中央大学理工学部情報工学科 卒業研究論文
リニア中央新幹線による経済効果と 二酸化炭素排出量の変化
学籍番号 06D8102006E
丸山裕樹
指導教員 田口 東 教授 2010年3月
あらまし
本研究では,リニア中央新幹線により生まれる都道府県ごとの経済効果,二酸化炭素排 出量の変化を予測する.
リニア中央新幹線の沿線は魅力的な地域となり,人口が増え,県内総生産が増加し,さ らに魅力的な地域となる.しかし沿線の人口が増えた分,他の都道府県の人口は減り,県 内総生産も減尐し,魅力度は落ちることになる.魅力度が人口に影響を与え,人口が県内 総生産に影響を与え,県内総生産が魅力度に影響を与えるという状況を再現するモデルを 作成し,リニア中央新幹線が開通する場合と開通しない場合の県内総生産を比較して経済 効果を見る.
また,交通シェアの変化や人口の変化により,各都道府県間を流れる交通機関ごとの交 通量にも変化が生じる.交通量がどのぐらい変わるかを予測し,その結果を元に二酸化炭 素排出量の変化を見る.
キーワード:リニア中央新幹線,県内総生産,経済効果,四段階推定法,二酸化炭素
目次
第1章 はじめに ... 1
第2章 経済効果の予測... 2
2.1 予測の流れ ... 2
2.2 交通一般化費用 ... 3
2.2.1 交通一般化費用とは ... 3
2.2.2 犠牲量モデル ... 5
2.2.3 リニア中央新幹線の運賃と所要時間 ... 8
2.2.4 リニア中央新幹線によるシェア変化 ... 9
2.2.5 時間評価値 ... 12
2.3 地域魅力度 ... 14
2.4 人口 ... 15
2.5 県内総生産 ... 18
2.6 経済効果の予測結果と考察 ... 20
2.6.1 2024年まで ... 20
2.6.2 2025年から2035年まで ... 22
2.6.3 両ケースの比較 ... 26
第3章 二酸化炭素排出量の予測 ... 31
3.1 現在の二酸化炭素排出量 ... 31
3.2 都道府県間交通による二酸化炭素排出量の割合 ... 31
3.3 将来の二酸化炭素排出量 ... 33
3.3.1 予測の流れ ... 33
3.3.2 四段階推定法 ... 34
3.4 二酸化炭素排出量の予測結果と考察 ... 36
3.4.1 2024年まで ... 36
3.4.2 2025年から2035年まで ... 37
3.4.3 両ケースの比較 ... 42
第4章 終わりに ... 45
4.1 まとめ ... 45
4.2 今後の課題 ... 45
謝辞 ... 47
参考文献 ... 48
1
第
1
章 はじめに2025年に東京・愛知間でリニア中央新幹線が開通する予定である.リニアモーターカー は磁力で浮遊・推進する機構を持ち,その最高速度は2003年の試験走行で581km/hを記 録した.ギネスブックにも世界最高速度の鉄道として認定されている,将来の人員輸送の 要として期待されている鉄道である.
東京と愛知を繋ぐ鉄道としては,既に東海道新幹線が開通している.しかし,需要の逼 迫や老朽設備の取り替え,災害による不通時の代替輸送手段の確保等の課題を抱えている ため,高速のバイパス路線に対する期待は高い[23].
また,首都圏,名古屋圏という2つの都市圏を繋ぐリニア中央新幹線は,この2 ヶ所を 約40分圏域という狭さで統合し,1つの巨大な経済圏を形成することができる.そのため,
リニア中央新幹線により,東京・愛知間にメガロポリスを作り出すことも可能となる.
さらにリニアモーターカーは,従来の鉄道と同じく自動車などよりエネルギー効率が高 いため,環境への負荷が小さい輸送手段だとされている.高速で移動できるようになれば 鉄道へのモーダルシフトが発生し,人員輸送における二酸化炭素排出量の減尐を見込むこ とができる.
しかし一方で,東海道が経済的に魅力的な地域になると,その他の地域から以前にも増 して人が移り住むことが予想される.人口の減尐は,その地域の経済活動を縮小させる要 因となり,単純に経済効果が生まれるとは言い切れない.
その上,リニアモーターカーは従来の新幹線より多くの電力を使うため,地球環境にと って有害なものであるとの見方がある.これ以上の環境悪化を食い止めることは人類共通 の課題であり,エコロジーへの関心が高まっている今,二酸化炭素排出量を増やすような 計画は愚策と言える.
そこで本研究では,人口や各交通機関の交通量に与えるリニア中央新幹線の影響を推定 し,各地域における経済効果と二酸化炭素排出量の変化を算出する.そして,この両側面 から,リニア中央新幹線の意義を推察することを研究の目的とする.
2
第
2
章 経済効果の予測第2章ではリニア中央新幹線の経済効果を都道府県ごとに予測する.
