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222 低 落 差 小容 量 の 水 車 発電 機 に つ い て (1) 特 集:マ イ ク ロ水 力 の利 用技 術(2) 展 望 解 説 低落 差小 容量 の水車発電機 につ い て 須 藤 良 作*1 Hydroturbine Generator 創*2 国分 for Micro-Hydro

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222 低 落 差 小容 量 の 水 車 発電 機 に つ い て…(1)

《特 集:マ

イ ク ロ水 力 の利 用技 術(2)》

展 望 ・解 説 〕

低落 差小 容量

の水車発電機

に つ い て

須 藤 良 作*1 須 賀 創*2 国 分 清*2 安 食 浩*2

Hydroturbine Generator for Micro-Hydroeleetric Power Ryosaku SUDO, Hajime SUGA, Kiyoshi KOKUBU and Hiroshi AJIKI

1.は じ め に 我 が 国 の 水 力 発 電 は 、 地 球 温 暖 化 、 地 球 環 境 維 持 、 ナ シ ョ ナ ル ・セ キ ュ リ テ ィな ど の 面 か ら 石 油 代 替 エ ネ ル ギ ー と して 最 も有 効 な 手 段 で あ る 。 しか し、 高 落 差 で 、 流 量 の 多 い 場 所 は 既 に 開 発 が 終 わ っ た と み ら れ 、 水 力 発 電 業 務 は 保 守 が 主 に な っ て い る 。 そ の た め ビ ジ ネ ス と し て 非 常 に 困 難 な状 況 に な っ て き て い る の が 現 実 で あ る 。 そ の 反 面 、 コ ス ト ・パ フ ォー マ ン ス の 悪 い 低 落 差 、 小 流 量 地 域 が 残 さ れ て い る 。 そ の よ う な 場 所 は 数 が 多 い の で 、 水 車 発 電 装 置 を 数 多 く 設 置 す れ ば有 効 な 電 力 が 得 ら れ る もの と期 待 さ れ る が 、 い ま だ 技 術 的 な 課 題 の 多 い の も事 実 で あ る 。 著 者 らは 長 い 間 、 低 落 差 で 小 容 量 の 水 車 発 電 機 を研 究 し 、 開 発 し て き た の で 、 こ こ に そ れ ら の 特 徴 を紹 介 す る 。 2.小 容 量 水 力 の 分 類 小 容 量 水 力 は 、 一 般 に10,000kw∼1,000kw を 小 水 力 、1,000kW∼100kWを ミ ニ 水 力 、 100kW以 下 を マ イ ク ロ水 力 と呼 ん で い る 。 著 者 ら は 、100kW以 下 の 水 車 に つ い て 、100kW∼ 20kWを マ イ ク ロ 水 力 、20kW∼3kWを ナ ノ水 力 、1kW以 下 を ピ コ水 力 と称 し、 水 車 を選 定 す る 際 、 水 車 型 式 をFig.1の よ う に分 類 し て い る 。 3.低 落 差 に 適 用 す る 水 車 高 落 差 、 低 落 差 等 の 呼 称 は 、 本 来 、 水 車 の 出 力 、 体 格 に 関 連 した 相 対 的 な もの で あ る 。 こ こ で 言 う低 落 差 と は10m以 下 の 落 差 を 総 称 す る も の とす る 。 こ の 範 囲 に 適 用 さ れ る水 車 と して は 、 大 容 量 の 場 合 、 カ プ ラ ン水 車 、 チ ュ ー ブ ラ水 車 等 が 知 ら れ て い る が マ イ ク ロ水 力 、 ピ コ水 力 と称 せ られ る よ う な 、 い わ ゆ る 低 落 差 小 容 量 に 適 用 す る水 車 は 、 従 来 そ の よ うな 水 車 の ニ ー ズ が 少 なか った 事 も あ っ て ほ どん と定 形 が 無 く各 メ ー カ で種 々 の 工 夫 を こ ら して 開 発 して い る。 この 種 の 水 車 に 大 事 な特 徴 は 、 安 価 で 扱 い 易 い こ とで あ る 。 著 者 ら はFig.1に 示 し た よ う に 、 落 差10m以 下 、 出 力100kW以 下 に 適 用 す る 水 車 と して 次 の 4種 類 を 開 発 して い る 。 3-1ク ロ ス フ ロ ー 水 車 こ の 水 車 は 、 ド イ ツ の オ ス バ ー ガ 社 が 約100 *1(株)田 中水 力 機 械 製 作 所 常 務 *2(株)田 中水 力 機 械 製 作 所 営 業 技 術本 部 原 稿 受 付 日 平 成14年1月7日 30 2002年4月

