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IRUCAA@TDC : 健常日本人のオトガイ神経支配領域における感覚閾値に関する臨床的検討SW検査、二点識別閾検査と振動覚検査の基準値

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Available from http://ir.tdc.ac.jp/

Title

健常日本人のオトガイ神経支配領域における感覚閾値に

関する臨床的検討SW検査、二点識別閾検査と振動覚検査

の基準値

Author(s)

横山, 葉子; 高崎, 義人; 菊地, 徹行; 高久, 勇一朗;

浜瀬, 真紀; 高野, 正行; 柿澤, 卓

Journal

日本口腔診断学会雑誌, 22(2): 239-246

URL

http://hdl.handle.net/10130/1530

Right

(2)

健常 日本人のオ トガイ神経支配領域 における

感覚開催 に関す る臨床的検討

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検査,二点識別閥検査 と振動覚検査の基準値一

高 久 勇 一 朗

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-YoKO YOKOYAM A,YosHITO TAKASAK

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,TETSUYUKIKIK

UCHⅠ

,

YuICHIRO TAKAKU,M AKIHAM ASE

*

,M ASAYUKITAKANO

AND TAKASHIKAKIZA

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A

Abstract:Inthepresentstudy,quantitativesensorytestswereconductedontheareainnervatedbythementalnervein healthyindividuals,andmeanvalueswerecalculatedandsubjectedtostatisticalanalysisinrelationtomeasurementsites,ge n-derdifferencesandasymmetry.Thesubjectswere25menand25womenranginginagefrom 24to29years.Withregardto thesensorytests,StaticsensationswereassessedbytheSemmes-Weinsteinsensorytest(SW test).Furthermore,thestatic andmovingtwo-pointdiscriminationtestswereconductedanddynamicsensationswereassessedbythevibratorysensibility test.Foreachtest,theresultswereexpressedasmean± 1SD.Thesesensoryassessmentstandardsobtainedusinguniform measurementconditionsareconsideredtobeusefulfordiagnosingsensorydisorders,assessingtheseverityofsensorydisor

-dersandobtainingassessmentcriteriaforsensoryrecovery.Becausethepresentsubjectswerelimitedtopeopleintheir20S, itwillbenecessarytoalsoinvestigateage-relateddifferencesinthresholds.

Keywords:sensorytest(知覚検査),Semmes-Weinsteinsensorytest(SW test)(SW 知覚検査),two-pointdiscrimination test(二点識別閥検査),vibratorysensibilitytest(振動覚検査) 〔ReceivedJun.30,2009

緒 言 従来,三叉神経支配領域の知覚検査 には触覚,痛覚

,

堤 冷覚 などの様々な検査方法が報告 されている14)。 われわれは日頃より,術後オ トガイ神経支配領域の知覚 障害例 に対 して, 自覚症状,温度覚,痛覚の定性的知覚検 査 に加 え,静的触圧覚検査,二点識別閥検査,振動覚検査 な どの定量 的知覚検査 に よる総合的な評価 を行 っている。 しか しなが ら, これ らの定量的検査法は基準値の詳細 な報 告 は少な く,測定条件 を統一 して行われた ものは認め られ ない。 したがって,按歯後,嚢胞摘出後,下顎枝矢状分割 術術後などに見 られるオ トガイ神経知覚障害に対する評価 東京歯科大学 口腔健康 臨床科学講座 口腔外科学分野,東京歯科大学水道橋病 院口腔外科 (主任 :稀薄 卓教授) *東京歯科大学 口腔外科学講座 (主任 :柴原孝彦教授)

DivisionofOralandMaxillofacialSurgery,DepartmentofClinicalOralHealthScience,TokyoDentalCollegeDepartmentofOraland

Maxi

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lofacialSurgery,SuidobashiHospitalTokyoDentalCollege(Chief:Prof.TAKASHIKAKIZAWA)2-9-18Misakicho,Chiyoda-ku Tokyo106-0061,Japan.

