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沖積地の地下水に関する研究(Ⅱ) 渡川下流山路地区地下水の塩水化について

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(1)

沖積地の地下水に関する研究(皿)

  渡川下流山路地区地下水の塩水化について

上森 千秋・近森 邦英・松田 誠祐

    (農学部 利水工学研究室)

   Studies on the Groundwater in Alluvium (Ⅱ)

On the Increasing Salinity of Groundwater in the Yamaii Area         at the Lower Basin of Watari River

       Chiaki Agemori, Kunihide Chikamori        and Seisuke Matsuda

 (Laboratoりof Water-Utilization Engiiieering,Facully of Agriculture)

 Yamaji area is situated on the right side at the distances of 5. 5∼6.5 km from the estuary of Watari River which is discharged into Tosa Bay. And it is small paddy fieldwith about 13 ha. area.  A few years ago, Yamaji River streamed along the south side of thisarea. but now it was digged and enlarged for increasing the discharge of Nakasuji River and it was drived to Sanezaki of ぺA'atrai

River. Recently, tomato and cucumber in this area have been caltivated ingreen house about same areas (1. 8 hci).

 The aquifer in this area became contaminated with saltwater during January and February of 1970 and saltinjury occured. And so, to examine causes an investigation was done by Nakamura office of ministry of Construction.

 In this paper, authers obtained the {ollov/ing results by analyzing thesやdata, (a) salt water intrudes inland through the confined aquifer from Watari River, and (b) the fluctuationof piezometric head responds to changes in Nakasuji water level with tides. (c) Salt water intrusion has been accentuated by overpumping due to irrigation.

      ま え が き  山路地区(Fig. 1)は,土佐湾の南西部に流入する渡川の河口から, 5.5∼6. 5 km」二流の右。岸 側に位置し,面積約13 ha の小地区である。 かつてこの地区の南側には山路川が流下していたが, 中筋川流域の排水向上のため,甲峯を開削し,山路川の拡幅と掘削を行ない,中筋川を下流実崎ま

ぷ゜゜

       J

(2)

 88         高知大学学術研究報告  第19巻  自然科学 ,第9号 で導流した。(昭和39年通水)。したがってこの地区は波川と中筋川に囲まれた中洲のような恰好に なっている。  この地区は水田地帯となっているか,昭和35年頃からハウス園芸が導入され,44年度現在約1.8 ha(トマト,キュウリかほぽ同面秘)が栽培されている。  本地区で昭和45年1∼2月の長期渇水時,地下水塩分の増大が見られ,ハウス園芸作物に塩害か 発生した。建設省中村工時事務所では,これらの塩害について調査を行ない,河川水位,地区の地 質,水位,水質等の資料を得た。本論はこれらの資料にもとづき,地下水の塩水化について,その 原因を考明したものである。本文をまとめるにあた力,資料を提供していただいた建設省中村工事 事務所,中村島業改良普及所,相愛工業に深謝の憲を表す。          Ground EL Bor. No 1 0.986 m. _ r 7 ← ● C Σ C D Q C O ・ − 一 司 > Q -L 1 」 一 計 │} a > e x 心 − − ● −○ ( / > 1.1 − 0.1 1.1

Loam 1.8 −0.8 0.7 Clay 3.1 − 2.1 1.3

Loam 4.1 − 3.1 1.0

Loam gravel 5.8 − 4.8 l.7 ●争・● .:?'. ‘,i.゜j :・.0: Sandy gravel 7.2 −6.2 1.4 ちミ :y..・; Sandy gravel 9.2 −8.2 2.0

Sandy gravel 11.2 − 10.2 2.0 ヤ 9ふて Sand and grave□ 13.5 − 12.5 2.3

 Sandy  gravel ■and  silt         Ground EL ・Bor. No.2 0.195 m こ -Q. Q Q C .9 芯 > き Ijj

叉} Q . Q 匹 − − − ○ ( / 1 3.4 −3.2 3.4 Clav -4.0 −3.8 0.6 ?'・j 6.2 − 6.0 2.2 y :'.‘○ ミぷ二 ……9・ Sandy gravel 6.8 6.6 0.6 rQね` Sand 8.7 −8.5 2.5

Sandy . gravel 94 − q.2

o.応涜

Loam ・ 10.4 − 10.2 1.0

Fine sand ・ a         Ground EL Bot. No 3 3.80 m. こ 一 一 a O J Q C O ● − -の > ω − U 」

Q jQ S ∼ − − ● 〃 O ( / l

0.8 3.0 0.8 ミ.゜.y Sandgrave!