2.1
予測の流れ何をもってリニア中央新幹線の経済効果と考えるかを図1に示す[24].
本研究では,リニア中央新幹線が開通する場合(以下,with ケースとする)と開通しな い場合(以下,withoutケースとする)のそれぞれについて,都道府県ごとに将来の県内総 生産を予測する.そして,開通する2025年から両ケースの県内総生産の差分を取り,その 値を経済効果とする.県内総生産を予測する期間は2035年までとする.
図1 経済効果算出の概要
2.2.1項以降で述べる県内総生産予測の全体構造を図2に示す.
リニア中央新幹線が開通すると,その沿線の運賃や所要時間が変わり,交通の利便性が 高まる.交通の利便性が高まった県に住む人間は,他県に転居したいと以前より思わなく なり,逆に他県の県民はより強くそこに転居したいと思うようになる.多くの人間が集ま った県では就業者の数も増え,県内総生産が増す.県内総生産が増せば,さらにそこに人 が集まりたいと思うようになる.この循環により,県内総生産が増していくことになる.
これは同時に,路線から離れている都道府県については,withoutケースよりwithケー スの方が人口が尐なくなり,県内総生産も減尐することを意味している.よって,負の経
3 済効果が生まれる県も存在することになる.
図2 県内総生産予測の全体構造
2.2
交通一般化費用2.2.1
交通一般化費用とは特定の都道府県間における交通の利便性を交通一般化費用と呼び,式1.1の形で定式化す ることにする.
GVij= αijCij,r+ βijCij,c+ γijCij,a (式1.1)
ただし,
GVij:i県とj県との間の交通一般化費用[円]
Cij,r:i県とj県との間で鉄道を利用した場合の一般化費用[円]
Cij,c:i県とj県との間で自動車を利用した場合の一般化費用[円]
Cij,a:i県とj県との間で航空を利用した場合の一般化費用[円]
αij:i県とj県との間における交通量の内,鉄道が占める割合 βij:i県とj県との間における交通量の内,自動車が占める割合 γij:i県とj県との間における交通量の内,航空が占める割合
である.GVijは,i県とj県との間を移動する際,平均的にどれだけのコストが掛かるかを表
国民経済 生産性成長率 地域魅力度
人口
県内総生産
(予測値)
運賃 所要時間
交通量
犠牲量モデル
時間評価値
交通シェア
(実測値)
交通一般化費用
転入者数 転出者数
前年度人口
人口自然増加率 都道府県間距離
住宅地地価
就業者数
(各都道府県)
前年度国民 経済生産性
国民経済生産性 就業者数
(全国)
国内総生産 県内総生産
(実測値)
地域魅力度
人口
県内総生産
交通シェア
(予測値)
4
わしている.よって,GVijが小さいほど交通の利便性が高いと言える.
αij,βij,γijは,リニア中央新幹線の影響がない年・区間においては,国土交通省が公表 している「旅客地域流動調査」[2]の2007年度の数字から算出した結果を固定値として用い る.それぞれの交通機関の交通量を全機関合計の交通量で除した値がこれに当てはまる.
ただし鉄道の交通量は,JRの交通量と民鉄の交通量の合計とし,自動車の交通量にはバス の交通量も含む.また「旅客地域流動調査」[2]には,鉄道,自動車,航空以外に,旅客船 による交通量の統計も含まれているが,交通量が極端に尐ないため,これはあらかじめ 3 つの交通手段にαij,βij,γijの比率を崩さないように分配することにする.よって,αij,βij, γijを足せば 1 になる.リニア中央新幹線が影響する年・区間については,別途算出する推 計値を当てはめることにする.
それぞれの交通手段における一般化費用は,式1.2の形で表わされる.
Cij,k= Fij,k+ ω ∙ Tij,k (式1.2)
ただし,
Fij,k:i県とj県との間における手段kの運賃[円]
Tij,k:i県とj県との間における手段kの所要時間[分]
ω:時間評価値[円/分]
である.運賃と所要時間は,鉄道についてはYahoo!路線情報[3]で調べた各都道府県庁の最 寄り駅間のルートの内,最も到着が速いルートの値を採用する.その際,出発時刻により 所要時間が変化する可能性があるが,ここでは指定をせず,平均的な所要時間を求めてい る.また,バスなど鉄道以外の交通手段を用いるルートは除外する.自動車については,
各都道府県において最も車の通過台数が多い高速道路のインターチェンジ間を結ぶルート
をNEXCO中日本公式ホームページ[4]で検索し,その中で最も到着が速いルートを採用す
る.ただし,料金は普通車のものとし,インターチェンジの通過台数は「高速道路と自動 車」[6]による.北海道と他県の間の自動車交通に関しては,その都道府県から青森県まで の運賃と所要時間に,函館・青森間のフェリーの移動に掛かる20000円と225分を加算し た値を運賃と所要時間とする [5].航空については,Yahoo!路線情報[3]で調べた各都道府 県の空港間のルートの内,最も乗り換え回数が尐ないルートの値を採用する.ただし,複 数のルートが残る場合は,双方の空港について国内線利用者数の2007年度県内順位を国土 交通省が公表している「暦年・年度別空港管理状況調書」[6]で調べ,2 つの順位の合計が 最も小さい空港間のルートを採用する.
