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ワーズワスの詩と真実性

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(1)Title. ワーズワスの詩と真実性. Author(s). 関, 憲治. Citation. 北海道学芸大学紀要. 第一部. A, 人文科学編, 15(2): 73-84. Issue Date. 1964-12. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/3785. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 、 ! ・ , .. 第 15 巻. 北海道学芸大学紀要 (第一部A). 第2号. 昭和39年12月. - - . ・ - 」 ・ . .. ワ ー ズ ワ ス の 詩 と 真 実 性 関. 憲. 治. 北海道学芸大学釧路分校外語研究室. f Rea l i ty i t 1 Ken i S回K工: The ConcePt o j VVordsworth’ s Poetry. i l i i Romant i c ass sm と対照的なもの として説かれているが, 雨 c sm は 女学 表 現 の様 式 と して, c Z OW N餌”だ’ を文学上の 主張と して th が 奇 しく も 一 致 して, ‘FOZ 派 の 泰 斗, Pope と Wordswor. かかげているのは興味ある事実である. 勿論両 者それぞれに 鮎α加川 の意味すると ころはことな るが, いずれも永遠, 不朽, 不変 にして, 人間性の根底と結ぶべき実在と 考えている点はかわり ない. そして両者はそれぞれの様式 にしたがっ て, その実在叉は真実とよばれるものをも って, 現実に対し示唆を与えんと している. 両者の相違は, ただその実在乃至真実の認識方法にあり, それが一を. i i ci st と して, 二 人 を 遠 く 隔 て て い る の で あ る. ci st と し,,他 を romant class. l i i t たちは, 現象の世界は, 彼等の文学活動の題材の供給源であり, 現象の世 ass c s す な わち, c. 界の普遍化が, 文学することであると 考えている. つまり彼等にと っては, 社会は, なんらかの 形で, 秩序なり, 目的性なり, 方向性をそなえた存在であって, 社会を, 客観的にせよ, 主観的. にせよ, 真実をはかる尺度と して, 判断のよりどころと している. 彼等の精神内部においては, ‘ 現象的真実と, 文学的真実とは, 同一線上の, ただ段階的な差異のあるものとして, さ したる異 和 感も な く, 連 な っ て い る の で あ る.. たちにと っては, 事情はかなりことなる. 彼等は, 孤立した自己自 身を洞察 し, 自他を峻厳と区別する, 自己独自の内的経験をあつか う. このことは現象的真実と, 文学的 r 真実とは, 彼等の精神内部においては, もはや同一線上 に共 存しえなく なったことを意味する. 社会は, 秩序や, 日的性なり方 向性なりをふくまず, 希望の可能性の消失した, 精神活動の方向 を示唆する価値基 準を放棄した存在である. Herbert Read の言 う, 円外に放出された存在とし 他方. . - ・ :. i i c st romant. と女的学真実と ) て1 , 詩人は, 実体としての安定した背景を喪失しているのである. 現象的真実 の異和感が, 強烈になる程, romanticist たちは社会から分離し, 生活の表面から逃 れ, も っと 内的な場所へ 真実を求めて遠ざか っていくのである, この内面性への転化が, 事物の外面 性に 主. 眼をおき, 自我に対する信に欠けていた. i i c st class. i i t たちの反抗 の姿 c s たちに対する, romant. ) であ り, 答 え で あ っ た2 .. Wordswor th の場合も, この例外ではない, 彼はフランス革命を通じて, 社会との断絶感を知 命が, 恐怖政治に移行するにしたがい, 詩人は人間の変貌に, 烈しい恐怖と精 た フランス革 っ . 神の苦悶を味わい, 救いを求めた Godwin の 思想にも, 心のよりどころを発見しえず, 遂に 「矛 一 73 -. . - ・ ・ . . . - ・ -. . ・ - ..

(3) . 関. 憲. 治. i th cont- ‐に疲れはて, 絶望のあまり, 人間の問題を放棄して しま った」 (wea r ed out wi 盾撞着 3 ) i t i i d d l ques ons n despai i l e up mora ) の で あ っ た. r ra「 etes e . ,/Yi これは内面性の完全な壊滅であり, 信念の瓦解, 人間性の不信, 社会よりの離反を連鎖的 にひ きおこした. 現象的真実は, 詩人とは別個の体系に属する, 何らの価値基準をもたない存在とな っ た の で あ る,. i ci sm の 弧/ しか し, 意外にも, romal ・t ての 声 で あ る Lyγ海αZ Bの 如αs を は じめ, 彼 の う た う. 世界は, か って彼の存在をこばんだ現実的世界である. 彼は 「ごく 日常的な 生活から, 事件や状 況を選び, 人々が実際用いている言葉を撰択して, 出来る限り, それを物語 り, 叙述す る こと」 ibe them, i f e and to relate and descr to choose incidents and situations from commo l ( )l. 4 ) に 専 念 して ly used by men) l i f language real ible throughout , as far as poss ,in a seecton o. l delineations ofhuman t ura そこに 「人間の感情, 人間の性格, 人間的事件の自然な姿」 (ana. ) を 現 出 して みせ た. しか も 彼 は, そ の 詩 i i dent )5 s ons nc pass , and human i , human characters. 諭に忠実のあまり, 描写が写実性を帯びすぎたり, 些末な点にまでわたる弊 を生んだ」 i i l こ の 現 象 的 真 実 に依 存 す る考 え 方 は, 当 然 な が ら, c ass c sm の観点からは, 解決の鍵は与え d th の られない. 何故なら, この現実重視の思想は, 社会からの疎外よ り蘇 生した Wo r swor. REAL工TY だ か ら で あ る.. 以下の項で,. factness terof ‐ mat. を通 して, 彼の REALITY を さ ぐ っ て み た い.. l i tに l i t t t を 知 る 機 会 を え たが, Haz th は, は じめ て Haz 1798年 Nether Stowy で 帆′ordswor. 察眼に, 殊更 は, 印象深 いものであ った. 風貌からうける印象もさることながら, . 彼の特異な観 の感銘を うけたの であ った. 後年 この出あいの場面を次の様な筆 で語 っている. fu1 i 1y vvordsworth 1001 ing out of the 1ow,lat i t ( ced window, said’ ‘ 日ow beaut , ‘ v f l 1ow ba i the sun sets ot th what eyes thin mysel l that ye l lkr lthought wi , v ’ these poets see l ter rea i aw the sunset st lm upon ・ature! and ever af , when l s e h d i b f i d d d t l h h i j t i t e o ec s ac ng t scovery, or anked Mr a ma e a . , conceve ) VVordsworth for having l r lade one f l e!6 orlr. i dge との語 司文 中 に み え る, そ の 前 夜 の Col ・らいの部分は, 同じ詩人の印象を記し しか し, 1 er. l idge の不満につな th の そ の 同 じ 観 察 眼 が, Co er たとは思えなし・事実を伝えている, Wordswor が っ て い る の であ る. he lamented that vvordsworth. ieve i was not prone enough to bel 】 . the. i ions of the place, and that there wasasomething corporeal ional superst tradi t t , inging to the palpabl ten to the pet i ty,i e, or of a 粥 の‘好‐ ‐f臨み“gss nh s of , a cl 7 ) ry poet ,in consequence.. dge で は あ る が, 彼の Wordswor i 仁h の理解者として, つねに彼の詩に賞讃を惜しまない Col er ter-of‐factness mat. に対しては批判的である. 後年 にも Biographia Literaria で, 欠点の第二と. し て, こ れ を あ げ て い る.. There i l d say, not seldom a s ,l shou ,. s 例のZ好 /-/解Z“gss in certain poems, Thi. ious minutenessand罰de ion ded into,6rst l i ( 重vi tyintherepresentat may be ,alabor. ions, as i t j t ec of ob s r posi ,and the. - 74‐一.

