• 検索結果がありません。

丸紅ワシントン報告 年 11 月 3 日 丸紅米国会社ワシントン事務所長今村卓 米国中間選挙 4 速報 共和党は下院で 60 議席以上伸ばす 1948 年以来の大勝 民主党は上院の過半数を確保でき

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "丸紅ワシントン報告 年 11 月 3 日 丸紅米国会社ワシントン事務所長今村卓 米国中間選挙 4 速報 共和党は下院で 60 議席以上伸ばす 1948 年以来の大勝 民主党は上院の過半数を確保でき"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

丸紅 丸 紅ワ ワ シン シ ン ト ト ン報 ン 報 告 告

丸紅米国会社ワシントン事務所長 今村 卓

+1-202-331-1167 [email protected]

2010-13 2010113

米国中間選挙 4 速報

共和党は下院で 60 議席以上伸ばす 1948 年以来の大勝、

民主党は上院の過半数を確保できたが、オバマ政権には非常に厳しい結果

中間選挙の開票が順調に進んでいる。下院は共和党が60議席以上を上積みして、1948年以来の 大勝を記録することが確実になった。一方で上院は、共和党が民主党から多くの議席を奪ったもの の、過半数には届かないことが確定した。とはいえ、民主党の上院の議席数は52議席前後にとどま る見通しであり、共和党のフィリバスター(議事妨害)を阻止できる60議席には程遠い。オバマ政 権は共和党による議会の完全支配という最悪の結果こそ免れたものの、有権者から1年10カ月弱の 政策運営について、非常に厳しい評価を下されたことになる。今後は、オバマ大統領と議会下院を 支配する共和党が、それぞれ2012年の大統領選を目指して、有権者からの信認獲得に向けて成果を 競い合うことになる。対立一辺倒で成果のない2年間に終わるのか、互いに実績を求めて協調関係 が形成されるのか、現時点では不透明である。

以下、現時点で判明している選挙結果と見通し、大勝した共和党指導部の発言要旨、主要メディ アの投票した有権者に対する出口調査から明らかになった今回の中間選挙の特徴等を紹介する。

1. 選挙速報

図表 1 連邦議会上下両院の中間選挙における獲得議席数

2010/11/3 5:05:00 AM EDT現在 改選議席 非改選議席 当確 見通し 定数 100 民主党* 59 民主党 11 民主党* 40 民主党* 51

過半数 51 接戦 2+ 接戦 2

安定多数 60 共和党 41 共和党* 24 共和党 23 共和党* 47

当確 見通し

民主党 255 民主党 183

定数 435 接戦 13

過半数 218 共和党 178 共和党 239

欠員 2

(注)* 無所属(民主党系)2名、無所属(共和党系)1名をそれぞれ含む. (資料)CNN, NBC.

238-248 51-53 47-49 上院

選挙前

下院

中間選挙結果

接戦なし 187-197

図表 2 州知事選の中間選挙における予想獲得議席数 2010/11/3/ 5:15 AM EDT 現在

改選 当確 当確

民主党 26 民主党 8 民主党 7 民主党 15

接戦 7 接戦 7

共和党 24 共和党 15 共和党 6 共和党 21

独立 1 独立 1

(資料)CNN, NBC

選挙前 知事選

非改選

(2)

2 (1) 下院:1948年以来の圧勝を果たした共和党

下院は共和党が60議席以上を上積みして、1994年の54議席増を超えて1948年の75議席増以 来の大勝を記録することが確実になった。CNNとNBCは共和党の議席数が65議席増えて243議席 に達すると予想している。民主党の選挙前の255議席には届かないが、過半数218議席を大幅に上 回る安定多数である。選挙直前の政党支持率の大きな差が示す両党の勢いの差がそのまま表れたと いえる。

今後、オバマ政権と民主党が目標の法案を可決するためには、党内を完全にまとめたとしても、

共和党から26人もの議員の同調を得る必要がある。自らの目指す政策実現に向けて、オバマ政権に 課された制約は非常に厳しいものになったといえる。むしろ95年以降のクリントン政権のように共 和党の公約の中に妥協点を見出す戦略が必要になる議席差をつけられたといえる。

(2) 上院:民主党は最低限の目標死守、共和党は完全勝利逃す

一方で上院は、共和党が民主党から多くの議席を奪ったものの、民主党は過半数という最低限の 目標は達成した。务勢が伝えられていたネバダ州のハリー・リード院内総務がティーパーティー運動 の推薦候補であるシャロン・アングル候補を破って再選を果たすなど、投票日直前の情勢と比較す れば民主党が善戦した。とはいえ、民主党の上院の議席数は51~52議席にとどまる見通しであり、

