野生鳥獣肉の衛生管理のポイント解説集(案)
2018年2月
(株)東レリサーチセンター
・ 解説集の利用者は処理施設及び調理施設の作業者や管理者を想定したも のである。
・ 本解説集がカバーする動物はシカとイノシシとした。
・ 解説集は処理施設での受け入れから枝肉冷蔵までの衛生処理編(第1部)
および調理編(第2部)の構成となっている。
・ 代表的な処理解体のフローチャートに則して、全体を俯瞰しながら、特に重要 な工程については、画像とデータを添えて、詳しく解説することに努め、とりま とめたものである。
【野生鳥獣肉の衛生 管理のポイント解説集の対象、範囲】
・ 野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン、厚生労働労省)
・ 野生鳥獣被害防止マニュアル(改訂版、農林水産省)
・ 食肉処理施設HACCPシステム構築に関する手引書
(公益財団法人 日本食肉生産技術開発センター)
・ 信州ジビエ衛生マニュアル
・ 北海道エゾシカ衛生処理マニュアル
・ 鳥取県「イノシシ・シカ」解体処理衛生管理ガイドライン
・ 富山県獣肉の衛生管理及び品質管理に関するガイドライン
・ ひょうごシカ肉活用ガイドライン
・ The Deer Initiative Best Practice(英国)
【参考とした主な資料】
Ⅱ
Ⅰ 概要
平成26年に厚生労働省は「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドラ イン)」を作成し、野生鳥獣の捕獲から調理まで、関係者が実施しなければな らない衛生管理に関する指針を網羅的に記述した。このガイドラインを補填し、
作業手順の画像を示しながら、一般衛生管理を含む作業手順を具体的に解
説して、各作業手順に科学的根拠を与えるデータも付記した「野生鳥獣肉の
衛生管理のポイント解説集」を、厚生労働科学研究費補助金食品の安全確
保推進研究事業【野生鳥獣由来食肉の安全性に関する研究】班において作
成した。
目次
第一部
A)解体処理施設におけるシカ・イノシシの代表的な解体処理 ・・・・・・・・・ 1
①搬入時のチェック ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 2
②解体前検査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3
③と体洗浄 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
④食道結紮 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
⑤肛門結紮 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8
⑥剥皮 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10
⑦内臓摘出 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
⑧解体後検査 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
⑨トリミング ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16
⑩枝肉洗浄 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18
⑪懸肉・冷蔵 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・20 B)解体処理施設の一般衛生管理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・23
①施設・設備の衛生管理(保守のポイント) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
②施設・設備の衛生管理(拭取り検査) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・26 第二部
A)加工処理施設 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・31
①搬入時のチェック ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32
②事前準備 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32
③脱骨・カット・スライス等の加工工程 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・33
④包装・ラベル貼付時 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34
⑤出荷前保存 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35
⑥作業後の対応 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・36 B)調理施設 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37
①搬入時のチェック ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38
②事前準備 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・38
③下処理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39
④-1 加熱調理(ローストの場合) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40
④-2 加熱調理(煮込み料理、蒸し料理等の場合) ・・・・・・・・・・・・・・・・41
⑤調理品の提供に際して ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・42
⑥作業後の対応 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・43
第一部
A) 解体処理施設におけるシカ・イノシシの
代表的な解体処理
① 搬入時のチェック
共通 搬入された個体に関して、捕獲前の異常(元気、歩行、挙動等)の有 無に関する聞き取り記録はありますか?
異常の有無を確認した記録はありますか?
内臓摘出済の場合
捕獲時の状況記録(捕獲者氏名、場所、日時、年齢、雌雄、着弾位置 等)はありますか?
放血(内臓摘出)、運搬が適切に行われた記録を確認していますか?
異常が認められた個体は食肉処理施設に搬入すること無く、廃棄とす ること。
狩猟個体の受け入れは、放血、内臓摘出及び運搬について適切な衛生 管理が行われたもののみとする。
大きさ、色、形、硬さ、臭いの異常を確認していますか?
出血、膿瘍、結節、腫瘍の有無を確認していますか?
リンパ節の腫れを確認していますか?
異常の有無を確認した記録はありますか?
運搬可能な野生鳥獣は、生体で食肉処理施設へ運搬して衛生的に 処理することが望ましい。
止め刺しをする場合には、野生鳥獣にできるだけ苦痛を与えない ように配慮すること。
生体捕獲、一時養鹿の場合 共通
搬入時は、捕獲時の記録を丁寧に確認し、記録をしっかり残しましょう。
銃による捕獲の場合
腹部に着弾した個体は食用に供さないこと。
-2-
記録状況に漏れがないことを確認してから、と体に接触 する作業に入ります。(次は③と体洗浄)
② 解体前検査
個体ごとに番号を付け、狩猟・運搬時の記録と紐づけられるように なっていますか?
作業者は、再度異常の有無を確認していますか?
内臓の状態が確認できない個体については全部廃棄としていますか?
