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コンクリート用細骨材としての真砂土の利用に関する研究 利用統計を見る

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コンクリート用細骨材としての真砂土の利用に関する研究

岡村雄樹 檜貝勇

(昭和60年8月31日受理)

Use of Weathered Granite (Masado) for Fine

Aggregate of Concrete

YuukiOKAMURA TakeshiHIGAI        Abstract   This report describes the results of the experimental studies on the properties of fresh and hardened concrete made with weathered granite(Masado)fine aggregate comparing with that of the riVer sand concrete.   At first, the physical properties such as grading, speci丘c geavity, absorption and particle shape etc., of weathered granite fine aggregate are examined. Then the properties of fresh concrete are examined. It is shown that the water content required to produce a given slump is much more in Masado fine aggregate concrete than in the river sand concrete. But, use of superplasticizer with optimum丘ne aggregate ratio is found to be very e缶ctve to reduce the water. Properties of hardened concrete such as compressive strength, tensile strength and bond strength, modulus of elasticity, drving shrinkage, resistance to freezing and thawing are examined. Though, in general, strength and durability are lower and shrinkage is larger in Masado concrete than the river sand concrete, Masado may be used as the丘ne aggregate of concrete provided the characteristics of Masado concrete are carefully considered in the design. 1. まえがき  コンクリートの容積の約70%を占める骨材は,昭和 35年項まではほとんど良質の河川産骨材でまかなわ れていた。しかし,昭和30年代後半からの経済の高度成長に 伴い,建設工事量が急激に増大したため骨材の供給に 不足を来たすようになり,その結果,山砂,山砂利, 海砂,海砂利,砕石,砕砂など,これまであまり使用 されなかった多くの種類の骨材が用いられるようにな った。また,これらの骨材の品質は河川産の骨材に較 べて劣る場合も多く,コンクリート用骨材の種類と品 質の多様化をもたらしている。コンクリートに用いる 骨材は良質である方がより好ましいのは当然である。 しかしながら,上述のように良質の骨材を安定供給す ることは次第に困難となりつつあるので,未開発資源 の有効利用を計るとともに,一方では,良質な骨材の 適切な使用についても考えなければならない。コンク *土木工学科,Department of Civil Engineering リLト用骨材として今後とも供給可能と考えられる骨 材の中には,骨材の品質規格に合わない,いわゆる低 品質骨材と呼ばれるものも多い。現在の骨材の品質規 格は,良質な河川産骨材が容易に得られていた時代に 定められ,また,コンクリート工学自体も良質の骨材 を使用するという前提のもとに発展してきた。しかし, 上記のような情況を考えれば,このような前提を必要 としないコンクリート工学の確立の方向に向かうべき 時であろうと考えられる。すなわち,従来は品質規格 外として使用されなかった低品質の骨材を用いたコン クリートの物性を調べ,この種コンクリートの利用方 法を検討することにより,構造物の種類,用途および 重要度などに応じてより広い範囲の骨材資源を有効に 利用すべきであろう。  本研究は,資源有効利用の立場から未利用骨材の活 用に資することを目的とし,骨材資源の一つとして我 が国に広く分布しており大量に採取可能な風化花こう 岩(真砂土と呼ばれる)を取り上げ,これを用いたコ ンクリートの諸特性について検討を加え,その結果に

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基づいて真砂土のコンクリート用細骨材としての利用 方法を検討するものである。 2.真砂土の細骨材としての諸性質  2.1概   要  真砂土は風化した花こう岩であり,風化の程度と母 岩の組成によってその諸性質は大きく異なることが予 想される。一般に真砂土は,川砂等コンクリート用細 骨材として用いられているものに比べて,”もろい”感 じをあたえるのが特徴であって,この傾向は風化の程 度が進んでいるものほど顕著である。また,採取地あ るいは風化の程度によっては粒子の細粒化や粘土化が きわめて進んでいるのも特徴である。これらの特徴は, コンクリートの諸特性に直接的な影響を及ぼすものと 予想される。  そこで,本章ではコンクリートの諸特性に大きく影 響すると考えられる骨材の物理的性質,すなわち比重, 吸水率,骨材の強さ,粒度および微粒分について良質 な川砂と比較し,真砂土のコンクリート用細骨材とし ての特性を調べた。  2.2 比重,吸水率および破砕値  細骨材の比重および吸水率は,骨材としての品質の 指標として重要視されている。表一1は山梨県に分布す る真砂土の採取地が異なる6種について表乾比重,吸 表一1 真砂土の比重・吸水率・破砕率 真  砂  土 区  分