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低 落差 小 容 量 の 水 車 発 電機 に つ い て …(2) 223

APPLICABLE RANGE FOR SMALL HYDRO TURBINE

Fig.1 Selection chart of small hydro turbine

年 程 前 か らバ ン キ タ ー ビ ン に改 良 を加 え 、 ラ ン ナ 径 に 比 較 して ラ ン ナ 幅 を 大 き く して 、 大 流 量 に 適 用 で き る よ う に す る と 同 時 に ガ イ ドベ ー ン を2分 割 す る こ と に よ っ て 、 幅 広 い 流 量 変 化 に 対 応 し 、10%程 度 の 低 水 量 ま で 比 較 的 高 い 効 率 を 維 持 で き る よ う に し、 ク ロ ス フ ロ ー 水 車 と言 う商 品 名 で 普 及 させ た も の で あ る 。 我 が 国 で は 、1980年 長 野 県 軽 井 沢 で 星 野 温 泉 が 、 落 差9∼121丘 、 出 力75∼100kWの ク ロ ス フ ロ ー 水 車 を2台 輸 入 した の が 始 め て で 、20年 を 経 た 現 在 も運 転 を 継 続 して い る 。 そ の 後 、 小 水 力 開 発 の 時 流 に 乗 っ て 、.国内 各 社 が 、 効 率 の 改 善 と 耐 久 力 に 力 点 を 置 い て 開 発 し 、 国 産 化 が 進 ん だ 。 (株)田中 水 力 機 械 製 作 所 は1981年 ∼1984年 に わ た り、 国 の 開 発 補 助 金 を 得 て 、 主 と して 変 落 差 に 対 す る特 性 と吸 出 し管 効 果 の 向 上 を 中 心 と し て研 究 開 発 し 、 幅 広 い 範 囲 へ の 適 用 可 能 水 車 と し て 、 当 初 、 貫 流 水 車 と して 発 売 し た 。 最 近 は 、 ク ロ ス フ ロ ー 水 車 と 称 し て い る 。(ち な み に 、 最 近 、 オ ス バ ー ガ 社 は 、 ク ロ ス フ ロ ー 水 車 が 一 般 名 と な っ た 事 か ら、 自 社 の 製 品 は 、 オ ス バ ー ガ タ ー ビ ン と し て 名 声 を 堅 持 して い る)。 当 社 は 基 準 のNs(比 速 度)を95(m-kW)に 置 き 、

Fig.2 Crossflow turbine

ラ ン ナ径200mm∼1,250mm、 ラ ン ナ 幅 を ラ ン ナ 径 の0,1∼3倍 の 範 囲 で 製 品 化 して い る 。 そ の 構 造 をFig.2に 、 製 作 範 囲 をTable 1に 示 す 。 ま た 、 落 差2∼3mに 適 用 す る 水 車 と し て 、 Fig.3に 示 す 半 露 出 形 の 水 車 を 製 品 化 して い る 。 こ れ ら の 水 車 が 低 落 差 領 域 で 使 用 さ れ る場 合 の 回 転 数 は 大 部 分 が100min-1∼600min-1で あ る 。 こ の 範 囲 に 適 用 す る 発 電 機 で10極 以 上 の も の は 、 あ ま り製 造 さ れ て い な い の で 水 車 との 直 結 運 転 が 出 来 な い も の が 多 い 。 経 済 性 か ら発 電 機 を1,000min-1以 上 に 選 び 、 水 車 と の 間 に増 速 機 を 入 れ て 使 用 す る 場 合 が 多 い 。 3-2立 軸 プ ロ ペ ラ 水 車 落 差1m∼6m、 流 量0.07m3/s∼0.7m3/s、 出 力

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224 低 落 差小 容 量 の 水 車発 電 機 に つ い て …(3)

Table 1 Fabrication range of crossflow turbine

Fig. 3 Low head open cross flow turbine

Fig. 4 Vertical propeller turbine

1kW∼20kWま で の 範 囲 に 適 用 す る 水 車 で 、 Fig.4の よ う な 構 造 に な っ て い る。 ケ ー シ ン グ は 渦 巻 形 方 形 断 面 で 、 下 面 は ベ ー ス プ レ ー トを 兼 ね て お り、 水 車 全 体 を 支 え る 部 分 は 、 堅 牢 な