(3)

240 横 山 ・高崎 ・菊地

,

他 図 1 測定部位 (オ トガイ神経支配領域) ① 下唇枝 :左右 口角間を3等分 した赤唇移行部 ② オ トガイ枝 :下唇枝の計測点 よりオ トガイ下端 におろした 垂線の中点 写真 1 測定部位 (示指) (彰示指指腹 中央 基準の確立に至 っていないのが現状である。 そこで,健常者のオ トガイ神経支配領域 に対 し,3種類

4

方法の定量的知覚検査 を行い,各検査の平均値 を算出 し 計測部位,男女差,左右差 について統計学的解析 を含めて 検討 したので若干の文献的考察 を含めて報告する。 方 法 1.観察対象 対象 は,頭頚部に外傷,手術既往 のない健常 な24- 29 歳の男女25人 50側である。 内訳は男性12名,女性13名 で平均年齢 は25.2±1.7歳である。 2,研究方法 1)計測部位 計測部位 は,高崎 ら5)の報告 した測定部位 に準 じて,オ トガイ神経支配領域の うち2点①下唇枝 (左右 口角間を3 等分 した赤唇移行部)② オ トガイ枝 (下唇枝の計測点 よ り オ トガイ下端 に降ろ した垂線 の中点) とした (図 1) 。 な お対照 として③示指指腹 中央 を計測 した (写真 1)。 日日診誌 2009年 写真 2 触圧覚検査 (SW test) SW 知覚テス ター を用 いた 写真 32点識 別 閥検査 (2PD) ディスクリミネータ-を用いた 2)検査方法 (1)静的触圧覚検査 (以下SW testと略す) 検査器具にはSemmes-Weinsteinmonofilaments(North CoastMedical.Inc:以下SW知覚 テス ター) を用 い,触 刺激はWerner6)の方法 に準 じて行 った。使用順序 は最 も 弱 い力のテス ター (1.65Fmg)よ り開始 し,1定点 に対 し て3回の刺激 を行い,被検者が認知可能 まで順次テスター の開催 を上げていった。次いで認知可能であったテスター の値 (Fmg)をBell克rotoskiの換算表7)よ り単位面積 当 りの力 (gf/mm2) に変換 し,平均値お よび標準偏差 を算 出 した (写真2)。 (2)二点識別閥検査 (以下2PDと略す) 検査 器 具 にはデ ィス クク リ ミネ一 夕- (NorthCoast Medical.Inc社製) を用 い,計測幅 を最大幅 (20mm)か ら最小幅 (1mm)へ と変化 させ,被検者が最終的に二点 を識別可能な最小幅 (mm)を計測値 とし,平均値お よび 標準偏差 を算出 した (写真

3

)

0

a.静的二点識別閥検査 (以下S-2PDとする) 計測点に垂直にデ ィスククリミネ一 夕-を軽 く接触 させ, 二点 を認知 した最小幅 を計測値 とした。

(4)

(g〝mm2) 写真 4振動覚検 査 MSV-5型振動覚計 を用 いた 示指 オ トガイ枝 ① 下 唇枝 ② オ トガイ枝 ③ 示指 2.66±0.28 2.69±0.40 3.75±1.11 (Mean±1SD) 図 2SWtestにお けるオ トガイ神経支配領域 お よび示指 の比較 b.動的二点識別閥検査 (以下m-2PD とす る) 計測点 に垂直 にデ ィスククリミネ一 夕-を軽 く接触 させ た状態か ら上方 にデ ィスククリミネ一 夕-をスライ ドさせ, 二点 を認知 した最小幅 を計測値 とした。 (3)振動覚検査 検査器具 にはSMV-5型振動覚計 (テクノロー グ社製 : 以 下SMV-5と略 す ) を用 い, 藤 川 ら8)の方 法 に準 じて, 機器 を三脚 に取 り付 け,頭部お よび下顎 に眼科用テ ンレス トを設置 した。被検者 を座位 に して,本券の振動部 を計測 部位 に可及的に圧 のかか らないように接触 させて計測 を開 始 し,被検者が振動 を感知 した時点の値 を記録 した。計測 回数 は5回 とし,その中央値 を被検者の計測値 とした (写