A

B C

D

E F 川砂 比 重 2.53 2.49 2.34 2.51 2.54 2.30 2.62 吸水率(%) 3.65 3.56 8.61 6.20 6.04 11.29 L67  ’ 破砕率(%) 70 79 77 69 78 90 42 表一2 我が国の細骨材の品質調査例1) 比   重 吸 水 率(%)   特性値 ェ 類 最小 最大 平均 最小 最大 平均 川   砂 2.50 2.68 2.63 1.11 5.71 2.46 海   砂 2.35 2.68 2.55 0.81 5.82 2.23 山   砂 2.50 2.71 2.56 0.91 4.57 2.48 砕   砂 2.53 2.83 2.67 1.06 4.90 1.94 表一3 真砂土の真比重 分      類 真 比 重 真  砂  土  A 2.68 真  砂  土  F 2.71 川     砂 2.69 水率および破砕値について示したものである。なお, 比較のために富士川産の川砂についても示してある。 これより,真砂土の表乾比重および吸水率は採取地に よって大きく異なり,比重は2.3∼2.54の値で,吸水率 は相当に大きく3.56∼11.29%を示している。表一21) は,我が国の細骨材の品質を調査した例を示したもの である。我が国でコンクリート用として使用されてい る細骨材と本実験に用いた真砂土とを比較すると,真 砂土は表乾比重および吸水率とも劣っており,特に吸 水率の値が大きいことがわかる。一方,表一3は2種の 写真一1真砂土Aの粒形 写真一2 真砂土Fの粒形 写真一3 川砂の粒形

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真砂土A,Fおよび川砂について真比重を求めた結果 である。この結果によると,真比重はいずれも2.7程度 で大きな変化がないことがわかる。真砂土の表乾比重 が小さく吸水率が大きいのは,骨材粒が風化されてい るため骨材粒内部の空隙が多いことによると考えられ る。また,BS 812に規定されている「破砕強度試験」 を行った結果を表一1に示したが,これより真砂土の破 砕率は良質な川砂に比較すると1.7∼2.1倍と相当大き く破砕されやすい結果を示しており,真砂土の骨材と しての強度は小さいことがわかる。  2.3 粒形,粒度  骨材の粒形・粒度は,まだ固まらないコンクリート の性質,特にワーカビリチーに影響を及ぼし,粒形が 球または立方体に近いほど単位水量が少なくてワーカ ビリチーの良いコンクリートが得られ,また粒径の小 さい粒子を多く含むもの,すなわち,粗粒率が小さい 骨材を用いると所要のコンシステンシーを得るための 単位水量が増大する。写真一一1,2,3は,真砂土A,F および川砂の粒形の拡大写真である。この写真より明 らかなことは,1)真砂土は川砂に比べ粒子に局部的な 角ばりが生じていること,2)角ばり傾向は真砂土Fの 方が顕著であること,3)骨材粒の全体的な形状は川砂 に似ていることなどである。また,骨材の粒形判定に 対し実用的に用いられている実積率でみると,川砂: 68%,真砂土A:64%および真砂土F:61%であり, 粒の集合体としての粒形は川砂より劣る。一方,表一4 は粒度分布を示したものである。これより,真砂土6種 の粒径分布は相当に異なることがわかる。このように 粒径分布が異なるのは,風化作用の程度の相違による ものと考えられる。すなわち,花こう岩の風化が進む ほど,構成鉱物の斜長石,黒雲母は粘土化し,石英の 細粒化が進むためである2)。 3.まだ固まらないコンクリートの性質  3.1概   要  骨材に着目してまだ固まらないコンクリートの性質 を検討する場合に取り上げるべき項目は種々あるが, 第一に取り上げるべきことは,施工性および硬化コン クリートの品質と密接な関係があるワーカビリチー が,使用する骨材によってどのように異なるかを調べ ることである。一・般にコンクリートのワーカビリチー は,用いる骨材の粒子形状,粒子表面状態および骨材 の大小粒の混合状態により著しく影響される。真砂土 は風化花こう岩であるため,これらの性状は2章で示 したように,現在コンクリートに使用されている細骨 材と異なるので,真砂土を用いたコンクリートのまだ 固まらない状態の性質は当然異なってくることが予想 される。  本章では,真砂土を用いたコンクリートについて, 1)単位水量とスランプの関係,2)空気連行特性,3)ブ リージングなどについて調べ,これらの性質が良質な 細骨材を用いた場合とどのように異なってくるかを検 討したものである。さらに,これらの結果に基づいて, 真砂土を細骨材として用いたコンクリートの配合設計 上必要となる項目についても検討を行った。  3.2 実験の概要  使用したセメントは,普通ボルトランドセメントで ある。粗骨材は最大寸法20mmの砕石で,比重2.65, 吸水率3.32%のものである。なお,使用に際しては, 粒度を調整しコンクリート標準示方書に示されている 標準粒度曲線に適合するように調整して用いた。細骨 材としての真砂土は,風化の程度が比較的進んでいな いと考えられる真砂土Aと,風化の程度が進んでいる と考えられる真砂土Fを取り上げた。また,比較のた めに富士川産の川砂も用いた。混和剤としてAE剤(V −insol)と高流動化剤(パリックFL)を使用した。 表一4 粒度分布       区  分 モるいの呼び寸法 真   砂   土 川 砂

