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治療抵抗性の耐えがたい 苦痛への対応に関する

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Academic year: 2021

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Ⅲ章

治療抵抗性の耐えがたい 苦痛への対応に関する

フローチャート

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 治療抵抗性の耐えがたい苦痛が疑われた場合の対応についての基本的な考え方をフロー チャートに示す(図 1)。

 治療抵抗性の苦痛が疑われた場合,すなわち,臨床的には手を尽くしても患者の苦痛が なかなか緩和しない場合,まず行うべきことは,十分な緩和治療が行われているかどうか の再検討である。すなわち,治療抵抗性が疑われている苦痛(せん妄,呼吸困難,痛みな ど)の治療が十分に行われているかをチームで再検討し,あわせて,苦痛に対する閾値を あげ人生に意味を見出すための精神的ケアを検討する。苦痛が強く一時的な苦痛緩和が必 要と考える場合には,患者の休息を確保するために,夜間・日中の間欠的鎮静を実施する かを検討する。

 十分な見直しを行っても苦痛が緩和されない場合,患者の意思と状況の相応性から考え て最善の選択が何かという点から検討する(相応性については P65 を参照)。患者の意思 によっては,意識が低下する可能性のある方法は希望せず,苦痛が持続したとしてもしっ かりコミュニケーションできる方法を選択する場合もある。患者の価値観に基づく意思を よりどころにして相談することが基本である。

 患者の意思と相応性に基づいて妥当だと考えられる場合,持続的な鎮静薬の投与を考慮 する。鎮静は患者の意識が低下することによって人間らしい生活を遠ざけるという側面が あるため,一般的には,意識への影響の少ない方法を優先する(表 1)。すなわち,調節型 鎮静を優先して考慮する。一方,苦痛の強さが著しい,治療抵抗性が確実である,予測さ れる患者の生命予後が切迫している(日から時間の単位である),持続的深い鎮静でなけれ ば苦痛が緩和されないと見込まれる,かつ,副作用のリスクを許容しうる場合には,持続 的深い鎮静を最初から行うことも検討しうる。

治療抵抗性の耐えがたい苦痛への  対応に関するフローチャート

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治療抵抗性の耐えがたい苦痛への  対応に関するフローチャート

図 1 治療抵抗性の耐えがたい苦痛が疑われた場合の対応についての,基本的な考え方のフローチャート 治療にもかかわらず苦痛が継続

治療抵抗性である

治療抵抗性とはいえない

妥当とはいえない

耐えがたい苦痛

治療抵抗性

持続的な鎮静薬の投与

調節型鎮静 持続的深い鎮静

患者の意思と相応性(苦痛の強さ,

治療抵抗性の確実さ,予測される 生命予後,効果と安全性の見込み)

患者の意思と相応性からみて 妥当であると考えられる

状況に応じて(限定的)

原則的に

持続的な鎮静薬の投与以外の苦痛緩和 手段の見直し

1.苦痛に対する緩和ケア ・せん妄の緩和ケア ・呼吸困難の緩和ケア ・痛みの緩和ケア ・その他の苦痛の緩和ケア

2.苦痛に対する閾値をあげ人生に意味  を見出すための精神的ケア 3.間欠的鎮静(必要に応じて)

表 1 持続的鎮静の 2 つの方法のメリットとデメリット

メリット デメリット

調節型鎮静 コミュニケーションできる可能性がある 苦痛緩和が十分に得られない可能性がある 持続的深い鎮静 確実な苦痛緩和が得られる可能性が高い コミュニケーションできなくなる(意図さ

れている)

原則的には調節型鎮静を優先して考慮し,持続的深い鎮静の使用は限定的である。

参照

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