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〈論文〉EUの言語政策と「オーストリアドイツ語」

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Academic year: 2021

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(1)EUの. 言 語 政 策 と 「オ ー ス トリ ア ドイ ツ語 」 坂野. 1.EUの. 言語政策. 1.1.EUの EU内. 久. 公 用 語 と複 中 心 言 語 で の 諸 言 語 の 使 用 とそ の 立 場 は 、 次 の 三 つ の 法 的 根 拠 に 基 づ い て い る 。 そ の 一 つ. は2000年. の 基 本 権 利 憲 章 で あ る 。 そ の 第21条. 項 に は、 言 語 に よ る如 何 な る差 別 的 言 動 も. 禁 じ られ て お り、 さ ら に 多 様 な 文 化 、 宗 教 、 言 語 に 注 視 す る こ とが 必 要 で あ る こ とが 記 さ れ て い る1。 第 二 の 法 的 根 拠 は 、1965年 Vertrag)の. 第290条. のEC条. 約 協 定(EuropaischeGemeinschafト. 項 で あ る 。 そ こ に は 「共 同 体 の 諸 機 関 に お け る 言 語 諸 問 題 に 関 す る. 規 則 は 、 評 議 会 に よ っ て 満 場 一 致 で 採 択 さ れ る 。」2と 記 さ れ て い る 。 こ れ は 現 在 のEUに も引 き継 が れ て い る 。 第 三 の 法 的 根 拠 は 、 「ヨ ー ロ ッ パ 経 済 共 同 体(EEC)に 問 題 規 則 」 と して 評 議 会 が1958年 体 諸 機 関 の 公 用 語(Amtssprache)と. に 発 した 指 令 第1条. 関 す る言 語. 項 で あ る3。 そ こ に は 具 体 的 に 共 同. 作 業 言 語(Arbeitssprache)4は. 、 ドイ ツ語 、 フ ラ. ンス 語 、 イ タ リ ア 語 、 オ ラ ン ダ 語 で あ る こ とが 記 さ れ て い る 。 こ の 条 項 も現 在 のEUに き継 が れ 、 共 同 体 拡 大 の 度 に 補 充 さ れ 、 今 日 で は27加. 盟 国 と23の. る 。 加 盟 国 の 市 民 、 政 府 ・官 庁 は 、 そ れ ぞ れ の 公 的 言 語 でEU諸. 引. 公 的 言 語 が 含 まれ てい. 機 関 に 申請 や 問 い 合 わせ. が 可 能 で あ り、EU諸. 機 関 か ら の 回 答 文 書 は 問 い 合 わ せ を 受 け た 同 じ言 語 で 作 成 す る こ と. に な っ て い る 。EU諸. 機 関 の 一 つ で あ る 欧 州 委 員 会(EuropeanCommission)内. で の作 業. 言 語 は 、 英 語 、 フ ラ ン ス 語 、 ドイ ツ 語 で あ り、 今 日 で は 英 語 が 最 も頻 繁 に 使 用 さ れ 、 フ ラ ン ス 語 、 ドイ ツ 語 が そ れ に続 い て い る5。 公 用 語23言. 語 の う ち6言. ス ウ ェ ー デ ン 語)(26%)が. 語(ド 、EU内. イ ツ 語 、 英 語 、 フ ラ ンス 語 、 ギ リ シ ャ 語 、 オ ラ ン ダ 語 、 部 に そ の ナ シ ョ ナ ル ヴ ァ リ エ ー シ ョ ン(NV)を. 複 中 心 言 語(dieplurizentrischenSprachen)(PZS)で 語 もPZSで 数 の13力. あ る が 、 ヨ ー ロ ッ パ 内 で はNVを 国 の 「国 語 」(Landessprache)7がPZSで. もつ. あ る6。 ス ペ イ ン語 と ポ ル ト ガ ル も っ て い な い 。27のEU加. 盟 国 の うち 約 半. あ る 。 ドイ ッ 語 は 、 ドイ ッ 、 オ ー ス ト. リア、 ベ ルギ ー、 ル クセ ン ブ ル クで 、 フ ラ ンス 語 は フ ラ ンス 、 ベ ル ギ ー、 ル クセ ンブ ル ク で 、 英 語 は 英 国 、 ア イ ル ラ ン ド、 マ ル タ で 、 オ ラ ン ダ 語 は オ ラ ン ダ と ベ ル ギ ー で 、 ス ウ ェ ー デ ン語 は ス ウ ェ ー デ ン と フ ィ ン ラ ン ドで 、 ギ リ シ ャ 語 は ギ リ シ ャ とキ プ ロ ス で 、 「国 語 」 とな って い る。. 一1一.

(2) 教 養 ・外 国 語 教 育 セ ン ター 紀 要. と こ ろ で 、 こ の 複 中 心 主 義(Plurizentritat)は 扱 わ れ て き た の で あ ろ う か 。1951年 さ れ た 時 に(そ. の 後1957年. 立 さ れ 、1967年. にECが. にEUの. 、EUの. 公 的 な 諸 機 関 内部 で どの よ う に. 前 身 で あ る 欧 州 石 炭 鉄 鋼 共 同 体ECSCが. に 欧 州 経 済 共 同 体EECと. 欧 州 原 子 力 共 同 体EURATOMが. 設 立 さ れ る)、 そ の 創 設 当 時 の6国. ギ ー 、 オ ラ ン ダ 、 ル ク セ ン ブ ル ク 、 イ タ リ ア)で. 家(フ. 設立 設. ラ ン ス 、 ドイ ツ 、 ベ ル. の 各 国 の 公 用 語 は 、 フ ラ ンス で は フ ラ ン. ス 語 、 ド イ ッ で は ドイ ッ 語 、 イ タ リ ア で は イ タ リ ア 語 、 オ ラ ン ダ で は オ ラ ン ダ 語 、 ベ ル ギ ー で は オ ラ ン ダ 語(フ. ラ ン ドル 語)、 フ ラ ン ス 語 、 ドイ ツ語 、 そ し て ル ク セ ン ブ ル ク で は. ル ク セ ン ブ ル ク 語 、 ドイ ッ語 、 フ ラ ン ス 語 で あ っ た が 、 当 時 のECSCの. 公 用 語 は フ ラ ンス. 語 、 ドイ ツ 語 、 イ タ リ ア 語 、 オ ラ ン ダ 語 の4言. 語 の み で あ っ た 。 こ の4言. 語 、 フ ラ ン ス 語 、 オ ラ ン ダ語 の3言. あ る 。EUに. オ ー ス ト リ ア がEUに. 語 がPZSで. 加 盟 す る1995年. か っ た 。 そ こ で 次 に 、EUに. の 第4次EU拡. お け るPZSの. 語 の う ち ドイ ッ 問 題 に関 して は、. 大 時 ま で公 に議 論 され る こ と は な. お け る 複 中 心 主 義 の 扱 い に つ い て 、 オ ー ス ト リ ア のEU加. 盟. 前 と加 盟 後 に分 け て 、 検 討 す る こ と に し た い 。. 1.2.オ EU諸. ー ス トリ ア 加 盟 以 前 のEU公. 用 語 と複 中心 主義. 機 関 内 部 に お け る 複 中 心 主 義 の 扱 い に 関 し て は 、 上 述 し た 「ヨ ー ロ ッパ 経 済 共 同. 体(EEC)の. 言 語 問 題 規 則 」 に 基 づ い て 評 議 会 が1958年. に 設 け た 指 令 第1条. に基 づ い て. い る 。 即 ち 、 そ れ ぞ れ の 加 盟 国 の 憲 法 あ る い は 当 該 の 法 規 則 に よ っ て 「国 語 」 (Landessprache)と. 規 定 さ れ て い る 言 語 の み がEUの. 公 用 語 とな りうる の で あ る。 こ れ は. 原 則 で あ り、 実 際 に は そ れ ぞ れ の 加 盟 国 が 加 盟 交 渉 中 に あ る い は 加 盟 後 に 、 そ れ ぞ れ の 「国 語 」 をEU公. 用 語 と して 採 択 す る よ う要 求 す る 必 要 が あ る 。 た と え ば 、 ル ク セ ン ブ ル. ク の ル ク セ ン ブ ル ク 語 と ア イ ル ラ ン ドの ア イ ル ラ ン ド語 は そ れ ぞ れ の 国 の 「国 語 」 で あ る が 、EU加. 盟日 寺に はEU公. イ ル ラ ン ド語 をEU公 た)。1973年. 第1次. 用 語 と し て 認 め る よ う に 主 張 し、2007年 拡 大ECで. デ ンマ ー ク 語 がECの ギ リ シ ャ 語 がECの. 用 語 と し て 採 択 を 主 張 し な か っ た(そ. 国(各. 語 の う ちEU内. 公 用 語 と な っ た 。 さ ら に1981年 公 用 語 に な り、 さ ら に1986年. れ ぞ れ のPZSの. 国 の 公 用 語11言 のPZSは. に 公 用 語 と して 認 め ら れ. 、 イ ギ リ ス 、 デ ン マ ー ク 、 ア イ ル ラ ン ドが 加 盟 し、 英 語 と. が 加 盟 しス ペ イ ン語 と ポ ル トガ ル 語 がEC公 加 盟12力. の 後 、 ア イ ル ラ ン ドは ア. 語)に. 第2次. 第3次. 拡 大ECで. 拡 大ECで. ス ペ イ ン と ポ ル トガ ル. 用 語 と な っ た 。 故 に1993年. 対 し、EUの. 公 用 語 は9言. ギ リ シ ャが 加 盟 し. のEU発. 足時 には. 語 で あ っ た 。 こ の9言. 、 英 語 、 フ ラ ン ス 語 、 オ ラ ン ダ 語 、 ド イ ツ 語 の4言. 語 で あ る。 そ. 概 略 を以 下 に述 べ る こ とに した い。. 英 語 は 英 国 、 ア イ ル ラ ン ド、 マ ル タ の 公 用 語 で あ る が 、 ア イ ル ラ ン ドで は ア イ ル ラ ン ド. 一2一.

