アレルギー性鼻炎・花粉症に対する最新の治療法 名古屋市立大学 耳鼻咽喉・頭頸部外科 鈴木 元彦 はじめに アレルギー性鼻炎は国民の 20%以上が罹患しており、日常診療において重要な疾患の一 つである。アレルギー性鼻炎における 3 大症状といえばくしゃみ、水様性鼻汁、鼻閉であ るが、他にも鼻のかゆみ、嗅覚障害、睡眠障害等多くの症状を引き起こし、QOL(Quality of life)に大きく影響する。 アレルギー性鼻炎に対する治療法 アレルギー性鼻炎の治療は①抗原回避、②薬物療法、③手術療法、④免疫療法に大別さ れる。治療の基本は抗原の回避であるが、実際の診療においては薬物療法が中心となる。 アレルギー性鼻炎に対する薬物療法 薬物療法の治療指針として、一般的には抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬や点鼻ス テロイド等が中心となる。しかし、第 1 世代の抗ヒスタミン薬によって注意力の減退,傾 眠および認知機能の障害などの中枢抑制作用が発現する。一方、第 2 世代の抗ヒスタミン 薬は血液脳関門を通過しにくいので、中枢神経系に対する副作用の可能性が低いとされて いる。 アレルギー性鼻炎に対する手術療法 薬物療法に抵抗する症状に対して手術療法が適応となる。手術療法としてはレーザー凝 固法、下鼻甲介手術、後鼻神経切断術、鼻中隔矯正術等がある。 アレルギー性鼻炎に対する免疫療法 薬物療法や手術療法が対症療法であるのに対して、免疫療法は長期寛解を期待できるア レルギー性鼻炎に対する唯一の根治療法である。免疫療法と言えば以前より皮下に抗原を 投与する皮下免疫療法が行われてきたが、2014 年よりスギ花粉症患者を対象として舌下免 疫療法(sublingualimmunotherapy;SLIT)が行われるようになった。舌下免疫療法は, 皮下免疫療法よりもより安全な治療法であると考えられ期待されている。しかし、少数で はあるが全身性の副作用が発生したという報告も散見され注意が必要である。 またダニによって生じるアレルギー疾患に対する免疫療法として、近年ダニ抗原を用い た皮下免疫療法や舌下免疫療法が臨床診療において使えるようになった。ダニ免疫療法は スギ免疫療法よりもアナフィラキシーショック等の全身反応に注意する必要がある。しか し、適切に使用すれば非常に期待できる治療法である。 以上、本講演ではアレルギー性鼻炎・花粉症の最新の治療法について講演する予定であ る。
アレルギー性鼻炎・花粉症に対する最新の治療法
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