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2.都市間移動の旅行回数および旅行先の傾向

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Academic year: 2022

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(1)居住地に着目した都市間交通における機関分担の特性分析* Analysis of Mode Choice Characteristics for Intercity Transport by Habitation Areas*. 鈴木美緒**・伊東誠***・森地茂**** By Mio SUZUKI**・Makoto ITOH***・Shigeru MORICHI****. 1.はじめに. 2.都市間移動の旅行回数および旅行先の傾向. 現在,幹線交通に関しては,新幹線や高速道路がほぼ全国的なネ. (1)旅行回数の地域間比較. ットワークを持つのに対し,航空分野では羽田での一極集中が起き. 各都道府県居住者の100km以上の年間旅行回数(全目的,念拡大. ている.また,リニア新幹線をはじめとした整備が進む一方で,最. データを使用),および人口あたり年間旅行回数を示したものが図. 近では高速道路の割引・無料化や航空路線の廃止,気候変動への対. −1である.トリップ数自体は人口の多い3大都市圏および地域ブ. 応等,さまざまな幹線交通政策が検討されつつある.今後,都市間. ロックの中枢となる道県で多いのに対し,人口あたりでは3大都市. 交通政策の影響評価を行ない,国土や各地域における適正な都市間. 圏より地方都市(特に北関東や佐賀,それに次いで,山梨,島根,. 総合交通体系を考えるためには,一律に整備がなされてきた従来と. 岡山,福岡,熊本,大分,宮崎)からの移動が多い傾向が見て取れ. 異なり,地域による交通行動(機関選択や旅行先など)の特性や差. る.特に,3大都市圏および地域ブロックの中枢の近郊でその傾向. 異を細かく分析する必要があると考えられるが,交通サービスとし. が見られると考えられる(次項参照).. て運行頻度等に着目した研究は見られるのに対し,地域差,特に居 1). 住地による差に着目した研究は非常に少ない . そこで本研究では,幹線旅客流動の実態を詳細に把握するための. なお,人口あたりトリップの移動手段に着目すると(図−2),公 共交通による移動のほうが多いのは,北海道や沖縄以外では交通サ ービスの発達している3大都市圏しかなく,乗用車による移動のほ. 基礎的分析として,居住地,移動目的,交通サービス格差が機関選. うが多いことがわかる.さらに,乗用車による移動が特に地域には,. 択にどのような影響を及ぼしているかを,2005年幹線旅客純流動デ. 北関東,高知,和歌山,南九州といった新幹線の開通していない地. ータより分析した.なお,本研究で用いた2005年の幹線旅客純流動. 域が挙げられ,交通サービスの差によって移動手段が異なる傾向が. データは,出発地から目的地までの人(旅客)の移動を捉えたもの. 現れているということができる.. で,交通機関間の乗り継ぎが反映されている.1990年から5年に1度 の周期で調査されており,2005年は第4回となる.データの対象と. (2)地域ブロック別の旅行圏域の傾向. なるのは,県内トリップ,3大都市圏内トリップ,通勤・通学トリ. 旅行には,地域ブロックの中枢となる都市との関係が影響してい. ップ以外の,各都道府県間トリップであり,出発地と目的地のOD. る可能性が前項により示唆されるため,東北地方,九州地方,中国. の他に,居住地から目的地への移動を把握することができる.ゾー ンは全国を50都道府県に区分したものと207生活圏に区分したもの があり,本研究では主に207生活圏データを用いた.また,このデ ータからは移動目的(仕事,観光,私用・帰省)の把握も可能であ る. (出発地). 出発地から目的地 (目的地). トリップ数 (千万) 25 20. トリップ原単位 (回/人口) トリップ原単位 30 (人口あたりトリップ数) 24. 15. 18. 10. 12. 5. 6. 0. 0. トリップ数. 静岡Æ札幌. 静岡 (旅行先). 居住地から旅行先 札幌Æ静岡. 札幌 (居住地). *キーワーズ:都市間交通,幹線旅客純流動,機関分担,交通サービ. ス格差 **正員,博(工),(財)運輸政策研究機構 運輸政策研究所(港区虎ノ門318-19,Tel: 03-5470-8415,Fax: 03-5470-8419) ***正員, (財)運輸政策研究機構 運輸政策研究所 ****正員,工博,政策研究大学院大学,(財)運輸政策研究機構 運輸政策 研究所. 図−1 各都道府県居住者の(100km以上)年間旅行回数.

