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コロナ禍での保育実習(学内実習)の実践報告 ―障害者の生活支援を取り入れた取り組み―

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Academic year: 2021

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まつい きくこ(幼児教育学科) - 106 -

コロナ禍での保育実習(学内実習)の実践報告

―障害者の生活支援を取り入れた取り組み ―

A Report on Ln-School Childcare Internship under Coronavirus

Pandemic Situation

―Focusing on Life Support for Physically Challenged People―

松 居 紀 久 子 MATSUI Kikuko 【 要 約 】 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス 感 染 症 の 拡 大 防 止 の た め 、 本 学 幼 児 教 育 学 科 で は 「 保 育 実 習 Ⅲ 」( 施 設 実 習 )を 学 内 実 習 、学 外 実 習 そ れ ぞ れ 5 日 間 の 2 部 構 成 で 実 施 し た 。本 研 究 の 目 的 は 、学 内 実 習 の 生 活 支 援 の 部 分 に 焦 点 を 当 て 、実 習 内 容 の 成 果 と 今 後 の 課 題 を 明 ら か に す る こ と で あ る 。 実 習 先 へ の ア ン ケ ー ト 調 査 及 び 、学 生 の 実 習 日 誌・学 内 実 習 と 学 外 実 習 の 事 後 レ ポ ー ト か ら 、1.実 習 先 は 、学 生 が 障 害 児・者 に 対 す る 生 活 支 援 技 術 を 学 ん で い る こ と を 望 む 傾 向 が あ る こ と 。2.学 内 実 習 に 介 護 実 習 室 、福 祉 用 具 等 の 組 み 入 れ が 有 意 義 で あ っ た こ と 。3.保 育 士 を 目 指 す 学 生 が 介 護 分 野 の 生 活 支 援 技 術 を 学 ぶ こ と で 、多 職 種 協 働 へ の 理 解 に つ な げ る こ と が で き た こ と が 明 ら か に な っ た 。今 後 の 実 習 で も 、実 習 の 事 前 学 習 の 内 容 に つ い て 検 討 の 継 続 が 必 要 で あ る こ と が 示 唆 さ れ た 。 キ ー ワ ー ド 保 育 実 習 施 設 実 習 学 内 実 習 生 活 支 援 技 術 Ⅰ 目 的 保 育 士 養 成 課 程 の 保 育 実 習 実 施 基 準 に 基 づ い て 、本 学 幼 児 教 育 学 科 で は「 保 育 実 習 Ⅲ 」( 施 設 実 習 ) は 従 来 2 年 前 期 の 6 月 に 学 外 実 習 と し て 10 日 間 実 施 し て き た 。 し か し 、 新 型 コ ロ ナ ウ イ ル ス の 流 行 拡 大 防 止 の た め 、 時 期 を 変 更 し て 学 内 実 習 5 日 間 ( 6 月 授 業 期 間 ) と 学 外 実 習 5 日 間 ( 8 月 夏 季 休 暇 期 間 ) に 分 け て 実 施 す る こ と と し た 。 ま た 、 学 内 実 習 の 5 日 間 は 生 活 支 援 と 模 擬 保 育 に つ い て の 構 成 と し た 。 生 活 支 援 に つ い て は 、「 保 育 実 習 Ⅲ 」の 前 に ま と め た「 保 育 実 習 Ⅰ -2」( 施 設 実 習 )の 学 内 事 前 指 導 に 関 す る 施 設 側 の 要 望 と 、 T 県 内 で は 障 害 児 の 施 設 実 習 先 が 少 な く 、 障 害 者 施 設 で の 実 習 が 余 儀 な く さ れ る 状 況 か ら 、介 護 教 員 資 格 を 有 す る 筆 者 が 介 護 職 員 初 任 者 研 修 や 介 護 福 祉 士 養 成 課 程 で の 教 授 内 容 な ど を 参 考 に 内 容 を 検 討 し 、 実 施 し た 。 本 研 究 で は 、今 後 の 保 育 実 習( 施 設 )の 事 前 指 導 に も 役 立 て る べ く 、学 内 実 習 の 日 誌 及 び

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- 107 - 学 内 実 習 レ ポ ー ト に 見 ら れ る 生 活 支 援 の 学 習 に つ い て の 成 果 と 今 後 の 課 題 を 明 ら か に す る こ と を 目 的 と す る 。 Ⅱ 方 法 1. 実 習 レ ポ ー ト の 分 析 ・ 考 察 ( 1) 対 象 学 生 保 育 実 習 Ⅲ を 選 択 2 年 生 11 名 ( 12.4 % ) ※ 在 籍 学 生 89 名 ( 2) 実 習 の 事 後 レ ポ ー ト ① 学 内 実 習 5 日 間 の 終 了 後 に 提 出 ( A4 1 枚 、 20 行 手 書 き 約 800 字 ) ② 学 外 実 習 の 事 後 レ ポ ー ト 学 内 実 習 5 日 間 の 終 了 後 に 提 出 ( A4 1 枚 、 20 行 手 書 き 約 800 字 ) Ⅲ 保 育 実 習 Ⅲ の 構 成 ( 1) 保 育 実 習 Ⅲ の 概 要 ・ 実 施 期 間 : ① 学 内 実 習 6 月 22 日 ( 月 ) ~ 6 月 26 日 ( 金 ) 5 日 間 ② 学 外 実 習 8 月 17 日 ( 月 ) ~ 8 月 21 日 ( 金 ) 5 日 間 ・ 時 間 : ① 学 内 実 習 9: 10~ 17: 15 ② 学 外 実 習 各 施 設 指 示 ・ 内 容 : 主 に 施 設 ( 障 害 児 ・ 者 ) の 生 活 支 援 及 び 模 擬 保 育 ( 集 団 レ ク リ エ ー シ ョ ン ) を 中 心 に し て 実 施 す る 。 ( 2)「 保 育 実 習 Ⅲ 」 に つ い て 学 生 配 布 資 料 を 以 下 の よ う に 作 成 し た 。 保 育 実 習 実 施 基 準 よ り 保 育 実 習 Ⅲ の 目 標 及 び 内 容 【 保 育 実 習 】 < 科 目 名 > 「 保 育 実 習 Ⅲ 」( 実 習 ・ 2 単 位 : 施 設 実 習 ) < 目 標 > 1. 児 童 福 祉 施 設 等 ( 保 育 所 以 外 ) の 役 割 や 機 能 に つ い て 具 体 的 な 実 践 を 通 し て 理 解 を 深 め る 。 2.家 庭 と 地 域 の 生 活 実 態 に ふ れ て 、子 ど も 家 庭 福 祉 、社 会 的 養 護 、障 害 児 支 援 に 対 す る 理 解 と 共 に 、 保 護 者 支 援 、 家 庭 支 援 の た め の 知 識 、 技 術 、 判 断 力 を 習 得 す る 。 3. 保 育 士 の 業 務 内 容 や 職 業 倫 理 に つ い て 具 体 的 な 実 践 に 結 び 付 け て 理 解 す る 。 4. 実 習 に お け る 自 己 の 課 題 を 理 解 す る 。 < 内 容 > 1. 児 童 福 祉 施 設 等 ( 保 育 所 以 外 ) 役 割 と 機 能 2. 施 設 に お け る 支 援 の 実 際

