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オフィス建築を対象とした環境創造技術に関する実証研究その2 外装3種類の熱性能比較、温熱環境及び空調処理熱量の評価(PDF:950KB) 著者:浅野涼太 村江行忠 栗木茂 鈴木孝彦 伊藤優

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Academic year: 2021

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(1)技術研究報告第 44 号. 2018.11. 戸田建設株式会社. オフィス建築を対象とした環境創造技術に関する実証研究 (その 2)外装 3 種類の熱性能比較、温熱環境及び空調処理熱量の評価 EXPERIMENTAL STUDY TO ACHIEVE THE OPTIMAL ENVIRONMENT FOR OFFICE BUILDING Part2 Comparison of Thermal Performance of Three Exterior Packages, and Evaluate of Indoor Thermal Environment and Air Conditioning Load. 浅野 涼太*1 村江 行忠*2 栗木 茂*3 鈴木 孝彦*1 伊藤 優*1 Ryota ASANO, Yukitada MURAE, Shigeru KURIKI, Takahiko SUZUKI and Yu ITO In this study, we evaluated thermal performance of three different exterior packages and indoor thermal environment for office rooms, air conditioning loads. The results are fellows, 1)The calculate value and measured value of heat transmission coefficient were DS<CDS<BL. Since the calculated value of CDS is only the double skin part, it is necessary to consider the whole surface including the panel.2) Comparing the upper and lower temperature inside the cavity of DS and CDS, there was a difference of 15℃ at the maximum. In order to discharge the heat inside the CDS cavity, it is necessary to widen the upper opening. 3)Solar heat gain coefficient was BL<DS<CDS. Comparing the 1st and 2nd floors for the double skin office room, the 2nd floor was larger, and both exteriors reached the maximum at 16:00.4) The glove temperature of interior and perimeter of each room was almost equal at air conditioning time. 5) Except for FL+100mm and FL+2800mm, the temperature distribution between interior and perimeter was uniform. 6) Attaching the mechanism of natural ventilation, it is necessary to consider the deterioration of the thermal performance of the exterior. 7) Since the air conditioning load quantity by the perimeter zone occupies a large proportion, it is a task to reduce the air conditioning load by reviewing exterior specifications and controlling solar radiation using blinds. Keywords :Experimental building, Double skin, Thin double skin,, Heat transmission coefficient, Thermal emvironment, Air conditioning load 実証建物 ダブルスキン 薄型ダブルスキン 熱貫流率 温熱環境 空調処理熱量. 1. はじめに 既報 1)の実証建物において 2017 年 4 月から運用を 始め,各種環境技術を検証している.本報では夏期 代表日の外装の熱性能,夏期冬期の温熱環境,及び 空調処理熱負荷について検証した結果を報告する.. 断熱材 事務室 4. 事務室 5. 事務室 1. 事務室 2. 事務室 6. 事務室 3. 2. 実測条件 南側外装概要を図-1 に示す.ダブルスキン(以下 DS)は 2 層吹抜けが全面にあり,アウターは透明単板 ガラス 8 ㎜,インナーは日射遮蔽型 Low-E 複層 8 ㎜ +空気層 12 ㎜で構成されており,DS 上部に開閉可 能な換気窓(開口面積 0.58 ㎡×4)を設けている.薄型 ダブルスキン(以下 CDS)は幅 1.2m の 2 層吹抜けのダ ブルスキンと幅 0.6m パネル部(アルミ板 2.0 ㎜+吹付 ロックウール 30 ㎜)の計 1.8m×4 グリッド,アウター は透明単板ガラス 6 ㎜,インナーは日射遮蔽型 Low-E 複層 6 ㎜+空気層 6 ㎜で構成されており,常時 開放された換気スリット(開口面積 0.02 ㎡×4)を設け ている.バルコニー+ルーバー(以下,BL)の窓ガラス は日射遮蔽型 Low-E 複層 6 ㎜+空気層 6 ㎜である. DS,CDS のブラインドはキャビティ内,BL は室内 側に取り付けており,ブラインド角度を 45°に固定に した. 事務室内の測定点を図-2 に示す.事務室はそれぞ れ 7.2m×10.2m×H2.9m であり,外装から 2.2m をペリ メータ,以降をインテリアとし,天井吹出口の設置 位置を決定した.人体発熱を模擬した電気毛布. 免震層. (1)ダブルスキン. (2)薄型ダブルスキン. (3)バルコニー+ ルーバー. 図-1 南側外装概要. 事務室 6 事務室 4. 事務室 5 インテリア. :グローブ球. ⑤ ④. ⑤ ④. ③ ②. ③ ②. ①. ①. :熱電対. :熱流計. ⑤ ④. ①. ③ ② ペリメータ. :VAV 吹出口. 図-2 測定点平面図. *1. 戸田建設㈱技術開発センター. 修士(工学). Research and Development Center, TODA CORPORATION, M.Eng.. *2. 戸田建設㈱技術開発センター. 工学修士. Research and Development Center, TODA CORPORATION, M.Eng.. *3. 戸田建設㈱技術開発センター. Research and Development Center, TODA CORPORATION. 2-1.

