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車椅子マラソン中の心拍応答と換気性閾値との関係について

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Academic year: 2021

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(1)Title. 車椅子マラソン中の心拍応答と換気性閾値との関係について. Author(s). 白井, 薫; 金谷, 秀秋; 安井, 友康. Citation. 北海道教育大学紀要. 教育科学編, 50(2): 121-126. Issue Date. 2000-02. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/192. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 北海道教育大学紀要(教育科学編) 第5 0巻 第2号. 平 成12年2月. JournalofHokkaido Universi fEduca i i t t t on(Educa on)VoL50 yo .2 ,No. February,2000. 車椅子 マラソン中の心拍応答と換気性闘値との関係について. 白井 ‐. 薫*・ 金谷. 秀 秋**・ 安井. 友康***. * 北海道教育大学大学院教育学研究科 ** 北海道教育大学岩見沢校健康 開発科学研究室 * * *北海道教育大学岩見沢校福祉教育研究室. Relationship Between Heart Rate‐Response During Wr heelchair ‐ 鯛[arathon Racing and Venti latory Threshold. Kaoru SHIRAr Hi i KANAYA**, Tomoyasu YASU工*** , deak Health and Phys i I Eduoation Course,Graduate School of Educat ion,Hokkaido Universi oa ion* ty of Educat Hea1th Deve lopme ience Laboratory工wa立l izawa Campus Hokkaido Univers lt Sc l ity of Educat ion** , , Soo ia. wr f l B d i L b t i C t H e are uca on a ora oryJwam zawa ampus, okkaido University of Educat ion***. 1. は. じ. め・ に. 車椅子マラソンに関して, トッ プアスリートは初心者に比べて駆動中の平均車椅子駆動頻度と平均心拍数 には差がみられないが, 平均速度とそこから回帰式によっ て求めた酸素摂取量が有意に高い値を示すことが ) 心拍数については 車椅子フルマラソン参加選手の多くが スタート直後から高い心拍 報告されている5 . , , 数を示し, また, 車椅子ハー フマラソンで準優勝した選手の心拍変動からは 無酸素運動の要素がうかがえ , ) た と いう 報 告 もある4 .. 障害部位と体力・運動能力との間には必ずしも直線関係が成り立つわけではなく 十分にトレー ニングを , 積んだ場合には, 第6胸髄以下の障害は, 心肺機能にとって大きな制限因子とはならな いが トレーニン グ , ) が不十分な場合には, 障害が制限因子となることが知られている6 ‐ 以上のことから, 十分にトレーニングを行うことで心肺機能を強化し その結果 マラソンで好成績を出 , , すことが可能になるものと思われる‐ 一般マラソン競技においては 乳酸性闇値での走速度はマラソン競技 , ) しか し 車 椅子 マ ラ ソ ンの効 果 的 な ト レー ニ ン グ の 走速 度 と ほ ぼ一 致 する と いう 報告 がある2 につ いて の . ,. 報告は少ない. よっ て本研究は, 脊髄損傷者の車椅子マラソンレース中の心拍応答と呼気ガスデータから得た換気性閥値 (VT) の関係を検討し, 車椅子マラソン競技に有効なトレーニング方法を導き出すことを目的にした . 2. 方. 法. 1) 対象者 対象者の特性を表-1に示した. . A, B両選手はいずれも脊髄損傷による対麻庫者である. 車椅子マラソ i21.