A

B C

D

E F コンクリート W準示方書の標準 5.0∼2.5mm 9 17 26 19 8 2 10 20∼0 2.5∼1.2mm 19 24 26 32 25 9 16 30∼10 各 ど モ ま 驕@る 「 量 @  ( ノ %   ) ニ 1.2∼0.6mm 21 29 20 21 25 28 27 25 0.6∼0.3mm 20 16 12 14 21 28 29 15∼30 0.3∼0.15mm 21 9 8 8 12 16 14 8∼25 0.15m皿以下 10 5 8 6 9 17 4 2∼10 粗   粒   率 2.38 3.23 3.63 3.76 2.54 2.02 2.68

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 ブリージングについての検討は,コンクリートの配 合条件のうち水セメント比およびスランプを一定とし てブリージングを調べた。実験は,JISA1123「コン クリートのブリージング試験方法」に準じて行った。 配合設計上の検討項目とし,真砂土をコンクリート用 細骨材として用いた場合の最適な細骨材率の値につい て取り上げ,川砂を用いた場合と比較して検討を行っ た。コンクリートの練り混ぜは,強制撹はん式ミサキ (容量1002)を使用して行った。  3.3実験結果と考察  図一1は真砂土A,Fおよび川砂を用いたコンクリー トのスランプと単位水量との関係を示したものであ 20 ス ラ  15 ン ブ (cm)10 単 260 位 水 量 240 (kgf/M3) 220 200 180 5 160 200 △川砂 ○真砂土A ●真砂土F 240 280      単位水量(kgf/m3) 図一1単位水量とスランプとの関係 40 50 60          水セメント比(%) 図一2スランプ12cmを得るための単位水量と水セ   メント比との関係 る。この図をみると,所定のスランプを得るために必 要な単位水量は,真砂土を用いたコンクリートが川砂 を用いた場合より多く,川砂を用いたコンクリートに 比べ14∼30%単位水量が増大している。また,この増 大する程度は風化が進んでいると考えられる真砂土F を用いた方が顕著である。これは,1)写真一1,2,3よ り明らかなように,真砂土の骨材としての球状性が劣 ること,2)真砂土には川砂に比べ粒径の小さな粒子が 多く含まれており骨材の比表面積が大くなること,な どによるものと考えられる。図一2はスランプの値12 cm得るのに必要な単位水量と水セメント比との関係 を,実用的な水セメント比40∼65%の範囲で調べたも のである。この結果をみると,川砂を用いたコンクリ ートでは,所定のスランプを得るための単位水量は水 セメント比が変化してもほとんど一定となり,いわゆ る単位水量一定の法則が成り立つ。しかし,真砂土を 用いたコンクリートでは水セメント比が小さくなると 所定のスランプを得るための単位水量はほぼ直線的に 増加しており,単位水量に及ぼす水セメント比の影響 が大きく,単位水量一定の法則が成り立たないことが わかる。この理由については,細骨材中に占める0.3 mm以下の微粒分の過多による影響であると考えられ る。  図一1の結果から明らかなように,真砂土を用いたコ ンクリートでは所要のスランプを得るための単位水量 は川砂を用いたコンクリートより相当大きな値とな り,たとえば,スランプ10cmを得るための単位水量 は,川砂で180kgf/m3,真砂土Aで205 kgf/m3,真砂 土Fで235kgf/m3となる。このように,単位水量の大 きいコンクリートは,ブリージングが大きくなること が予想される。表一5は,真砂土を用いたコンクリート と川砂を用いたコンクリートについてブリージング試 験を行った結果を示したものである。この結果をみる と,真砂土を用いたコンクリートのブリージングは川 砂を用いた場合より相当少なく,ブリージングの小さ いコンクリートであることがわかる。このように予想 に反して真砂土を用いたコンクリートのブリージング が少ないのは,骨材のふるい分け試験の結果から明ら かなように,骨材中に含まれる0.3mm以下の微粒分 が多いためモルタルの保水効果が増大して,結果的に 表一5 ブリージング試験結果 細 骨 材 ブリージング率(%) 真  砂  土

A

1.65

真  砂  土 F

0.79

川 砂 2. 54

(5)

