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再生可能エネルギーの拡充と電力の産業組織 : 英国の経済政策の評価と課題

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再生可能エネルギーの拡充と電力の産業組織 : 英

国の経済政策の評価と課題

著者

桑原 秀史

雑誌名

経済学論究

63

3

ページ

357-378

発行年

2009-12-15

URL

http://hdl.handle.net/10236/3707

(2)

再生可能エネルギーの拡充と

電力の産業組織

英国の経済政策の評価と課題

Electricity Network Investment

and Industrial Organization

For a Low Carbon Future

桑 原 秀 史  

Electricity network has emerged as critical for successfully liberalizing power markets. One of the most disputed issues of the electricity industry restructuring process has been the organization of the transmission sector of this industry. It has been widely held that this sector must remain tightly regulated due to the external cost and benefits that arise from the operation and investment of transmission resources. In this paper we discuss the economic approaches to managing these network externalities for a low carbon future and examine the potential for a system of network investment contracts to successfully manage these externalities in a lightly regulated environment.

Hidechika Kuwahara

  JEL:L10, L13, L40

Key words: Oligopoly pricing, Market integration, Electricity, Competition policy, Regulation, Emission trading, Environmental economics

* 本稿の一部は University of Oxford 主催の Competition and Industrial Organisation

in Regulated Industries, Conference2009 に基づいている。Conference Proceeding (forthcoming) に掲載されるが、筆者の報告に対し、Newbery, D., Green, R., Sioshansi, E.P., Neuhoff, K. 等から貴重なコメントを頂いた。お礼申し上げたい。

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近年、自然エネルギーを用いた小規模な分散型電源は普及の度合いをはや めている。持続可能な成長を築く低炭素経済にむけて、地球環境保護やエネル ギーセキュリティーの観点から、再生可能エネルギーに基づく分散型電源の普 及は重要な課題である。 本稿は英国の電力市場の産業組織論的特徴を前提に、地球温暖化対策と再生 可能エネルギー支援策の動向を経済政策の観点から評価し、わが国への示唆と 政策上の課題を検討する。第1に、ネットワーク電源と分散型電源の共生の ために必要な条件はなにかを、技術と市場の点から整理する。その際、大規模 電源と、分散型電源を含む地域内融通型電力供給システムが、共生機能する経 済的システムを構築するための施策を、産業組織論の視点から検討する。第2 に、分散型電源は系統連系に伴い、連系された電力系統の信頼性、品質、安全 性に影響を与える。そこで電源を系統連系するために必要な技術的用件を満た す整備・投資等のコストを、誰がどのように負担すべきか吟味する。具体的に は、英国の再生可能エネルギーの支援策と、再生可能エネルギー接続に伴う系 統設備増強の投資インセンティブを、新たな配電・送電料金の制度設計によっ て、いかに確保しているかを、規制改革のフォーミュラーの観点から考察する。 最後に、英国の電力自由化の動向を踏まえ、市場構造の変化と価格変動との関 係を実証的に検討する。

I 分散型電源と再生可能エネルギー

1 分散型電源の特徴 分散型電源のメリットは、第1に化石燃料の消費が削減されとともに、第2 に二酸化炭素など温室効果ガスの排出削減の効果が期待できる点にある。さら に、第3に電源がオンサイトの需要地近傍に設置されるので送電線の増設繰り 延べが可能となり、第4に送電損失の減少が予想される。第5に電源が小規 模であるので、建設工期が短縮され、電力需要の変動に対して即応性が認めら れる。

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一方、ディメリットとしては、自然エネルギー発電のように発電出力が気 象条件に左右されることから出力変動が生じる。コージェネレーションなどで は、このように分散型電源は、既存の電力系統との連系によって、変動電力へ の対応を行い、発電電力を有効に利用することが必要である。 なお、電気事業法上では、分散型電源は「電気事業の用に供さない」電源で ある自家用発電設備および小出力発電設備に対応しているものと思われる。こ れらの点から、分散型電源を系統連係するときには、既存の電力系統の電力品 質や信頼度、安全性に影響を与えないようにすることが要請され、系統連係技 術要件を明らかにして、諸要件に沿った形で施策を行うことが肝要である。 2 分散型電源の活用方法 最初に、以下の考察にとって重要と考えられる、分散型電源の系統連系に 伴って生じる課題と対策にふれておきたい。対策の課題は、①電力品質の確 保、②電力系統との保護強調による供給信頼度の確保、③安全の確保である。 最初に電力品質を確保することが重要である。分散型電源が連系されると、 系統の電力潮流が変化し、連系された系統の電圧分布が変化する。ここでは2 つのケースが考えられる。第1に常時電圧変動の問題であるが、分散型電源 が投入されたとき、連系された系統の負荷が軽くなることで、電圧上昇が生じ る。とりわけ発電設備を保有する需要家から電力系統に電力を送り出す、いわ ゆる逆潮流のケースでは、連系点の電圧が周辺の電圧より上昇をきたす。配電 系統側では、変電所から末端に流れるにつれて電圧が低下するように電圧管理 を行っている。この逆潮流によって配電線に接続されている需要家への供給電 圧を規定値内におさめることができない事態が生じる。そこで発電装置の力率 制御などによって、電圧上昇を食い止める対策が必要となる。 他方、第2に分散型電源が脱落するケースであるが、この場合は負荷の増加 により電圧低下が生じる。この対策は、脱落分に対応した負荷制限を行い、電 圧低下を防止する対策が必要である。 さらに瞬時電圧変動についても考慮が欠かせない。風力やバイオマス発電 の際に利用する同期発電機や、太陽光発電などで採用する自励式インバータな