内臓摘出済の場合
個体の異常の有無(体表異常(被毛の異常、創傷、出血、化膿)、体 表の著しい汚れ、下痢、削痩、鼻、口、肛門からの出血等)の確認 記録はありますか?
消化管損傷の有無を確認し記録していますか?
共通
搬入後、個体の外観を確認し、記録を行っていきます。
記入の容易な様式を作成し、後から確認できるように保管します。
③ と体洗浄
共通 と体洗浄する場所は、解体処理をする場所と異なる区域で洗浄 して下さい。
作業前の注意事項
作業中の注意事項
飲用に適した流水を用いて洗浄しましょう。
洗浄水が、放血時の開口部や内臓摘出を行う際に個体の体腔等を汚染しないよう に注意しましょう。さらに、解体作業時の汚染拡大を防止するため、体表の洗浄 水はできるだけ除去しましょう。なお、内臓摘出された個体であって、体表の汚 染が著しいものは受入しないようにしましょう。
洗浄作業時には、個体の外見をよく観察しましょう。異常がみられた場合には、
廃棄するようにしましょう。
ホースノズル等を利用して、丁寧 に洗浄します。
懸垂器のコントローラをカバーす ることにより汚染を防ぎます 首元、腹側、肛門の周りなども しっかり洗浄します。
-4-
周囲に汚染していないか、常に確認しながら、
作業を進めていきます。(次は⑤肛門結紮)
止め刺し部位は、細菌が残るため、食用にしてはいけません。
と体の洗浄は、足先、腹側など丁寧に
参考データ と体洗浄の効果
野生シカの被毛 (皮膚)には土壌や 糞便が付着し、非 常に多くの細菌が 汚染しています。
水道水によりと体 洗浄を行い、洗浄 前、洗浄後の一般 細菌数を調べると、
と体を洗浄するこ とにより大幅に減 らせることが明ら かとなっています。
④ 食道結紮
作業者①
手指は、1頭毎、汚染毎に洗浄しましょう。ナイフなど使用する器具は、1頭毎、
汚染毎に、83℃以上の温湯で消毒し ましょう。ナイフは根元までしっかり 消毒します。
器具
剥皮台、剥皮場所の床は、1頭毎に、
83℃以上の温湯で消毒しましょう。
作業前の注意事項
前掛けは、1頭毎、汚染毎に洗浄しましょう。
手の平 を洗う
手の甲 を洗う
指の間 を洗う
親指 を洗う
作業者②
施設
手袋着用前に、まず 手をしっかり洗います。
手袋着用後も、手袋をしたまま、
しっかり洗います。
作業中は、一頭毎、汚染毎に、
手袋を着用した手指を流水で洗 浄しましょう。
83℃以上
-6-
周囲に汚染していないか、常に確認しながら、
作業を進めていきます。(次は⑤肛門結紮)
作業中の注意事項
食道結紮は、と体を作業台の上に寝かせた状態で行います。食道を合成樹脂製の袋 で覆い、紐やゴム、結束バンドを用いて二重に結紮します(写真は結束バンドを用い る例)。結紮はできるだけ頭部側の部位で、気道と食道をまとめて結紮します。こう することにより、その後、と体を懸吊しても胃内容物の逆流を防ぐことができます。
一方、食道結紮をせずに懸吊すると胃内容物が逆流し、周辺を汚染してしまいます。
参考データ ナイフの菌数変化
わが国の野生鳥獣肉解体処理施設で野生シカを処理した際の各処理工程の 作業前後において、使用したナイフに付着した一般細菌数を示します。
作業前に比べて各工程の作業により多くの細菌汚染が生じることがわかりま す。このまま肉に触れると細菌により汚染してしまいます。また、
作業前にもわずかながら細菌の認められる検体が認められました。作業前の ナイフの消毒を徹底する必要があります。
胃内容物 が逆流してし まった悪い例
結紮がきちん と実施できて いる例
処理工程
検討した 検体数
平均値 (個/本)
中央値 (個/本)
最小値 (個/本)
最大値 (個/本) 作業前 作業後 作業前 作業後 作業前 作業後 作業前 作業後 作業前 作業後 と体洗浄 2 0 63 - 63 - 50 - 75 -
肛門結紮 2 3 88 9,000 88 10,400 0 3,150 175 13,450
食道結紮 1 2 0 11,345 0 11,345 0 1,040 0 21,650
内臓摘出 4 5 6,533 9,594 90 2700 0 840 25,950 40,000
剥皮 8 8 110 46,028 1 348 0 0 725 350,500
解体作業 1 2 1,095 116,752 1,095 116,752 1095 4 1,095 233,500
シカ
イノシシ
⑤ 肛門結紮
作業者 消化管の内容物が漏出しないよう肛門を合成樹脂製の袋で覆い、
直腸を肛門の近くで結紮するとともに、肛門部による個体の汚 染を防ぎます。
作業前の注意事項
作業中の注意事項
結紮に当たっては、紐やゴム、結束バンド等を使い、二重に結 紮しましょう。
肛門周辺の外皮を切皮します。膀胱の損傷に注意しながら作業します。
引き出した直腸を袋で覆い、紐やゴム、結束バンドを用いて二重に結紮します