(4) . ワーズワスの詩と真実性 they appeared to the poet himse l f ; secondly the insert ion of accidental , i tances lexplanat c rcums ion of hi iving characters ul i s l he ,in order to the f r ,t di i ions and act ions ; wh t i i spos i ch circumstances n l sh ght be necessary to establ. i l i f a statemel the probab t i f lti e n reall s taken for granted yo , where nothing i by the hearer; but appear superHuous in poetry, where the reader is wi l l ing ) 8 l to be i eve for his own sake.. 確かに Wordsworth は, その鋭敏な観察眼を通して, 我 々に未知の感覚的世界を展開してくれ . るが, 一方その刻明な realism 的手法のため, 我々の混乱をも招いている ことは否め ない, 冗長. というか, 厳密す ぎるほど現象を忠実に写しだ し, 遂 には枝葉の点まで筆がはしってい ってしま う時 に は, 焦 点 を 失 っ て, と ま どい を 感 じる こ と が しば しば であ る. 例 え ば, FadeZ Z Z γ と い う作. 品の目的が, 死んだ飼主に対する大の忠実さを讃えること にあるのなら, 不慮の事故死をとげた 主人の死に方や, 死体の発見された状態等, 唖然とする程の精細な描写は, 当然さしひかえるべ きである, しかも, 彼の説明過剰の傾向は, 詩の内容のみに限られたことではない. 詩に付した標題にも 同様の傾向がみられ るのである, ある短詩に付した ‘乙ば欄sZ可z “P鯛 α S如考ばれ α Yew‐かeg ,. ’ ‘ 加 か ZPγosPad に し ても, ”ケメ坊8れα” 圧gqzg ≠ け S Geoγge Beα”粥o“- ‘ s αるeαの けz . , B のZ , Z Zβ A鰐”“ ば” 効BSα粥B Gγo“7 z メメ 7 c” “めo 28 〆 zds’ 及 び ‘ ”メ 7 z 7 2 α Szo7 7 z wa物 α Pe 2 劫8 師壱Z. ’ ‘‐ fお“ 勿〆幼 α SZのe ‐ゑo“se) of 物e 猛り郷8 (αれ 0“Z ,oれZ彰 鳶卿カメ の Gγ鯛粥 夢e さ ら に, W a ’ Z o7 Pβ”c a 2 α Sわ7 28 zo/ β卿cた Co粥ろ と か ‘ 井伊“お” 勿Z豹 α ,o” 劫β Sadβo′ 物e 窺わ”の 諺7 SZのe Pβ”c“ “Po7 eαぬ りメカg ヵ卿γ α dgseγ彰α Q”αγγγ, “汐リカ f α Hi 2 α Sz o”g , 物B 毎γgB影 o ’ ipt i i Z d〆 物 為 d R と う四 篇 n c r g い の s ons の標題にしても, 詩との関連性にお o〃 o ′ β α7 zs の y い て, 女副可程 の 意 味 が あ る か, 不 可 解 と い うほ か な い. 乙夕“c錫 Bα””ds では, ‘L銘βsz“a z ze” 幼ey αγ8 αddγBssed’ と さ れ て い た 標題 が, 読 者 とは 何 の 関 係 もな い こ と を さ と り, ‘7 T o ルリ sZ i eγ’ と 改 め ら れ た の は, よほ ど後 の こ と であ る. s. この様な些末事 に対する執着 が原因して, 数々の pa r ody をさそったが, その様な作品の一つ P8zeγ BB Z Z では, 物語の真実性を強調するため, 随所に, 数字を配している↓ l は, ‘32年.以上 も 山 野 の 放 浪 者’(れ〃『α7 l つ ま り, 主 人 公 Peter Be 2α一物〆γリ ッ鋼γsoγ 粥 塀β. l l d and wood 9 ) (斜体字筆者. 本章中以下同様) であり, 引きたてら Had been a wi ) and r ove r. れて, つらそ うにな く馬のいななきは三度である, He gave α.gγoαれ, and then α7 2o坊βγ,. l oft ch went before the brother ・at whi , l o ) And then he gave α Zあすγα. ‘死 ん で四 日 に な る 男’(The man who had been /鰯γ α s dead)1 1 ) の そ ば で, ‘馬 は 四 日 四 の. 1 2 )‘そ こ に 四 日 もい な が ら, 一 度 晩をすごし’(TheBeast云o”γ αのs α7 2α れag勿s had pass ed) ,. と し て 口 に も の を 入 れ な い’ (ther d break e the Ass 元“γ dのs had been, Nor ever o〃” di 1 3 ) 彼 の 悪 行 を 責 め る様 に ひ び く 鉱 山 の 発 破 は, ‘地 下20尋 ば か り’ (someZwe”お /〆- hi t ) sfas . ) の と こ ろ そ の様 な 時 ふ と 脳 裏 に うか ん だ か っ て あ わ い恋 心を 抱 い て い た 娘 は 信 たo“ 4 2s)畳 . , , , 一 75 -.

