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自閉症児に対する共同行為ルーティンを用いた言語指導 : 4つの異なる文脈による「ありがとう」の習得

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(1)自閉症 児 に対する共同行為ルーティンを 用いた言語指導. 一 4 つの異なる文脈による「あ りがと う 」の習得 一. 1 .. 藤沢市教育委員会. 刀 l上. 賢ネ右. 横浜国立大学教育人間科学部. 関戸. 英. 糸目. はじめに. 自閉症 児 に対する要求言語の 習得を標的行動とした 言語指導が多くの 研究者によってなされてき. た。 ひとくちに「要求言語」といっても、 機能の異なる 要求言語の指導がなされてきた。 しかし、 要求言語が獲得されたとしても、 要式に応じてくれた 相手に対して 何の反応も示さない とすれば、 その要求言語は 一方的なものとなり、新たなやり取りが 生じる可能性を 失 こととなる。 「あ りがと 」というお礼の 言語行動を身につけることは、 相手に対して 親密な印象を 与えるとと もに、 社会的な賞賛を 受ける機会を 増すものと考えられる ( 大野・進藤・ 柘植・滝ナ・ 山田・吉元・ う. う. 三浦, 1987)。 また、 長崎・佐竹・ 宮崎・関戸 (1998) も、 自閉症児の多くが、 自分の要求を 満たし たりため、 「∼ちょうだけ」などの 要求言語行動を 表出することができるが、 物の受け渡しにおける 相互交渉場面において、. 「あ りがと. う. 」を言わずに 無言で対応することが 多い、 と述べている。. に、 要求するときだけでなく、 物の受け渡しの 際にもことばでの 適切な表現ができるよ. う. さら. になった. ほうが、 社会的に受け 入れられ、 強化を受けやすいであ ろう、 とも述べている。 以上のことから、 要求言語を身につけた 自閉症 児 にとって、 要求を満たしてくれた 相手に対して「あ. りがと. う. 」を自. 発できるようになることは、 日常場面において 対人相互交渉を 促進させるスキルになると 考えられ る。. 先行研究においても、 自閉症 児 に対して「あ. されている. ( 角張 ,. りがと. 1985 ; 大野 ろ , 1987 ;Matson.Se. う. 」の習得を標的行動とした 言語指導がな. 而 n.F 「 idley.Love,. 1990 ; 谷口・佐竹・. 長崎, 1994 : 関戸, 2001L 。. 先行研究における「あ なり、 測定されていても. りがと 維持・. う. 」の指導では、 日常場面での 維持・ 般 化について、 測定されてい. 般 化がみられなかった、 あ るいは限定的な 維持、 般 化しかみられな ・. かったなど、 維持・ 般 化がみられた 研究は少ない。 過去の「あ りがと. う. 」の指導において、 日常 場. 面 における維持・ 般 化がほとんどみられなかった 原因として、 ①過去の「あ りがと いて、 使用された文脈が 物の受け渡し 場面における「あ. りがと. う. り強い刺激統制が 働いてしまい 日常場面での. 脈が 「自然な文脈」ではないので、 導で獲得された「あ. りがと. う. 維持・. 維持・. 」の指導にお. 」に限定されており 日常の他の文. 脈 において 般 化がみられなかった 、 ②指導で獲得された「あ りがと あ. う. う. 」が行動連鎖 法 によるもので. 般 化が困難であ った 、 ③指導に使用された 文. 般 化がみられなかった、 以上 3 つの理由が考えられる。 指. 」の日常場面での 維持・ 般 化を促進させるためにはそれら. 3 つの原因を. 改善する必要があ る。 はじめに、 原因①について 考えてみる。 過去の「あ りがと るがすべて物の 受け渡し場面における「あ りがと られなかった 原因として谷口. ら. う. う. 」の指導では、 指導場面の違いはあ. 」の指導であ る。 限られた文脈でしか 般 化がみ. (1994) は、 獲得された物の 受け渡し場面での「あ りがと. う. 」をべ. ー スとして他の 文脈 (借りる・返す・お 礼・勧め ) への分化を促す 指導が必要であ る、 と述べてい る。. つまり、 物の受け渡し 場面という限られた 文脈において「あ りがと. なく、 「あ りがと. う. 」と言. う. う. 」の指導を行かうだけで. ことが求められるさまざまな 文脈において 指導を行かうことが 日常場面.

