第5章 都道府県別の月次データによる時系列分析
前章までの年度データを対象とした分析から、簡保の新契約数を社会経済データ系列で 説明すると、有意な関係が認められるものが多くあり、事業経営を進める上で中長期的に これらのデータの動きを注視する必要性が窺われた。
この章では、そのような関係にある簡保と社会経済データの両系列の動きについて、短 期的にみた場合に、前者を後者がどのように説明し得るかを確認する。なお、分析に当た っては引続き都道府県を単位とするが、限られた分析期間内ではすべての都道府県につい て実施することが困難であることから、研究当初から研究会への参加を得た東海郵政局の 管内に所在する岐阜、静岡、愛知、および三重の4県を対象として分析・検討を実施する こととした。
5.1 データの前提
事業データとの関係をできるだけ早期に確認するためには、データの期間が年度より短 いものであって、その入手が比較的容易であり、しかも信頼性の高いものが必要である。
このため、分析対象データは前章までと同様に電子データで入手可能なものとし、社会経 済データについては地域(各県)の社会経済情勢を反映する集計データを対象とすること とした。
具体的に説明対象となる事業データをみると、十分な時系列的期間を持って公表されて いるのは簡保の月次データであるので、事業データについては引続き簡保の新契約数を対 象とする。また、社会経済データについては、これらの条件を満たすものとして都道府県 が独自に公表している各県の景気動向指数(DI)の作成に利用された系列の月次データが 該当するので、これらを対象として選定した。
ここで、社会経済関係の集計データについてみると、それらの各データ系列には実現値 である「原データ(原系列)」のほかに、季節特有の変動を調整した「季節調整値」が公表 されていることが多い。この季節調整値は「原系列」から「季節変動」部分を取り除いた ものであり、これを使うことによって、例えばボーナス時期に大きな変動を示す系列と入 学時期に大きな変動を示す系列とを比較するような場合に、それぞれの系列固有の季節変 動に煩わされることなく系列間の関係を確認することが可能となる。
この章で対象とした社会経済データ系列についても季節調整値であるものが多くあるが、
後に述べるように対象とした事業データである簡保の新契約数も固有の季節変動が認めら れることから、これら簡保のデータ系列についても季節調整を行うことが必要であると考 えた。
また、時系列データについては、説明される系列と説明する系列に非定常なものが含ま れていると、見かけ上よく説明がなされているように見える場合があることから、これら の対象系列について「定常性の検定」を行うこととした。
そのため、この章では、まず東海郵政局管内4県における月次の簡保新契約数(原系列)
の特徴を確認した後、同データについて季節調整を行い、原系列と季節調整値との比較を 行う。次に、各県から入手した社会経済データ系列を比較・整理する。それらの各系列に ついてデータの定常性を確認した後、季節調整済みの簡保新契約数と各県の社会経済系列 との関係を確認するため、簡保新契約数(季節調整値)を被説明変数とする回帰分析を行 う。
なお、分析実施時点で入手できたデータのうち、4県におけるすべての対象系列が揃う のは 90 年1月から 01 年7月までの 139 か月分のデータであったので、以下この章におけ る分析については、特段のことわりのない限り、期間すべてのデータを用いた分析である。
5.2 東海各県における月次の簡保新契約数(原系列)の推移
この節では、分析対象とした東海郵政局管内4県における月次の簡保新契約数(原系列)
の特徴を確認する。
5.2.1 各県の簡易保険新契約データ(原系列)の特徴
簡易保険新契約データをみると、各県ともほぼ毎月変動を繰り返している。各県の変動 を比較するため、各県の簡保新契約数をグラフに表すと図 5.1 のとおりである。図の網掛 け部分の①から⑥については簡保の構造変化を表しており、それぞれ①は保険料率引下げ、
②は加入年齢引上げ、③から⑥は保険料率引上げ時期を表している(以下、この節におい て同じ)。
図 5.1 東海4県における月次の簡保新契約数の推移
0 10,000 20,000 30,000 40,000 50,000 60,000
簡保新契約数 ( 件)
0 1
岐阜 静岡 愛知 三重
① ② ③ ④ ⑤ ⑥
化を示しているほか、それらの構造要因のない平常年では、概ね3月に件数が減少し、4 月に増加し、8月に大きく減少した後、9月に再度増加する傾向が認められる。
これらの説明としては、簡保の営業の特性や事業年度の区切りの影響が考えられる。
まず、簡保の構造要因に関する部分については、一見、加入者側の選択の結果が現れた ように見受けられるが、営業者側の事前取組みを含む営業実態の影響が相当程度反映され ていると推測することが妥当であると考えられる。また、8月の減少については、同月中 頃の時期には気候や風習等の事情から、お客様の自宅の玄関先等で十分なセールストーク の時間が確保できないといった実態があり、9月はその分も含めて契約を伸ばすことが考 えられる。さらに、3月および4月の変動については、年度目標が実績を反映したもので ることを考えれば、当該年度の目標達成の状況次第で、年度末である3月および年度始め である4月の新契約数が大きく変動する可能性が考えられる。さらに、過去の契約の満期 に着目して営業が行われていることを考えれば、ある程度の期間については過去変動パタ ーンと類似の変動パターンが現れる可能性もある。
ここで、東海4県について横並びでの比較を容易にするため、各県の簡保新契約数の規 模を捨象してみる。具体的には、図 5.1 に表したデータを各県の 90 年1月値によって基準 化した上、表示期間を短くしてグラフを横軸方向に拡大してみる。結果は図 5.2 から図 5.5 のようになっている。91 年度以降をみると、4月前後の動きが他県と大きく異なっている 県が現れており、逆方向の変化を見せる場合も認められる。
これらから、短期的な契約数の変動については、営業活動によってある程度制約されて いる可能性があり、簡保の新契約数がある程度人為的に制御可能である可能性がある。
図 5.2 東海各県の簡易保険新契約の変動(1990 年〜1992 年)
備考:各県とも 1990 年1月値により基準化。
データ出所:「統計プロムナード」各月。
0.5 1.0 1.5 2.0
199001 199004 199007 199010 199101 199104 199107 199110 199201 199204 199207 199210