(5) . 憲. 関. 治. ,た, 心深く, 日曜日には, 二マイルの道を教会へ通ったものであ っ i Two わ7 zg Scoた珍 銘ばZes ,through ra n or snow,. To ki rk she had been used to go, 1 ) 5 rw〆GB 4 2γy Sαみるのルーααツ 2少1 .. その清純な娘の思い出に, 悪業の夢 からさめるのは, ‘広い公道から4ヤードを離れていな い. ) で あ り, 改 心 し た Pe 6 ter に, ‘ 心 を 許 し て 馬 rom the broad hi ghway)1 所 ’(鄭oZ た“γyαγぬ f ’ 2メー ane the trusty Ass WentZwiceZZUO ゐ”7 は400ヤ ← ドば か り道 を た ど っ て 行 く (A1ongthel 7 ) の であ る. γ8d yαγds 鯖 例 解 の1. 2 にも見られる. 同様 な 描 写 は, SZ“zo7 2 L8β や rたg rゐげ7 ’ N t t aces 年 老 い た サ イ モ ン夫 妻 の, 猫 の ひ た い ほ ど の 畠 は,‘ ・家 か ら20歩 ば か り の 所 ( ot wen y p. )にあると詩人は言う. かっての偉 丈夫と対照的に描き出す 病身痩躯のサイ モン 1 8 f ) rom the d oo r の姿は, 数字による表現はないが, 刻明である, i ck; And hei ss slean and hei l Hi ed and awry, nd s body , dwi. hi ck; es swoln and t Res t お uPon ankl 1 ) 9 Hi n and dry. sl egs are thi. lads 初版には, 次の様な描写 さえ含まれていた. IBal i ca し か も, Lyr. 第一節目に,. ’ve heard he once was tal l 1 .. of years he has upon his back, i ht No doubt , a burthen we g y; He says he i s three score and ten, ’ 2 0 ) But others say he s eighty.. 第 二 節 目 に, ivery‐coat has he, lue l A1 ong b. ’ fi beh i That r before; nd s ar・ i ,andfa. i l l see h hi Yet ,rneet no w ere you w ,you ・ 2 1 ) h At once that e i s poor.. ・殊に具体的 である 詩人の目は, 匹 1 r卿 rゐoγれ の情景にしても, その幻想的な物語に反 し,. . 方八方あます ところなく配られている. I ~〆・万りe yαγαs from the mountain-patl ,. i Th I O% yo”γ 彦” espy; s thorn yoL Z 放 And zo B e“, 劫γ8a yαγds るりo””, i l You see a l t t e muddy pond d of water , never ryi ’ e measured i ide: i de to s l tf rom s v ’Ti s. 2 2 ) 塊γ総 花鑑 Zo“g,and ごzUo fgBZ W 餌8 .. また, スコ ッ トラン ドで生真面目な 人々が用いる様な, 威厳のある言葉を話すとい う老 人を扱 2α み煽 りβ”〆e“cg には, 最初かかれた時には,,次の様な単調些末なスタ ンザ っ た 尺βsoZ““のz α7 が あ っ た. 一 76 -.

(6) . ワー ズワスの詩と真実 性 He w。re a C1 oak the Same as women Wear. l comfortlack; i d needfu l As one whose b ood d ’ i fi l thad groWn fa r; Hi e as i ookd pa s face l And,furthermore he had upon hi s back,. lky Pack; i Beneath h s cloak, a round and bu l or raiment as mi . A1 oad of woo ghtseem, 2 ) 9 fi That on h tclave to hi rn. i s shoulders lay as i. idge のい う生きた性格を十分に説明しようとして, 附帯的な状況を挿入した結果, この Col er. 附帯的なものが, 詩の本質を侵害した例である. dswor th の特定の作品に限られるものではなく, 小品, 大作いず れ にも見 こ の 様 な 例 は, Wor られる傾向であ る. Z“〆8 から例をとると, 長じて後, 常に心 Growth o f a poet’s Mind と副題のついた rゑe Pγ8 ‘ ime’ を 叙 し た 一 つ も, そ れ であ る. ク リス マ soft の 支 点 と し て, , 詩 想 の 泉 と な る と い う spot. 7 2での, それを思わせる. ス休暇で, 帰省のための迎えの馬車を待つ場面の刻明さは, r卿 rたoγ 絶対的存在の様に厳然と存在 まさに自然の 風になるサンザシは左手に 右手に 嵐の中に, 羊は , , す る.. i ight hand was a s Upon my r e sheep, ngl. d h ing hawthorn on my lef t A whistl , an t ere,. ’ VV i th those companions at my side, I Watch d, ining my eyes intensely, as the mi Stra st ing prospect・ i Gave intern・ t t of the wood 2 4 ) And plain beneath.. h であるが, それでも猶, この傾. 向は t rd swo r 終生, 自作の詩の修正加筆に余念のなか った Wo 完全には消え去らない.. tant mor 初 め は ‘notdi eperchance s ’ l i e と 修 正 さ れ, rd part of a mi l l f a mi than ha e’ であり, 次 いで ‘at distance not the th 5 ) i tant’ と さ れ て い る2 遂 に ‘not d s . し か も, こ こ に 字 句 の 修 正 は 認 め られ て も, 離 距 に こ だ わ ’ l i d From が 思 え な い. ‘that rural castle, name now s pp っ て い る 限 り, 改 正 の意 味 あ る と は ’6 ) と い う一 節 に 至 っ て は, も っ と も 極端 で あ る. 事 実 に.忠 実な 性 格 を も っ と my remembrance2 snoWdon. か ら, ‘vision’ の中 に 青 い 間 隙 を 見 た 場 所 は,. も明確に示した例・である. 詩人は, それを思い出そうとして思い出せず, 遂に仕方なく事実は事. 実 と して, こ こ に 留 め たと 考 え る ほ か は な い. Z%dB を詩精神の成長史として, 世に問 うからには, ここに し か し, い や し く も, r卿 Pγ8 Wordswor th は大きな危険を犯している. かかる個人的な些末な事件が割り込むことによって,. -- ドま 全体的効 果が脆弱 にされ, さらにそのために, 詩人の発達の例 証と して 掲げられたエ ピソ でも, 偶然の出来事として看過される危険 までも惹起しかねないのである. 個人的事件を詩にま で昇華させるためには, 末梢的事象は徹底的に削 除すべきであった. ’ h Whip and t Furness Abbey の祈祷所の廃逓を通 って ‘鞭をあて拍車をけ って飛びすぎ (Wi 7 ) 月 あ か り に 照 ら さ れ て の 帰 路 Leven の入江の ‘砂浜に蹄の t ae )2 b [he Ch. spur we y. aun げ. W,. ,. 8 ) 時 の 得意 さ も, th thundering hoof s the levelsand)2 ひゞきを打ちわたらせた’(We beat Wi 乏しい小遣いを貯めた事 実を並 べられると, 蹄のひびきも鈍ってく る. ′- 77 一.