(a) Outside view (b) Inside view Fig. 5 Package type

吸 出 し管 と そ の 上 に 設 置 さ れ た ス ピ ー ド リ ン グ 固 定 ガ イ ドベ ー ン で 構 成 され て い る 。 ラ ン ナ は独 立 し た 水 車 軸 と ス ラ ス トを 担 う軸 受 及 び 軸 端 の プ レ止 め 用 の 水 中 軸 受 か ら な る 回 転 部 に 取 り付 け ら れ 、 上 カバ ー と一 体 と な っ て ス ピ ー ドリ ン グ 上 部 に 固 定 さ れ て い る 。 発 電 機 は 上 部 カ バ ー に 取 り付 け ら れ た 筒 形 の デ ィ ス タ ン ス ピ ー ス の 上 に 水 車 と同 心 で 取 り付 け 、 水 車 軸 と は フ レ キ シ ブ ル カ ッ プ リ ン グ に よ り直 結 し て い る 。 可 変 の ガ イ ドベ ー ンが 無 い の で 、 水 量 調 整 が で きず 、 常 に 定 格 水 量 以 上 の 流 量 が あ る こ と が 運 転 条 件 と な る 。 3kW∼10kWの も の はFig.5に 示 す よ う な 、 パ ッ ケ ー ジ タ イ プ の もの で あ り建 屋 を必 要 とせ ず 、 こ の ま ま 屋 外 で 使 用 出 来 る 様 に な っ て い る 。Fig.5は そ の 内 部 構 造 を示 す も の で 、 配 電 盤 に 必 要 な計 器 と遮 断 器 、AVRと ダ ミー ロ ー ド ガ バ ナ も保 有 し安 定 した 電 圧 と周 波 数 が 常 に得 ら れ る よ う に な っ て い る 。 入 口 弁 は 、Fig.5(a) の 左 下 の キ ャ ビ ネ ッ ト下 部 に 見 え る 方 形 の 穴 に 円 形 断 面 か ら 方 形 断 面 に 変 え る レデ ュ ー サ を 介 し て 取 り付 け ら れ 、 水 車 の 起 動 、 停 止 は 入 口弁 の 開 閉 の み に よ っ て 行 わ れ る 。 こ の 製 品 の 標 準 形 はTable2の と お りで 、 水 車 は 、Nsが400∼600(m-W)の もの を 使 用 し 32 2002年4月

(4)

低 落 差 小 容 量 の 水 車 発 電 機 につ い て …(4) 225

Table2 Specification of small hydro propeller turbine

Fig.6 Vertical turgo impulse turbine

て い る 。 ま た 、 発 電 機 は 、 自 励 誘 導 発 電 機 を使 用 し、 コ ス トの 低 減 と交 換 部 品 が 容 易 に 入 手 で き る よ う に し、 開 発 途 上 国 の へ き 地 へ の 普 及 を 考 え て い る 。 な お 、1kW程 度 の 特 殊 な もの 、 い わ ゆ る ピ コハ イ ドロ と呼 ば れ る も の は 発 電 機 と し て 全 天 候 用 全 閉 外 扇 形 誘 導 電 動 機 を用 い 、 制 御 機 器 を壁 掛 ボ ッ ク ス に収 納 し 、 キ ャ ビ ネ ッ ト を 省 略 した も の も あ る 。 3-3立 軸 タ ー ゴ イ ンパ ル ス 水 車 こ の 水 車 は 落 差 が4m∼10m(最 大30m)、 流 量0.02m3/s∼0.2m3/s、 出 力20kW以 下 の 小 容 量 水 力 発 電 の 場 合 で 、 立 軸 プ ロ ペ ラ水 車 や ク ロ ス フ ロ ー 水 車 が 技 術 的 、 経 済 的 に 適 用 で き な い 範 囲 で 使 用 さ れ て い る 。Fig.6は そ の 構 造 の1例 で あ る 。 ラ ン ナ 面 の ピ ッチ 円 に 沿 っ て 、2又 は4本 の ジ ェ ッ トを 斜 め に投 射 し 、 ラ ン ナ の 下 方 に 排 水 す る もの で 、 理 論 的 に は 、 タ ー ゴ イ ン パ ル ス 水