(2) オフィス建築を対象とした環境創造技術に関する実証研究. その2. (55W×8 人)を設置し,8:00~18:00 (以下,在室時間 帯)に発熱している.空調設定室温は夏期 26℃,冬期 22℃とし,在室時間帯に空調した.DS 上部の換気窓 について夏期は 8:30~17:30 に開放し,冬期は開放 しなかった. 図-3 に外装周り測定点を示す.ガラス表面温度, ガラス面熱流,ブラインド表面温度,室内側鉛直面 日射量,ペリメータ空気温度を測定している.DS お よび CDS においては,キャビティ内の上下温度分布 および上下風速を測定している. 表-1 に測定項目を示す.室内の上下空気温度,グ ローブ温度注 1,熱流及び南面鉛直日射量はワイヤレ スデータロガー(HIOKI LR8416)を用いて 1 分間隔で 連続的に記録した.. 3.熱性能測定結果 3.1 熱貫流率測定結果 熱貫流率は天候の安定した日を対象に,2017 年 8 月 15 日~17 日 0 時~5 時,日射熱取得率や熱流は 2017 年 8 月 9 日のデータを用いた.表-2 に実測値か ら求めた熱貫流率の平均値と DS,CDS の THE BEST Program(以下,BEST)の計算値(既報 1)),BL のガ ラス単体のカタログ値を示す.熱貫流率平均値は, DS,CDS,BL の順に高い結果となった.DS の測定 値は計算値とほぼ同じとなったが,CDS は測定値の 方がやや小さくなった.これは,BEST においては CDS の袖壁を考慮していないためである.BL はガラ ス単体より熱貫流率が小さく,ブラインドや縦ルー バーにより対流熱伝達が小さくなったと考えられる. 図-4 に CDS の熱貫流率計算時の熱流の流れと量を 示す.夜間において,袖壁から CDS 内に熱が流入し ている状態であった.これは,昼間に袖壁に日射が あたり,蓄熱された熱が CDS 内に放出されているこ とが示唆される. 3.2 日射量及びキャビティ内温度測定結果 図-5 に南面鉛直日射量と各室内への透過日射量を 示す.ブラインドにより直射光が遮られているため, ガラスの性能が異なってもほぼ同じ値となった. 図-6 にキャビティ内温度を示す.DS と CDS の温 度差は最高で約 15℃となった.CDS の上部開口面積 が小さく(0.02 ㎡),十分に排熱されていない可能性が 示唆される. 3.3 日射熱取得率比較 図-7 に開口部日射熱取得率を示す.シングルスキ ンである BL が最も小さい.縦ルーバーとバルコニー によりガラス面への日射が遮られたためと考えられ る.DS と CDS を比較して CDS が大きくなったのは CDS の方がインナーLow-E ガラスの中空層の厚みが 薄いためである.また,1 階と 2 階を比較するとどち らも 2 階の方が大きかったのは,キャビティ内温度 が高かったためである.いずれの外装も 16 時の日射 熱取得率が最も大きくなった.DS と CDS について. (1)ダブルスキン. (2)薄型 (3)バルコニー+ ダブルスキン ルーバー 図-3 外装周り測定点断面図. 測定項目. 空気温度. 表面温度. 表面熱流. 表-1 測定項目 高さ[mm] FL+100 FL+600 ペリメータ FL+1100 (測定点①) FL+1700 インテリア FL+2200 (測定点②~⑤) FL+2800 FL+100 FL+1100 キャビティ内 FL+1900 FL+2800 FL+3700 アウターガラス ブラインド FL+1450 インナーガラス 室内壁面 アウターガラス FL+1450 インナーガラス CDS 袖壁 測定箇所. 床面 天井面 グローブ 温度 鉛直日射 量 外気温度 南面鉛直 日射量. 測定機器. 熱電対. 熱電対. Z2016(HIOKI). FL+0 CL-0. ペリメータ インテリア インナーガラス室内 側(DS CDS) ブラインド室内側 (BL). FL+1100. 熱電対. FL+1450. MS-602(栄弘精 機) 熱電対 MS-602(栄弘精 機). 屋上. 表-2 測定値から計算した熱貫流率平均値及び計算値 (2017/8/15~17 0 時~5 時 W/㎡ K) DS CDS BL 2階. 1.02. 1.36. 1.59. 1階. 1.19. 1.35. 1.58. 計算値. 1.11. 1.43. 2.12. 室内. 5.35W/㎡ 25.5℃. 西袖壁 1.64W/㎡. 東袖壁 1.71W/㎡ 屋外. 6.41W/㎡,21.6℃. 図-4 薄型ダブルスキン. 2-2. 夜間熱流(2017/8/15~8/17).