(2) 150. 関戸. 英紀. における 般 化を促すと考えられる。 そこで、 本研究では「あ りがと. う. 」を言. う. ことが求められる 文脈. として、 ①自発的要求場面において、 物品を受け取る 際、 ②他者からの 依頼物品をもらいに 用 学習 ) 、. 行き. (御. 提供者から受け 取る際、 ③借りた物品を 返す際、 ④教示を受けた 際、 以上 4 つの場面にお. ける「あ りがと. う. 」の指導を行なった。. 次に、 原因②については、 角張 (1985)、 谷口. ら. (1994) の指導において、 物の受け渡しの 際、 提. 供者は常に「どうぞ」と 言って対象 児 に物を渡している。 対象児は物をくれたという 行為だけを 弁 別 刺激とせずに、 「どうぞ」という 音声刺激についても 弁別刺激と考え、 「どうぞ」と 提供者が言っ て物を受け取ったときに「あ る。. りがと. う. 」を言. う. のだ、 という刺激統制ができてしまうとも 考えられ. よって、 要求を満たしてくれた 行為に対して「あ りがと. う. 」がいえるよ. う. にならなければ、. 日. 常場面での維持・ 般 化がされにくいと 考えられる。 したがって本研究では、 日常場面における 維持 や般 化を促進させるため 物の受け渡し 時などにおける 要求の充足者は 対象 児 に対して常に 決まった 言語反応. ( 「どうぞ」. ぅぞ 」、 「はい 」、. 等 ) を示しながら、 要求を充足するのではなく 日常考えられる 言語反応. 無言 ) を示しながら、対象 児の. 最後に、 原因③については、 Matson. ら. 「あ りがと. う. (. ど. 「. 」の自発的表出を 指導することにする。. (1990) の「あ りがと. う. 」の指導は、 前後の文脈のない 非. 日常的な場面において 指導が行なわれており、 また強化子として 食物の強化子が 用いられている。 つまり、 日常場面においても 存在するような 文脈を用いた「自然な 方法」とは言えない。 指導の成 果の日常場面での 般 化や維持が困難な 自閉症 児 に対する言語指導について、 大井. (. Ⅰ. 994) は現在の. 言語指導が「自然な 方法」を志向するようになってきていると 述べている。 その理由として、 ① 非 日常的な場面で 言語指導をしてもその 結果が日常場面で 般 化しない、 ②子どもの経験や 興味と無関 係 な事柄について 言語を教えてもあ まり意味がな い、 ③随伴的な賞賛によって 形成された言語反応 はそうした人為的な 随伴性を含まない 日常の環境では 維持されにくい、. という 3. 点の理由を挙げて. いる。 この「自然な 方法」の 一 っとして、 近年発達障害児に 対する言語指導においてルーティンを 用い た 指導法が注目され、. その有効性が 実証されてきている. (長崎。吉村・土屋,. 1991 ; 長崎・片山・. 森本, 1993 ; 長崎, 1994; 佐竹 ら , 1994; 関戸, 1994; 関戸, 1996; 関戸, 1998 ; 関戸, 2001) 。. こ. の指導法は 、 子どもはさまざまな 場面での限定された 文脈を理解しながら、 それに対応した 大人の 言語からその 意味や伝達意図を 理解し、 言語を表出するようになるという 仮説に基づいている. (長. 崎, 1994)。 なお、 ルーティンとはよく 出会う行為の 系列であ り、 ルーティンが 子どもの知識となっ た場合にスクリプトとなる. ( 関戸,. 1998L。 そしてこの考えを 背景に、 日常の生活日課や 遊びのよう. に子どもが喜んで 参加し、 自発的な伝達が 頻繁に起きる 活動を計画的に 繰り返し設定するなかで、. 言語指導が行なわれる。 さらに、 行動の連続的遂行の. 獲得を目的とする 行動連鎖 法. と異なり、 ルー. ティンを用いた 指導法は、 文脈を理解するということが、 ルーティンに 含まれる言語。 非言語を問 わず行為の系列をそのまま 再現できるようになるという. 伝達意図を理解するという 側面ももっ。 すな. む. 200lL 。 そこで本研究では、. と言. う. 話者の発話の 意味やその. ち、 ルーティンを 用いた指導法においては、 文脈が. 理解されることによって、 転移や般化のような、 られる. 側面だけでなく、. 単なる行動連鎖以覚の 学習が発生しやすいと 考え. ( 関戸,. 「あ りがと. う. 」の自発的表出がみられない 自閉症 児 に対して、. ことが求められる 4 つの異なる文脈. (①自発的要水物を. け取る , ③借りたものを 返す , ④教示を受ける. ). 「あ りがと. う. 」. 受け取る , ②他者からの 依頼物品を受. を含んだ、 「学習。 おやっ」ルーティンを 用いて、.

(3) 自閉症 児 に対する共同行為ルーティンを. 「あ りがと. う. 」の自発的表出を 目指した指導を 行なった。. するための要件について 検討することを. 15. 用いた言語指導. そしてその結果から、. Ⅰ. 維持・ 般 化を促進. 目的とした。. D. 方法 「.対象児 指導開始時 CA8. ところ、 軽. 11の自閉症女児. (以下,. M 児 とする ) 。 CARS によって自閉症の 判定を行なった. った。 3 歳から 年に在籍していた。. ・中度の自閉症であ. 知的障害養護学校小学部. 3. 時 8:10) の結果は、 MA3:6 乳幼児発達スケール. 通園施設に通い、 指導開始時 (会計城田中ビネ 一式知能検査,検査実施. 6 歳まで知的障害児の. 知能検査. 、 1Q40 。 絵画譜 い 発達検査. (コ DS;. (検査実施時. 8: 10) の結果は、VA4:0 。. 検査実施時 8: 10) の結果は、 運動 3 :9 、 操作 3 :7 、 理解言語 4:5 、. 表出言語 2 :5 、 概念 3:6 、 対子ども社会性 2:3 、 対成人社会性 3 :7 、 しっ け 6:2 、 食事 2:6 、 総合 発達年齢 3. 9 であ った。. 