(3) . . 薫・金谷 秀秋・安井. 白井. ンの経験は選手Aが4年, 選手Bが5年である‐ マラソンベストタィム は選手Aが1時間3噺 淵秒 1分蛸秒であ っ (現 日 本最 高 記 録) , 選手B がI時間5. 友康. 表-1 対象者の特性 t 雫 ぎr. l鮎 如. t j ec sub. sex. age. A. M. 32. 45. LI. B. M. 35. 65. T9. た. 選 手 A は, ア ト ラ ン タ パ ラ リ ン ピ ッ ク 日 本 代. 表 と して 車 椅 子 マ ラ ソ ン競 技 に 出場 し, 銀メ ダ ル. l l eve. を獲得したように, 日本を代表するトップアスリー トの ひと り である.. 2) 心拍数の測定 97はまなす全国車椅子マラソン大 会 (気 2日, 北海道札幌市で開催された’ 心拍数の測定は, 1997年6月2 温25℃, 湿 度50%) にお いて, 対 象 者 の 同意 を得 て 行 っ た. レース 中 の心拍 数は, 心拍 モ ニ ター (バ ンテー ジ×L, Po lar 製) によ り15秒 間 隔 で測 定 し, イ ンタ ー フ ェ イ ス を 介 して パ ー ソナ ル コ ン ピ ュ ー タ に よ り 解. 析処理した.. 3) 換気性闇値 (VT) の判定 ローラー式車椅子マラソン練習機上においてレース用車椅子を使用し, 速度を漸増しながら疲労困億にな ‐ るまで駆動させた. 駆動中の呼気を採取・分析し, 酸素摂取量 (V02) に対する換気量 (VB) の変化のグ ラフ から, VE が最初 に急増する点を視覚的に判定し, そのときのV02をもってVTとした. また, そこか らVT 時の駆動速度を求めた. 4) コ ース マ ラ ソ ンコース の 縦 断図 を 図. 1 に示 した. ス ター ト後, 約 7超 地 点ま で を上 り, そ こ か ら折 返 点ま で下 り が続く. 折 返 し後, 約35km地 点ま で 今 度 は同 じコース を逆 に上 り 続 け, そ して フィ ニ ッ シ ュ へ と 下 る, 高 低 差約80m の コー ス で あ っ た. om 真駒内川 縁栃 L=36 5m W=6 ‐ . 、 .r. . 、 . 真駒内川 朝取り謡 L=4 1 l om 55m・W=1 . .. O O s= F O. 17om W=15.om 農進橋 じキ. 1 10 0 00 ′ ・. .. 0 ” 0 ”. ‐2 4 om W=13 om 3 豊平川 南鑓条橋 膨 . .. 0 . エ ー. レキ 2 6 9 5m W=1 3 lm . . 複 2 5 50欲血地点 .. 0 2 ー. 曇平川 南線端. 0 4 0 折返点 凹 スタート . 、 . ‐ 、 ーフフイニツシュ2 0 b 鴎・ノ α フ ワ ヌ に コ 国 2 1 5 b i 1 o l l o b 釘 b 中 , I p. ・ . o 一 ‐÷;ご÷「汐÷÷÷÷:ヂ÷ゴr ‐ ◎÷÷や ÷÷や÷÷ や÷÷* ÷粕ト÷- -÷乎÷÷ ÷ ÷÷÷÷ ‐ ‐ ‐ ÷÷÷ゞ ÷÷÷÷ ◆÷-◎÷ ‐ 9 o 9 o . . . . . も -- ”‐ ‐ . . 十[ ” . ・. . 図 -1 コ ー ス 縦 断 図. 5) 統計処理 しいとき 平均値の差の検定を行う前にデータ間の分散が等しいかどう かF検定を用いて検定し, 分散が等′ 2 2 1.

(4) . 車椅子マラソンの心拍応答と換気性閥値. に はス チ ュ ー デン トのt 検 定 を, 等 しく な い とき に はウ ェ ルチ の t 検 定 を用 い, 検討 した. 有 意 水準 は, 危. 険率5%もしくは1%を基準とした‐ 3. 結. 巣. ・. ) の タイ ム, 10加 地 レース 中 の 心拍 変 動 を 図-2 に示 した. ま た, 大 会 公式 記 録 を 参照 し, ス タ ー ト (s t . ‐. ) 点( iok) s) のタイムより, 各タイム , 30に地点 (30k) の各通過タイム とフィニッシュ (f , 折返点 (hf 計測区間の平均心拍数とその標準偏差, および各区間平均駆動速度を求め, 表-2, 図-3に示した‐ st. ・. hf .. lok. 30k. fs. で -E \の詰 ①○)①毎 」七餌の上. 圏 80 0. 20. 40. 60. 80. 10o. ime(mi t n). 図-2 レース中の心拍変動 表-2. レース中の心拍応答. = subject. st‐1ok mean. ! B. f icance signi. 174‐8= 185. 0. lok-hf. hf‐30k. 30k-fs. SD. mean. sD. mean. sD. mean. sD. -91 .. ▲172‐5 ‐. 3‐8 4.7. 171.0 191.2. ▼ 3.1 5‐1. 165三 0. 3 二9. 189‐ 5. 5‐5. 2‐ 11‐. ** ‐ t=7 .05 * F=1 .52. 188‐0. 54** t=24. F=1‐54*. ・. ** t=33 ‐87 F=2.63** (beats/ min). r. t=41.39** F=2.03** **:p<001 *: <005 p . ‐. 両選手ともにs t後, r気に心拍数が上昇した. 選手Aの心拍レベルは, s tJ0kの区間が最も高かっ た. 心拍数の ピークは, 180拍/分を超えていたが, それもs 1ok区間後半の段階ですでに落ち着き, その後大 t ‐ き な 変動 をす る こと なく, f t sま で ほ ぼ一 定の レベ ル であ っ た. 選 手B は, st直 後 を 除 い た s ‐1ok 区 間 で は 123.