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- 108 - ( 1) 受 容 し 、 共 感 す る 態 度 ( 2) 個 人 差 や 生 活 環 境 に 伴 う 子 ど も (利 用 者 )の ニ ー ズ の 把 握 と 子 ど も 理 解 ( 3) 個 別 支 援 計 画 の 作 成 と 実 践 ( 4) 子 ど も ( 利 用 者 ) の 家 族 へ の 支 援 と 対 応 ( 5) 各 施 設 に お け る 多 様 な 専 門 職 と の 連 携 ・ 共 同 ( 6) 地 域 社 会 と の 連 携 ・ 協 同 3. 保 育 士 の 多 様 な 業 務 と 職 業 倫 理 4. 保 育 士 と し て の 自 己 課 題 の 明 確 化 学 内 実 習 ・ 保 育 士 養 成 課 程 に よ り 、 定 め ら れ た 目 標 と 内 容 を 達 成 す る た め に 工 夫 を し 、 実 施 す る 。 ( 1) T 県 社 会 福 祉 協 議 会 福 祉 カ レ ッ ジ に よ る 福 祉 体 験 講 座 の 受 講 ( 2) 施 設 の 生 活 支 援 の ラ イ ブ 配 信 、 オ ン デ マ ン ド に よ る 視 聴 と 解 説 ( 3) 実 習 施 設 の 動 画 視 聴 と 解 説 ( 4) 協 力 施 設 の 協 力 の も と 、 事 例 検 討 、 個 別 支 援 計 画 の 作 成 ( 5) 生 活 支 援 の 体 験 ( 6) 部 分 実 習 ( 余 暇 活 動 ) ( 7) 調 べ 学 習 、 自 己 課 題 の 整 理 Ⅳ 学 内 実 習 の 立 案 1. 施 設 実 習 先 「 保 育 実 習 Ⅰ - 2」 か ら の 本 学 へ の 要 望 今 年 度 の 調 査 か ら は 、本 学 へ の 要 望 と し て 初 め て 生 活 支 援 技 術 に つ い て の 内 容 が み ら れ た 。 従 来 の 実 習 施 設 懇 談 会 で は 、学 生 の マ ナ ー や 実 習 日 誌 、指 導 案 の 記 入 方 法・内 容 が 主 な 検 討 事 項 で あ っ た 。 2. 施 設 実 習 先 「 保 育 実 習 Ⅰ -2」 の 本 学 へ の 要 望 に よ る 学 内 実 習 の 構 成 に 対 す る 分 析 ・ 考 察 今 年 度 は コ ロ ナ 禍 に よ り 、幼 児 教 育 学 科 で は 実 習 施 設 懇 談 会 の 開 催 を 取 り 止 め 、質 問 紙 法 で 要 望 を 調 査 し た 。 ( 1) 期 間 令 和 2 年 5 月 11 日 ~ 5 月 末 ま で ( 実 習 依 頼 承 諾 書 と 同 封 で 回 答 を 返 信 ) ( 2) 対 象 施 設 本 学 の 依 頼 す る 保 育 実 習 Ⅰ -2( 施 設 ) 32 施 設 回 答 率 32 施 設 中 30 施 設 ( 93.8% ) ( 3) 質 問 内 容 ① 本 学 科 の 保 育 実 習 指 導 に 関 し て 、 特 に 指 導 上 留 意 し た こ と に つ い て