ωは,時間を金銭に換算するとどれだけの価値を持っているかを表わす.このωを使うこ とにより,各交通手段のコストを,所要時間を勘案した上で貨幣価値で表わすことができ る.ωの算出方法は2.2.5項で説明する.
5
2.2.2
犠牲量モデル2025年に開通するリニア中央新幹線は,東京都,神奈川県,山梨県,長野県,岐阜県,
愛知県を通る.リニア中央新幹線が影響する区間は,これに埼玉県,千葉県,静岡県,三 重県,滋賀県を追加した,図3に示す11の都道府県同士を繋ぐ区間と仮定する.withケー スの2025年から2035年においては,この区間で交通シェアがどう変化するかを犠牲量モ デルに則って推測する.
図3 リニア中央新幹線が交通シェアに影響する都道府県
犠牲量モデルとは,移動者は犠牲量が最小になる交通機関を選択すると仮定するモデル のことである.犠牲量の要因としては運賃と所要時間があり,表わす式として式1.3の形が ある.
S = F + d ∙ T (式1.3)
ただし,
S:犠牲量[円]
F:運賃[円]
T:所要時間[分]
d:時間価値[円/分]
6
である.時間価値は一定ではなく,個人によって異なるものであり,その分布形は一般に 対数正規分布であると仮定されている.図4は,ある区間において3つの輸送機関が競合 する場合の犠牲量モデルの概念図である[1].横軸は時間価値であり,横軸の上側は犠牲量 と時間価値の関係を,下側は確率密度との関係を示している.時間価値が0からd1の移動 者は輸送機関1を選び,d1からd2の移動者は輸送機関2を選び,d2以上の移動者は輸送 機関 3 を選ぶことになるので,時間価値分布の形から,各交通機関のシェア P1,P2,P3 が求められることになる.
図4 犠牲量モデルの概念
時間価値の分布形である対数正規分布は,式1.4で表わされる.
f(x) = {
1
√2πσxexp {−1
2(ln x−μσ )2},(x > 0) 0,(x ≤ 0)
(式1.4)
対数正規分布は,μとσをパラメータとして持つ確率密度関数である.このμとσについて,
式1.5の関係が一般に成り立つと知られている[1].
F−1(P(X ≤ x)) =σ1∙ ln x −μσ (式1.5)
ただしF−1は,標準正規分布の累積分布関数の逆関数である.この式1.5より,逆関数値 が時間価値の対数と線形関係となっていることが分かる.よって,各都道府県間において 交通量と運賃,所要時間のデータからこの 2 つの値を求めれば,最小二乗法を用いて傾き と切片を求めることができ,その結果から都道府県ごとに対数正規分布のパラメータを推 定することが可能になる.例えば図4のように3つの輸送機関が競合している区間の場合,
式1.6と式1.7からパラメータを推定するデータを2つ取得することができる.
F−1(P1) =1
σ∙ ln d1 −σμ (式1.6)
F−1(P1 + P2) =1
σ∙ ln d2 −σμ (式1.7)
7
リニア中央新幹線が交通シェアに影響する11県について,それぞれ別の46県との間の 交通データからμとσを推定する.例として東京都の時間価値と逆関数値の関係を図 5 に示 す.なお,交通シェア,運賃,所要時間のデータは,2.2.1項と同様の形で取得している.
図5 東京都の時間価値と逆関数値の関係
表1 に,11 県のμとσの推定結果を示す.ただし,σは負の値を取ってはならないが,山 梨県についてはσが負になってしまった.これは,推測に用いる標本の数が都道府県により 差が出,推測の精度にばらつきが生じたためだと思われる.標本は複数の交通機関がシェ アを競合していないと得ることができない.統計上,1つの交通機関がシェアを独占してい たり,そもそも交通量が存在しない区間もあるため,そのような区間を多く持つ都道府県 は得られる標本が尐なくなり,推測の精度も落ちることになる.山梨県間の交通シェアを どう推測するかは,2.2.4項で実際に交通シェアを推測する際に論ずる.
-4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5
0 2 4 6 8
標準正規累積分布関数の逆関数値
対数時間価値ln d [円/分]
8
表1 対数正規分布のパラメータ
2.2.3
リニア中央新幹線の運賃と所要時間リニア中央新幹線によりどのようにシェアが変化するかを予測するには,対数正規分布 のパラメータを求める以外に,リニア中央新幹線の運賃と所要時間を仮定する必要がある.