共和党のフィリバスター(議事妨害)を阻止できる60議席には程遠い。逆に共和党にとってみれば、

下院での圧勝の勢いからみて、完全勝利を逃したといえるだろう。特にネバダ州とデラウェア州は、

ティーパーティー運動を抑えて予備選で穏健派候補を擁立できていれば、議席を獲得できていた可 能性が高い。この2州の戦術のミスによりオバマ政権を追い詰める勢力を議会で確保し損ねた結果 は、2012年の大統領選において高いコストとなる可能性もある。

(3) 総合評価:オバマ政権に対する厳しい中間評価、政策運営の修正を強く促した有権者

オバマ政権は共和党による議会の完全支配という最悪の結果こそ免れたものの、有権者から1年 10カ月弱の政策運営について、非常に厳しい評価を下されたことになる。大統領選に比べた中間選 挙の投票率の低さ、今後は、オバマ大統領と議会下院を支配する共和党が、それぞれ2012年の大統 領選を目指して、有権者からの信認獲得に向けて成果を競い合うことになる。対立一辺倒で成果の ない2年間に終わるのか、互いに実績を求めて協調関係が形成されるのか。ティーパーティー候補 の一定数が当選を果たした現時点では、共和党の今後の行動が予想し難く、不透明である。

2. 出口調査にみる今回の中間選挙の特徴

主要メディアは、投票を済ませた有権者に対する世論調査、いわゆる出口調査を行い、昨日夜に は早くもその概要を発表した。以下、注目すべき質問に対する有権者の回答傾向から、今回の中間 選挙の特徴を整理してみた。

(1) 最優先課題はもちろん経済

中間選挙の投票に当たっての最優先課題を問われた有権者は、その62%が経済と答えた。その後 は医療保険(19%)、違法移民(8%)、アニガニスタン(7%)の順である。結局、中間選挙の前か ら選挙戦を経て投票日まで、雇用を中心とする経済が投票する候補を決めるにあたって最も重視す る要因である状態は変わらなかった。9.6%の失業率に象徴される深刻な雇用情勢、年率2%成長に とどまる緩慢すぎる景気の回復具合が、オバマ政権と民主党には強烈な逆風であり続けたことにな る。一方で、共和党とティーパーティー運動が選挙戦を通じて「廃止」を訴え続けた医療保険改革 法は、経済の次ではあるが、関心の高さでは3分の1以下にとどまった。有権者の2割弱が最優先 課題と答えた事実は重いが、年明け以降、議会下院で共和党が医療保険改革法の廃止法案を提出す

(3)

3 る、上下両院で現行法の執行を止める法案を提出するなどしても、共和党に有権者の高い支持を得 ることができるかどうか、疑問を感じさせる数値である。その他、違法移民やアフガニスタンの比 率は、選挙前にはオバマ背大統領の支持率にも影響する重要な二つの問題が、選挙を経て有権者の 関心事項の中で後退していることを示したといえる。

(2) 政党に対する評価では民主党が小幅リード

出口調査における政党評価では、民主党の支持が43%に対して共和党の41%をわずかに上回った。

共和党は、けっして今回の大勝という選挙結果を有権者の同党に対する信認回復と評価してはいけ ないことを意味する。むしろ重要なことは民主党、共和党ともに不支持が同じ53%に達したことで あり、有権者の議会と政党不信が高まっていることである。民主党は信認回復のための努力が必要 であり、共和党は大勝に浮かれない自戒が必要ということになる。

(3) 景気後退はオバマ政権のせいではないと考える有権者

経済が最大の争点になり、オバマ政権と民主党に対して厳しい評価を下した有権者も、景気後退 は、誰の責任かと問われると、筆頭はウォールストリート(主要金融機関と金融市場)の35%であ り、その次が退任から2年が経つブッシュ前大統領の29%、オバマ大統領はその次の24%である。

筆者は金融危機の発生に責任が大きいブッシュ前政権を支えた共和党が、オバマ政権の経済失政を 訴える選挙戦に非常に強い違和感を抱いていた。しかし有権者は意外に共和党の喧伝に影響される ことなく、金融危機と景気後退の原因が何にあったのかを厳しく認識していることが明らかになっ た。逆にいえば、これだけ冷静な有権者がオバマ政権と民主党に下した厳しい評価の意味は重い。

有権者の関心は金融危機と景気後退の責任追及から、景気と雇用の立て直しを進められる能力の評 価に移った可能性が高いからである。今後2年間、オバマ政権が景気と雇用の回復を実現できなけ れば、有権者が今回の中間選挙と同様の厳しい評価をオバマ大統領と民主党に下す可能性が高いこ とを示唆する結果とも言える。