真4

)

3)統計学的解析方法 各計測部位別 (下唇枝,オ トガイ枝,示指)の多群 間の 比 較 検 定 に はKruskaLWallis検 定 に て 有 意 差 を確 認 後, Mann-WhitneyU検 定 (不等式補正 ) に よ り統 計学 的有 意差 の有 無 を観 察 した。 各 検 査 の男 女 間別,左 右 側 別, S-2PDお よび m-2PD間の比較検定 には Mann-WhitneyT 検 定 を併せ て行 い,有意水準 は0.05未満 を もって有意差 あ りと した。 なお,検 定 には統 計解析 ソフ トSPSSVer

-sionllforWindowsを使用 した。

結 果 1.SW test 平均値± 1S.D.は,下唇枝 2.66± 0.28,オ トガイ枝 2.69 ±0.40,示 指 3.75士 1.llgf/mm2で あ った。 下唇 枝, オ トガイ枝 間での有意差 は認めず,示指 との比較 において有 意差 を認め (p< 0.005),示指 よ りもオ トガイ神経支配領 域 の方が低 い開催 を示 した (図2)。 また下唇枝, オ トガ イ枝 において女性 の方が低 い開催 を示 し (p< 0.05),左 右差 はいずれ も認めなかった (表1) 。 2.2PD s-2PD にお け る平均 値 ± 1S.D.は,下唇枝 4.60± 1.12, オ トガイ枝5.64± 1.64,示指 2.36± 0.48mm で,部位 別 の比較 では下唇枝 はオ トガイ枝 よ りも開催が低 く,示指 は

(5)

242 表 1 SW testにお ける左右 差およ び男 女差の比較 男女差 左右差 下唇枝 P

<

0.05 オ トガ イ枝 P

<

0.05 示指 NS S S S N N N 横 山 ・高崎 ・菊地,他 日日診誌 2009年 表 2 S-2PDにお け る左 右 差 お よび 男女差 の比較 男女差 左右差 下唇枝 NS オ トガ イ枝 NS 示指 P

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示指 オ トガイ枝 ① 下唇枝 ② オ トガイ枝 ③ 示指 4,60±1.12 5,64±1.64 2.36二と0.48 (Mean±1SD) 図 3 S-2PDにお けるオ トガ イ神 経支配領域 お よび示指 の比較 示指 オ トガイ枝 ① 下唇枝 ②オ トガイ枝 ③ 示指 3.94:土1.04 4.84±1.60 2.26±0.44 (Mean±1SD) 図 4 m-2PDにお けるオ トガイ神経支配領域 お よび示指 の比較 オ トガイ神経支配領域 よ りもさらに低 い開催 を示 した (p < 0.005)(図3)。男女差 は示指 において男性 の方が低 い 開催 を示 し (p< 0.05),左右差 はすべ ての部位 で有意差 を認めなかった (表2)。 m-2PD にお け る平 均 値 ± lS.D.は下 唇 枝 3.94± 1.04, オ トガイ枝4.84± 1.60,示指 2.26± 0.44mm であ り,那 位別の比較では下唇枝 はオ トガイ枝 よ りも開催が低 く (p < 0.01),示指 はオ トガイ神経支配領域 よ りもさらに低 い 開催 を示 した (p< 0.005) (図4)。男女差は示指において 男性 の方が低 い開催 を示 し (p< 0,05),左右差 はすべ て の部位で有意差 を認めなかった (表3)。 S-2PDお よび m-2PD 閏にお ける比較 では下唇枝 (p< 表 3 m-2PDにお け る左 右 差 お よび男女差 の比較 男女差 左 右差 下唇枝 NS オ トガイ枝 NS 示指

p<

0.05 S S S N N N 0.005), オ トガ イ枝 (p< 0.05) と も に 有 意 差 を認 め, m-2PDの方が低 い閥億 を示 したが,示指 において有意差 は認め られなかった。 また,S-2PD ・m-2PD ともに下唇枝 は,オ トガイ枝 よりも開催が低 く,示指はオ トガイ神経支