(3) 2018.11. 戸田建設株式会社. 1FL+100 1FL+2,800 2FL+2,800 室内温度_FL+1,100 500. 40. 400. 30. 300. 20. 200. 10. 100. 0 0:00. 6:00. 12:00 時刻. 18:00. 50 40 30 20 10. 0 0:00. 0 0:00. 事務室1(DS 1F) 事務室3(BL 1F) 事務室5(CDS 2F). 0:00 0:00. 0.4 0.3 0.2 0.1 0.0 12:00 時刻. 18:00. 6:00. 12:00 18:00 時刻. インナーガラス熱流 アウターガラス熱流 西袖壁熱流 東袖壁熱流 外気温度 室内温度_FL+1,100 キャビティ内温度_1FL+1,100. 事務室2(CDS 1F) 事務室4(DS 2F) 事務室6(BL 2F). 0.5. 6:00. 12:00 18:00. 0:00. (1)ダブルスキン (2)薄型ダブルスキン 図-6 キャビティ内上下温度分布(2017/8/9). 熱流(W/㎡). 日射熱取得率(η値). 6:00. 時刻. 図-5 南面鉛直日射量及び室内側透過日射量 (2017/8/9). 0:00. 1FL+1,100 2FL+1,100 2FL+3,700 外気温度. 60 温度 (℃). 50. 鉛直面日射量(W/㎡). 透過日射量 (W/㎡). 事務室1(DS 1F) 事務室2(CDS 1F) 事務室3(BL 1F) 事務室4(DS 2F) 事務室5(CDS 2F) 事務室6(BL 2F) 屋上南鉛直面日射量. 0:00. 図-7 開口部日射熱取得率(2017/8/9). 180 160 140 120 100 80 60 40 20 0 -20. 60 50 40 30 20. 温度(℃). 技術研究報告第 44 号. 10 0:00. 6:00. 12:00 時刻. 18:00. 0 0:00. 図-8 薄型ダブルスキン 1 階 4 面の熱流及び温度(2017/8/9). は鉛直面日射量が下がり始めた後もキャビティ内温 度がすぐに下がらなかったためと考えられる.. FL+1100 ㎜)のグローブ温度・南面鉛直日射量,図-11 にペリメータの空気温度,図-12 にガラス表面温度を 示す.空調時間帯において,各事務室のペリメータ のグローブ温度はインテリアに比べて約 0.5℃高く なり,インテリア,ペリメータのグローブ温度は 26℃ 前後と各事務室でほとんど違いがなかった.ガラス 表面温度を比較すると,事務室 5 が最高で 32℃にな り, 事務室 3,6 は東側に面しているため 7~10 時ま で表面温度が他室に比べ上昇した.CDS 事務室はガラ スの面積が他室の 2/3 であること,BL 事務室は室内 側にブラインドがあることから,それぞれガラス面 からの放射の影響が少なくなり,外装による熱環境の 違いがあまり現れなかったと考えられる.. 3.4 薄型ダブルスキン熱流 図-8 に CDS 1 階 4 面の熱流及び温度を示す.キャ ビティ内から外部への流出を正とする.アウターガ ラスは 24 時間流出,東西袖壁は 6 時~19 時に流出と なった.午前中は西袖壁に日射があたり 9 時に流出 量が最大となった.午後になると東袖壁に日射が当 たり 14 時に流出量が最大となった.インナーガラス の室内への熱の流出入は,鉛直面日射量及び CDS キャビティ内の温度に合わせて変化しており,12 時 に最大で 40.9W/㎡の流出となる.夜間 20 時~7 時は 流入で,6 時に最大となり 3.6W/㎡となった.