(7) . 関 ・. 憲. 治. Nori flt l l rn neglected,i s my ai e 日OW twice i n the l。ng length ofthose half一years. vve f 1der hand rom our funds, perhaps, with bo Dr ew largely, anxious for one day, at least , 2 T0 feel the mot 9 ) ion of the gal loping steed,. r跨e Pγ〆”〆〃 の 一 部 を な し, ま た 独 立 し た 詩 と し て も 知 ら れ て い る r卿γe wαs α Boy にも. 同様な欠点がある. 総行数34行中, 9行を占める終結部分で, 詩人は, 幼なく して死んだ ‘少年 lha l f の眠っている墓 を見守 って, 半時間もの間, 黙 って立ちつづ けた’(A ful -hour together. l have stood Mut 0 ) ことを語 る i e-l ooki ng at the Grave i n whi ch hel es)3 , し か し, 詩 人 の. これ程の哀惜の情を知るよすがは, 読者には, この少年が, ふくろうの鳴き真似の名手であ った こ と し か 知 ら さ れ て い な い. そ の 上, 初 め は10才 とな っ て い た 段 年 が, 後 に12才 と 改め ら れ て い. る.. d h ほど, 切実に感じてい た詩 詩人の技巧と想像力をも って, 現実の改変の必要を, Wor t r swo 人は少ないはずであるが, この様に個 人的出来事と本質的なものとを混同 したり, 事実を描き出 factness や, 現実の些末性を回避出来な いの が Wo ter す 欲 求 が 強 い あ ま り, mat ‐ ‐ of dswo h t r r ,. の大きな欠点である.. HerbertRe ad は,. この詩人の散文的, 実際的な性格を, 彼の純粋な 北国人気質に帰 し, 祖父が. Yorkshi d t Ri ing 出身であ る事実をあげている3 1 ) re の Wes . 確かに, 日常人としての詩人は,. 北 国人ら しい 無頓着な性格をもち, 非常な感受性に富 む一方, 思うところを無愛 想に, 気取らず 奇妙な辛抹な言葉で語 る人であることは, 彼と知遇を得た人達のひと しく伝え るところである . しか し, 詩人の, この日常生活の一面をも って, 詩の有す る mat t er‐of ‐factな 要 素 を, す べ て ・ 説 明 し 去 る こと に は, 早急 の 感 を ま ぬ が れ 得 な い. Havens も指 摘 す る と う り, Wordswor th の 人 格 や 文学 上 の 趣 向 に は, mat t ‐of‐fac tness に 強 く 反 抗 す るも の, romance を深く愛する気持 er. 2 ) も あ る の で あ る3 .. 我 々 の 疑 問 は, 何 故, 必 然 的 に mat t -fac七 な 要 素 を 生 ず る 主 題 を, 詩 er‐of. 人が扱わねばな らなかっ たか, に向けられてこそ, 至当なのである. th の刻明な描写の, い ずれが附帯的で, いずれが本質的 であるかを判別 そ れ では, Wordswor. するとなると, 久 しく論じられた通り, 至極難問である. それは, 時には, 個 人の趣向の相違で あったり, 文学理念の差異が原因 したり, 時代風潮の違いが酷評を生んだり しているの である. Z“≠Z 義 妹Sarah Hutchinson の酷 評 に よ り, 尺g so o7 2α7 2α 崩 御 鰹“〆8”” か ら, ’ He see d i l ike one who l t t l ・ 1 l e saw 。r heard , For chimney-nook, or bed,・or co缶n・meet . ,. 3 ) と言 う二行が, 省かれたことが伝えられ ているが3 , このために, 気力のうせた老人を, きび し i i l t く rea s c に描き出すことによって, この蛭とる人の性格に, 精神的なものを, 附与せんとする Wordswor th の意図が, 崩されたことは否めま い. dge の 忠 告 に よ り 一 部 削 除 し た, こ の 蛭 と る 人 の 綿 密 な 描 写 は, Dor。thy の 日 l i er し か も, Co. 記と不思議な程の一致を見せる.. When W m.and l returned f l d man rom accompanying Jones, we met an o l h h i l d b l a most doub l over s shou ers e . He had 。n a coat , t rowl , a ove 一 78 一.