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(mm) ① 下唇枝 ②オ トガイ枝 (S-2PD) 4.60±1.12 5.64±1.64 (m-2PD) 3.94±1.04 4.84±1.60 (×102G) ③ 示指 2.36±0.48 下唇枝 オトガイ枝 示指 2.26:±0,44 (Mean±1SD) 図 5 S-2PDとm-2PDの比較 (手下唇枝 ②オトガイ枝 57.6:±20.6 73.7±30.4 ③ 示指 2.79±1.59 示指 オトガイ枝 (Mean±1SD) 図 6 振動覚検査 にお け るオ トガ イ神経 支配領域 お よび示指 の比較 配領域 よ りもさらに低 い開催 を示 した (図5)。 3.振動覚検査 平均 値 ±1S.D.は下唇枝 57.6± 20.6, オ トガイ枝 73.7 ± 30.4,示 指2.79± 1.59× 102Gで あ った。 下唇枝-オ トガイ枝 問では有意差は認め られなかったが,示指-下 唇枝 間,示指- オ トガイ枝 間の比較 において有意差 を認め た (p< 0.005) (図6)。 また,男女差,左右差 については すべての部位で有意差 は認め られなかった (表4)。 考 察 1.実用的知覚検査の選択 と基準値 の設定 末梢感覚神経 は感覚単位か ら構成 され,各 々感覚単位 は, 感覚受容器,それを伝 える伝導路,解釈す る中枢神経系 か らなる。 触覚 に関与す るのはA-β線維 であ り,遅順応性 線維 と速順応性線維がある。 遅順応性線維 の受容器 はメル ケル細胞 とルフイニ終末な どで,静的触覚 と圧覚 に関与 し, 速順応性線維の受容器 はマイスナー小体 とパテニ小体があ り,動的触覚 に関す る情報 を伝 える (表5)。 これ らの感覚単位 に対する知覚検査の 目的は,その機能 表 4 振 動 覚検 査 にお け る左 右 差 お よび男女差 の比較 男女差 左 右差 下唇枝 オ トガイ枝 示指 S S S N N N S S S N N N 評価 に よ り治療 法 の選択 や予後予測 を判定す るこ とであ る12)。従来オ トガイ神経支配領域の知覚検査 には様 々な方 法が報告 されてい るが14),学究的であって も機能的関連 の低 い もの もあ り,臨床的実用性 を考 えた場合 には必要性 の低 い もの も含 まれている。 そ こで私たちは,神経生理学 的観点 よ り遅順応性線維/受容器機構 と速順応性線維/受 容器機構 の知覚機能検査の うち,それぞれ開催 (静的触覚 開催検査,動的触覚開催検査) と神経支配密度 (静的二点 識別,動的二点識別)の検査 を選択 し,オ トガイ神経支配 領域 の評価基準 の設定 を目的 とした健常者の平均値 につい て検討 した。

(7)