キャビ ティ内からアウターガラスの通過熱流を見ると,1 日 を通して流出となり 11 時が最大となった.11 時のイ ンナーガラス,アウターガラス,東西袖壁の通過熱量 の合計は 403W となった.. 4.2 冬期 冬期について,図-13,14 にペリメータ(測定点① FL+1100 ㎜)とインテリア(測定点③FL+1100 ㎜)のグ ローブ温度・南面鉛直日射量,図-15 にペリメータの 空気温度,図-16 にガラス表面温度を示す.日中最高 気温,日射量が小さい 2018/2/22 と日射量の多い 2018/2/23 を示すと,2/22 の在室時間帯の各事務室の グローブ温度はインテリアがペリメータに比べて約 0.3℃高くなり,2/23 ではペリメータがインテリアに 比べて約 0.3℃高くなった.2/22 は事務室 4 のペリ. 4.室内環境測定結果 4.1 夏期 夏期は日中最高気温が高く,日射量の多い日であ る 2017/7/21 を評価対象とした.図-9,10 にペリメー タ ( 測 定 点 ① FL+1100 ㎜ ) と イ ン テ リ ア ( 測 定 点 ③ 2-3.

(4) その2. 1000. 32. 800. 29. 600. 26. 400. 23. 200. 20. 0. 4. 8. 12 16 20. 0 4 7/22. 8. 1200. 35. 1000. 32. 800. 29. 600. 26. 400. 23. 200. 20 0 4 7/21. 1000. 32. 800. 29. 600. 26. 400. 23. 200. 20. 0. 12 16 20. 図-11. 0 4 7/22. 8. 12 16 20. 0 時刻 7/23 日付. 1200 1000. 20. 800. 15. 600. 10. 400. 5. 200. 0. 0 0. 4 2/22. 8. 12 16 20. 0 4 2/23. 8. 12 16 20. 32. 800. 29. 600. 26. 400. 23. 200 4. 20. 800. 15. 600. 10. 400. 5. 200. 0. 0 8. 12 16 20. 12 16 20. 0 4 7/22. 8. 0 0 7/23. 12 16 20. 時刻 日付. 室内側ガラス面表面温度(夏期) (2017/7/21~7/22). 30. 1200. 25. 1000. 20. 800. 15. 600. 10. 400. 5. 200 0 8. 12 16 20. 0 2/23. 4. 8. 12 16 20. 0 2/24. 0 2/24. 30. 1200. 25. 1000. 20. 800. 15. 600. 10. 400. 5. 200 0 0 2/24. 0 時刻 日付. 0 4 2/22. 図-15 ペリメータ空気温度(冬期) (2018/2/22~2/23). 時刻 日付. 8. 12 16 20. 0 4 2/23. 8. 12 16 20. 時刻 日付. 図-16 室内側ガラス面表面温度(冬期) (2018/2/22~2/23). 事務室 1(DS1F) 事務室 4(DS2F). 事務室 2(CDS1F) 事務室 5(CDS2F). 事務室 3(BL1F) 事務室 6(BL2F). 3000. 3000 ①. ①. ⑤. ③. 2500. 2500. 2000. 2000. 高さ [㎜]. 高さ [㎜]. 8. 0 4 2/22. 温度 [℃]. 1000. 0 4 2/23. インテリアグローブ温度(夏期) (2017/7/21~7/22). 0. 南面鉛直日射量[W/㎡]. 温度[℃]. 1200. 25. 12 16 20. 時刻 日付. 図-14 インテリアグローブ温度(冬期) (2018/2/22~2/23). 30. 8. 0 0 7/23. 1000. 図-13 ペリメータグローブ温度(冬期) (2018/2/22~2/23). 0 4 2/22. 