芝浦工業大学 システム理工学部 数理科学科
非線形解析研究室
竹内 慎吾(准教授)
非線形解析研究室では、次の二つのことを行っています。
・非線形微分方程式の数学による理論的研究
・数学の指導的立場に立てる人材の育成
非線形微分方程式とは
モノの変化は、諸科学の法則により微分方程式という数式で表現できます。
非線形は、最初の状態を「2倍」したからといって変化した後の状態も「2倍」
になるわけではない、ということです。一般に非線形微分方程式は計算で解を 求めることは不可能であると考えられています。(非線形微分方程式の例)
𝝏
𝝏𝝏 𝒖(𝒙, 𝝏) = 𝝏𝟐
𝝏𝒙𝟐𝒖(𝒙, 𝝏) + 𝒖(𝒙, 𝝏) − 𝒖(𝒙, 𝝏)𝟑
しかし非線形微分方程式の解を知ることができれば,モノの変化を予測でき ることになるので、例えば実際にモノを使って実験するときに起きる失敗を予 知でき、実験のコストや危険を大幅に減らすことが可能となります。
コンピューターで解けば?
電卓で「1÷3×3」とすると「1」にならないことからもわかるように、
コンピューターの計算に誤差はつきものです。しかも非線形ですから誤差がど れほど増幅されるのか心配です。誤差がどれほどになるかを理論的に見積もっ ておかない限り、得られた解はもはや正解ではなく「誤解」かもしれません。
数学的に、解かずして「解く」!
非線形微分方程式が計算で解けなくても、例えば次のような数学の定理を 使って、方程式を解かずに解の存在がわかることがあります。
・山と山の間には必ず谷がある
・山を越えるときは必ず途中に峠がある
・引き延ばしたゴム膜を元に戻すと、動かなかった場所が必ずある、等々 こうして存在を保証された解がどのような性質をもっているかということも、
(方程式を解かずに)調べたりできます。コンピューターで得た解が「誤解」
ではないことも保証できるかもしれません。非線形解析研究室では、このよう な定理を考案し,様々な非線形微分方程式への応用を行っています。