日常場面では 三話 文 程度の言語表出は 可能であ るが、 助詞を用いることができない。 遅延性エコ ラリア、 即時性 ェ コラリアが頻繁にみられる。 -学校や家庭においては、 音声言語に加えて てカ トン. サインも用いている。 日常生活における 言語指示はほぼ 理解可能であ る。 ひらがなの読みについて は 、 濁音の一部、 長音、促音を除いては 可能であ った。. さらに、 おかわりの要求 借用の要求. ( 「∼かして」 ). 、. ( 「∼ちょうだけ」 ) 、. 教示の要求. 御用学習での 依頼物品の要求. ( 「おしえてください」. ( 「∼ちょうだい」 ). ) の 4 つの要求言語を. 、. 自発的に表出す. ることは可能であ った。 2. 指導期間 2001 年 9. 月. 0 割合で指導. 5 日から 2002 年. 1 月. が設定された。. 日. 1. 17 日までで、 10 月 10 日までは週に. 1. 度、 10 月 17 日以降は週に 2 度. セッションの 所要時間は、 約 50 分であ った。. 日に. 1. 1. セッション. 行い、 計 30 セッションを 実施した。. 3. 指導方法. 1) 「学習・おやっ」のルーティン. : 指導場面では、 筆者 (指導者① ) と大学生または 大学院生. 人が指導者となり、 指導者①がプレイルームに、 指導者②が研究室に 配置された。 。. (指導者② ) の 2. 指導者②は、 セッションにより 替わった。 「学習・おやつ」のルーティンを の 確認をする」、. Table1 に示した。 このルーティンは、 場面. 場面 2 : 「文字学習をする」、 場面 3 : め 「. り. 1. : 「スケジュール. 絵 学習をする」、 場面 4 : 「おやっの準. 備をする」、 場面 5 : 「おやっを食べる」、 場面 6 「自由遊びをする」、 場面 7 「片付けとあ いさつを する」という 1. 7. つの場面から 構成された。 それぞれの場面は いくっ かの行動から 構成された。 場面. 、 2 、 3 、 5 、 6 、 7 は、 プレイルーム 内で行なわれた。 場面 4 については、 研究室で行なわれ、. 指導者②の双の 机上にお菓子 3 品、 飲み物 2 品が並べられていた。 品物はセッションごとに 替えて いった。 指導者②には、 M 児がもらいに 行くものが何であ るかは知らされていなかった。 M 児が 1 品 ずつ品物を受け. 取るごとに、 指導者③が次の 試行までに同じ 品物を補充 し、 つねに机上には 5. 並べられていた。 また、 M 児が学習課題に 使われる教材に 飽きてしまったと 推察される行動がめ. 日日. ら. れたため、 セッション 27以降、 教材を変更した。 文字学習においては、 果物・野菜の 名称が書かれ た単語 ヵ一ド から体の部位の 名称が書かれた 単語カードに 変更した。 ぬり絵 学習においては、 め. り. 絵 教材を変更し、 それまで使用していた 教材をやめ、 トマト、 なす、 ごぼう、 栗 、 ピーマン、 さっ.

(4) 152. 関戸. 英紀. まいも、 もものうちからセッションごとに 5 枚のめり絵を 選択した。. 2) 標的行動 : 次の 4 つの場面内に 設定された文脈で、. 「あ りがとう」が. 自発的に表出されるこ. とを目的とした。 場面 2 : 教示を受けた 時 (以下,教示時とする. ). 場面 3. 借用した物品" を返す時. (以下,返却時とする). 場面 4. 依頼物品" を受け取る時. (以下,御用学習時とする ). 場面 5 : おかわりを受け 取る時. 自発的要求時とする ). (以下,. 3) 指導デザイン 指導には場面間マルチベースラインデザインが 採用された。 指導の順番は、 筆者が考えた 獲得難 易度で易しいと 考えられる文脈から 指導を行なった。 最初に、 自発的要求時の「あ りがとう」の 指 噂 が行なわれた。 以下、 御用学習時、 返却 時 、 教示時の順に 指導が行なわれた。 Tablel 役割 対象 児. (ルーティンの. 「学習・おやっ」のルーティン. 遂行者 ), 指導者①,指導者② (お菓子・飲み 物の提供者 ). スケジュール 盤 ,単語カード (果物。 野菜の名称,既知力 一ド 5 枚,未知力一ド 5 枚 ), 絵. 道具. カード. ( 単語カードの. 果物。 野菜の絵が描かれたもの. ). m0枚,教示カード (未知力 一ドの. 単語がひらがなで 書かれたもの ) 5 枚,マグネット 10 個,マグネット 盤,ぬり絵 ( りんご ,. みかん,イチゴ,バナナ,たまねぎ ,にんじん,きゅうり ,ブドウ,以上から 5 枚を使用 ), 色鉛筆,お菓子3 種,飲み物 2 種,コップ 2 つ , お皿 2 つ , 飴 場面 1 : スケジュールの 確認をする. 1) 日にち,天気を 確認する 2) スケジュール (学習。 おやつ。 遊び ) のカードをスケジュール 盤に貼る 3) 学習のカードの 横に,対象児 ・指導者①の 写真カードを 貼る 場面 2 : 文字学習をする 木 既知力 一ド. ,未知力一ドは ランダムに提示される. Ⅰ ) 既知力 一ド の場合---------.----.----.---..--". --" --,-----,--,-----------;. (1) 指導者①の提示した 単語カードを 読む (2) 絵 カードで正答の 確認をする (3) 指導者からマバネ、 ット を受け取りマグネット 盤に貼る るため. ぅ. 2) 未知力 一ド の場合-------. ‥ --------------------". (1) 提示された単語カードに 対して教示の 要求 ゆ. (2). :. ). * 以上のやり取りを 5 回付 r. (試行回数に見通しをもたせ. 指導者①から 教示を受け ,. 「あ りがと. う. ( 「おしえてください」. 」と言 う. (3) 絵 カードで正答の 確認をする (4) 指導者からマバネットを 受け取りマグネット 盤に貼る 本 以上のやり取りを. 5 回 付ぅ. 「. ). をする.