(a) Outer flow wheel

(b) Low head open cross flow turbine Fig.7 Flow type low head open turbine

車 と な る 。 こ の 場 合 、 各 ジ ェ ッ トは ノ ズ ル か ら 噴 出 す る が 、 ノ ズ ル に は ニ ー ドル を取 り付 け て い な い の で 、 流 量 の 調 整 は で きず 常 に 最 大 流 量 を使 用 す る こ と に な る 。 こ の 様 な水 車 は 構 造 的 に は 、 プ ロ ペ ラ水 車 と変 り な い の で 、 水 車 軸 と 発 電 機 の 取 り付 け は 立 軸 プ ロ ペ ラ水 車 と 同 様 と な っ て お り、 パ ッ ケ ー ジ 形 と し て 使 用 さ れ る 。 Fig.1に 示 す 立 軸 タ ー ゴ の 適 用 範 囲 で 、 点 線 よ り落 差 が 低 い 方 が4ノ ズ ル 、 高 い 方 が2ノ ズ ル で あ る 。 3-4開 放 水 車 形 体 的 に は 、 「小 川 の 水 車 」 と呼 ば れ る も の で 、 ラ ン ナ 径 が1∼3m、 ラ ン ナ 幅0.5∼2mと 大 形 で 回 転 速 度 が10∼50min4、 出 力10kW以 下 で あ る 。 一 般 に 開水 路 内 に 設 置 し て 、 流 れ の 運 動 エ ネ ル ギ ー と水 路 内 の 段 差 を 利 用 し落 下 の 運 動 エ ネ ル ギ ー を 回 収 す る もの で あ る 。 だ だ し 、 こ の水 車 を 設 置 す る と水 深 の 堰 上 げ が 発 生 す る の で 、 利 用 す る 場 合 は 水 路 の 勾 配 、 幅 、 構 造 を詳 細 に 調 べ 、 適 応 す る水 車 形 式 を 選 択 し な け れ ば な ら な い 。 こ の 形 式 に は 、 開 放 周 流 形 と 開放 ク ロ ス フ ロ ー の2種 類 が あ る。 前 者 はFig.7に 示 す とお り、 ラ ン ナ 外 周 に あ る ラ ン ナ 羽 根 を 流 れ が 押 し の け る よ う に働 く も の で 、 比 較 的 水 深 が 浅 い 、 水 路 勾 配 が1/100以 下 に 用 い ら れ る 。 後 者 は 流 れ が 羽 根 に激 突 す る よ う に 当 た り羽 根 を 押 す と同 時 に 、 一 旦 、 ラ ン ナ の 内 部 に 入 り、 再 度 、 ラ ン

(5)

226 低 落差 小 容 量 の水 車 発 電 機 に つ い て …(5)