(3) EUの. 言 語 政 策 と 「オ ー ス トリ ア ドイ ツ語 」. 語 と並 ん で 第 二 の 公 用 語 と な っ て い る 。 ア イ ル ラ ン ドは1973年EC加 ド語 をECの. 公 用 語 に す る こ と を 断 念 した の で あ る が 、2007年. 盟 の 際 にア イ ル ラ ン. 以 降EUの. 公 用 語 とな っ た。. 法 律 論 争 の 際 に 法 案 の ア イ ル ラ ン ド語 版 が 英 語 版 よ り も優 先 権 を もつ とい う 特 典 が 認 め ら れ て お り、2002年. の 国 勢 調 査 で は41.9%の. ロ バ ロ メ ー タ ー で は 英 語 話 者 が94%、. ア イ ル ラ ン ド語 話 者 が 存 在 し、2006年. ア イ ル ラ ン ド語 話 者 が11%存. のユ ー. 在す る ことになって. い る 。 しか し ア イ ル ラ ン ド語 を 日常 的 に 活 発 に 話 す 住 民 は 約5%(2003年. に は 約2%)で. 住 民 の 大 多 数 は 英 語 を 話 し て い る の が 現 状 で あ る8。 ア イ ル ラ ン ド語 をEUの. 、. 公用 語 とし. て 主 張 し た 背 景 に は 、 ア イ ル ラ ン ド人 の ア イ デ ン テ ィ テ ィ を ア イ ル ラ ン ド語 に 見 出 し、 そ れ を シ ン ボ ル 化 し て い る か ら で あ ろ う。 故 に 英 語 の ア イ ル ラ ン ドヴ ァ リエ ー シ ョ ン に 対 す る 評 価 は 全 く顧 慮 さ れ て い な い 。 他 方 、 マ ル タ で は マ ル タ 語 が 第 一 公 用 語 で 、 英 語 が 第 二 公 用 語 で あ る 。 ア イ ル ラ ン ドと反 対 に マ ル タ 語 を話 す 住 民 は 約954%で. 、 英 語 は 約1.5%に. 過 ぎ な い9。 故 に 英 語 の マ ル タ ヴ ァ リ エ ー シ ョ ン も 顧 慮 さ れ る 機 会 は 少 な い 。 英 語 は ア イ ル ラ ン ドと マ ル タ で の 言 語 状 況 を 配 慮 す る とPZSと. 言 え る か も し れ な い が 、EU圏. 実 質 的 に 単 中 心 言 語(diemonozentrischeSprache)(MZS)と. 言 え る で あ ろ う。. フ ラ ン ス 語 もEU内. で はPZSで. 内で は. あ る 。 ベ ル ギ ー とル ク セ ン ブ ル ク は そ れ ぞ れ 各 国 特 有 の. ヴ ァ リ エ ー シ ョ ン を 法 的 な 規 定 に 要 求 す る こ と は な か っ た 。 フ ラ ン ス 語 は フ ラ ンス 全 土 と ベ ル ギ ー の フ ラ ン ス 語 圏 で は 唯 一 の 公 用 語 で あ り、 ル ク セ ン ブ ル ク で も司 法 分 野 の よ う な 公 的 な 生 活 領 域 で フ ラ ン ス 語 が 優 勢 で あ る こ とが そ の 理 由 で あ ろ う。 そ し て ル ク セ ン ブ ル ク の 場 合 は そ の 国 の 多 言 語 性 と話 者 数 の 少 な さ が 、 そ の 地 域 特 有 の ヴ ァ リエ ー シ ョ ン を 規 定 に 求 め な か っ た要 因 と考 え られ る。 また ベ ル ギ ー とル クセ ン ブ ル クの フ ラ ンス 語 話 者 は 、 フ ラ ン ス の フ ラ ン ス 語 を 暗 黙 の 裡 に 「標 準 」 とみ な し、 い わ ゆ るbonusageの 強 く 影 響 さ れ て い る 。 ベ ル ギ ー の フ ラ ン ス 語 の 規 範 化 は 、Dガ漉o〃 α加 Bθ忽 勾〃6と 五θル 〃ρα∫ ∫θ〃B64g勿%610に. よ っ て 、1990年. 理念 に. 伽 勲 η卿 ∫46. 代 後 半 に な っ て 達 成 され た が 、 そ. の 言 語 学 上 の 差 異 は 語 彙 と発 音 に 限 定 さ れ て い る 。 した が っ て フ ラ ン ス 語 はEU圏 英 語 と 同 様 に 事 実 上PZSで. は な く、MZSと. 内で は. み な され て い る 。. オ ラ ン ダ 語 に つ い て も 同 様 の こ とが 言 え る 。 ベ ル ギ ー の 北 半 分 に 位 置 す る フ ラ ン ドル 地 方 の オ ラ ン ダ 語 も独 自 の 法 的 な 立 場 を 要 求 し て い な い 。 オ ラ ン ダ 語 は1962年 ル 地 域 の 公 用 語 と して 公 式 に 認 証 さ れ た 。1970年. にフラ ン ド. に ベ ル ギ ー 国 土 の 半 分 の 「単 言 語 状 況 」. が 確 立 さ れ 、 そ れ 以 降 「単 言 語 地 域 国 家 状 況 」 が 続 い て い る 。 フ ラ ン ドル で は さ ら に1950 年 代 と1960年. 代 に フ ラ ン ス 語 か ら の 解 放 が 発 端 と な っ て 、 「標 準 オ ラ ン ダ 語 」(オ ラ ン ダ. の オ ラ ン ダ 語)使. 用 促 進 の 大 規 模 な キ ャ ンペ ー ンが 行 わ れ た 。 そ し て フ ラ ン ドル 地 域 独 自. の 規 範 作 成 を 回 避 す る た め に 、 オ ラ ン ダ と共 同 で 共 通 の 辞 書 編 纂 も進 め ら れ た 。 こ の よ う な 背 景 か ら、 ベ ル ギ ー の 二 つ の ナ シ ョ ナ ル ヴ ァ リエ ー シ ョ ン を 法 的 規 定 に 求 め な か っ た 理. 一3一.

(4) 教 養 ・外 国 語 教 育 セ ン ター 紀 要. 由が 理 解 で きる。 ドイ ツ 語 は 、 今 日 のEU枠. 内 で は、 ドイ ツ、 ベ ル ギ ー、 ル クセ ンブ ル ク、 オ ー ス トリア. で 「国 語 」 と な っ て い る 。 ベ ル ギ ー ヴ ァ リエ ー シ ョ ン を話 す 話 者 は 、 一 般 的 に 約65,000人 い る と い わ れ 、 そ の ヴ ァ リ エ ー シ ョ ン は い わ ゆ る 「半 ヴ ァ リ エ ー シ ョ ン 」 と 言 わ れ て い る 。 そ れ は 発 話 話 者 が 少 な い 故 に 言 語 全 体 に 後 々 ま で 影 響 を 与 え ず 、 ま た 地 理 的 な 状 況 か ら際 立 っ た 言 語 学 上 の 差 異 を発 展 さ せ る こ と も で き な い も の で あ る 。 ル ク セ ン ブ ル ク の ドイ ツ 語 もル ク セ ン ブ ル ク語 、 フ ラ ンス 語 と並 んで ル クセ ン ブル クの 国 語 で あ るが 、 ベ ル ギ ーの ドイ ッ 語 と 同 じ よ う な 状 況 に あ る 。 故 に 、EU創 邦 共 和 国)の. 1.3.オ. 設 以 来 「ドイ ッ 語 」 と は 常 に ドイ ッ(連. ドイ ッ 語 を 意 味 して い た 。. ー ス ト リ ア 加 盟 以 降 のEU諸. 言 語 にお ける複 中心 主 義 の 問 題. ドイ ツ 語 の 複 中 心 主 義 の 問 題 は 、 オ ー ス ト リ ア のEU加 れ た 。 約820万. 人 の 人 口 を 抱 え る オ ー ス ト リ ア(第. リエ ー シ ョ ン(NV)と. 盟(1995年)に. 二 共 和 国)で. よっ て もた らさ. は完 全 な ナ シ ョナ ル ヴ ァ. して の 「オ ー ス トリ ア ドイ ツ語 」 が 使 用 さ れ て い る 。 こ の 「オ ー ス. トリ ア ド イ ツ語 」 は さ ら に オ ー ス ト リ ア 人 の ア イ デ ン テ ィ テ ィ11を 構 成 す る 幾 多 の 要 素 の 一つ であ り. 、 ドイ ツ(連. 邦 共 和 国)の. を 持 つ と言 わ れ て い る 。 さ ら に1938年 合 、1945年. ドイ ツ 語 と距 離 を 隔 て た 一 連 の 異 な っ た 言 語 特 徴12 か ら1945年. 以 降 の 明 確 な 境 界 区 分 、 そ して1955年. ま で の オ ー ス ト リ ア の ドイ ツ へ の 併 の 国 家 条 約 に よ る ドイ ッ へ の 併 合 禁 止. とい う 歴 史 的 な 出 来 事 が 、 オ ー ス トリ ア 市 民 の ナ シ ョ ナ ル 意 識 存 在 と ア イ デ ン テ ィ テ ィ に 後 々 ま で 影 響 を 与 え る こ と に な っ た 。 従 っ て 、 オ ー ス ト リ ア のEUへ. の加 盟 交 渉 が 始 ま る. と、 新 た な 併 合 、 即 ち オ ー ス トリ ア の ア イ デ ン テ ィ テ ィ 、 個 別 に は 言 語 ア イ デ ン テ ィ テ ィ の 崩 壊 に 対 す る 危 惧 が 表 明 さ れ た 。 「オ ー ス ト リ ア ドイ ツ 語 」 の ド イ ツ の ドイ ツ 語 へ の 「言 語 同 化 」 「プ ロ イ セ ン 化 」 が 予 想 さ れ 、 一 般 市 民 の 問 に 不 安 が 高 ま っ た 。1993年 1994年. の ア ン ケ ー ト調 査 結 果13に. よ る と、 大 多 数 の オ ー ス ト リ ア 人 は 、 こ の 件 に 関 し て. 「非 常 に 気 に 障 る 」(。sehrst6ren",1993:32%,1994:36%)も (。ziehmlichst6ren",1993:27%,1994:24%)と NVと. と. し く は 「か な り気 に 障 る 」. 感 じて い た 。EU加. 盟 に 際 して 、 ドイ ッ 語 の. して の 「オ ー ス トリ ア ドイ ツ 語 」 の 問 題 は 、 他 の 既 存 加 盟 諸 国 と は 明 ら か に 異 な る. 状 況 に あ っ た こ と が こ の 調 査 結 果 か ら改 め て 認 識 で き る 。 ま た そ の 間 、 各 国 の 生 産 品 表 示 の 使 用 言 語 を 制 限 した ヨ ー ロ ッパ 裁 判 所(EuGH)の. 一 連 の 判 決 ・判 断 が 公 表 さ れ た の で 、. そ の 危 惧 感 が 特 に オ ー ス トリ ア の 食 料 品 表 示 問 題 と して 浮 上 す る こ と に な っ た 。 EU加. 盟 準 備 段 階 の オ ース トリアで は、 言 語 的 な ア イデ ンテ ィ テ ィ喪 失 の可 能性 につ い. て集 中的 な議 論 が 行 わ れ て い た 。 そ の 際 シ ンボ ル 的 な 中心 とな っ た の が 、 この オ ー ス トリ ア 特 有 の 食 料 品 表 示 の 喪 失 を め ぐ る 不 安 で あ っ た 。 他 方 、 当 時 のEU加. 一4一. 盟 国 の 一 部 で は、.