運賃については,東海道新幹線こだまに東京駅から名古屋方面へ向かって乗車した場合 の合計必要金額を JR 東海の公式ホームページ[7]で調べ,その数字と東京駅から各駅まで の営業キロの関係から,1870円に営業キロと比例する金額が加算されると仮定する.こだ まの合計必要金額と営業キロの関係を図 6 に示す.左下の端にある点が品川駅,右上の端 にある点が名古屋駅に該当する.
図6 こだまの合計必要金額と営業キロ
都道府県 μ σ
埼玉県 5.008 2.231 千葉県 4.507 4.609 東京都 4.380 1.291 神奈川県 4.340 1.487 山梨県 27.724 -29.678 長野県 -2.121 8.675 岐阜県 2.377 3.996 愛知県 5.284 3.147 静岡県 2.859 7.449 三重県 1.832 2.443 滋賀県 3.187 6.621
y = 23.824x + 1867
0 2000 4000 6000 8000 10000 12000
0 100 200 300 400
合計必要金額 [円]
営業キロ[km]
9
リニア中央新幹線の運賃について,東海道新幹線より数百円から千円高くなるとJR東海 は見通しを立てている[9]ことから,東京から愛知までの運賃は,こだまで東京駅から名古 屋駅まで移動した場合の10580円に500円を加算して11080円とする.駅の設置数は1県 につき1駅となる予定に従い,隣接する駅と駅の間の営業キロは全て等しいと仮定すると,
全駅間の運賃を仮定することができる.
所要時間については,まず東京から愛知まで全ての駅を通過する特急と,全駅に停車す る各停の2種類が走ると仮定する.東京から愛知まで急行で走る場合,JR東海の発表資料
「中央新幹線調査の今後のスケジュールと工事費等について」[8]より,所要時間は40分と なる.
2009年12月1日から2010年2月28日の東海道・山陽新幹線時刻表[10]によると,最 新のN700系で東京駅から名古屋駅まで走る場合,のぞみでは最短で1時間36分掛かるが,
のぞみより停車駅が3駅多いひかりでは最短で1時間49分掛かる.3駅で13分だけ時間 をロスしていることになるので,1駅で4分20秒ロスしていると見なし,この数字をリニ ア中央新幹線にも当てはめる.よって,リニア中央新幹線の各停で東京から愛知まで走る 場合,停車駅が4駅増えるので,所要時間は57分20秒となる.そして隣接する駅と駅の 間の所要時間は全て等しいと仮定し,1駅間の所要時間は57分20秒を5で除した11分28 秒として,実際の各駅間の所要時間はこの仮定から算出した結果の秒数部分を四捨五入し た数字とする.
以上の運賃と所要時間の算出結果を表2に示す.ただし,運賃は 1の位で四捨五入した 数字とし,5 駅先までの所要時間に当てはまるのは東京・愛知間の所要時間のみであるが,
この区間については急行の時間を所要時間としている.
表2 リニア中央新幹線の運賃と所要時間
2.2.4 リニア中央新幹線によるシェア変化
11 の都道府県間について,リニア中央新幹線を利用した際に最も時間が掛からない経路 を調べ,従来の時間よりも短縮できている場合のみ運賃と時間を更新することにする.つ まりwithケースの2025年から2035年の間でも,それ以前の年やwithoutケースと運賃 や所要時間が変化しない区間も存在するということである.リニア中央新幹線により鉄道 の運賃と所要時間がどう変化するかの抜粋を表3に示す.一部,withoutケースよりwith
何駅先までか 運賃[円] 所要時間[分]
1 3710 11
2 5550 23
3 7400 34
4 9240 46
5 11080 40
10
ケースの方が運賃が安くなる区間があるが,これはリニア中央新幹線を利用する区間の場 合,運賃や所要時間を定める基準となる駅がリニア中央新幹線の停車駅に変化するためで ある.実際には運賃が安くなるとは考えにくく,停車駅の統一は今後の課題と言える.そ れぞれの都道府県間について,リニア中央新幹線と従来の路線との間で乗り換えをする場 合,どの都道府県で乗り換えるかは表 4 にまとめている.神奈川県で乗り換える区間が多 尐ある他,東京都と愛知県で乗り換えが集中していることが分かる.