(2) [trips/pop.] 25. 公共交通による トリップ原単位. 20. 乗用車による トリップ原単位. 15 10 5 0 北 青 岩 宮 秋 山 福 茨 栃 群 埼 千 東 神 新 富 石 福 山 長 岐 静 愛 三 滋 京 大 兵 奈 和 鳥 島 岡 広 山 徳 香 愛 高 福 佐 長 熊 大 宮 鹿 沖 海 森 手 城 田 形 島 城 木 馬 玉 葉 京 奈 潟 山 川 井 梨 野 阜 岡 知 重 賀 都 阪 庫 良 歌 取 根 山 島 口 島 川 媛 知 岡 賀 崎 本 分 崎 児 縄 道 川 山 島. 図−2 各都道府県居住者の交通手段別人口あたり年間旅行回数(100km以上) 地方を対象とし,その旅行先の傾向をみたところ,以下のような特.  中国地方;業務目的については,山陽での広島県の拠点性が高い. 徴をみることができた(図−3).. のに対し,山陰では鳥取・島根間を往来するトリップが大多数を占.  東北地方;業務目的については,地方内の中枢都市(仙台)があ. めており,交通サービスの状況によっては地方中核都市が必ずしも. る宮城県より,東京都への移動が多い傾向が見られる.しかし,東. 地域の拠点とはならないことを示している.なお,観光目的につい. 北地方内では宮城県への移動が最も多く,地方の拠点にはなってい. ては他の地方と同様,業務目的の場合よりも拠点性が弱まる傾向が. ることがわかる.一方,観光目的では業務目的と比較して,宮城県. 出ている.人口あたりトリップ数の多い岡山,島根ともに,隣の県. の拠点性が弱まっている.東北地方は地理的に東京に近く,東京へ. (広島,鳥取)への旅行が多く,やはり近郊への移動が人口あたり. の交通サービスも比較的整っていることが要因として考えられる.. 旅行回数に影響している傾向が見られたが,その目的地が必ずしも.  九州地方;業務目的では,鹿児島県や宮崎県からは熊本県への移. 地方中枢都市を抱える県ではないことも明らかとなった.. 動が多いものの,全体としては福岡県を拠点とする傾向が強く見ら. これらから,地域ブロックにおける中枢都市の役割は一様ではな. れる.また,観光目的では,東北地方と同様に福岡県の拠点性が弱. く,交通サービスやより大きな拠点(東京)との地理的関係によっ. まっている.また,九州地方では,特に観光目的において地方内の. てその移動特性が異なることが確認された.また,人口あたりトリ. 移動が多い.特に佐賀県では,業務目的,観光目的ともに,隣の福. ップ数の多い地方都市(県)に関しては,交通サービス,地理的要. 岡県への旅行の割合が高く,これが人口あたり旅行回数の多さに影. 因などにより地域ブロック外への移動が少なく,地域ブロック内で. 響しているものと考えられる.. の移動が盛んである,という特徴があることがわかった. 3.居住地による機関分担の地域特性. 観光目的(休日). 業務目的(平日) 東北地方 宮城. 福島. 東京. 福島. その他. (1)居住地と幹線交通機関の利用(移動)傾向. 山形. 山形 秋田. 岩手. 青森. 青森. 0%. 25%. 50%. 75%. 九州地方. 大阪 東京. 福岡. 鹿児島. 図−4に,東京都居住者が各道府県へ移動する年間旅行回数と,. 秋田. 宮城以外の東北地方. 岩手. 各道府県居住者が東京都へ移動する年間旅行回数を比較したものを 0%. 100%. 福岡以外の九州地方. 大分. 熊本. 熊本. 長崎. 長崎. 佐賀. 佐賀. 50%. 