(5) 自閉症 児 に対する共同行為ルーティンを 用いた言語指導. 場面 3 : め. 01). り. 153. 絵 学習をする. 提示されためり 絵 カードに対して「∼は 何色 ? 」に答える (5枚 ). 2) ぬ りたい め. 03) ⑥ 4). り. 絵 カードを選択する. 色鉛筆の借用の 要求. ,. 色鉛筆を受け 取り. をする. ( 「∼かして」 ) 「あ りがと. う. 」と言. う. 5) ぬり 絵に色鉛筆で 色をぬる. 06) 色鉛筆を返す ● 7) 返す際,「ありがと. : :. う. 」と言. う. * 2) から 7) のやり取りを 5 回 付ぅ 場面 4 : おやつの準備をする. 1) スケジュール 盤から,勉強のカードを 取り,写真カードをおやつカードの 横に動かす (次 の 活動の確認をする. ). 2) 指導者①から「∼もらってきて」の 依頼を受ける. :. :03) 研究室に行き ,提供者に対して依頼物品の要求 4) 物品を受け取り , りがと 」を言う. :● :. 「あ. (「∼ちょうだけ」 ) をする. う. 5) プレイルームに 戻り,物品 " を 指導者①に渡す *2) から 5) のやり取りを 5 回繰り返す 6) コップとお皿を 並べる. 07) 08). ・. 好きな飲み物を 選ぶ 好きなお菓子を 選ぶ. 場面 5 : おやっを食べる. 1). :02). 「. い ただきます」を 言. おかわりの要求. ( 「∼ちょうだい」 ). 3) お菓子を受け 取り , 水. 4). 2). と. う. 「あ りがと. う. をする. 」を言. う. :. :. 3) のやり取りを 5 回繰り返す. 「ごちそ. う. さま」を言. う. 場面 6 : 自由遊 び をする. 1) スケジュール 盤から,おやつのカードを取り,写真カードを遊びのカードの 横に動かす (次の活動の確認をする ). 2) 自由遊びをする 場面 7 : 片付けとあ いさつをする. 1) 遊び道具を片付ける 2) 「終わります」のあ いさつをする ⑥ 3) 指導者①から 飴をもらい,「あ りがと. う. 」を言. う. ●は標的行動・ 0 はルーティンの 遂行の , ⑥は指導場面での 般 化の対象とした 行動. 4) 手続き (1) べースライン. : 標的行動となる 文脈において「あ りがと. う. 」が自発されるかどうか、 M. 児の様子を観察した。 正 反応の基準は、 自発的要求 時 、 御用学習時においては、 受け取った後. 2 秒.

(6) 154. 関戸. 以内に自発がみられた 場合を正反応とした け 取らず 2. ". 英紀. 返却時においては、 返却時に指導者は 物品をすぐに 受. 秒間待ち、 その中で自発がみられた 場合を正反応とした。 教示時においては、 教示カー. ドを受け取り. 2. 秒以内に自発がみられた 場合を正反応とした。 自発がみられない 場合、 指導者は M. 児 に次の行動を 促した ". (2) 指導. : 「学習。 おやっ」のルーティンに 基づいて指導が 展開された。. それぞれの文脈において「あ ( 「何て言 うの ) 、 」. りがと. モデル部分提示. う. (語頭首「 お 」のみ ) 、. れた。 なお、 プロンプトはプロンプター く. 」が自発的に 表出されなかった 場合には、 言語的手がかり ( 大学生 ). モデル全提示の 順にプロンプトが 提示さ. によって提示された。 強化には、 社会的賞賛. ( よ 「. 言えたね」 ) が 用いられた。. 教示時において、 はじめは M 児から教示の 要求が自発された 後、 指導者から教示カードを M 児が 受け取った際、 「あ りがと. した後、. う. 」が自発されることを 正反応の基準としていた。 しかし、 教示の要求を. 教示カードによる 教示を受けるという 日常場面にない 不自然な文脈であ. 示を受けたことでなく、 教示カードを 受け取ったことを 弁別刺激として「あ. ったため、 また 教. りがと. う. 」の自発がな. されてしまうという、 異なる刺激統制が 働いてしまうと 考えられた。 そこで、 セッション 25 以降、 手続きを変更し、 教示者は教示カードを 持ち、 カードを指差しながら 音声による教示を 行い、 その 教示を受けた 際に「あ (3) プローブ. りがと. う. 」が自発されることを 正反応とした。. : 指導によって 獲得された標的行動については、. プローブとしてルーティンが. 遂行された。 プローブにおける 手続きは、 べースラインと 同様であ る。. 5) スクリプトの 獲得 スクリプトの 獲得がなされたか 否かを評価するために、 ルーティンの 中に指標を設定し、 その 遂 打率を測定した。 それぞれの指標については、 直接的な指導をしなかった。 スクリプトの 獲得の指 標には、 ①未知力 一ドに 対して教示の 要求をする (5 回 ) 、 ② ぬり絵 カードに描かれている 絵が何色 であ るか答える. (5 回 ) 、 ③ め りた いめ. ン ) の借用の要求をする. (5. 回)、. り. (5 回 ) 、 ④ぬる色の色鉛筆. 絵 カードを選択する. ⑤借りた色鉛筆. ( クレヨン ). を返す (5. 回)、. ( クレヨ. ⑥依頼物品の 要求. をする (5 回 ) 、 ⑦好きな飲み 物を選ぶ 、 ⑧好きなお菓子を 選ぶ 、 ⑨おかわりを 要求する. (5 回 ) が. 選定された。 それら、 37の項目が指標とされ、 セッションにおけるその 遂行率を求めた。. 6) 般 7% の測定 (1) 指導場面での 般化 : 指導場面における「あ め、. ルーティンの 中の場面. 3 : 借用物品を受け. 標的行動とは 異なる 2 つ 文脈において「あ. りがと. 取る際、 場面. りがと. う. う. 」の自発的表出の 般化を測定するた. 7 : 指導者から飴を. 受け取る際という. 」の自発を測定した。. (2) 日常場面での 般化 : 標的行動の日常場面 (家庭。 学校・大学での 自由遊び) における 般化 を エピソードとして 記録した。. Ⅲ.結果 1. 棟内行動の習得 標的行動の習得過程を. Flg.1に示した。. ここでは M 児が 4 つの標的行動を 自発的に表出するか 否. かを評価の対象とした。. すべての文脈において、 べースラインでは 正反応がみられなかった。 指導に入ると、 自発的要求 時においては、 はじめ 正 反応がみられなかったが、 セッションを 重ねるごとに 高い 丘 反応率が得ら.