表3 リニア中央新幹線による鉄道の運賃と所要時間の変化
表4 乗り換えをする都道府県
それぞれの都道府県間について,2つの都道府県の内どちらの対数正規分布のパラメータ を用いるかを決めるため,2007年度の交通シェアの再現性を見ることにする.2007年度の 交通シェアの実測値と予測結果の内,リニア中央新幹線が通過する 6 県間のものだけを抜 粋して表5に示す.この6県間については航空による交通が存在しないので,航空の項目 は割愛した.それぞれ,左の列に記されている県のパラメータで交通シェアを予測してい る.σが負になった山梨県については,山梨県との間の交通シェアについて最も再現性が高 い東京都のパラメータを当てはめて交通シェアを推測した.なお,再現性の高低は,自動 車,鉄道,航空のそれぞれのシェアについて実測値と予測値の差分を取り,その絶対値の 合計で判断することにする.
without with without with without with without with without with without with 運賃[円] 760 3710 4190 5550 7090 7400 11160 9240 11180 11080
時間[分] 46 11 89 23 123 34 141 46 127 40
運賃[円] 760 3710 3820 3710 8590 5550 11210 7400 10810 9240
時間[分] 46 11 119 11 147 23 121 34 107 46
運賃[円] 4190 5550 3820 3710 6260 3710 13770 5550 13680 7400
時間[分] 89 23 119 11 123 11 206 23 192 34
運賃[円] 7090 7400 8590 5550 6260 3710 7760 3710 7360 5550
時間[分] 123 34 147 23 123 11 201 11 180 23
運賃[円] 11160 9240 11210 7400 13770 5550 7760 3710 800 3710
時間[分] 141 46 121 34 206 23 201 11 29 11
運賃[円] 11180 11080 10810 9240 13680 7400 7360 5550 800 3710
時間[分] 127 40 107 46 192 34 180 23 29 11
―
―
東京都 神奈川県 山梨県 長野県 岐阜県 愛知県
―
―
―
― 東京都
神奈川県 山梨県 長野県 岐阜県 愛知県
都道府県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 山梨県 長野県 岐阜県 愛知県 静岡県 三重県 滋賀県
埼玉県 ― ― ― 東京 東京 東京 東京 東京 ― 東京,愛知 東京,愛知
千葉県 ― ― ― 東京 東京 東京 東京 東京 ― 東京,愛知 東京,愛知
東京都 ― ― ― ― ― ― ― ― 神奈川 愛知 愛知
神奈川県 東京 東京 ― ― ― ― ― ― ― 愛知 愛知
山梨県 東京 東京 ― ― ― ― ― ― 神奈川 愛知 愛知
長野県 東京 東京 ― ― ― ― ― ― 愛知 愛知 愛知
岐阜県 東京 東京 ― ― ― ― ― ― 愛知 愛知 愛知
愛知県 東京 東京 ― ― ― ― ― ― ― ― ―
静岡県 ― ― 神奈川 ― 神奈川 愛知 愛知 ― ― ― ―
三重県 東京,愛知 東京,愛知 愛知 愛知 愛知 愛知 愛知 ― ― ― ―
滋賀県 東京,愛知 東京,愛知 愛知 愛知 愛知 愛知 愛知 ― ― ― ―
11
表5 交通シェアの再現性
それぞれの区間について,再現性が高い方の都道府県のパラメータを使ってリニア中央 新幹線によるシェアへの影響を算出することにする.ただし,リニア中央新幹線が開通し ても運賃や所要時間が変わらない区間については,実測値のまま固定する.また,シェア の予測値が1と0 になっている箇所があるが,これは競合している交通機関が運賃と所要 時間の両方で勝る場合,犠牲量モデルにおいては時間価値の値に関わらず全ての人間がそ の交通機関を選択するからである.この区間については再現性の高低を判断できないので,
双方の都道府県の内,11 県間について,他の都道府県との区間でより再現性が高いと判断 される確率が高い方のパラメータを用いることにする.例えば,東京都は11県間について シェアの予測値が1と0になっていない区間が6つあるが,その内もう片方の都道府県の パラメータより再現性が高い区間は4つある.神奈川県については同様に,7つの区間の内 3つの区間で再現性が高い.よって,4/6と3/7を比べ,東京都・神奈川県間のシェアは東 京都のパラメータで予測することにする.双方の確率が同じ場合は,分母の数字が大きい 側の都道府県のパラメータを用いる.
それぞれの区間についてどちらの都道府県のパラメータを用いるのか,あるいは固定値 を引き続き使うのかを表6に,交通シェアの予測結果の抜粋を表7に示す.