12 16 20. 1200. 0 7/21. 時刻 日付. 0 2/24. 8. 35. 図-12. 25. 0 4 7/22. 38. ペリメータ空気温度(夏期) (2017/7/21~7/22). 30. 12 16 20. 20. グローブ温度 [℃]. 8. 温度 [℃]. 1200. 35. 南面鉛直日射量[W/㎡]. 38. 0 4 7/21. グローブ温度 [℃]. 図-10. 南面鉛直日射量[W/㎡]. 温度 [℃]. 図-9 ペリメータグローブ温度(夏期) (2017/7/21~7/22). 8. 南面鉛直日射量[W]/㎡]. 0 7/21. 時刻 12 16 20 0 7/23 日付. 38. 南面鉛直日射量[W/㎡]. 1200. 35. 南面鉛直日射量[W/㎡]. 38. 事務室 3(BL1F) 事務室 6(BL2F) 南面鉛直日射量[W/㎡]. 事務室 2(CDS1F) 事務室 5(CDS2F) 南面鉛直日射量. 温度 [℃]. 温度 [℃]. 事務室 1(DS1F) 事務室 4(DS2F) 外気温度. 南面鉛直日射量[W/㎡]. オフィス建築を対象とした環境創造技術に関する実証研究. 1500. 1000. 500. 500 9 13 17 21 25 空気温度[℃]. 9 13 17 21 25 空気温度[℃]. ⑤. 1500. 1000. 0. ③. 0 9 13 17 21 25. 9 13 17 21 25. 空気温度 [℃]. 空気温度[℃]. 図-17 上下温度分布 (2018/2/22 左.10:00 右.14:00). 2-4. 9 13 17 21 25 空気温度 [℃]. 9 13 17 21 25 空気温度[℃].

(5) 2018.11. 戸田建設株式会社. メータ空気温度が約 20℃に対し,ガラス表面温度が 約 18.5℃,2/23 は事務室 4 で空気温度が約 22℃に対 し,ガラス表面温度が約 23.0℃であることから窓面 の日射が影響すると言える.事務室 3,6 のペリメー タのグローブ温度について,2/23 のガラス表面温度 が 12:00 で 23.6℃,14:00 で 25.4℃と日射量に呼応 して温度変化していたが,夏期と同様に,室内側ブ ラインドによりガラス面の影響をあまり受けていな かったと考えられる.2/22 の 18:00 以降のグローブ 温度降下を見ると,事務室 5 は翌日 6:00 には事務 室 3,6 と同等まで下がった.DS と同様,日中に CDS キャビティ上部に暖気が滞留し,ガラス表面温度が BL 事務室よりも高くなるものの,日没後は CDS パ ネル面から熱が逃げていたため、ガラス面とパネル 面の放射の影響を受けていたと考えられる. 図-17 に測定点①③⑤について,空調開始 2 時間後 (10:00),空調開始 6 時間後(14:00)の上下温度分布 を示す.ペリメータ(測定点①)とインテリア(測定点 ③⑤)の温度差を見ると,FL+100 ㎜と FL+2800 ㎜を 除き,各事務室は±0.7℃以内であった.足下温度差に ついて FL+100 ㎜と FL+1100 ㎜の上下温度差の時間 経過を見ると,事務室 4 ペリメータで空調開始 2 時 間後の上下温度差が 1.2℃であったのが,空調開始 6 時間後では 0.8℃,事務室 5 で 2.0℃から 1.2℃,事務 室 6 で 1.6℃から 1.0℃と DS<BL<CDS の順に大きく なった.CDS 事務室は外装の 1/3 がパネルであり, パネル放射で冷やされた空気が下降していたためと 考えられる.. 熱貫流率[W/㎡]. 事務室 2. パネル部. 事務室 5. 10 5 0. 8 16 0 8 16 0 8 16 0 8 16 0 8 時刻 日付 4/27 4/28 4/29 4/30 5/1. 