75%. 目的(平日1日)ではほぼ全国的に,地方居住者が東京都へ向かう 移動のほうが多く,観光目的(休日1日)では逆に,東京都居住者 が各道府県に向かう移動のほうが多いことがわかった. 0%. 100%. 25%. 50%. 75%. 100%. 山口. りトリップを比較すると(図−5),. 岡山. 広島以外の中国地方.  地方中枢都市では,全目的での出入りトリップ数自体が偏ってい. 島根. 鳥取. る都市もあった.. 鳥取 0%. 25%. 50%. これに対し,地方中枢都市を持つ福岡県,広島県,宮城県を対象 に,各県居住者と,各県以外の居住者による,地方拠点県への出入. その他. 岡山 島根. 示す(全目的,年拡大データを使用).総トリップ数で比較すると 向に偏りがあることがわかる.また,これを目的別にみると,業務. 大阪 東京 広島. 山口. 100%. 東京への出入りは同程度であるが,各道府県によってその移動の傾. 大分. 25%. 75%. 鹿児島 宮崎. 0%. 50%. その他. 宮崎. 中国地方. 25%. 75%. 100%. 0%. 25%. 50%. 75%. 図−3 東北・九州・中国地方における旅行先の傾向. 100%.  地方中枢都市では,業務目的での出入りトリップ数はほぼ同数で.

(3) 全目的 業務目的 ︵年間︶ ︵平日︶. 各道府県居住者 東京都居住者. 観光目的 ︵休日︶ 合計. 沖縄 鹿児島 宮崎 大分 熊本 長崎 佐賀 福岡 高知 愛媛 香川 徳島 山口 広島 岡山 島根 鳥取 和歌山 奈良 兵庫 大阪 京都 滋賀 三重 愛知 静岡 岐阜 長野 山梨 福井 石川 富山 新潟 群馬 栃木 茨城 福島 山形 秋田 宮城 岩手 青森 北海道. 図−4 東京−地方(各道府県)間移動の居住地による比率 全目的(年間). 業務目的(平日). 観光目的(休日). 100% 75%. 業務目的(平日) 東京都居住者. 各県以外居住者. 地方居住者. 100%. 100%. 50% 75%. 25%. 鉄道. 75%. 各県居住者 50%. 0% 福岡. 広島. 宮城 仙台. 福岡. 広島. 仙台 宮城. 福岡. 広島. 仙台 宮城. 図−5 地方拠点県−他都道府県移動の居住地による比較. 25%. 50%. 航空. 0%. ‐200km. あるが,観光目的では東京都の場合と同様,地方中枢都市居住者に よるトリップのほうが多い傾向がみられた.. ‐1,000km. 25%. ‐1,800km. 0%. ‐200km. 100%. 100%. 乗用車 75%. 75%. や宮城県では各県からの移動が多く,拠点性が弱かった広島県では. 50%. 50%. 他県から広島県への移動が多いことがわかった.. 25%. 25%. 動は1日データを用いているため,並べて比較することが適切でな. ‐1,800km. 地方居住者. 東京都居住者.  全目的では,前項で地域ブロック内での拠点性が見られた福岡県. 全目的の移動データは年拡大を用いているのに対し,目的別の移. ‐1,000km. 観光目的(休日). 0%. ‐200km. 0%. ‐800km. ‐1,600km. ‐200km. ‐800km. ‐1,600km. 図−6 東京−地方間移動の居住地による距離帯別機関分担. いかもしれないが,この3都市と東京との比較から,以下のことが わかる.  観光においては,人口の多さがトリップ数に影響し,東京都も含 め,地方の中枢となる都市からの移動が多くなると考えられる.  