10 空 8 気 量   6 (%) 4 2 0 0.1   0.2   0.3   0.4   0⑨5       単位AE剤量(kgf/m3) 図一3 単位AE剤量と連行空気量との関係

 12

ス ラ

 10

ン プ  8 (cm) 6 4 2 0 W/C=50%,W=一定’ 粗骨材の最大寸法=20 mm △川砂 ○真砂土A ●真砂士F W=180k8  25    30    35    40    45    50    55      細骨材率 (%) 図一4 スランプと細骨材率との関係 ブリージングが減少したものと考えることができる。  図一3は,真砂土を用いたコンクリートの単位AE剤 量と連行空気量との関係を示したものである。なお, 比較のために川砂を用いた場合についても示してあ る。これによると,真砂土を用いたコンクリートと川 砂を用いた場合とで比較すると,所定の空気量を得る ための単位AE剤量は増大し,その程度は風化が進ん でいると考えられる真砂土ほど大きいことがわかる。 これは,骨材の粒度の影響,すなわち,微粒分を多く 含むことによりコンクリートの粘性が増し,空気泡が コンクリート中に入りにくくなることによるものと考 えられる。  この種の微粒分の多い骨材を用いると,所要のスラ ンプを生じさせるような配合とするためには,単位水 量や単位セメント量がかなり増大するが,このことは 乾燥収縮その他の点で決して好ましいことでない。し 表一6 真砂土を用いたコンクリートの単位水量の減少に対す    る高流動化剤の効果  一スランプ10cmを得るための単位水量(kgf/m・) 高流動化剤添加量

使用骨材

0% 0.4% 0.8% 1.2% 1.6%

真砂土A

205 192 179 165 153

真砂土F

235 218 202 186 171 川    砂 180 170 162 153 145 注)高流動化剤の添加量はセメント重量に対する比 たがって,所要のワーカビリチーが得られる範囲でで きるかぎりこれらの値を小さくすることが望ましい。 このためには,単位水量または単位セメント量を最小 とする配合条件を求める必要がある。図一4は,真砂土 を用いたコンクリートについて細骨材率とスランプと の関係を求めたものである。なお,比較のために川砂 を用いたコンクリートについても示してある。この図 より,真砂土Aおよび川砂を用いたコンクリートでは 単位水量と単位セメント量を一定とし細骨材率を変化 させるとスランプの値が最大となる細骨材率が存在す る。この細骨材率ではスランプを一定と、した場合,単 位水量が最も小さくなり,いわゆる,最適細骨材率と なる。一方,真砂土Fでは細骨材率が小さくなるほど スランプの値が大きくなるが,しかし,細骨材率の値 が25%となると材料分離が認められた。この場合,最 適細骨材率の値は,コンクリートがワーカブルで材料 分離を起こさない範囲内で単位水量が最小となる細骨 材率の値を最適細骨材率として採用すればよいことに なり,真砂土Fではこの値が30%であった。このよう にして求めた最適細骨材率は,真砂土を用いたコンク リートでは川砂を用いた場合より小さく,この傾向は 風化が進んで骨材中に粒径の小さな粒子を多く含むも のほど顕著となると考えられる。表一6は,単位水量を 大幅に減じる一つの方法として,市販の高流動化剤を 添加することにより単位水量の減少を図った実験の結 果である。この結果によれば,高流動化剤を適当に用 いることにより真砂土を用いたコンクリートの単位水 量を,高流動化剤を使用しない川砂コンクリートと同 等以下にまで減ずることが可能である。高流動化剤を 微粒分の少ない細骨材を用いたコンクリートに適用す ると材料分離の傾向を示すのであるが,真砂土は一般 に微粒分を多く含んでおり材料分離が起こりにくいの で高流動化剤の使用は特に有効であると考える。 4.1 概 4.硬化コンクリートの性質 要

