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基盤排水層設置を想定した盛土の耐震性の数値解析的検討

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Academic year: 2021

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(1)

表-1 解析に使用したパラメータ 地盤 盛土 弾塑性パラメータ

圧縮指数 ~ 0.085 0.085 膨潤指数 ~ 0.010 0.040 限界状態定数 Μ 1.430 1.400

NCLの切片 Ν 1.630 1.650

ポアソン比 0.300 0.300 発展則パラメータ

正規圧密土化

指数 m 0.700 0010

構造劣化指数

(b=c=1) a 0.300 0.100

塑性指数 cs 0.150 0.100 回転硬化指数 br 1.000 0.010 回転硬化限界

定数 mb 0.200 0.500

初期値

比体積 v 1.40 1.59

構造の程度 1/R* 1.40 1.50 過圧密比 1/R 分布 分布

基盤排水層設置を想定した盛土の耐震性の数値解析的検討

名古屋大学 正会員

酒井 崇之 名古屋大学 フェロー会員 中野 正樹 中日本高速道路株式会社 正会員 ○稲垣 太浩 北村 佳則 1. はじめに

中越地震,能登半島地震,駿河湾沖地震などで地震による盛土崩壊が発生しており,盛土の耐震性の向上 は重要な課題となっている.道路土工盛土工指針では,浸透水の排除や防止,盛土内の水圧を減少すること を目的として,地下水の高い場所や沢埋め盛土に対し,基盤排水層を設置する必要があることを明記してい る 1).本報では,盛土に基盤排水層を設置した場合とそうでない場合について,水~土連成有限変形解析コ

ード

GEOASIA

2)を用い地震時変形解析を実施し,基盤排水層の設置が盛土の耐震性向上をもたらすことを示

し,さらに耐震性向上のメカニズムについて考察を加える.

2. 解析条件

図-1 に解析断面を示す.図-2 に盛土部の拡大図を示す.本解析 においては,水平地盤上の盛土を 解析対象とした.対象の盛土は高 さ

12m

高盛土である.天端幅は

30m

であり,のり面勾配は

1:1.8

とし,高速道路用の盛土を想定し ている.高さ

12m

の盛土の施工 過程は,水

~

土二相系弾塑性体と して高さ約

1m

の有限要素を

12

回追加することにより表現する.

この時,通常行われている盛土施 工速度,約

0.5m/day

となるよう に設定した.また,盛土築造後,

圧密による沈下が終了した段階

で,所定の盛土高さになるように要素の追加を行った.水理境界は,

両端,下端は非排水境界(赤線部)で,地表面のみ大気圧境界(青線 部)である.盛土も地盤も常に飽和した状態を想定しているため,常 に地表面と水位が一致している.基盤排水層は,盛土と地盤の境目(図 -2の緑線部)の水圧が常に

0

という条件を課すことで,単純化して表

現している..地震中は,下端に粘性境界(Vs=300m/s)を設定し,両端の節点が常に等変位であるという周期 境界を設けた.盛土と地盤の材料定数を表-1に示す.盛土については,泥岩で造成し,ある程度スレーキン グが進行した泥岩 3),地盤については,硬く透水性の悪い岩盤を想定している.比体積と構造は一様均質と して過圧密比は土被り圧に応じて分布させた.図-3に入力地震動を示す4).入力地震動は,兵庫県南部地震 において神戸海洋気象台で観測された地震動である.

3. 解析結果

図-4に地震直後におけるせん断ひずみ分布を示す.

(a)

基盤排水層がないケースについては,盛土の法尻 図-2 盛土部拡大図

0 10 20 30

-400 -300 -200 -100 0 100 200 300 400

Horizontal Acceleration (gal)

Time (sec)

max: 382.94 [gal]

min:-323.44 [gal]

図-3 入力地震動

地震応答解析,盛土,基盤排水層,耐震性

〒464-8603 名古屋市千種区不老町 名古屋大学大学院工学研究科社会基盤工学専攻 TEL:052-789-2734 図-1 解析全断面

(2)

50%以上のひずみが発生している.盛土の天端中央にお

ける沈下量は

60cm

である.

