編集・発行/社団法人 日本溶接協会 溶接検査認定委員会
CIW通信
ランプス
Certification for Inspection of Welds NEWS
年頭所感 年頭挨拶 PD資格試験と試験所の能力について UTによるSCCのき裂深さ測定について (1) 心ここにあらずんば 見えるものも見えず RUMPES創刊20周年記念特集「CIW認定会社プロフィール」 協議会だより お知らせ
非破壊検査部門の頭文字R(RT),U(UT),M(MT),P(PT),E(ET),S(SM),を採った
ものである。
RUMPES(ランプス)とは:
1. 年頭所感 ……… 宮田 隆司
2. 年頭挨拶 ……… 逸見 俊一
3. 年頭挨拶 ……… 羽山 眞一
4. 年頭挨拶 ……… 金谷 輝範
5. 年頭挨拶 ……… 井須雄一郎
6. PD資格試験と試験所の能力について
―試験結果の評価と技能試験の結果― ……… 大岡 紀一
7. UTによるSCCのき裂深さ測定について (1)
……… 米山 弘志
8. 心ここにあらずんば 見えるものも見えず
……… 平山 一男
9. RUMPES創刊20周年記念特集「CIW認定会社プロフィール」 ………
10. 協議会だより
………
11. お知らせ
………
12. 編集後記 ………
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エンジニアリングサービス株式会社 株式会社辰起非破壊検査工業 日本シーレーク株式会社 株式会社ダンテック 日本インスペックス株式会社 川重ファシリテック株式会社 株式会社大検 株式会社アイ・エム・シー エース・エンジニヤリング株式会社 株式会社第一検査工業 日本非破壊検査株式会社 株式会社シーエックスアール 第一検査株式会社 東京理学検査株式会社 新光検査株式会社 日本検査コンサルタント株式会社 石川島検査計測株式会社 株式会社ジャスコ 日本工業検査株式会社 株式会社ジャスト 非破壊検査株式会社 東亜非破壊検査株式会社 ソニック株式会社 株式会社北陸溶接検査事務所 株式会社検査サービス 新日本非破壊検査株式会社 新東技検株式会社 四国エックス線株式会社RUMPES (WINTER, 2006)
新年明けましておめでとうございます。 昨年は日本の産業界にとりまして数年来の経済不況 を脱し、原材料の高騰というマイナス要因はあったもの の、総じて回復基調に入った年であったと言えるかと存 じます。この10年余りの間、産業界は世界的な経済、 経営環境の変化に対応した質的転換を図るべく大変な 努力を払って来られました。 当協会としても様々な意味で質的転換を図るべき時 が来ていると強く自覚しております。また、それは時代 の流れに即した、あるいは先取りしたものでなくてはな りません。 当協会の事業の柱は、大きく分けて、①溶接技術の 普及、発展とそれらを支える規格、基準作りへの貢献 ②産業分野毎の専門部会及び溶接技術分野別の研究委 員会活動③各種認定、認証事業からなっております。 これら三つの柱は、いずれもその活動環境が急激に変わ りつつあり、当協会としてこれらの状況変化に柔軟、か つ積極的に対応していく必要があると思っております。 その対応策の一つが当協会を中心とした溶接技術に関 する高度情報システムの構築であり、その一環としての 「溶接情報センター」の設置であります。 本年は、一昨年から開始した新たな事業を具体的な 展開に具現化していく年になります。以下に当協会が展 開する活動の主要なものについて述べます。 ◆溶接情報センターの設置 我が国の製造業における溶接・接合技術の維持、発 展と溶接技術者のポテンシャル向上に資するべく、会員 企業、溶接管理技術者、一般の方々、各層毎に溶接・ 接合技術に関するすべての知識と情報を提供することを 目的として設置致しました。そのハード面の支えとして の溶接会館の設立につきましても継続的に検討したいと 考えております。 一部はすでに当協会のホームページで公開しておりま すので、是非一度ご覧頂きたいと存じます。 ◆国際対応に関する事業運営 昨年、中国・韓国を含むアジア10ヵ国の参加により アジア溶接連盟が発足し、日本を会長国として活動を 開始致しました。これまで既に5回の会合を開き、アジ ア地区の溶接技術の普及と発展、アジアにおける統一 された溶接要員認証制度の設立と普及等に向けて活発 な活動を行っております。本年は、具体的な目標設定 と進め方について検討し、協力関係をさらに強固なもの へと発展させて参ります。 ◆認証・認定事業に関する事業運営 特例措置によるIIW国際溶接技術者資格(IWE、IWT、 IWS、IWP)取得は、平成17年度をもって終了致します。 平成18年度以降は、昨年兵庫ポリテクセンターに開設 しました国際溶接技術者コースを継続して支援するとと もに、特認コース制度を新たに進めてまいります。 一 昨 年 か ら 特 例 措 置 に よ る 国 際 溶 接 検 査 技 術 者 (IWIP)認証制度が(社)日本非破壊検査協会と当協会の 密接な協力により新たに導入され、IIW国際溶接技術者 資格とJISZ2305に基づく非破壊試験技術者資格の両方 の資格保有者に対して3日間の短期セミナーによる取得 が可能な特例措置が実施されております。 また、一昨年10月に非破壊検査事業者の認定制度の 高度化と国際化のために関連するJIS基準に基づき国際 的に通用する、試験所認定制度を導入しました。しか し、現在のCIW制度との整合性も図るために、建築・ 鉄骨の検査も含めて新しいCIW認定制度の確立に向け て鋭意検討を進めて参ります。昨年起きた耐震強度の 偽造問題は、非破壊検査に直接の関連はありませんで したが、検査の重要性及び検査の独立性の重要性がク ローズアップされた事件でした。これも鑑み、新しい制 度をできるだけ早く具体化し、溶接構造物等の安全 性・健全性・信頼性の確保に貢献していきたいと存じ ます。 最後になりましたが、本年が溶接検査にご関係のある 皆様方にとりまして、より良い年でありますように心か ら祈念いたしまして、新年のご挨拶といたします。 * * *1. 年頭所感
宮田 隆司
社団法人日本溶接協会 会長