610 − 2.2 5.2 Clav 8.8 −5.0 2.8 デスク 勁ダ Sandy silt 10.3 − 6.5 1.5 づ o ‘ ・ ソ ゙ 1 ? ・ Sandy gravel 11.0 − 7.2 0.7 ご.ど 12.5−8.7 1.5 ●   ● ・ ・ ● &  Fine ■sand 15.0 − 11.2 2.5

■Sand and silt 19.5 − ・15.7 4.5 / / siltv clay // / / // / / // /y / / // // / / / / /.’

(3)

S u i s s B d   J U 3 3 '   J 3 < J   j i j S i a y V V 1 沖積地の地下水に関する研究(n)(上森・近森・松田)       10.1       1.U      Iり●り    II“'I       Particlesize

Fig. 3. Particle size distribution curves of the aquifei・ in this area

89        1.地区の地質  この地区の地質は室戸層群の清水層に属し,上,中,下部に大別される。下部は厚い砂岩および 泥岩の互層と各単層の厚さ10 cm 内外の砂岩泥岩互層よりなる。 中部は泥岩を主とし,しばしば 砂岩を挾在する地層で,枕状熔岩も挾在することがある。上部は厚い砂岩および泥岩よりなり,砂 岩は塊状あるいは2m内外で整層する。これら固結堆積物は現地形の基盤を形成しており,その上 位は第四紀堆積物により覆われている。

 Fig. 2 は地区南縁の中筋川左岸で行なったボーリング柱状図である。 Bor, No. 3 (ドウカ橋付

近)は,深度6nl付近まで茶灰色の腐植まじり粘土におおわれ,それ以下12.5m付近までレ牛ま じり砂質土または細砂よりなり,さらに下層はシルト質粘土よりなっている。地区下流部Bor. No. 2は,深度3.5 m付近まで腐植まじりローム,それ以下10.4inまでレ牛まじり砂質土および砂質 土の互層をなしている。また地区最下流のBor. No.・1(山路橋付近)は,表層の粘土層はさらに うすく(2m)なっている。 これらの資料と渡川の出水時の堆積過程よりみれば,地区の上流部は 微細な粘土またはクロームによってかなり深くまでおおわれ,下流部でその層は薄くなっていると 推定され,下層は透水係数ん=10-1∼10-2 cm/s のorderを持つ透水性の砂レキまたはレ牛まじり 砂(Fig. 3)で構成されているようである。  しかし中筋川の底質は難透水性の腐植まじり粘土であり,透水係数た=10-6∼10-8cm/sのorder である。       2.渡川および中筋川への潮セキの伝播  感潮河川における潮限は,潮セ牛の大きさ,河川流量,河川形状(とくに河床高)等によって変 化する。  波川の潮限は,昭和44年1月の大潮時(Co = 2.06m, Q = 46.6 「/S)の観測によれば,満潮時, 河口より9.5 km, 干潮時, 6 kmにおよんでおり,昭和45年3月の観測に0=1.42m, Q°28 「/s) では満潮時, 6. 5 kmであった(Fig. 4参照)。  緩コウ配河川である中筋川の潮限は渡川のそれよりかなり上流までおよび,上記観測時の中筋川 における値をFig. 4に点線で示すとこの傾向が明らかである。  また,渡川における潮セ牛の伝播は河道断而の非一様性のため,場所によりひずみを生じている

(4)

90 高知大学学術研究報告  第T9巻  自然科学  第9号

が,河口より4km付近までの減衰はわずかであり,この傾向は潮セキの大きいほど顕著である。  感潮河道における水面形は,低水時の観測によれば,一定の水面コウ配を持たず,時間的に変化