年月
簡保新契約数 ( 件)
0 1
岐阜 静岡 愛知 三重
① ②
図 5.3 東海各県の簡易保険新契約の変動(1993 年〜1995 年)
備考:各県とも 1990 年1月値により基準化。
データ出所:「統計プロムナード」各月。
図 5.4 東海各県の簡易保険新契約の変動(1996 年〜1998 年)
0.5 1.0 1.5 2.0
199301 199304 199307 199310 199401 199404 199407 199410 199501 199504 199507 199510
年月
簡保新契約数 ( 件)
0 1
岐阜 静岡 愛知 三重
③
0.0 0.5 1.0 1.5
199601 199604 199607 199610 199701 199704 199707 199710 199801 199804 199807 199810
年月
簡保新契約数 ( 件)
0 1
岐阜 静岡 愛知 三重
④
図 5.5 東海各県の簡易保険新契約の変動(1999 年〜2001 年)
備考:各県とも 1990 年1月値により規準化。
データ出所:「統計プロムナード」各月。
5.3 事業データの季節調整
以上みてきたように、簡保の新契約数の月次データは季節的な変動が認められる。そこ で、各県の社会経済データ系列との関係を見る際にこれらの変動に煩わされることをでき るだけ避けるため、一般に認められた方法6を用いてその季節変動を調整する。具体的には、
インターネット上でブラウザがあれば他にアプリケーションのインストール等をすること なく利用が可能な Web Decomp(統計数理研究所のサイトで公開されている)を用いて季節 調整を実施することとした。実際の調整は、Web Decomp の選択オプションを総当りするこ とによって、各モデルの AIC 値が最も小さいものを選択した。その結果、4県の最適モデ ルは図 5.6 から図 5.9 のとおりであり、岐阜県、愛知県、および三重県については原系列 に対して「対数変換を行い、トレンド次数が1であって、曜日効果が2曜日、AR 次数が0」
のモデルが選択され、静岡県については、そのモデルと「曜日効果」部分が異なり「なし」
となるモデルが選択された。
これら Web Decomp によって原系列から得られた季節変動、トレンド、および不規則変動 について、例えば静岡県の例をみると図 5.10 から図 5.12 のとおりであり、特に季節変動 として8月が大きく捉えられていることが分かる。
6 近年政府が使用している季節調整法については平成9年に総務庁の統計審議会が「季節調整法の適用に ついて(指針)」を出しており、「手法の適切性について一般的な評価を受けているものを使用すること」
等を示している。
Decomp
はX-12-ARIMA
などとともにこれに該当するものとして同審議会の関係部会で 検討された経緯がある。0.0 0.5 1.0 1.5
199901 199904 199907 199910 200001 200004 200007 200010 200101 200104 200107 200110
年月
簡保新契約数 ( 件)
0 1
岐阜 静岡 愛知 三重
⑤ ⑥
図 5.6 岐阜県の月次簡保新契約数に対する Decomp のモデル選択
図 5.7 静岡県の月次簡保新契約数に対する Decomp のモデル選択
2,400
2,450 2,500
AR 次数0 AR 次数1 AR 次数2 AR 次数3 AR 次数4 AR 次数5 AR 次数6
AR次数
AIC値
対=なし・T=1・曜=なし 対=なし・T=1・曜=あり 対=なし・T=1・曜=2曜 対=なし・T=2・曜=なし 対=なし・T=2・曜=あり 対=なし・T=2・曜=2曜 対=なし・T=3・曜=なし 対=なし・T=3・曜=あり 対=なし・T=3・曜=2曜 対=あり・T=1・曜=なし 対=あり・T=1・曜=あり 対=あり・T=1・曜=2曜 対=あり・T=2・曜=なし 対=あり・T=2・曜=あり 対=あり・T=2・曜=2曜 対=あり・T=3・曜=なし 対=あり・T=3・曜=あり 対=あり・T=3・曜=2曜
2,450 2,500 2,550 2,600
AR 次数0 AR 次数1 AR 次数2 AR 次数3 AR 次数4 AR 次数5 AR 次数6
A IC値
対=なし・T=1・曜=なし 対=なし・T=1・曜=あり 対=なし・T=1・曜=2曜 対=なし・T=2・曜=なし 対=なし・T=2・曜=あり 対=なし・T=2・曜=2曜 対=なし・T=3・曜=なし 対=なし・T=3・曜=あり 対=なし・T=3・曜=2曜 対=あり・T=1・曜=なし 対=あり・T=1・曜=あり 対=あり・T=1・曜=2曜 対=あり・T=2・曜=なし 対=あり・T=2・曜=あり 対=あり・T=2・曜=2曜 対=あり・T=3・曜=なし 対=あり・T=3・曜=あり 対=あり・T=3・曜=2曜
AR次数
図 5.8 愛知県の月次簡保新契約数に対する Decomp のモデル選択
図 5.9 三重県の月次簡保新契約数に対する Decomp のモデル選択
2,650 2,700 2,750 2,800
AR 次数0 AR 次数1 AR 次数2 AR 次数3 AR 次数4 AR 次数5 AR 次数6
AR次数
AIC値
対=なし・T=1・曜=なし 対=なし・T=1・曜=あり 対=なし・T=1・曜=2曜 対=なし・T=2・曜=なし 対=なし・T=2・曜=あり 対=なし・T=2・曜=2曜 対=なし・T=3・曜=なし 対=なし・T=3・曜=あり 対=なし・T=3・曜=2曜 対=あり・T=1・曜=なし 対=あり・T=1・曜=あり 対=あり・T=1・曜=2曜 対=あり・T=2・曜=なし 対=あり・T=2・曜=あり 対=あり・T=2・曜=2曜 対=あり・T=3・曜=なし 対=あり・T=3・曜=あり 対=あり・T=3・曜=2曜
2,350 2,400 2,450
AR 次数0 AR 次数1 AR 次数2 AR 次数3 AR 次数4 AR 次数5 AR 次数6
AR次数
AIC値
対=なし・T=1・曜=なし 対=なし・T=1・曜=あり 対=なし・T=1・曜=2曜 対=なし・T=2・曜=なし 対=なし・T=2・曜=あり 対=なし・T=2・曜=2曜 対=なし・T=3・曜=なし 対=なし・T=3・曜=あり 対=なし・T=3・曜=2曜 対=あり・T=1・曜=なし 対=あり・T=1・曜=あり 対=あり・T=1・曜=2曜 対=あり・T=2・曜=なし 対=あり・T=2・曜=あり 対=あり・T=2・曜=2曜 対=あり・T=3・曜=なし 対=あり・T=3・曜=あり 対=あり・T=3・曜=2曜