244 横山 ・高崎 ・菊地,他 表 5 速順応性 線維/受容器機構 お よび遅順応性線維/受容器機構 と臨床 との関係 の要約 日日診誌 2009年 神経線維 の特性 末梢 受容器 知覚 臨床 テス ト 神経生理学 的関連性 遅順応性 メルケル触 盤 静 的触覚 圧覚 触 覚認知 (静 的) 速順応性 マ イスナー小体 動 的触 覚 羽 ばた き振動 (Butter) 触覚認知 (動 的) 速順応性 パ テ ニ小体 動 的触覚 振動覚 触覚認知 (動 的) 指腹接触 刺激 フ ォン ・フ レイの触毛 開催 静 的2点識別 神経支配密 度 指腹 なで 刺激 30cps音 叉 開催 振動覚計 神経支配密 度 動 的2点識別 指腹 なで 刺激 256cps音 叉 開催 振動覚計 神経支配密 度 動 的2点識別 (参考文献12よ り引用) 基準 値 の設 定 は, 一般 に平均 値 ±1SD (信 頼 区 間 は 68%) または平均値 ± 2SD (信頼 区間は95%)によ り設 定 されている。 本研究では基準 とされる包括範囲を狭小 し, 異常値 を広範囲に検 出 して各検査 の信頼性 を得 ることを目 的に± 1SD を基準 とした範囲で既報告結果 との比較検討 を行 った。 2.各知覚検査 の基準値 について SW 知覚 テス ターを用 いた静的触覚検査 は現在最 も多 く 用い られている触覚開催の定量的検査法である。 これ らの 単位 はFmg (log対数億)13),gram (gf)7),単位面積 当 り のグラム数 (gf/mm2)7)な どが報告 されているが,私たち は統計処理 や他 の報告 との比較 を 目的 にBelLKrotoskiの 報告値 よ り算 出 した単位面積 当 りの力 (gf/mm2)に よる 検討 を行 った1416)。 オ トガ イ神 経支配領域 の報告 につ いて見 る と,Costas ら17)は下唇 ・オ トガ イ部 の900/.以上 が2.52-3.23gf/mm2 と述べ てい る。 高崎 ら15)はオ トガイ神経支配領域3点の 代 表値 の平均 が2.58±1.61gf/mm2で あ る と述 べ てお り, 高久 ら16)の報告では下唇枝2.83±0.76gf/mm2, オ トガイ 枝2.78±0.76gf/mm2で あ っ た。 本研 究 で は下唇枝 2.66 ± 0.28gf/mm2, オ トガ イ枝2.69± 0.40gf/mm2で あ り, 他の報告 とほぼ一致す る結果であった。 また,示指 に関 し て も高久 ら16)は3.66± 0.71gf/mm2と報告 してお り,本 研究 における3.75± 1.llgf/mm2とほほ一致 していた。 測定部位別では下唇枝, オ トガイ枝 間での差 は認め られ ず,示指 との比較 においてオ トガイ神経支配領域の方が低 い開催 を示す事が明 らか となった。 また男女間では妹尾 ら 18)は男性 の開催が高い ことを報告 しまた高久 ら16)も女性 の方が低 い値 を示 した と報告 してお り,本研究結果 と一致 す る。 また,左右差 については差 を認め られず,諸家の報 告16・2022)と一致 していた。 2PD は単位面積 当た りの機械 受容器 の分布密度 を示す 検査方法 であ り,Weberら19)が開催検査 と区別 した機能 検査 として報告 し,手指の定量的機能評価 に広 く用 い られ る よ うに な った。 そ の後Dellonら12)が2PD を S-2PD と m-2PD に分類 し,それぞれ静 的お よび動 的感覚単位 の神 経支配分布密度の検査法 として確立 されている。 これ らは, オ トガイ神経支配領域 において も応用 されるようになって いる。 諸家 にお けるS-2PDの報告 を見 る と,Costasら17)は下 唇 部3.2± 1.0mm, オ ト ガ イ 部 8.4±2.3mm と 報 告, posnickら20)は下 唇 部6.1± 3.1mm, オ トガ イ部 5.4± 1.5mm,渡 追 ら21)は下唇 部5.404± 1.015mm, オ トガイ 部8.365± 2.284mm,Kesarwaniら22)は 下 唇 部 は3mm で顔面他の部位 に比べ唯一指 に近似 していると述べ ている。 本研 究結果 で はS-2PD は下唇枝 4.60± 1.12, オ トガイ枝 5.46± 1.64であ り, これ までの報告 とほぼ一致 あ るいは 低 い値 を示 していた。 また,m-2PDの