しているか,渡川では感潮の著しい範囲(河口から4 km)を境とし,その上流で急コウ配となっ

ている。

      Distances from Watari River moutli

1.0 0

0 . 5 0 . 0 1。0 2.0 3.0 14.0 "\ 二=I;iy  \ `、    ヘ    ヘ ○ e Nakasuji R. Watari R. .0 6.0 ・.7.0 8.0 9.0 10.0 km へ `\ ヘ   ヘ \   \、 \ へ へ \

Fig. 4. Damping ratios of the tidal fluctuationsin Watari and Nakasuji River

       5.渡川および中筋川への塩水の侵入  河川への塩水の侵入は河水と海水の密度差によ,?て生じ,河口からかなり上流まで遡上すること が知られている。  感潮区域での塩分の遡上には,海水がクサビ状をなすクサビ型侵入と海水が拡散される拡散型侵 入の二つに大別される。一般に潮差が大で,河川固有流量か潮七牛流量に比して小さく,流向の反 転が起る場合後者となる。低木時の波川は後者のタイプである。  渡川における塩水侵入限界流m 9o(塩水クサビの先端が河口にある場合)は大坪他田による式      9o=1/匹●ルソ万      。       −  ただし1  巳 ̄(ρ2−ρ1)/ρ2       ≒       ρ1;淡水密度,ρ2;塩水密皮    ・,       Å;河口断面積 「       H;河口水深m から計算すると(£ = 0.024, A=l,426 「, H = 7;2m) 1870 「/Sであり,かなり大きい流量まで 塩水侵入が見られる。      .  Fig. 5 は昭和45年1`2月の長期渇水時における塩水侵入状況を示したもので,最渇水時(Q° 13.92 「/s)における山路地区周辺(渡川6.5 km,中筋川2.4 km)の塩分濃度は104μび/cmの orderを示している。  Fig. 6は渡川(山路渡)および中筋川(ドウカ椙)における同時期の河川流量に対する塩分濃 度を示している。山路渡およびドウカ椙付近では潮セ牛の大きさと塩分濃度との間に有意な関係は

(5)

Sanezaki 1 欧 χ   「 A j T A i p n p u o o   o i n o a i g 沖積地の地下水に関する研究べn)(上森・近森・松田)

      Distances from Sanezaki

Fig. 5. Salt concentrations in Watari and Nakasuii River

    09 0︵M︶○      @     @     ● ・   ● . ●       I A j i A i p n p u o o   o u p a i g ぱ ● ○○  ○ ○ 1.0 + 2Q ○ ○ ○ ○ Nakasuji (2. 4km) Watari (6. 5km) ○ ○ (Nakasuji)   2.∂ ○ 4 ○ ・ ・ − ¶ 3.a

゛鴉

km 91       Discharges (Watari)

(6)

 92         高知大学学術研究報告  第19巻 ∧自然科学  第9号 見られず,渡川流量が20 「/s以下になれば,潮セ牛の大ぎさにかかわらず,満潮時には地区内帯 水層への塩分の侵入が考えられる○      ゛ ’ 4 地下水位・変動  地区内の井戸(Fig. 7)水位は表層の難透水層り:I’へ被庄上昇jしており,潮の干満にともなって変 動している。      ,j  Fig. 8 は渡川,中筋川および地区内観測井(Fig↓7参照)_における水位変勁こを下田検潮所 の潮位変動ぐoとの比で示したものである。 これによれば,中筋川および地区内水位変動は渡川に おけるそれより一般に大きい。したがって中筋川は表層が腐植。まじ,り粘でおおわれ地区内透水層と 隔絶されているか,水位の変動は中筋川の影響をうけているものと推察される。  一般に透水層は砂レキによって構成されておりにその空ゲキは水で満たされている。被圧弾性透 水層の理論(2Jに従えば,ρ・g・くを変動水圧,ρ・g・Pを透水層にはたらく変勁圧力とすると,単位 時間に単位体積の砂レサ系が収縮する量は   フ ape 臥、P−ζ)  ………1 - ∂t       ……  ただし,α;砂レキ系の圧縮率       ρ;水の密度       g;重力の加速度 またしぼり出される水量は £ 駅、∂P一仁)  ∂Z Fig. 7