(7) 155. 自閉症 児 に対する共同行為ルーティンを 用いた言語指導. れた。 その他の文脈においては、 最初の 1 、. 2 試行はプロンプトを. 必要としたが、 その後は正反応が. みられ、 指導のはじめのセッションから 高い 正 反応率が得られた。 教示時における 指導では、 教示 の 要求後、 指導者から教示カードを 受け取る文脈において 指導がなされ、 正反応率の上昇がみられ た。. しかし、 日常場面には 存在しない不自然な 文脈であ ったため、 教示カードを 指差しながらの 音. 声による教示に 手続きを変更した。 変更後、 2 セッションは 正反応がみられなくなったが、 その後 セッションを 重ねるごとに 高い 正 反応率が得られるよ. う. になった。. 2. プローブにおける 正反応率 プローブにおける 正反応率をⅡ 9.1 に示した。 ここでは獲得した 3 つの標的行動に 対して、 M 児 が強化のないプローブにおいて 標的行動を自発的に 表出するか否かを 評価の対象とした。 自発的要求時においては、 指導で獲得された 標的行動の正反応率がプローブに 入ると徐々に. 低く. なっていった。 しかし、 セッション 17 よりおかわりを 渡す際、 M 児の手に直接渡していたのを、 M. 児の手から少し 離れたところに 差し出すよ. う. に手続きを変えると 再び高い 正 反応率が得られた。. し. かし、 セッション 25 以降、 再び 正 反応率が低くなっていった。 御用学習時においては、 プローブに入り 始めは、 高い 正 反応率を維持していた。 しかし、 その後、 正 反応率が 40% から 100% までセッションごとにぱらつきがみられた。. 返却時においては、 プローブに入っても 100% の 正 反応率を 6 セッション連続で 維持していた。 かし、 セッション 26 において、 色鉛筆を指導者に 返さず、. ぬり. し. 終わった色鉛筆を 床に捨てるという. 行動がみられた。 そこで、 ぬり 絵の教材に飽きたのではと 考え、 セッション 27 からぬ. り. 絵の絵を新. しいものに変更し、 ぬる教具も色鉛筆からクレヨンに 変えた。 すると、 再び 100% の 正 反応率が連続 して得られた。. 3. スクリプトの 獲得 ルーティンの 遂行率は Fig.2 に示した。 セッション 1 、 2 では、 「④ぬる色の 色鉛筆の借用の 要求. をする」が、 それぞれ 3 回、 4 回遂行できなかった。 セッション 4 以降、 つねに 90% 以上の遂行率 を 維持していた。 セッション 4. 以降、 遂行できなかった 項目としては、 「⑥依頼物品を 要求する」が. 多く、 依頼されていない 物品の要求をするという 行動がみられた。 また、 セッション 26 では、 「⑤借 りた色鉛筆を 返す」を、 3 回遂行できず、 床に捨ててしまった。.

(8) 156. 関戸. 英紀. 100 80 60 40. 20 0 し. 100 仰. ---. --. ---. (. 80 ㏄. 40 20 O. (Lk. iod%. Ⅱ. ----------. @@. _. KW. -w. rw. @@_->-*-@@. --. Ⅰ. 80. 教 60 示 時 40 20 0. セ、尹ンョン (注 ) 一・一,一・ 一・ -. は手 挽きの変更を 示す. Fig.1. 標的行動の習得過程とプローブの 正 反応率. --. mr. -----. --. --- @@. @.