定結果 はPosnick ら20)や渡遵 ら21),Kesarwaniらが報告 してお り, これ に ついて も本研究結果 は下唇枝3.94± 1.04mm, オ トガイ枝 4.84± 1.60mm であ り, これ までの報告 とほぼ一致あるい は低 い値 を示 していた。 S-2PD と m-2PD との違いについては,m-2PDのほ うが 低 い開催 を示す ものが大部分 であった。 これ はS-2PD は 遅順応性支配密度 を示 しm-2PD は速順応性支配密度 を示 してお り,遅順応性線維 は相対 的に少 ない12)ためm-2PD の方が低 い閥値 を示す と考 えられた。なおオ トガイ神経支 配領域 にお いては男女差,左右 差 は認 め られず諸家 の報 告 20・21)と一致 していた。 本来,m-2PD は動 的 な知覚 を行 う指尖 の評価 法 であ り, 顔面 の測 定 には馴 染 まない との見解 もあ る。 しか し,S -2PD と m-2PDは ともに神経支配密度 を検索す る一方法で あ り,神経生理学的関連性 を有す ることな どか ら,複合知 覚 を把握す ることを目的 とす る定量的知覚検査 として有用

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表 6各検査別の基準値 知覚検査器具 単位 下唇枝 オ トガイ枝 示指 SW test SW知覚 テス ター gf/mm2 2.38- 2.94 2.29- 3.09 2.64-4.86 S-2PD デ ィス ク ク リ ミネ一 夕一 mm 3.48- 5.72 4.00- 7.28 1.88-2.84 m-2PD デ ィス クク リ ミネ一 夕一 mm 2.90-4.98 3.24- 6.44 1.82-2.70 振動覚検査 sMV-5型振動覚計 ×102G 37.0- 78.2 43.3- 104.1 1.20-4.38 平均値± 1SDで基準値 を設定 した と考 えた。 振動覚検査 は動的触覚開催 を計測す ることを 目的 として お り, この検査 には音叉や振動覚計 を用 いた報告が認め ら れ る。 これ らの うちSMV-5振動覚計 は,速順応型 やパ テ ニ小体型機械受容器の振動開催 をよ く反映 し,信頼性が高 く,軽度 な知覚障害の検 出に有効 と言 われてお り23-25), 辛 指の知覚障害 の判定 に多 く用 い られている。 オ トガ イ神 経 領 域 で は藤川 8)の報 告 を認 め る の み で, 赤唇 移 行 部 にお い て 75.5±18.3× 10ー2Gと報 告 され て お り,本研 究結果 と一致 していた。示指 については,鈴木 ら23)に よ り指 尖 部 1.56±0.43×102G と され て お り, これ も本研 究 と一致す る ものであった。 オ トガイ部 につい ては本研究以外 の報告 は認 め られないが, これ らは下唇部 に比べ高い開催 を示す ものの統計学 的有意差 は認めなか っ た。 これ に対 しオ トガイ神経支配領域 と示指 との比較 では 明 らか に有意差が認 め られた。 この理 由 としては,指 に多 く存在す るパ テニ小体が オ トガイ神経支配領域 には存在 し ないため,マ イスネル小体 や ゴルゾマ ッツオーニ小体 な ど の速順応性受容器 に よる反応 となるか らではないか と考 え られた。 なお,男女差お よび左右差 は認め られ なか った。 3.総合 的知覚検査 の有用性 について 測定条件 を統一 した知覚評価基準 を設定 し,複数の定量 的知覚検査法 を併用す ることは,知覚障害患者 を診 断す る にあた り知覚障害の程度,知覚 回復 の判定基準 を得 る うえ で有用 ではないか と思 われる。 特 に顎変形症術後 な どにみ られる両側性知覚障害や,術前 に知覚検査が行 われてお ら ず判定が困難 な症例 において,各知覚検査 の互換性 や評価 基準 な どの比較検討が可能である と考 え られ る。 また動的 触覚 は,静的触覚 に比べ知覚 回復が速 く, 自覚症状 の変化 に対応 す る こ とが報告 されてい る12)こ とか ら, よ り総合 的な知覚 回復過程 の判定 の一助 になる と考 える。 