Fig.8 Arm lift type of outer flow wheel

ナ 羽 根 の 内 部 に 作 用 しな が ら外 周 に排 出 さ れ る。 この形 式 は流 水 が 相 当 の速 度 を持 って い る 場 合 に、水 路 中 の段 差 や 勾 配 が1/10以 上 に適 用 され る もの で 、 開放 周流 形 に比 較 して効 率 が 高 い 。 これ らの水 車 は トル ク を大 き く採 るた め に、 ラ ンナ径 が 大 き く回 転速 度 が 遅 い。 水 車 軸 の 回転 は一 度 ベ ベ ル ギヤ に よっ て捕 らえ、 中間 回 転 軸 を介 して 増 速機 に伝 達 し発 電 機 に接 続 す る こ とに よ り、 安 定 した電 力 を伝 達 す る よう工 夫 され てい る 。 また 、 水 路 内 に設 置 す る水 車 は、 水 が急 増 した場 合 や故 障 な どで 、水 路 の持 つ 責 務 を妨 害 す る こ とが ない よ う除去 され る こ とが 望 ま しい 。 このた め に は、 水 路 内 に構 造 物 を 固定 した り、水 路 を改 造 す る こ と な く設 置 で きる水 車 が 良 い 。 当 社 で はFig.8の よ うに設 置 ア ー ム と引 き揚 げ用 リ フ トを組 み 合 わせ た水 車 発 電 機 を開発 し、据 付 工費 も安 価 に な る方式 を 採 用 して い る 。 4.電 気 設 備 小 容 量水 力 に使 用 す る発 電 機 、制 御 装 置 等 の 電 気 設 備 は 、 運 転 にあ ま り経 費 をか け られ ない の で 、 コス トの 低 い 自動装 置 を必 要 とす る。 4-1発 電機 適 用 され る発 電機 には 、 同期 発 電 機 、 誘 導発 電機 、永 久磁 石 式発 電機 が あ る が 、共 通 の 採 用 条 件 と して、 次 の 事項 を配 慮 しな けれ ば な ら な い 。 ●廉 価 で 入 手 容 易 で あ る こ と ●定 格 速 度 の約2倍 の過 速 度 に対 し、10分 以 上 の 耐 力 を もつ こ と ●運 転 ・保 守 に手 数 を要 さな い こ と (1)同 期 発 電 機 20kW以 上 で 、電 圧 の 自立 を必 要 とす る 場 合 は 、 ほ どん と3相 同期 発 電 機 を使 用 して い る。 保 守作 業 を軽 減少 な くす るた め 、 ブラ シ レス方 式 を採 用 す る 場 合 が 多 い 。 価 格 を低 減 す る場 合 、 過 速 度 耐 力 を確 認 す る必 要 が あ る 。 (2)誘 導 発 電機 系 統 に並 列 して運 転 し、 電 力 の 回収 を主 目的 とす る場 合 に は 、3相 誘 導 発 電 機 が 採 用 さ れ る 。 この発 電 機 は回 転子 に籠 形 を用 い て い る場 合 が多 く、 構 造 が簡 単 なの で100kW以 上 の 大 容 量 に使 用 され てい る。 しか し、並 列 時 、 突 入 電 流 が大 きい た め電 圧 降 下 を発 生す るの で 注 意 を 要 す る。30kW以 下 の小 容 量 の 場 合 は 、汎 用 の 誘 導電 動 機 を流 用 す る こ と もで き、 価 格 的 に は 相 当安 くな る が、 過 速 度耐 力 には充 分 な注 意 を 要 す る。 また 、運 転 力 率 が 低 い の で、 改 善 用 の コ ンデ ンサ ー を使 用 す る場 合 、 系統 が 故 障 し電 圧 が無 くな る と、水 車 の回 転 が 上 昇 し コ ンデ ン サ ー に よ る 自己励 磁 が 起 こ り、 過 電圧 とな る の で注 意 を要 す る。 (3)自 励 誘 導発 電 機 10kW以 下 の小 容 量 の 場 合 、 誘導 電 動機 に コ ンデ ンサ ー を用 い て 自 己励 磁 させ る こ と に よ り、単 独 で 自立 運 転 を させ る こ とが で きる。 こ の方 式 は3相 と して使 用 す る以 外 に単相 で運 転 す る こ と もで き、 非 常 に便 利 で安 価 で あ る 。 (4)永 久 磁 石 発 電機 回転 子 に永 久 磁 石 を用 い 、 自己励磁 発 電機 と して用 い る もので 、 励磁 量 を変 え られ ない の で 回転 に比 例 して電 圧 も変 動 す る。1kW以 下 の場 34 2002年4月

(6)

低 落 差 小 容 量 の 水 車 発 電 機 につ い て…(6) 227 PID: 電 力 調 整 器 PT: 水 車 出 力 PG: 発 電機 出 力 PL: 需 要 負 荷 PD: ダ ミー ロ ー ド 供 給 負 荷

