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Kawasaki dynamicsにおけるmetastabilityについて : エネルギー最小状態への転移

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Academic year: 2021

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Kawasaki dynamicsにおけるmetastabilityについて

: エネルギー最小状態への転移

著者

高木 悠介

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2009 年度 修士論文要旨

Kawasaki dynamics における metastability について

-エネルギー最小状態への転移-

関西学院大学大学院理工学研究科

物理学専攻 千代延研究室 高木 悠介

Metastability とは,あるランダム過程がエネルギーが local minimum(最小でない 極小値)である状態からエネルギーの峠を超えてエネルギーがglobal minimum(最小 値)である状態へと転移する様子のことであり,この転移に際して最低限越えねばなら ないエネルギーの峠の高さのことをcommunication height と呼ぶ.

また,Kawasaki dynamics with open boundary とは,連続時間マルコフ連鎖を用い て2 次元格子上のある程度大きく有限の正方形状の箱に出入りする粒子のランダムな 動きをモデル化した確率モデルである.このモデルでは,箱の境界でのみ粒子の数は増 減し,内部では粒子の総数は保存される.粒子は隣接するサイトをランダムに1 歩ずつ 移動する.この際,すでに移動先に粒子が居る場合は移動できない.このKawasaki dynamics では,遷移確率をメトロポリス法と呼ばれる手法に基づいて定義する.この メトロポリス法とは,ある状態空間上のマルコフ連鎖から任意の分布(ここで,この分 布はターゲット分布と呼ばれている)を定常分布としてもつマルコフ連鎖を作り出す方 法である.ここでは,ギブス測度をターゲット分布としてメトロポリス法を用いる. 本論文のメインの目的は,Kawasaki dynamics with open boundary における local minimum から global minimum への communication height の値を測定し,

local minimum である状態から global minimum である状態へと至る時間の期待値を 導き出すことである.

さらに,2 次元イジングモデルにおける Glauber dynamics の metastability につい ても考察する. Glauber dynamics とは,連続時間マルコフ連鎖を用いてイジングモ デルの時間発展を表現した確率モデルである.このイジングモデルでは,2 次元格子上 のある程度大きく有限の正方形状の領域内の各サイト上に-1(下向き)と+1(上向き) のスピンが配置されていて,Glauber dynamics では,スピンの値を 1 ヶ所反転させる ことを1 回の遷移とし,その遷移確率を Kawasaki dynamics と同じくメトロポリス法 に基づいて定義する.

そのあと,Kawasaki dynamics with open boundary と Glauber dynamics を比較し, どちらが早くglobal minimum へと至るかということを考察する.

最後に,離散時間の場合のKawasaki dynamics with open boundary と Glauber dynamics のコンピューターシミュレーションを行なう.そのコンピューターシミュレ ーションは,自分でscilab というソフトを用いて作成した.

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