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 骨材の諸特性の間には相関性があるものが多く,ど の骨材特性が硬化コンクリートのどの特性に影響を及 ぼしているかを定量化することは困難である。しかし, 定性的な傾向については多くの研究よりある程度明ら かとなっており,粒度・粒形および骨材粒の強さなど が硬化コンクリートの性質に影響する要因であるとさ れている。真砂土は,花こう岩が風化堆積したもので あり,2章で明らかなように川砂等に比べ骨材粒子の 強さ,粒度・粒形等も相当劣っているものが多く,こ れを用いたコンクリートの硬化後の性質も川砂等を用 いた場合と比べ当然異なってくるものと考えられる。 本章では,真砂土を用いたコンクリートの,1)強度と 弾性係数,2)付着強度,3)乾燥収縮,4)凍結融解に対 する抵抗性について,川砂を用いたコンクリートと比 600 圧 500 縮 強 度 400 (kgf!cm2) 300 早強ボルトランドセメント使用 材令14日,スランプ=10cm △川砂 ○真砂土A ●真砂土F   40       50      60     水セメント比(%) 図一5水セメント比と圧縮強度との関係 520 圧 縮   480 強 度 (kgf/cm2)   440 400 ZK...,1...一一A 川砂 真砂土A 真砂土F 150    200   250   300   350   400      コンクリート中に含まれる細骨材料(2) 図一6 コンクリート中の細骨材量が圧縮強度に及ぼす   影響 較して調べた。  なお,検討に用いた真砂土は,真砂土A,Fの2種 で,粗骨材については3章で用いたものと同一のもの を使用した。  4.2 コンクリートの強度と弾性係数  図一5は,水セメント比と圧縮強度との関係を示した ものである。これより,いずれの骨材を用いた場合に も水セメントが小さくなるに従って圧縮強度もほぼ直 線的に増大し,水セメント比法則に従っていることが わかる。また,真砂土A,真砂土Fおよび川砂を用い たコンクリートの同一水セメント比での強度は,川砂, 真砂土A,真砂土Fの順に小さくなり,特に真砂土F においては水セメント比40%となると川砂を用いた 場合との強度差が顕著となる。一方,図一6はコンクリ ート中の細骨材量が圧縮強度に及ぼす影響について示 したものである。この結果をみると,川砂を用いたコ ンクリートではコンクリート中に占める細骨材量が増 大しても圧縮強度に対する影響はほとんど認められな い。しかし,真砂土を用いたコンクリートの場合には, コンクリート中に占める細骨材量が増大するほど圧縮 強度は低下することがわかる。このことより,真砂土 を用いたコンクリートの圧縮強度が川砂を用いた場合 より小さくなるのは,真砂土は川砂に比べ骨材内部の 空隙が多くかつ風化により構成粒子の結合が弱くな り,骨材としての強度が低下したためであると推測さ れる。図一7は,水セメント比と引張強度との関係を示 したものであるが,この結果を見ると,圧縮強度と同 引  40 張 強 度 35 (kgf/cm2) 30 25 早強ボルトランドセメント使用 材令=14日,スランプ=10 cm    40     50     60      水セメント比(%) 図一7水セメント比と引張強度との関係

(7)

600 圧 縮 強  500 度 (k8f/cm2) 400 300 普通ボルトランドセメント使用 材令=28日,スランプ=10cm, 20 30 40 △川砂 O真砂A ●真砂F 50      引張強度(kgf/cm2) 図一8 圧縮強度と引張強度との関係    3.5  弾  性    3.0  係  数    2.5 (×10「・ kgf/cm2)    2.0 様な傾向であることが認められる。また,図一8は引張 強度と圧縮強度との関係を示したものである。これよ り,真砂土を用いたコンクリートは川砂を用いた場合 と同様な割合で圧縮強度の増加に伴い引張強度も増大 していることが認められる。  図一9はコンクリートの静弾性係数と圧縮強度との 関係を,真砂土を用いたコンクリートおよび川砂を用 いたものについて示したものである。この図より,真 砂土を用いたコンクリートでは,いずれの圧縮強度に おいても,弾性係数の値は川砂を用いたコンクリート に比較し低い値を示し,この傾向は風化の進んでいる と考えられる真砂土Fにおいて顕著である。このよう に,真砂土を用いたコンクリートの弾性係数が川砂を 用いた場合より小さいのは,骨材自身の弾性係数が小 さいことによるものと思われる。 L5 200       300       400       500         圧縮強度(kgf/(m2)  図一9 圧縮強度と静弾性係数との関係 △川砂 ○真砂土A ●真砂土F 600  4.3鉄筋に対する付着強度   4.3.1 実験の概要  真砂土A,真砂土Fを用いたコンクリートの,異形 鉄筋に対する付着強度を川砂を用いた場合と比較検討 した。  コンクリートは圧縮強度が300kgf/cm2,400 kgf/ cm2および460 kgf/cm2の3種を用い,異形鉄筋は公 称直径19mmで,鉄筋軸に直角方向のフシを有するも のを用いた。付着強度試験は断面が15×15×15cmの 立方供試体を用いた引抜試験によって行った。供試体 の作成にあたっては,鉄筋を垂直に保ち,これと同方 向からコンクリートの打ち込みを行った。なお,コン クリートの割裂による破壊を防ぐため,直径6mmの 丸鋼をらせん状に配置して補強を行った。鉄筋とコン クリートの付着長さは供試体底面から6cmとし,こ れより上側の部分においては鉄筋とコンクリートの付 着を絶った。コンクリートに対する鉄筋のすべり量は, 鉄筋の自由端において測定した。  実験に用いたコンクリートの配合を表一7に示す。用 いた鉄筋の引張試験結果は,降伏点:38.O kgf/mm2, 引張強度:56.2kgf/mm2,伸び:22.8%である。 表一7 コンクリートの配合 コンクリートの レ 標 強 度