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- 109 - ② 保 育 実 習 に 関 す る 事 前 指 導 で 、 特 に 必 要 と 考 え ら れ る 内 容 に つ い て ③ そ の 他 、 質 問 や 意 見 な お 、 上 記 ① ~ ③ は 、 い ず れ も 自 由 記 述 で の 回 答 で あ る 。 上 記 ② で 生 活 支 援 に つ い て の 要 望 を 含 む 回 答 を 検 討 材 料 と し た 。回 答 は 、30 施 設 中 6 施 設 ( 20% ) で あ っ た 。 実 習 施 設 先 か ら の 要 望( 表 1 )に は 、障 害 児・障 害 者 に 対 す る 生 活 支 援 技 術 の 内 容 が 含 ま れ て い る 。 本 学 で は 、 主 に 子 ど も へ の 生 活 関 連 を 教 授 す る 講 義 科 目 と し て は 「 乳 児 保 育 Ⅰ 」 「 子 ど も の 食 と 栄 養 Ⅰ 」「 子 ど も の 保 健 」「 特 別 支 援 論 Ⅰ 」「 社 会 福 祉 」な ど が あ る 。ま た 、演 習 科 目 で は 「 乳 児 保 育 Ⅱ 」「 子 ど も の 健 康 と 安 全 」「 子 ど も の 食 と 栄 養 Ⅱ 」 が あ る 。 寄 せ ら れ た 要 望 か ら は 、障 害 者 を 中 心 に し た 個 人 の 尊 厳 、障 害 特 性 の 理 解 に 加 え 、対 面 で ケ ア す る た め の 生 活 支 援 に 関 す る 内 容 も 見 て 取 れ た 。 ま た 、障 害 者 施 設 に 勤 務 す る 保 育 士 に よ る 特 別 講 義 か ら は 、生 活 支 援 技 術 の 必 要 性 を 感 じ た こ と 。勤 務 先 の 希 望 も あ っ て 介 護 福 祉 士 の 資 格 を 取 得 し た こ と で 、尊 厳 あ る 日 々 の 生 活 に 寄 り 添 え る 強 み を 持 っ た 保 育 士 と し て 、そ の 丁 寧 な 関 わ り か ら 信 頼 を 得 て い る こ と を 伺 っ た 。 ま た 、施 設 で は 多 職 種 協 働 で 障 害 者・障 害 児 の 生 活 支 援 を 実 践 す る た め 、生 活 支 援 を 学 ぶ 大 切 さ を 強 調 さ れ て い た 。前 述 の 実 習 施 設 か ら の 要 望 と 併 せ 、障 害 者 施 設 で の 保 育 士 に は 幅 広 い 役 割 が 求 め ら れ る こ と が わ か る 。 表 1 保 育 実 習 に 関 す る 事 前 指 導 で 、 特 に 必 要 と 考 え ら れ る 内 容 に つ い て 施 設 ( 種 別 ) 要 望 A( 児 童 養 護 ) 利 用 者 理 解 。 利 用 者 と の 距 離 感 に つ い て 。 B( 生 活 介 護 児 童 発 達 支 援 ) 障 害 と は ど の よ う な も の か ( 種 類 、 具 体 的 に ど の よ う な も の か ) C( 障 害 者 支 援 施 設 ) 出 来 事 の 前 後 の 様 子 、 環 境 、 支 援 者 の 対 応 、 障 害 特 性 等 か ら 課 題 を 見 つ け 出 す こ と が で き る 。 D( 生 活 介 護 ) 歯 磨 き や 排 せ つ な ど の 介 助 が 必 要 。 必 要 性 や 方 法 ( 事 前 に 大 ま か で よ い の で ) を 学 ん で く る と 、 心 構 え が で き て 取 り 組 み や す い の で は な い か 。 E( 障 害 者 支 援 施 設 ) 利 用 者 へ の 守 秘 義 務 を 徹 底 し 、 プ ラ イ バ シ ー に 対 す る 配 慮 の 大 切 さ 。 特 に 多 い 疾 病 へ の 理 解 、 ケ ア 、 技 術 面 に つ い て 基 礎 的 な 内 容 で よ い の で 、 事 前 指 導 が 必 要 。 F( 障 害 者 支 援 施 設 ) 利 用 者 の 尊 厳 を 大 切 に し た 関 わ り や 、 守 秘 義 務 に つ い て 。 こ れ ら は 、「 保 育 実 習 Ⅲ 」 の 実 習 施 設 は T 県 で は 障 害 者 施 設 が 多 い こ と に よ る 特 徴 的 な 傾 向 と 捉 え る こ と が で き る の で は な い か 。 実 習 で 学 生 は 介 護 職 員 か ら も 指 導 を 受 け て い る が 、

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- 110 - 生 活 支 援 に 関 し て 保 育 士 養 成 の 学 習 内 容 と 介 護 福 祉 士 養 成 と の 相 違 の 理 解 が 徹 底 さ れ ず 、相 互 に 戸 惑 い を 感 じ て い る の で は な い か と 推 察 す る 。学 生 は 生 活 支 援 の 学 習 が な い と 利 用 者 へ の 介 助 に 戸 惑 い 、結 果 と し て 利 用 者 理 解 が 深 ま ら ず 、指 導 案 の 立 案 に も 支 障 を き た し か ね な い と 考 え ら れ る 。 本 学 の 保 育 実 習 で は 実 習 日 誌 に 実 習 内 容 を 残 す が 、 全 体 的 な 傾 向 と し て 生 活 支 援 ( 介 護 ) に つ い て は 実 際 に 学 生 が ど の 程 度 の 体 験 等 を 行 っ て い る の か は ま と め ら れ て い な か っ た 。そ れ は 、保 育 士 養 成 の 実 習 の ね ら い に は 生 活 支 援 技 術 の 文 言 が 明 記 さ れ て お ら ず 、教 育 課 程 に お い て も 障 害 者 の 生 活 支 援 技 術 の 演 習 が 求 め ら れ て い な い か ら で あ る 。 そ の た め 、学 生 の た め に 実 習 チ ェ ッ ク リ ス ト な ど を 作 成 し 、分 析・検 討 し て 、障 害 者・障 害 児 施 設 と も に 、ど の 程 度 の 生 活 支 援 技 術 が 事 前 学 習 に 求 め ら れ て い る の か を 確 認 す る こ と が 今 後 の 課 題 と し て 挙 げ ら れ る 。 3. 学 内 実 習 5 日 間 の ス ケ ジ ュ ー ル 立 案 (1)学 内 実 習 で の 生 活 支 援 の 構 成 学 生 は「 保 育 実 習 Ⅰ -2」( 1 年 次 の 施 設 実 習 )を 修 了 し て い る が 、実 習 配 属 先 の 施 設 種 別 も 学 生 に よ っ て 異 な る 。い ず れ に し ろ 、実 習 先 の 具 体 的 理 解 と 、実 習 の ね ら い か ら 関 わ り の ア セ ス メ ン ト を 深 め な け れ ば な ら な い 。な お 、「 保 育 実 習 Ⅲ 」を 選 択 し た 学 生 は 、施 設 に 就 職 を 希 望 す る 者 が 多 数 を 占 め る 傾 向 が あ る 。 そ こ で 、筆 者 が 介 護 福 祉 士 養 成 課 程 と 介 護 職 員 初 任 者 研 修 の 生 活 支 援 技 術 を 教 授 し た 内 容 か ら 、教 え る べ き 生 活 支 援 の 基 本 を 施 設 の 要 望 に 合 わ せ て 検 討 し た 。さ ら に 、本 学 の 介 護 福 祉 士 養 成 課 程 で あ る 健 康 福 祉 学 科 の 協 力 を 得 て 、介 護 実 習 室 及 び 入 浴 実 習 室 、介 護 用 品 、福 祉 用 具 を 活 用 し 、学 内 実 習 の 5 日 間 に 組 み 入 れ た 。本 学 が 、学 科 を 超 え た 横 断 的 学 習 が 可 能 で あ る 環 境 に あ る 強 み を 生 か す こ と が で き 、か つ 同 じ 福 祉 専 門 職 と し て の 多 職 種 協 働 へ の 理 解 に 繋 げ ら れ た こ と は 、 学 内 実 習 で の 大 き な 成 果 と な る も の で あ る 。 生 活 支 援 の 体 験 学 習 の 内 容 は 、 限 ら れ た 時 間 内 で ICF の 6 つ の 構 成 因 子 を 参 考 に 構 成 し 、 生 活 支 援 技 術 の 原 理 原 則 と 事 故 防 止 の 理 解 、そ し て 体 験 か ら 障 害 者 に 寄 り 添 っ た 介 助 の 理 解 を 学 習 の ね ら い と し た 。以 下 の 内 容 は 、学 習 の ね ら い 及 び 時 間 配 分 的 に は か つ て の 訪 問 介 護 員 養 成 の 生 活 支 援 プ ロ グ ラ ム か ら 抜 粋 し て の 構 成 で あ る 。 さ ら に 、「 特 別 支 援 論 」 等 の 授 業 進 度 と 実 習 施 設 の 情 報 か ら 、 医 療 的 ケ ア 児 の 理 解 が 重 要 視 さ れ て お り 、筆 者 が 医 療 的 ケ ア 教 員 と し て 健 康 福 祉 学 科 で 教 授 し て い た 際 の 機 器 や 教 材 で 簡 略 に オ リ エ ン テ ー シ ョ ン を 実 施 し た 。 以 下 は ICF に よ る 観 点 で あ る 。 ① 健 康 因 子 ( 疾 患 、 健 康 状 態 の 理 解 が で き る ) ・ 麻 痺 を 起 こ す 疾 患 や 視 力 障 害 の 疾 患 に つ い て 学 習 す る 。 ② 心 身 機 能 ・ 身 体 構 造 ( 生 活 の し づ ら さ を 理 解 で き る )