(5) EUの. 言 語 政 策 と 「オ ー ス トリ ア ドイ ツ語 」. ドイ ツ 再 統 一 後 の さ ら な る 「ドイ ツ 語 圏 ブ ロ ッ ク 」 形 成 に 危 惧 を 表 明 す る 傾 向 も あ り、 オ ー ス トリ ア 政 府 はEU加. 盟 の 国 民 投 票 の 結 果 を確 言 で き る状 況 に な か っ た と 言 わ れ て い. る 。 そ こ で 当 時 の オ ー ス ト リ ア 政 府 は 、EU加. 盟後 もオー ス トリアの 食 料 品 と名 産 品が オ ー. ス トリ ア 特 有 の 表 現 で 表 示 可 能 な 明 確 な 規 則 が 存 在 す れ ば 、 先 の ア ン ケ ー ト調 査 結 果 か ら 見 て 、 国 民 投 票 で のEU加 bleibtErdapfelsalaf`(ジ wieesiBt1"(旧. 盟 賛 成 票 が5%程. 度 増 え る で あ ろ う と 判 断 し、 。Erdapfelsalat. ャ ガ イ モ サ ラ ダ は ジ ャ ガ イ モ サ ラ ダ の ま ま で あ る),。Allesbleibし. 正 書 法)(全. て は 現 在 食 し て い る 状 態 で 変 わ る こ と は な い)等. のスローガ ン. を 掲 げ て 大 々 的 に 広 告 キ ャ ン ペ ー ン を 展 開 した の で あ る14。 そ し て 、 さ ら な る 対 策 が オ ー ス ト リ アEU加 こ の 「第10条. 2.EU加. 「第10条. 項 」 の 作 成 で あ っ た。. 項 」 に つ い て 次 に 詳 論 す る こ と に した い 。. 盟 オ ー ス トリ ア 議 定 書. 2.1.「. 盟 議定書. 第10条. 「第10条. 項 」 に付 加 さ れ た オ ー ス トリ ア 表 現. 項 」 の概 要. オ ー ス ト リ ア 議 定 書 「第10条. 項 」 と付 帯 事 項 は 以 下 の と お りで あ る15。. EU枠. 内 で の ドイ ツ語 の 特 別 なオ ー ス トリ ア表現 の使 用 に 関す る第10条 項. EU枠. 内 で は以 下 の点 が 有 効 であ る:. 1.オ. ー ス ト リ ア の 法 律 に 含 ま れ 、 こ の 議 定 書 の 付 帯 事 項 に リ ス トア ッ プ さ れ て い る ドイ ツ 語 の 特 別 な オ ー ス ト リ ア 表 現 は 、 ドイ ッ の そ れ に 対 応 す る 表 現 と 同 じ 地 位 を も ち 、 か つ 同等 の法 的 効 果 を有 す る。. 2.新. た な 法 文 書 を ドイ ッ 語 で 表 現 す る場 合 に 、 付 帯 事 項 に 挙 げ られ て い る 特 別 な オ ー ス ト リ ア 表 現 が 、 ドイ ツ で 用 い ら れ て い る そ れ に 対 応 す る 表 現 に 適 切 な 形 で 付 加 さ れ る。.

(6) 教 養 ・外 国 語 教 育 セ ン ター 紀 要. 付帯事項 EU官 報. オ ー ス トリ ア. Beiried. 邦訳 ロ ー ス トビ ー フ. Roastbeef. Eierschwammerl. 杏 茸 ・ア ンズ タ ケ. P且fferlinge. Erdapfel. Kartoffeln. Faschiertes. ジ ヤガ イモ. 挽肉. Hackfleisch. Fisolen. GrUneBohnen. Grammeln HUrferl Karfiol Kohlsprossen Kren. サ ヤ イ ンゲ ン. Grieben. 妙 め て脂 を抜 い たベ ー コ ン. HUfte. 腰肉. Blumenkohl. カ リフ ラ ワー. Rosenkohl. メ キ ャベ ツ. Meerrettich. ワサ ビダ イ コ ン. Lungenbraten. Filet. ヒ レ肉. Marillen. Aprikosen. ア ンズ. Melanzani. Aubergine. ナス. NuB. Kugel. Obers. Sahne. Paradeiser Ribisel. ス モ モ(プ. Hochrippe Keule. Topfen. Quark. Vogerlsalat. (牛 の)肩. ス ミ ノ ミザ ク ラ(の. 実). の オ ー ス トリア 表現 を個 別 に代 表 的 な辞 書 で検 証 す る. こ と に し た い 。 代 表 的 な 辞 書 と は 次 の8種. Unterschiede. ・カ ー ド. の検証. 付 帯 事 項 に 取 り上 げ ら れ た23語. 1983, Wilfried. 実). ロース. 野 ぢ し ゃ ・サ ラ ダ 菜. Sauerkirschen. ー ス トリ ア 表 現23語. ムース. も も肉 凝 乳. Feldsalat. Weichseln. ラ ム)の. ス グ リ(の. Johannisbeeren. Schl6gel. く切 っ た も も肉 ・ク リ ー ム. トマ ト. Pflaumenmus. Rostbraten. (1) SEIBICKE. 乳 脂. Tomaten. Powidl. 2.2.オ. (牛 ・豚 の)厚. で あ る16。. Seibicke:. Wie sagt man anderswo?. im deutschen Sprachgebrauch,. Mannheim-Leipzig-Wien-Zurich,. Landschaftliche. Die Duden-Taschenbticher,. Band 15.. DUDENVERLAG.. (2) WAGNER 1996, Das Lexikon der Wiener Kiiche.Wien, Deuticke. (3) EBNER. 1998, Wie sagt man in Osterreich?. Besonderheiten.. Duden-TaschenbUcher,. Worterbuch. der osterreichischen. Band 8. (3. Auflage) . Mannheim-Leipzig-. Wien-Zürich, DUDENVERLAG. (4) AMMON 2004, Varientenworterbuch Osterreich,. des Deutschen.. der Schweiz and Deutschland. —6—. Die Standardsprache. sowie in Liechtenstein,. in. Luxemburg,.

(7) EUの. 言 語 政 策 と 「オ ー ス トリ ア ドイ ツ語 」. Ostbelgien and Sfidtirol. Berlin-NewYork, de Gruyter. (5) SELACZEK 2004, Das osterreichische. Deutsch. Ein illustriertes. Handbuch. Wien,. Ueberreuter. (6) ZEHETNER 2005, Bairisches Deutsch. Lexikon der deutschen Sprache in Altbayern. Regensburg, edition vulpes. (7) OWB (OsterreichishesWorterbuch). 2006, Wien, Osterreichischer. Bundesverlag,. obv&hpt 2006 (40. Auflage).17 (8) DUDEN. 2010, Die deutsche. Rechtschreibung.. Mannheim-Leipzig-Wien-Zurich,. DUDENVERLAG (25. Auflage).18. 記 号 の 説 明: X=そ. の辞 書 にそ の 語 が掲 載 され て い ない 。. +=そ. の 辞 書 に そ の 語 が 掲 載 さ れ て い る が 、 特 別 な 表 示 と説 明 が な い 。. 6=オ. ー ス トリ ア で 一 般 的 な 語 と して 掲 載 さ れ て い る 。. OxVbg=Vorarlbergを 0-ost=オ. 除 くオ ー ス ト リ ア で 一 般 的 な 語 と して 掲 載 さ れ て い る 。. ー ス ト リ ア 東 部(Burgenland,Wien,Nieder6sterreich,Steiermarkの. 一 部). で一 般 的 な語 と して掲 載 され てい る。 Oxwest=オ. ー ス ト リ ア 西 部(VorarlbergTirol,Salzburgの. 一 部)を. 除 くオ ー ス ト リ. ア の 地 域 で 一 般 的 な 語 と して 掲 載 さ れ て い る 。 D-sdost=ド. イ ッ の 南 東 部 で 一 般 的 な 語 と して 掲 載 され て い る 。. CH=ス. イ ス で 一 般 的 な 語 と して 掲 載 さ れ て い る 。. SD=南. ドイ ッ 地 域(一. 部 ス イ ス 、 オ ー ス ト リ ア を 含 む)で. 一 般 的 な語 と して掲 載 され て. い る。 ST=南 B=ド. チ ロ ル で 一 般 的 な 語 と して 掲 載 さ れ て い る 。 イ ツ バ イ エ ル ン 地 方 のbairisch(バ. L=landschaftlich,regionalと ()=主. イ エ ル ン方 言)と. して 掲 載 さ れ て い る 。. して 地 域 が 限 定 さ れ る 語 と して 掲 載 さ れ て い る 。. に そ の 地 域 で 一 般 的 で あ る が 、 例 外 も見 ら れ る 。. 一7一.