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どでは同期投入により、連系時の突入電流を回避することが必要である。さら に、発電出力変動により電圧フリッカが生じるならば、フリッカを抑制する装 置が求められよう。 電力品質の課題としては、以上の電圧変動対策に加えて、高調波対策があ る。太陽光、燃料電池などのインバータ連系の分散型電源では、インバータが 高調波電流の発生源となるので、それは系統電圧のゆがみをつくり、系統内の 力率改善用コンデンサの焼損などを起こす可能性がある。高周波スイッチング による低次高調波の削減、高調波フィルタの設置などの対策が望まれる。 供給信頼度の確保については、分散型電源の導入の折に、電源側事故や系統 側事故に対して、適切な保護リレーを設置して分散型電源を系統から解列する 装置の設置が必要である。また安全の確保については、とくに配電系統などに 連系される分散型電源が単独運転状態が継続すると公衆感電、需要家機器損傷 など保安面のリスクが生じるので、転送遮断装置や単独運転検出機能を設置し て単独運転時に分散型電源を系統から解列させるしくみが不可欠である。 ただし分散型電源の導入量が増大してくると、現状の「電力品質確保に係 わる系統連系技術要件ガイドライン」等に定めに応じた電力系統の改善運用で は、円滑な対応がむつかしくなるであろう。このため、分散型電源の大量導入 に対応した電力流通システムの技術的あり方、および産業組織と公共政策の方 向を明らかにし、分散型電源を有効活用する施策を示すことが求められる。 欧米諸国では、電力自由化の効果と環境負荷低減の目的から、多数の分散 型電源が電力系統、とりわけ、配電系統に接続されてきている。「次世代配電 ネットワーク」の名のもとで、マイクログリッドやスマートグリッド等が提唱 され、実験段階にある。前者は、分散型電源と電力貯蔵装置および負荷などを 接続する小規模ネットワーク内において、分散型電源の出力変動の影響を解決 し、配電系統に悪い影響を及ぼすことなく経済的に系統連系させる方式である。 後者は、多品質電力供給、自由な分散型電源の系統連係、双方向電力潮流、需 要家側制御、分散型電源と大規模集中電源の最適負荷配分などを軸に、パワー エレクトロニクス機器や制御用通信設備などを利用する、いっそう柔軟な電力 システムを目指したものである。

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以上の分散型電源の育成と有効活用に関する技術動向を踏まえ、分散型電源 の導入に対応した産業組織と公共政策のあり方を検討しよう。 3 分散型電源と既存の電力ネットワークの産業組織 (ⅰ)基本モデル 市場価格が電力の総市場需要の線形関数となるような市場を考えよう。p = a− bDTであり、ここでpはスポット価格、aは需要切片、bは需要勾配、DT は総市場需要である。電力はガスタービンや石炭火力等の伝統的発電事業者 と太陽光発電や風力等の断続的発電事業者(企業・家庭を問わない)に分け られる。前者の産出をXZ、後者の産出を安定部分と確率部分に区別し、XS0 + εSで示す。 E[εS] = 0、Var[εS] = σS2と仮定する。断続的発電事業者は競争状態にあ り、ゼロの限界費用で産出を提供できるとし、産出物は限界的な入札の買値価 格で販売される。伝統的発電事業者の費用関数をCZ(XZ) = µXZ+ θ/2· XZ2 とする。伝統的発電事業者は常に限界発電事業者であり、市場価格を設定する。 均衡産出量(XZ)と、E[εS] = 0のケースでの競争均衡における平均均衡価 格(pc∗)は、それぞれ XZ= [a− b(XS, 0 + εS)− µ]/b + θ pc∗ = [θ(a − bXS, 0) + bµ]/b + θ である。 太陽光発電等の断続的発電事業者の固定費用を除く純利潤(E[πs])から、太 陽光発電等の産出が享受する平均価格は、 ps= pc∗− (θ/b + θ) · (b/XS, 0)· σS2 となる。太陽光発電等の自然エネルギー事業者が享受する平均価格は、第1項 の平均市場価格と、第2項の太陽光発電等の産出変動から生じる「競争的な断 続性要因」からなる。以上から次のことが示される。第1に、火力等の伝統的 な発電事業の限界費用の勾配が増加するにつれて、太陽光発電等の産出変動か ら生じる市場価格への影響は増す。第2に、需要が非弾力的になればなるほ