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- 111 - ・ 麻 痺 の 種 類 、 視 力 、 言 語 機 能 な ど に つ い て 学 習 す る 。 ③ 活 動 ( ADL:日 常 生 活 動 作 に 応 じ た 生 活 支 援( 自 立 支 援 )に つ い て 体 験 し 理 解 で き る ) ・ 疑 似 体 験 ( 片 麻 痺 ) ・ 食 事 ( ト ロ ミ 剤 を 使 用 し て お 茶 を い れ 試 飲 す る ) ・ 着 替 え ( 座 位 で の 前 開 き の 上 下 着 脱 ( 脱 健 着 患 の 理 解 ) を ペ ア で 交 互 に 行 う ) ・ 入 浴 ( 寝 台 特 殊 浴 槽 の 使 用 、 介 助 の 注 意 点 を 入 浴 実 習 室 で 行 う ) ・ 排 泄 ( 排 泄 介 助 の DVD 学 習 、 い た わ り ト イ レ 体 験 を 行 う ) ・ 移 動 /移 乗 ( a.車 い す の 介 助 ( 屋 外 コ ー ス ) ス ラ イ デ ィ ン グ ボ ー ド 等 を ペ ア で 交 互 に 行 う ) ( b.視 覚 障 害 者 の ガ イ ド ヘ ル プ を ペ ア で 交 互 に 行 う ) ( c.下 肢 装 具 、 杖 の 歩 行 介 助 ペ ア で 交 互 に 行 う ) ④ 環 境 因 子 ( 利 用 者 を 取 り 巻 く 環 境 、 福 祉 用 具 に つ い て 体 験 し て 理 解 で き る ) ・ T 県 社 会 福 祉 協 議 会 介 護 実 習 ・ 普 及 セ ン タ ー の 福 祉 用 具 体 験 講 座 Ⅰ の 受 講 「 高 齢 者 疑 似 体 験・車 い す 体 験 を 通 し て 、高 齢 者 や 障 害 者 に 対 す る 理 解 を 深 め る 。ま た 、 福 祉 用 具 を 実 際 に 体 験 し 、 福 祉 用 具 へ の 関 心 を 高 め る と と も に 、 福 祉 用 具 の 活 用 に つ い て 学 ぶ 」 こ と が 本 来 の 講 座 の 目 的 で あ る 。 本 来 は 高 齢 者 介 護 が 主 た る 講 座 内 容 で あ る が 、 保 育 実 習 Ⅲ の 対 象 は 障 害 児 ・ 者 で あ る こ と を 踏 ま え て 、 福 祉 用 具 コ ー ス と 車 い す 体 験 コ ー ス を ミ ッ ク ス さ せ 、 次 の 4 点 を 講 座 の 内 容 と し て 介 護 実 習 ・ 普 及 セ ン タ ー の 講 座 担 当 者 に 依 頼 し た 。 ・ 福 祉 用 具 の 選 び 方 ・ 扱 い 方 及 び 体 験 ベ ッ ド 、 杖 、 入 浴 用 品 、 食 事 用 品 、 排 泄 用 品 ・ モ デ ル ル ー ム 段 差 解 消 機 、 ス ロ ー プ 、 リ フ ト ・ 多 様 な 車 い す 、 操 作 方 法 と 介 助 方 法 ( 交 互 に 体 験 ) ・ 福 祉 車 両 の 介 助 方 法 ( 送 迎 車 の 体 験 ) W 株 式 会 社 ウ エ ル キ ャ ブ ス テ ー シ ョ ン よ り 、車 種 2 種 の 福 祉 車 両 で 乗 降 の 体 験 学 習 を 実 施 し た 。 ⑤ 個 人 因 子 介 助 の 声 か け や 対 処 に 個 人 を 尊 重 し た 配 慮 を 取 り 入 れ る 。個 人 情 報 の 守 秘 義 務 を 順 守 す る 行 動 を と る 。 ⑥ 参 加 介 助 の 際 に は 自 立 支 援 を 意 識 し 、 個 人 の 意 思 を 尊 重 し た 共 感 的 態 度 を と る 。 個 別 支 援 計 画 を 理 解 し た 関 わ り を 行 う 。 (2)学 内 実 習 の 5 日 間 ス ケ ジ ュ ー ル 「 保 育 実 習 Ⅲ 」 担 当 教 員 を 中 心 に 学 科 で 検 討 し 、 以 下 ( 表 2) の と お り 5 日 間 で 実 施 。