図 5.10 静岡県の月次簡保新契約数の季節変動(Web Decomp による)
図 5.11 静岡県の月次簡保新契約数のトレンド(Web Decomp による)
-0.25 -0.20 -0.15 -0.10 -0.05 0.00 0.05 0.10
199001 199101 199201 199301 199401 199501 199601 199701 199801 199901 200001 200101 年月
季節変動
毎年8月の値が負に大きく現れている
9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 9.6 9.7 9.8 9.9 10.0 10.1
199001 199101 199201 199301 199401 199501 199601 199701 199801 199901 200001 200101
年月
トレンド
図 5.12 静岡県の月次簡保新契約数のノイズ(Web Decomp による)
5.4 事業データの原系列と季節調整された系列との比較
以上のように選択された各県のモデルを用いて調整された事業データ系列(以下「季節 調整値」)と原系列を同じグラフ上に表すと図 5.13 から図 5.16 のとおりとなっており、い ずれも前節の静岡県のケースで示したように各年度8月の値が大きく調整されている。な お、各図の原系列に付いている□印は4月、○印は8月、×印は9月の値を表している。
図 5.13 岐阜県の簡保新契約数とその季節調整値
-0.30
-0.20 -0.10 0.00 0.10 0.20 0.30
199001 199101 199201 199301 199401 199501 199601 199701 199801 199901 200001 200101 年月
ノイズ
その他の不規則変動
6,000 11,000 16,000
199001 199101 199201 199301 199401 199501 199601 199701 199801 199901 200001 200101 年月
件
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 原系列 季調値
① ② ③ ④ ⑤ ⑥
図 5.14 静岡県の簡保新契約数とその季節調整値
図 5.15 愛知県の簡保新契約数とその季節調整値
20,000 25,000 30,000 35,000 40,000 45,000 50,000
199001 199101 199201 199301 199401 199501 199601 199701 199801 199901 200001 200101年月
件
原系列 季調値
① ② ③ ④ ⑤ ⑥
9,000 14,000 19,000 24,000
199001 199101 199201 199301 199401 199501 199601 199701 199801 199901 200001 200101年月
件
0 1 原系列 季調値
① ② ③ ④ ⑤ ⑥
図 5.16 三重県の簡保新契約数とその季節調整値
データ出所等:原データは「統計プロムナード」各月。季調値は郵政研究所において Decomp により調整。
5.5 都道府県別の社会経済データの整理・調整
この節では、東海管内4県から得られた社会経済データ系列のうち、推計人口の欠値の 補間、および各県の
DI
作成のために採用されている経済系列の県間比較による特徴につい て述べる。5.5.1 各県の推計人口における欠損値の補間
東海管内4県から入手した推計人口については、国勢調査年(90 年、95 年及び 00 年)の 調査月である 10 月又はその直前数月のデータが公表されていないことがある。そこで、ま ず、各県から得られた推計人口データを確認すると、欠損値の前後でほぼ安定的に推移し ていることが分かった。そのため欠損値については、国勢調査月のデータは国勢調査結果 を使うこととし、他の月については直前数か月の増分の平均を直前月の値に加える方法に より直線補間することとした。
5.5.1.1 岐阜県の推計人口における欠値の調整
同県の推計人口系列は、国勢調査年月の直近1または2か月のデータが欠値となってい る。国勢調査時点を除くと、毎年4月より少し前で伸びが減少し、4月に実数が減少した 後、ほぼ一定の割合で伸びが続く傾向が確認できる。そこで次式のように、欠値のある月 の直近2か月の増分値の平均を直近月に加えて算出することとした。
POPt=POPt‑1+{(POPt‑1−POPt‑2)+(POPt‑2−POPt‑3)}/2 ただし、POPtは推計当月の推計値、POPt‑nは n 月前の値を表す。
5,000 10,000 15,000
199001 199101 199201 199301 199401 199501 199601 199701 199801 199901 200001 200101 年月
件
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1 原系列 季調値
① ② ③ ④ ⑤ ⑥
5.5.1.2 静岡県の推計人口における欠値の調整
同県においては、国勢調査年月の推計人口が欠値となっている。これは、国勢調査によ る人口の値が基準となっていることから推計の必要がないためである。そのため、推計人 口の欠値に当たる部分に国勢調査結果の人口を入れて系列を完成させた(なお、同県のウ ェブサイトで値が確認できなかった「日本人総数」についてはデータの傾向を確認の上、
翌月から翌々月への増分を翌月値から減じて当月値を算出することとした。
また、同県の推計人口は 1992 年6月と7月の間で不連続となっているが、データの加工 等は行わず、そのまま日本人総数を使用して分析を進めることとした。
5.5.1.3 愛知県の推計人口における欠値の調整
同県の推計人口は、国勢調査年月を除いてすべて公表されており、国勢調査年月のデー タをも入れて県の人口として公表されている。したがって、同県の推計人口については、
これらのデータをそのまま使用した。
5.5.1.4 三重県の推計人口における欠値の調整
同県においては、国勢調査年月の直近1または2か月のデータが欠値となっている。国 勢調査時点を除くと、毎年4月より少し前で伸びが減少し、4月に実数が減少した後、ほ ぼ一定の割合で伸びが続く傾向が確認できる。このため、次式のように欠値月の直近2か 月の増分値の平均を直近月に加えて値を推計することとした。