業務においては,地方中枢都市の拠点性の高くても他県からの移 動が多いわけではなく,他道府県から東京都への業務目的の移動が 多いのは,全国の拠点としての東京の特異性が表れた結果であると 考えられる. この特徴の把握に関しては,拠点性の強さや地域特性のより詳細 な分析が必要である.. さらに,いずれの目的においても,東京都居住者のほうが乗用車の 利用が多い傾向があることが明らかとなった.これは,地方居住者 が東京の道路を走行することを敬遠する傾向の表れと考えることが できる.また,同程度の距離帯(約450km)での居住地別の機関分 担を図−7に示すが,これより  移動の偏りが地域ごとに異なっていることがわかる他,  兵庫県との間の移動は,東京都居住者,兵庫県居住者が同程度の 割合で航空と鉄道を利用していることが見て取れる一方で,秋田県 や和歌山県との間の移動においては,東京都居住者の方が,業務目 的での航空利用が高いこと,. (2)居住地と幹線交通機関選択 〜東京−地方間移動 東京都居住者と地方居住者による東京−地方間の往トリップ(居 住地からのトリップ)の距離帯別機関分担を図−6に示す.業務目 的(平日1日)においては,同じ距離帯であっても,東京都居住者 の地方への移動で航空分担率が高い傾向がみられた.一方,観光目 的に(休日1日)では,バスの利用が比較的多いことがわかった..  和歌山県から東京都に観光目的で来る場合には,東京都居住者よ り鉄道利用が高くなっていること が明らかとなった.秋田県と兵庫県には新幹線駅があるが,和歌山 県には無いことから,和歌山県との間の移動では航空分担率が比較 的高くなっていると考えられるが,和歌山と東京を結ぶ直行便の便 数やダイヤの都合により,東京(羽田)発のほうが比較的利便性が.

(4) (人/日) 800. 業務目的. (人/日) 9000. 空港,新幹線駅へのアクセス+ イグレス時間が2時間未満. (人/日) 600. 100%. 600. 6000. 鉄道. 乗用車. 400. 75%. 400 航空. 200 0 (人/日) 300. 観光目的. 3000. 200. 50%. 0. 0. 25%. 300. 200. バス 50%. 航空. ‐200km. 300. 75%. 鉄道. 0%. (人/日). (人/日) 400. 空港のみアクセス+ イグレス時間が2時間未満 100%. ‐800km ‐1,400km. 新幹線駅のみアクセス+ イグレス時間が2時間未満. 200. 100%. 25%. 0%. ‐200km. ‐800km. ‐1,600km. 空港,新幹線駅へのアクセス+ イグレス時間が2時間以上 100%. 200. 100 0. 100. 100. 東京 Æ秋田. 秋田 Æ東京. 0. 東京 Æ兵庫. 兵庫 Æ東京. 0. 東京 和歌山 Æ和歌山 Æ東京. 図−7 東京から約450km程度の距離帯での居住地別機関選択 空港,新幹線駅へのアクセス+ イグレス時間が2時間未満 100%. 75%. 50%. 50%. 25%. 25%. 0%. ‐200km. ‐1,000km. 0%. ‐200km. ‐1,000km. ‐1,800km. 図−9 東京都23区居住者の距離帯別機関分担. 空港のみアクセス+ イグレス時間が2時間未満 100%. 75%. 鉄道. 50%. 75%. れかへのアクセス性が良いODでは,アクセスしやすい交通機関が. 50%. 