測定点 (熱流計). 図-18 CDS パネル熱貫流率(2018/4/27~5/1) (左.測定値 右.測定点) ガラス 床. 廊下 外壁. 非空調室 間仕切壁 天井 CDS パネル 内部発熱 15000 10000 5000 0 -5000 -10000 -15000. 事務室1 事務室2 事務室3 事務室4 事務室5 事務室6. 事務室1 事務室2 事務室3 事務室4 事務室5 事務室6. 熱流量[W] (-)室外←室内 (+)室外→室内. 15000 10000 5000 0 -5000 -10000 -15000. 図-19 夏期室内熱収支 (2017/7/21 8:00-18:00). 図-20 冬期室内熱収支 (2018/2/22 8:00-18:00). 温度[℃]. 免震層空気温度. 外気温度. 10 8 6 4 2 0 0. 4. 8. 12. 16. 20. 0. 時刻. 図-21 免震層空気温度(2018/2/22). 室内温度測定に加え,室内温熱環境や室内熱負荷 に与える影響として室内熱収支を算出した.各面か らの流出入熱流量は各面の中央に貼り付けた熱流計 の測定値と面積を乗ずることにより算出した.事務 室 2,5 の CDS パネル部の流出入熱流量は熱貫流率注 2 にパネル部の面積と室内外温度差を乗ずることで 算出した.なお,CDS パネル部の熱貫流率は 2018 年 4 月 27 日~5 月 1 日の夜間(0:00~6:00)測定値の平 均値として,事務室 2 は 4.5W/㎡ K,事務室 5 は 3.7 W/ ㎡ K を用いた.(図-18) CDS パネルについて,既報 1)では断熱が有効に働 くとの見解であったが,自然換気を行うための機構 を設けたことにより,気密性の低下や,断熱材が充 填されていない箇所があるため,パネルの熱貫流率 が高くなったと考えられる. 夏期の室内熱収支を図-19 に,冬期の室内熱収支を 図-20 に示す.夏期冬期ともに躯体面や間仕切壁,非 空調室側の壁面よりも窓面や CDS パネル面といった 外装面からの流出入が顕著であった.冬期について, 外装面の室内から室外への熱流出に加え,床面の熱 流出が顕著であった.1 階床下の免震層は半屋外空間 であり,図-21 に示した温度変動を見ると,外気温度 よりも約 3.0℃高い程度であった.. 30. 0. 20 10 0. -10 -20 -30 -40. 図-22 夏期空調処理熱量 (20107/7/21 8:00-18:00) 事務室 1(DS1F) 事務室 4(DS2F). 図-23 冬期空調処理熱量 (2018/2/22 8:00-18:00). 事務室 2(CDS1F) 事務室 5(CDS2F). 1500. 事務室 3(BL1F) 事務室 6(BL2F). 1500 風量 [㎥/h]. 風量 [㎥/h]. 事務室1 事務室2 事務室3 事務室4 事務室5 事務室6. 5. 室内熱収支. インテリア 空調処理熱量 [kWh]. 空調処理熱量[kWh]. ペリメータ 40. 事務室1 事務室2 事務室3 事務室4 事務室5 事務室6. 1000 500. 1000 500 0. 0 0 4 8 12 16 20 0 時刻. 0 4 8 12 16 20 0 時刻. 図-24 夏期 VAV 給気風量 (2017/7/21 左.インテリア 右.ペリメータ) 風量 [㎥/h]. 1500. 1500 風量 [㎥/h]. 技術研究報告第 44 号. 1000 500 0. 1000 500 0. 0 4 8 12 16 20 0 時刻. 0 4 8 12 16 20 0 時刻. 図-25 冬期 VAV 給気風量 (2018/2/22 左.インテリア 右.ペリメータ). 2-5.