Locations of the observation .wellsin Yamaii area

( 1 )

(7)

 ただし,

となる。

1.0

沖積地の地下水に関する研究(n)(上森・近森・松田)

  Distances from Watari River mouth

4.0    5.0 6.0

0.5 0 . 0 ん=透水係数  =ヌC 7 . 0 km (4) ( 5 ) 95

  \、

   y・。

       Fig. 8. Damping rations of the fluctuationsof the water levels in Watari        and Nakasuii River and the piezometric heads in wells

ただし,1∃pg(α十祁)     ∂゜α/(α十祁)     β=永の圧縮率     λ=空ゲキ率 で与えられる。  したがって被圧地下水の辿続式は次式で与えられる。       ∂(λPu')  ∂(λρノ)  ∂(λρ7む')   ∂(l∂ρ−こ)        ∂jと   十一一石□一十一否Σ一一=叩  ∂z.     ………(3)  ただし,ぶi V 7 ZVは透水層の収縮によってしぼり出された水の流速ベクルトのx> v> z成 分  (3)式において,ρは一定,g≫戸yとすると,       μ=−c-にX り= ̄c-1  ただし,じ=gゲ       /=砂レ牛系のマサヅ係数 (4)式を(3)式に代入し,整理すると,

,普=斗話・←背卜首→-パヤ

(8)

94 高知大学学術研究報告  第19巻 I 自然科学  第9号

 これは水平または水平に近い透水層における被圧地下水めPiezometric head の変動に関する

基本式である。      ’ヽ  長い海岸線に被圧透水層が通じている模型について考える。

         ト  inpermeable layer

Fig. 9. Model of confined ground water

×  透水層の上下両而では,隣接尼iとの間に水の出入はないから, 2=0, -hの場合,t。'=0, f=0 とおいて■ (5)式を2=Oからー/。まで積分すると。‘ (6) となる。  海面の調和条件による境界条件を   jむ=O で C = Co COS 心   ヱ→ooで ぐ=0 とすると. (6)式の解は      C = CoeχpC―ma;) cos {(ft―mx) ………(7)  ただし。,:分潮速度      m:1/乱フ云こ  また透水層の出口が閉そくされている場合には,海水面の変勁による海底荷重の変化が考えられ る。  閉そく壁を鉛直と仮定し,その位置を   jむ=−α とし. (5)式の?を?O sin 叱と仮定すれば,荷重変化は海底だけに起るから, 02J之 ̄“ で  P=Po sin ″£ } ………(8) O≦a    で  P=O   犬 ● となる。また閉そく端で水の出入がないから,境界条件は である。 x= ―a・で どZJ→OQで ( 9 )

(9)

沖積地の地下水に関する研究(II)(上森・近森・松田)

(6)式に?の項を入れると,

    幼年=肌べじふ十

となる。(8), (9)式を考慮してz≧Oの範囲について解くと,

ぐ=牛[exp {-mx) sin{ot一m功−exp卜叫工+ 2a)}

X sin{at-in[x+la)] …… ao) 叫 95 となる。  すなわち,被圧地下水でも波形の伝播は可能であって,振幅の減衰も位相の遅れもあらわれる。  地区内帯水層については開式においては,砂レ牛系の圧縮率は不明であるが,一般にg=10-6∼ 10-'程度であるから,透水係数たをparameterとして,中筋川1.6 km地点を原点にとり,減 衰曲線を示すとFig. 10となる。これに地区内観測井の水位変動をplotすると破線で示すように ん= 0.1∼0.01 cm/s の範囲にあって比較的よく減衰状態を表わしている。 1。0。 O』 々 1 J 0.01 0 100  200  300  400  500  600  700 m

Fig. 10. Damping ratios of the water level fluctuations of the aquifer in this area

