り 1 割 弱 の増 収 を 示 して お H召和22年 の 7 . .8 月 の 平 均 気 温 20 C で平 年 よ り 1. 05の点で る。 分散分析に於いては、 広中栽培と正条栽培により収量に及ぼす影響は統計的に P=0 . 二めによる結果と推定され、 当地方の稲作栽培 認められない。 しかしこれは年に対する変異が大き云 べ 用いる きと思う。 においては今後大いに広中栽培の研究に意を ◎. 播種期と挿秒 期に就いて. 気象条件の悪い地方に於いては、 なるべく早くi番種及び挿秋することがブく切であることは一般に 云われておる、 しかし稲の生理も考えず、 叉晩霜、 副雪時期な どの自然 条件を考慮せず早期播種、 早期挿狭をすることは一考を要する。 上川地方でも中央部に 位する地域では、 5 月10日 頃よ り15日 頃が直橋の適期のようであり、 挿決期は6月15日頃がブぐ体適当な時期として考えられる。 しかし年 000oC 前後の様な 次別に収量の比較をみると、 昭和7年 の如く水稲生育期間に於ける積算温度が2 冷凍な年には早期柿決したもの が成績よく、 6 月 5 日のものが最も多収になっておる。 これは移植 の場合通常活着期間が2週間内外必要な のであるが、 低温の場合は更に遅れ完熟に到らぬ内に秋 が. 来て収量を減ずる為めで、 生育初期の低温の害より更に大き い影響力をもつ為と思われる。 叉播種 -156一.
(11) . 上川地方に於ける熱収量の変化に関して = 5oC も 低 い 年 に は、 5 月 9 日に播 期においても、 昭和10年の如く7 ,8月の平均気 温が平年より 2. ・ 種したものが最も増収となっている。 分散分j斤にお いては播種時期と収量については、 この調査期. 5 月 9 日 よ り 5月25日ま で〕 で は統 計 的 に P=0. 05 の 点 で無 意 で、 播種 時期 と 収 量 に つ い て 間内 ( 6 月 5 日より7月 5 日まで) で有意な結果が出た、 この播種時期も 6月 5 日 は、 この調査期間内 (. 0日以降になると稲の生育期間が短縮され より6月15日前後であればまず適期と考えられる。 6 月2 登熱には可成り困難な事になる、 殊に気候の不順な年においてはそのことは一層明白となるのみな らず、 上川地方の塩狩峠以北においては収穫を望み得ないことも予想される。 以上直播時期及び挿挟時期について、 当地方の適期と云うものについて考察したが、 東京大学の Jは挿秋時期の早晩と菌の熱度について次の如く述べている 「 戸苅教授7 。 6 月30日植 の もの に あ っ ては、 3 大植のみ熱菌の方が収量が多く、 4 本及び5本植にあっては共に若田が多収である。 之に 0日植の晩植では 3. 4. 5 本植共熟苗の方が勝れた収量を示め した」 と報告して いる こ 反し7月1 。 れらを考えあわせる時、 更にこの時 :期の問題は研究されなければならぬと思う。 銅 品種別による収量に就いて. 品種改良と云う問題は、 農作物の生産を向上させる面よりみて重要な意義をもつ、 元来水稲は高 温にして水量豊富な地方に於いて盛んであって、 北海道の如き寒冷な地方に於いては不適作物の一 つとなっていたのであるが、 最近稲作は長足の進歩を遂げ、 気候風土に適合した品種の出現をみ 、 且現在尚幾多の優秀な品種が続出 している。. 品種別の反収については、 移植栽培と直播栽培のところでも触れたが、 ここでは早生種、 晩生種 に相当するものから各2品種を材料とし、 平均反収、 変動係数を検討した、 その結果品種間に於い ては収量の差が認められ、 一般に早生種に属するものが収量少 く、 中生種、 晩生種となるに従って 増収になっている。 しかも品種改良が進んでいるもの程収量が多く、 変動係数も小さい。 例えば早. 0号」 と 「坊主2号」 と比べると両者間に3 斗の差 がある。(第12表参照 生種に属する 「水稲農林2 、 4表においても両者間には 1 これは栽培期間が異なるものであるが、 栽培期間の同じである第1 7斗 , 2 斗の差がある (第1 4表参照) 変動係 の差がある) 叉中生種に属する 「栄光」 と 「富国」 でも 3, 。 数に於いても、 早生種がその変動割合が少く、 晩生種になる程大きい。 叉同じ早生種、 中生種に属. する品種間においても、 改良された品種程変動の中が小さく安定性に富んでいる。 晩生種は気候の よい年には多収であっても、 不良な気象条件の年には早生種よ り却って減収しており、 増減差が年. 0年の冷害の年には 「水稲農林2 0号」 は約 24 石 と れ て い る の に対 し、 により非常に大きい. 昭和2. 9 石、 「栄 光」 は 2 4 石 の 収 量 と な っ て い る。 叉 同 じ早 生種 2 石、 「晩 生栄 光」 は 1 「富 国」 は 1 , , . 、. 中生種でも改良の進んだものはいずれも多収になっておる。 即ちそれだけ当地方に適応 したものと なっている証左である。 これらのことは分散分析において、 年と品種の交互作用が統計的に有意で. あることよりも明らかである。. 9 . む. す. び. 5 月 9 日 よ り 5 月25日ま で) に 於 い 薪種法の相違と収量との関係について調査したが、 直播期 ( てはこの調査期間内で早く播種しても晩く播種しても収量に及ぼす影 響は統計的に認められない。 8年より昭和25年まで、 うち昭和2 4年を除 叉正条栽培と移植栽培についてもこの調査期間内 (昭和1 く7年間) に於いて同様収量に及ぼす影響は認められない。 播種時期に於いては、 この調査期間 6 月 5 日より7月 5 日まで) で収量に及ぼす影響は認め られ、 叉ゴ ( 誹鋤の深さ、 品種も統計的に. Pご0 05 の 点 で 影 響を 及 ぼ す こ と が 認 め ら れ る。 しか しこ れ ら 数 種 のコ井種 方 法を も っ て して も、 年 .. に対する変異が収量に及ぼす力より遥かに小さい。 しかしこの数種の… 干種法の合理的な配合を導入 秒 -157-.
(12) . 吉. 田. 昭. 穂. するならば当地方の稲作の安定性は更に高くなることは考えられ、 殊に品種の改良と云う問題、 中 でも耐冷性品種の育成は今後当地方のみならず北海道稲作発展の為に 重要な意義を払っものと推察 される。 最後に本稿を発表するにあたり御指導を賜わった学芸大学岩見沢分校主事渡辺- 梯蔵教授に. 感謝の意を表する。. 参. 考. 文. 献. 1) 川 口 女 夫 ( 1 9 35 ) 北海道米作の地埋学的研究 第2靴 2) 北海道農業試験場 ( 19 52 0年 ) ,北海道農業技術研究5 3) 山 口 謙 三 (195 5) 稲作技術の変遷 ( 4 ) 農業北海道2月 号 4) Takahe Ma Tsuo (1955) Ri tur e in Japan ce Cuー. 5) 6) 7) 8) 9) lo) u). 19 35 田杉 平司( ) 沃度剤と水稲イモチ病との関係 5 3) これからの稲作 龍 野 得 三 (19 ) 稲作新説 戸 苅 義 次 (1951 1951 長尾正 人( ) 育種学大要 19 52 ) 農業統計分析 水 島宇三郎 ( 947 ) 水稲の直播栽培に関する研究 吉 岡 金 市 (1 19 5 3) 北海道の気象 札幌気象台編 (. -158 -.
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