選択されやすい傾向が見られる他,空路・鉄道ともにアクセス性の. 25%. 良くないODでは乗用車の選択率が高い傾向が見られる.. 航空 25%. 0%. 75%. ‐200km ‐1,000km. 0%. ‐2,000km. 新幹線駅のみアクセス+ イグレス時間が2時間未満. ‐200km. ‐1,200km. ‐2,400km. 空港,新幹線駅へのアクセス+ イグレス時間が2時間以上. これと同様の分析を東京都23区居住者による移動で行なったもの が図−9であり,全国の場合と比較して,  乗用車の分担率が低いこと,. 100%. 100%. 75%. 75%.  特に短距離帯で新幹線駅とのアクセス性が悪い場合には,バスの. 50%. 50%. 利用が多くなること. 25%. 25%. 乗用車. 船. バス. 0%. ‐200km. ‐1,600km. 0%. ‐200km. が明らかとなった. ‐1,200km. ‐2,400km. 図−8 全国での居住地発ODの距離帯別機関分担 (交通サービス差による分類) ※ 横軸は200kmごと,図−9〜11も同様... 同様に,これを福岡市(地方中枢都市)居住者による移動で行な ったものが図−9であり,全国の場合と比較して,  高速交通機関へのアクセス性の良いODであっても,短距離帯で は乗用車の利用が多いこと,. 高くなっていることが,東京都居住者の航空利用率のほうが和歌山.  空路・鉄道ともにアクセス性の良いODにおいては鉄道分担率が. 県居住者よりも高いことに影響しているものと予想される.. 高いものの,それ以外では特に航空やバスの分担率が比較的高くな. また,これらの結果から,ある2地点間の移動であっても,目的. っていること. が何であるか,そしてどちらに居住しているかによって,選択する. がわかった.これは,航空やバス路線が発達している九州地方の特. 交通手段が異なることが示された.. 色を反映しているものと考えられる. さらに,金沢市(地方都市)居住者による移動で同様の分析を行. 4.交通サービスと交通機関選択. なうと図−10のようになり,全国の場合と比較して,  福岡市と同様,高速交通機関へのアクセス性の良いODであって. (1)都市の規模と交通機関分担特性 ここでは,地域における交通サービスの差として,高速交通機関. も短距離帯での乗用車の利用が多いこと,  アクセス性の違いによらず,鉄道分担率が比較的低いこと. (空港および新幹線駅)へのアクセス性に着目する.. がわかった.交通サービスの良くない地域では,短距離帯で乗用車,. 純流動調査における全国207生活圏,居住地Æ目的地ODを,「空港,. 中〜長距離帯で航空の分担率が比較的高い2極化が起こることが示. 新幹線駅とのアクセス+イグレス時間がいずれも2時間未満」,. 唆される.. 「空港とのアクセス+イグレス時間が2時間未満,新幹線駅とは2時. このように,同等の交通サービスを持つODであっても,都市ごと. 間以上」,「新幹線駅とのアクセス+イグレス時間が2時間未満,. に機関分担の特性に差があることがわかった.また,地方によって. 空港とは2時間以上」,「空港,新幹線駅とのアクセス+イグレス. 同程度の交通サービスで到達できる距離帯にも差があることが確認. 時間がいずれも2時間以上」の4つのサービス水準に分類し,各々の. された.. 距離帯別交通機関分担率を図−8に示す.空路あるいは鉄道のいず. なお,グラフの帯が無い部分は,サンプル数が少なくデータに.