地下水の性状と塩害の発生  Fig. 11は低水時(Q= 13.92∼32,23 「/s)における渡川(山路渡)および中筋川(山路橋) における水位の相関を示したものである。  渡川の山路渡は中筋川の山路橋よりかなり上流にあたり,正確な水位相関は,実崎から同じ距離 地点で比較すべきであるが,山路渡に対応する中筋川の水位記録がなく,また中筋川はほとんど水 面コウ配がないので,この相関は対応地点のものに類似すると見なしてよい。渡川水位がT.P。=       S  `       1

(10)

96 1 . 0 m  lo O        ︵dl︶IJOJO/M −0.5 1 . 5 高知大学学術研究報告  第19巻  自然科学  第9号 −1.0       −0.5     ∧/;kasり・CT丿) 0.0  m    0.5

Fig. 11. Relation of the water levelsin Watari (6. 5km) and Nakasuji (2. 2km)       River at the lower discharges”

∼土トトトよ

Groundこelevation '(Well Na8) 6.23M

Ground elevation (Well Naい5.2M

Inpermeable Layei

-Permeable Layer

Nakasuji Rive・

Fig. 12. Fluctuations of the 、vaterlQ、・elsin Watari and ・Nakasuii River and  of the piezometric heads in wel】s

(11)

\ l e u i e / ^ 0,5 m  o   ︵UB;ByV\︶‘   心 C'd'X︶ SUOIJEASp JSJB^^ -1.0 沖積地の地下水に関する研究(II)「」二森・近森・松田) ∞1=`泌 S O N   1 1 3 M f r O N │ │ 3 M jdヱ=QI I   ' O N . J O m 一 l u s e q I J e u i B i

Fig. 13. Elvations of water levels in M  piezometric heads in wells at the same times

(tfnsEJJBIvJ︶ 97 Om以上では両水位はかなり高い相関を示し,また一般に渡川水位が高いことがわかる。  Fig. 12は河川水位お’よび地区内観測井(Fig. 1参照)水位を示したもので地下水は難透水層 に被圧上昇していることがわかる。  Fig. 13は地区内外の同時水位を示したもので,河川水位,地区内水位とも渡川から中筋川に向 ってheadがついていることは明らかである。  また上述の地質調査によると地区の表層および中筋川沿岸はた=10-6∼10-8 cm/s の難透水層で 琶われており,波川沿岸は視察によると透水性の大き’い砂レキが見られ。これが地区内帯水層に連 絡していると思われる。  以上。の結果から本地区内の地下水帯の性状を棺定すると, Fig. 14 (模式図)のようになり,中

Ground surface Pumping well

       /”//

(12)

98 高知大学学術研究報告  第1り巻  自然科学  第9号 筋川との交流は困難で,渡川より淡塩水とも供給されていると考えられる。もちろん本川流量,干       1   7      7 満,大潮,小潮によって,水位および淡塩水の境界面は変化するが,密度と水圧のバランスに応じ たある界面をもって,地区内の淡水の下には常時塩水眉が存在していると見なすことができよう。:  中村農業改良普及所測定による45年1∼3月の揚水井戸水の塩分濃度はTable 1 のようで, 750 ∼2000μこタ/cmの範囲にあり,時間的変化ははあまり認められない。このことは常時低層には塩分 が停滞していることを裏付けている。

      Table l. Observed salt concentration of wells in μび/cm

1970. 1.     2.     2.     3.     3. N0. 2 7 0 3 2 1 1 0 2 3

No. 3 No. 4 No. 5 No. 6 No. 7 No. 8 No. 9 N0.10

1,500 1,200 1,100 1,700 1,700 2,000  900 1,400  750 1,200  850 1,800 1,000 1,500  850 1,300 L050 1,100 1,300 1,130 1。400 1,200 1,000 1,500 1,240 1,600 1,650 1 1,300 1,300 1,700 1,730  950 1,350 0   0   0 0   5   0 O J O n O O 1,000 l>100