Fig.9 Dummy load governor scheme

合 、 自励 誘 導 発 電 機 方 式 よ り高 価 に な る 。 4に2自 動 装 置 小 容 量 水 力 発 電 は 、 国 内 、 国 外 に よ っ て 、 施 主 、 運 営 者 の 考 え 方 や 環 境 が 異 な る が 、 何 れ の 場 合 も発 生 す る 電 力 が 小 さ く、 経 済 的 に も保 守 運 営 費 を 大 き くか け る 事 が 出 来 な い 。 一度 据 付 け た ら そ の 後 は メ ン テ ナ ン ス フ リ ー の 設 備 が 必 要 で 、 小 容 量 で も全 自動 式 に し、 コ ス トの 安 い 次 の よ う な 装 置 を用 い て い る 。 (1)ガ バ ナ ー ガ バ ナ ー一に は 、 水 車 の 水 口 を機 械 的 に 制 御 し て 使 用 水 量 を調 整 す る 方 式 の 従 来 形 ス ピ ー ドガ バ ナ ー と水 量 を 変 え ず 発 生 電 力 と送 り出 し電 力 と を バ ラ ン ス させ 、 回 転 を 一 定 に保 つ ダ ミ ー ロ ー ドガ バ ナ ー が あ る。 前 者 は 、 水 口 の 開 度 を 調 整 す る サ ー ボ モ ー タ と制 御 を対 象 とす る 回 転 速 度 、 流 量 等 を検 出 す る 検 出 制 御 部 と か ら成 り立 っ て い る 。 後 者 の ダ ミ ー ロ ー ドガ バ ナ ー は 、 需 要 負 荷 と 並 行 し て ダ ミー ロ ー ドを 有 し て お り、 速 度 の 上 下 に応 じ て ダ ミ ー ロ ー ド を増 減 し て 回 転 速 度 を 一 定 に 保 つ 方 式 の ガ バ ナ ー で あ る 。 Fig.9に そ の 原 理 を 示 す 。 発 電 出 力 ηG= PG= PL+ PD (1) 需 要 負 荷PL1= PL+ Δp (2) ダ ミ ー 負 荷PDI= PD- ΔP (3) PG= PLI+ PD1= PL+ PD (4) 今 、 負 荷 が ΔP増 加 す る と式(2)の よ う に な る 。 ダ ミ ー 負 荷 は 式(3)の よ う に な り、 全 体 的 に 式(4) に 示 す よ う に バ ラ ン ス を 保 ち 、 負 荷 が 変 動 し て も 、PTとPL、PDの 関 係 が 式(1)を 満 足 す る よ う に な る 。 そ れ 故 、 回 転 速 度 は 一 定 値 を保 ち 、 運 転 さ れ る 。 (2)自 動 電 圧 調 整 器(AVR) 発 電 機 の 運 転 電 圧 を 一 定 に 保 つ 制 御 装 置 で 、 同 期 発 電 機 の 場 合 は 励 磁 電 流 を 調 整 して 行 う 。 最 近 で は 、 マ イ ク ロ プ ロ セ ッサ ー(CPU)を 組 み 込 み 、AVRの 他 、 力 率 制 御 、 無 効 電 力 制 御 等 に も応 用 さ れ て い る 。 自 励 誘 導 発 電 機 は 回 転 速 度 が 一 定 で あ れ ば 負 荷 変 動 に 伴 う 電 圧 変 動 が 少 な い の で 、AVRを 省 略 す る 場 合 が 多 い 。 (3)自 動 閉 鎖 形 入 口 弁 水 車 発 電 機 を停 止 させ る場 合 、 入[弁 で 行 う た め 、 通 常 、 電 動 化 し て い る 。 しか し、 小 容 量 発 電 に お い て は 、 設 備 コ ス トの 低 減 か ら 「開 」 を 手 動 、 「閉 」 を 重 錘 に よ り 自 動 閉 鎖 す る 方 式 が 多 い 。 当 社 で は 、 手 動 ハ ン ドル で 入 口 弁 を 全 開 し 、 発 電 を 開 始 しAC電 源 が 発 生 す る と 、 手 動 操 作 の ク ラ ッ チ が 外 れ 、 重 錘 が 電 磁 的 に 保 持 さ れ る 機 構 を採 用 し、 電 源 が な くな れ ば 、 自 動 的 に 落 下 す る 信 頼 性 の 高 い 自動 閉 鎖 機 構 を 製 作 し て い る 。Fig年10は そ の 機構 を 示 す 。 4-3そ の 他 の 電 気 設 備 (1)保 護 装 置 保 護 装 置 は 機 械 的 保 護 と 電 気 的 保 護 に 分 け ら れ る が 、 前 者 は 過 速 度 に対 す る 保 護 で 、 小 容 量 発 電 の 場 合 は 、 水 車 の 過 速 度 に耐 え る機 械 的 強 度 が あ り、 本 質 的 に 保 護 を 要 さ な い よ う に して い る 。 後 者 は 主 と し て 、 発 電 機 の 電 圧 、 電 流 と 系 統 全 体 の 安 全 に 対 す る保 護 で あ る 。 この 他 に 温 度 上 昇 に 対 す る 保 護 と し て 、 大 容 量 の 場 合 、 軸 受 温 度 リ レ ー が 規 定 さ れ て い る 。 小 容 量 の 場

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228 低 落 差 小 容 量 の 水 車発 電 機 に つ い て …(7)