新年明けましておめでとうございます。旧年中は、協 議会活動に格別のご支援ご協力を賜りましたことに厚く お礼申し上げます。平成16年の定時総会で代表幹事に再 選され、3期目に入りましたが、就任以来の信条でありま す「業界の地位向上に向けて積極果敢に打って出る」の 姿勢を貫いてまいり、本年もこの姿勢と精神をさらに強 力に推進したいと考えております。技術と営業活動に重 点をおいた幹事の職務担当を一新して平成16・17年度を スタートさせほぼ順調な活動を維持して参りましたが、 本年度は、役員改選を控えておりまして5月の定時総会で 新しい役員が選出される予定となっております。 昨年は、試験所認定と新しく立ち上げる予定の建築 鉄骨系の認定制度に関する議論が中断され、現行の CIW認定制度の抜本的な見直しに絞った形での議論に 追われた1年でしたが、耐震強度の偽造に係る一連の新 聞報道は、我々検査会社が直接関与しないものの建築 物を対象とする者にとっては唖然とする事例でした。 建築確認申請、設計事務所、工事の施工と今後に大 きな課題と問題点を浮き上がらせておりますが、この耐 震強度が不足するマンションや建物、ホテルなど最終ユ ーザーに与える影響と損失は計り知れないものがありま す。今回の不祥事は、当事者が確実な製品を提供する 義務を怠っていたとしか言いようがありませんが、我々 検査会社にとっても起こりうる可能性を孕んでおり、会 員各位のさらなる精進を期待したいと思います。 皆さんもご承知のとおり現行CIW認定制度は暫定的 に3年程度の併存を経て廃止することを平成15年10月に JWESが公表しましたが、我々協議会は、これに替わる べき制度として建築鉄骨系の認定制度の創設をJWESに 要望しました。この要望書に対する検討のために「溶接 検査事業者認定制度に関する諮問委員会(委員長:西 川孝夫、東京都立大学大学院教授)」が設置され、平成 16年4月21日付で答申が提出されました。 この答申を受けてJWESは、平成16年6月「建築鉄骨 に係る非破壊検査事業者の認定制度検討委員会(委員 長は前出の西川孝夫教授)」を設置し、建築鉄骨に係る 非破壊検査事業者の認定制度の具体案の検討に入りま したが、CIW認定制度は当面の間併存することに方針 が変わったため、平成17年2月で審議を一時中断するこ ととなりました。引き続いてCIW認定制度見直し検討委 員会(委員長:加藤光昭、九州工業大学教授)が設立 され、現在までに6回開催され、新しいCIW認定制度 の確立に向けて鋭意審議が続けられているところです。 検査機関の東京都知事登録制度は4年目に入り、初 年度に登録された26社の更新登録審査、6社の定期審査 を行いましたが、緩和規定の適用が昨年10月末で終了 したため、一部の登録検査機関で審査基準を満足でき ないため登録を辞退することになりました。さらには、 東京都の鉄骨造等の建築物の工事に関する東京都取扱 要綱の改正があり、溶接部の内質検査が必要となる場 合があり、その対応に追われることになるのではと推定 されます。 本年度は、新しいCIW認定制度を確定するための検 討、現在のCIW認定事業者の新しい制度への移行対策 の検討等が待ったなしに控えていますと共に役員選挙と 新役員体制の確立と息をつく暇もないように感じており ます。 「安心」と「安全」を提供することを標榜している 我々CIW認定会社が、発注者、監理・監督側の信頼を 根底から覆すような検査報告書を提出したり、社内検 査と受入検査の区分を曖昧にする行為、組織ぐるみの 不正行為等の根絶を目指して昨年暮れから1年の予定で 「不正検査撲滅運動」を展開することにしました。不正 検査撲滅の宣言と協力のお願いを発注者、関係者に配 布することと不正検査撲滅シールを封筒や経歴書等に 貼り付けて新年から大々的に展開して行きます。 不正検査撲滅運動の展開と共に我々はもっと慎重に、 さらに真剣になって「安心」と「安全」を考え直す必 要を強く感じます。 より開かれた協議会活動を盛り上げるために昨年以上 に打って出る所存ですので関係各位のより一層のご支援 をお願いするとともに、皆様のますますのご発展とご健 勝を祈念いたしまして新年のあいさつとさせて頂きま す。
2. 年頭挨拶
逸見 俊一
CIW検査事業者協議会 代表幹事
RUMPES (WINTER, 2006)
新年明けましておめでとうございます。2006年を迎え、 (社)日本溶接協会並びにCIW検査事業者協議会の皆様にお かれては、新しい年が実り多い年となりますよう心よりお祈 り申し上げます。 さて、昨年は福岡西方沖地震、千葉県北西部地震、宮城 県沖地震などのやや規模の大きな地震により、構造体の甚 大な被害には至らなかったものの、ガラスや、吊り天井など の建築非構造部材の落下、エレベーター内への閉じ込めな どの建築設備の被害等が改めて認識されました。また、建 築建材として広範に使用されてきたアスベストの人体への影 響が社会問題化し、その補償問題はもとより、労働安全衛 生法、大気汚染防止法、建築基準法等の法規制上の取扱い 等についても、全省庁をあげて、スピード感をもって取り組 みが続けられています。さらに、建築物の構造計算書の偽 装問題が発覚し、構造設計者、建築主等の責任の所在の追 及に加え、建築確認検査事務のあり方についてもシステム の見直しが求められるなど全ての建築関係者に衝撃が走り ました。これらの諸問題については、現在も短期的、中長 期的な対応が続けられているところですが、建築物の企画、 設計から施工に至るまでの各段階での適正なチェック手法 を確立すべき点では建築関係者全員が当事者意識を持つこ とが肝要であります。 一方、事故や事件の陰で、すっかり影が薄くなった感も ありますが、昨年4月には「公共工事の品質確保の促進に 関する法律」が施行されるとともに、同年8月には、法律に 基づく「公共工事の品質確保の促進に関する施策を総合的 に推進するための基本的な方針」、いわゆる「基本方針」が 閣議決定されました。これにより、公共工事は、価格のみ によらず、品質を確保する為の技術力と価格に優れた受注 者が工事を行うべきことが明確にされました。 ご承知のように国土交通省官庁営繕部では、官公庁施設 の建設等に関する法律に基づく国家機関及びその附帯施設 の営繕と保全を実施しています。官庁営繕事業では、国の 厳しい財政事情を反映して、平成9年以降公共工事のコスト 縮減施策が継続され、企画、設計から施工に至るまであら ゆるプロセスで縮減への取組みを行っており、適正な品質 でかつ合理的、効率的な事業展開を図っています。施設整 備を支える技術基準類の整備には、建設省時代から先導的 に取組んできたところですが、平成15年3月には、官庁営繕 事務の合理化を目指し、各省庁の基準類の統一が行われ、 その後の制定、改定についても引き続き中心的な役割を担 ってきています。 