(8) . ワーズワスの詩と真実性 l i e r ed a bund hi erthi s he car s waistcoat and coat ,and had an apron on , Und s face was interesting. and a night‐cap. Hi. He had dark eyes and a long. rade was to gathef leeches, but now leeches are scarce, and st nose. . .Hi ly・ eeches were very scarce, part t. , .He said l he had not strength for i d h owing to this dry season, but nュany years they have been scarce-- esuppose t id not breed fas i , and i t owing to their be ng much sought after ,thatthey d b i l h iving a cart, s eg roke, low growth. . .He had been hurtin dr were of s lfractured・34) l , hi s body driven over, his sku. l なものから解き放す th には, actua この 事 実 は, Wordswor ,ことの困 難さを示す一方, 見えた. 18 02年6月14日の手 通りの蛭とる人を描写しよ うという強い願いをも, 感じとるこ ,とが出来る,. 紙で, この詩を理解出来なかった Sarah. Hutchinson に,. l l have been awed and i ke 菖Iine wi l ings1 thfee ing thi A person read s Poem wi. 1--vVhat i s i tual or supernatu賃1 ing almLost so r lmething spi controuled, expect. , ‘b whi ar d man wαS, f 1 ch an o1 broughtf one y orward? ‘A 1 y ace, a Pond ’ ‘ 行 t 勿αs --the gure l house or home’ --not stood, not sat fro1m al , bu 3 5 ) i b l i i imP 1 ty poss e. t naked s c n the mos presented i. と答えている様 に, 詩人は飾らぬま の現実の姿を歓んでいるのである, 夜来の嵐も晴れ上 った朝 に, 日にきらきら ときらめき, 跳び行く兎にどこまでも輝きながら水 玉が走 っている山岳地方の朝景色も 真実なら, 老令のため, 半ば生きている様 で, 半ば死んでい る様で, また半ば眠 っている様に} 人生の永の旅路 に, 身は二つに折れ, 足と頭は一つにな っ て さながら久 しい 以前にうけた, 苦痛の悲しい束縛か, あるいは, 病気のわずらいが, 人間として 耐えられぬ負担を, その肉体に課したかのよ うな老人も, 詩人の耳目をとらえた真実の世界なの であ る.. を生んだと言 う誹りも, 逆に言えば, 若しも事物の 外観に, これほ どの注意を払わなかったならば, 叉これほど烈しく対象を見つめ, 真実を観察 し を見 なかったならば, 自然と人間との, あの内なる生命, 詩人にとり至上の真理であったもの, ・ ぬき得なかっ たことを意味する, th のす べての傑作におけると同様に, 不思議なことが生じているの こ の 作 品 でも Wordswor 現実に対する拘泥が,. ter‐of-factness mat. ,. を見逃せな い. は っきりとした, 外面的 な現実性をも った日常の世界が, い つしか, 日常の世界 を超越 した, かなたの世界 に変 ってしまうのである. このよぼよぼの老人は, 荒涼とした沼地と 広々とした空の背景の中に没 してしまい, あたかも, その一部とな ったかのごとく, 新 しい世界 の中で動くの である. そ して蛭とる人は, 自分の話を 語っているうちに, 貧しく惨めな老人では ’l ke a manfrom somefar region i なく, 詩人に,‘力を与 えるため, 遠くの国から送られた人 (. t i rength)%) の 様 に な っ て し ま うの であ る. こ の 人 間 性 と 自然 の 魂 の ve me human s sent , To g. 触れ合いこそは, ‘観察と叙述の力, すな わち, あるがま. のものを正確に観察し, これを忠実. l i i th acculacy ty to observe wi i on and Description, 一 〆 .e . the ab に 叙 述 す る能 力’(observat ) 9 7 がや か しい成 d i b h か l i の, ty to escr et em) h themselves, and wi th 行de things as they arei. 果である. 自然の再発見と, 人間性の未知の面の発見は Wordsworth の 大 き な 転 機 で あ っ た, い ま わ しい 過去の精算の時にあって, 啓示の様に, 心の支えとして あらわれたのが, 混迷の うち にさまよっ - 79 -. . 1 , . ● . ● ● : . . 1 ー . ・ . . ・ 1 ・ ..

(9) . 関. 憲. 治. i i sbury P1 a n の印象と, フランス革命時の人間の動きであっ た. 革命 に対する期 てい た時の Sal 待を裏切 った人間の姿を, 執勘 に追求する うちに, 人間のうちに, 特に素朴な人々の根源的な感. 情のうちに, すでに自然の姿と力に認めていたものを発見 した. つつま しい隣人達の日常生活や 自然の様相, 具体的, 直接的, . 同時代的なものを描き出して見せるのは, 彼を混迷から救い得な かった抽象思想への反動であり, 挑戦である, 現実の凝視こそ Wordsworth の新たな姿勢であり. 平凡な人間性のうちにひそむ本質を探ることが, 彼の目的なのである. he t 彼の努力は,‘うかつな観察者 には, 何らも深みもあるとは思えない, 人間の心の深み’ ( ) に向 8 depth of human souls, Souls that appear to have no depth at a l lto careless eyes)3. けられた. この様な平凡なものに, 信悪性を与え, 生命力を附与することは, 文学史上新たな試 みであっ た. 主題にせよ, 手法にせよ, 同時代 人にと っては, 新奇なものばかりで, 詩的と言う 概念からは 程遠いものが多 かった. 自己の詩の理解を期待して, 詩人は, 多大の労力を, 詩句の 改変, 削除, 附加にかたむけた. しか し, 新 しい道の pioneer には, 応分の力の配分は困 難であ th が, その剣初者であったか る. それでも猶, 残存する matter-of-fact な要素は, Wordswor ら に他 な ら な い,. 以上の事実は, 換言すれば, 詩人の主な興味は, 詩的と言うより, む しろ, 心理的, 社会的な も の に 向 っ て い る こ と を 意 味 す る.. 