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- 112 - 表 2 学 内 実 習 5 日 間 の ス ケ ジ ュ ー ル 日 1 限 2 限 休 憩 3 限 4 限 基 本 日 程 9: 00~ 9: 20 ① 体 調 報 告 ② 出 席 印 ③ 日 誌 提 出 ④ 日 程 確 認 12: 20~ 指 定 教 室 13: 10~ ~ 17: 15 ① 6/22 ( 月 ) ① オ リ エ ン テ ー シ ョ ン フ ァ イ リ ン グ ② 施 設 の 1 日 概 要 ③ 11: 45~ 昼 食 12: 30~ 移 動 12: 45~ ○ ○ 苑 へ 移 動 見 学 ○ ○ 苑 か ら 移 動 1 4 : 00~ 14:30~ 介 護 実 習 普 及 セ ン タ ー 福 祉 講 座 ② 6/23 ( 火 ) ① 指 導 案 の 実 施 に 向 け た 準 備 ② 障 害 者 施 設 保 育 士 の 事 前 指 導 ICF の 概 要 麻 痺 ① 障 害 者 の 体 験 歩 行 ・ 車 い す の 移 動 介 助 ② 視 覚 障 害 者 の ガ イ ド ヘ ル プ ③ 模 擬 保 育 準 備 ③ 6/24 ( 水 ) ③ 生 活 支 援 方 法 の 学 習 電 動 ベ ッ ド 、 車 い す 移 乗 、 リ フ ト ④ 座 位 の 着 脱 ⑤ お む つ 交 換 ⑥ ト ロ ミ 作 成 医 療 的 ケ ア し く み の 理 解 ① 喀 痰 吸 引 ② 経 管 栄 養 福 祉 車 両 の 介 助 支 援 16: 30~ 福 祉 実 習 室 清 掃 ・ 消 毒 ④ 6/25 ( 木 ) 模 擬 保 育 準 備 役 割 ① 保 育 士 ② 職 員 ③ 利 用 者 ( 児 ) 模 擬 保 育 ① ② ③ 模 擬 保 育 ④ ⑤ 模 擬 保 育 ⑥ ⑤ 6/26 ( 金 ) 模 擬 保 育 ⑦ ⑧ 模 擬 保 育 ⑨ 模 擬 保 育 ⑩ ⑪ 学 内 実 習 を 終 え て レ ポ ー ト 作 成 *基 本 事 項 と し て 、 コ ロ ナ 感 染 症 対 策 を 実 施 し て 実 習 を 行 っ た 。 ア ル コ ー ル 消 毒 、 マ ス ク 、 フ ェ イ ス シ ー ル ド 、 手 洗 い 、 清 掃 等 と 、 学 科 で 作 成 し た 個 人 健 康 カ ー ド の 記 入 を 徹 底 さ せ た 。 Ⅴ 結 果 ・ 考 察 学 内 実 習 の 5 日 間 は 、保 育 実 習 Ⅱ と 並 行 し て 実 施 さ れ た 。学 科 教 員 の 配 置 、教 室 の 手 配 や 感 染 防 止 対 策 に 取 り 組 む 必 要 が あ り 、実 習 担 当 教 員 2 名 は 特 に 拘 束 時 間 が 増 加 し た 。学 科 で