(4) オバマ大統領に対する評価は厳しいが、回復の可能性はある

国の方向性を問われた有権者は、その 62%が「悪い方向に進んでいる」と答えている。「良い方 向に進んでいる」と答えた有権者は35%にとどまった。世論調査に必ずあるこの質問は、本質的に は有権者の現政権に対する評価の一つである。一方で、オバマ大統領の支持率は 45%である。「良 い方向」との約10%ポイントの差は、オバマ大統領への期待を反映するプレミアムと評価できる。

ちなみに同じく中間選挙に敗れた 1994 年の中間選挙時のクリントン大統領の支持率は 44%、

2006年のブッシュ大統領は43%であった。不支持率は今回のオバマ大統領が54%に対して、クリ ントン大統領52%、ブッシュ大統領57%であった。支持率・不支持率ともオバマ大統領はクリント ン大統領やブッシュ政権のときと変わらない。問題は中間選挙の後であり、支持率を回復させて再 選を果たしたクリントン政権と、その後に支持率が4割を切って回復することなくレームダックの 2 年間を過ごしたブッシュ政権、どちらの方向にオバマ政権が進むのかが注目される。クリントン 政権は景気回復の加速という追い風とそれを支えた政策が反転攻勢につながった。その意味では、

繰り返すがオバマ政権の今後2年は雇用と景気の立て直しが全てであり、10%の期待のプレミアム を失わず、逆に実績に対する評価への切り替えを目指すことが必要である。

(5) 民主党大敗の一因は若者の政治への関心低下と高齢者の民主党離れ

出口調査では、今回の若年層の投票率が08年大統領選の18%から9%に半減したことが示された。

選挙戦の間も指摘されていた 08 年のオバマ大統領の当選を支えた若年層が政治と選挙への関心を 失っているとの懸念が当たっていたともいえる。従来から中間選挙の若年層の投票率が大統領選よ りも低下する傾向があることを割り引く必要はあるが、若年層の一際厳しい雇用環境がオバマ大統

(4)

4 領への失望を生み出して、投票に行く意欲を失わせたことは否定できないだろう。現に 16 歳以上 25歳以下の若年層の10年9月の失業率は17.9%、全ての生産年齢人口対象の9.6%の2倍近い。

ピークの19.6%(10年4月)に比べれば低下傾向ではあるが、改善を実感できる人はわずかだろう。

雇用対策の中でも、この若年層への手当てを速やかに行わなければ、通常であれば大統領選の時に は選挙に戻ってくる若年層の有権者が戻らなくなる恐れがある。

民主党大敗のもう一つの原因は高年齢層の同党離れである。65歳以上の投票者の民主党に対する 支持率は、94年も06年も08年も49%前後の高さで安定していた。しかし今回は39%、わずか2

年で10%の落ち込みである。これは景気と雇用の回復の弱さ以上に、オバマ政権と議会民主党が成

立させた医療保険改革法への反発であろう。共和党はこの改革が高齢者対象のメディケアの給付削 減をもたらすと強調し続けているが、多くの高齢者がその影響を受けて民主党に反発したのだと考 えられる。この年齢層に対する今後のオバマ政権の説明も重要である。

3. 中間選挙とティーパーティー運動

(1) 上院ではティーパーティー候補の大部分が勝ち残るが、下院は大敗

今回の中間選挙では上院の注目されたティーパーティー候補9人のうち、6人が当選、1人が有力 になっている。選挙戦直前の8人が有力だった情勢と比べれば、取りこぼしがあったといえる。特 にネバダ州のシャロン・アングル候補とアラスカ州のジョン・ミラー候補の落選・务勢は、専門家 にとっても意外であり、ティーパーティー運動の脆さや保守派以外の同運動に対する反感が示され た面もあるといえよう。もっとも、共和党の上院議員48人(有力含む)の7人であり、グループと して結束すれば、年功序列の上院であっても、党内で大きな発言力を持てる可能性がある。

図表 3 上院の注目されたティーパーティー候補の当落 州 候補者名 当落 得票率

Utah Mike Lee 当選 63%

Florida Marco Rubio 当選 49%

Kentucky Rand Paul 当選 56%

Wisconsin Ron Johnson 当選 52%

Pennsylvania Pat Toomey 当選 51%

Colorado Ken Buck 有力 48%

Alaska Joe Miller 劣勢 35%

Nevada Sharron Angle 落選 45%

Delaware Christine O'Donnell 落選 40%

(資料)CNN, New York Times, 10/15/2010.