(写真は結束バンドを用いている例)ます。
肛門結紮の方法 ~シカの場合~
合成樹脂製の袋の中に手を入れ、袋ごと直腸を掴んで、引き出します。腹腔へ の押し出しはと体を著しく汚染するので行いません。
-8-
腸管内容物が漏れ出ないように、紐やゴム、結束バンドを用いて二重に結紮しま す(写真は結束バンドを用いている例)。結紮部の完全な分離切開は、腹部切開 後の内臓摘出時に行います。
周囲に汚染していないか、常に確認しながら、
作業を進めていきます。(次は⑥剥皮)
肛門結紮の方法 ~イノシシの場合~
肛門周辺の外皮を切皮します。膀胱の損傷に注意しながら作業します。
合成樹脂製の袋の中に手を入れ、袋ごと直腸を掴んで、引き出します。腹腔へ
の押し出しはと体を著しく汚染するので行いません。
⑥ 剥皮
作業者① 手指は、1頭毎、汚染毎に洗浄しましょう。
ナイフなど使用する器具は、1頭毎、汚染毎に、83℃以上の 温湯で消毒しましょう。
器具
剥皮台、剥皮場所の床は、1頭毎に、83℃以上の温湯で消毒し ましょう。
作業前の注意事項
前掛けは、1頭毎、汚染毎に洗浄しましょう。
手の平 を洗う
手の甲 を洗う
指の間 を洗う
親指を 洗う
施設 作業者②
作業中の注意事項 ナイフの入れ方・被毛
必要最小限の領域を切開した後、一旦ナイフを消毒しましょう。
皮の内部から切開しましょう。
剥皮された部分は外皮や汚染され た手指で枝肉を汚染しないように 注意しましょう。
一刀目
二刀目以降
体表の被毛には病原微生物やダニ等の 寄生虫が付着している可能性が高いの で、ナイフや手指と被毛との接触につ いては細心の注意を払いましょう。
83℃以上 ナイフなど使用する器具は、
汚染毎に、83℃以上の温湯 で消毒しましょう。
イノシシ 体表に付着し ているマダニ
-10-
周囲に汚染していないか、常に確認しながら、
作業を進めていきます。(次は⑦内臓摘出)
作業中の注意事項 周囲・手指等の汚染注意
参考データ 外から内に刃を入れた場合
剥皮された枝肉が、剥皮前や一部剥皮したと体、床、壁、設備などと接 触しないようにしましょう。
手指は汚染毎に洗浄・消毒しましょう。
剥皮において、二刃目以降も外側から内側に刃を入れて作業を続けると、
上記の写真のように、肉表面に沢山の毛が付着してしまうことがわかります。
作業終了時、エプロン、長靴を外し、ブラシ等で、帽子、衣類等に付着 した被毛を十分に払い落としましょう。その際、払い落とした被毛や外 したエプロンが枝肉を汚染しないように、十分注意して下さい。
剥皮が終了した枝肉について、糞便や被毛の付着、残存がないか目視に により点検しましょう。
作業者の手指やエプロン、懸吊機や作業台等の器具・用具は1頭の処理 後、洗浄・消毒しましょう。
皮の内部から切開していくことで、剥皮後の肉表面に付着する毛を少なくするこ とができます。
剥皮した皮は外側に向けて、枝肉表面に外皮や汚れた手で触れないようにします。
⑦ 内臓摘出 作業前の注意事項 作業前の注意事項
作業中の注意事項 消化管損傷
消化管を損傷していないか(消化管内容物が枝肉を汚染していないか)をよく 確認しながら作業して下さい。腸管は腹腔内に貼り付いているので、傷付け
ないようにナイフで丁寧に剥離します。 はく皮された部分が消化管の内容物により汚染された場合、迅速に他の部位 の汚染を防ぐとともに、汚染された部位を完全に切り取りとりましょう。
(汚染部位が広がってしまうので、洗浄を行ってはなりません)。
作業中の注意事項 内臓摘出
摘出する内臓を入れるトレイ等を準備し、内臓が床、内壁、長靴等に接触す ることによる汚染を防ぎます。
作業者① 手指は、1頭毎、汚染毎に洗浄しましょう。
ナイフなど使用する器具は、1頭毎、汚染毎に、83℃以上の 温湯で消毒しましょう。
器具
前掛けは、1頭毎、汚染毎に洗浄しましょう。
手の平 を洗う
手の甲 を洗う
指の間 を洗う
親指を 洗う
作業者②
内臓摘出は、胎盤、膀胱等の破損に気を付けながら腹腔との結合組織を手指 で引き離しながら進めます。まず肛門結紮部を伴う腸管部から胃の順番に外 部に取り出しを進め、最後に結紮されている食道部を取り出します。
-12-
周囲に汚染していないか、常に確認しながら、
作業を進めていきます。(次は⑧解体後検査)
シカ、イノシシの糞便中には多くの菌がいます。解体処理においては、消 化管損傷による枝肉汚染が起きないよう、注意を払いましょう。
一般細菌数 (個/g)
大腸菌群 (個/g)
大腸菌 (個/g) シカ 25,000,000 1,300,000 1,300,000
イノシシ 46,000,000 13,290,000 13,000,000
左側 シカの例(懸吊) 右側 イノシシの例(作業台上)
参考データ 糞便中の細菌数
(各動物10頭検討した際の中央値を示す)
⑧ 解体後検査
大きさ、色、形、硬さ、臭いの異常があるか?