自動車 鉄道 自動車 鉄道 自動車 鉄道 自動車 鉄道 自動車 鉄道 自動車 鉄道
運賃[円] 750 760 3540 4190 5350 7090 7950 11160 8650 11180
時間[分] 12 46 95 89 197 123 240 141 246 127
μ 4.380476 シェア実測値 0.1637 0.8363 0.5147 0.4853 0.7848 0.2152 0.6367 0.3633 0.1357 0.8643 σ 1.291063 シェア予測値 1 0 0.5933 0.4067 0.1718 0.8282 0.2425 0.7575 0.1526 0.8474
運賃[円] 750 760 2940 3820 4600 8590 7500 11210 8200 10810
時間[分] 12 46 83 119 185 147 229 121 235 107
μ 4.340231 シェア実測値 0.1637 0.8363 0.9212 0.0788 0.9432 0.0568 0.1731 0.8269 0.0422 0.9578
σ 1.486823 シェア予測値 1 0 1 0 0.5836 0.4164 0.2944 0.7056 0.1864 0.8136
運賃[円] 3540 4190 2940 3820 3900 6260 7340 13770 8040 13680
時間[分] 95 89 83 119 120 123 223 206 229 192
μ 4.380476 シェア実測値 0.5147 0.4853 0.9212 0.0788 0.8765 0.1235 0.9084 0.0916 0.6159 0.3841
σ 1.291063 シェア予測値 0.5933 0.4067 1 0 1 0 0.8858 0.1142 0.6917 0.3083
運賃[円] 5350 7090 4600 8590 3900 6260 5350 7760 7300 7360
時間[分] 197 123 185 147 120 123 164 201 202 180
μ -2.12103 シェア実測値 0.7848 0.2152 0.9432 0.0568 0.8765 0.1235 0.8739 0.1261 0.9334 0.0666
σ 8.674945 シェア予測値 0.7286 0.2714 0.7826 0.2174 1 0 1 0 0.6406 0.3594
運賃[円] 7950 11160 7500 11210 7340 13770 5350 7760 3800 800
時間[分] 240 141 229 121 223 206 164 201 79 29
μ 2.376967 シェア実測値 0.6367 0.3633 0.1731 0.8269 0.9084 0.0916 0.8739 0.1261 0.671 0.329
σ 3.996352 シェア予測値 0.6086 0.3914 0.6142 0.3858 0.8134 0.1866 1 0 0 1
運賃[円] 8650 11180 8200 10810 8040 13680 7300 7360 3800 800
時間[分] 246 127 235 107 229 192 202 180 79 29
μ 5.283611 シェア実測値 0.1357 0.8643 0.0422 0.9578 0.6159 0.3841 0.9334 0.0666 0.671 0.329 σ 3.147437 シェア予測値 0.2396 0.7604 0.2355 0.7645 0.4675 0.5325 0.0869 0.9131 0 1
山梨県
―
長野県
―
岐阜県
―
愛知県
― 東京都
―
神奈川県
―
東京都 神奈川県 山梨県 長野県 岐阜県 愛知県
12
表6 交通シェア推測の際に用いるパラメータ
表7 交通シェアの予測結果
withケースの2025年から2035年については,以上の運賃,所要時間,交通シェアから 11県間の交通一般化費用を算出する.
2.2.5
時間評価値交通一般化費用を算出するには,式1.2より,時間評価値ωの値を定める必要がある.ひ とつ気を付けるべきなのは,この時間評価値は犠牲量モデルの時間価値 d とは違い,全て の都道府県間で共通して使われる固定値であることである.
時間評価値を算出するには,まず全ての都道府県について2.2.2項と同じ方法でμとσを推 定し,それぞれの対数正規分布のメディアンを算出する.そして全てのメディアンの平均 値を取り,それを時間評価値とする.時間評価値とは,時間がどれだけ金銭的に価値を持 つか,その全国平均値であると言える.
対数正規分布の平均値は,一般の感覚よりかなり大きくなる危険性があると一般的に言
都道府県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 山梨県 長野県 岐阜県 愛知県 静岡県 三重県 滋賀県
埼玉県 ― 固定値 固定値 埼玉県 山梨県 長野県 岐阜県 埼玉県 固定値 三重県 埼玉県
千葉県 固定値 ― 固定値 千葉県 山梨県 長野県 千葉県 千葉県 固定値 千葉県 千葉県
東京都 固定値 固定値 ― 東京都 東京都 長野県 岐阜県 東京都 東京都 東京都 東京都
神奈川県 埼玉県 千葉県 東京都 ― 山梨県 長野県 神奈川県 神奈川県 固定値 三重県 神奈川県
山梨県 山梨県 山梨県 山梨県 山梨県 ― 長野県 山梨県 山梨県 山梨県 山梨県 山梨県
長野県 長野県 長野県 長野県 長野県 長野県 ― 長野県 長野県 長野県 長野県 長野県
岐阜県 岐阜県 千葉県 岐阜県 神奈川県 山梨県 長野県 ― 岐阜県 岐阜県 三重県 岐阜県
愛知県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 山梨県 長野県 岐阜県 ― 固定値 固定値 固定値