記旨鼠ゴ

11.34 mVs 22.39 13.92 25.10 31.82  渡川木川の塩水の遡上をみると(Fig. 5),河川流量20 「/s以下の低水時には,地区内へ高濃 度(104μぶ/Cm)の塩水の供給があると見なしてよく;流量が30 「/S程度になると102μU/cm のオーダーとなり,それ以上の流量になれば地区内へ新しい塩水の供給は行なわれないと思われ る。 S E 3 J B ︱ 2 0 0 1 0 0 0 . 0 1960

ly

2 0 0 1 0 0 0 . 0 1953  1955 Years 1967 1969

Fig. 15. Caltivated areas (are) for plastichouse and pumped up duties       ofwater ( 「/s) secularly I に”’

(13)

       沖積地の地下水に関する研究(n)(上森・近森・松田)       99        - Fig. 15はハウス園芸栽培面積(アール)および使用水量( 「/day)の経年変化を示したもの で,年々増加しており,44年度の使用水量は140 「/day程度と推定される。この使用水量の増大 は,個々の揚水井戸下方の水圧をさげ淡塩境界層を上方へ引き上げる。全体的にこの境界層が高い ときには,当然塩水が井戸の中へ入る。 1 0 0               5 0 S u i s s B d   l u a o   j a d   4 m 3 1 3 / V V m   O         5        0 ︵^ ZSL "0十︶Cd-x︶OOpriQ uo srsASi jajBy^ 0 0       ■0.1      1j0 。lU.O       mm       Particlesizes

Fig. 16. Particle size distribution curves of the bed materials at some         distancesfrom Watari River mouth

 10        :20        30        Discharges

Fig. 17. Stage-discharge curve in Watari Ri、・e「

4o %

 昭和45年1∼2月におけるかんがい水の塩分の増大は,長期渇水のため渡川流量が減じ,渡川へ の塩水の遡上が大となり,また地区内の淡水圧も減じ塩水の侵入か一層助長されたこと,さらに多 量の取水により塩氷層が上昇したことによるものと思う。

(14)

100 Cd'X︶ISA31 B3S ('d'l︶ jjむの 0 . 0 -1.0 0 . 0 J . 0  高知大学学術研究報告  第19巻  自然科学  第9号 − Fig. 18 一 田 Fig. 18・,一一(2)・ Days Days

(15)

Cd-X︶pA3i Bag 0 . 0

1 . 0

沖積地の地下水に関する研究(H)(上森・近森・松田)

      Fig. 18 - (3)

Fig. 18. Tidal records in Shimoda Harbor

101 Days        結    語  以上,山路地区の塩害について考察してきたが,厳密な解析をするためには,さらに多くの資料 を得なければならない。ここで得られた結論を項目別にまとめれば次のようになる。  (1)山路地区付近の渡川および中筋川はともに潮限内にあり,潮位変動の減衰は渡川のそれが大 きく,中筋川のそ,れが小さい。 低水時の満潮時には地区付近の両河川とも塩分濃度が103∼104 μa/cmのorderで高い。  (2)地区内の地下水位変動は,弾性透水層の理論9 より,中筋川の水位変勁の伝播によるもの と考えられる。  (3)地区内井戸水の塩水化は,波川に侵入した塩分が地区内透水層の下部に侵入し,地下水の過 剰揚水のために上昇したことによるものと推定される。  なお,中筋川からの塩分の侵入は,渡川との水位差および中筋川底質の難透水性を考慮すれば無 視できよう。 ①② 引 用 文 献 土木学会 水理公式集 土木学会 本間,石原 応用水理学中n 丸善KK (昭和45年9月28日受理)

(16)

   正  誤  表 沖積地の地下水に関する研究 (n)

正 88(2) 89 (3) 93 (7) 図一2  12 図一8 Ground EL Clav クローム Damping rationsof… Ground EL. Clay ローム Damping ratiosof…

Fig. 1. Plain view of 山e lower basin of Watari River
Fig. 2. Geo】ogical profiles of Yamaji area
Fig. 3. Particle size distribution curves of the aquifei・ in this area
Fig. 4. Damping ratios of the tidal fluctuationsin Watari and Nakasuji River
+7

参照

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