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ど、その産出変動の市場価格への効果は増大する。第3に、分散σS2が大き くなるとともに、断続性効果は強まる。このように、競争的な断続性要因は、 太陽光発電等の自然エネルギー事業者が享受する平均価格を、平均市場価格以 下に低下させる側面をもっている。実際には、火力・水力・原子力など既存の 電気事業者が保有する伝統的な発電所間で産出の断続性がみられるとしても、 それらの相関係数は、太陽光発電等の自然エネルギーといった低い産出間での 相関係数よりも低いであろう。 (ⅱ)市場構造の変化と市場成果 次に火力などの伝統的発電事業者の市場構造が、競争状態から独占に移行し たとする。第2に伝統的発電事業者は先渡契約を結ぶ。独占状態の効果は、太 陽光発電など出力の不安定要因である断続的要素を通して平均市場価格と産出 量でウエイト付けされた価格との差を拡大する。一方、先渡契約の効果は、そ の契約がスポット市場での価格上昇のインセンティブを抑える点にある。さら に、独占者である伝統的発電事業者は、参入者が利潤を得る価格を超えないよ うなスポット価格を設定するように、先渡契約の水準を決定する。 独占である伝統的発電事業者が期待スポット価格E[p]がベースロードの参 入コストpm∗を超えないように先渡契約を行うのであるから、εs= 0のとき、 期待スポット価格と伝統的発電事業者の先渡数量は、それぞれ E[p] = pm∗= [(b + θ)(a− bXS, 0)− b2FZ+ bµ]/(2b + θ) Fz= [(b + θ)(a− bXS, 0) + bµ− (2b + θ)pm∗]/b2 となる。 そこで、火力などの伝統的発電事業者が独占の場合に、太陽光発電等の自然 エネルギー事業者が享受する平均価格(ps)は ps= pm∗− [{θ/(b + θ) + b2/(2b + θ)(b + θ)} · b/XS,0· σS2 となる。 火力などの伝統的発電事業者の市場構造が、競争から独占に移行することに よって、競争的な断続性要因だけでなく、市場支配力に基づく戦略的な出力の

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不安定要素、すなわち「戦略的な断続性要因」が加わる。もとより伝統的発電 事業者は「戦略的な断続性要因」を補償させるために、平均電力価格を上昇さ せる(pm∗> pc∗)。ここでは、太陽光発電等の自然エネルギー事業者は、平均 市場価格が伝統的発電事業者の市場構造の独占への移行にともなって上昇した としても、競争的状態よりは経済厚生は低下していることに注意しなければな らない。 次に 電力市場についてより一般的な仮定である寡占市場構造を考えよう。 伝統的発電事業者の市場構造が複占で、費用関数をCi(Xi) = µXi+ θ·Xi2(i = A, B)とする。最初に先渡契約を条件として2段階目のスポット市場での行動 を検討し、ついでこれらの行動をすべての当事者が期待するとして、最初の段 階である契約決定を説明しよう。 伝統的な複占の発電事業者Aのスポット市場での販売量は事業者Aの先渡 契約量FAの増加関数、事業者Bの先渡契約量FBの減少関数である。 寡占市場において期待市場価格po∗は、εS= 0のとき、 po∗= [(2θ + b)(a− bXS, 0) + 2bµ− b2(FA+ FB)]/(2θ + 3b) となる。 一方、太陽光発電等の自然エネルギー事業者は、競争行動のため、契約市場 では期待スポット価格で契約する(先渡契約の価格k =期待市場価格po∗で ある)。太陽光発電等の自然エネルギー事業者の平均価格は ps= po∗− [(θ/b + θ) + {b2/(3b + 2θ)(b + θ)}] · b/XS,0· σS2 である。 火力などの伝統的な発電事業者が独占であるケースと同様に、当該事業者が 寡占であっても、出力の不安定性に基づく競争的な断続性要因と戦略的な断続 性要因が、太陽光発電等の自然エネルギー事業者の平均価格を低下させている。 しかし戦略的な断続性要因の価格への低下効果は独占の場合よりも小さい。 より留意すべきは、断続性要因のみならず、平均価格自体が市場構造の独占 と寡占で異なるという点である。とりわけ断続性要因は、先渡契約の水準とは 独立であることに注目すできである。

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以上から、第1に、市場支配力といった市場構造の問題を考慮しなくても、 火力・水力・原子力など既存の電気事業者は、太陽光発電等の自然エネルギー 事業者よりも、より高い平均価格を享受する。これはスケールとしては小さい が、出力の不安定性による競争的な断続性要因の結果である。第2に、市場支 配力の導入は平均価格を上昇させるだけでなく、戦略的な断続性要因によって、 火力・水力・原子力など既存の電気事業者と太陽光発電等の自然エネルギー事 業者との報酬の差を大きくする。なお価格に占めるこの市場支配力によるマー ジンの規模は大きい。第3に、先渡契約のような契約がない場合、スポット 価格は常に限界費用価格を超え、同時に、伝統的発電事業者よりも程度はより 小さいが、太陽光発電等の自然エネルギー事業者も市場支配力から利益を享受 する。 つぎに火力・水力・原子力など既存の電気事業者が内生的な契約を結ぶ場合 を整理しておこう。第1に、火力・水力・原子力など既存の電気事業者が独占 であれば、自発的に先渡契約を締結しない。これは、先渡契約による市場支配 力を制限する「コスト」が生じるのみであって、競合事業者のマーケットシェ アを得る「便益」がないことによるものである。第2に、独占または寡占の火 力・水力・原子力など既存の電気事業者が先渡契約を締結する場合、戦略的な 断続性要因は先渡契約水準の関数ではないが、その先渡契約量の水準は絶対的 な価格水準を低下させる。したがって、より現実に近いケースを考えるとき、 すなわち、火力・水力・原子力など既存の電気事業者が寡占や独占的な市場構 造の場合、出力不安定性からの戦略的な断続性の要因は、先渡契約やオプショ ン契約がない場合に比較して、その効果は増大するということが重要である。