悪人が犯す無動機の犯行を, 人間の内面から追求しているうちに, 詩人は, 思い上 った理性が l - t t となる ことr を覚 った. Anne e Va 悪の力と結託して, 遂 には, 人間性を破壊する致命的な武器. lon. を見離した罪意識や, おろか しくも, フランス革命時に, 多くの人々が犯 した殺人や大罪の. th は, 人間内部の唖然たる複雑さに驚嘆 し, そこに, 悪 夢 を, 再 現 し て い る うち に, Wordswor. ) 9 未開の, 無限の可能性を残 した世界を発見 した3 . この The Borderers においてなされた試みは, 同時に, 社会へ の主体的働きかけの第一歩で もあった. 詩人が埋没 していた泥棒の世界から抜け出 し, 自己の環境を, 客観的に凝視 し, その. 視点よりの, 新 しい世 界への働きかけを試みたのである. Z Bの加療 においては, 当時行な われた ba l l ad 詩人の人間心理の 追求は, 更 に進んで, 乙タメcα l の 中 で も, 最 も vu gar な型式をも って うたっても, 人間の真の感情が, そこに流露され ている 0 ), 詩 人 の 心 の 内 に な お も 燃 え つ づ け る democrat な心情をうたい 上げた4 1 ) 限 り は よ し と し て4 . 勘 伽o7 2 乙BB では, 貧にあえぎ, 苦境をなげく人間の言葉や表現, 感情をあます ところなく描. 2 ) き 出 し た4 .. rル8 乙αs fo ′ 物B Fわcた では, 男の虚偽をふくまぬ感情に, 在来見逃 していた真. 実の世界を認めた. T卿 Zdaoz βの では, 精薄児を持つ母親に, 力強く, 無私で崇高なまでの愛 情を発見した. 消えかかっ た生命の焔をもや して, 死の寸前 の 余力を, あどけない子供に傾ける 2α〃. 旅の荒野での死をも甘受 し 7 2 Wo“ 母性を うた った r毎 Co“2PZα畑zof α foγ鰯 鰹〃 加遊α なければならない慣習を超越し, 一途の子供への愛ゆえに, 生への執着をかき立てる母性は, 詩 の世界のみでなく, 生命の世界の絶対的力を暗示 してい る.. 失意の人の子供を埋め たと言われる, 美しく苔むす小塚. そこへ日夜足 しげく通 い, 悲嘆の声 を風にの せ, 霜に凍らせる狂女. 子供の所在を知らせる様に揺れ動く小塚. 荒涼たる自然の発す. る声とま ごうばか りの狂女の悲痛な叫びは, 自然を共感せしめ, 遂には, 自然の魂に相似た, 本 能的母性愛において結びつき, 大自然の一部と化してしまう. この様な, 自然のうちに見た瞬時 l dge i l が, 既 に 述 べ た 通 り, 新 し い 詩 の 原 理 に 忠 実 の あ ま り, Co er の夢想を うたった The Thorl の不満を呼んだのである. 一 80 -.

(10) . ワー ズワスの詩と真実性. Rea l i sm は, 現実的価値観を肯定し, imagination は, それに対して 否定的であり, 逃避的で. th の場合には, この一見相容れ ぬ要素を共に, その詩的態度のうちに あ る. し か し, Wordswor. ‘ 含めている. 既に引用した通り, 彼 が詩作の第一に必要な能力は, 観察と叙述の力, すなわ ち ’ あるがままのものを, 正確に観察し, これを忠実に叙 述する能力 であり, 詩人は, 主題を詩に 表現する際に, 終始, 彼の真実で ある経験を語る, 一方, 自然が与える無限性の暗示は, 感覚を 3 )・すなわち, 想像力なしには得られない. それは, 陳腐なも ‘補助する光’(a 4 iarl l i ) lauxi l ght のを, 清新なものにかえる力であり, 感覚を助けて, 自然の事物r 恒久性を附与する力である. Wordswor th にとって想像力は即創造力であって, 外的世界から, 歓喜と充実の世界を 創造する 力である. d べ であり, 彼の詩の th ion の 両 要 素 の 混 靖 こ そ, Wo i sm と imaginat この real 、 , r swor のす て ・ l i t た る こ とを 止め, 現 i inat s ea on が 始 動 す る時 に, r 中 核 で あ る. つま り, 彼 に あ っ て は, imag 実 に 即 す る こ と に よ っ て, 夢 想 家 と 区 別 し て い る の で あ る.. 内面性の壊滅を契機に, 信念の瓦解, 人間性の不 信, 社会よりの離反に苦しみ, 遂に人間の問 題を放棄してしま った詩人に, 自然との共 感, 自然の本 質と本源において結びつく, 粗朴な人間 の根源の感情を探り あてた時, 再起のきっかけがおとずれた. 社会に対 して主体性をも った自我 として, また行動者としての地歩は, 感覚と感 情がもたらす, 歓喜の情の上に築き上げられた. 人間問題に対して, 無感動, 無感覚な Wordsworth の意識が, ここに蘇えりをみせたのである. しかし, この事は, 換言すれば, 彼に展けた世界は, はっきりと, この世界のみに限られたこ とを意味する. 人間問題に対する無意識状態が, 自然と人間性内部において目覚め たと言うこと は, これの否定は, 彼の全存在の否定に直結する ことであり, 自然と人間性内部の世界を措いて i on の貴重さを は, 彼の存在す べき領域はないのである. それ故, 現実の改変 に必要な imaginat i i i t たちの様に a n ての詩人 ma n o は 嘗 g 彼ほど切実に感じた詩人はあるまい. 彼に と っ て は, , っ 単に詩を美しく見せるだけの幻想ではなく, 真理の先導 であることを絶対的に必要としたの であ る, しかも, それと共にはたらく題材も, 叉真実であらねばならぬのである. ion の行使者 たる詩人は, 十全の観察と, 健全な反省 ist であり, 叉 imaginat か く し て, real こそが, この両者を 充たす解答であると確信するに至ったのである. i l し か し, rea st としての側面も, 当然ながら, 詩人にと って真実である経験の分野のみに局限 された,.彼を混迷に陥しいれた抽象思想を, 打解したもの以外に, 詩人には 絶対的真実の世界は ib Sl な い か ら で あ る. そ れ は, 人 間 性 の 内奥 の 姿 で あ り, ,傷心 の うち に さ ま よ っ た 時 の, a s ury. i P1 a n の印象であり, 幼い時代に幸福な, 若い動物の様に, 自然と親しんだ感覚的 生活である. i l Rea t と し て の 汎r ordsworth は, この世界を 十分な観察と思索のもとに, 刻明に描き 出してみ s せ る こ と に よ っ て, 自 己 の 存 在 の 確 か さ を 証 明せ ん と し た の で あ る. ’● 4 )の )4 i ti n the woods r s a spi そ れ は, 木 の 実 ひ ろ い に 行 っ て, ‘森 の 中 に 霊 が い る (therei. . ‘ を覚 った瞬間や, 無断で漕ぎ出したボー ト遊びを諌める様に, 数日間, 様々な不思議な形をと っ. ) や, 家 路 へ 迎 え る 馬 車 を 待 つ 時 の, ‘風 と み ぞ れ 5 i ng)4 て 現 わ れ た 霊’(unknown modes ofbe ’ the wi nd and sleety rain And ま じ り の 雨, 森 羅 万 象 の い とな み, 友 の な い 羊, 一 本 の 枯 木 ( 6 ) な ど で あ る. l t r ee)4 iness o edt f the elements, The single sheep, and the oneb as l lthe bus a. 少年時代に 感覚を通して入ったこの自然界が, 痛恨の数年間をへだてて, 再び, 異常な美と力と -8 1一. . ・ ● ● . ・ ● ● ● ● . ・ . ● ● ● . ● ′ ’ . . 、 . ● . ● . ・.