骨材の種類

W/C

i%) 単位水量 ikgf/m・) 単位セメン g量(kgf/m・) 細骨材率 @(%) スランプ @(cm) 川     砂 50 180 360 42 10 460kgf/〔ピ 真 砂 土 A 45 195 433 40 6 真 砂 土 F 40 235 588 30 5.2 川     砂 55 180 327 42 10 400kgf/㎝・ 真 砂 土 A 50 195 390 40 6 真 砂 土 F 50 235 470 30 10 川     砂 65 180 277 42 10 300kgf/cm・ 真 砂 土 A 65 195 300 40 11 真 砂 土 F 65 235 362 30 13

(8)

表一8 付着強度試験結果 コンクリートの 各すべり時の平均付着応力度(kgf/cm・) コンクリートの 圧  縮  強  度

骨材の種類

最大付着 圧  縮  強  度 (目  標  値) 0.05mm 0.10mm 0.25mm 応力度 (実  験  値) 川      砂 85.6 116.6 157.5 218.9 315kgf/㎝・ 300kgf/・㎡ 真 砂 土 A 52.8 76.9 115.0 169.3 305kgf/cm・ 真 砂 土 F 62.4 87.5 116.0 151.0 277kgf/cm・ 川      砂 110.3 148.7 200.9 253.0 418kgf/㎝・ 400kgf/㎝・ 真 砂 土 A 87.8 124.5 171.7 216.0 440kgf/㎝・ 真 砂 土  F 121.6 141.9 16L6 174.9 384kgf/cm・ 川      砂 125.7 172.7 235.0 277.0 456kgf/(㎡ 460kgf/㎝・ 真 砂 土 A 84.8 130.8 186.5 224.6 496kgf/cm・ 真 砂 土 F 141.1 163.3 197.3 215.8 463kgf/㎝・   4.3.2実験結果と考察  表一8は,自由端のすべりがおのおの0.05mm,0.1 mm,0.25 mmの時の平均付着応力度および最大付着 応力度を示したものである。この表より,1)自由端の すべり量がO.1 mm以上となるといずれの圧縮強度に おいても,真砂土を用いたコンクリートの付着応力度 は,川砂を用いた場合より小さいこと,2)いずれの圧 縮強度の場合にも,真砂土を用いたコンクリートの付 着強度は,川砂を用いた場合より小さいこと,3)自由 端すべり量が0.05mmと小さい範囲においては,真砂 土Fを用いたコンクリートの付着応力が川砂を用い たコンクリートを上回る場合があることなどわかる。 鉄筋のすべりに抵抗する主要なメカニズムは,(1)鉄筋 表面におけるコンクリートとの粘着力,(2)鉄筋とコン クリートとのすべり摩擦力,(3)異形鉄筋のフシに対す るコンクリートの支圧抵抗であるといわれており,す べりの初期の段階においては主として(1),すべりの大 きな段階においては主として(3)による抵抗が主体であ るとされている。すべり量が大きい範囲で,真砂土を 用いたコンクリートの付着応力が小さいのは,真砂土 骨材が脆弱であるため,(3)による抵抗が川砂に比べて 小さいことに越因すると考えられる。一方,すべり量 が小さい範囲でこれと逆の傾向も認められるのは,真 砂土Fを用いたコンクリートは極めて単位セメント 量の多い配合であり(表一7参照),ブリージング率も川 砂を用いたコンクリートに比べ非常に小さい(表一5参 照)ため,(1)による抵抗を阻害する鉄筋フシ下面の水 隙が発生しにくかったことによるものと推測される。

 4.4乾燥収縮

  4.4.1実験の概要  実験に用いたセメントは,普通ボルトランドセメン トで,コンクリートの配合は表一9に示した。なお,水 セメント比,単位水量および細骨材率の配合条件を… 表一9 コンクリートの配合 条  件 骨材の種類 W/C i%) 単位水量 ikgf/m・) 細骨材率 @(%) スランプ @(cm) スランプ 真砂土A 50 195 45 9.9  {一

D

真砂土F?@ 砂 〃〃 250 P80 〃〃 8.5 X.9 配合条件 真砂土A ^砂土F 50 V 180 V 45 V 9.9* P0.5* 一定 川  砂 〃 〃 〃 9.9 真砂土A 50 195 35 10.8 〃 〃 〃 45 9.9 〃 〃 〃 55 8.9 真砂土F 50 250 35 12.0 細骨材率 〃 〃 〃 45 8.5 〃 〃 〃 55