II 英国の再生可能エネルギーの動向と環境政策

次に、再生可能エネルギーの拡充によって、温室効果ガスの排出抑制にどの ように取り組んでいるかを、英国の事例を対象に検討する。

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1 エネルギー分野の総合的施策 英国の初期の国内排出量取引制度は、2006年12月で終了したが、これらの 問題点を補正する形で、2005年1月からEU域内の排出量取引が創設され、 2008年から第2期(2008∼2012年)に入っている(英国の排出量取引の制度 と運用についての詳細は桑原(2008)を参照されたい。)。第2期における発電 施設への割り当てには、送電端容量100MW以上の発電施設にはベンチマー ク方式が適用されている。すなわち、発電施設に割り当てられる排出枠は、燃 料および技術別の排出計数に基準年(2000∼2003年)の平均設備利用率を乗 じて算定されている。一方、100MW以下施設にはグランドファザリング方式 が適用されている。また、一定基準を満たす高効率のコジェネ施設については 優遇措置が講じられている。 2008年11月、今後のエネルギーと環境政策の基本方向を示した3つの法 律、すなわちエネルギー法と気候変動法および大規模公共事業に係る計画法 (通称、プラニング法)が成立した。とりわけ再生可能エネルギーの拡大のた めの規定として重要な点は、エネルギー法に盛り込まれている①固定価格買取 制度の導入と②再生可能エネルギー購入義務制度の強化にある。以下では、こ れらの施策の制度と効果を吟味していこう。 英国における2001年の販売電力に占める再生可能エネルギーの割合は2.1%で あり、2007年においても5%にすぎない。 2002年から導入された再生可能エネルギー購入義務制度(Renewable Obli-gation)は、すべての電力小売事業者に対して、小売電力量の一定割合につい て、再生可能エネルギー証書(ROC)の購入を義務付けている。再生可能エネ ルギー事業者には、ガス・電力市場局(OFGEM)からその発電量に応じて証 書が発行される。再生可能エネルギー購入義務量は、2002年の3%から2015 年の15.4%へと段階的に上げられる。電力小売事業者が発電事業者から必要枚 数分の証書を調達できなかった場合、ガス・電力市場局にバイアウト価格とし て1,000KWh当たり約33ポンドの罰金を支払う。この罰金額は市場局でプー ルされ、再生可能エネルギー証書を調達したものに対し、調達量に応じて再配 分される。このように再生可能エネルギー証書の価格は、再生可能エネルギー

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の開発量を誘導するように、有効なシグナリング機能を果たしている。そこ で、OFGEM, Electricity Distribution Quality of Service Data、OFGEM,

Fact Sheets等に基づいて、再生可能エネルギー証書価格(PR)と、再生可能 エネルギー購入義務制度によって供給事業者に課された再生可能エネルギー購 入義務量(Qo)の関係を計測すると、 P R = (78.91)   26.80 + (17.76)   0.97Qo   R2= 0.98  D.W. = 2.60 となる。ただし括弧はt値である。期待通り正の関係を保持する。 2 再生可能エネルギー拡充の諸施策 また、英国の場合、電力供給事業者が再生可能エネルギー電力を購入した 場合、その購入額に応じて気候変動税(詳しくは桑原(2008)参照されたい。) が減額される。この減額分を電気料金引き下げの原資にするか、事業者の利益 として保有するかは任意である。これらの施策のもとで、再生可能エネルギー 購入義務制度は、バイオマス燃料によるコージェネ、オフショア風力、風力 ファームなど、比較的コストの安い中規模以上の技術から普及が伸びたように 思われる。英国では大手6社の供給事業者と発電事業者とで締結される再生可 能エネルギー電力の購入契約は、長期契約であり、前述したように独立の小規 模な発電事業者に多い断続性・間欠性の電源との長期取引は見合さざるを得な い状況におかれる。この点を支援するのが、次の述べる固定価格買取制度に動 いている。 具体的には、2008年のエネルギー法のなかで、既存の再生可能エネルギー の購入義務制度は次のように強化されている。既存の再生可能エネルギーの購 入義務制度では、電源種類を区別することなく一律に再生可能エネルギー証書 が発行されている。施策が功を奏し、比較的コストの安い電源技術から普及が 進んだ。そこでこれらを補正し、潮力、波力、太陽光など普及がおもわしくな い電源に対しては、少ない発電量でも再生可能エネルギー証書を発行するとい う手立てを打つことで、電力の多様なエネルギー源を支援する方向に動いて いる。

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つぎに固定価格買取制度の対象電源は、小規模低炭素電源(small-scale low-carbon generator)で、5MW以下の再生可能エネルギーで、バイオマス、太 陽光、燃料電池、地熱など小規模の電源である。導入は2019年4月以降を予 定している。方法は最終需要家が余剰電力を電力系統に戻す分に、固定価格 が適用される。固定価格買取の費用負担の方法は、供給事業者が最終需要家 へ支払った合計金額を、供給事業者の再生可能エネルギーを除く販売電力量 シェアで再配分する仕組みである。電力供給を自由化している英国では、市場 構造の態様によって、小規模なシェアの供給事業者は電気料金への費用転嫁 が困難になることが予想される(DBERR(2008), Reform of the Renewable