Fig.10 Inlet valve actuater

合 、 ほ どん と が 転 が り軸 受 を 使 用 して お り、 温 度 リ レ ー で 検 出 し て も 、 そ の 時 は 軸 受 が 破 損 し て い る 場 合 が 多 く 、 そ れ ま で に 振 動 、 異 常 音 等 で 感 知 で き る の で 、 コ ス ト低 減 上 、 温 度 リ レ ー を省 略 して い る 。 こ の よ う な 考 え 方 か ら 、200kW以 下 の 小 容 量 発 電 の 保 護 と して 、 電 気 的 に 過 電 流 リ レ ー(#59) 過 電 流 リ レ ー(#51) 地 絡 リ レ ー(#64) の3種 類 を標 準 装 備 して い る 。 (2)蓄 電 池 コ ス ト低 減 な ら び に運 転 開 始 後 の 保 守 で 最 も 問 題 と な る の が 蓄 電 池 の 設 備 で あ る 。 運 転 の 考 え方 が 、高 信 頼 性 の 自動 運 転 を望 む場 合 、CPU、 ガ バ ナ ー 、AVR、 保 護 ル ー 、補 助 ルー 等 の 総 て が 蓄 電 池 に よ る 補 助 電 源 が あ る も の と し て 、設 計 、 製 造 さ れ て い る の が 大 部 分 で あ る 。し か し 、 100kW以 下 の 小 容 量 発 電 の 場 合 、 蓄 電 池 コ ス ト と保 守 コ ス トと そ の 技 術 レベ ル が 極 め て 負 担 率 の 高 い も の と な る の で 、 出 来 る 限 り蓄 電 池 を省 略 し た ほ う が 良 い と 考 え て い る 。 当 社 で は 、 130kWの 小 容 量 発 電 所 を蓄 電 池 無 しで 、 自 動 運 転 す る た め 、CPU、 ガバ ナ ー 等 の 補 助 電 源 を 全 て 、AC電 源 と し 、 緊 急 停 止 の 場 合 は 発 電 機 電 圧 を 喪 失 させ る こ と に よ り、#52の 開 放(無 電 圧 開 放)と 入 口 弁 の 閉 鎖(前 項 の 自動 閉 鎖 入 口 弁)を 行 い 信 頼 性 の 高 い シ ス テ ム を 開 発 し た 実 績 が あ る 。 (3)運 転 制 御 最 近 、 運 転 制 御 は 、CPUに よ る 一 体 制 御 で 良 質 か つ 安 価 な 運 転 制 御 が 得 ら れ て い る 。 小 容 量 発 電 の 場 合 も例 外 で 無 く、 特 に 、 手 動 と連 係 し た 方 式 に よ っ て 、 小 形 で 安 価 な 制 御 装 置 が 開 発 さ れ て い る 。 5.む す び 我 々 が 、 機 械 、 電 気 を 業 と し専 門 家 を 自 負 し て い な が ら、 機 械 、 電 気 の 技 術 を 駆 使 し た 玩 具 を 設 計 す る こ と は 簡 単 で は な い 。 玩 具 の 持 つ 、 低 コ ス ト、 耐 久 性 、 固 有 の 機 能 等 は 全 て 、 そ の 専 門 家 が 心 血 を 注 い だ 成 果 と考 え ら れ る 。 小 容 量 発 電 も大 容 量 発 電 か ら見 れ ば 、 玩 具 以 下 の も の で あ ろ うが 、 そ れ に は そ れ な りの 本 質 が あ る と考 え る 。 特 に 、 最 近 の ク リー ンエ ネ ル ギ ー に 対 す る 一 般 の 関 心 の 深 さ は 、 低 落 差 、 小 容 量 の マ イ ク ロ 、 ピ コ 発 電 と 言 っ た も の に 及 ん だ 時 、 水 力 発 電 の 本 質 で あ る エ ネ ル ギ ー の 存 在 す る 地 域 の 特 性 と も相 ま っ て 、 極 め て 、 奥 深 い も の が あ る と思 う。 こ の よ う な 観 点 か ら 、 現 在 、 我 々 の 持 っ て い る 極 め て 少 な い 事 例 を 記 し ま し た が 、 今 後 と も 多 くの 技 術 者 と 共 に 多 岐 に わ た る 小 容 量 発 電 の 開 発 に 努 力 した い 。 36 2002年4月

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