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- 113 - は 保 育 実 習 Ⅱ の 学 内 実 習 も 並 行 し て 行 わ れ て お り 、教 員 の 配 置 や ス ケ ジ ュ ー ル の 調 整 が 課 題 で あ る 。 ・生 活 支 援 に つ い て は 、健 康 福 祉 学 科 の 介 護 実 習 室 の 空 き 時 間 に 利 用 す る タ イ ト な ス ケ ジ ュ ー ル で あ っ た が 、学 生 は 施 設 保 育 士 と し て の 就 職 を 目 指 し て お り 、真 剣 で 質 問 も 活 発 で あ り 、 機 敏 な 行 動 で 臨 む な ど 実 習 態 度 は 良 好 で あ っ た 。毎 日 の 実 習 日 誌 に は 、「 保 育 実 習 Ⅰ -2」の 1 年 生 の と き よ り 生 活 支 援 技 術 の 原 理 原 則 を 理 解 し て 実 施 し た こ と で 自 信 を 持 っ た 記 述 が み ら れ た 。ま た 、特 に 感 染 対 策 を 講 じ な が ら の ペ ア で の 障 害 者・介 助 者 と し て の 実 習 か ら 、新 型 コ ロ ナ に 対 す る 感 染 対 策 の 重 要 性 が 身 に つ い た と の 記 述 も あ っ た 。 ま た 、施 設 利 用 者 の 送 迎 の 学 習 を 、民 間 企 業 に 福 祉 車 両 の 介 助 を 依 頼 し て 実 施 し た 。実 施 後 に 学 生 11 名 に ア ン ケ ー ト 調 査 し た 結 果 、「 ① 内 容 は ど の 程 度 理 解 で き ま し た か 」 で は 、 5 段 階 評 価 で 平 均 4.5。「 ② こ の プ ロ グ ラ ム は あ な た の 今 後 の 進 路 に 役 立 つ も の で し た か 」 は 、 5 段 階 評 価 で 平 均 4.6 と 、 い ず れ も 高 評 価 で あ っ た 。 自 由 記 述 で は 「 介 助 者 、 利 用 者 の 経 験 か ら 、利 用 者 が 安 心 し て 移 動 で き る か 考 え な が ら 実 施 で き て よ か っ た 。」「 介 助 者 が 不 安 に 感 じ て い る と 利 用 者 に 伝 わ る こ と が わ か り 、 適 切 に 介 助 で き る よ う に な り た い 。」 な ど 、 利 用 者 に 寄 り 添 う こ と の 大 切 さ が 学 習 で き た 。ま た 、「 支 援 す る 側 も 力 が い る 」と 、今 ま で の 子 ど も へ の 支 援 で は 体 験 す る こ と が で き な か っ た 、成 人 に 対 し て 体 力 を 必 要 と す る 支 援 を 実 感 す る こ と で 、 安 全 へ の 配 慮 に つ い て も 理 解 が 深 ま っ て い た 。 そ し て 、 学 生 は す べ て の プ ロ グ ラ ム に 対 し て 自 発 的 な 学 習 態 度 で あ っ た 。 ・ 学 内 実 習 の 事 後 レ ポ ー ト 学 内 実 習 レ ポ ー ト か ら 、生 活 支 援 に 関 す る 記 述 を 抜 粋・要 約 し た 。10 名 は 生 活 支 援 か ら の 学 び に つ い て 記 述 し 、 1 名 は 具 体 的 な 記 述 は 無 か っ た 。( 表 3) 表 3 学 生 の 学 内 実 習 事 後 レ ポ ー ト か ら 生 活 支 援 に 関 す る 記 述 の 要 約 学 生 内 容 A 利 用 者 役 か ら 、自 分 の で き る こ と を 援 助 さ れ る こ と が 不 快 で あ っ た 。ど の よ う に 援 助 し 、環 境 つ く り を す れ ば 、利 用 者 が や り が い を も っ て 活 動 す る こ と が で き る の か 考 え る 必 要 が あ る 、障 害 が あ る か ら で き な い と 考 え る の で な く 、 自 分 で で き た 達 成 感 を 味 わ う こ と が 大 切 で あ る 。 B 福 祉 用 具 な ど に は 理 由 が あ り 、事 故 に つ な が る た め 、利 用 者 が 安 心 す る よ う 声 を か け る 。個 別 支 援 計 画 に 合 わ せ 生 活 支 援 が で き る よ う に 、 職 員 に 確 認 し て で き る よ う に し た い 。 C 福 祉 用 具 、 浴 槽 環 境 は 自 立 で き る よ う 工 夫 さ れ 、 自 立 に 向 け た 介 助 が 必 要 で あ る 。 福 祉 車 両 の 安 全 性 の 高 さ と 、 簡 易 な 操 作 で 利 用 者 ・ 介 助 に つ い て 両 者 の 工 夫 を 学 ん だ 。 D 車 い す は ス ピ ー ド が 速 い と 酔 い そ う に な る 。ど の よ う な 介 助 の 際 も 、利 用 者 に 声 か け を 行 う こ と で 安 心 で き る 。 そ の た め 、 他 の 職 員 と も 連 携 に つ な が る 。 E 移 動 で は 利 用 者 が 不 安 を 感 じ る 場 面 が と て も 多 い 。着 脱 の 脱 健 着 患 な ど 注 意 す る こ と を 具 体 的 に 学

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- 114 - べ た 。 利 用 者 に 細 か い 事 前 の 声 か け を し 、 安 心 し て も ら え る よ う 実 践 し た い 。 F 視 覚 障 害 、医 療 的 ケ ア な ど 多 く を 学 ん だ 。利 用 者 と 関 わ る 際 は 、環 境 や 福 祉 用 具 の 扱 い を 理 解 す る こ と が 大 切 。 G 障 害 の 種 別 だ け で な く 、 家 族 状 況 、 食 事 面 、 生 活 面 の 活 動 状 況 と 内 面 も 理 解 し て お く こ と が 大 切 。 H 利 用 者 の 安 全 を 第 一 に 考 え 、一 人 ひ と り の 障 害 に 合 わ せ た 配 慮 や 工 夫 を す る 必 要 が あ る 。何 が 難 し く 、 何 が し た い の か を 常 に 考 え た 職 種 と 連 携 し て 、 改 善 ・ 予 防 な ど す る こ と が 大 事 で あ る 。 I 相 手 の 気 持 ち と 自 立 に つ い て 知 り 、 こ ち ら か ら 声 か け を し っ か り 行 い た い 。 J 介 助 の 際 は 、 ど ん な 目 的 が あ り ど の よ う な 自 立 を 目 指 す か 個 別 の 特 性 や 能 力 を 理 解 す る こ と が 重 要 。信 頼 関 係 が 必 要 で そ の た め 適 切 な 声 量 で 、は っ き り と 話 し 、笑 顔 で コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を と り 、 状 態 を 知 っ た 上 で 介 助 を 行 う 。 K 生 活 支 援 に 関 す る 記 述 な し レ ポ ー ト か ら は「 保 育 実 習 Ⅲ 」の 目 的 に 対 し 、「 1.児 童 福 祉 施 設 等( 保 育 所 以 外 )の 役 割 や 機 能 に つ い て 具 体 的 な 実 践 を 通 し て 理 解 を 深 め る 。」「 2.家 庭 と 地 域 の 生 活 実 態 に ふ れ て 、 子 ど も 家 庭 福 祉 、社 会 的 養 護 、障 害 児 支 援 に 対 す る 理 解 と 共 に 、保 護 者 支 援 、家 庭 支 援 の た め の 知 識 、技 術 、判 断 力 を 習 得 す る 。」「 3.保 育 士 の 業 務 内 容 や 職 業 倫 理 に つ い て 具 体 的 な 実 践 に 結 び 付 け て 理 解 す る 。」 に つ い て は 、 各 記 述 の キ ー ワ ー ド か ら 学 習 目 標 達 成 の 一 助 に な っ た の で は な い か と 考 え る 。 「 4.実 習 に お け る 自 己 の 課 題 を 理 解 す る 。」は 、全 体 の ま と め と と も に ど の よ う に 行 動 す る か 記 述 さ れ て お り 、 こ ち ら も 生 活 支 援 の 学 び が 目 標 達 成 の 一 助 に な っ た も の と 考 え る 。 ・ 学 外 実 習 の 事 後 レ ポ ー ト 学 外 実 習 レ ポ ー ト か ら 、 生 活 支 援 に 関 す る 記 述 を 抜 粋 ・ 要 約 し た 。 表 4 学 生 の 学 外 実 習 事 後 レ ポ ー ト か ら 生 活 支 援 に 関 す る 記 述 の 要 約 学 生 内 容 【 施 設 種 別 と 生 活 支 援 の 実 習 状 況 】 L 生 活 支 援 に 関 す る 記 述 な し 【 児 童 発 達 支 援 セ ン タ ー : 生 活 支 援 介 助 な し 】 M 食 事 介 助 、水 分 補 給 の 介 助 で ト ロ ミ 剤 の 種 類 が 多 く あ る こ と を 学 ん だ 。介 助 方 法 も ス プ ー ン や 口 の 横 か ら ス ト ロ ー を 挿 入 す る な ど 個 別 に 様 々 で あ る こ と が 分 か っ た 。 介 助 者 の 判 断 で 勧 め る の で は な く 利 用 者 の 希 望 を 聞 く こ と 、自 立 支 援 と 積 極 性 を 引 き 出 す 介 助 が 大 切 で あ る 。【 障 害 者 支 援 施 設 : 特 に 5 日 間 、 同 一 者 の 食 事 介 助 実 施 】 N 朝 の 体 温 測 定 や マ ス ク 着 用 な ど 現 在 の 環 境 の 変 化 に 戸 惑 う 利 用 者 が 多 い こ と が 分 か っ た 。具 体 的 な 介 助 を 学 び 、知 識 と し て 取 り 入 れ た い 。【 障 害 者 支 援 施 設 : 特 に 5 日 間 、体 温 測 定 マ ス ク 着 用 実 施 】 O 着 替 え や 食 事 介 助 で は 、自 立 に 繋 が る 関 わ り が で き た 。初 め て 親 密 に 関 わ る こ と が で き 、個 々 の 良 さ が あ る こ と に 気 が つ い た 。【 児 童 発 達 支 援 セ ン タ ー : 生 活 支 援 の 介 助 実 施 】