このような中、冒頭の建築関係の事故、事件が次々に発生 しましたが、官庁営繕部では関係する材料、工法等を採用し ている施設の調査、注意喚起をはじめ、必要な改修等の実施 方法の検討、情報発信等に積極的に取組んでおります。また、 構造計算書の偽装問題においては、国土交通省内に100人規 模で「緊急建築確認事務点検本部(本部長:住宅局長)」が 結成され、指定確認検査機関(1999年より導入)への立ち入 り検査を実施しましたが、官庁営繕部(地方整備局営繕部を 含む)からも構造技術者約40人を派遣し、建築指導行政の技 術的なサポートを行ったところです。 貴協会の所掌する鉄骨工事の溶接については、鉄骨構造 における施工上最も注意を要する部分であり、前述の構造 設計に匹敵する「安全・安心」の要と考えられます。その ため、当該個所の的確な品質確保を担保するための方策と して、貴協会のCIW検査事業者認定制度に基づく第三者検 査が位置付けられるものと認識されます。第三者検査は、 鉄骨加工工場等とは独立し、公正中立な立場で、建築鉄骨 の構造上の要である溶接部の検査をするという、発注者、 建築主にとって重要な役割を担っています。当該機関には、 真に必要な技術力、検査能力の確保と、昨今様々な企業に おける危機管理において取り上げられているコンプライアン ス(法令順守、企業倫理の順守)の推進が必要不可欠であ り、我々発注者もそれに大きな期待を寄せるところであり ます。 新しい年は、様々な課題を抱えたままのスタートになりま したが、国民全体の信頼を得るため、さらなる適正な営繕 行政を展開する所存でありますので、引き続きご協力、ご 支援をよろしくお願いいたします。また、貴協会並びに会 員の皆様におかれましては、それぞれが期待される役割を的 確に果たしていただくようお願いしますとともに、さらなる ご健勝、ご発展を祈念いたしまして、新年の挨拶とさせて いただきます。3. 年頭挨拶
羽山 眞一
国土交通省大臣官房 官庁営繕部整備課 建築技術調整官
明けましておめでとうございます。 昨年の11月17日に国土交通省から発表された構造計算 書偽装問題については、建築関係者をはじめ、日本国中 に衝撃を与えました。一般的に、建築物を建設する際には、 資格のある建築士が設計を行い、その設計が建築基準法 等の法律に合っているのかどうかを特定行政庁又は建築確 認検査機関の確認を受けた後、施工業者が工事を行い、 資格のある建築士の工事監理を受けながら、完成するとい う流れになっています。この事件は元請設計者から下請け に出された構造設計者が、建築物の構造計算書を偽装し、 強度が大幅に不足する建築物を設計したものです。元請設 計者、確認申請書を審査する機関、工事施工者等が各々 のチェックする段階で構造計算書の偽装を看過したために マンションやホテル等の耐震強度が不足した建築物が完成 (工事中、並びに未着工のもある)し、住民が生活するなか で、使用禁止の命令が出され、マンションの住民や賃貸で 借りていた方々は退去せざるを得ない悲惨な状況になって います。 この問題では、様々な問題を提起していると思います。 構造設計者の倫理観の欠如、構造設計者の下請体制、建 築士の資格制度、建築確認検査制度、建築基準法におけ る罰則の制度、構造計算プログラムの審査等について、国 土交通省では早急に検討することになっています。また、 確認・検査制度についても検討することになっていますの で、確認制度だけでなく施工についても中間検査制度を全 国的に導入するなどの見直しが予想されるところです。 現在、東京都の中間検査制度の場合は、原則として3階 建て以上の全ての建築物について中間検査を実施していま す。また、施工開始前には施工計画報告書(3階以上かつ 500㎡未満の建築物を除く)を特定行政庁(一部を除く) に提出することになっており、事前の施工計画に関してチ ェックを入れることにしています。さらに中間検査及び完 了検査時には施工結果報告書を提出させ、施工結果につ いても審査を行っています。 鉄骨造の場合には、鉄骨工事施工計画(結果)報告書も合 わせて提出することになっています。その内容のうち溶接 部の外観検査や超音波探傷検査については、設計者、工 事監理者、工事施工者が自ら行う受入検査を代行する検 査機関として都知事登録検査機関やCIW認定事業者の第 三者検査機関で検査を受けることを指導しています。特に 高さが20mを超える鉄骨造建築物については、都知事登 録検査機関を指定しているところです。この高さ20mにつ いては、小規模建築物についても適用することが検討され るところです。 平成12年の建設省告示第1464号で鉄骨造の継手又は仕 口の構造方法について定められ、溶接接合部の品質につい て具体的な基準と規定されています。また告示の許容値を 超えた場合については、ただし書きが適用される場合があ ります。その適用については「突合せ継手の食い違い仕口 のずれの検査・補強マニュアル」に基づき適切な補強等の 措置がなされた場合とされています。また、都ではこのマ ニュアルの適用範囲を超えたものについては「重大な不具 合」として所管の特定行政庁に報告し、鉄骨工事を中止 して適切な処置を検討しなければならないとされていま す。 また、昨年の4月から「鉄骨造等の建築物の工事に関す る東京都取扱要綱」を改正して柱・梁の仕口に塑性ヒン ジを起こすような設計をした場合、45mを超える建築物で 板厚25mm以上のものや45m以下の建築物で板厚40mmを 越えるものには、内質検査を行うよう特記仕様書に明記す るように求めています。 これらの制度の円滑な運営は、日本溶接協会並びに CIW認定事業者の皆様のご協力を頂いて成り立つものと思 っております。 最後になりましたが、構造計算書を偽装した構造設計 者の言い分では、施工会社等による圧力がありそれに従わ なければもう仕事が来ないと思い、偽装をしてしまったよ うなことを発言しています。このような偽装の圧力は、検 査機関でもあり得ることだと思います。是非CIW認定事業 者の皆様は検査結果の偽装への圧力があった場合には、検 査機関としての責任感、中立性、倫理観を遺憾なく発揮 され、断固たる態度でこれを拒絶されるよう強く望みます。 本年もよろしくお願いいたします。
4. 年頭挨拶
金谷 輝範
東京都都市整備局市街地建築部専門副参事