静岡県 固定値 固定値 東京都 固定値 山梨県 長野県 岐阜県 固定値 ― 固定値 固定値
三重県 三重県 千葉県 東京都 三重県 山梨県 長野県 三重県 固定値 固定値 ― 固定値
滋賀県 埼玉県 千葉県 東京都 神奈川県 山梨県 長野県 岐阜県 固定値 固定値 固定値 ―
自動車 鉄道 自動車 鉄道 自動車 鉄道 自動車 鉄道 自動車 鉄道 自動車 鉄道
運賃[円] 750 3710 3540 5550 5350 7400 7950 9240 8650 11080
時間[分] 12 11 95 23 197 34 240 46 246 40
μ 4.380476 旧交通シェア 0.1637 0.8363 0.5147 0.4853 0.7848 0.2152 0.6367 0.3633 0.1357 0.8643 σ 1.291063 新シェア推測値 0.9974 0.0026 0.2077 0.7923 0.7041 0.2959 0.452 0.548 0.0692 0.9308
運賃[円] 750 3710 2940 3710 4600 5550 7500 7400 8200 9240
時間[分] 12 11 83 11 185 23 229 34 235 46
μ 4.340231 旧交通シェア 0.1637 0.8363 0.9212 0.0788 0.9432 0.0568 0.1731 0.8269 0.0422 0.9578 σ 1.486823 新シェア推測値 0.9974 0.0026 0.0597 0.9403 0.6731 0.3269 0 1 0.0382 0.9618
運賃[円] 3540 5550 2940 3710 3900 3710 7340 5550 8040 7400
時間[分] 95 23 83 11 120 11 223 23 229 34
μ 4.380476 旧交通シェア 0.5147 0.4853 0.9212 0.0788 0.8765 0.1235 0.9084 0.0916 0.6159 0.3841
σ 1.291063 新シェア推測値 0.2077 0.7923 0.0597 0.9403 0 1 0 1 0 1
運賃[円] 5350 7400 4600 5550 3900 3710 5350 3710 7300 5550
時間[分] 197 34 185 23 120 11 164 11 202 23
μ -2.12103 旧交通シェア 0.7848 0.2152 0.9432 0.0568 0.8765 0.1235 0.8739 0.1261 0.9334 0.0666
σ 8.674945 新シェア推測値 0.7041 0.2959 0.6731 0.3269 0 1 0 1 0 1
運賃[円] 7950 9240 7500 7400 7340 5550 5350 3710 3800 3710
時間[分] 240 46 229 34 223 23 164 11 79 11
μ 2.376967 旧交通シェア 0.6367 0.3633 0.1731 0.8269 0.9084 0.0916 0.8739 0.1261 0.671 0.329
σ 3.996352 新シェア推測値 0.452 0.548 0 1 0 1 0 1 0 1
運賃[円] 8650 11080 8200 9240 8040 7400 7300 5550 3800 3710
時間[分] 246 40 235 46 229 34 202 23 79 11
μ 5.283611 旧交通シェア 0.1357 0.8643 0.0422 0.9578 0.6159 0.3841 0.9334 0.0666 0.671 0.329
σ 3.147437 新シェア推測値 0.0692 0.9308 0.0382 0.9618 0 1 0 1 0 1
長野県 山梨県
神奈川県 東京都
―
―
―
―
―
―
愛知県 長野県
岐阜県 東京都
神奈川県
山梨県
愛知県 岐阜県
13
われている.式1.8はその平均値を求める式,式1.9はメディアンを求める式である.σに 2乗が掛かっており,平均値が大きくなる危険性が式の形から分かる.そのため,それぞれ の対数正規分布について平均値ではなくメディアンを算出する.
exp(μ + σ2⁄ ) 2 (式1.8)
exp(μ) (式1.9)
μとσ,メディアンの推定結果の抜粋,メディアンの平均値を表 8 に示す.また,メディ
アンの分布を図7に示す.σの値が負になった群馬県,福井県,山梨県,鳥取県,徳島県に,
複数の交通機関で競合が起こらないためパラメータが推定できない沖縄県の計 6 県を抜い た,41県についてメディアンを算出し,その平均値を算出した.この平均値が1分あたり の時間評価値となる.図 7 から,メディアンが大きい尐数の都道府県により平均値が伸び ている.
表8 対数正規分布のメディアン
都道府県 μ σ メディアン
北海道 4.201357 0.984512 66.77688 福島県 2.916991 4.410085 18.48558 東京都 4.380476 1.291063 79.87603 愛知県 5.283611 3.147437 197.0802 大阪府 5.065966 2.218535 158.5335 岡山県 4.286398 4.512494 72.70413 福岡県 4.268516 1.250744 71.41554
全県平均 ― ― 104.8737
14
図7 メディアンの分布
以上により,交通一般化費用を算出することが可能になった.リニア中央新幹線が交通 シェアに影響を与える11県間について,withケースの2025年から2035年はどのように 交通一般化費用が変わるのかの抜粋を表 9 に示す.多くの区間でリニア中央新幹線により 交通一般化費用が低くなっていることが分かる.