52

川  砂 50 180 35 14.0 〃 〃 〃 45 9.9 〃 〃 〃 55 6.6 * 高流動化剤使用 定とした場合には,同一コンシステンシーとするため, 真砂地を用いたコンクリートに高流動化剤を使用し た。供試体は10×10×40cmの角柱体で,供試体を1 週間標準水中養生した後長さ変化の測定を開始した。 測長は300±0.5mmとした。乾燥条件は,湿度60%, 温度20℃の恒温恒湿状態である。   4.4.2 実験結果と考察  図一10は,真砂土を用いたコンクリートの乾燥材令 48週までの乾燥収縮率を調べた結果を,川砂を用いた コンクリートと同等なスランプとした場合について示 したものである。これによると,真砂土を用いたコン クリートは川砂を用いたものより乾燥収縮率が大き く,この傾向は風化の進んでいると考えられる真砂土 Fのコンクリートの方が大きいことがわかる。図一11 は,水セメント比,単位水量および細骨材率の配合条

(9)

乾 燥 収 縮 率 (%) (X10−2)  10 12 2 e 燥 4 収 縮  6 $ (%) 8 (×10−2)  10 12 2 4 8    13 乾燥材令 (週) 24 48 0  2 4 6 8 △ 川砂  真砂土A  真砂土F 図一10 乾燥材令と乾燥収縮率との関係 13 乾燥材令 (週) 24 48 W/C=50%,W=180k8/ロ3 s/a=45%, △川砂 ○真砂土A ●真砂土F 図一11配合条件を一定とした場合の乾燥材令と乾燥    収縮率との関係 件を同一とした場合についての乾燥収縮を調べた結果 である。この図より,配合条件,特に乾燥収縮に影響 を及ぼす大きな要因である単位水量を同じとしても, 1)真砂土を用いたコンクリートは乾燥収縮率が大きい こと,2)真砂土Aでは単位水量の影響はほとんど認め られないが,真砂土Fでは単位水量の影響が認められ ることなどがわかる。また図一12は,骨材の影響を検討 するため配合条件のうち細骨材率を変化させたコンク リートについて,乾燥材令48週における乾燥収縮率 と細骨材率の関係を調べたものである。これより,い ずれの骨材を用いたコンクリートでも細骨材率が大き くなるに従って,乾燥収縮率も増大するが,特に真砂 土Fの場合にこの傾向が顕著である。これらの結果よ り,真砂土を用いたコンクリートにおいて,骨材の風 化程度によって乾燥収縮率が大きく異なるのは,風化 の進んだ骨材を用いたコンクリートの単位水量が増大 するばかりでなく,骨材の吸水性,微粒分含有量など の骨材特性の変化による影響も大きいことが考えられ る。また,Richard3)によれば,収縮は使用した骨材の 弾性係数に依存するのであって,真砂土を用いたコン 14   12 乾 燥   10収 縮 率  8 (%) (X10−2) △川砂 ○真砂土A ●真砂土F     35     45     55       細骨‘オ率   (%) 図一12細骨材率が乾燥収縮に及ぼす影響  上:川砂を用いたコンクリート  中:真砂土Aを用いたコンクリート  下:真砂土Fを用いたコンクリート 写真一4 乾燥収縮によるひび割れ発生状態 クリートではこのことも大きな要因の一つになってい るものと考えられる。写真一4は,乾燥収縮ひび割れの 状態の一例を示したもので,これより,川砂および真 砂土Aを用いたコンクリートでは乾燥収縮ひび割れ は生じていないが,真砂土Fを用いたコンクリートで は乾燥収縮ひび割れが生じていることがわかる。  4.5 凍結融解に対する抵抗性

(10)

表一10 コンクリートの配合 設計空気量 @(%) 骨材の種類

WC

i%) 単位水量 ikgf/mり 細骨材率 i%) 空気量 i%) スランプ icm) 真砂土A 55 195 44 1.9 6 0 真砂土F 55 250 44 2.4 8.6 真砂土A 55 190 44 4.4 7.7 4 真砂土F 55 240 44 4.6 9.1 川  砂 55 170 44 4.7 7.3 真砂土A 55 186 44 7.6 9.5 7 真砂土F 55 230 44 7.0 8.1   4.5.1実験の概要  この実験に用いたセメントは,普通ボルトランドセ メントで,コンクリートの配合は表一10に示したとう りのものである。供試体は10×10×40cmの角柱体 で,材令28まで標準水中養生を行った。凍結融解試験