(8) 教 養 ・外 国 語 教 育 セ ン ター 紀 要. 調 査 結 果 を表 で 表 す と以 下 の とお りで あ る。. (1) (2). AUSTRIAZISMEN Beiried Eゴ67∫ 漉 卿 α〃z〃z671. X. 6. (3). 十. (4). (5). 6. 十. 十. ●●. (OxVbg),CH. L. 十. 十. (6) X. (B). (7). (8) 6. 十 ●●. L. 0,CH. ●●. E74㈱1. SD. 十. SD. Faschiertes. 6 6. 十. 十. Fisolen. o●. 0,D-sdost. 6 go. 十. B,D-nrwf. (Oxwest). 十. ・0. 十. B. 十. 0,L. X. 十. X. 十. 6 6. B. 十. B,0. X. L. 6. 十. 6. ■●. (Oxwest) ・ ・. ・o. B. 十. H廿ferl. X. X. X. 6. 十. κα功01. SD. 十. 十. 6. 十. 6. 十. 十. 6. 十. X. 十. 6. 十. B. 十. B,0. 十. X. 十. 6. Kohlsprossen. 0,D-sdost. (OxVbg). B. Ozα 規 辮61〃. (B). ●●. κ76%. Lungenbraten. B. SD. 十. X. 十. 十. o●. 0,D-sdost. 6 ・・. Marillen. 6. 十. 十. 6. 0,ST. X. 十. 6. Melanzani. X. 十. 十. 6. 十. X. 十. 6. NuB. X. 十. 十. X. 十. 十. X. X. L. 6. 十. 6. 十. 6. 十. 6. 十 ●○. Obers. B. Paradeiser. 6. Powidl R伽. 6. ∫61. Rostbraten s6〃 δ961. 十. 十. (〇-ost). 十 十. (Oxwest) 6. 十 十. ... 十. 十. X. 十. 十. SD. (OxVbg). B. B. 十. Vogerlsalat. 6. 十. 十. ゴ 酌 ∫61〃. X. 十. 0,D-sdost. (OxVbg) 十. X. (B) X. 十. 十 ●●. B. 十. B. 十. B,0. 十. X. 十. 6. 0,B. B. 十. 十. L,0,CH ○●. 0,D-sdost. 6 ・・. 0,CH,D-sdost. 十. (B). ●●. o.. 晩. (〇-ost) .・. 6. 十. 〃. 十 ・・. 十. ●●. To卿. (〇-ost). go. 6 SD. ■●. L,CH. 各 語 の 補 足 説 明: ・Beiriedは. 、1983年. の(1)に. は掲 載 され て い な いが 、 そ の他 の辞 書 に は特 に オ ー ス トリ. ア 的 な 語 と し て 掲 載 さ れ て い る 。(6)の ・捌67∫6伽 α〃槻671は. バ イ エ ル ン ドイ ツ 語 辞 書 に は 掲 載 さ れ て い な い 。. フ ォ ア ア ル ル ベ ル ク を 除 くオ ー ス ト リ ア で 使 用 さ れ て い る が 、 ス イ. ス とバ イ エ ル ン地 方 の 一 部 で も使 用 さ れ て い る 。 故 に 、 特 に オ ー ス トリ ア 特 有 の 語 と は 言 え な い 。 ま た 、-erlの 付 くEierschwammerlは. 主 に オ ー ス ト リ ア 東 部 で 、Eierschwamm. は オー ス トリア西 部 とス イス で使 用 され る。 ・E/4媛1(E744飽1)は. 、 オ ー ス ト リ ア だ け で な く南 ド イ ッ 全 般 、 バ イ エ ル ン 地 方 、 ドイ. ッ 南 東 部 、 さ ら に ド イ ッ の ノ ル ドラ ン ウ ェ ス トフ ァー レ ン 地 方(D-nrwf)で い る 。 故 に オ ー ス トリ ア 特 有 の 語 と は い え な い 。. 一8一. も使 用 さ れ て.

(9) EUの. ・Faschierte(s)は (6)の. 、7つ. 言 語 政 策 と 「オ ー ス トリ ア ドイ ツ語 」. の辞 書 す べ て で オ ー ス トリア特 有 の 語 と して 掲 載 さ れ て い る。. バ イ エ ル ン ドイ ツ 語 辞 書 に は 掲 載 さ れ て い な い 。 故 に 、 オ ー ス ト リ ア 的 な 語 と い え. る。 ・Fisole(n)は. 、(6)に. は 掲 載 さ れ て お ら ず 、 オ ー ス ト リ ア 西 部 を 除 く他 の 地 域 で 使 用 さ. れ て い る 。 た だ し東 オ ー ス ト リ ア の 一 部 と シ ュ タ イ ア ー マ ル ク で は 、Bohn(en)schoten,ケ ル ン テ ン で はStrankaleが. 使 わ れ て い るの で 、 オ ー ス トリア 的 な語 で あ るが 、 オ ース トリ. ァ 全 域 で 一 般 的 に 使 用 され て い る と は 言 え な い 。(イ タ リ ア 語 か ら の 借 用 語 で あ る 。) ・07α〃z耀1(〃)は. 、(6)に. も掲 載 さ れ て お り、 他 の 辞 書 で もバ イ エ ル ン語 と して 掲 載 さ れ. て い る 。 オ ー ス トリ ア で も ア レ マ ン方 言 の フ ォ ア ア ル ル ベ ル ク 以 外 の 全 域 で 使 用 さ れ て い る が 、 オ ー ス トリ ア特 有 の 語 と は 言 い 難 い 。 ・mferlは. 、(1)、(2)、(3)に. は 掲 載 さ れ て い な い が 、(4)、(5)、(8)で. ア 特 有 の 語 と し て 表 示 さ れ て お り、(6)に. は、 オ ース トリ. も掲 載 さ れ て い な い の で 、 オ ー ス トリ ア 特 有 の. 語 とい え る で あ ろ う 。 南 ドイ ッ で はHieferlと. い う表 示 で 使 用 さ れ て い る 。. ・κα湧01は 、 オ ー ス トリ ア で 一 般 的 に 使 用 さ れ て い る が 、(1)と(6)で. バ イ エ ル ン語 と. 記 さ れ て い る 。 オ ー ス トリ ア 特 有 の 語 と は 言 い 難 い 。(イ タ リ ア 語 か らの 借 用 語 で あ る 。) ・Kohlsprosse(n)は. 、(6)に. 掲 載 さ れ て い な い 。 そ の 他 の 辞 書 で は 掲 載 さ れ て お り、. オ ー ス ト リ ア で 特 有 で 、 一 般 的 に 使 用 さ れ て い る語 と い え よ う 。 ・1(7朋 は 、(6)に. 掲 載 さ れ て お り、 そ の 他 の 辞 書 で もバ イ エ ル ン 語 、 南 ドイ ツ 地 域 で 広 く. 使 用 さ れ て い る と記 さ れ て い る の で 、 オ ー ス ト リ ア 特 有 の 語 と は 言 え な い 。(起 源 は ス ラ ブ 系 言 語 で あ る 。) ・Lungenbratenは. 、(1)に. は 掲 載 さ れ て い な い が 、(6)に. も掲 載 さ れ て い な い 。 オ ー ス. トリ ア 全 域 で 使 用 さ れ て い る オ ー ス トリ ア 特 有 の 語 と言 え る 。 ・Marille(n)は. 、 南 チ ロ ル で も使 用 さ れ て い る が 、 オ ー ス ト リ ア 全 域 で 使 用 さ れ て い る の. で 、 オ ー ス ト リ ア特 有 の 語 と言 え る で あ ろ う。(イ タ リ ア 語 か らの 借 用 語 で あ る 。) ・Melanzaniは. 、(1)に. は 掲 載 さ れ て い な い が 、(6)に. も掲 載 さ れ て い な い 。 オ ー ス ト リ. ア 全 域 で 使 用 さ れ て い る オ ー ス ト リ ア 特 有 の 語 と言 え る 。(イ タ リ ア 語 か らの 借 用 語 で あ る 。) ・NuB(Nuss)は. 、(1)、(5)、(8)に. は 不 掲 載 で あ る 。(6)に. は掲載 されている。他の辞. 書 に もオ ー ス トリ ア に 特 有 な 語 とい う 表 示 が な い 。 ・Obersは. 、(1)に. は バ イ エ ル ン 語 と記 さ れ て い る が 、(6)に. は掲 載 され て い ない 。 ま た. オ ー ス ト リ ア の 東 部 に 使 用 が 限 定 さ れ て い る 。 オ ー ス トリ ア 西 部 と南 部 で は む し ろRahm が 一 般 的 で あ る。 ・Paradeiserは. 、(6)で. はバ イ エ ル ンの一 部 で 使 用 され て い る とい う表 示 が あ るが 、 最 近. 一9一.