(b)

基盤排水層を想定したケー スは,盛土法尻におけるひずみが軽減されており,せん断

ひずみが

30~40%発生した.天端中央における沈下量は約

30cm

であり,

(a)

と比較して,半減している.したがって,

基盤排水層を設置することにより,盛土の地震時の変形を 抑制できた.

図-5,図-6に図-3に示した要素

1

における盛土施工時~

地震直後の挙動を示す.図-5は

(a)

基盤排水層がないケース,

図-6は

(b)

基盤排水層を想定したケースである.要素

1

は地 盤と盛土の境目に要素である.盛土施工により,どちらの ケースも正の過剰間隙水圧が発生し,その後水圧の消散と ともに圧密が進行している.その程度は,

基盤排水層設置の方が大きく水圧は最終的 に

0

になる.これは,基盤排水層では,水 圧が

0

になるようにしているためである.

また,それにより,基盤排水層設置の方が 地震直前における平均有効応力が大きく,

比体積が小さい.紙面の都合で示していな いが,排水層近傍だけではなく,盛土全体 の水圧がほぼ

0

になっており,平均有効応 力が大きく,比体積が小さくなっている.

つまり,土がより強固になっており,この ことが,盛土の耐震性の向上をもたらして いる.地震中については,地震によって繰 返し載荷を受けることで,正の水圧が発生 し,平均有効応力が減少し,ひずみが進展 している.基盤排水層がない方が,平均有 効応力が減少しているため,地震中にひず みが進展した.

4. まとめ

本報告から,基盤排水層を設置すること で,盛土の耐震性は著しく向上した.その 要因は,地震中,盛土の間隙水圧上昇によ る平均有効応力の減少は生じるものの,地 震前の盛土施工後の圧密過程において,基

盤排水層により,盛土天端から基盤までの間隙水圧がほぼ

0

となり,盛土全体の比体積が小さくなり,かつ 平均有効応力が大きくなるためである.

【参考文献】

1)社団法人日本道路協会(2010):道路土工盛土工指針(平成22年度版)2) Noda, T. et al. (2008) Soil-watar coupled finite deformation analysis based on a rate-type equation of motion incorporating the SYS Cam-clay model, Soils and Foundations, Vol.48, No.6, pp.771-790.

3) 中野正樹他(2015) スレーキング特性の異なる 3 種類の泥岩砕石集合体の力学挙動に関する骨格構造概念による解釈,第50 回地盤工学研究発表会,pp.1123-1124.4)日本道路協会(2012), 3)道路橋の耐震設計における動的解析に用いる加速度波形,

<http://www.road.or.jp/dl/tech.html>

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0.5 1.0

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1.40 1.50 1.60 1.70

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0 50 100 150

0 20 40

0.5 1.0 せん断ひずみ s(%)

q (kPa)

平均有効応力 p(kPa)

せん断ひずみ s(%)

R

平均有効応力 p(kPa)

v (=1+e) q (kPa)

せん断ひずみ s(%)

u (kPa)

せん断ひずみ s(%)

R*

NCL q = Mp

盛土建設中 地震中 地震直前

図-5 要素 1 の挙動(基盤排水層がない)

0 20 40

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0.5 1.0 せん断ひずみ s(%)

q (kPa)

平均有効応力 p(kPa)

せん断ひずみ s(%)

R

平均有効応力 p(kPa)

v (=1+e) q (kPa)

せん断ひずみ s(%)

u (kPa)

せん断ひずみ s(%)

R*

NCL q = Mp

盛土建設中 地震中 地震直前

図-6 要素 1 の挙動(基盤排水層を想定)

図-4 せん断ひずみ分布

参照

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n はじめに

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