新年明けましておめでとうございます。 CIW会員ならびに非破壊検査関係の皆様には、御家族 ともども健やかに新年を迎えられたこととお慶び申し上 げます。 永らく低迷していた我が国の経済も、昨年後半から ようやく明るさが見えてきました。今年こそは皆様方に とって良い年になりますように御祈念申し上げます。 日頃から、関係各位におかれましては、非破壊検査 の技術力向上並びに信頼性確保に真摯に取り組まれ、 着々とその成果を上げられていることに対して、心から 敬意を表する次第です。 さて、(財)日本適合性認定協会(JAB)はお蔭様で、 昨年大きな飛躍をすることができました。すなわち、従 来の品質および環境マネジメントシステム、試験所、要 員認証、製品認証等の適合性評価機関認定に加えて、 新たにISO 15189に基づく臨床検査室認定、ISO/IEC 17020に基づく検査機関認定を開始しました。さらに、 ISO 13485:2003年版がJIS化されたのを機に、医療機器 に関する品質マネジメントシステム審査登録機関認定を 2006年1月より開始予定です。また、現在、ISO 22000 食品安全マネジメントシステムの審査登録機関認定プロ グラムを2006年度に開始すべく開発中です。さらに、情 報セキュリティマネジメントシステムについても、2005 年10月にISO 27001として国際規格が制定されたのを契 機に、国際整合化された認定プログラムの準備を進めて いるところです。 ご承知のとおり、電気事業法電気工作物の溶接検査 については、ISO/IEC ガイド65に基づく民間製品認証 制度が活用されています。同様に新JIS法や薬事法等、 規制緩和と国際整合化の流れのなかで、国際規格を取 り入れた適合性評価制度が広がりつつあります。 このような流れは全世界レベルで進んでおり、グロー バル化を目指す企業のみならず、国内指向の企業でもこ の流れに晒されるようになってきました。各企業が持っ ている固有技術と経営システムをベースに、国際規格を ビジネスツールとしてうまく活用すべき時代がきていま す。 JABは、ご案内のとおり昨年10月末に事務所を大崎か ら五反田へ移転しました。新事務所はJR五反田駅から 徒歩4分のところです。以前は手狭で、皆様には何か とご不便をお掛けしましたが、新事務所は打ち合わせ場 所も多少広めに確保しました。お近くにお寄りの節は是 非お立ち寄りください。 JAB職員一同は、移転を契機に日本における健全な適 合性評価制度の発展のため、一層の努力をする所存で すので、従来に勝るご理解とご支援をお願い申し上げま す。 末筆になりましたが、皆様方のご健勝とご発展を祈念 して、新年のご挨拶とさせていただきます。
RUMPES (WINTER, 2006)
5. 年頭挨拶
井須 雄一郎
(財)日本適合性認定協会 専務理事
;;;; ;;;; ;;;; yyyy yyyy yyyy一昨年来、原子力分野で進められてきたPD(Perfor-mance Demonstration、性能実証)は2005年5月 “超音 波探傷試験システムの性能実証における技術者の資格 及び認証”がNDIS0603として制定され、これを受けて 国の総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会 原子炉安全小委員会においてPD認証機関として妥当で ある旨の技術評価を受けた(社)日本非破壊検査協会、そ して昨年末にPD資格試験機関及びPD試験センターとし て実施するためにPD認証機関からの審査を受けて本年 1月からの受験申請に向けた取り組みを開始した(財)電 力中央研究所によって実際に動き出した。 昨年、このPDをテーマとしたCIW認定事業者の全6部 門(RT,UT,MT,PT,ET,SM)を取得している主任検査技術 者による座談会を行い、建築構造物、海洋構造物、ボ イラ、パイプライン、橋梁、化学プラントなどではPD と言った認証制度の要求はされていないものの、資格取 得者の中でも真の試験技術者の能力が何らかの形で要 求されていることが語られ、今後PDと同様の制度の必 要性は原子力分野に留まらず、種々の工業分野でも予 測される旨の結果を得た。 先のRUMPES(Vol.19 No.1,Winter 2005)においては、 軽水型原子力発電所用機器に対するPD資格試験に関し てPD試験体について触れたものの、PD資格試験の実施 手順及びPD資格試験結果の評価については取り上げてい ない。ここでは、NDIS0603に基づいて試験における結果 の判定基準についての概要を述べるとともに、非破壊試 験を行う技術者の観点から試験所の試験能力に関して JISQ17025:2000「試験所及び校正機関の能力に関する一 般要求事項」で規定する技能試験について紹介する。 1. PD資格試験結果の評価については、解答された SCC深さの測定値が次の判定基準を全て満足することが 要求されている。 (1) SCC深さは真とする深さに対して、4.4mmを超え て下回る結果が1つでもあってはならない。 (2) SCC深 さと真 とする深 さのRSME(root mean square error)は3.2mmを超えてはならない。 この4.4mmの値はUTS(「超音波探傷試験による欠陥 検出性及びサイジング精度に関する確証試験」[(財)発 電設備技術検査協会受託試験])の確証試験での従来 UTによる測定データ及び確性試験とプラント個別試験 における端部エコー法、TOFD法、フェーズドアレイ法 及びそれらを組み合わせた改良UTによる測定データを 基に健全性評価のために求められる測定水準を考慮し て規定されている。一方、RMSEは誤差の偏りと分散の 度合を一つの指標として示すことができるため測定精度 を評価する簡便な方法として考えられ、判定基準として 規定されている。 2.JISQ17025:2000で規定されている技能試験につい て殆どの手法は、ある試験所から得られた結果と他の一 つ以上の試験所から得られた結果との比較という共通点 を有している。技能試験データ処理のための統計量の計 算では、APLAC(アジア太平洋試験所認定機関協力機 構)等の技能試験でも採用されている“Zスコア”を求 めて、この計算結果によって判定を行うことになる。こ のZスコアを求めるには平均値を用いるか、あるいは中 央値(median)を用いるかの方法があり、平均値を用い た場合の全結果のばらつきの推定値Sには標準偏差を用 いることになる。一方、中央値(median)を用いた場合 の全結果のばらつきの推定値Sには、正規化した四分位 数範囲(NIQR)を用いることになる。いずれの方法によ るかは、データの中に異常に大きいあるいは小さい値が ある場合の取り扱いによる。 測定データとして例えば9点(小さい方から並べて、 3.1, 3.2, 3.5, 3.8, 4.0, 4.25, 4.4, 4.7, 36)が得られた場合の 例を示す。平均値は7.47、標準偏差は10.72となり、Z9 スコア(9番目のZスコア)を求めるとZ9=2.66となる。 一 方 、中 央 値 は 4 . 0 で 、正 規 化 し た 四 分 位 数 範 囲 は NIQR=0.667となり、この場合のZ9スコアを求めると Z9=47.98となる(計算方法はRUMPES Vol.19
