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大阪工業大学 工学部電気電子システム工学科 パルスパワー工学研究室(見市研究室)

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Academic year: 2021

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静電気学会誌,45, 3(2021)122

研 究 室 め ぐ り

1

.はじめに 大阪工業大学は学校法人常翔学園が設置する学校の一 つで,この他に摂南大学,広島国際大学,常翔学園中学 校・高等学校,常翔啓光学園中学校・高等学校がある. また来年の 2022年には学園は創立 100周年を迎える. 大阪工業大学というと大阪駅近くの梅田キャンパス (OIT 梅田タワー)を思い浮かべる方も多いかもしれな いが,残念ながら本学科は大阪市旭区の大宮キャンパス にあり,梅田を利用する機会は少ない.それでも長年使 用していた校舎が取り壊しになる関係で昨年新校舎に引 越しをしたため,学科の印象は明るくなったと思われる. 本学科には現在 16 の研究室があり,それぞれが電気電 子システム工学の幅広い分野をカバーしている.なお, 同所属の吉田恵一郎准教授(プラズマ・環境工学研究 室),眞銅雅子准教授(プラズマ物性工学研究室)とは放 電・プラズマという同じようなテーマを扱っていること から,研究教育活動において協力体制を築いている.本 研究室は,見市が着任した 2003年からパルスパワーを中 心とした研究を行ってきた.パルスパワーは出身の佐賀 大学山部先生の研究室時代から行ってきたものであるが, その対象は水質浄化であり,現在も対象は大きく変わっ ていない.ただし最近は研究室名とは異なる手法を用い た研究を行っており,室名の変更をすべきか思案してい る.年度による人数の変動はあるもののここ数年は学部 生が6名程度,院生が3名程度の体制で研究を進めている.

2

.研究内容 当研究室では,放電プラズマと静電気力を利用した水 中難分解性物質の分解やカーボンブラックの分散などの 応用研究を行っている.以下に研究事例を紹介する.

2.1

 直流コロナ放電を用いた水処理 水面に負極性直流コロナ放電を照射するという単純な 手法で難分解性物質のモデル物質である酢酸を分解する ことができる.この時グローコロナの放電形態となるた め放電プラズマと水は非接触である.コロナ放電によっ て生成した活性酸素種は,同時に生じるイオン風によっ て液面・液中に到達し,様々な液相化学反応が起こる. 酢酸の分解には OH ラジカルが必要であることから,こ の液相化学反応によって OH ラジカルが生成していると 考えられる.本方式は直流であるため,パルス放電方式 と比較すると分解効率は 1桁程度低くなるが,反応過程 を明らかにすることで効率の向上を目指していきたい.

2.2

 液中活性酸素種の化学反応解析 コロナ放電によって液相に供給された活性酸素種は複雑 な化学反応過程を経て OH ラジカルが生成される.これを 解析するためにオゾンの自己分解反応やオゾンと過酸化水 素による OH ラジカルの生成反応の式を用いて酢酸水溶液 中の活性酸素種の化学反応計算を行っている.30 のレー ト方程式を解き,それぞれの時間発展を求めた結果,オゾ ンと過酸化水素が供給されるモデルでは実験結果と一致 しないこと,それらに加えて負イオンである O3-が供給さ れるモデルではよく一致することを明らかにしている.

2.3

 カーボンブラックの分散処理 このようにコロナ放電が照射された液面は特殊な反応 場となっている.新たな試みとして,カーボンブラック を入れた水溶液にコロナ放電照射を行った結果,水溶液 への分散が可能であることが明らかになった.詳細なメ カニズムは調査中であるが,今後もこの反応場を利用し た応用研究を進めていきたいと考えている.

2.4

 様々な電極形状における部分放電の検出 近年,省エネ社会の構築に向けてインバータによるモー タの高効率化が進展している.その結果,高電圧化,高周 波化,高パワー密度化が加速しており,それらによる異常 電圧波と部分放電の発生が問題となっている.企業から類 似した相談があり,当研究室でも部分放電に関する研究を 立ち上げることとなった.産業界のニーズに応えるべく部 分放電に関連した計測を行っていく予定である.

3

.おわりに パルスパワーの応用から始まった研究室の主たるテー マは直流コロナ放電を中心としたものに形を変えつつあ るが,大型パルス電源はいつでも動かせる状態にある. これからも様々な手法を用いて新しい技術の開発に挑戦 していきたい. (見市 知昭) 〒535-8585 大阪市旭区大宮5-16-1 Tel:06-6954-4422 Fax:06-6957-2133 Email:tomoaki.miichi@oit.ac.jp

大阪工業大学 工学部電気電子システム工学科

パルスパワー工学研究室(見市研究室)

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