(10) 教 養 ・外 国 語 教 育 セ ン ター 紀 要. の 辞 書(4)(5)(7)(8)で. は オ ー ス ト リ ア 特 有 の 語 と記 さ れ て い る 。 た だ し(7)に. と東 オ ー ス ト リ ア で 特 に 使 用 さ れ て お り、 西 と南 オ ー ス ト リ ア で はTomateも. よる. 一般 的 に. な って い る 。 ・Powidlは. 、 多 くの 辞 書 で オ ー ス ト リ ア 特 有 の 語 と さ れ て い る が 、(8)に. よ る と、 特 に 東. オ ー ス ト リ ア で 主 に使 用 さ れ て い る 。(チ ェ コ語 か らの 借 用 語 で あ る 。) ・R弼361は. 、 バ イエ ル ンの一 部 で使 用 され て い る。 オ ー ス トリア で もフ ォ ア アル ルベ ル ク. 以 外 で 一 般 に 使 用 さ れ て い る が 、 オ ー ス トリ ア 特 有 の 語 と は 言 い 難 い 。(ア ラ ビ ア 語 、 イ タ リ ア 語 か ら の 借 用 語 と み な さ れ て い る 。) ・Rostbratenは. 、(1)(6)に. は 掲 載 さ れ て い な い 。 そ の 他 の 辞 書 で も特 に オ ー ス ト リ ア 特. 有 の 語 と い う記 載 は な い 。 ・Sc〃 δg61は 、 南 ドイ ッ 、 ス イ ス で の 使 用 が 明 示 さ れ て お り、 オ ー ス ト リ ア 特 有 の 語 と は 言 い 難 い 。Schlegelと ・To勉. も表記 され る。. 〃 は 、 バ イ エ ル ン、 ド イ ツ南 東 部 で の 使 用 が 示 さ れ て お り、 オ ー ス ト リ ア 特 有 の 語. とは言 い 難 い 。 ・Vogerlsalatは. 、 バ イ エ ル ン 語 辞 書(6)で. る 。 南 チ ロ ル で はVogelsesalatと. の 記 載 が な く、 オ ー ス ト リ ア 特 有 の 語 と 言 え. も表 記 さ れ る 。. ・隔 励 ∫ε1(%)は 、 南 ドイ ツ 、 バ イ エ ル ン 、 ス イ ス で の 使 用 が 示 さ れ て い る 。 オ ー ス ト リ ア特 有 の 語 とは言 い難 い。. 従 っ て、 イ タ リ ッ ク 体 で 記 血. 厘041(76〃,丑. ∫ ∂∫364Sc〃. し た9つ. δg647コo飽. 特 有 の語 」 とは言 えず 、 む しろ. の 語(E癬 〃,既. ∫6加槻 〃槻6払E74勉40zα. ∫ 酌361〃)は. 、Austriazismen「. 「南 ド イ ッ 語 」 あ る い は. の で あ る 。 ま たNuBとRostbratenもAustriazismenと. 〃槻61〃, オ ー ス トリア. 「共 通 バ イ エ ル ン 語 」 と 言 え る も は 言 え ず 、 む し ろ ドイ ツ 全 般 で 使. わ れ て い る 表 現 で あ る 。 そ の 他 の 太 字(ゴ. チ ッ ク 体)表. 示 の12語(Beiried,Faschiertes,. Fisolen,H丘ferl,Kohlsprossen,Lungenbraten,Marillen,Melanzani,Obers,Paradeiser, Powidl,Vogerlsalat)が Obers,Paradeiser,Powidlの. 一 般 的 にAustriazismenと. 言 え る 語 で あ る が 、 も ち ろ んFisolen,. よ う に 使 用 地 域 が 限 定 され て お りオ ー ス トリ ア 全 域 で 使 用 さ. れ て い な い 語 も 含 ま れ る 。 ま たAustriazismenの. 判 断 基 準 と して は 共 時 的 な 面 の み を 採 用. し、 そ の 語 の 起 源 、 借 用 等 に つ い て の 通 時 的 側 面 に つ い て は 参 考 と し て 表 示 す る に と どめ た 。 調 査 結 果 と し て 、23語. 中12語. がAustriazismenと. 認 め ら れ る が 、 そ の 割 合 は 約52%. に す ぎ な い 。 元 来 オ ー ス ト リ ア 地 域 の ド イ ツ 語 は 、 言 語 地 理 学(方. 言 学)的. に は 、 フ ォア. ア ル ル ベ ル ク が ア レマ ン方 言 地 域 、 チ ロ ル 、 東 チ ロ ル 、 ケ ル ン テ ン とザ ル ツ ブ ル ク の 一 部 が 南 バ イ エ ル ン方 言 地 域 、 そ の 他 の オ ー バ ー オ ー ス ト リ ア 、 ニ ー ダ ー オ ー ス ト リ ア 、 ブ ル. 一10一.

(11) EUの. ゲ ン ラ ン ト、 ウ ィ ー ン 、 シ ュ タ イ ア ー マ ル ク の3分. の2地. 言 語 政 策 と 「オ ー ス トリ ア ドイ ツ語 」. 域 が 中 部 バ イエ ル ン方 言 地 域 に. 属 し て い る 。 オ ー ス トリ ア ド イ ツ 語 の オ リ ジ ナ リ テ ィ を 食 料 品 表 示 領 域 に 求 め よ う と し た 政 治 的 な 試 み は 、 国 民 投 票 でEU加. 盟 を 決 定 す る こ と に よ っ て そ の 目的 を 果 た し た の で あ. る が 、 そ の 後 残 っ た こ の 議 定 書 の 付 帯 事 項 に 記 さ れ たAustriazismenの. 矛 盾 が あ らた に浮. か び 上 が り、 そ の 社 会 言 語 学 的 な 視 点 か ら の 判 断 と評 価 が 求 め ら れ る 。 そ こ で こ の 議 定 書 第10条. 項 の 意 義 を以 下 に 再 確 認 す る こ と に す る こ と に し た い 。. 2.3.第10条 第10条 1.国. 項の意義 項 に よ っ て 法 的 に 了 承 さ れ た 内 容 を 箇 条 書 き に す る と以 下 の 通 りで あ る19。. 際 的 に 有 効 な 法 文 書 で 、 オ ー ス トリ ア標 準 ヴ ァ リ エ ー シ ョ ン が 存 在 す る こ と が 認 識 され た。. 2.副. 次 的 な 法 文 書(EU通 し て 新 た に23語. 3.オ. 達 書 、 方 針 ・大 綱 、 立 場 表 明 な ど)に. も、 「EUド. イ ッ語 」 と. が 導 入 され た 。. ー ス トリ ア ドイ ツ 語 表 現 の23語. が 、 ドイ ッ 連 邦 共 和 国 の ドイ ッ 語 と 同 価 値 と見 な さ. れた。 4.法. 的 に 有 効 な こ の23語. は、 法 文 書 の 翻 訳 の 際 に も使 用 さ れ、 原 則 的 に は斜 線 を添 え. て ドイ ツ 連 邦 共 和 国 の 表 現 と共 に 表 示 さ れ る 。 5.EUの. 法 シ ス テ ム で 、23語. に よ っ て 、23語 6.EUの. の 「オ ー ス ト リ ア ドイ ツ 語 」 の 法 的 立 場 を 明 確 化 す る こ と. 以 外 の 「オ ー ス ト リ ア ド イ ツ 語 」 の 法 的 立 場 の 改 善 が 期 待 で き る 。. 諸 機 関 に お け る 複 中 心 言 語(PZS)に. 関 す る 規 則 は 、 他 のEU加. 盟 国 にとって. も必 要 で あ る 。 7.第10条. 項 の 内 容 は 、 ナ シ ョ ナ ル 的 ・地 域 的 な 多 様 性 の 保 持 を 強 調 す るEU基. 本 法憲. 章 と一 致 す る 。. 従 っ て 、 第10条. 項 の 法 的 有 効 性 は 限 定 さ れ て お り、 控 え め で あ る 。 「オ ー ス ト リ ア ドイ. ッ 語 」 に 関 す る 一 般 条 項 が 含 ま れ て い な い の で 、 付 帯 条 項 の23語. に 関 して 法 文 化 が 問 題. に な った 場 合 の み 、 この 条 項 が 役 割 を果 たす こ とに な る。 この付 帯 条 項 の 表 の 作 成 は シ ン ボ ル 的 な ジ ェ ス チ ャ ー で あ り、 こ の 表 の 作 成 が オ ー ス ト リ ア 住 民 の 抱 い て い る ア イ デ ン テ ィテ ィ消 失 に対 す る不 安 を解 消 させ る の で は な い か と考 え ら れ て い た 可 能 性 が あ る。 オ ー ス トリ ア 政 府 の 交 渉 団 か ら は 一 般 条 項 は 要 求 さ れ ず 、 最 大 公 約 数 的 な 解 決 が 図 ら れ た よ う で あ る 。 即 ち 、 当 時 のEU加. 盟 国 の 一 部 と オ ー ス ト リ ア 以 外 の 加 盟 予 定 国 側 か らの 抵. 抗 が あ っ た と伝 え ら れ て い る20。 た と え ば 、 翻 訳 業 務 に さ ら な る 出 費 を 恐 れ て い た ドイ ツ は 、 オ ー ス トリ ア へ 輸 出 さ れ る 生 産 品 の 二 重 レ ッテ ル 化 の 義 務 を 、 ま た 加 盟 予 定 国 で あ っ. 一ll一.