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- 115 - P 保 育 士 と 介 護 士 が 食 事 ・ 排 泄 ・ 入 浴 介 助 を 協 働 し て 実 施 し て い る 。障 害 に 応 じ た 関 わ り が あ り 、身 に 着 け て い く こ と が 利 用 者 理 解 に 繋 が る と 学 ん だ 。障 害 に 合 わ せ て 相 手 を 理 解 し よ う と す る と 、聞 き 返 し や 言 い 直 し が あ り 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 個 別 の 関 わ り 方 が あ る 。 【 障 害 者 支 援 施 設 : 生 活 支 援 の 介 助 実 施 】 Q 利 用 者 の 介 助 な ど 利 用 者 が 負 担 に 感 じ る こ と の 無 い よ う に 事 前 に 職 員 間 で 打 ち 合 わ せ が あ り 、役 割 が あ る 。 連 携 が 重 要 で 状 態 把 握 に 努 め る こ と を 学 ん だ 。【 障 害 者 支 援 施 設 : 生 活 支 援 の 介 助 実 施 】 R 車 い す 介 助 が 多 く 、排 泄 、入 浴 、食 事 も 個 別 の 介 助 が 必 要 で あ っ た 。利 用 者 の 意 思 を 尊 重 す る こ と が 大 切 と 学 ん だ 。【 障 害 者 支 援 施 設 : 生 活 支 援 の 介 助 実 施 】 S 車 い す の 種 類 も 多 く 、仕 組 み を 理 解 し て 使 用 す る こ と が 重 要 。食 事 は 形 態 が 様 々 で 介 助 方 法 も こ と な る 。介 助 に は 普 段 の 様 子 を 各 職 種 の 視 点 で 観 察 し 、多 職 種 と の 情 報 交 換 、連 携 が 重 要 で あ る と 学 ん だ 。【 障 害 者 支 援 施 設 : 生 活 支 援 の 介 助 実 施 】 T 歯 磨 き の 介 助 を 3 日 間 実 施 し た が 、毎 回 様 子 が 違 い 戸 惑 っ た 。体 調 、人 間 関 係 、環 境 で 適 切 な 介 助 は 異 な っ て い る と 学 ん だ 。 職 員 間 の 情 報 交 換 、 支 援 方 法 を 変 更 で き る 知 識 ・ 技 術 が 必 要 で あ る 。 【 障 害 者 支 援 施 設 : 特 に 3 日 間 、 同 一 者 の 歯 磨 き 介 助 実 施 】 U 入 浴 の 準 備 か ら 入 浴 後 ま で 一 連 の 介 助 を 実 施 し た 。コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を と り 、利 用 者 の 障 害 特 性 、 能 力 、 性 格 を 理 解 す る こ と が 大 切 と 学 ん だ 。 日 常 生 活 か ら の 観 察 や 考 察 が 重 要 だ と 学 ん だ 。 P 職 員 は 生 活 支 援 で は 体 調 や 要 望 を 丁 寧 に コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン し て い た 。障 害 者 に は 生 活 支 援 技 術 と と も に 、コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 が 重 要 で あ る と 学 ん だ 。【 障 害 者 支 援 施 設 : 生 活 支 援 の 介 助 実 施 】 学 外 実 習 の 事 後 レ ポ ー ト か ら は 、児 童 発 達 支 援 セ ン タ ー に 配 属 さ れ 、生 活 支 援 介 助 が な か っ た 1 名 を 除 く 10 名 に 、 生 活 支 援 に 関 す る 記 述 が み ら れ た 。 実 習 日 誌 か ら は 、特 に 障 害 者 支 援 施 設 の 配 属 学 生 は 、生 活 リ ズ ム に 合 わ せ て 幅 広 い 内 容 で 生 活 支 援 介 助 を 行 っ て い た 。施 設 に よ っ て 、食 事 介 助 は 実 習 期 間 を と お し て 一 人 の 利 用 者 だ け を 受 け 持 ち し た り 、 入 浴 で は 準 備 か ら 入 浴 後 ま で 一 連 の 介 助 を 実 施 し た り 、 多 様 で あ る 。 レ ポ ー ト に は 、「 体 調 、人 間 関 係 、環 境 で 適 切 な 介 助 は 異 な っ て い る と 学 ん だ 。」「 利 用 者 の 意 思 を 尊 重 す る こ と が 大 切 と 学 ん だ 。」「 日 常 生 活 か ら の 観 察 や 考 察 が 重 要 だ と 学 ん だ 。」 な ど の 記 述 が み ら れ た 。学 内 実 習 の 生 活 支 援 技 術 の 原 理・原 則 の 学 び と 個 々 の 体 験 を 経 て お り 、 利 用 者 個 々 の 背 景 を 理 解 す る こ と に つ い て 、学 外 実 習 こ そ 短 縮 さ れ た が 学 習 は 発 展 し て い る と 推 察 さ れ る 。 「 介 助 に は 普 段 の 様 子 を 各 職 種 の 視 点 で 観 察 し 、多 職 種 と の 情 報 交 換 、連 携 が 重 要 で あ る と 学 ん だ 。」 や 、「 職 員 間 の 情 報 交 換 、 支 援 方 法 を 変 更 で き る 知 識 ・ 技 術 が 必 要 で あ る 。」 な ど 、生 活 支 援 の 場 面 で 保 育 士 以 外 か ら の 直 接 的 指 導 や カ ン フ ァ レ ン ス 参 加・見 学 な ど か ら 多 職 種 協 働 に つ い て も 学 び 、 そ の 重 要 性 も 理 解 さ れ て い た 。 ま た 、キ ー ワ ー ド と し て「 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 」が 3 名 に み ら れ 、障 害 特 性 は も ち ろ ん で は あ る が 、成 人 と の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 技 術 の 未 熟 さ を 感 じ て い る 。今 後 の 事 前 指 導 に お け