POPt = POPt−1+{(POPt−1−POPt−2)+(POPt−2−POPt−3)}/2 ここで、POPtは推計当月の推計値、POPt−nはn月前の値を表す。
5.5.2 各県の推計人口の推移
このようにして欠値のなくなった各県の推計人口をグラフに表すと、図 5.17 から図 5.20 のようになっており、いずれも緩やかな上昇傾向を示している。また、愛知県を除く各県 の系列では国勢調査時に大きく変動しており、不連続な動きとなっている。静岡県につい てはデータ自体の切断点があり、それ以降の2系列と大きな乖離があるが、これらについ ての特段の調整は行わず、日本人計の値を用いて分析を実施した。
図 5.17 岐阜県の推計人口(補間済み)
データ:岐阜県。欠損値は郵政研究所が算定。
図 5.18 静岡県の推計人口(補間済み)
データ:静岡県。欠損値は郵政研究所が算定。
2,020,000 2,040,000 2,060,000 2,080,000 2,100,000 2,120,000 2,140,000
199001 199101 199201 199301 199401 199501 199601 199701 199801 199901 200001 200101 200201 年月
人
3,650,000 3,670,000 3,690,000 3,710,000 3,730,000 3,750,000 3,770,000 3,790,000
199001 199101 199201 199301 199401 199501 199601 199701 199801 199901 200001 200101 年月
人
総数
日本人総数
図 5.19 愛知県の推計人口
データ出所:愛知県の推計人口。
図 5.20 三重県の推計人口(補間済み)
1,740,000 1,760,000 1,780,000 1,800,000 1,820,000 1,840,000 1,860,000 1,880,000 人
6,400,000 6,500,000 6,600,000 6,700,000 6,800,000 6,900,000 7,000,000 7,100,000 7,200,000
199001 199101 199201 199301 199401 199501 199601 199701 199801 199901 200001 200101 年月
人
5.5.2 DI
作成のために採用されている経済系列の整理ここでは、森(1997)『日本の景気サイクル』に倣って東海4県の各経済系列を「生産、消 費、投資、在庫、雇用、価格・費用利益、金融」の7分野に分け、各県が定めた先行、一 致、または遅行の各系列ごとにまとめて、県間比較が可能となるように類似の項目を並べ て表示する。結果は、表 5.1 のとおりであり、先行、一致または遅行系列として4県共通 で存在するものは少なく、岐阜県の「窯業土石生産指数」、愛知県の「金属工作機械受注総 額」、三重県の「鳥羽水族館入場者数」など、各県とも自県の情勢を反映した独自の系列が 多く採用されていることが分かる。なお、これらの系列については、率を表すものを除い て多くのものが季節調整値となっている。
表 5.1 東海4県の DI 採用系列一覧
指標 岐阜県 静岡県 愛知県 三重県
自動車新規登録台数
新設住宅着工戸数
建築物着工床面積
生産財/最終需要財生産比率
金属工作機械受注総額
鉱工業在庫率指数 鉱工業在庫率指数 鉱工業在庫指数
繊維在庫率指数
入職率
新規求人 新規求人数 新規求人数
新規求人倍率
所定外労働時間数 所定外労働時間 所定外労働時間指数 所定外労働時間指数
日経商品指数 日経商品指数
企業倒産件数 企業倒産件数
不渡手形発生率 不渡手形発生率
信用保証協会保証残高
中小企業売上高来期見通
国内銀行貸出残高 民間金融機関貸出残高 全国銀行貸出残高 銀行貸出平残 先行
東証株価指数 東証株価指数
鉱工業生産指数 鉱工業生産指数 鉱工業生産指数 鉱工業生産指数 鉱工業出荷指数 鉱工業消費財出荷指数
大口電力使用量 大口電力使用量 大口電力消費量 大口電力使用量
窯業土石生産指数
一致
大型小売店販売額 実質百貨店販売額 百貨店専門店売上高
鳥羽水族館入場者数
投資財生産指数
建築着工床面積 建築着工床面積 建築着工床面積
輸入通関実績 輸入通関実績 輸入通関実績
有効求人倍率 有効求人倍率 有効求人倍率
有効求人数
労働時間投入度
製造業企業収益率
人件費比率
手形交換金額
家計消費支出 家計消費支出 家計消費支出
消費者物価指数 消費者物価指数 消費者物価指数
金属工作機械受注残高
倉庫保管残高 普通営業倉庫保管残高
鉱工業在庫指数
繊維在庫指数
常用雇用指数 常用雇用指数 常用雇用指数
雇用保険受給者実人員 雇用保険基本手当受給者実人員 雇用保険受給者実人員 雇用保険受給者実人員
人件費比率
預貸率(民間金融機関)
法人事業税 県税調停額 法人事業税調定額
不渡手形発生金額
遅行
貸出約定平均金利 貸出約定平均金利
注:岐阜県の「大口電力使用量」・「法人事業税」及び愛知県の中小企業売上高来期見通しについては、DI 採用系列であるが数値の公表がない。
5.6 散布図による簡保新契約数と社会経済系列の関係確認
まず、以上で整理した簡保新契約数と各県の経済系列のデータについて散布図に示し、
その関係を鳥瞰する。なお、本節の散布図中の直線は一次近似線である。また、図が多数 であるため標題に県名を付したが、これは当該県の DI 算定に採用された系列ということを
いて既刊の報告書との差異が発見され、これらを是正したデータを用いて分析を進めるこ とが可能となった。以下、各県の散布図をみていく。
5.6.1 岐阜県の関係
同県の月次の簡保新契約数と社会経済系列との変動の関係をみると、図 5.21 から図 5.44 のとおりとなっており、
繊維在庫指数などが比較的点のまとまりがよいようである。新 規求人倍率や雇用保険受給者実人員も点がまとまっているようであるが、近似線に沿っ ているというよりは固有の形が現れているようである。
図 5.21 岐阜:
鉱工業在庫率指数 図 5.22
岐阜:繊維在庫率指数
図 5.23 岐阜:
新規求人倍率 図 5.24
岐阜:所定外労働時間数
5000 10000 15000 20000
0 1 2 3 4 5
SINKYU
SINSU
5000 10000 15000 20000
8 10 12 14 16 18 20
GAIJI
SINSU
5000 10000 15000 20000
80 90 100 110
KOUZAIRI
SINSU
5000 10000 15000 20000
60 80 100 120
SENIZAI
SINSU