(6) オフィス建築を対象とした環境創造技術に関する実証研究. その2. 6. 空調処理熱量評価. 4). 図-22,23 に各事務室の夏期代表日と冬期代表日の 空調処理熱量注 3 を示す.夏期は事務室 5 が 35.6kWh と最も高く,事務室 1 が 16.7kWh と最も低くなった. 冬期は事務室 2 が 29.1kWh と最も高く,事務室 6 が 15.0kWh と最も低くなった.夏期,冬期ともに図-19, 20 に示した通り,事務室 2,5 は CDS パネル面から の熱流出入が大きいためである. インテリアとペリメータで空調処理熱量の割合を みると,1 階事務室は夏期冬期ともに 6:4 程度であ るが,2 階事務室は 3:7 程度になった.図 19,20 に示す通り,外装面の熱流出入が大きいため,ペリ メータで処理する熱量が多くなっためである.冬期 の 2 階事務室について 1 階に比べてインテリアの処 理熱量が小さいのは,図-20 に示す通り,1 階では床 下への熱流出と,2 階では屋上スラブからの熱流入が あったことが示される.事務室 5 の夏期インテリア の処理熱量が同じフロアの事務室 4,6 よりも大きい のは,窓面や CDS パネルといったペリメータ分も処 理していた可能性がある.また,2 階事務室の冬期ペ リメータ熱処理量で外装の差が見られなかったのは 事務室 4,6 においてインテリア分も処理していたた めと考えられる. 夏期,冬期の空調吹出し風量注 4(図-24,25)を見る と,1 階事務室はインテリア,ペリメータの風量は立 ち上がり時を除き,ほぼ一定であるが,2 階事務室は 間欠運転する傾向にあった.夏期のペリメータ風量 について,BL 事務室は日の出(5 時)以降の温度上昇 が大きくなったため,DS,CDS 事務室と比較して, 立ち上がり時の風量を多く必要としたと考えられる.. 5). 6). 7). 8). 参考文献 1) 伊藤他: オフィス環境を対象とした環境創造技術に 関する実証研究(その 1)環境技術実証建物の概要と外 装 3 種類の熱性能および自然換気に関する実証,戸田 技術研究報告第 43 号,2017.11 [注釈] 注 1 直径 40 ㎜のピンポン球を黒く塗装したものを用いて 測定したものをグローブ温度として扱った.追加実測 にてベルソン式黒球のグローブ温度と乖離が少ない ことを確認した. 注2 CDS パネル部の熱貫流率 U は次式で算出した. U=q / (θi-θo) q:パネル面通過熱流[W/㎡] θi:事務室内温度[℃] θo:外気温度[℃] 注3 空調処理熱量 W は次式で算出した. W=∫Cp・ρa・Q・⊿θdt Cp:空気の定圧比熱 1.006kJ/kg K ρa:空気密度 1.2kg/㎥ Q:吹出し風量[㎥/h] ⊿θ:給気還気温度差[℃] 吹出風量と給気温度,還気温度は中央監視データを 用いた. 注 4 空調系統は 1 階事務室インテリア,1 階事務室ペリ メータ,2 階事務室インテリア,2 階事務室ペリメー タで分かれている.冬期のペリメータはインテリア VAV と同一空調系統である。. 7. おわりに 実測結果から外装 3 種類の熱性能比較と事務室の 温熱環境,空調熱処理量の評価を行い,以下の知見 を得た.外装仕様の見直しに加え,ブラインドによ る日射制御を活用し,ペリメータゾーンの処理熱量 削減を検討することが課題となる. 1). 2). 3). 夏期の室内温熱環境について,各事務室の空調 時間帯のインテリアとペリメータのグローブ温 度はほぼ同等であり外装による差が見られな かった. 冬期の室内温熱環境について,DS,CDS 事務室 の空調時間帯のインテリアとペリメータのグ ローブ温度はほぼ同等であった. 上下温度について,インテリアとペリメータは FL+100 ㎜と FL+2800 ㎜を除き,ほぼ一様に空調 できていた.事務室 2,5 は CDS パネルによる コールドドラフトが懸念される. 室内熱収支について,窓面や CDS パネル面と いった外装面の流出入が顕著であることを確認 した.CDS パネルに自然換気用の機構を設ける ことによる気密性の低下や断熱材非充填部の熱 性能低下を考慮する必要がある. 空調処理熱量について,夏期は事務室 1(1 階 DS) で最小,事務室 5(2 階 CDS)で最大,冬期は事務 室 6(2 階 BL)で最小,事務室 2(1 階 CDS)で最大 となった.1 階事務室のインテリアとペリメータ の熱処理量の割合は夏期冬期ともに 6:4 程度で あったが,2 階事務室の処理熱量の割合は 3: 7 程度であった.. 熱貫流率の実測値,計算値は共に BL>CDS>DS の順に小さくなった.DS の実測値は計算値と同 等であったが,CDS は薄型ダブルスキン間にパ ネル部があるため,面全体での熱性能を検討す る必要がある.BL はブラインドや縦ルーバーの 影響により実測値が計算値よりも小さくなるこ とを確認した。 DS と CDS のキャビティ内上下温度を比較する と、最高温度で約 15℃の差がついた。CDS キャ ビティ内の熱をより多く排出するためには上部 開口を大きくする必要がある. 日射熱取得率は CDS>DS>BL の順に小さくなっ た.いずれの外装も 16 時が最大となったが,ダ ブルスキン事務室については日射が減った後で もキャビティ内の温度が下がらなかったため BL よりも高くなった.. 2-6.

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