共通 出血、膿瘍、結節、腫瘍があるか?
リンパ節の腫れがあるか?
厚生労働省作成のカラーアトラスに示された異常はあるか?
血液の色や粘性の異常はあるか?
白色点・斑、変色部分はあるか?
肝臓や肺の寄生虫はあるか?
胸腔及び腹腔内の異常液状物はあるか?
筋肉や脂肪の水っぽさはあるか?
関節の腫れはあるか?
筋肉中に腫瘤はあるか?
筋肉中の寄生虫の(白色点等)はあるか?
異常の発見時に、獣医師など専門家に相談し対処すること。
異常の発見時に、獣医師など専門家に相談できない場合は 廃棄もしくは非食用とすること。
枝肉 内臓
左側 シカの例 右側 イノシシの例
目視でチェック 筋肉が変色・変性 摘出した内臓については「4 食肉処理業者が解体後に野生鳥獣の
-14-
周囲に汚染していないか、常に確認しながら、
作業を進めていきます。(次は⑤肛門結紮)
① 肉眼的に異常が認められない場合も、微生物及び寄生虫の感染のおそれがあるた め、可能な限り、内臓については廃棄することが望ましい。
② 内臓の所見において、別紙カラーアトラスでは、臓器の異常部分の割面所見を示 しているが、通常の処理では、部分切除、病変部の切開等は、微生物汚染を拡大す る可能性があるため、行わないこと。なお、心臓についてはこの限りではない。
③ 内臓摘出時に肉眼的異常が認められた場合、その内臓は全部廃棄とする。
筋肉内の腫瘤について、肉眼的に全身性の腫瘍との区別は困難であることから、筋 肉を含め全部廃棄とすること。
リンパ節腫脹、腹水や胸水の貯留、腫瘍、臭気の異常等が認められた場合は、安全 性を考え、個体の全部廃棄とする。
イノシシの肝蛭 シカ肝臓に結節
足の筋肉内に腫瘤形成
糸状虫様の寄生虫が筋層を破壊又は 押しのけながら生息
悪性リンパ腫、全身廃棄
円形で中型のリンパ球様腫瘍細胞か らなり、核分裂像やスターリースカ イ像も散見される。
異常の有無を確認する方法」により異常の有無を確認します。
⑨ トリミング
作業中の注意事項 止め刺し部位のトリミング
参考データ 止め刺し部位の一般細菌数
止め刺し部位、被毛付着部位は、汚染しているため、枝肉洗浄前にトリミング
(切除)を行う必要があります。
作業前の注意事項 作業者① 手指は、1頭毎、汚染毎に洗浄しましょう。
ナイフなど使用する器具は、1頭毎、汚染毎に、83℃以上の 温湯で消毒しましょう。
器具
前掛けは、1頭毎、汚染毎に洗浄しましょう。
手の平 を洗う
手の甲
を洗う 指の間
を洗う
親指を 洗う
作業者②
銃弾による組織の破壊部や出血部や土による汚染箇所も周囲の組織ごと完全 に切除すること。
作業中の注意事項 汚染部位のトリミング
被毛の付着する四肢周囲、消化管内容物の付着する胸腹腔周囲、落下物の付 着する上面などに特に注意してトリミングを行って下さい。
血液凝塊、被毛、消化管内容物などの付着が認められた場合は、二次汚染を おこさないよう、周囲の組織ごと切除しましょう。
大分県シ シ肉・シカ 肉衛生管 理マニュ アル(第2 版)より
トリミングは、すべての汚染物などを除去し、製品の品質を高めるため、的確 に行うことが必要です。
エゾシカ衛 生処理マ ニュアル。
止め刺し部位は、洗浄することにより一般債 菌数を大幅に減らすことができますが、剥皮後 にも菌が残っています。
差し止め部位は、周囲の組織ごと完全に切除 しましょう。
一般細菌数
(個/cm2)
部位
剥皮前 剥皮後 洗浄前 洗浄後 洗浄前止め刺し 11,650 42 111 止め刺し
反対側 430 645 -
-16-
周囲に汚染していないか、常に確認しながら、
作業を進めていきます。(次は⑩枝肉洗浄)
例えば、消化管内容物などの付着 が認められた場合は、二次汚染を おこさないよう、周囲の組織ごと 切除しましょう。
良く観察し、汚染物が付着したところをしっかり除去しましょう。
※人為的に付着させた例。
止め刺し部位は、周囲の組織ごと 完全に切除しましょう。
トリミングは丁寧に実施しましょう。
⑩ 枝肉洗浄
作業中の注意事項
飲用適の水を用いて、上から下に洗い流しているか
洗浄水の飛沫が付近の枝肉などを汚染していないか
洗浄水の水切りをしているか(拭かず、冷蔵庫に移動し自然乾燥が望ましい)。
(洗浄後の枝肉に毛などが付着していないか)
上から下に洗い流しましょう。
シカ
イノシシ
毛の付着などが ないことを,目視 によりしっかり 点検します。