図 5.25 岐阜:
日経商品指数 図 5.26
岐阜:不渡手形発生率(金額)
図 5.27 岐阜:
信用保証協会保証残高 図 5.28
岐阜:国内銀行貸出残高
図 5.29 岐阜:
東証株価指数 図 5.30
岐阜:鉱工業生産指数
5000 10000 15000 20000
85 90 95 100 105 110
NIKEISYO
SINSU
5000 10000 15000 20000
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 FUWARITU
SINSU
5000 10000 15000 20000
80 100 120 140
SHINHO
SINSU
5000 10000 15000 20000
95 100 105 110 115
KOKUKA
SINSU
15000 20000
SINSU
15000 20000
SINSU
図 5.31 岐阜:
鉱工業出荷指数 図 5.32
岐阜:窯業土石生産指数
図 5.33 岐阜:
建築着工床面積(鉱工業用) 図 5.34
岐阜:有効求人倍率
図 5.35 岐阜:
人件費比率(製造業) 図 5.36
岐阜:手形交換金額
5000 10000 15000 20000
90 95 100 105 110 115 120 KOUSYU
SINSU
5000 10000 15000 20000
70 80 90 100 110 120
YOUGYOU
SINSU
5000 10000 15000 20000
0 500 1000 1500
YUKA
SINSU
5000 10000 15000 20000
0.5 1.0 1.5 2.0 2.5 3.0 YUKYUBAI
SINSU
5000 10000 15000 20000
0.7 0.8 0.9 1.0 1.1 1.2 JINPI
SINSU
5000 10000 15000 20000
200 300 400 500 600
TEGAKIN
SINSU
図 5.37 岐阜:
家計消費支出 図 5.38
岐阜:消費者物価指数
図 5.39 岐阜:
鉱工業在庫指数 図 5.40
岐阜:繊維在庫指数
図 5.41 岐阜:
常用雇用指数 図 5.42
岐阜:雇用保険受給者実人員
5000 10000 15000 20000
70 80 90 100 110 120 130 KAKEISYO
SINSU
5000 10000 15000 20000
96 98 100 102 104 106
CPI
SINSU
5000 10000 15000 20000
90 95 100 105 110
KOUZAISU
SINSU
5000 10000 15000 20000
40 60 80 100 120 140
SENISU
SINSU
10000 15000 20000
SINSU
10000 15000 20000
SINSU
図 5.43 岐阜:
不渡手形発生金額 図 5.44
岐阜:推計人口
5.6.2 静岡県の関係
同県の月次の簡保新契約数と社会経済系列との変動の関係をみると、図 5.45 から図 5.66 のとおりとなっており、鉱工業生産指数や大口電力使用量の系列
などが比較的点のまとま りがよいようである。有効求人倍率なども点がまとまっているようであるが、近似線に 沿っているというよりは固有の形が現れているようである。また、新規求人数との関係 では、点の集合が2グループあるように見える。
図 5.45 静岡:
入職率(製造業) 図 5.46
静岡:新規求人数
10000 15000 20000 25000
0.5 1.0 1.5 2.0 2.5
NYUSYORI
SINSU
10000 15000 20000 25000
10000 15000 20000 25000
SINKYU
SINSU
5000 10000 15000 20000
0 1000 2000 3000 4000
FUWAKIN
SINSU
5000 10000 15000 20000
2060000 2080000 2100000 2120000 2140000 POP
SINSU
図 5.47 静岡:
所定外労働時間(製造業) 図 5.48
静岡:日経商品指数
図 5.49 静岡:
企業倒産件数 図 5.50
静岡:不渡手形発生率
図 5.51 静岡:
貸出残高 図 5.52
静岡:東証株価指数
10000 15000 20000 25000
10 12 14 16 18 20 22
GAIJI
SINSU
10000 15000 20000 25000
80 100 120 140 160
NIKEISYO
SINSU
10000 15000 20000 25000
0 10 20 30 40 50
TOSAN
SINSU
10000 15000 20000 25000
0 10 20 30 40
FUWARITU
SINSU
20000 25000
SINSU
20000 25000
SINSU
図 5.53 静岡:
鉱工業生産指数(鉱工業総合) 図 5.54
静岡:鉱工業消費財出荷指数
図 5.55 静岡:
大口電力使用量 図 5.56
静岡:大型小売店販売額
図 5.57 静岡:
建築着工床面積(鉱工業用) 図 5.58
静岡:輸入通関実績
10000 15000 20000 25000
80 90 100 110 120 130
KOUSEI
SINSU
10000 15000 20000 25000
80 100 120 140 160
KOUSYU
SINSU
10000 15000 20000 25000
900000 950000 1000000 1050000 1100000 OODEN
SINSU
10000 15000 20000 25000
300 320 340 360 380 400 HYAKATEN
SINSU
10000 15000 20000 25000
0 50000 100000 150000 200000 250000 YUKA
SINSU
10000 15000 20000 25000
20000 30000 40000 50000 60000 TUKAN
SINSU
図 5.59 静岡:
有効求人倍率 図 5.60
静岡:倉庫保管残高
図 5.61 静岡:
雇用保険受給者実人員 図 5.62
静岡:人件費比率
図 5.63 静岡:
預貸率(民間金融機関) 図 5.64
静岡:県税調定額
10000 15000 20000 25000
0.5 1.0 1.5 2.0 2.5
YUKYUBAI
SINSU
10000 15000 20000 25000