Obligation: Government Response to the Statutory Consultation on the Renewable Obligation Order 2009)。再生可能エネルギーの支援と、安定供 給のもとでの電力市場の競争維持をいかに図るかが一つの課題である。 なお 気候変動法は2050年までに温室効果ガス排出量を1990年比で80%削 減する義務を主務大臣に課しており、法的拘束力をもつ温室効果ガスの削減目 標を設定している。この目標の達成に当たり、5年ごとの国全体の炭素排出量 の上限を設定して、排出量を管理する「カーボン・バジット制度」導入する。 気候変動委員会は、炭素排出量の達成状況等を監視し、議会に報告する義務を 負う。 このような地球温暖化対策は、一方では経済成長を下押しし、国民への費用 負担を増すことになるが、他方では技術革新の創造、環境・生活品質の向上、 さらにエネルギーにおける消費者主権の確立につながる。これらのメリットを いかに確かなものにできるかは、エネルギー市場の産業組織のダイナミズムに よるものと考えられる。これらの点を少し原理的に吟味しておこう。 3 市場構造と費用上昇の価格への転嫁─原理的考察─ 政府は2020年までに国内の温暖化ガス排出を1990年比25%減らすという 目標の実現に向けて具体策づくりや経済的負担の試算に取り組む予定である。 電力会社、企業や消費者などのユーザー間で、温暖化防止のコストをどう負担 していくかについて、産業組織論の視点から考察しよう。(尚、排出権取引制

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度の産業組織分析については、桑原[2008]第6章を参照されたい。) (ⅰ)弾力性一定の需要曲線と供給曲線のケース 弾力性一定の需要曲線の逆需要関数をp = P0(X/X0)−1/εとする。ただし Xは生産量、pは価格、P0, X0は基準となる価格・生産量の組み合わせである。 −εは需要弾力性(ε > 0)。一方、弾力性一定の供給曲線はM C = P0(X/X0)b であり、供給弾力性1/b > 0であるとしよう。代表的企業であるg企業の限 界費用M Cg= P0(Axg/X0)bとなる。ここで、Aは対称的企業の数、xgg 企業の生産量である。 市場構造との関係で企業が費用の変化 ⊿Cを価格に転嫁できる能力を整理 しよう。クールノ─競争を想定し、利潤最大化条件と企業間対称性の仮定よ り、費用の価格への転嫁率(R)は、 R1= dp/d(C) = 1/[1− 1/Aε + bεP0εb+1p−εb−1] である。g企業のクールノ─競争均衡条件式から、費用の価格転嫁への一般式 (R2)が導かれる。すなわち、 R2= dp/d(C) = [1/(1− 1/Aε)] · [1/(1 + bε)] である。 つぎに需要の価格弾力性と供給の価格弾力性および市場を構成する企業数 が、費用変化に伴う価格への転嫁率に、どのような影響を与えるかを検討しよ う。これらの結果は、 ∂R2/∂ε < 0, ∂R2/∂b < 0, ∂R2/∂A < 0 である。①需要の弾力性が増せば、転嫁率は下がる。②完全に非弾力な供給の 場合(b =∞)の転嫁率はゼロであり、完全に弾力的な供給の場合(b = 0)の 場合の転嫁率は[1/(1− 1/Aε)]である。③一般的に供給の価格弾力性が低下 するにつれて(bの上昇)、転嫁率は下がる。④かりに(1 + bε)が1に近いな らば、企業数の増加につれて転嫁率は1に接近する。⑤以上から、企業数が増 え、市場が競争的になれば転嫁率は低下する。次に弾力性一定の需要曲線と線 形である供給曲線の場合を検討しよう。

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(ⅱ)弾力性一定の需要曲線と線形の供給曲線のケース 線形の供給曲線(b = 0)のとき、費用の価格への転嫁率(R3)は、 R3= [1/(1− 1/Aε)] である。完全競争ときの転嫁率は1、独占のとき[1/(1− 1/ε)]、複占のときは [1/(1− 1/2ε)]となる。 (ⅲ)線形の需要曲線と線形の供給曲線のケース かりに線形需要p = 1−Xで限界費用一定の場合であるから、対称性X = Axg より、均衡条件は P = (1 + AC)/A + 1, xg= (1C)/(A + 1) となる。従って、転嫁率(R4) = A/A + 1である。完全競争の転嫁率は1、独 占のとき1/2、複占のとき2/3となる。これらの関係について、筆者の電力需 要の計測によれば(桑原(2008)6章を参照。)、弾力性一定の需要曲線を想定 することが妥当であると思われる。