シカ
床は掃除をし、1頭毎に、83℃
以上の温湯で消毒しましょう。
枝肉洗浄は、枝肉に糞便や腸管内容物等の汚染物 の付着がないことを確認してから実施します。
-18-
周囲に汚染していないか、常に確認しながら、
作業を進めていきます。(次は⑪懸肉・冷蔵)
参考データ 電解水を用いた枝肉の洗浄効果
水道水を用いた洗浄による洗浄効率(洗浄前の菌数からの減少率)は35.4~
91.4%でした。一方で、洗浄前と比較して菌数が上昇しているものも認められま
した(-20.5%、-74.4%)。このことから、水道水による洗浄では、細菌汚染
を拡大させてしまう可能性が考えられます。このため、洗浄前に目視によって汚
染が認められる箇所については、確実にトリミングにより切除することが非常に
重要です。その後、アルカリ水を用いた洗浄により、74.4%~99.4%、さらに
酸性水を用いた洗浄により、91.5~100%まで洗浄されました。
⑪ 懸肉・冷蔵
保管する枝肉の数は、冷蔵庫の大きさや能力に見合っていますか?
作業前の注意事項
施設
作業中の注意事項 弾丸・金属除去
冷蔵庫の温度は適切ですか(10℃以下)?
冷蔵庫の温度の確認、記録はありますか?
汚染した作業者の手指で洗浄後の枝肉に触れてはいけません。
作業者
冷蔵前に、銃弾の残存について金属探知器を使用しましょう。
弾痕周辺を確認し、弾丸を確実に除去しましょう。
1頭毎にラベルを附すなど、個体識別が可能な状態で懸肉しましょう。
(出荷する肉のトレーサビリティを確保するように取り扱うことが重要です)。
枝肉及び食用に供する内臓は、切除した部位や他の枝肉、床、壁、他の 設備等と接触しないように取り扱いましょう。
と殺してから枝肉冷蔵庫に搬入するまでの時間は適切でしたか?
-20-
作業中の注意事項 保管
解体処理後、速やかに冷却しましょう。
冷蔵設備の規模や能力、冷蔵する枝肉の数量等を総合的に勘案して、10℃以 下の温度で冷蔵できるよう適切な温度管理を行いましょう。
岡山県野生 鳥獣食肉衛生管理 ガイドライン (第1版)より
第一部
B) 解体処理施設の一般衛生管理
-23-
①施設・設備の衛生管理(保守のポイント)
懸吊フック・レール 1. 温かい洗浄液を含ませたスポンジまたはブラ シで表面を洗浄します。
2. きれいな水ですすぎます。
3. 83℃以上の熱湯で消毒します。
機械・器具
使用後
一個体毎
安全で衛生的な食肉を提供するうえで、解体処理施設の施設や設備等を衛 生的に管理することが、基本として求められています。
この項では特に、作業に用いる器具や設備、施設などについて、日常的な 衛生管理法について示しました。
器具等については、保管場所を定めて、洗浄殺菌が終わったものは、次回 使用時まで所定の場所に保管しましょう。
ナイフ 1. かい洗浄液を含ませたスポンジまたはブラシ で表面を洗浄します。
2. きれいな水ですすぎます。
3. 83℃以上の熱湯で消毒します。
4. 使用前に83℃以上の熱湯で消毒します。
・ 複数の個体を処理する場合は,個体ごとに流 水で洗浄し83℃以上の熱湯で消毒して用いま しょう。
使用後
一個体毎
チェーンソー 1. 温かい洗浄液を含ませたスポンジまたはブラ シで表面を洗浄します。
2. きれいな水ですすぎます。
3. 83℃以上の熱湯で消毒します。
使用後
一個体毎
ナイフの衛生管理について
ナイフなど使用する器具は、1頭毎、汚染毎に、83℃以上の温湯で消毒し ましょう。ナイフは根元までしっかり消毒します。
83℃以上
まな板 1. 温かい洗浄液を含ませたスポンジまたはブラシで 表面を洗浄します。
2. きれいな水ですすぎます。
3. 83℃以上の熱湯で消毒します。
・ 複数の個体を処理する場合は,個体ごとに流水 で洗浄し83℃以上の熱湯で消毒して用います。
使用後
一個体毎
-25- 毎日終了時
器具保管庫等の扉の取っ手 1. 温かい洗浄液を含ませたペーパータオル等で表面 を拭きます。
2. きれいな水を含ませたペーパータオルなどで洗剤 を拭い取ります。
3. 乾いたペーパータオル等で水分を拭き取ります。
施設(手で触れる部位)
ドアノブ 1. 温かい洗浄液を含ませたペーパータオル等で表面 を拭きます。
2. きれいな水を含ませたペーパータオルなどで洗剤 を拭い取ります。
3. 乾いたペーパータオル等で水分を拭き取ります。