No.1,Win-ter 2005参照)。ここで、両者を比較すると9番目の異常 に大きい値36が入っているにも関わらず平均値と標準偏 差を用いた場合、Zスコアの値には大きく影響してこな
6. PD資格試験と試験所の能力について
―試験結果の評価と技能試験の結果―
大岡 紀一
(社)日本溶接協会 参与
い。すなわち、Zスコアを用いた場合の実績統計量にお ける外れ値の取り扱いは、試験分野では、Zスコアの絶 対値が3以上の結果を外れ値とし、2以下を「満足」、2 を超え3未満を「疑わしい」とすることとしている。そ のため上記の平均値と標準偏差を用いた場合のZ9スコア は2.66であるから結果は外れ値ではなくて「疑わしい」 となる。したがって、測定値の取り扱いが非常に重要となる。 技能試験の実施は、例えば各試験所に手順書と共に きずを付与した試験片を送付し、超音波探傷試験であ れば端部からの距離(位置)、きずの深さ、きずの長さ を測定する。各試験所には技能試験の結果を参加した 全試験所のデータと共にバーチャート(順序化された試 験所に対するZスコア図、例は前出のRUMPESに掲載) が送付され、各自の試験所データは分かるようになって いるが、他の試験所がどのZスコアとなっているかは分 からないようになっている。したがって、各試験所は疑 わしい結果の場合はその原因が手順書(要領書)か試 験装置かあるいは技量(試験技術者)によるものかを分 析し、必要に応じて個人あるいは組織(試験所全体) として改善のための対応をすることになる。 このような観点から技能試験に参加し、実施すること によって自ら試験所としての技能を知ることが出来るこ とがJISZ17025の試験所認定で求めている技能試験であ り、手順書、試験装置を用いての一括したシステムの技 能を有する技術者を求めている点はPD制度と類似して いる面もあると言える。 以上、本稿が原子力分野に携わる方々のみならず、種々 の工業分野の方々に少しでも役にたてば幸いである。 参 考 資 料 1) NDIS 0603:2005「超音波探傷試験システムの性能実証における 技術者の資格及び認証」 2)「原子炉再循環系配管等の検査への改良超音波探傷試験の適用 について」(経済産業省原子力安全・保安院、H16.8) 3)「NDIS 0603:2005に関する技術評価書(案)」(原子力安全・保 安院、独立行政法人原子力安全基盤機構、H17.9) 4) JISQ 17025:2000「試験所及び校正機関の能力に関する一般要求 事項」
RUMPES (WINTER, 2006)
確性試験及びプラント個別試験における寸法測定データの分布(改良UT報告書より抜粋)1. はじめに
本誌19巻3号(2005.7)で紹介されたように、平成17 年5月に超音波探傷試験(Ultrasonic Testing,以後UTと 略)のPD認証試験規格としてNDIS 0603:2005「超音波 探傷試験システムの性能実証における技術者の資格お よび認証」が制定された。その後、総合資源エネルギー 調査会原子力安全・保安部会原子炉安全小委員会にお ける技術評価及びパブリックコメント1)を経て、同規格 の附属書に記載された「原子力発電所用機器に対する PD資格試験」が我国初のPD認証制度として発足(図1) し、平成18年1月からPD資格試験募集が開始され3月か らPD資格試験が実施されることとなった。今回のPD認 証は、「オーステナイト系ステンレス鋼配管突合せ溶接 継手に発生したき裂(疲労き裂、SCC等)深さを配管 外表面側から測定するUT技術者について、探傷装置、 手順書と一括した超音波探傷システムとしての認証」 であり、き裂の検出については対象とはなっていない。 受験者は、自分で、実機配管のき裂深さ測定に適した 手順書を作成し、その手順書に記載されたUT装置を用 いて、記載された測定手順どおりにき裂深さ測定を行い、 その結果が合格条件として決められている測定誤差範囲 内に収まることを実証することとなる。ここでは、手順 書の基本となる改良UT手法の概要及びその適用例等に ついて紹介する。2. 改良UTによるき裂深さ測定
2.1
改良UTの手法
図2(次ページ参照)に、改正電気事業法(H15年10 月)に基づくUTの評価手順の例を示す2)。この図中の UT手法が改良UT手法であり、SCCや疲労き裂の深さ測 定精度向上策として適用されている。すなわち、改良 UTとは、溶接金属内の透過性に優れた縦波と反射特性 に優れる横波を組み合わせることにより、SCCの先端部 からの散乱波/回折波を検出し、き裂形状の把握が容 易になるようにした手法であり、使用されるUT手法に は、次のものがある。 ① モード変換波法 ② 端部エコー法(焦点型、縦波/横波) ③ フェーズドアレイ法(TOFD法との組合せを含む) なお、 単独でのTOFD法については、SUS溶接部への 適用は超音波の減衰が大きいことから、改良UTによる 測定には用いられていない。7. UTによるSCCのき裂深さ測定について(1)
米山 弘志
(財)発電設備技術検査協会 溶接・非破壊検査技術センター
図1 わが国のPD認証システム(軽水型原子力発電所用機器を対象)RUMPES (WINTER, 2006)
図2 SUS316L系配管等についてのUTの評価手順例
図3(前ページ参照)は、従来のUT法と改良UT手法 によるSCC深さ測定結果の比較を示したものである3)。 改良UT手法は、測定値が4.4mmを超えて過小評価して いるデータもないことと、従来法では困難であったSCC の深さ測定ができていることから、改良UT法がSCCや 疲労き裂の深さ測定精度向上策として有効であること がわかる。
2.2
改良UTによる試験手順