表9 交通一般化費用の変化
2.3 地域魅力度
それぞれの都道府県について,他県の人間がどれだけその都道府県に転居したいか,そ の都道府県の人間がどれだけ他県に転居したくないか,この 2 つを同時に表す数字を地域 魅力度と呼ぶことにする.地域魅力度が高い都道府県ほど人が集まり,逆に低い都道府県
without with without with without with without with without with without with 東京都 4999 2016 13513 9113 24715 21559 30514 22676 14629 16602 神奈川県 4999 2016 12011 5268 24002 18758 25218 10966 9278 14781 山梨県 13513 9113 12011 5268 16815 4864 31152 7962 32732 10966 長野県 24715 21559 24002 18758 16815 4864 23342 4864 28335 7962 岐阜県 30514 22676 25218 10966 31152 7962 23342 4864 9373 4864 愛知県 14629 16602 9278 14781 32732 10966 28335 7962 9373 4864
―
―
―
―
―
― 交通一般化
費用[円]
東京都 神奈川県 山梨県 長野県 岐阜県 愛知県
15
ほど人が尐なくなることになる.地域魅力度を式1.10の形で定義する.
Pi= GDP−1i∙ ∑ GDPGV−1j
ij
46j (式1.10)
ただし,
Pi:i県の地域魅力度
GDP−1i:i県の前年度県内総生産[円]
GVij:i県とj県との間の交通一般化費用[円]
である.そもそも交通量が存在しない区間に関してはGVijの値が 0 になるが,その区間の GDP−1j⁄GVijは0と見なす.県内総生産が高い都道府県との間で交通一般化費用が低ければ,
地域魅力度は高くなることになる.また,交通の利便性が変化する区間があれば,それが 地域魅力度の変化に繋がり,人口の変化をもたらすことになる.
図8に2007年度の地域魅力度と他県からの総転入者数の分布を示す.なお,2006年度 県内総生産の数字は内閣府が公表している「県民経済計算」[17]に記載されている連鎖方式 の実質 GDPに,2007年度総転入者数の数字は総務省が公表している「住民基本台帳人口 移動報告」[12]に準ずる.
図8 地域魅力度と総転入者数の関係
2.4 人口
各都道府県の人口は,2008年度までは総務省が公表している「人口推計」[11]に準ずる.
2009年度からについては,式1.11を用いて予測する.
NLi= NL−1i∙ (1 + δ) + NMi− NXi (式1.11)
ただし,
0 50000 100000 150000 200000 250000 300000 350000 400000 450000 500000
0 1E+24 2E+24
総転入者数 [人]
地域魅力度
16 NLi:i県の人口[人]
NL−1i:i県の前年度人口[人]
δ:全国の人口自然増加率
NMi:i県への総転入者数[人]
NXi:i県からの総転出者数[人]
である.人口自然増加率とは,出生と死亡の 2 つの要因によってどのぐらい人口が変わる かを表わす数字である.人口自然増加率には人口問題研究所が公表している「人口統計資 料集」[13]内にある将来推計値を適用することにする.この統計によると,将来の人口自然 増加率はどの年を見ても負の値しか取っていない.これから全国人口は減り続ける見通し となっている.
総転入者数と総転出者数については,まず全47の都道府県間ごとに転入者数を予測する.
そして予測した転入者数の数字を足し合わせ,総転入者数と総転出者数を求めることにす る.転入者数の予測のため,式1.12で定式化された人口移動モデルを用いる.
Vij= a ∙RPij
b∙NL−1ic ∙NL−1jd
DTije∙LPijf (式1.12)
ただし,
Vij:j県からi県への転入者数[人]
RPij:j県に対するi県の相対的地域魅力度 NL−1i:i県の前年度人口[人]
DTij:i県本庁とj県本庁との間の距離[km]
LPij:j県に対するi県の地価倍率 a,b,c,d,e,f:パラメータ
である.RPijはi県の地域魅力度をj県の地域魅力度で除した値,LPijはi県の住宅地地価を j県の住宅地地価で除した値である.DTijには国土地理院の公式ホームページ[14]内に掲載さ れている値を,住宅地地価には国土交通省が公表している「都道府県地価調査」[15]の数字 を適用する.「都道府県地価調査」[15]には2009年までの住宅地地価が記載されているが,
以降の住宅地地価には2009年の値を固定値として用いる.
再現性を高めるため,ここでは47の都道府県を総転入者数に基づいて6つの地域に分類 し,それらを組み合わせて27通りの人口移動モデルのパラメータ推定を行った.地域の区 分を図9 に,27通りの人口移動モデルとそのパラメータ推定の結果を表10に示す.沖縄 県だけ特殊な扱い方をしているのは,より再現性を高めるためである.一部,cやdのパラ メータが負の値を取っているが,ほぼ 0 に近い値なので,負の相関関係にあるというより はほとんど相関関係がないと見るべきだと思われる.推定用のデータとしては,総務省が 公表している「住民基本台帳人口移動報告」[12]の2007年度の値を用いた.
17
図9 人口移動モデルの地域区分