III 再生可能エネルギーの系統接続への支援策

1 配電料金フォーミュラの特徴 イングランド・ウエールズ地域では、132KV以下、スコットランドおよび 北アイルランドでは66KV以下の系統が配電系統である。配電会社は、イン グランド・ウエールズ地域で12社、スコットランドで2社(SP, SHE)、北 アイルランドで1社(NIE)あるが、それぞれの管轄区域で独占的に所有・運 用し、発電事業者や小売供給事業者などの利用者からの系統使用料で経営を 行っている(なお、イングランド・ウエールズ地域とスコットランドの送電料 金は、接続料金・送電線使用料金・バランスサービス料金から構成されている。 事業はイングランド・ウエールズ地域を、スコットランド北部をSHET,南部 をSPTが独占的に所有・管理している。系統運用者であるNEGTの詳しい 料金水準と体系については、桑原(2008)を参照されたい。) 2005年から適用されている現行の価格規制、いわゆるDPCR4は、90年代

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後半以降からの総収入規制による経営効率やパフォーマンスの向上のメリット に加えて、次のような投資インセンティブを提供する制度設計になっている。 ①分散型電源を拡充するために集中的に研究開発投資を行う系統(RPZ)の 設置、②低炭素社会に向けた研究開発費の回収制度(IFI)、③分散型電源接続 量に基づくボーナス制度、④ロス率の低減や信頼度の向上を意図したインセン ティブの付与などの施策が講じられている。むろん、2010年から適用の価格 規制(DPCR5)においても、再生可能エネルギーや小規模電源など配電系統 に接続される分散型電源が有効に活用されるな配電系統の整備に向けて検討さ れている。 配電会社に適用されている現行の価格規制の一般的な算定式は 今期の収入額= [1 + (RP I− X)/100]Rt−1+ IRD + IG + RP Z±補正値 ただし、RP I:今期の消費者物価指数の変動率、X:生産性変化率、Rt−1: 前期の基本収入額、IRD:第1のインセンティブ収入(研究開発投資の回収、 ロス率や信頼度の向上を意図した収入)、IG:第2のインセンティブ収入(分 散型電源の接続によるボーナス的な収入)、RP Z:第3のインセンティブ収入 (RP Z域内での分散型電源の接続によるボーナス収入)。 具体的に、配電会社はIG項目によって、分散型電源の接続1kW当たり1.5 ポンドのインセンティブ収入を得る。またRP Z項目は、分散型電源を拡充する ために集中的に研究開発投資を行う系統(RP Z)において実際に登録・実施がな された場合、5年間にわたり1kW当たり3ポンドの収入を確保できる。加えて IRDの項目は、低炭素社会に向けた研究開発費の回収制度のもとで、配電線使 用料の値上げによって、R&D費用とプロジェクトの増設・維持・運営費等の8

割をカバーするものである(OFGEM(2008),Electricity Distribution Price Control Review : Policy Paper。なお、同、Initial Consultation Document をも参照。)。

今後の分散型電源の拡充に伴い取るべき施策について肝要な点は、次の4点

であると思われる。まず第1に原則的に、配電系統と、発電所や負荷設備など

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回収が認められていることである。第2に分散型電源の増大に伴う系統安定化 措置を、配電設備の新増設などの整備のみに求めているのではなく、配電系統 についても送電系統と同じように能動的に系統を制御する、アクティブ・ネッ トワーク・マネジメント・システムやスマートグリッドの早期構築といったス キームに置いている点である。いわば需要サイドマネジメントの側面を考慮し ている。第3に、配電会社が分散電源について、系統の空き容量情報や配電系 統の熱容量情報を正確性と透明性を担保して、公開することを基本事項として いる。第4に、分散型電源による発電事業者の初期費用を軽減する措置とし て、分散型電源の促進による電源線の建設費用や接続に伴う系統増強費用を全 額前払いするディープ接続の制度を2005年に廃止し、それ以後は、すみやか に新規参入を促す観点から、分散型電源の発電会社は系統増強費用の一部を前 払いするが、あくまで係る費用を長期にわたり配電使用料で回収するという準 シャロー接続料金制度を導入している。 2 配電料金フォーミュラの経済的機能 実際のプライス・キャップ制では、新規投資がなされたのち、プライス・ キャップのパラメータはどのように変化するのであろうか。具体的には、どの ように基本的なフォーミュラを修正・補正することで、系統ネットワークへの 投資インセンティブを確保しているのであろうか。 まずプライスキャップと投資インセンティブとの関係を検討するに当たり、 プライスキャップのパラメータ(P 0X)と要投資報酬との関係を理解する ことが有益である。年間の資本費用(ACC)は総資産利益率と減価償却費の 合計である。資産年齢を時間の関数、A = t0 + tt0は資産の購入時)とす れば、

ACC = W ACC∗K∗(L− A)/L + K/L

である。ただしKは資本投資額、Lは耐用年数、W ACCは被規制のウエイ

ト付き平均資本費用であるとし、企業の実際のW ACCを反映すると想定す

(17)