はASTM666に準じて水中凍結融解急速法により凍

結融解繰り返し約30サイクルごとに,供試体の動弾 性係数の測定を行った。動弾性係数は,たわみ振動に より一次共鳴振動試験によって求めた。   4.5.2実験結果と考察  図一13は,プレーンコンクリートの場合について凍 結融解サイクル数と相対動弾性係数との関係を示した ものである。これより,凍結融解に対する抵抗性は, 風化が進んでいると考えられる真砂土Fを用いたコ ンクリートの方が小さく,凍結融解が100サイクル程 度で相対動弾性係数は60%以下になっており耐久性 に劣ると言えよう。一方図一14は,AEコンクリートと した場合の凍結融解サイクル数と相対動弾性係数の関 係を示したものである。この結果から,AEコンクリー トとすれば耐久性は明らかによくなるが,連行空気量 4%程度では凍結融解作用に対する真砂土を用いたコ ンクリートの抵抗性は,川砂を用いたコンクリートよ り小さく,この傾向は風化が進んでいると考えられる 真砂土Fにおいて顕著である。しかし,連行空気量を 増大させ7%とすると真砂土を用いたコンクリートの 凍結融解作用に対する抵抗性は改善され,十分な耐久 性を有すると判断され,川砂を用いた空気量4%のAE コンクリートと同程度の抵抗性を示している。 5. ま と め  真砂土をコンクリート用細骨材として利用するため に必要となる骨材としての物性,まだ固まらないコン クリートおよび硬化コンクリートの諸性質に関する各 種の基礎的な検討を行った結果,次のことが明らかと なった。  (1)コンクリート用細骨材としての真砂土の物理的 相 対 動 弾 性 係 数 〈%) 100 90 80 70 60 50    0        100        200         凍結融解サイクル数 図一13凍結融解サイクルと相対動弾性係数との関係 相 対 動 弾 性 係 数 (%) 100 90 100 (AEコンクリート) 90   △川砂 80  0真砂土A    0      100         200        300         凍結融解サイクル数 図一14 凍結融解サイクルと相対動弾性係数との関係 性質は,粒形・粒度分布および吸水率に特徴があり, これらの性質は,風化の程度によって大きく異なる。 したがって,真砂土の細骨材としての品質規準を現在 規準化されている試験方法で定める場合には,ふるい 分け試験より求まる粒度分布と吸水率試験から求まる 吸水率の二つから判定することが実用的であると考え る。  (2)真砂土を用いたコンクリートでは,施工に適す るスランプを得るための単位水量が増加する。しかし, 適切な細骨材率を用いること,高流動化剤などの混和 剤を適当に用いることにより単位水量を大幅に減ずる ことができる。  (3)真砂土を用いたコンクリートでは,一般の骨材 を用いたコンクリートの配合設計で便利に用いられて いる単位水量一定の法則が成立しない。  (4)真砂土を用いたコンクリートの圧縮および引張 強度は水セメント比によって支配されるが,骨材の風 化の程度によって所要の強度を得るための水セメント 比は異なる。

(11)

 (5)真砂土を用いたコンクリートの弾性係数は,同 じ圧縮強度の川砂を用いたコンクリートよりも15 ∼35%程度小さい。この程度は真砂土の風化の程度に よって影響され,風化が進んでいる真砂土ほど弾性係 数力s.ノ」、さい。  (6)真砂土を用いたコンクリートの鉄筋との付着強 度は,圧縮強度の等しい川砂を用いたコンクリートよ りもノ」、さい。  (7)真砂土を用いたコンクリートの乾燥収縮は真砂 土の風化の程度によって影響され,風化が進んでいる 骨材を用いたものほど乾燥収縮が大きい。特に,風化 が進んだ微粒分の多い骨材を用いたコンクリートでは 乾燥収縮ひび割れの悪影響が懸念される。  (8)真砂土を用いたコンクリートの凍結融解作用に 対する抵抗性はAEコンクリートとすることで改善さ れ,川砂を用いたコンクリートより多少連行空気量を 多くすることにより凍結融解に対する抵抗性は良好と なる。  真砂土を用いたコンクリートは,以上に示したこと に注意して取り扱い,さらに構造物の種類,用途およ び重要度を考慮して適用すれば利用可能である。なお, 鉄筋コンクリートに用いた場合の諸特性および耐久性 についての検討は今後の課題である。  最後に,本研究を遂行するに際し,始終熱心に実験 に従事してくださった塩沢一雄,大久保仁の両技官に 厚くお礼申し上げます。

参考文献

1)セメント協会:コンクリート専門委員会報告F−28:細骨材  の品質調査報告,1976−12. 2)土質工学会:風化花闇岩とまさ土の工学的性質とその応用,  土質基礎工学ライブラリー,昭和57年. 3)Richard, TW.:Creep and drying shrinkage of  rightweight and normal weight concrete, Nat. Bur. stand.  Monograph, Vol,74, March 1964.

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