毎日終了時 毎日終了時
シンク蛇口栓 1. 温かい洗浄液を含ませたスポンジまたはブラシで 表面を洗浄します。
2. きれいな水ですすぎます。
3. 乾いたペーパータオル等で水分を拭き取ります。
4. 消毒用アルコール等を噴霧します。
作業台表面
1. 目に見える食品および汚れを取り除きます。
2. その他の食品及び油汚れを取り除くために温かい 洗浄液を用いて表面を洗浄します。
3. 洗剤を取り除き、残った汚れを取り除くためにき れいな水ですすぎます。
4. 殺菌剤を使用する場合は、薬品メーカーの推奨す る接触時間中は殺菌剤を表面に残しておきます。
5. 殺菌剤を取り除くため、きれいな水ですすぎます。
6. 放置して自然乾燥させるか、使い捨てタオルを用 いて乾燥させます。
使用後
大型備品
②施設・設備の衛生管理(拭取り検査)
準備するもの
検体採取時に用意するもの
1-1 拭取り作業に使用するもの:手袋(ゴム・ビニール等合成樹脂製)、アル コール噴霧器(アルコール綿)
1-2 拭取り検査キット:検査開始前に、容器に拭取り箇所を示す検体番号を記入 します。
1-3 拭取り枠(10 cm x 10 cm)
1-4 検体発送に使用するもの:保冷材・梱包剤・発砲スチロール箱
解体処理施設における施設の拭取り検体の採取手順
拭取り作業の際に留意すべき事柄
2-1 作業開始前に、手洗いをしたのち両手にディスポ・グローブを装着し、さらに手 全体をアルコールで消毒します。
2-2 拭取り検査を行う什器・器具等について定めた番号を、拭取りキット容器に記入 します。
2-3 各拭取り箇所を拭取りの都度、拭取りしたキット容器は直ちに保冷剤入りの保冷 容器に入れましょう。容器が完全に密閉されていることを確認しましょう。
施設の細菌汚染を調べるための検体の採取方法を示したものです。採取した検体は、
外部検査機関に送付して検査を依頼します。
解体処理施設における施設・器具については、年1回以上の細菌 検査を実施することが望ましい。
検査キットについて
解体処理施設内の拭取り対象物と拭取り方法
作業台 作業台は、中央部分の手前、中央、奥の3か所について、各々拭取り枠 をあて拭取り検査キットで拭取りを行います。
拭取り検査キットの綿棒で拭取る方向は、縦横斜めと します。
1カ所毎に 新しいキット を使用します 懸吊(けんちょう)器具 と体の筋肉部と接触する牽吊器具のフックの部分
を拭取ります。
チェーンソー チェーンソーの歯の部分を拭取ります。
ナイフ・包丁 ナイフ・包丁の両面を拭取ります。柄の部位も新しいキットで 拭取ります。
-27-
まな板
まな板の使用面を拭取ります。シンクの蛇口栓
シンクの蛇口栓の表面を拭取ります。ドアノブ
ドアノブの握る部分や引き戸の取っ手部位の全体を拭取ります。器具保管庫取っ手
作業に使用する器具の保管庫の取っ手部分を拭取ります。5-1 発泡スチロール箱に保冷剤と拭取り検体を入れます。
5-2 枝肉拭取り検査記録票を同封します。
施設検査記録票への記入
4-1. 所定の枝肉拭取り検査記録票に必要事項を記入します。
発送(外部検査機関に依頼する場合)
参考データ 施設の各検査対象品目の一般細菌数
1. 殺菌済のチェンソー、作業台、まな板、ナイフの一般細菌は少なく、大腸菌、
大腸菌群、黄色ブドウ球菌も一部を除き検出されませんでした。
2. 懸吊器具は殺菌処理済であっても一般細菌の値が高く、洗浄法や殺菌法が不 十分であると考えられます。
3. ドアノブや蛇口栓は、殺菌処理の有無にかかわらず一般細菌の値の高い施設 が多く、清掃等の対象として見落とされがちな部分であると考えられます。
項目
一般細菌数 (個/100cm2または 1品目)殺菌済(平均値) 未殺菌(平均値)
懸吊器具
9,203 3,333
チェンソー
120 1,033
作業台
35 918
まな板
38 3,500
ナイフ
219 2,916
室内ドアノブ
66,405 16,561
シンク蛇口栓
38,117 111,037
器具保管庫取っ手
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第二部
A) 加工処理施設
①搬入時のチェック
②事前準備
解体時の記録(解体処理事業者名、作業 担当者名、作業日時、個体管理情報、枝 肉・内臓の状況、解体処理後の熟成状況、
捕獲時の銃使用の有無等)はあります か?