Sを伴う。②生産能力の拡大、いわゆる需要増加ID(Q1− Q2)に寄与する。 ③料金値上げを伴うことなく追加収入を得ることはできないが、投資は顧客に 対してサービス品質の向上につながる。 プライス・キャップの原型フォーミュラは P (t) = P 0∗(1 + t∗(CP I− X)) である。ここで新規投資がなされる前に、CP I− Xのプライス・キャップは、 利潤Q0∗P 0∗(1 + t∗(CP I− X)) − C0(t) = 0になるように、設定されると仮 定する。C1(t) = C0(t) + ACC− Sより P 00= P 0∗(Q0/Q1) + (1/Q1)(K/L)∗(W ACC∗(L−A0) + 1) − S/Q1 CP I− X0= (C0(0)/C1(0))∗(CP I− X) − K∗W ACC/(L∗C1(0)) となる。以上から、新たに開始する価格水準は次の3つの点で先在する開 始価格水準P 0と異なる。すなわち、①投資による生産容量拡大は、投資が P 0∗(1− (Q0/Q1))の平均費用低下を導くので、需要拡大につながる。②費用 削減効果S/Q1は明らかである。③さらに資本費用効果(第2項)が生じてい る。一方、新規のCP IX0の価格軌道は、2点で先在のそれとは異なる。① (C0(0)/C1(0))の調整要因を導く投資の費用水準への変化が、(CP I− X)に 適用される。②項目X0には、K∗W ACC/(L∗C1(0))に等しい資本費用が含 まれている。このように、分散型電源の拡充のための投資を保障するためは、 行政当局が投資による生産容量と費用削減および資本費用への効果のバランス を十分に考慮して、当初の価格水準P 0と生産性変化率Xというパラメータ の規模と方向を決める必要がある。 この意味で、英国において、ガス・電力市場局(OFGEM)が2010年から 適用される次期価格規制(DPCR5)において、送電線使用料の場合と同様に、 配電系統に大量の分散型電源の接続を保障させるために、経済的な投資インセ ンティブ効果をもつ収入規制をより強化する形での施策と制度設計は注目に値 しよう。

(18)

IV 英国電力の市場構造と価格変動

1 自由化後の経緯 1990年に1MWを超える需要家を対象にして始まった小売自由化は、94年 に自由化対象が100KWにまで引き下げられ、99年5月には家庭用を含めて 小売市場が完全自由化された。電力とガス市場の小売市場での競争は、消費者 に大きな利益を与えている。第1は低価格による利益であり、第2は消費者 にとって利用できるサービスの選択幅が拡大したということである。 地元配電会社(一般供給事業者)の1MW超の市場における供給シェアは、1990 年が57%、94年が37%、98年は20%と減少を続けている(DTIのHPデータ より)。また94年に自由化枠が100Khまで引き下げられたが、その100KW ∼1MWの市場の地元配電会社のシェアは、94年が70%、98年が41%と大き く下がっている。また、99年の完全自由化以降、家庭用の需要家は供給事業 者を2割近く変更したと報告されている。 このように小売市場は1990年に1MW市場、94年に100KW市場が自由 化され、1999年5月に全面自由化された。しかし2006年現在、供給ライセン スの所有者数は70社超であるが、家庭用市場は、Centrica社(BG)、E.ON UK社、SSE社、RWE Npower社、EDF Energy社、SP社の6大グループ に集約された。商工業用市場には、これらのグループの他、主要事業者として

ブリティッシュエナジー社とGDF社が参入している。2006年現在の供給事

業者変更率は、商工業で100%、家庭用で約50%である。

一方、2005年の主要発電事業者数は40社であるが、8社で7割、4社で

5割の設備を保有している。また電力取引所については、NETAへ移行した

2001年にはUKPX, APXUK、IPEの3取引所が設立されたが、IPEは撤

退、APXUKは英国ガス取引所EnMOとともにAPXグループに買収され、

2006年でAPXグループは、取引所をAPX Power UKとAPX GasUKに 統合している。(Ofgem(2006), Domestic Retail Market Report September 2005, Ofgem, Electricity Distribution Quality of Supply Report 2006,およ びDTI, Digest of United Kingdom Energy Statistics 1990-2006、Ofgemの HPを参照。)

(19)

2 電力価格の推移と市場集中度 家庭用と産業用の実質平均電力価格の2003年までのトレンドをみると、第 1に、産業用電力価格は、過去14年間、主として化石燃料価格の低下によっ て、大幅に下がっている。民営化(1990年)以前の3年間は横ばいであったが、 1990年の初めに大きく低下した。また、1994年の自由化対象の拡大以来、96 年の半ばまで一貫して低下している。この低下率は、化石燃料課徴金が10%か ら2%に下げられるにつれて、歩調を速めている。とりわけ、産業用電力うち 小口ユーザーの価格低下の方が、大口ユーザーのそれよりも大きく下がってい ることも付け加えておこう。 第2に、家庭用電力価格は、1990年から99年まで19%低下しているが、こ の低下の大部分(17.5%)は1996年以降に起こっている。1999年5月の電力 小売市場の完全自由化の導入は、相当な影響を与えたはずである。また、供給 に関する価格規制が残されていた、一般供給事業者(地元配電会社)の家庭用 標準料金についても2002年4月、価格規制が廃止された。 そこで、総括的な角度から、英国電力価格と産業集中をめぐる市場構造との 関係を実証的に検討しよう。電力価格と産業集中度をめぐる市場構造との関係 を1986年∼2004年について、示したものが、表1である。 記号は次の通りである。EW:英国の卸電力価格指数(1995年=100)、ER: 英国の小売電力価格指数(1990年=100)、EI:英国の産業用電気料金(ペン ス/kWh)、EH:英国の家庭用電気料金(ペンス/kWh)、CR2:企業別発電 量ベースの上位2社集中度、CR3:企業別発電量ベースの上位3社集中度、 SU:供給電力量ベースの上位3社小売事業者集中度、SA:1MWを越える小 売市場における地元配電会社の供給量シェア、G1:CR2の二乗、G2:CR3 の二乗、CS:消費電力量(106 kWh)、SB:SAの二乗、である。データソー スは、EW、ER、EI、EHはOECD/IEA,Energy Prices & Taxes、CR2、 CR3、SU、SA、CSはOfgem, Domestic Retail Market ReportDomestic gas and electricity supply competitionDGTREN Report,Financial times,