1200 1300 1400 1500 1600 1700 SOKOZAN
SINSU
10000 15000 20000 25000
10000 15000 20000 25000 30000 35000 KOHOJUKU
SINSU
10000 15000 20000 25000
80 90 100 110 120
JINKENRI
SINSU
20000 25000
SINSU
20000 25000
SINSU
図 5.65 静岡:
貸出約定平均金 図 5.66
静岡:推計人口
5.6.3 愛知県の関係
同県の月次の簡保新契約数と社会経済系列との変動の関係をみると、図 5.67 から図 5.88 のとおりとなっており、
輸入通関実績
や常用雇用指数(製造業)などが比較的点のまと まりがよいようである。雇用保険受給者実人員なども点がまとまっているようであるが、
近似線に沿っているというよりは固有の形が現れているようである。
図 5.67 愛知:
建築物着工床面積 図 5.68
愛知:生産財/最終需要財生産比率
(居住、商・工・サービス)
10000 15000 20000 25000
2 4 6 8
YAKUJO
SINSU
10000 15000 20000 25000
364000036600003680000370000037200003740000 POP
SINSU
20000 30000 40000 50000
6000 8000 10000 12000 14000 YUKA
SINSU
20000 30000 40000 50000
90 95 100 105 110 115
SEIJURI
SINSU
図 5.69 愛知:
金属工作機械受注総額 図 5.70
愛知:鉱工業製品在庫率指数
図 5.71 愛知:
新規求人数 図 5.72
愛知:所定外労働時間指数(製造業)
図 5.73 愛知:
全国銀行貸出残高 図 5.74
愛知:鉱工業生産指数
20000 30000 40000 50000
0 10000 20000 30000 40000 KINKIJU
SINSU
20000 30000 40000 50000
80 90 100 110 120 130
KOUZAIRI
SINSU
20000 30000 40000 50000
10000 20000 30000 40000 50000 SINKYU
SINSU
20000 30000 40000 50000
50 100 150 200
GAIJI
SINSU
40000 50000
SINSU
40000 50000
SINSU
図 5.75 愛知:
大口電力消費量 図 5.76
愛知:実質百貨店販売額
図 5.77 愛知:
投資財生産指数 図 5.78
愛知:輸入通関実績
図 5.79 愛知:
有効求人数 図 5.80
愛知:労働時間投入度(製造業)
20000 30000 40000 50000
1900 2000 2100 2200 2300 OODEN
SINSU
20000 30000 40000 50000
40000 45000 50000 55000 60000 65000 HYAKATEN
SINSU
20000 30000 40000 50000
70 80 90 100 110 120
TOSIZAI
SINSU
20000 30000 40000 50000
150000 200000 250000 300000 350000 TUKAN
SINSU
20000 30000 40000 50000
40000 60000 80000 100000 120000 140000 YUKYUSU
SINSU
20000 30000 40000 50000
96 98 100 102 104 106 108 ROJITO
SINSU
図 5.81 愛知:
製造業企業収益率 図 5.82
愛知:家計消費支出
図 5.83 愛知:
消費者物価指数 図 5.84
愛知:金属工作機械受注残高
図 5.85 愛知:
普通営業倉庫保管残高 図 5.86
愛知:常用雇用指数(製造業)
20000 30000 40000 50000
80 90 100 110 120 130 140 KIGYOSYU
SINSU
20000 30000 40000 50000
40000 60000 80000100000120000140000160000 KINKIJUZ
SINSU
30000 40000 50000
SINSU
30000 40000 50000
SINSU
20000 30000 40000 50000
-30 -20 -10 0 10 20 30 KAKEISYO
SINSU
20000 30000 40000 50000
-4 -2 0 2 4 6
CPI
SINSU
図 5.87 愛知:
雇用保険受給者実人員 図 5.88
愛知:推計人口
5.6.4 三重県の関係
同県の月次の簡保新契約数と社会経済系列との変動の関係をみると、図 5.89 から図 5.109 のとおりとなっており、
鉱工業生産指数
や鳥羽水族館入場者数などが比較的点のまとま りがよいようである。雇用保険受給者実人員なども点がまとまっているようであるが、
近似線に沿っているというよりは固有の形が現れているようである。
図 5.89 三重:
自動車新規登録台数 図 5.90
三重:新設住宅着工戸数
20000 30000 40000 50000
20000 30000 40000 50000 60000 KOHOJUKU
SINSU
20000 30000 40000 50000
660000067000006800000690000070000007100000 POP
SINSU
4000 6000 8000 10000 12000 14000 16000
5000 6000 7000 8000 9000 10000 JIDOSYA
SINSU
4000 6000 8000 10000 12000 14000 16000
1000 1500 2000 2500 3000 JUTAKU
SINSU
図 5.91 三重:
鉱工業在庫指数(逆サイクル) 図 5.92
三重:新規求人数
図 5.93 三重:
所定外労働時間指数(製造業) 図 5.94
三重:企業倒産件数(逆サイクル)
図 5.95 三重:
銀行貸出平残 図 5.96
三重:鉱工業生産指数
4000 6000 8000 10000 12000 14000 16000
-160 -140 -120 -100 -80 KOUZAI
SINSU
4000 6000 8000 10000 12000 14000 16000