(5) 75%. 50%. %[. 乗用車. ]. 100%. 空港のみアクセス+ イグレス時間が2時間未満. 鉄道分担率. 空港,新幹線駅へのアクセス+ イグレス時間が2時間未満. 100%. 船 75%. 鉄道. 50%. 25%. 25%. 航空. 0%. ‐200km. ‐1,000km. ‐200km. ‐2,000km. ‐1,000km. ‐2,000km. 空港,新幹線駅へのアクセス+ イグレス時間が2時間以上. 100%. 100%. 75%. 75%. 50%. 50%. 0.75. 0.5. 0%. 新幹線駅のみアクセス+ イグレス時間が2時間未満. 北陸新幹線〜北陸本線 東海道〜山陽新幹線 東海道新幹線〜山陰本線 東北新幹線〜東海道新幹線. 1. 0.25. 0. バス. 0. 300. 600. 900. 1200 鉄道距離[km]. 25%. 25%. 0%. ‐1,200km. 図−12 新幹線の利用形態と航空との競合状況. 0%. ‐200km. ‐800km ‐1,200km. 図−10 福岡市居住者の距離帯別機関分担 空港,新幹線駅へのアクセス+ イグレス時間が2時間未満 100% 75%. 空港のみアクセス+ イグレス時間が2時間未満. あり,航空のサービスが良いことが影響しているものと考えられる.. 75%. 観光目的に関しては,業務目的の場合と比較して距離と分担率の. 50%. 関係に多少ばらつきが見られるものの,全体的な傾向は業務目的の. 50%. ‐200km. 0%. ‐800km ‐1,200km. 新幹線駅のみアクセス+ イグレス時間が2時間未満 100%. 場合とほぼ同様であった.. 25%. 航空. 0%. 大きいことがわかった.これは,仙台−名古屋間に航空の直行便が. 100%. 鉄道. 25%. 分担率については,乗り継ぎなしの場合よりもその低下の度合いが. ‐400km. ‐1,200km. 空港,新幹線駅へのアクセス+ イグレス時間が2時間以上. 5. まとめ. 100%. バス 75%. 75%. 50%. 50%. 25%. 25%. 乗用車. 0%. ‐200km. ‐800km. 0%. 本稿では,国土や各地域における適正な都市間総合交通体系を考 えるための実態把握の基礎的分析として,都市間交通行動の地域,. ‐200km ‐600km. 図−11 金沢市居住者の距離帯別機関分担. 交通サービスによる差異について考察した.その結果,  目的のみならず,居住地の地理的要因,交通サービスの現況によ って旅行先の傾向が異なる,特に,東京は日本全体の移動の拠点で. 乗らなかった距離帯であり,地方によって同じ交通サービスで利用. あることから,他の地方中枢都市とも異なる移動特性を持ち,東京. される距離帯に違いがあることが現れている.. 都の位置関係は他の地域へ影響を及ぼす.  同程度の距離帯でも,旅行先によって交通機関の選択が異なる.. (2)新幹線利用可能性と航空との競争力 ここでは,鉄道と航空の競合に着目し,新幹線の利用形態の差に.  ある2地域間の移動でも,どちらが居住地,目的は何か,により 交通機関の選択が異なる.. よる機関分担について考察する.図−12に示すのは,207生活圏.  アクセス性の差や,高速幹線交通の整備状況といった,居住地の. ODにおいて,新幹線のみで行けるOD(東京23区発;東海道〜山陽. 持つ交通サービスが,交通機関の選択に影響している,. 新幹線),新幹線と在来線の乗り継ぎで行けるOD(東京23区. といった特性が示された.このことから,地域特性を考慮した都市. 発;東海道新幹線〜山陰本線,北陸本線),新幹線の乗り継ぎで行. 間交通体系を考える必要があることが確認された.属性による交通. けるOD(仙台発;東北新幹線〜東海道新幹線)の目的別,距離対. 機関選択の差異など,交通機関選択構造をより詳細に把握すること. 鉄道分担率である.なお,この図では鉄道と航空の分担率の和を. や,交通サービスの差が行動を決定する要因となることから,現況. 100%としている.業務目的の場合,同程度の距離帯で比較すると, の移動特性のみでは把握できない潜在的な需要の特性を把握するた  新幹線のみで移動できるODでの鉄道分担率が最も高く,600km. め時系列による選択行動の変化についても分析を行なうこと等が今. 程度までは(航空に対して)ほぼ100%である.. 後の課題として挙げられる..  在来線に乗り継ぐ必要があるODでは,新幹線のみで移動できる ODと比較して鉄道分担率は低い.. 参考文献.  新幹線の乗り継ぎで移動できるODでの鉄道分担率は,新幹線の. 1)たとえば鈴木新ほか:幹線旅客流動モデルによる地域別特性の研. 乗り継ぎ無しで移動できるODでのそれと同様に600km程度までは. 究,土木学会年次学術講演概要集第4部,Vol.54,pp.646-647,1999.. ほぼ100%である.しかし,それ以上の距離(名古屋以降)の鉄道.

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