共通
受け入れた枝肉を保管・保存する場合に は、場所、時間、温度管理に関する記録 をとりましょう。
解体処理施設と併設する場合
作業前に施設設備器具の洗浄 消毒を行いましょう。
施設
他の食肉とは独立した加工ス ペース、器具等を確保しま しょう。
解体処理をする場所とは異な る区域を設定し、運用しま しょう。
作業者の健康状態を確認・記録しましょう。
作業者
作業前に手指や前掛け等の洗 浄・消毒を行いましょう。
使い捨ての手袋等を着用しましょう。
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③脱骨・カット・スライス等の加工工程 作業者
食肉の外観状態を目視でしっかり確認しましょう。
ナイフやまな板等の使用器具は製品の別、或いは 部位毎に83℃以上の温湯や殺菌剤等で消毒しま しょう。
調味液等を用いる場合、これらの保存管理にも注 意を払いましょう。
洗浄水がまな板や周囲包装後製品等を汚染しないよう注意しましょう。骨はブロッ ク肉と区分管理しましょう。
手指は、汚染毎、作業毎にしっかり洗浄しましょう。
手の平を洗 う
手の甲を洗 う
指の間を洗 う
親指を洗う
作業後は常温放置することなく、次の工程へと進めてい
きます(次は④ 包装・ラベル貼付等)
④包装・ラベル貼付時
手指や前掛けは、部位毎、工程毎にしっかり洗浄しましょう。
包材や関連器具は整理整頓し、
衛生的に使用できる状態を保ち ましょう。
内容物の漏出等がないよう、
適切な包装を行いましょう。
周囲環境及び器具等について、使用後、洗浄消毒を行 いましょう。
金属探知機を用いた異物検査を実施 しましょう。
製品の表示として、加工事業者名、加 工年月日、消費(賞味)期限、ならび に喫食にあっては加熱調理を必要とす る旨の記載をしましょう。
作業者
手の平 を洗う
手の甲 を洗う
指の間 を洗う
親指を 洗う
器具
器具 施設
製品
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⑤出荷前保存
出荷前製品の保存場所は、加工前の受け入れ枝肉等とは区別しましょう。
施設
出荷前の保存に用いる施設設備の 温度管理は適切な状態に保ちま しょう。
出荷前製品の保存は、冷凍(冷 蔵)処理を実施しましょう。装 置の冷却能力に見合った適切 な量を保管しましょう。
各製品のロット識別・管理をしましょう。
参考データ 施設別の生菌数比較(製品)
次は⑥ 作業後の対応
上記のグラフは、全国の22の販売施設より入手した鹿肉または猪肉(製
品)の生菌数(平均)を測定した結果です。最も生菌数が少なかった施設
(E施設)と最も多かった施設(J施設)の間には、10,000倍以上もの差があ
ることがわかりました。
作業者 作業中に見られた異常の記録等をつけましょう。
施設器具等は使用後に洗浄・消毒し、整理整頓しましょう。
各製品のロット識別・管理をしましょう。
必要に応じて、顧客へ製品情報を伝達できるよう、情報管理を実施しましょう。
参考データ 衛生指標菌数(個/100cm
2)
まな板と包丁について、ジビエ処理の使用前と使用後の衛生指標細菌数を 調べた結果を示しています。使用前には検出されませんでしたが、使用後に は、すべてのまな板で腸内細菌科菌群や大腸菌群が検出されています。
まな板やナイフ等の使用器具は、作業毎に83℃以上の温湯や殺菌剤等で
消毒することで、調理器具を介した菌の汚染を押さえることができます。⑥作業後の対応
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第二部
B) 調理施設
①原材料受入時
②事前準備
器具
作業者 受け入れ記録(加工事業者名、作業日時、消費(賞味)期限、個体 管理情報、加熱調理の必要に関する記載等)はありますか?