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- 116 - る 新 た な 課 題 と し て 捉 え る こ と が で き る と 考 え る 。 生 活 支 援 の 視 点 か ら 学 内・学 外 実 習 で は 、「 保 育 実 習 Ⅲ 」の 内 容 で あ る「 2.施 設 に お け る 支 援 の 実 際 」( 1)受 容 し 、共 感 す る 態 度 、( 2)個 人 差 や 生 活 環 境 に 伴 う 子 ど も (利 用 者 )の ニ ー ズ の 把 握 と 子 ど も 理 解 、( 5)各 施 設 に お け る 多 様 な 専 門 職 と の 連 携・共 同 と 、4.保 育 士 と し て の 自 己 課 題 の 明 確 化 に つ い て 網 羅 さ れ た と 思 わ れ る 。 Ⅵ ま と め 学 内 実 習 の う ち 生 活 支 援 の 実 習 内 容 の 成 果 と 今 後 の 課 題 を 明 ら か に す る こ と を 目 的 と し た こ の 研 究 に お い て 、 以 下 の こ と が 明 ら か と な っ た 。 ( 1) 実 習 の 受 け 入 れ 先 で は 、 障 害 児 ・ 障 害 者 に 対 す る 生 活 支 援 技 術 に つ い て 保 育 実 習 生 が 学 ん で く る こ と を 望 む 傾 向 が あ る 。 ( 2)介 護 実 習 室 及 び 入 浴 実 習 室 、介 護 用 品 、福 祉 用 具 を 活 用 し 、学 内 実 習 に 組 み 入 れ た こ と が 、 生 活 支 援 の 体 験 学 習 と し て 有 意 義 な 機 会 に な る こ と が 示 唆 さ れ た 。 ( 3) 保 育 士 が 介 護 分 野 の 生 活 支 援 を 学 ぶ こ と で 、 同 じ 福 祉 専 門 職 と し て の 多 職 種 協 働 へ の 理 解 に 繋 げ ら れ る こ と 。 感 想 と 研 究 の 限 界 今 回 の コ ロ ナ 禍 で の 実 習 体 制 の 見 直 し か ら 、初 め て の 学 内・学 外 実 習 に よ る 2 部 構 成 と な っ た 。 施 設 保 育 士 を 目 指 す 学 生 に 対 し て 、「 保 育 実 習 Ⅲ 」 と し て 保 育 士 養 成 課 程 に お い て 障 害 者 の 生 活 支 援 技 術 の 教 育 内 容 に つ い て 知 見 を 得 る 機 会 に す る こ と が で き た 。今 後 も 研 究 を 継 続 し て 、 保 育 士 養 成 に 貢 献 で き る よ う に 努 め た い 。 な お 、今 回 の 研 究 で は 調 査 対 象 と 得 ら れ た デ ー タ が も と よ り 多 く な か っ た こ と か ら 、学 内 実 習 の 日 誌 及 び 学 内 実 習 レ ポ ー ト の 活 用 方 法 や 事 前 学 習 の あ り 方 を 十 分 深 め る ま で に は 至 ら な か っ た 点 が 課 題 と 考 え て い る 。 参 考 文 献 1)一 般 社 団 法 人 全 国 保 育 士 養 成 協 議 会( 2018)「 保 育 実 習 指 導 の ミ ニ マ ム ス タ ン ダ ー ド Ver.2」 中 央 法 規 出 版 2) 西 村 実 穂 ・ 徳 田 克 己 ( 2017)「 医 療 的 配 慮 に 必 要 な 子 ど も の 保 育 」 中 央 法 規 出 版 3)平 尾 太 亮・土 谷 由 美 子( 2016)「 保 育 養 成 課 程 に お け る 施 設 実 習 に 関 す る 一 研 究 」『 中 国 学 園 紀 要 第 15 号 』 pp.5-10 4)吉 田 屋 幸 子( 2020)「 保 育 士 養 成 課 程 に お け る 施 設 実 習 前 の 学 生 の 意 識 」『 東 京 未 来 大 学 紀 要 Vol. 14』 pp.209-212

参照

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