図2に示すように、改良UTによるき裂深さの測定に当 たっては、まず、従来の横波斜角法によりき裂エコーが あると判定されたもの(DAC20%を超えるもの)につ いて、2次クリーピング波法で、き裂があることの確認 を行う。き裂が確認された場合には、モード変換波法に よりき裂の形状(深さ方向)の大まかな把握をした後、 その深さを端部エコー法及び/又はフェーズドアレイ法 により測定している。このとき、超音波の複数の入射角 により探傷しデータを比較するなど、測定の精度を向上 させるための措置がとられている。 2.2.1 2次クリーピング波法によるき裂の確認及びモ ード変換波法によるき裂形状の大まかな把握4) (a) き裂の確認 2次クリーピング波の有無によりき裂の有無を確認 (裏波ビード等の形状、金属組織エコーとき裂との識別) する。き裂が存在する場合、2次クリーピング波により 検出されたエコーがCRT上に現れるが、き裂がない場合 には出現しない。 (b) き裂深さの大まかな把握 2次クリーピング波のエコー高さが最大となる位置か ら後方(き裂から遠ざかる方向)に探触子を走査させ て、エコーの包絡線を観察する。 次に、さらに探触子を後方に走査し、モード変換波 によるエコーの出現を確認する。モード変換波によるエ コーの出現が認められず、2次クリーピング波の出現範 囲が短く、かつエコー高さの変化が急な場合は浅いき裂 と判断する。 試験体の試験部厚さの20%∼25%程度まで進展した き裂の場合、2次クリーピング波の他に、図4で示すよ うなモード変換波(横波→縦波→縦波の伝搬経路、逆 の経路もある)が明瞭に出現することがある。このモー ド変換波は、2次クリーピング波のエコー高さが最大と なる探触子位置で、2次クリーピング波(横波直射)に よるビーム路程の約0.75∼0.8倍の位置で出現することが あり、この位置から探触子をき裂から遠ざける方向に走 査すると、このエコーのピークが緩やかな円弧を描くよ うに動いていく傾向がある。 2.2.2 端部エコー法によるき裂深さ測定 (1) 適用手法 端部エコー法は、き裂などの面状き裂に対して超音波 を斜め入射させると、図5(次ページ参照)に示すよう に、き裂の端部からのエコーが得られる。このエコーの ピークが得られたときのビーム路程と使用した探触子の 屈折角から、き裂深さを求める方法である。 フェライト鋼配管溶接部及びSUS鋼配管溶接部におい て、供用期間中に発生が予想されるき裂の位置は熱影 響部(HAZ)の場合が多いため、基本的には横波斜角 端部エコー法を適用する。ただし、SUS鋼(SUS316L材) 配管溶接部におけるSCCのように、き裂の先端が溶接金 属境界あるいは溶接金属内に進展する可能性がある場 合は、縦波斜角端部エコー法を適用する。 (2) き裂深さの算出及び表示 き裂深さ寸法は、作図、計算式又は画像から求め、 次のいずれかの方法によって表示する。作図から直読す る方法もある。 ① き裂開口部エコーのビーム路程W1とき裂先端部 エコーのビーム路程W2差を用いて、次式から求め 図4 モード変換波法によるやや深い欠陥の検出及びエコーパターンたき裂深さdを表示 き裂深さd =(W1−W2 )・cosθ ② 板厚測定記録(T1:き裂開口部近傍の板厚)を 用いて、次式から求めたき裂深さdを表示 d =T1−W2・cosθ ③ 探傷面(探触子を走査する面)からき裂先端部 までの深さ(ZT )で表示 ZT =W2・cosθ 引 用 文 献 1) 総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会:第17回原子 炉安全小委員会資料17-3-2(2005年11月) 2) 総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会:第12回原 子炉安全小委員会資料より(2004年6月) 3)経済産業省 原子力安全・保安院:第8回原子力発電設備の 健全性評価等に関する小委員会資料8-2(2003年6月) 4)(社)日本電気協会「軽水型原子力発電所用機器の供用期間中 検査における超音波探傷試験指針」JEAG 4207-2004版 (以下、次号に続く)
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図5 端部エコー法の原理(裏面に開口した欠陥の場合)1. はじめに
平成17年盛夏、8月12日の前日、記憶からはもう忘れ かけた事故をテレビの報道で思い出した。 あれから20年の歳月が過ぎた。私は事故の当日、昭 和60年8月12日、東京の会議に出席するために前夜から 徹夜して会議資料を作り、朝5時前に家を出て6時の新 幹線始発列車で上京した。 その日はいつもの日帰り出張であった。夜7時半ごろ 新大阪駅に到着した。すでにお盆休みにかかっているこ とから新幹線の車内も駅前のタクシー乗場も子供連れな どの帰省客で混雑していた。徹夜明けと暑さも加わって 多少疲れ気味であったので新大阪駅からタクシーで家路 についた。 その車中でタクシー運転手が「大阪に向かっていた飛 行機の機影がレーダーから消えた」というラジオの臨時 ニュースを話してくれた。運転手と会話を交わしながら ラジオの報道を聞いておよそ20分後に家に着いた。まだ 家内はこのことを知らなかった。 すぐにテレビのスイッチを入れてみた。すでにテレビ でも臨時ニュースとして報道されていたが、詳細はまだ 分からない状況であった。それから刻々と報道される事 故の情報をテレビに釘付けになって見た。結局テレビの スイッチを切ったのは翌日の朝方であったのを覚えてい る。 私はいま所属している大学で毎年後期から「安全工 学」の講義を担当している。そこで昨年が日航ジャンボ 機墜落事故から20年の節目にあたることから、10月から 始まる講義の初日にこの「日航ジャンボ機墜落事故」 を取上げることにした。講義を聞いてくれる学生は当時 まだ2、3歳のころでもあり全く記憶にないが。2. 航空事故調査報告書の概要
ここで取上げる日航ジャンボ機墜落事故の航空事故 調査報告書(表紙参照)は、当時の運輸省航空事故調 査委員会から約2年後の昭和62年6月19日に公表された ものである。当時はワープロも普及していなかったせい かタイプ印刷で作成されおり、総頁数は386頁であった。 写真などはやや不鮮明ではあるが、そのコピーは国土交 通省航空・鉄道事故調査委員会のホームページ(文献1、 2)から閲覧できる。また、元航空事故調査官 佐久間光夫氏のホームページ“Aircraft Accident in Japan”(文献