しか しな が ら,今 回の対 象年齢 は平均 年齢 25.2歳 と比較 的若年者 であるため,加齢 的格差 も考慮 した検討 も必要 と考 え られ た。 結 論 われ われ は, オ トガイ神 経 支 配領域 に対 す る SW test, 2PD,振動覚検査 の基準値 につ いて検討 し以下の結論 を得 た。 なお一覧 を表 に示す (表6)。 1.SW testは下 唇 枝 2.66±0.28, オ トガ イ枝 2.69± 0.40,示指 3.75±1.llgf/mm2であった。 2.S-2PD は下唇枝 4.60± 1.12, オ トガイ枝 5.64±1.64, 示 指 2.36± 0.48mm, ま た m-2PD は 下 唇 枝 3.94± 1.04, オ トガイ枝 4.84± 1.60,示指 2.26± 0.逢4mm であった。 3. 振 動 覚 は 下 唇 枝 57.6± 20.6, オ トガ イ枝 73.7± 30.4,示指 2.79±1.59×102Gであった。 4.SW testで はオ トガイ神経支配領域 は示指 よ りも低 い開催 を示 した。 また下唇枝, オ トガイ桟 において女性 の 方が低 い開催 を示 した。 5.sT2PD- m-2PD 間 にお ける比較 で は,下唇枝, オ ト ガイ枝 ともに m-2PD の方が低 い開催 を示 した。示指 にお い て は, 有 意 差 は 認 め ら れ な か っ た。 ま た,S-2PD, m-2PD と もに下 唇 枝 は, オ トガ イ枝 よ りも閥億 が 低 く, 示指 はオ トガイ神経支配領域 よ りもさ らに低 い開催 を示 し た。示指 においては男性 の方が低 い開催 を示 した。 6.振動覚 にお いては下唇枝, オ トガイ枝 間では有意差 は認め られなかったが,示指 はオ トガイ神経支配領域 よ り も明 らか に低 い開催 を示 した。男女差 は認 め られなかった。 左右差 につ いては各検査 ともに有意差 は認 め られなか った。 今後 は,痛覚,温冷覚,電流認識開催 も含 めて,基準値 の確認 を行 うとともに,加齢 による開催変化 について検討 予定である。 以上 の内容 は, 第12回口腔顔面神経機 能学会 (2008年3札 東京),第63回 日本口腔科学会総会 (2009年4月,浜松)におい て報告 した。 引用文献 1)小林明子 :顔面皮膚感覚 に及ぼす顎矯正手術の影響一新検査 法による解析-.口病誌,63:131-152,1996. 2)藤川真紀,野間弘康,高崎義人 :下顎枝矢状分割法術後の知 覚障害に関す る臨床的研究. 日口外誌,47:495-506,2001. 3)瀬尾憲司,田中 裕,桧井 宏,他 :外科的矯正術 による末 梢性三叉神経損傷後の知覚障害 とその回復過程の検討. 臼歯 麻会誌,30:69-81,2002. 4)野 間弘康 :術後神経麻痔 の臨床. 臼歯医師会誌,46:850 -859,1993. 5)高崎義人,野 間弘康 :神経損傷後 の外科 的処置.歯科 医療, 10:39-53,1996.

6)Werner,J.andOmer,C.:Evaluatingcutaneouspressure sensationofthehand.

J

OccupTher,24:347-356,1970. 7)BelLKrotoski,J.A.andTamancik,E∴Therepeatabilityof

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246 横 山 ・高崎 ・菊地,他

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表 6 各検査別の基準値 知覚検査器具 単位 下唇枝 オ トガイ枝 示指 SW t e s t SW 知覚 テス ター gf / mm 2 2 . 3 8‑ 2 . 9 4 2

参照

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