(12) 教 養 ・外 国 語 教 育 セ ン ター 紀 要. た フ ィ ン ラ ン ド は フ ィ ン ラ ン ド語 と ス ウ ェ ー デ ン 語 の 二 重 レ ッ テ ル 化 の 義 務 を 、 さ ら に ス ペ イ ン は 国 内 の カ タ ロ ニ ア 語 、 バ ス ク 語 、 ガ ル シ ア 語 がEUで. の 公 用 語 を主 張 す る こ とを. 危 惧 して い た 。. 3.EU内. で の 「オ ー ス ト リ ア ド イ ツ 語 」 の 問 題. 3.1.自. 由 商 品流 通 圏 内 の言 語 使 用 規 定. こ の よ う にEU内. で の 「オ ー ス ト リ ア ドイ ツ 語 」 の 法 的 な 立 場 は 弱 く、 事 実 上EU内. の ド イ ツ 語 は ド イ ツ の ドイ ツ 語 を 意 味 し て お り、 単 中 心 言 語(MZS)扱 EUの. で. い され て い る。. 言 語 政 策 で は 少 数 言 語 、 地 域 言 語 の 維 持 の た め に 包 括 的 な 助 成 と保 護 が 進 め られ て. い る の に 対 して 、 い わ ゆ る ナ シ ョ ナ ル ヴ ァ リ エ ー シ ョ ン(NV)言. 語 に つ い て は 、EU言. 政 策 の 「多 言 語 性 ・複 言 語 性 」 と い う方 針 か ら 除 外 さ れ て い る 。 約820万 ア 住 民 が 話 す 「オ ー ス ト リ ア ドイ ッ 語 」 は 、 オ ー ス ト リ ア のEU加. 語. 人 の オ ー ス トリ. 盟 後 マ ス コ ミ等 で 取 り. 上 げ ら れ る機 会 が 少 な く な っ て い る が 、 問 題 は 解 消 さ れ て は い な い 。 「オ ー ス トリ ア ドイ ツ 語 」 に 限 定 さ れ た 問 題 で は な い が 、EU内. の 商 品 表 示(ラ. ベ ル)の. 問 題 が こ れ ま で も単 発 的 に マ ス コ ミ で 取 り上 げ ら れ 話 題 と な っ て き た 。 ヨ ー ロ ッ パ 裁 判 所 (EuGH)に. よっ て各 国 の言 語 主 権 に矛 盾 す る一 連 の 判 決 が 発 表 され た か らで あ る。 そ の一. つ が1974年. のDassonville判. 決 で あ る21。 そ れ はEU内. 語 の 使 用 を 制 限 ・規 制 す る も の で あ る 。 そ こ に はEU内 拠 、 逆 に 言 え ばEU内. の 諸 言 語 の 複 中心 主 義 と各 国 の 国 の 自 由 な 商 品流 通 を優 先 す る根. で の 商 業 を 直 接 ・間 接 的 に 、 ま た 実 際 的 ・潜 在 的 に 制 限 す る こ と を. 禁 ず る根拠 が示 され て い る。 ま た1994年. の ミ ネ ラ ル ウ オ ー タ ー の フ ラ マ ン語 に よ る ラ ベ ル 無 表 示 の 問 題 に 関 す る. ヨ ー ロ ッパ 裁 判 所(EuGH)の. 判 決 も 矛 盾 に 満 ち て い た 。 そ れ は 明 らか に ベ ル ギ ー 国 内 の. 言 語 通 達 書 違 反 で あ っ た が 、EuGHは と い う 要 求 は 、EUの. 「食 料 品 ラ ベ ル 表 示 に 、 一 定 の 言 語 を 使 用 す べ き だ. 共 同 法(Gemeinschaftsrecht)に. 違 反 す る 」22と 判 断 し た 。 こ れ は. ベ ル ギ ー 、 特 に 北 半 分 の フ ラ マ ン 語 地 域 の 住 民 を 憤 慨 さ せ た 。EuGHの 共 同 法 第14条. の 指 針(9/112)に. 判 決 は1979年. の. 基 づ き、 加 盟 国 地 域 へ の 食 料 品 の 輸 出 入 は 、 「容 易 に 理. 解 で き る言 語 」 で ラベ ルが 作 成 さ れ て い る場 合 、 許 可 され る とい う判 断 で あ っ た 。 ベ ル ギ ー の 国語 の一 つ で あ る フ ラ ンス 語 が こ の基 準 に該 当 したが 、 フ ラマ ン語 が 除 外 され 、 加 盟 国 の 言 語 主権 が 無視 され た判 決 で あ った 。 EU域. 内 市 場 政 策 担 当 委 員 で あ っ たBolkesteinは. 、 こ の 種 の 問 題 に 関 して 慎 重 に 次 の よ. う に述 べ て い る。 「一 定 の 言 語 に 使 用 限 定 し よ う とす る 委 員 会 の 取 り決 め は 、 生 産 品 の 流 通 促 進 を顧 慮 し て い る 。 そ れ ら の 生 産 品 は ヨー ロ ッパ の 文 化 的 多 様 性 を 反 映 して い る 場 合 が 多 い の で 、 そ. 一12一.

(13) EUの. 言 語 政 策 と 「オ ー ス トリ ア ドイ ツ語 」. の 際 同 時 に そ れ らの 生 産 品 の 特 徴 も で き る だ け 多 くの 消 費 者 に 知 らせ る 必 要 が あ る 。 特 に 食 料 品 の ラ ベ ル 表 示 に 関 す る 各 規 則 は 、 消 費 者 へ の 通 知 と消 費 者 保 護 が 最 優 先 さ れ る べ き で あ る 。 実 際 に は 各 国 の 国 語 に よ る 表 示 が 最 も適 切 で あ る 。 過 度 で 正 当 性 が な い 処 置 を 承 認 さ せ て は な ら な い 、 そ れ は 消 費 者 に と っ て 不 利 益 に な る か らで あ る 。」23(主 し か し な が ら さ ら に オ ー ス ト リ ア で2003年 戦 争 」 と い わ れ るMarmeladeとKon且tUreの Wachauの. に 問 題 と な っ た 事 例 が 、 俗 に 「マ マ レ ー ド 表 示 を 巡 る 争 い で あ る。 オ ー ス ト リ ア. 生 産 者 が 伝 統 的 な ラ ベ ル 表 示 で あ るMarillenmarmeladeを. れ た 事 件 で あ る24。1979年. 旨 要 約). の い わ ゆ るKon且tUre通. 使 用 した故 に告 訴 さ. 達 に よ り、MarmeladeはKon且tUreと. 表 示 し な け れ ば な ら な か っ た か ら で あ る 。 こ の 事 件 は マ ス コ ミ に 大 き く取 り上 げ ら れ 、 オ ー ス トリ ア の 一 般 市 民 を 巻 き 込 む 論 争 と な っ た た め 、 例 外 規 則 が 設 け ら れ 、Marmelade とい う表 示 も 認 可 さ れ た の で あ る 。 オ ー ス ト リ ア 議 定 書 第10条. 項 の付 帯 事 項 に示 され た. 23語 の 食 料 品 名 が 物 語 る よ う に 、 オ ー ス ト リ ア で は 食 料 品 表 示 名 は セ ン シ ブ ル(鋭 敏)な. 敏 ・過. 言 語 問 題 と い え る か も しれ な い 。 オ ー ス トリ ア で は そ れ 以 来 「言 語 的 な 差 別 」 を 受. け て い る と い う 印 象 が 強 ま っ た 。 オ ー ス ト リ ア で は 一 般 的 なKonkurrenz,Budget, Konsumentは. 、EU法. Haushalt,Verbraucherを. で は 認 定 さ れ て お ら ず 、 ド イ ツ の ド イ ツ 語 で あ るWettbewerb, 使 用 し な け れ ば な ら な い25。 法 律 用 語 で は 基 本 的 に オ ー ス ト リ ア. 表 現 の 使 用 は許 され て い ない 。 こ れ ら の 例 が 示 す 通 り、EUの. 言 語 政 策 は 多 言 語 ・複 言 語 重 視 を 掲 げ な が ら 、 極 め て 重. 要 な 法 的 分 野 に な る と、 複 中 心 主 義 で は な く単 中 心 主 義 を 優 先 し 、 ナ シ ョ ナ ル ヴ ァ リエ ー シ ョ ン(NV)を. 拒 否 し て い る 。 こ れ は 翻 訳 ・通 訳 に 費 や さ れ る 莫 大 な 出 費26の 面 か らみ. れ ば 、 一 面 で は 理 解 可 能 な こ とで は あ る が 、 他 方 そ れ に よ っ て 加 盟 国 の 平 等 原 理 が 疑 問 視 され る大 きな 問題 を投 げか けて い る。. 3.2.オ. ー ス トリ ア ドイ ツ 語 の 課 題. オ ー ス トリ ア のEU加. 盟 後 も 「オ ー ス ト リ ア ドイ ッ 語 」 の 立 場 は 加 盟 以 前 と ほ と ん ど 変. 化 が な い と い え よ う。 オ ー ス ト リ ア の 翻 訳 家 や 通 訳 の 多 く は ドイ ッ 出 身 の 同 僚 や 上 司 か ら 言 語 上 の 訂 正 を 指 摘 さ れ 、 ナ シ ョ ナ ル ヴ ァ リ エ ー シ ョ ン(NV)と. して は 標 準 の表 現 を否. 認 ・拒 否 さ れ る 経 験 を 持 っ て い る 。 逆 に 言 え ば オ ー ス ト リ ア のNVを 考 え て い る 人 々 はEU諸. ドイ ッ 語 の 標 準 語 と. 機 関 で の 言 語 業 務 で 採 用 さ れ る チ ャ ンス が 少 な い と言 え る 。 こ の. 問 題 を 解 決 し、 ドイ ツ の ドイ ツ 語 と オ ー ス トリ ア の ドイ ツ語 が 同 価 値 で あ る こ と を 主 張 す る た め の 前 提 条 件 は 、 以 前 か ら指 摘 さ れ て い る こ と で は あ る が 、NV標. 準 語 と い え る 「オ ー. ス トリ ア ドイ ツ 語 」 の 十 分 な 収 集 と信 頼 に値 す る コ ー パ ス の 作 成 で あ ろ う27。 そ の 欠 点 を 補 う た め に 、R.Muhrは. 「オ ー ス トリ ア ドイ ッ 語 研 究 セ ン タ ー 」 を 設 立 し、. 一13一.