(5) . . 白井. 蕪・金谷 秀秋・安井. 友康. ヒヱ)℃の①Qの ①胡範LO〉餌 \「 ( 一 ふ. ギ、. 20. 1. ▲ lok‐hf. st-lok .. 20 9 .. ‐“-. 30k‐fs. hf‐30k. 区間平均駆動速度. 図-3. 変動も少なくほぼ一定であっ た. 1ok以降f sまで心拍レベルも選手A同様ほぼ一定であったが, 心拍変動は 01) 05 or p<0 すべての区間におい て選手Aより有意に大きかった (p<0 ‐ . さ ら に, す べ て の 区 間 に お い . 01)(表-2) て選手Aの平均心拍数は選手Bのよりも有意に低かった (p<0 ‐ ‐. 区間平均駆動速度は, すべての区間において選手Aが選手B を上回っていた. レース全体の平均駆動速度 は 選手 A が26 7km/hであ っ た (図-3) 7 km/h . ‐ ‐ , 選 手B が22 . - 呼気 分析 の 結果, VT 時の駆 動 速 度 は選 手Aが約26km/h , 選 手Bが ほ ぼ20如/hで あ っ た (図 -4a, 図 - ‐. 4b).. . 」 ! 」 . ---- - -- - - - - 」- - . -”“”- i i i. で. . 巨 60. き. :. :. i. . … ... …. :. き. . . . . .・・ :. ;. :. ざ工 キ. ー. ▼ ・ - -… . ””” . 20. 1. 1. 1 一. 1. 2000. 3000. 4000. 0 0. 1000. V02(ml /mi ) n. 図 -4a 換 気性 闇値 (sub:A). 124. …. …. . 80. ・. . --. . :. 40. . …. 100. . 80. . . ・.・“...・..・“.・..・.1“・・.・・.・ー.’.・..・ー・. loo. i. i. . . ””-----“-.‐・.”-,‐,‐r ”--・r ”--.”.‐・・--”- : : :. i. ,で. ▼. 1. 1. ▼ ′. ・ 1. 1 60. . 山 .÷. 4 o 20. . . . . 三′〒 精 罫ぞ*r r『 凱 」 … - - - - - -′ - - - - - -- - --- - - - -. …. 0. 1000. …. …. 2000. 3000. V02(ml /m i ) n. 図一4b 換気 性 闇 値 (sub:B). 400O.