(11) . 神秘, つまり, 彼の精神にこたえ, 充足を与える真実とな ったのであ る. Wordswor l t l の 世 界 は, た し か に, Shakespeare の様な千変 万化の拡がりを持たな いが, 自然 7 の生んだ初児の様に, 再生の世界を驚異の 目で描き出す筆致は, 新鮮で奥深い4 ) , 自然の片隅で. 目だたずに生活を続ける動物, 蛭とる人, 浮浪者, 老 人, 白痴, 乞食等, 新たに見出した詩の源 i tans や E1 thans の理解を得る上品さには欠け ていたが, 存在の内奥いところ 泉 は, Augus zabe ) 燃 え つづ け た de 8 で 理 解 し よ うと す る 点 で, 新 し い 人 間 性 の 誕 生 で あ っ た4 nocrat な灯が, フ ・ .. ランス革命で達成しえなかった人間性の信を灯したのであ る.. し か し, 自然 の 中 にあ る, ‘高 め ら れ た 思 想 の よ ろ こ び を も っ て, 心 を ゆ る が す, あ る 存 在’. 9 ) を, Wordswor turbs me wi thj th の真実と s (A presence that di oy of elevated thought s)4 i dge で の 教 養 を, す べ て 破 棄 す る と い う大 き な 犠 牲 が 伴 っ て い た5 ) それ 0 し た こ と には, Cambr .. は自己の歴史の無視であり, 没却であ っ た. だが幸いにも, その痛恨 にみち た数年間の断崖の向 う岸には, その喜びは, 血をわかし, 心情を動かすが, 未だ思想をも たない 自然があ るのを発見. した. 痛ましい犠牲ではあっ たが, 過去の自己に真を発見することによっ て, 詩人の生命は, こ こに連続することとな っ た. しかも, 少年時代に, 自然の中に見出した単純直裁な感覚的喜びの 記憶が, 時をへだててもな お, imagination を 仲立ちとして蘇 えり, 未来への歓びとなることを 知 っ た. Vi ionary Power s io At tends upon thel r I I Is of the winds , ot. Em bod i ed in the mystery of words.51) L. この一節は, 詩の言葉の本質と作用につい て語るものであるが, 彼の詩は, 彼を囲む自然を見 l l る洞察力と imagination の 鋭 さ か ら く る こ と を 伝 え て い る. She ey の詩は偉大ではあるけれど. Wr も, 人 間 な り, 自 然 な り を, 綿 密 に 考 察 しな い 欠 点 が あ る. ‐ th や Keats の様 に, す ordswor ・ ’ ‘ ぐそ ば に あ る 自然 と の 接 触 に よ っ て, 彼 等 の 言 う et ty に到 達 しう る こ と は, 幸 せ な 例 外 で erni 2 ) あ っ た5 .. かく して, 子供らしい放慾な 遊びの中 に, しばしば訪れては, 強烈な印象を残 して行 った自然. の 神 秘 的 力, こ の 力 に 敏 感 に 反 応 した 若 い 日 の 感 性 の 記1意, こ れ を 観 察 力 と imagi i nat on を も り. て, 客観的に描き出 して見せ る こ と が, Wordsworth の 世 界 と な っ た. l was often unable to think of externa l things as . having external exi stence, l thatl saw assomething notaparヒfrom butinherent th al and l co ]mmLuned wi ,. in , my own immーaterial nature.. M【any t in・es whi l e going to school have l ,. l l or tree to reca l l myse f fronl thi l l ism to the s abyss of idea grasped at a wa i ty. real. i At that t 53 ) f such processes. r n ー e l was afraid o. と言う述懐にあらわされている, この強い感受性が, 彼の本性と, 彼の詩 の偉大さの底流をなす 詩的直実とな っ たのである. Wordswor th の詩は, いわば, この強度・ に主観的な感情を, 客観的 に描き出 した成果である.. 故に, 彼の目が, しばしば対象に密着しすぎ, 叙述が刻明にすぎるという誹りは, 対象に対 する i i 異 常 な ほ ど の 感 受 性 と imag t na on が 強 力 に働 い て い る こ と の, 何 よ り の 証 左 で あ る. ま さ に,. の言う如く, Wordsworth の佳篇の多くは, 細心の観察の上にた っているば かりでなく t t tness の成果であり, 現実に遥しく立 っている姿を示 すものである 彼の そ れ は, ma -fac er‐of .. Havens. 詩 が, 平凡, 単 調, 無 味 に 流 れ る時 は, imaginat i on と観察力とが, 版行状態にある時なのであ 一8 2-.