(14) 教 養 ・外 国 語 教 育 セ ン ター 紀 要. オ ー ス ト リ ア と ドイ ッ の 法 律 用 語 上 の 差 異 を 研 究 す る 目 的 を持 つ プ ロ ジ ェ ク ト(ATREM) を 提 案 した28。 オ ー ス ト リ ア の 法 律 言 語 の 表 現 は 、 第10条 られ た4基. 準 の う ち 、3つ. 項 で 用 語 を採 択 す る た め に 設 け. を満 た し て い る 。 そ れ ら は 明 ら か に 「標 準 語 的 な 特 性 」 を 持 ち 、. 「オ ー ス ト リ ア 全 域 に 有 効 」 で あ り、 「オ ー ス ト リ ア の 法 律 内 で 証 明 可 能 」 な も の で あ る 。 た だ し第4の. 基 準 で あ る 「(ド イ ツ と オ ー ス ト リ ア で)共. が 欠 け て い る29。 こ れ はEUの. 通 の法 体 系 の 下 で の 証 明 可 能 性 」. 専 門法 律 用 語 の 包 括 的 な信 頼 で きる研 究 が まだ 十分 に存 在. し な い こ と に起 因 して い る 。 同 じ公 用 語 を使 用 す る 二 つ の 加 盟 国 の 法 律 言 語 に お け る 差 異 は 、 両 国 間 の 法 的 な 理 解 に 対 し て 大 き な 問 題 を 投 げ か け る だ け で な く、EU全. 体 の 法 シス. テ ム に対 す る 問 題 提 起 で もあ る 。 こ の プ ロ ジ ェ ク トの 目的 は 、 オ ー ス ト リ ア と ドイ ッ の 法 シ ス テ ム の 用 語 上 の 差 異30に 関 す る 信 頼 で き る 科 学 的 な 報 告 を 作 成 す る こ と で あ り、 そ れ ら を デ ー タ バ ン ク へ 追 加 す る こ とで あ る 。 差 異 が 見 つ か っ た 法 律 用 語 はIATEデ. ー タ バ ン ク31へ 登 録 さ れ 、 他 のEU作. 業. 語 で あ る 英 語 と フ ラ ン ス 語 で 同 価 値 で あ る 用 語 も追 加 さ れ る 。 R.Muhrに. よ る と32、16ヶ. 月 の 研 究 期 間 を経 た 時 点 で 、1540件. の オ ー ス トリ ア 特 有 の 法. 律 用 語 が 登 録 さ れ た 。 ま た オ ー ス ト リ ア の 法 シ ス テ ム で は 対 応 で き な い ドイ ッ で 使 わ れ て い る 用 語 が1500件. 以 上 見 つ か っ た と報 告 さ れ て い るが 、 そ の 詳 細 に つ い て は資 料 の 整 備. を ま っ て 改 め て 論 じ る 必 要 が あ ろ う。. 4.お. わ りに. 第1章. で は 、EUの. 特 にPZSと. 言 語 政 策 を 、EUの. 公 用 語 と複 中 心 言 語(PZS)の. 見 な さ れ る 公 用 語 は 、 オ ー ス トリ ア 加 盟 以 前 で は 、EU内. 言 語(MZS)と. 面 か ら概 略 し た 。 で は実 質 的 に単 中心. し て 機 能 し て い た が 、 オ ー ス ト リ ア 加 盟 以 降 は 「オ ー ス ト リ ア ドイ ッ 語 」. とい う話 者 人 口 の 大 き な ナ シ ョ ナ ル ヴ ァ リ エ ー シ ョ ン(NV)の. 登 場 に よ り、 問 題 が 複 雑. 化 した こ と を 指 摘 した 。 第2章 書 第10条. で は 、 そ の 問 題 を 解 決 す る た め の 一 手 段 と み な さ れ たEU加 項 に つ い て 概 略 し 、 そ れ に 附 則 さ れ て い た23語. を 再 検 証 し た 。23語. 中9語. は オ ー ス ト リ ア よ り も む し ろ ドイ ッ. で 一 般 的 に 使 用 さ れ て い る 語 と判 断 で き 、 最 終 的 に12語 判 断 さ れ た 。 オ ー ス ト リ ア のEU加. の み が オ ース トリア特 有 の 語 と. 盟 を め ぐ る 国 民 投 票 直 前 に 設 け られ た こ の よ う な 附 則. の 「オ ー ス ト リ ア 特 有 の 表 現 」 は 、 言 語 地 理 学 的(方. は 矛 盾 に 満 ち た も の で あ る が 、EUの 第10条. の 「オ ー ス ト リ ア 特 有 の 表 現 」. は ドイ ッ の 南 ドイ ッ 語 あ る い は バ イ エ ル ン 語 と い え る もの で 、. オ ー ス ト リ ア 特 有 の 表 現 と は 言 え な か っ た 。 ま た2語. 事 項 に 掲 載 さ れ た23語. 盟 オ ー ス トリ ア 議 定. 言 学 的)に. 言 語 政 策 を社 会 言 語 学 的 に論 じる 際 に 、 この 議 定 書. 項 は興 味 深 い 条 項 で あ り、 そ の 存 在 意 義 を 再 確 認 した 。. 一14一.

(15) EUの. 第3章. で は 、EU内. 言 語 政 策 と 「オ ー ス トリ ア ドイ ツ語 」. で の 「オ ー ス ト リ ア ド イ ッ 語 」 の 法 的 な 位 置 と そ の 問 題 点 を 指 摘 し、. 今 後 の 課 題 等 を指 摘 した 。 特 にEU内 ロ ッパ 裁 判 所(EuGH)の. の 商 品 表 示(ラ. 判 決 がEU各. 代 表 と言 わ れ る ドイ ツ 語 が 、EUの. ベ ル)で. の 言 語 問題 を巡 っ て、 ヨー. 国 の 言 語 主 義 と矛 盾 す る ケ ー ス を 紹 介 し、PZSの. 法 的 な 領 域 で は 実 質 的 にMZSと. な って い る こ とを指 摘. し た 。 そ して 「オ ー ス トリ ア ドイ ツ 語 」 の 法 的 な 地 位 を 確 立 す る た め に は 、 オ ー ス ト リ ア と ドイ ツ の 法 律 専 門 用 語 の 比 較 対 照 研 究 が 必 要 で 、 現 在 そ の 研 究 プ ロ ジ ェ ク トが 進 行 中 で あ る こ と を紹 介 した 。 EUが. 拡 大 しEUの. 点 で 、 加 盟 国27力. 公 用 語 も そ れ に 応 じ て 増 加 しつ つ あ る 。2007年 国 、 公 用 語23言. 語 を 数 え 、EUの. 取 り扱 う政 策 を維 持 して い る 。EUで. の 第6次EU拡. 言 語 政 策 は 基 本 的 に公 用 語 を平 等 に. は話 者 人 口 の少 な い少 数 言 語 に対 す る言 語 保 護 政 策. も進 み つ つ あ る が 、 「オ ー ス ト リ ア ド イ ツ 語 」 の よ う な 話 者 人 口 の 多 いNVに 法 をEUの. 大時. 言 語 政 策 は ま だ 考 え て い な い 。 オ ー ス トリ ア のEU加. か ら の 言 語 問 題 が 今 後 の 課 題 で あ り、EU言. 対 す る対 処. 盟 以 降 に 見 られ た 法 的 面. 語 政 策 の 一 つ の試 金 石 と な るの で は なか ろ う. か。. 注 1. vgl.http://eur-lex.europa.eu/de/treaties/dat/2002E/pdg/ 9倉. vgl.http://dejure.org/gesetze/EG/290.htmlArtikl290:DieRegelungder SprachenfragefUrdieOrganederGemeinschaftwirdunbeschadetderSatzungdes GerichtshofsvomRateinstimmiggetroffen.. り0. vgl.http://euro-lex.europa.eu/lexUriServ.do?uri=CELEX:32005RO920:DE:HTML. 4. Amtssprache(公 workinglanguageに. 5. 用 語),Arbeitssprache(作. 業 言 語)は. 英 語 のofnciallanguage,. 該 当 す る。. EU作. 業 言 語 と し て の ド イ ツ 語 に 関 す る 諸 問 題 に つ い て はAmmon,U.(2007)を. EUと. は 別 組 織 で あ る1949年. del'Europe)の. 参 照 。. に 設 立 さ れ た 欧 州 評 議 会(CouncilofEurope,Conseil. 公 用 語 は 、 英 語 と フ ラ ンス 語 の 二 言 語 で あ る 。 欧 州 評 議 会 の 閣 僚 委. 員 会 、 議 員 会 議 、 地 方 自 治 体 会 議 で は ドイ ッ 語 、 イ タ リ ア 語 、 ロ シ ア 語 が 作 業 言 語 と し て 使 わ れ る こ とが あ る 。 だ0. 「複 中 心 言 語 」 の 定 義 に つ い て は 、 坂 野(2006),S.59f[を. 75. こ こ で い う 「国 語 」 は 英 語 のnationallanguage、. 参 照 。. フ ラ ン ス 語 のlanguenationaleに. 当 す る が 、 ド イ ッ 語 で は 、 「民 族 的 ・文 化 的 」、 「地 理 的 ・領 土 的 」、 「統 治 機 構 的 」 な 意 味 合 い に よ っ て 、Naionalsprache,Landessprache,Staatsspracheと. 一15一. 相 ・国 家 使 い 分.