4000 6000 8000 10000 12000 SINKYU
SINSU
4000 6000 8000 10000 12000 14000 16000
60 80 100 120 140
GAIJI
SINSU
4000 6000 8000 10000 12000 14000 16000
-30 -20 -10 0
TOSAN
SINSU
10000 12000 14000 16000
SINSU
10000 12000 14000 16000
SINSU
図 5.97 三重:
大口電力使用量 図 5.98
三重:百貨店専門店売上高
図 5.99 三重:
鳥羽水族館入場者数 図 5.100
三重:建築着工床面積(鉱工業用)
図 5.101 三重:
輸入通関実績 図 5.102
三重:有効求人倍率
4000 6000 8000 10000 12000 14000 16000
400000 450000 500000 550000 OODEN
SINSU
4000 6000 8000 10000 12000 14000 16000
-40 -20 0 20 40 60
HYAKATEN
SINSU
4000 6000 8000 10000 12000 14000 16000
50000 100000 150000 200000 250000 300000 SUIZOKU
SINSU
4000 6000 8000 10000 12000 14000 16000
0 50000 100000 150000 200000 YUKA
SINSU
4000 6000 8000 10000 12000 14000 16000
20000 30000 40000 50000 60000 70000 80000 TUKAN
SINSU
4000 6000 8000 10000 12000 14000 16000
0.5 1.0 1.5 2.0
YUKYUBAI
SINSU
図 5.103 三重:
家計消費支出 図 5.104
三重:消費者物価指数
図 5.105 三重:
常用雇用指数(製造業) 図 5.106
三重:雇用保険受給者実人員
図 5.107 三重:
法人事業税調定額 図 5.108
三重:貸出約定平均金利(地銀)
4000 6000 8000 10000 12000 14000 16000
-40 -20 0 20 40 60
KAKEISYO
SINSU
4000 6000 8000 10000 12000 14000 16000
-2 0 2 4
CPI
SINSU
4000 6000 8000 10000 12000 14000 16000
95 100 105 110 115 120 JOUKOSU
SINSU
4000 6000 8000 10000 12000 14000 16000
-18000-16000-14000-12000-10000-8000 -6000 KOHOJUKU
SINSU
10000 12000 14000 16000
SINSU
10000 12000 14000 16000
SINSU
図 5.109 三重:
推計人口
5.6.5 散布図による分析のまとめ
各県の簡保新契約数と経済系列の散布図を鳥瞰すると、各点が比較的まとまって現れて いるものから、ほぼ均等に分布しているものまで様々であり、点がまとまっているものの 中にも、その形が近似線に沿ったものではなく「S字型」や「M字型」をしているものが 相当程度存在することが分かった。
東海管内の4県を比較すると、岐阜県では
繊維在庫指数などが、
静岡県では鉱工業生産 指数や大口電力使用量などが、愛知県では輸入通関実績
や常用雇用指数(製造業) などが、
三重県では
鉱工業生産指数
や鳥羽水族館入場者数などが比較的点のまとまりがよいよ うであり、他の系列と比べて簡保新契約数の変動に対する説明力が高いことが窺われる。
5.7 対象系列の定常性の確認
本章冒頭で述べたように、時系列データを用いた回帰分析については、説明変数と被説 明変数のうちに1つでも非定常なものが含まれていると見せかけの回帰が生じる場合があ るとの指摘があることから、ここでは、各系列の「定常性」の検定を行うこととする。
具体的には、Phillips‑Perron‑test(PP test)により、レベル(階差をとらない)データ を対象としてトレンドのある場合と定数項のみの場合について、その定常性を確認するこ ととした。
結果は表 5.2 から表 5.5 のとおりであり、有意水準5%でみると、各県とも簡保新契約 数の系列ではトレンドのある場合も定数項のみの場合もいずれも有意となっており、同じ く各県の経済系列のうち、先行系列および一致系列では2から5系列、遅行系列では1か ら2系列の系列が有意となっている。これら以外の系列は非定常であると判断される。
4000 6000 8000 10000 12000 14000 16000
178000018000001820000184000018600001880000 POP
SINSU
表 5.2 岐阜県のレベルデータに関する定常性の確認
(Phillip‑Penrron test の結果。n=139。)
系列名 トレンドあり トレンドなし ラグ
鉱工業在庫率指数(逆サイクル)
‑2.638 ‑2.717* 4繊維在庫率指数(逆サイクル)
‑1.946 ‑2.056 4新規求人倍率
‑1.343 ‑1.593 4所定外労働時間数(製造業)
‑2.063 ‑2.209 4日経商品指数
‑2.009 ‑1.927 4不渡手形発生率(金額)(逆サイクル)
‑9.411*** ‑9.440*** 4信用保証協会保証残高(逆サイクル)
‑3.406* ‑2.609* 4国内銀行貸出残高
‑3.664** ‑2.968** 4東証株価指数
‑2.817 ‑2.725* 4鉱工業生産指数
‑2.272 ‑1.577 4鉱工業出荷指数
‑2.168 ‑2.200 4大口電力使用量
‑ ‑ ‑窯業土石生産指数
‑2.670 ‑1.191 4建築着工床面積(鉱工業用)
‑8.560*** ‑6.328*** 4有効求人倍率
‑0.575 ‑1.352 4人件費比率(製造業)(逆サイクル)
‑1.799 ‑2.351 4手形交換金額
‑15.88*** ‑9.531*** 4家計消費支出
‑8.478*** ‑7.963*** 4消費者物価指数
‑2.867 ‑1.738 4鉱工業在庫指数(逆サイクル)
‑2.676 ‑2.742* 4繊維在庫指数
‑1.632 ‑0.537 4常用雇用指数
‑2.915 ‑2.838* 4雇用保険受給者実人員(逆サイクル)
‑1.991 ‑0.319 4法人事業税(収入済額)
