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韓国: 韓米FTA交渉が始まる

著者 渡邉 雄一

権利 Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア

経済研究所 / Institute of Developing

Economies, Japan External Trade Organization (IDE‑JETRO) http://www.ide.go.jp

雑誌名 アジアの出来事

ページ 1‑2

発行年 2006‑08

出版者 日本貿易振興機構アジア経済研究所

URL http://doi.org/10.20561/00049648

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韓 国   韓 米 FTA 交 渉 が 始 ま る

ア ジ ア の 出 来 事

アジア

地域研究センター 渡辺 雄一 今年2月の交渉開始宣言以降、数回の予備交渉を経て、6月より本格的な韓米FTA(自由貿 易協定)交渉 がスタートした。農業・繊維・検疫などを除く11分野で協定文を作成した第 1回交渉(6月)に続き、第2回交渉(7月)では一般商品(農産物と繊維は除 外)の開放 時期を5段階に分けた関税撤廃案で両政府は一致、農産物や繊維分野でも市場開放案を一括 交換することで合意した。電気・通信・放送など公共性の 高いサービス分野では、開放除外 リストの交換を行った。市場開放の大枠は固められつつあるが、個別交渉では依然難題が多 い。以下は主な交渉の争点である。

・ 農業

韓国:コメ市場開放拡大に対し開放時期の延長、セーフガード、関税割当等を要求。

米国:早期市場開放で譲らず。

・ 繊維

韓国:米国市場での中国製品の急増もあり、早期関税撤廃を要求。

米国:原産地規定やセーフガード等の保護措置適用を要求し、早期開放には慎重姿勢。

・ 医薬品

米国:韓国が今年9月より施行予定の「薬価策定適正化方案」(費用対効果の高い医薬品に 限り健康保険の給付対象とする保険財政健全化政策)に対し、自国製新薬が韓国市場から駆 逐されるとして反対。

・ 自動車

韓国:関税撤廃による米国産日本車の迂回輸入増大を懸念し、部品等の原産地規定強化を要 求。

米国:関税撤廃、及び非関税障壁として自動車税制の賦課基準変更(排気量から価格・燃費 へ)を要求。

・ 開城問題

韓国:北朝鮮の開城工業団地に進出する自国企業の製品を「韓国製」と認定するよう要求。

米国:「韓米間の問題でない」として却下。

韓国内の反応は、電子・機械類・自動車などの産業界が肯定的に評価している以外は、労組

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や農民・市民団体などは公聴会を中断させるほど猛烈に反発 している。実際、KIEP(対外 経済政策研究院)が推計した韓米FTAの経済効果でも、短期的に実質GDPを0.42%押し上 げる反面、雇用面では 0.51%の減少という結果が出ている。

準備不足や交渉の拙速さが批判されるなか、韓国政府はなぜこの時期に韓米FTAを推進する のか。中国の台頭や日本の景気回復を受け、国内産業の対外競争力 強化に急ぐ面もあろう。

また、軍事同盟を巡り近年ぎくしゃくとする韓米関係の打開のためにも、盧武鉉政権の「成 果」作りの一つとしたい政治的思惑も見え隠 れする。北朝鮮ファクターを抱えるなかで、国 内世論や利害関係者の説得もいかに行っていくのか、今後も多難な交渉過程が予想される。

2006年8月

参照

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