PowerUK、各社アニュアルレポート等である。

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EW EW ER ER EI EI EH ER EI EH Con. 76.41(0.78) (-0.09)-8.60 64.01(0.56) 55.19(2.34) (1.41)4.41 (0.27)1.17 (2.95)5.40 72.07(8.03) (5.11)2.26 -16.26(-0.97) CR2 (3.34)2.79 (3.51)2.87 9.02E-02(3.37) CR3 (4.10)2.42 (2.32)1.76 7.47E-02(2.58) 6.84E-02(1.14) SU 0.922(1.38) SA (5.47)2.75 (4.34)0.10 G1 -2.84E-02(-4.38) -2.72E-02(-4.25) -8.24E-04(-4.53)

G2 -1.53E-02(-4.26) -1.27E-02(-2.24) -4.57E-04(-2.64) -5.14E-04(-1.13) CS (0.77)0.17 2.91E-02(0.13) (-0.23)-0.39 -8.45E-03(-1.14) 1.71E-04(0.01)

SB -4.00E-02(-6.07) -1.37E-03(-4.21) R2 0.96 0.86 0.60 0.24 0.92 0.75 0.001 0.85 0.68 0.098 DW 2.55 1.60 1.38 0.62 2.28 1.23 0.56 2.45 2.22 0.66 No ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ 表 1 70%まで、集中度と共に有意に上昇する。②式より、卸電力価格は発電量ベー スで上位3社集中度が約85%まで、集中度と共に有意に上昇する。とくに、卸 電力価格は発電量ベース上位2社集中度と上位3社集中度の二つの変数につい て、正の有意な線形関係をもっている。小売電力価格については、③式より、 発電量ベースで上位2社集中度が50%まで、集中度と有意に上昇する。とりわ け、1990年代後半以降の小売電力価格と発電量ベースで上位2社集中度とには 有意な正の関係がみられる。④式より、小売電力価格は、発電量ベースで上位 3社集中度についても、約60%まで順相関の関係がある。なお、小売電力価格 については、卸売価格のように、発電量ベースの集中度と単純な線形の関係は みられないことも留意されたい。⑤・⑥式より、産業用電料金については、発 電量ベースで上位2社(CR2=60%まで)あるいは3社集中度(CR3=80%ま で)と正の有意な関係がみられる。⑦式より、家庭用電気料金の完全自由化は 1999年以降であるが、発電量ベースの集中度とは有意な関係はみられない。⑧ 式より、1MWを越える小売市場における地元配電会社の供給量シェアと小売

(21)

電力価格との関係は、サンプル数に限りがあるが、1MWを越える小売市場に おける地元配電会社の供給量シェアが30%以下の領域では、その供給量シェ アの上昇と共に、小売価格は上がる傾向をもつ。この順相関の傾向は、その供 給量シェアが40%以下の範囲であれば、⑨式から、産業用電気料金についても 見て取れる。したがって1MWを越える小売市場における他地区配電会社の 供給量シェアの増加は、小売価格や産業用電気料金を抑える結果となる。 また家庭用用電気料金と、供給電力量ベースの上位3社小売事業者集中度 の関係は⑩式の通りであるが、サンプル数が限られているので、特定の傾向を 述べることは控えておきたい。

結び

以上、再生可能エネルギーの拡充に伴う電力産業組織の課題を検討した。再 生可能エネルギーは出力が不安定であるが、同種の分散型電源を組み合わせた り、適切な制御を実施することによって平均効果や相互補完効果が期待でき、 系統に優しい分散型電源システムを構築することができる。蓄電池等との結合 によりいっそう変動の少ない電源となるように、イノベーションを喚起する総 合政策が必要である。 低炭素社会に向けて持続可能な成長を築くためには、経済分析に基づいた、 再生可能エネルギーの拡大のための購入義務や価格買取制度の強化、送電・配 電システムへの投資インセンティブの確保など、積極的かつ体系的な支援策が 求められている。その際、供給信頼度と電力品質の向上および経済的なエネル ギー供給システムの構築に意を用いなければならない。さらに政策が実施され るに当たり肝要な点は、有効競争を目指す規制改革に基づいて、国民にとって 便益と費用の関係の透明性が担保され、同時に公平な国民と企業の負担が追求 されねばならない。 地球環境の保全とエネルギーの安定供給を達成するためには、自由企業体制 を原則的に維持し、経済発展のダイナミックなパフォーマンスに着眼するなら ば、市場経済の独特のメリットを減殺することなく、むしろ積極的に活用する ことを建て前とし、規制改革と競争政策の促進によって、可及的すみやかに資

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源配分効率の改善の途を求めることが望まれる。

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参照

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