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担任教師の発達障害観と児童の学級適応感の関係に関する学校心理学的研究

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Academic year: 2021

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(1)担任教師の発達障害観と児童の学級適応感の関係に関する学校心理学的研究 学校教育学専攻 学校心理学コース. MlO029F 梶原 由貴.  阿部(2006)は,子どもは大人の振る舞いをよく.         問題と目的 発達障害は他の障害と違い,外見からは目に見え. 見ていると述べている。学級においては,教師が児. にくい障害であるため,理解されにくいという面が. 童に対してあたたかい関わり方をすることで他の子. ある。特性を周囲から認めてもらいにくく,いじめ. どもたちのモデルになり,浸透していくと思われる。. の対象になってしまうこともある(藤岡,2007)。.  教師の子どもの捉え方は,子どもへの対応に大き.  そこで,渡邊(2006)は援助二一ズが必要な児童. く影響すると柘植(2002)はいう。この観点からす. とそれ以外の児童の学級適応感の比較検討を行った。. れば,子どもへの支援を教師が楽しいと感じること. その結果,対象児童は一般児童より学級適応感が低. が円滑な発達障害児の発達的支援に必要になってく. く,対人関係や学習・活動場面ついての肯定的な感. るのではないかと考えられる。. 情が低いことが明らかにされた。.  以上のことから,発達障害を有する児童に対して.  また,深沢・河村(2007)は発達障害児の学級適. 教師の関わりについて検討した先行研究はみられる. 応感について検討した結果,周囲から認められるこ. が,教師が発達障害を有する児童の特性をどのよう. とが少なく,学級に自分の居場所がないと感じてい. にとらえているのかという態度とその学級全体の適. るのではないかと示唆された。. 応感との関係をみているような研究は希少である。.  発達障害児の学級適応感を考えるとき,学校生活.  そこで,教師の発達障害観と学級在籍児童の学級. のほとんどの時間を児童と共有する担任教師の存在. 適応感との関係について検討を行うこととした。. は大きい。.           方法.  教師の指導態度について,浅川・長谷川・古川. 調査対象:鳥取県下と兵庫県下の公立小学生4年生か. (2005)は,AD佃D児童の学級適応に関して失敗を. ら6年生428名(男子207名,女子221名)とその担任. 経験しやすく,自己評価が下がりがちな児童に対し. 教師17名(男性10名,女性7名)が本研に研究協力者. て罰や叱責といった方略を用いるのはふさわしい取. として参加した。. り合わせではないことを示唆した。. 質問紙:本研究においては次の尺度が使用された。.  さらに,西村・中村・浅川(2009)はAD佃D児. ①学級適応感尺度(児童用). 童が在籍する学級と在籍していない学級での学級適.  渡邊(2006)によって開発された22項目からなる. 応感を検討した結果,在籍群の方が教師との関係や. 尺度を追加修正して25項目とした。4件法により回. 学習意欲についての得点が有意に高かった。これは,. 答が求められた。. AD/HD児童が在籍する学級では教師の受容的な態. ②発達障害観測定尺度(教師用). 度が学級全体に波及した可能性が考えられる。.  予備研究で開発された18項目からなる尺度であ. 一66一.

(2) る。3件法により回答が求められた。. 群の主効果が認められ,消極的群の得点が肯定的群. 手続き:児童については集団場面において一斉に質. より有意に高くなっていた(F(1,30)=6.45,pく.05)。. 問紙を配布し,教師については個別に質問紙を配布. しかしながら,性の主効果及び交互作用は有意では. して調査は実施された。調査時期は,2011年6月か. なかった。. ら7月であった。.  級友との関係の下位尺度において,いずれの主効.           結果. 果及び交互作用についてはともに有意ではなかった。.  学級適応感尺度について,主因子法一バリマック.  学習における積極性の下位尺度において,いずれ. ス回転による因子分析が行われ,解釈可能な4因子. の主効果及び交互作用にっいてはともに有意ではな. が抽出された。信頼性係数は全体尺度でα=.92で下. かった。. 位尺度別にみると,第I因子「集団での規律・役割」. Tab1e1性・発達障害観水準群別の学級適応感得点の. はα=、89,第2因子「教師との関係」はα二.86、第.        平均値およびSlDl. 3因子「級友との関係」はα=.79,第4因子「学習. 発達障害観水準群. 肯定的群     消極的群. N           7          10. 性. における積極性」はα=.82であった。.  次に,教師の発達障害観の平均得点(37.35)に基. づき,38点以上の得点を示した者を発達障害観水準. 73.76. 77.14. 78.02. (4.37). (6.54〕. (5.72). (5.81). 集団での規律・役割. 24.07. 25.92. 25.07. 27.72. (2.17). (2.04). (2.11). (1.58).  教師との関係. 16.70. 17180. 18.42. 19.49. 肯定的群(7名),37点以下の得点者を発達障害観水.  級友との関係. 準消極的群(10名)に割り当てた。この結果をもと. 学習における積極性. に,肯定的・消極的群の各教師の学級の平均得点と. 男子  女子  男子  女子. 学級適応感全体得点. 81.96. (1.23). (2.07). (1.76). (2.32). 19.62. 20.22. 20.29. 20.85. (0,75). (1.74). (1.03). {1.21). 10.69. 10,39. l I.36. 1O.92. (0.95). (1.47). (1.08. (1.63).  上段:平均値  下段:(S.D.). S.D.を男女児群別に算出し,整理した(Tab1e1参照)。.           考察. 各下位尺度及び全体尺度の得点について2(性)・2.  教師の発達障害観と学級適応感の関係について,. (発達障害観水準群)の2要因分散分析を実施した。. 集団での規律・役割と教師との関係に関して教師か.  学級適応感尺度の全体尺度において発達障害観水. ら児童に対して影響があることが明らかになった。. 準群の主効果が認められ,消極的群の得点が肯定的.  教師の児童への関わりについて,栗原・長谷川・. 群より有意に高くなっていた(F(1,30)=6.62,pく05)。. 藪岸・植谷(2004)によって,支援が必要な児童だ. また,性の主効果が認められ,女子群の得点が男子. けでなく他の児童へも十分に目を向けなければ支援. 群より高い傾向(F(1,30)=3.42,p〈.lO)が認めら. を行ってもうまくいかないことが示唆されている。. れた。しかしながら,交互作用は有意ではなかった。. また,学級づくりについて検討した宮本(2003)は,.  集団での規律・役割の下位尺度において発達障害・. 他の児童に我慢をさせない学級づくりを心掛けてい. 観水準群の主効果が認められ,消極的群の得点が肯. ると述べているように,担任教師には発達障害を有. 定的群より有意に高くなっていた(F(1,30)二. する児童だけでなく他の児童への配慮や学級の児童. 4.20,p〈.05)。また,性の主効果が認められ,女子群. に対して平等に接する必要があると考えられた。. の得点が男子群より有意に高くなっていた(戸(1,30) =lO.77“〈.Ol)。しかしながら,交互作用は有意では. 主任指導教員  浅川 潔司. なかった。. 指導教員    浅川 潔司.  教師との関係の下位尺度において発達障害観水準. 一67一.

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参照

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