(9) 157. 自閉症 児 に対する共同行為ルーティンを 用いた言語指導. ヲ. 口. プ. 訂 指. し. 甘. ㏄㏄Ⅱ㏄. %. ︶ m O. 0 3. 5 2. 0. 20. Ⅰ. 5. ヨ. ン. セ. @lllllllllflllllll1lltll@. 欄. 逮 打率︵. Flg.2. ルーティンの 遂行率. 1ⅠⅠ自発的表出の 回. 故づ年回放の累計. (日 ) Ⅰ. 4的%. 2自. 尭. 10的. 表出 3. 6 の. 2. の 回. 敏. Ⅰ. 0. 25. 20. 30. 0. 片. セッション. Fig.3. 4.. 借用物品を受け 取る際の般化. 般 化の測定. 1) 指導場面での 般 7% 借用物品を受け 取る際の般化の 結果をⅥ 9.3 に示した。 借用物品 る 際の「あ りがとう」の. (色鉛筆・クレヨン ). を受け取. 自発的表出は、 セッション 17 以降みられ、 計 12 回自発された。 毎 セッション. みられなかったが、 最高 1 セッションに 3 回みられた。 指導者から飴を 受け取る際の「あ りがと. う. 」の自発的表出は、 セッション 14 、 15 、 19 、 26 において. 計 4 回みられた。. 2) 日常場面での 股仏 大学の自由 場遊 び場面における 般 化を Table2 に示した。 全部で 7 回「あ りがと. う. 」が自発されたが、. その多くが M 児の気に入っている 熊の人形を受け 取った際であ った。. 家庭では、 お菓子の要求をし、. 母親が「どうぞ」と. 言って差し出す 場面において「あ りがと. う. 」の 自.

(10) 158. 関戸. 英紀. 発 がみられることが 多く、 おかわりの回数が 進むと「あ りがと い. う. 」と言わずに 食べるようになる、. と. 報告を受けた。. う. 学校では、 給食のおかわりをもら. ぅ. 際に、. 毎回「あ りがと. う. 」が自発されている、 という報告を 受. けた。. Table2 同. エ. 7才. ピ. ー. ソ. ド. 発. 六目 こ. る. 隣交. 取. 発. 由目 ブし. た. 際. ノコ. ヰノ. 取. @V. と. て ﹂. 一 一 一 口. ク. し. ヰノ. ツ. ネル. 受 を. ロ. し. こ. 形 人. の. る. 目 貫. Ⅴ @. て. プ た. れ対. し. さ 出. 差. こ. 学院生. 母指. 発 自. こ. 際. Ⅰ コ. た. 取. 斗ノ. の. 受 を 形 人. し. 熊 た れ さ 出. ブヒ. 者. 差. 7. つ. 1. 。. 大. 0. 0. 0. 18. 持. 1. 1. の. 1. 0. 初. 0. 3. 1. 0. 0. l Ⅰ Ⅰ. 2. Ⅰ. 大学の自由遊び 場面での 般化. 指導者の持っている 熊の人形に対し「かして」と 言い , 受け取った際に 自発. 。 大学院生に差し 出されたお土産を 受け取る際に 自発. 2002. 1. ・おみやげのビニールがあ けられないので 大学生に「やって」と. 9. 言い,わけても. もった際に自発 ふル. り. あ. や. ん. ち ま. く. こ. 発 自. 際. コ Ⅰ. たヒ. キノ. 取. 受. 形を. の. 人. れた. 目 貢. し. さ 出. こ. 差. 者り 導ぅ 指と. 1. 16. Ⅳ.考察 1 . 標的行動の習得 4 つのすべての. 文脈において「あ. りがと. う. 」が自発的に 表出されるよ. う. になったことから、標的行動. が 習得されたといえる。. また、 すべての文脈において、 べースラインでは 正反応がみられなかった。 この結果から、 それ ぞれの文脈における「あ. されたとしても、 発が求められる. りがと. う. 」の機能は独立しており、 一つの文脈を 用いて指導を 行い、 獲得. 他の文脈には 般 化しないと考えられる。 4. よって、. 本研究での「あ りがと. るためには有効であ. う. 指導方法より. 日常場面における 般 化を促進す. ったと考えられる。. さらに、 本研究では、 物の受け渡し 場面における 提供者の「どうぞ」という 音声刺激が 、 う. 」の自. つの異なる文脈を 設定し、 それぞれの文脈に 対して指導を 行な う 指導方法は 、 先. 行 研究における 一つの文脈においてのみ 指導を行な. 一 「あ りがと. う. 「どうぞ」. 」という刺激統制を 形成してしまい、 日常場面において 般化 ・維持がされにくいと. 考え、提供者の物の 受け渡し場面 ( 自発的要求 時 ,御用学習時) の指導において、提供者は「どうぞ」、 「はい」、 無言による言語反応を 示しながら渡す 手続きで行なった。 よって、 習得された物の 受け渡 し場面における「あ りがと 」が、 特定の音声刺激に 対する言語反応ではなく、 提供者から物を 受け う.