受け入れた原材料肉を保存する場所、時間、温度管理に関する記録 をとりましょう。
他の食肉とは独立した加工 スペース、器具等を確保し ましょう。
施設
調理器具等は整理整頓され、衛生的に使用できる状態に保ちましょう。
作業前に施設設備器具の洗浄 消毒を行いましょう。
作業者の健康状態を確認・記録しましょう。
作業者
作業前に手指や前掛け等の洗 浄・消毒を行いましょう。
年1回以上、調理従事者及び関係者に対し、野生鳥獣由来食肉の危害 について教育訓練を実施し、その記録を保存しましょう。
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③下処理
ナイフやまな板等の使用器具は製品毎等で83℃以上の温湯や殺菌剤等を 用いて殺菌消毒しましょう。
原材料の消費(賞味)期限内に使用しましょう。
原材料を常温で放置してはいけません。
残毛付着やドリップの有無、
色調等を目視確認しましょう。
枝肉等を受け入れる場合、骨を可食部位と区分管理しましょう。
下処理として、スジや筋膜等を除 去する場合、可食部と分けて、適 切に廃棄しましょう。
漬込み等を行う場合、温度や浸透圧管理を行いましょう。
作業後は常温放置することなく、次の工程へと進めてい きます(次は④ 加熱調理)
作業者
参考データ シカ肉に寄生するサルコシスティス属寄生虫の死滅条件 平成23年6月、住肉胞子虫 Sarcocystis fayeri (サルコシスティス・フェア リー)が馬肉の食中毒原因物質として通知されました。シカ肉にも住肉胞子虫 サルコシスティス属が高頻度で規制しており、平成27年度に行った調査では、
野生シカ肉におけるサルコシスティス属寄生虫感染は47検体中36検体で見 られ、陽性率(77%)という結果が得られています。
研究の結果、シカ肉に寄生するサルコシスティス属は、
4℃および0℃(氷温)では、7日間以上の生存しますが、
-20℃、-30℃、-80℃の冷凍保存においては、2時 間以内に死滅が確認されています。
加温条件下設定の実験では60℃で3分以上、70℃で1 分以上処理することで100 %が死滅しました。ハムや ソーセージの加工にあたって、2.5%食塩による漬け込 みにより、24時間以内にサルコシスティスを死滅させた との報告もあります。
サルコシスティス属 のブラディゾイト
④-1加熱調理(ローストの場合)
■スライス肉等を対象とする場合■
加熱調理により色調変化等で十分に加熱調理を行っていることを確認していますか?
作業者 特に未加熱原材料肉を取り扱う間、こまめに手指や調理器具の洗浄 消毒を行い、周囲への汚染を予防しましょう。
■ブロック肉を対象とする場合■
食肉の芯部まで十分に加熱調理しましょう。
(ここでいう十分な加熱調理とは、芯部を75℃1分間以上加熱する、または同等の 条件です)。
温度ロガーで芯温測定スチーム コンベクションオーブンで低温 加熱調理している例
スチームコンベクションオーブン等を用いた低温加熱調理を行う場合、芯部の温 度を検証したことがあり、記録として保存していますか?
余熱を利用して、熱を芯部まで到達させる等、加熱調理の徹底を はかりましょう。
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④-2 加熱調理(煮込み料理、蒸し料理等の場合)
作業者
特に未加熱原材料肉を取り扱う間、こまめに手指や調理器具の洗浄 消毒を行い、周囲への汚染を予防しましょう。食肉の芯部まで十分に加熱調理しましょう。
(ここでいう十分な加熱調理とは、芯部を75℃1分間以上加熱す る、または同等の条件です)。
次は⑤ 調理品の提供
温度測定方法
⑤ 調理品の提供に際して
加熱後のブロック肉をカットする際には、原材料肉をのせたまな板 を使用しない等、交叉汚染を予防しましょう。
顧客が自ら加熱する形態の調理品を提供する場合には、提供時に 十分に加熱調理してから喫食するよう、伝えましょう。
調理従事者による加熱調理品の場合に は、色調や弾力等から、衛生状況を確 認しましょう。
作業者
参考データ 交叉汚染リスク
* 大腸菌を含めた病原性細菌ではなかった。
種別 名称
衛生指標菌数
一般細菌
腸内細 菌科菌群
大腸
菌群 大腸菌
拭取り (個/100cm2 )
調理前 まな板左 1,700 検出されず 検出されず 検出されず 調理前 まな板右 3,700 100 検出されず 検出されず 調理前 包丁1面 2,100 検出されず 検出されず 検出されず 水道蛇口 左 3,200 100 200 検出されず 水道蛇口 右 6,700 800 600 検出されず 鹿シンタマ塊表面
(原材料) 50,000 検出されず 検出されず 検出されず 猪モモ塊表面
(原材料) 3,100 200 100 100 調理後 まな板左 15,000 600 600 検出されず 調理後 まな板右 76,000 9,800 7.,000 400 調理後 包丁片面 3,000 100 検出されず 検出されず
食品 (個/g)
調理前 猪モモ 4,400 100 200 検出されず 調理後 猪モモ 600 検出されず 検出されず 検出されず 調理前 鹿シンタマ 9,400 検出されず 100* 検出されず 調理後 鹿シンタマ 26,000 検出されず 100 検出されず
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⑥ 作業後の対応
必要に応じて顧客へ伝達できるよう、原材料の情報を管理しま しょう。
作業中に異常がみられた場合には記録と管理者への報告と記録を 行いましょう。
施設器具等は使用後に洗浄・消毒し、整理整頓しましょう。