(16) 教 養 ・外 国 語 教 育 セ ン ター 紀 要. け られ てい る場 合 が 多 い 。 8vgl.EuropaischeKommision(2006),S.8.Muhr,R.(2009),S.201. 9vgl.EuropaischeKommision(2006),S.8.Muhr,R.(2009),S.201. 10Delcourt,CH.(1998):Dガ6'ガo〃. 〃α加4〃. み α〃ραガs46B4g毎. Klinkenberg,J-M./Wilmet,M./Goosse,A.(1997):五6ノ co〃z〃z辮 π彪. 鋸.BrUssel.Blampain,D./ ン伽 卿 ∫6πB619吻6.σ. π麗1侃9κ6.Louvain-la-Neuve/Paris.. ll「. オ ー ス ト リ ア ド イ ツ 語 」 と ア イ デ ン テ ィ テ ィ に つ い て は 、 坂 野(2008)を. 参 照 。. 12「. オ ー ス ト リ ア ド イ ツ 語 」 の 言 語 特 徴 に つ い て は 、 坂 野(2002),S.2f[,坂. 野(2008),. S.61fLを. 加. 参 照 。. 13vgl.deCillia,R.(1995),S.11. 14vgl.deCillia,R.(1995),S.128.坂. 野(2007),S.80f尚. 、 オ ー ス ト リ ア 議 定 書 第10条. 項 成 立 の 経 緯 に つ い て はMarkhard,H.(2006b),S.12f[を 15vgl.deCillia,R.(1998),S.105.坂. 参 照 。. 野(2007),S.79f. 16vgl.Pohl,H.(2007),S.33ff 17オ. ー ス ト リ ア の 正 書 法 辞 典OWBに. つ い て の 詳 細 は 、 坂 野(2001)を. 18ド. イ ツ 語 圏 の 代 表 的 正 書 法 辞 典Dudenに. つ い て は 、 坂 野(1998)を. 参 照 。 参 照 。. 19vgl.Markhardt,H.(2005),S.178f[ 20vgl.Markhardt,H.(2005),S.166f[ 21vgLhttp://de.wikipediaorg/wiki/Dassonville-Entscheidung.1979年 判 決 、1993年. のKeck判. のCassis-de-dijon. 決 も 自 由 な 商 品 流 通 を 優 先 し、 各 国 の 言 語 主 権 を 制 限 す る も. ので あ る。 22Markhardt,H.(2005),S.112. 23AmtsblattNr.268EvomO7/11/2003S.00480049.DokumentNr.92002E3785. 24vgl.Markhard,H.(2006b),S.22f[ 25vgl.Markhardt,H.(2005),S.116. 26翻. 訳 、 通 訳 な ど の 多 言 語 主 義 政 策 の 維 持 に 毎 年11億2300万 EUの. 27vgl.坂. 年 間 予 算 の 約1%に 野(2005),S.29f[「. ユ ー ロが 必 要 で 、 これ は. 相 当 す る 。vg正http://europa.eu/languages/en/document/59#8 オ ー ス ト リ ア ドイ ツ 語 」 の 辞 書 編 纂 に 関 す る プ ロ ジ ェ ク ト. に つ い て は 、Muhr,R./Sellner,M.B.(2006)に. 詳 細 に報 告 さ れ て い たが 、 そ の 後 辞 書. と し て 出 版 さ れ 確 認、 で き た の は 、Muhr,R.(2007)とMarkhardt,H.(2006a)の2点 のみ で あ っ た。 28vgl.http://www.oedeutsch.at,vgl.Muhr,R.(2009),S.209. 29vgl.Muhr,R.(2009),S.209.. 一16一.

(17) EUの. 30. Markhard,H.(2006)で. 言 語 政 策 と 「オ ー ス トリ ア ドイ ツ語 」. 法 律 、 経 済 、 財 政 分 野 の専 門用 語 の対 照 研 究 が 進 み つ つ あ. る。. 31. IATE=InterActiveTerminologyforEurope,vgl.http://iate.europa.eu/. 32. vgl.Muhr,R.(2009),S.210.. 《参 考 文 献 》. Ammon, U. (1995) : Die deutsche. Sprache in Deutschland,. Osterreich. und in der. Schweiz. Das Problem der nationalen Varietilten. Berlin/New York. Ammon, U. u.a. (Hrsg.). (2004) : Variantenworterbuch. des Deutschen. Berlin/New. York.. Ammon, U. (2007) : Die Wichtigkeit und Schwierigkeit von Deutsch als Arbeitssprache in den EU-Institutionen.. In: Muttersprache,. 2/2007, Jahrgang. 117, S.. 98-109. Wiesbaden. Blampain, D./Klinkenberg,. J-M./Wilmet, M./Goosse, A. (1997) : Le Francais en Belgique.. Une commuaute, une langue. Louvain-la-Neuve/Paris. Busch, B./de Cillia, R. (Hrsg.). (2003) : Sprachenpolitik in Osterreich. Frankfurt. De Cillia, R. (1995) : Deutsche Sprache und osterreichische. Identitat,. a.M.. S. 11. In: SWS-. Rundschau 2/1994, S. 209-224. De Cillia, R. (1995) : Erdapfelsalat EU-Beitritt.. bleibt Erdiipfelsalat.. In: Muhr, R./Schrodt,. Oserterreichisches. R./Wiesinger,. P. (Hrsg.). Deutsch und (1995) : S.. 121-131. De Cillia, R. (1998) : Burenwurscht. bleibt Burenwurscht.. Sprachenpolitik. und. gesellschaftliche Mehrsprachigkeit in Osterreich. Klagenfurt. De Cillia, R. (2003) : Braucht Osterreich eine Sprachenpolitik? In: Busch, B./de Cillia, R. (Hrsg.). (2003) , S. 9-42.. De Cillia, R./Wodak, R. (2006) : Ist Osterreich ein „deutsches" Land? Innsbruck. Delcourt, CH. (1998) : Dictionnaire du Francais de Belgique. Brussel. Duden. (2010) : Die deutsche Rechtschreibung.. Mannheim-Leipzig-Wien-ZUrich.. (25.. Aufl.) Ebner, J. (1980, 1998) : Wie sagt man in Osterreich? Worterbuch der osterreichischen Besonderheiten.. Duden-Taschenbucher,. Bd. 8. Mannheim-Leipzig-Wien-. Zurich. (2. Aufl. u. 3.Aufl.) Europaische. Kommision (2006) : Die EuroPaer und ihre Sprachen. In Eurobarometer. — 17 —.

(18) 教 養 ・外 国 語 教 育 セ ン ター 紀 要. Spezial, 243/Welle 64. 3. Markhardt, H. (2005) : Das Osterreichische Deutsch im Rahmen der EU. Frankfurt. a.M.. Markhardt,. und. H. (2006a) : Worterbuch. der osterreichischen. Verwaltungs-terminologie. Markhardt,. Muhr,. Frankfurt. Rechts-,. a.M.. H. (2006b) : 10 Jahre „Austriazismenprotokoll". in der EU: Wirkung und. Nichtwirkung. - Chancen und Herausforderungen.. M.B. (Hrsg.). (2006) , S. 11-38.. R. (2007). : Osterreichisches. In: Muhr, R./Sellner,. Ausspracheworterbuch,. Aussprachedatenbank,. Wirtschafts-. Frankfurt. Osterreichische. a.M./Berlin/Bern/Bruxelles/New. York/Oxford/Wien. Muhr,. R. (2009) : Die Unterschiede Deutschlands. in der Rechtsterminologie. Osterreichs. und. und die Folgen fur die Rechtssprache Deutsch im Rahmen. der EuroPaischen. Union. In: Muttersprache. 3/2009,. S. 199-216.. Wiesbaden. Muhr,. R./Schrodt,. R./Wiesinger,. Linguistische,. P. (Hrsg.). (1995). sozialpsychologische. : Osterreichisches. und sprachpolitische. Deutsch.. Aspekte einer. nationalen Variante des Deutschen. Wien. Muhr, R./Sellner, M. B. (Hrsg.) Deutsch:. 1995-2005.. Bruxelles/New Osterreichisches. (2006) : Zehn Jahre Forschung zum Osterreichischen. Worterbuch. Eine Bilanz.. Frankfurt. a.M./Berlin/Bern/. York/Oxford/Wien. (2006) : Hrsg. im Auftrag. des Bundesministeriums. fur. Bildung, Wissenschaft und Kultur. (40. Aufl.) , Wien. Pohl, H. (2007). : Die osterreichische. osterreichischen sprachwissenschaftlichen Seibicke,. Kiichensprache. kulinarischen. deutschen. Sprachgebrauch.. Lexikon. der typisch. Besonderheiten. Erliiuterungen).. W. (1983) : Wie sagt man anderswo?. Ein. (mit. Wien.. Landschaftliche. Unterschiede. Die Duden-TaschenbUcher,. im. Bd. 15.. Mannheim/Wien/Zurich. Selaczek, R. (2004) : Das osterreichische Deutsch. Ein illustriertes Handbuch. Wien. Wagner, CH. (1996) : Das Lexikon der Wiener Kfiche. Wien. Wiesinger, P. (2006) : Das osterreichische Deutsch in Gegenwart und Geschichte. Wien. Zehetner, L. (2005) : Bairisches Deutsch. Lexikon der deutschen Sprache in Altbayern. Regensburg.. — 18 —.

(19) EUの 言語政策 と 「オース トリア ドイツ語」. 大 前 研 一(2009):衝 坂野. 坂野. 撃!Eσ. パ ワ ー 、 朝 日新 聞 出 版.. 久(1998):み"イ. ソ証. 養 部 紀 要 第30巻. 、 第1・2号. 久(2001):才. 書 法 辞 碑 ω67'61∫〃z伽π とD〃46ガ 、35-45頁.. 一 ヌ み グ ア の正 書 法 辞 與. 一仔 に δ3妙76ガ6雇∫c加3碗. い で 一、 近 畿 大 学 語 学 教 育 部 紀 要 第1巻 坂野. 久(2002):π. 才 一ヌ み グ ア み"イソ謝. 第1号 坂野. 久(2005):π. 才 一ヌ み グ ア み"イソ謝. 久(2007):才. を め ぐ っ で 、 近 畿 大 学 語 学 教 育 部 紀 要 第2巻. 久(2008):才. 久(2009):才. 、65-85頁. 一 ヌ み グ ア み"イッ語 と ア イ デ ン テ ィ テ ィ 、 近 畿 大 学 語 学 教 育 部 紀 要 第2号. 渋 谷 謙 次 郎(編)(2005):欧. 辰 巳 浅 嗣(編)(2009):Eσ. 、53-74頁.. 一 ヌ み グ ア の ± 者 少 数 涙 と 言 語 政 策 、 近 畿 大 学 語 学 教 育 部 紀 要 第9. 巻 第2号. 高 橋 秀 彰(2010):ド. と 言 語 政 策 、 近 畿 大 学 語 学 教 育 部 紀 要 第5巻. 一 ヌ み グ ア第 二 共 初 国 の 言 語 攻 策 、 近 畿 大 学 語 学 教 育 部 紀 要 第7巻. 第8巻 坂野. 、99-111頁.. 、23-33頁.. 第2号 坂野. 第1号. 嘘6ノ伽 酌 に つ. 、1-10頁.. 第2号 坂野. に つ い で 、近 畿 大 学 教. 、185-211頁. 〃 諸 国 の 言 語 法 、 三 元 社.. イ ツ語 圏 の 言 語 政 策 、 関 西 大 学 出 版 部. 欧 〃慨 合 の 現 在 、 創 元 社..

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参照

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