(11) 159. 自閉症 児 に対する共同行為ルーティンを 用いた言語指導. 取るという文脈に 対して「あ りがと. う. 」の自発的表出がなされ、. 取りにおける. 日常場面に即したやり. 考えられる。 教示時における 指導では、 はじめ教示カードを 受け取る際の 自発を標的行動として 指導していた が、 教示をカードで 受けるという 不自然な手続きと、 教示を受けたことに 対してではなくカードを. 指導がなされたと. 受け取るという 文脈に対して「あ. りがと. う. 」の自発がなされる 恐れがあ ったため、 セッション 25から. 指導者の教示を、 教示カードを 指差しながらの 音声による教示にし、 た。. そこでの自発を 標的行動とし. 手続きを変更後、 教示カードの 受け渡しの際にみられていた 正反応がまったくみられなくなっ. たが、 その後、. 音声による教示に 対しても高い 正 反応率が得られた。. 面 に近い文脈での「あ りがと. う. 」の自発が習得されたと. この変更により、. より日常 場. 考えられる。. 2. プローブにおける 指導場面での 維持 1) 自発的要求 時 指導において 獲得された自発的要求時における「あ. りがと. う. 」の自発は、 プローブに入ると セッ. 、ション 16まで正反応率の 低下がみられ 維持されなかった。 維持されなかった 原因として、 指導の際 と 異なりプローブでは、. 提供者が M 児の手に直接おかわりを 渡しており、 M 児はおかわりが 手に入. るとそれをすぐ 口に入れるため「あ. りがと. う. 」を自発するタイミンバを. 逸したと考えられた。 そこで、. 提供者は、 おかわりを直接手に 渡すのではなく M 児が手を伸ばして 取らないと取れない 位置でおか わりを持った 手を止めておくことにした。 すると、 M 児は手を伸ばしおかわりを 受け取り、 それを 口に入れる間に「あ. りがと. う. 」の自発をするようになり、 再び高い 正 反応率が得られるよ. う. になった。. セッション 25 以降、対象児の手元で 渡す、対象児から距離をおいて 渡すをランダムに 行なった結果、. 再び 正 反応率が低下した。 以上のことから、 物の受け渡し 場面において「あ りがと. する場合、. 対象 児 が受け取る際に「あ りがと. う. う. 」の自発を指導. 」の自発を行かう 間を設定することが 重要になると 考. えられる。 しかし日常場面においては、 提供者が物品を 直接手に渡す 文脈も想定されるため、 間の 設定により自発できるようになった 後、 自発するまでの 間のフェイドアウト、 時間遅延法を 用いた 指導が日常場面での 般 化を促進させると 考えられる。. 2) 御用学習時 御用学習時におけるプローブでは、 正反応率が 40 から 100% で変動し、 安定した維持が 得られなか った。 その原因として、 セッション m7 以降、 セッションごとに 提供者が替わり、 自発的要求時と 同. 様 、 物品の受け渡し 方が異なり「あ りがと. う. 」の自発をする 間に差があ ったためであ ると考えられる。. 3) 返却 時 返却時におけるプローブでは、. 6. セッション連続して 100% の 正 反応率が得られた。 教材に飽きが. みられたため 教材を変更した 後も、 4 セッション連続 100がめ正 反応率と常に 高い 正 反応率が得られ た 。 返却時における「あ. りがと. う. 」の自発が高い 正 反応率で維持された. 原因として、 M 児が借用した. 物品を返す際に、 物品を指導者に 差し出した後、 指導者が手を 出して受け取るため、 返却するまで に「あ りがと. う. 」の自発をする 間が設定されていたためであ ると考えられる。. 3, スクリプトの 獲得 ルーティンの 遂行率は、 セッション 3 には 100% となり、 以後 90% 以上の遂行率を 維持していた。. 「学習・おやつ」のルーティンが、 水指導の双から 行なわれてきた 指導のスケジュールに 沿って設定 されており、 そのために設定されたルーティンがあ る程度スクリプトとして M 児の中に内在してい たためであ ると考えられる。.

(12) 160. 関戸. 英紀. 4. 指導場面での 般 他 借用物品を受け 取る際の般化は、 セッション ¥7以降にみられた。 これは、 場面 3 の 標的行動が獲得された. :め. 絵 学習で. り. 時期と一致しており、標的行動の獲得と 同時に場面 3 の文脈の理解がなされ、. 借用物品を受け 取った際にも「あ. りがと. う. 」の自発がみられたとも 考えられる。 しかし、 セッション. m7以降、 14セッションの 間に 70試行中 12回しか自発がみられなかった. (正 反応率に直すと. 導していない 文脈での 般 化は、 自発されたときに 強化. されないと 般 化が促進されな. (社会的賞賛 ). 17%) 。 指. いのではないかと 考えられる。 指導者から飴を 受け取る際の 般化は、 計 4 回しかみられなかった。 その原因として、 指導者が 飴 を 差し出す双に「あ め 、 あ め 」という催促するという. 行動がセッション 20 以降みられた。 つまり、. セッションのおわりにご 褒美としてあ げていた飴が、 M 児の中で「セッションが 終わったからもら える. 飴 」と認識されてしまったため、. 「あ りがとう」ということの. 必要性を感じなくなってしまった. と考えられる。 5. 日常場面での 般 七 大学での自由遊び 場面における 般 化は、 計 の 人形やおもちゃ・おみやげを. 7. 回みられたが、 その多くが M 児の気に入っている 熊. 受け取る場面であ った。 この場面において、 般 化が多くみられた 理. 由として、 食べ物を受け 取る場面と違い、 食べ物以外の 物品を受け取る 際にはすぐに 口に入れるよ う. なことがなく、. 「あ りがと. う. 」を自発する 間が存在したためであ ると考えられる。 また、 おみやげ. のビニールを 開けてもらった 際に自発されたエピソードは、 M 援助を受けた 行為に対する「あ. りがと. う. 」であ. 児が「やって」と. 言. う. 援助の要求をし、. り、 今後の般化の 可能性を考える 上で、 貴重なエピソ. ードであ ると言えよう。 家庭、 学校においては、 母親から一 つ ず つ お菓子のおかわりをもら. ぅ. 場面、 給食のおかわりをも. ら 5. 場面でだけ 般 化がみられた。 そのほか、 母親、 学校の教師に 対し教示の要求をするが、. と. 」はまったく 自発されていない。 つまり本研究においては、. う. な 行なったにもかかわらず、. 維持・. 「あ りが. 般 化を促進するための 指導. プローブにおける 維持が限定的であ り、 指導場面や日常場面において. も 般 化があ まりみられなかった。. その要因として、 プローブや日常場面において 強化を行なわなか. っ たことが挙げられる。 他者の行為に 対して行なうお 礼の言語行動であ る「あ りがとう」を 維持・. 般 化させるには、 強化としての 社会的賞賛 が 不可欠であ. や返礼. ( 「どういたしまして」. ). など. ると考えられる。 健 常見においても、 はじめは「あ りがとう」と 言えないが、 他者に. よる強化によって、 維持・ ても、. ( 「よく言えたね」 ). 「あ りがと. う. 般 化されていくと. 考えられる。 したがって、. プローブや日常場面におい. 」の自発がみられたときにはきちんと 強化することが、 維持や般化を 促進すると. 考えられる。 すな む ち、 今後、 家庭や学校など 日常場面において「あ. りがと. う. 」が自発された 場合に. は 、 強化によって 維持や般化を 促していくことが 必要であ ると考えられる。. 謝辞 本研究を実施するにあ たりご協力いただきました M. ち やんとお母さん、. ならびに横浜国立大学の. 大木信吾 氏 、 恩田容子氏、 康和々 氏 、 岸川真理子氏、 進藤 匡亮氏 、 田中弥生氏、 中村厚子氏、 藤間 美希 氏 に深く感謝申し 上げます。.