(12) . . . ‐ . ● L ・ ・ . . ● ● ー ・ 1 .. ワー ズワスの詩と真 実 性 ) る54 .. 自己の存在に絶望し, 社会的に孤立した詩人は, 常にこの主観的な感情の, 客観的表現法を発 見せんとする苦斗を通して, 再び, 社会に働きかける存在とな った. これこそ, 近代社会に生を l f である. 彼をも って近代詩人の祖とする所以も, ここに うけた詩人が, 到達した absolute se ある. 壁や木の代 りに, それらと同じほどの明確な語を掴まんとした努力の過程にこそ, 彼の詩の真 5 ) 実と, 彼の詩の偉大さとを語る秘密があるのである5 . 註. i l d:Phasesof Bng 1) Herbert R窃 t ー sh Poe ry (F & F , 129, ,1948) p. i t i i i s ord Uni vers l nagina on (oxf ce Bowra: The Romant cl t y Pres 2) Sir Maur .284 . ,1957) p l Pre lude (1805), Book X ude の引用はすべて1 3) The・ 805年 text による.) 0-1( i 下The Pre .90 in- i l l l l i ksof Wi l l wo i th t ads ca am wordswor 4) Preface to the Lyr caI Ba r .by B,de se , ed , The Poe. 1 t l cour lvo .386 .1 .p . , id 5)lb .383. . ,p l i i i IBS i i t i l t l l t: My Fi th Poe t st Acqua shCr ca says ury (oxf ntance wi ord, 6) Wi r am Haz , Eng , XIX Cent ‐ The Wo i d C1ass 1 9 5 0 ) 1 5 5 l cs r p . , . , i d 7)lb . .154 . ,p i dge: Bi i brary I Tay l l t aphi a Li erar a (Bveryman’ s Li 8) Samue or Co e r ogr ,1949) p.218, Z 9) Pe 1 1 0 6-7 eγ ββ〃 2 . , . i d. 10)lb ,11 , 443-5. d i 11)]b . ,1. 578, b i dリ ー 12) . , 602 , i d 13)lb , . , 604一5 , 11. id 14)lb . ,1. 840 . i d 15)lb . . , 898一900 ,11 d i 16)lb , ,1, 925. d i 17) lb . . ,11 . 991一2. 1 8) Simon 属ethe old Huntsman,1, 42, i d, 19)lb . ,11. 33一6. i i dge: Lyr l l l l l t t th & Co caIBa ads(oxford Uni v eda e: Wordswor er 20 ) 1) H. Li . Press .98一 ,1953) p ,2. 9 , d i 22)lb . .118一9 . ,p incour l t( ica l l i th i 下本書よりの引用は P I Wo t I Wordswor 23) The Poe an rksof Wi .by B.dese . W. ,ed l 1 1 と 略 す) 2 3 8 v o P , . . . ,. ‐一64 24 ) The Prelude, Book xL II .359 .. l incour l t(oxf ord 25) TI 1 e Pr e ude .by B.de se .473一4. ,p ,ed ,1950) lude 26) The Pr e ,483一4 . , Book IX.11 kl,1 lude h-103. 27) .144 .99 ,11 .123 , 29) The Pre ,1 , 28) , Boo l V P k & T l d B h 一4 3 3 r e e u e o o 30 ) There wasa Boy,11 ,11 .421一2 . , , . 31 ) Herbert Read: Wordsworth (F & F,1949) P.36一8, f a poe l l i t(The j s 32) Raymond Dext ohnS Hop ( ns Pres er Havens: The Mi nd o .19 .1 .p ,1941) vo , i k: No d W W i h dswor l i t 3 1 s a t r 4 9 5 3 ) 2 3 33) He th (Longmans e e r re: Wor r r n o en Darb shi p . . . , , ’ i l d th l i l hy Wordswor s s of Dorot en Darb shi ord: The Wor s C1 as s 34)Journa re (oxf c ,by He ,ed , 1958) o b t ( 1 8 0 ) 5 6一7 c o e r3 0 p . , . incour f wi iam and Dorothy Wordswor th (1787一1805) l l l l t t 35) The Bar er so y Let .by B.de se , ed. (oxford .30G. ,1935) p i lut トー2 36) R傑 ; o on andlndependence ,111 , ,11 ion of 1815, P 1 l t 37) Pr othe Bdi efacet . W,vo .1 ,p .431, 38 ) The Prelude, Book XII .11 ,166一8, dswor h の初期作品 一 TI 39) The Borderers については 拙稿 ‘Wo t r s’(北海道学芸大学紀要, r 1 e Borde e r. 第1 0巻第2号) 参照.. ,. 一8 3一. ● ・ ● . . ● ・ ・.

(13) . 関. .憲. 治. 40) L. Abercrombie: The Artof Wordsworth (oxford,1952) p.76一105. l t th (Cha t t on & Wordswor o & Windus 41) H.J .159. .C, Grierson: Mi ,1950) p i I Ba l l 42) Lyr ca ads については, 拙稿 ‘W. ワーズワス考--拝情民謡集の人間性 ( コヒ海道英語英文学7号) 参照. lude l ・ e pre 43) T1 .387. ,1 , Book l ing t 44) Nu[ .56. ,1. 45) The prelude, Bookl .420 ,1 . 46 ) The prelude, .Book XI .11 ,376一8 . l l an 1950) 7) A. C. Bradley: oxford Lectureson poetry (Macmi 4 .101 ,p , i on (Longmans 48) F, W,Bateson: 帆rordsworth,a Re‐interPretat ,P ,16一40. ,1956) l ern Abbey 49) Lines Composed a Few Mi esabove Tint .94一5, ,11. i idge ou (Cambr 50) Ben Ross schneider lr: Wordswort甘s Cambridge Educat .230. ,P ,1957). l 51) The pre ude Book V,11 ,619一21 . i ina i t i i ) clmag on,P 52) S r Maur ce 政 wr a: The Romant ,273, l 53) P. W.vo .IV.P ,463 . l 54) R. D. Havens: The Mi nd of a poet ,p .1 .25. ,vo i t sh Poe ry 55) Herbert Read: phasesof Engl .111 . ,P. - 84 -.

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参照

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