3)でもその概要を閲覧できる。 以下は、これらのホームページから入手した事故原因 の概要を「安全工学」の講義資料の一部として作成し たものである。なお、資料を作成するに当たって多少個 人的な興味と見解が含まれていることをご容赦願いた い。また【 】内の注記は著者が追加したものである。 ① 航空事故の概要 日本航空株式会社所属ボーイング式747SR-100型 JA8119は、昭和60年8月12日、同社のJAL123便として東 京国際空港から大阪国際空港に向けて飛行中、伊豆半 島南部の東岸上空に差し掛かる直前の18時25分ごろ異 常事態が発生し、約30分間飛行した後18時56分ごろ、 群馬県多野郡上野村山中に墜落した。 同機には、乗客509名(幼児12名を含む。)及び乗組 員15名、計524名が搭乗しており、520名(乗客505名、 乗組員15名)が死亡し、4名(乗客)が重傷を負った。 同機は大破し、火災が発生した。 ② 事故原因と推定された後部圧力隔壁の損壊図と復元写真 事故調査報告書の付図-32に事故原因と推定された後 部圧力隔壁の損壊図、写真-24に後部圧力隔壁を復元し
8. 心ここにあらずんば 見えるものも見えず
平山 一男
大阪産業大学 工学部
航空事故調査報告書表紙た写真を示す。【上半部は旧機体のまま、下半部の白い 部分は過去に修理したときの新規の後部圧力隔壁を示 す。】 ③ 大阪国際空港における事故による損傷の修理 事故機は約7年前の昭和53年6月2日、大阪国際空港に 着陸の際、後部胴体の下部を滑走路に接触し後部胴体 を中破し、旅客2名が重傷、旅客23名が軽傷を負った機 体であった。 その後、大阪国際空港における事故機の修理を日航 がボーイング社に委託した。日航とボーイング社との間 で合意された修理に関する全体計画に従って、事故に よって変形した後部圧力隔壁下半部を機体から外し、 新規の後部圧力隔壁下半部の取付作業を進めたが、隔 壁の上半部と下半部のウエブ合わせ面(L18接続部【付 図-32、写真-24において時計の9時方向に相当】)におい て、リベット孔回りのエッジ・マージン【上半部と下半 部の重なり面の幅のこと】が構造修理マニュアルに記載 された値より不足する箇所が一部あることが発見され た。 これに対して後部圧力隔壁上半部と下半部との間に スプライス・プレートを1枚はさんで接続するという適 切と考えられる修正措置【報告書の別添1-付図3の左側 参照】がとられることになったが、実際の修正作業では 1枚のスプライス・プレートのかわりに修正指示より幅 の狭い1枚のスプライス・プレートと1枚のフィラが用い られ、前述の修正措置とは異なった不適切な作業とな った。【報告書の別添1-付図3の右側参照】 修理作業の際の検査及び修理後の検査では、前述の 不適切な作業部分を目視検査で発見することはできな かった。 このような修理によって、本来2列リベットで結合さ れるべきL18接続部の一部が1列リベットで結合される ことになり、この部分に強度は本来の接続方法によった 場合に比べて70%程度に低下し、この部分は疲労亀裂
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事故調査報告書の付図-32 写真-24が発生しやすい状態になったものと推定される。 ④ 修理後の事故機の運航及び整備の状況 その後の事故機の運航及び整備の状況は、昭和53年6 月の大阪国際空港における事故による損傷の修理後、 今回の事故に至るまでの間の同機の飛行時間は約16,196 時間、飛行回数(着陸回数)は12,319回であった。 この間に後部圧力隔壁のL18接続部には、1列リベッ ト結合部分を主として多数の疲労亀裂が発生進展して いた。 この間、同機について6回のC整備(3,000時間毎の整 備)が行われ、その際に後部圧力隔壁の目視点検も行 われたが、L18接続部のリベット結合部に発生していた 疲労亀裂は発見されなかった。 後部圧力隔壁のC整備時の点検方法は、隔壁が正規に 制作されている場合、また、その修理が適正に行われた 場合には当該C整備の時点では疲労亀裂がこの部位に多 数発生するとは考えられないので、妥当な点検方法であ ると考えられる。 しかしながら、今回のように不適切な修理作業の結果 ではあるが、後部圧力隔壁の損壊に至るような疲労亀 裂が発見されなかったことは、点検方法に十分とはいえ ない点があったためと考えられる。 ⑤ 事故の原因 本事故の原因は、事故機の後部圧力隔壁が損壊し、 引き続いて尾部胴体・垂直尾翼・操縦系統の損壊が生 じ、飛行性の低下と主操縦機能の喪失をきたしたため に生じたものと推定される。 飛行中に後部圧力隔壁が損壊したのは、同隔壁ウエ ブ接続部で進展していた疲労亀裂によって同隔壁の強 度が低下し、飛行中の客室与圧に耐えられなくなったこ とによるものと推定される。 疲労亀裂の発生、進展は、昭和53年に行われた同隔 壁の不適切な修理に起因しており、それが同隔壁の損 壊に至るまでに進展したことには同亀裂が点検整備で発 見されなかったことも関与しているものと推定される。
3. おわりに
以上がこのたび航空事故調査報告書を読み返してみ て、私の講義資料の一部にしたものであるが、20年前に 520名の尊い命を失った日航ジャンボ機墜落事故の主原 因は、些細とも思える「修理ミス」によるものであった。 なぜ「修理ミス」を防げなかったのか。 さらに事故調査報告書の中には直接の事故原因とな ったと思われる後部圧力隔壁L18接続部のリベット結合 部付近にベッタリとヤニが付着していたり、ヤニが吹き 出している写真が7枚(報告書P.200の写真-87∼93)も 添付されていた。当時キャビンの後部座席付近は喫煙 席でもあったことを思うと、これが煙草によるもので、 明らかに変色していれば、キャビンからの空気漏れが原 因であるとなぜ目視検査で気付かなかったのか。 この事実は、まさしく「心ここにあらずんば 見える ものも見えず」ともいえるのかもしれない。 参考文献1,2 http://www.mlit.go.jp/araic/index.html http://araic.assistmicro.co.jp/araic/aircraft/download/pdf/62-2-JA8119.pdf 文献3 http://www.eonet.ne.jp/~accident/ 報告書の別添1-付図3 修正指示と実際の継ぎ方RUMPES (WINTER, 2006)