(6) . 車椅子マラソンの心拍応答と換気性閥値. 4. 考. 察. ト レー ニ ン グをよく 積 ん でい る 選 手 の場 合, 第6胸 随 (T ) 以下の障害は心肺機能にとって大きな制 限因 ) 選 手A と 選手B の 心拍 変動 を比 較 する こ と は可 能 である (図- 2) 子 と はな らな い こ と か ら5 . , とを 考慮す 選 手 A のVT時の 駆動 速 度 は 約26km /hであ っ た (図- 4 a) 1 o k h f区間が下り坂であるこ ‐ ‐ る と, 選手 A はス タ ー ト直 後 を 除い た レース 中 の ほと ん どをVTレベ ルの 速 度で走 行 して い た こ と が わ か っ. た (図-3) . スタート直後, 選手Aの心拍数は大きく上昇した (図-2) . このときに酸素負債が生じてい ると考えられるが, 終始 VT レベルで走行していたのでその酸素負債 をレース の早い時期に払いきり, 結果 として心拍数の変動も小さかったと考えられる. 選 手B の VT 時 の 駆動 速 度 は ほ ぼ20km /hであ っ た (図- 4 b) ‐ それに比較し, 下り坂区間を考慮して もs t ‐1ok, 1ok-hf区間の レー ス 前 半 を VT レベ ルよ り も 高 い 速 度 で 走 行 していた (図-3) ‐ そのため, レー. ス中により多くの酸素負債を抱え, 走行ペースを落とさざるを得ない状態となったことが推察される. レー 30k, 30k‐ ス 後 半 の hf f ‐ s 区間 は ほ ぼ VT レベルの速度で走行していた‐ しかし心拍変動は大きく, 最後の 30k‐ f s 区間 後半 で フィ ニ ッ シ ュ 直 前 の 心拍 変動 が特 に大き い‐ 前 半 か ら の 酸 素 負 債 が ま だ 影 響 し て い る た. め, ドラフティ ング (前走者の後方について風の抵抗を軽減する技術) 等で間欠的な駆動を行いながら結果 的 に VT レベ ル の 速 度 を 維 持 して い た も の と 思 わ れる. ま た, 車 椅 子 マ ラ ソ ンは道 路の勾 配や, ドラ フ ティ ン グな どの 勝負 の か け ひき で 有 酸素 性 の 運動 無 酸 , ,. 素性作業闇値を超えた運動, 駆動を停止させた休息相 (惰性で走行) という3つの局面を, 臨機応変に活用 ) ドラフティ ンク後方走行は先頭走行よりも 平均心拍数 駆動 ピッ チ数 する競技であるといわれている1 . , , ) 公式記録より 両選手を含 ともに有意に低く, 車椅子マラソンには有利な技術であるという報告もある3 . , め上 位 入賞 を した ほと ん どの 選 手 が ドラ フ ティ ン グを 使 っ て い た と 思わ れる. しか し VT レベ ル を 超 え る ,. 走行速度では, 酸素負債が重なるためその恩恵を受けることはできないと考えられる‐ 選手Aは, 酸素負債を負うことなく, ほぼVT レベルで走行していたため, 心拍数はほぼ一定で変動も小 さ か っ た‐ しか し, 選 手B は VT レベルを超える速度での走行時間が長く 酸素負債を最後まで持ち越 して ,. しまい, 走行速度を保つために間欠的な駆動を行っ た結果, 心拍変動も大きくなっ たと思われた‐ 選手A, 選手Bともに競技中の走行速度と VT 時の駆動速度がほぼ一致していたことから 一般マラソン , 競技と同様, 脊髄損傷者による車椅子マラソン競技と VTとの間には高い相関関係のあること力寺 示唆された. このことは, VT 時の駆動速度から車椅子マラソンの完走タイムを予測するのが可能であることを示 唆して い る.. VT レベ ル が競 技 成績 に大 きく 影響 する こ と か ら トレー ニ ン グ効 果 を 高める ため の 手 段 と して VT レ , ,. ベルの定期的な測定は有効であることがうかがわれた‐ 本実験にご協力いただいた選手の方に感謝申し上げます.. 引. 用. 文. 献. 1) 赤嶺卓哉, 前田究:車椅子マラソン-医・科学的研究と実践指導- 不昧堂出版 1 9 7 , ‐ , 9 2) Davis,J.A.: Anaerobic threshold:review ofthe concept and directions for future research.. Med.Sc i s . Sport. Exerc ‐18 . , 17, 6 , 1985.. 3) 前田究, 赤嶺卓哉, 平田文夫, 芝山秀太郎:車椅子マラソン選手における走行中の心拍数変化について 車椅子スポーツ . 125.

(7) . 白井. 蕪・金谷. 秀秋・安井 友廉. 9 9 6 の研究 (第6回日本車椅子スポーツ研究会集会報告) . , 日本車椅子スポーツ研究会,1 10 4) 緒方甫 : 車椅子ス ポー ツからみたリ ハ ビリテーシ ョ ン医学‐ リハ ビリ テーショ ン医学,28:3 ‐ , 1991 5) 田島文博, 緒方甫 : 車椅子マ ラソン競技 者の体力・車椅子マ ラソン競技にお ける 身体的能力. 医学のあゆみ, 167 . ,4 ,1第3 4 4 1 9 9 4 1:42 30 6) 田島文博, 緒方甫 : 脊髄損傷者にお ける運動適応能. リ ハ ビリ テー シ ョ ン医学, 3 ‐ ‐ ,. 126.

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参照

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