‑ ‑ ‑不渡手形発生金額
‑9.426*** ‑9.129*** 4簡保新契約数
‑8.511*** ‑5.227***4
4
表 5.3 静岡県のレベルデータに関する定常性の確認
(Phillip‑Penrron test の結果。n=139。)
系列名 トレンドあり トレンドなし ラグ
入職率(製造業) ‑7.850*** ‑7.632*** 4
新規求人数 ‑2.550 ‑2.027 4
所定外労働時間(製造業) ‑1.720 ‑2.017 4
日経商品指数 ‑1.283 ‑1.353 4
企業倒産件数 ‑8.469*** ‑5.432*** 4 不渡手形発生率 ‑8.420*** ‑7.973*** 4
貸出残高 ‑2.769 ‑3.308** 4
東証株価指数 ‑4.336*** ‑4.438*** 4 鉱工業生産指数(鉱工業総合) ‑3.251* ‑2.570 4 鉱工業消費財出荷指数 ‑3.628** ‑2.300 4 大口電力使用量 ‑5.957*** ‑4.020*** 4 大型小売店販売額 ‑6.746*** ‑6.470*** 4 建築着工床面積(鉱工業用) ‑8.347*** ‑6.462*** 4 輸入通関実績 ‑4.504*** ‑2.639* 4
有効求人倍率 ‑0.725 ‑1.185 4
倉庫保管残高 ‑3.185* ‑3.058** 4 雇用保険受給者実人員 ‑1.362 ‑0.923 4
人件費比率 ‑2.245 ‑2.212 4
預貸率(民間金融機関) ‑7.783*** ‑4.364*** 4
県税調定額 ‑3.303* ‑1.713 4
貸出約定平均金利 ‑1.351 ‑0.500 4
簡保新契約数 ‑6.460*** ‑3.320** 4
推計人口 ‑2.475 ‑2.116 4
備考:***は1%、**は5%、*は 10%水準で単位根が存在するという帰無仮説が棄却されることを示す。
備考2:トレンドがある場合の Critical Value は1%が‑4.0268、5%が‑3.4428、10%が‑3.1458 であり、
トレンドがない場合の Critical Value は1%が‑3.4786、5%が‑2.8824、10%が‑2.5778 である。
表 5.4 愛知県のレベルデータに関する定常性の確認
(Phillip‑Penrron test の結果。n=139。)
系列名 トレンドあり トレンドなし ラグ
建築物着工床面積(居住商工サ) ‑8.916*** ‑6.363*** 4 生産財/最終需要財生産比率 ‑6.237*** ‑2.825* 4 金属工作機械受注総額 ‑2.037 ‑2.026 4 鉱工業製品在庫率指数 ‑5.023*** ‑4.028*** 4 新規求人数(合計) ‑1.185 ‑1.641 4 所定外労働時間指数(製造業) ‑1.525 ‑2.140 4 全国銀行貸出残高(名目、前年比)
‑2.727 ‑2.0904 鉱工業生産指数 ‑4.152*** ‑2.952** 4 大口電力消費量 ‑6.460*** ‑6.014*** 4 実質百貨店販売額 ‑7.815*** ‑2.749* 4 投資財生産指数 ‑4.136*** ‑2.025 4 輸入通関実績(名目) ‑5.372*** ‑2.590* 4 有効求人数(合計) ‑0.351 ‑1.395 4 労働時間投入度(製造業) ‑1.809 ‑2.258 4 製造業企業収益率(原系列) ‑2.925 ‑1.509 4 家計消費支出(全世帯、前年比)
‑8.349*** ‑8.379***4 消費者物価指数(前年比、名古屋市)
‑3.071 ‑2.2294 金属工作機械受注残高 ‑1.186 ‑1.338 4 普通営業倉庫保管残高 ‑3.234* ‑3.240** 4 常用雇用指数(製造業) ‑2.858 0.550 4 雇用保険受給者実人員 ‑1.074 ‑1.007 4
簡保新契約数 ‑6.778*** ‑3.309** 4
推計人口 ‑3.507** ‑0.785 4
備考1:***は1%、**は5%、*は 10%水準で単位根が存在するという帰無仮説が棄却されることを示す。
備考2:トレンドがある場合の Critical Value は1%が‑4.0268、5%が‑3.4428、10%が‑3.1458 であり、
トレンドがない場合の Critical Value は1%が‑3.4786、5%が‑2.8824、10%が‑2.5778 である。
表 5.5 三重県のレベルデータに関する定常性の確認
(Phillip‑Penrron test の結果。n=139。)
系列名 トレンドあり トレンドなし ラグ
自動車新規登録台数
‑4.477*** ‑2.4084 新設住宅着工戸数
‑7.160*** ‑5.690***4 鉱工業在庫指数(逆サイクル)
‑2.678 ‑1.6304 新規求人数(一般)
‑2.255 ‑2.597*4 所定外労働時間指数(製造業5人以上)
‑1.808 ‑1.9734 企業倒産件数逆サイクル(原系列)
‑10.250*** ‑6.188***4 銀行貸出平残(前年同月比)
‑2.171 ‑1.9814 鉱工業生産指数
‑4.708*** ‑3.280**4
大口電力使用量
‑2.482 ‑0.5854
百貨店専門店売上高(既店前年同月比)
‑6.189*** ‑6.206***4 鳥羽水族館入場者数
‑4.683*** ‑1.3914 建築着工床面積(鉱工業用)
‑9.748*** ‑8.227***4 輸入通関実績
‑3.576** ‑3.452**4
有効求人倍率
‑0.558 ‑2.2984
家計消費支出(前年同月比、津市)
‑6.314*** ‑6.325***4 消費者物価指数 (前年同月比、四市平均)
‑3.248* ‑2.3524 常用雇用指数(製造業30人以上)
‑1.371 2.2564 雇用保険受給者実人員(逆サイクル)
‑2.608 ‑0.3674 法人事業税調定額(現年+過年)
‑11.373*** ‑10.162***4 貸出約定平均金利(地銀、原系列)
‑1.439 ‑0.4834
簡保新契約数
‑6.827*** ‑3.963***4
推計人口 ‑0.010 ‑2.560 4
備考1:***は1%、**は5%、*は 10%水準で単位根が存在するという帰無仮説が棄却されることを示す。
備考2:トレンドがある場合の Critical Value は1%が‑4.0268、5%が‑3.4428、10%が‑3.1458 であり、
トレンドがない場合の Critical Value は1%が‑3.4786、5%が‑2.8824、10%が‑2.5778 である。