http://www.nytimes.com/interactive/2010/10/15/us/politics/tea-pa rty-graphic.html?ref=politics

一方、下院の129人のティーパーティー候補のうち、11月3日朝の時点で当選を決めたのは32 人にとどまっていた。接戦を続けているのが4人、残りの93人が落選である。選挙戦では明らかに 注目を集めたティーパーティー運動であったが、個々の選挙区における有権者の判断では、影響力 は限定された模様である。

(2) ティーパーティー運動を支持するのは保守派だけ

実際、出口調査でも、投票者の判断にティーパーティーは影響したか否かという問い1に対して、

無関係という回答が56%を占め、反対を表明した(他候補に投票等)が18%、支持を表明(同候補 に投票)は23%に過ぎなかった。上院の当選も共和党の伝統的な地盤が多く、民主党の支持が多い

1 ティーパーティーに関する出口調査 http://www.msnbc.msn.com/id/39979427/ns/politics-decision_2010

(5)

5 地域では落選した結果から見て、同運動は保守派の結束や熱意を高めることには役立っても、無党 派層や民主党支持者を引き付けられないという傾向が成り立ったことが分かる。

なお、ティーパーティーを支持するかという出口調査の問いに対しては、支持するが41%、支持

しないが31%、どちらでもないが25%であり、選挙戦の渦中の保守派が同運動を支持する構図が投

票日まで続いたことが分かる。

以上の結果から分かるのはティーパーティー運動の影響力の強さとその限界である。保守派を活 性化することでは強力な効果を発揮するが、無党派層とリベラル層には効かないか、逆に反発を受 けてしまうのである。2012年の大統領選では無党派層の取り込みがオバマ大統領も共和党も絶対に 必要であるだけに、共和党指導部にとってはティーパーティー運動との関係に悩まされる日々が続 くと思われる。

4. 共和党指導部の中間選挙の評価

11年1月から下院議長に就任することが確定したジョン・ベイナー下院院内総務は、勝利演説の 中で「今は歓喜するときではない」と自戒を呼び掛けるとともに、「大きな政府の阻止」を強調し、

歳出の削減、政府の極小化、政府改革(人々の政府にする)、雇用創造の順番で優先課題を並べた。

またティーパーティー運動の団体との対話も行い、今後の同運動の尊重を表明、会場にいたティー パーティー支持者は総立ちで喝采した。

エリック・カンター院内幹事は、中間選挙での有権者のメッセージは「失業が最優先で取り組む べき課題」「財政規律が重要」「減税を延長すべき」であると語った。また今月から始まる議会のレ ームダックセッションの最も重要な課題であるブッシュ減税の取り扱いに対しては、減税継続は「新 規の減税」ではなく、現状維持に過ぎないとの見方を示して、富裕層に対する現在の税率も維持す べきと考えていることを表明した。カンター院内幹事もティーパーティー運動が有権者の不満のあ ら表れであると評価する姿勢を示し、否定するコメントはなかった。また、09年に予算決議を提出 しなかった民主党を非難して共和党が下院の多数派を占める議会では、同党が予算決議にコミット する決意を表明した。

以 上/上原・今村

当資料は情報提供のみを目的として作成されたものであり、特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。当資料 の提供する情報の利用に関しては、すべて利用者の責任においてご判断ください。当資料に掲載されている情報は、現時点 の丸紅米国会社ワシントン事務所長の見解に基づき作成されたものです。当資料は信頼できると思われる情報に基づいて作 成されていますが、当事務所は情報の正確性あるいは完全性を保証するものではありません。当資料に記載された内容は予 告なしに変更されることもあります。当資料は著作物であり、著作権法により保護されております。全文または一部を転載 する場合は、出所をご明記ください。

参照

関連したドキュメント

本稿の問題関心は、こうした1820年代の議会ホイッグ党に対する説明が、どの程度議会外ホ

一方,前年の総選挙で大敗した民主党は,同じく 月 日に党内での候補者指

一方,前年の総選挙で大敗した民主党は,同じく 月 日に党内での候補者指

約二〇年前︑私はオランダのハーグで開かれた国際刑法会議に裁判所の代表として出席したあと︑約八○日間︑皆

しかし他方では,2003年度以降国と地方の協議で議論されてきた国保改革の

「PTA聖書を学ぶ会」の通常例会の出席者数の平均は 2011 年度は 43 名だったのに対して、2012 年度は 61 名となり約 1.5

「PTA聖書を学ぶ会」の通常例会の出席者数の平均は 2011 年度は 43 名、2012 年度は 61 名、そして 2013 年度は 79

 学年進行による差異については「全てに出席」および「出席重視派」は数ポイント以内の変動で