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CIW認定会社及び関連団体向けに発行しております本誌「RUMPES」は、皆様の暖か いご支援を受け今年で創刊20周年を迎えました。そこで本号から4回にわたり、CIW認 定会社を紹介する特別企画「CIW認定会社プロフィール」を掲載いたします。本誌は関 係官公庁、団体等に配布されていますので、今回の特別企画によって、あらためてCIW 認定について多くの関係者の認識が深まることを期待しております。 社団法人日本溶接協会 溶接検査認定委員会 通信編集委員会 委員長 江端 誠-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RU MP E S -R UMP E S -R U M P E S -R U M PES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMP ES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RU M P E S-R U M P E S -R UMP E S -R UM PES-RUMPE S-R UM PE S-RU MP ES-RUM PES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMP ES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RU MPES-RUMPES-RU MP ES-R UM PE S-R UM P E S-RUMPE S -R U M P E S-R U M P E S -RU M PES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMP ES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUM P ES-R U M P E S-R U M P E S -R UMPES-R U MPE S -RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RU MP E S -R UMP E S -R U M P E S -R U M PES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMP ES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RU M P ES-R U M P E S-R U M P E S -R UMP E S -R UM PES-RUMPE S-R UM PE S-RU MP ES-RUM PES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMP ES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RU MPES-RUMPES-RU MP ES-R UM PE S-R UM P E S-RUMPE S -R U M P E S-R U M P ES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RUMP ES-RUMPES-RUMPES-RUMPES-RU M PES-R U M P E S-R U M P E S -R UMPES-R U MPE S 当社は、主として外国顧客(エンドユーザー)からの 第三者検査を受託する目的で1978年に設立されました。 第三者検査は、当時、国内の検査会社では殆どおこな われておらず、そのためにこの目的(課題)が設立時に 与えられました。
実際にはSHELL OIL(LA)、EXXON R&E(東京)、 UIE(France)、NYTA(N.Y)、U.S.Nevy(横須賀)などから の第三者検査(Third Party Inspection:TPI)の委託を受け ていますが、当該TPIと同時期に国内では建築鉄骨工事 の第三者検査業務が発展し、爾来、この業務が現在の 当社の主要業務のひとつとなっています。また、現在で は、鉄骨工事のみならずRC工事のTPIも主要業務 になっており、工事監理業務と併せて建築物の全国的 な検査業務を展開しています。 以上のように、当社は建築構造躯体(S/RC)の品 質保証に伴う「第三者検証業務」を提供しており、“量 より質”のコンサルティングニーズを追究しつつありま す。 第三者検査とは、本来、製造/製作者がおこなう品 質管理(QC)を検証して「製品」の品質保証(QA) をバックアップするものであり、今後は、この基本的か つ当然とも言うべき認識がより広く日本のユーザーにも 浸透して欲しいと願っています。 本社所在地:〒140-0013 東京都品川区南大井6-16-4 TEL:03-3766-2945 URL:http://www.esi-j.co.jp/ Email:[email protected] 事業所:本社 CIW認定番号:第5B-93号 認定種別:B種 認定検査部門:RT、UT、MT、PT 主要な検査分野:建築構造躯体(鉄骨造/RC造) 老舗の検査会社として、山口県を拠点として、主体 の非破壊検査をはじめ、品質保証業務を全国展開して いる。 溶接部の非破壊検査としては、建築鉄骨や化学プラ ント機器、橋梁、新幹線をはじめとする車両などを手が けているが、本社近郊に検査サービスセンターを設置し、 被検材の持ち込み試験や確認試験、検査ジグの製作や 検査機器の保守管理を行い、顧客の要求に対応してい る他、当施設はトレーニングセンターとして活用し、最 近実施されている文部科学省委託事業の「日本版ディ ユアルシステム」(企業派遣実習)での工業高校生の実 習の場として、非破壊検査の指導に利用するなど、地場 に根ざした企業活動を行っている。 また、近年話題となっているコンクリートの鉄筋かぶ さり調査やアンカーボルト調査、地中探査などの市場ニ ーズに応えるため、独立部門の編成を行い、新たな技術 に対しても積極的に取り組んでいる。 本社所在地:〒744-0011 山口県下松市大字西豊井1340-8 TEL:0833-41-1688 URL:http://www12.ocn.ne.jp/~shinki/ Email:[email protected] 事業所:本社・下松・周南・防府・日立 CIW認定番号:第12E-97号 認定種別:E種 認定検査部門:UT 主要な検査分野:建築鉄骨等の建築物、化学プラント
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