(13) 161. 自閉症 児 に対する共同行為ルーティンを 用いた言語指導. 文献. Johnny´ Matson. , Jay、, Sevin , Diane:ridley ,. ・. Spontaneous@Language@in@Three@A 227. 一. Ⅱtistic@Children ・. &. Stevenヽ, Love. (1990) Increasing. Journal@of@APplied@Behavior@ADalysis,@ 23.. 233. 角張 憲正 (1985) 自問児の言語開発・ 学習研究社, 51 一 88. 長崎. 勤 ,吉村由紀子・ 土屋恵美. (1991)ダウン症幼児に 対する共同行為ルーティンによる. 言語. 指導 一 「ト一スト作り」ルーテインでの 語彙・構文,コミュニケーション 指導 一。 ・特殊教育学研究, 28 (4).. 長崎. 15 一 24. 勤 ・片山ひろ子・ 森本俊子 (1993) 共同行為ルーティンによる 前言語コミュニケーション. の指導 一 「サーキット・おやつ」スクリプトを 用いたダウン 症児への指導 二 特殊教育学研究,31(2), 23 一 34. 長崎. 勤 (1994) 共同行為ルーティンによるコミュニケーション・ 言語指導の発達心理学的背景. 一言語獲得における 文脈の理解を 形成する大人と 子どもの共同行為 二 特殊教育学研究, 32 (2), 79. 一 84.. 長崎. 勤. 宮崎. ・佐竹真次・. 眞 ・関戸英紀 (1998) スクリプトによるコミュニケーション 指導 一. 障害児のゆたかなかかわりづくりをめざして. 大井. 毛 川島書店, 126 一 129.. 学 (1994)子供の言語指導における 自然な方法 一 相互作用アプローチと 伝達場面設定指導, 聴 能 言語学研究, 11 (1),. および環境言語指導一. 1 一 15.. 柘植雅義・ 滝 上浩一・山田千枝・ 吉元英志・姉浦. 大野裕史・進藤桂子. における「ちょうだけ」 一 「あ りがと. う. 」言語連鎖の 形成. I ∼ m.. 剛 (1987) 発達障害児. 日本特殊教育学会第 25 回大会発表論. 文集, 532 一 537.. (1994) 自閉症 児 における既得の 表現とは異なる 教示要式表現の 形成とその. 佐竹真次・小林重雄. 機能的差異.特殊教育学研究, 32 (1), 27 一 32. 関戸英紀 (1994) ェ コラリアを示す 自閉症 児 に対する共同行為ルーティンによる 言語指導 一 「買い 物 」ルーティンでの 応答的発話の 習得Ⅰ特殊教育学研究, 31 (5), 95 一 102.. 関戸英紀 (1996) 自閉症 児 における 喜 字を用いた要式言語行動の 形成とその股仏促進一物品, 人 , および社会的機能の 般 ィヒ を中心に二特殊教育学研究, 34 (2),. 1. 一 10. 関戸英紀 (1996) 自閉症 児 に対するスクリプトを 利用した電話による 応答の指導・ 特殊教育学研 究, 33 (5), 41 一 47.. 関戸英紀 (1998) 一 自閉症 児 における応答的発話の 習得 一 共同行為ルーティンによる 言語指導を 通して 二 特殊教育学研究, 36 (1),. 関戸英紀 (2001) よ る言語指導・. 29 一 37.. あ いさつ語の自発的表出に. 特殊教育学研究,. 困難を示す自閉症 児 に対する共同行為ルーティンに. 38 (5), 7 一 14.. 谷口一子・佐竹真次・ 長崎 勤 (1994) 自閉症 児 における相互交渉を 伴 う 言語行動の形成一物の 受 」の指導二日本特殊教育学会第 32 回大会発表論 編 ). 文. 藤哲. 加. 木津. 用 使 的 発 自 の そ と 化 般 の 動. 一 21. 且Ⅰ. ユ苑. ミ学. コ. 学. 本行. ㏄㎎. う. 山. 葉山月 文 応. け 渡し フ オーマットを 用いた「どうぞ」「あ りがと.

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